JP3640693B2 - ポータブル型ビール注出バルブ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自在に持ち運びができるポータブル型ビール注出バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
所望の場所にビール注出バルブを移動してビールをグラスに注ぐためのいわゆるポータブル型ビール注出バルブは、例えば実開平3−114800号に開示されたようなものが知られている。すなわち、図4に示すように、従来の可動型注出バルブV0 は、オペレータが把持するための筒状の把持体100を有し、この把持体100に可撓性のチューブ104が接続され、この可撓性チューブ104を介してビールが把持体内に注入される。この把持体100の先端にはビール注出金具101が接続され、このビール注出金具101にはビール注出口106が設けられている。前記注出口106の反対側にはねじ蓋105が設けられ、このねじ蓋105の外方には、引金式レバー102と、補助レバー103とが接続されている。
【0003】
前記引金式レバー102は前記ねじ蓋105から前記ビール注出金具101の軸の反対側まで伸びて、その先端には人差し指を引掛けるための引掛部102aが形成されている。前記引金式レバーの基端部と同一部分から前記補助レバー103が前記引掛部102aとは把持体100に対して反対側において延出されている。
【0004】
ビールをグラスに注出するときには、オペレータは把持体100を把持している手の人差し指又は人差し指と中指で前記引掛部102aを把持して前記把持体100側に前記引金式レバー102を引き寄せる。これによってビールがグラスに注がれる。そして、グラスに一定以上のビールが注出した後に前記引金式レバー102を解放するとそれは元の位置に戻る。これとともに前記補助レバー103にオペレータは親指を押し当てて前記補助レバー103を把持体100側に押し付ける。このとき、前記ビール注出金具内の弁機構が微小開状態にコントロールされ、微小流通状態においてビールを勢いよく噴出させ、この勢いによってビールを泡状とし、この泡をグラスの上部に注出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のポータブル型ビール注出バルブにおいては、前記図4に示すような引金式レバー102によってビール注出動作を行ない、これと反対側に延出された補助レバー103によって泡出作用を行なうようになっているが、これらの操作は、ねじ蓋105外方の基端部分から、それぞれ独立して延出するレバーによって行なうようになっているから、操作時における指の操作レバーへの位置決め及び指の操作レバーへの接触安定性の面から十分でなく、補助レバーが把持体の手での把握の障害になっていたりして、その操作性においても必ずしも満足のゆくものではなかった。そこで本発明は、この操作性を改善し、更に組立てが容易であり、製作も容易で、構造的にもコンパクトなポータブル型ビール注出バルブを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、オペレータが把持する把持体と、前記把持体に取り付けられると共に、注ぎ口を有する注出金具と、前記注出金具内に設けられた弁機構と、前記弁機構に接続されると共に前記注出金具外に延出しており、オペレータの操作に伴って前記弁機構に作用してビール注出作用とビールを泡状にして注出する泡出作用とを行わしめる操作レバーと、を備え、前記操作レバーは、前記把持体の軸に対して一方側に延伸する第1操作部分と、前記第1操作部分に連結されると共に、前記把持体と前記注出金具との接続部分を取り囲むように半リング状に延びる半リング状接続部分と、前記半リング状接続部分に接続されると共に、前記把持体の軸に対して前記第1操作部分とは互いに反対側に位置して延伸する第2操作部分と、を有しており、前記第1操作部分は、前記把持体の側に操作されるようになっており、前記第2操作部分も、前記把持体の側に操作されるようになっていることを特徴とするポータブル型ビール注出バルブである。
【0007】
【作用】
