JP3640559B2 - 生ゴミを含む合併汚水浄化槽 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水の浄化処理に係り、特にディスポーザによって粉砕処理された厨房生ゴミに含まれる炭素を利用してアンモニアを分解し屎尿やその他の雑排水を浄化処理できるようにした生ゴミを含む合併汚水浄化槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭から排出される排水には、屎尿と台所や浴室及び洗濯機からの雑排水があり、台所からの雑排水は固形分を濾過したものが流され、固形分は別に処理されるのが通常である。旧来では、下水の対象が屎尿のみに限られていたが、最近では雑排水も含めて合併処理することが義務付けられるようになった。そして、屎尿を含む汚水や雑排水は下水道を通じて都市下水処理設備に送られるか、家屋ごとまたは集落ごとの小単位で設備された浄化槽で処理されている。
【0003】
一方、ディスポーザが開発されて生ゴミを粉砕して処理することが可能にはなった。しかしながら、わが国ではディスポーザで粉砕処理した排水は下水道処理施設に対する負荷が大きくなることから、そのまま下水道に流すことは現在のところ認可されていない。したがって、生ゴミは固形のまま収集して焼却処理したり堆肥化したりすることで対応しているが、その処理に手間と費用が嵩むほか、異臭の放散等による環境被害が大きい等の問題がある。
【0004】
このように、屎尿やその他の雑排水は下水道に流すかまたは浄化処理設備で浄化して河川へ放流することができるが、粉砕厨房排水を汚水として処理することはできない。その一方で、生ゴミを屎尿等と同時に浄化処理できるようにして、ディスポーザの普及に役立てようとする試みも従来からなされている。たとえば、特開平3−60797号公報には、主として屎尿と雑排水の処理に対応させていた旧来の浄化槽に代えて、生ゴミを含む厨房排水も併せて浄化処理する構成が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先の公報に記載の浄化槽は、生ゴミを含む厨房排水だけを投入して嫌気処理する槽を前段に配置し、後段に屎尿を含む排水を浄化するための旧来の浄化槽を置くという構成である。このように旧来の浄化設備の前段に生ゴミを含む厨房排水を嫌気沈殿処理するための槽を追加するので、装置が複雑化して大型になる。このため、装置の価格も上昇するほか占有面積も大きくなるので、汎用性に乏しくなる。
【0006】
また、生ゴミだけを嫌気性環境で処理するには、生ゴミを雰囲気中に長期間に渡って滞留させる処理時間が必要である。このため、生ゴミの滞留時間を確保するには大型の嫌気槽が必要となり、同様に設備面積も大きくなる。
【0007】
このように、屎尿と厨房排水とを同時に処理できる浄化槽については未だ最適化が進んでいない状況にあり、ディスポーザの普及にも大きな影響を及ぼしている。
【0008】
本発明は、従来では対応できないとされていた粉砕厨房排水を有効に利用して屎尿を効率的に浄化できる小型で簡単な生ゴミを含む合併汚水浄化槽を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
各種の汚水浄化の分野では、嫌気性環境の処理槽内で理想的な嫌気性反応を行わせるための炭素と窒素の割合は10:1といわれている。このため、屎尿だけを嫌気性雰囲気の中で処理するためには、圧倒的に炭素が不足し、アンモニアの分解無機化は果たせない。一方、厨房から出る厨房排水には、多量の炭素を含有した生ゴミが含まれている。
【0010】
そこで、本発明者は、屎尿の嫌気性雰囲気での処理に際して、炭素を厨房の粉砕生ゴミで補充すれば