本発明の一例の注出バルブの操作レバー6は、弁機構に接続され前記把持体1の軸に対して一方側に伸びる第1操作部分8,11と、前記把持体1を挟んで反対側に配置された第2操作部分10とは半リング状接続部分9を介して連続して形成され、ビール注出時においては前記第2操作部分を人差し指及び/又は中指で前記把持体1側に引き付け、ビール注出時の最終段階における泡出操作を、オペレータの親指を前記第2操作部分の先端部分周辺に押し当てて前記第1操作部分を把持体1側に押し付ける。本発明の一例の注出バルブにおけるレバーは、前記のような構造を有するため、操作時の指の位置決めがよく、接触安定性が大きいので、親指は半リング状接続部9の案内で位置決めができ、第1操作部分の11部分からこれに近接する半リング状接続部分9の一部まで広い範囲を押し付けられる操作部分として利用できるため、操作時における位置決め、接触安定性の優れた操作ができる。また、操作レバー6を1本のレバーとして連続して形成し、その弁機構への接続部7を形成しているため、組立てが容易であり、製作も容易であるとともに構造的にも極めてコンパクトな構造となっている。
【0008】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の具体的態様を実施例として説明する。
図1において、本発明のポータブル型ビール注出バルブV1 は、オペレータが手で握るための把持体1を有し、この把持体1の後端部分にはチューブ2が接続され、このチューブ2を介してビールが送り込まれる。前記把持体1のチューブ接続側とは反対側にはビール注出金具3が接続され、このビール注出金具3には注ぎ口4が斜めに形成され、その先端には注出管5が設けられている。
【0009】
このビール注出金具3内には、ビールを注出するためのビール注出作用とビール注出作用後にジョッキの上方に泡を載せるための泡出作用の両作用を行なうための弁機構が収納されている。この弁機構には操作レバー6が取付けられ、この操作レバー6の操作によってビール注出作用及び泡出作用の両方が行なわれる。前記操作レバー6は図2に示すように弁機構に接続するための取付部7を有し、この取付部7からは前記把持体1の軸にほぼ平行に腕部8が延出され、この腕部8の先端部分11には半リング状接続部分9が設けられている。この半リング状接続部分9は前記把持体1と注出金具3の接続部分を取り囲むように形成され、前記腕部8の先端と前記半リング状接続部分9との接続部分には押付部(先端部分11付近)が形成される。この押付部を設けた先端部分11から半リング状接続部分9の一部に及ぶ領域がオペレータの親指を押し付ける第1操作部分である。この腕部8とは前記把持体1に対して反対側位置において、前記半リング状接続部分9を介して接続された引金部10が形成されている。前記腕部8とこの先端部分に形成される押付部とは泡出作用時に機能する第1操作部分を形成し、前記引金部10はビール注出作用時に機能する第2操作部分を形成している。
【0010】
次に、弁機構について説明する。
図3において、前記ビール注出金具3はボディ12を有し、このボディ12内には栓棒13が収納されている。この栓棒13の図上右側には弁部14が形成され、この弁部14は前記栓棒13の先端に形成された中空部15を有し、この中空部15内がビール流通空間を形成している。この中空部15の基端部分には通孔16が設けられ、この通孔16を通って泡出時にビールが勢いよく注出されるようになっている。前記中空部15には止めナット17が螺着されている。この止めナット17の中央部分には中空部15にビールを導くための通孔18が設けられている。また、前記中空部15にはスプリングケース19が外嵌し、このスプリングケース19と前記止めナット17の中空部15との係合部分間にはコイルばね20が設けられ、このコイルばね20によって止めナット17が前記栓棒13の中空部15と一体にスプリングケース19に対して軸方向に移動しうるようになっている。前記中空部15の基端部分にはパッキン21が設けられ、このパッキン21が前記ボディ12の内壁に形成された座22に当接することによってビールの注出が停止される。前記栓棒13の図上左側に形成された頭部23内には回動部29と嵌合する楕円孔27が形成されている。前記頭部23の図上更に左側にはスプリングケース24が設けられ、このスプリングケース24内にはスプリング26が収納され、このスプリングケース24は前記頭部23に止めねじ25によって接続されている。前記頭部23内の楕円孔27内には作動棒28の下部回動部29が嵌合し、この下部回動部29は球面を有し、この下部回動部29の上方部分には中間回動部30が形成され、また、この中間回動部30にも球面が形成されている。この球面にはパッキン31が係合し、このパッキン31の上方にはさらに別のパッキン33が設けられ、これらパッキン31,33はキャップ32によってボディ内に固定されている。このキャップ32の上面には球面34が形成され、この球面34に前記操作レバーの取付部7が係合している。この取付部7は作動棒28の上部に固定ナット35によって螺着されている。
【0011】
次に、本発明に係わる操作レバー6とこれに伴なう弁機構の作用について説明する。
図3の弁機構はビール注出を停止している状態を示している。この状態においては前記操作レバーの腕部8は図1に示すように前記把持部1の軸方向にほぼ平行に伸び、さらに前記引金部10は前記把持部1の軸方向に対して斜め下方に伸びている。この状態においてビールを注出したいときにはオペレータは人差し指又は人差し指と中指で第2操作部分をなす引金部10を把持してそれを把持部1側に引き付ける。すると、前記作動棒28は前記中間回動部30を中心として図上反時計方向に回動し、これによって前記栓棒13は図上右側に移動し、パッキン21が、座22から離れてビールは前記パッキン22と、座21間を通って注出管5に至り、さらにそこから図示しないグラスに注ぎ込まれる。ビールがほぼグラスの上面に近づいたときにオペレータは引金部10を解放する。すると、栓棒13は前記栓棒13の頭部23の左側に設けられたコイルばね26の作用によって図上左側に動かされ、前記パッキン22が座21に再び接触をしてビール注出が停止する。この後、オペレータは親指を前記押付部近傍に当て腕部8と押付部近傍とで形成される第1操作部分を前記把持体1側に押し付ける。これによって前記作動棒28は中間回動部30を中心として図3の図上時計方向に回動し、これによって前記栓棒13は図上左側に移動して今度はパッキン21と前記中空部15の基端部間が開いて前記通孔16が開放される。これによってビールは止めナット17の通孔18を経て中空部15に入り、さらにこの中空部15から通孔16を通って注ぎ口4に至る。このときビールは通孔16を通るので勢いよく注出され、これによって泡が形成され、この泡がグラス内のビールの上面に注出される。
【0012】
その後、オペレータが親指を前記押付部11から離せば、前記弁部14内に設けたスプリング20の作用によって前記栓棒13が図上右側に移動して図3の状態すなわちビール注出停止状態となる。
【0013】
【発明の効果】
本発明においては、ポータブル型ビール注出バルブの操作レバーを上記のような形状とすることにより、注出操作時の操作レバーに対する指の位置決め、指の接触安定性を著しく改善することができ、更に、本発明の操作レバーは一本のレバー構造としたため、操作レバーの組立てが容易で、製作も容易であるとともに、コンパクトな構造とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係わるポータブル型ビール注出バルブの正面図である。
【図2】本発明に係わる操作レバーの斜視図である。
【図3】本発明に係わるビール注出金具の縦断面図である。
【図4】従来のポータブル型ビール注出バルブの正面図である。
【符号の説明】
1…把持体
2…チューブ
3…ビール注出金具
6…操作レバー
7…取付部
8…腕部
9…半リング状接続部分
10…引金部
11…腕部8の先端部分
13…栓棒
14…弁部
28…作動棒

Claims (3)

  1. オペレータが把持する把持体と、
    前記把持体に取り付けられると共に、注ぎ口を有する注出金具と、
    前記注出金具内に設けられた弁機構と、
    前記弁機構に接続されると共に前記注出金具外に延出しており、オペレータの操作に伴って前記弁機構に作用してビール注出作用とビールを泡状にして注出する泡出作用とを行わしめる操作レバーと、
    を備え、
    前記操作レバーは、
    前記把持体の軸に対して一方側に延伸する第1操作部分と、
    前記第1操作部分に連結されると共に、前記把持体と前記注出金具との接続部分を取り囲むように半リング状に延びる半リング状接続部分と、
    前記半リング状接続部分に接続されると共に、前記把持体の軸に対して前記第1操作部分とは互いに反対側に位置して延伸する第2操作部分と、
    を有しており、
    前記第1操作部分は、前記把持体の側に操作されるようになっており、
    前記第2操作部分も、前記把持体の側に操作されるようになっている
    ことを特徴とするポータブル型ビール注出バルブ。
  2. 前記第2操作部分が操作されることによって、ビール注出作用が行われるようになっており、
    前記第1操作部分が操作されることによって、泡出作用が行われるようになっている
    ことを特徴とする請求項1に記載のポータブル型ビール注出バルブ。
  3. 前記操作レバーは、1本のレバーによって構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のポータブル型ビール注出バルブ。
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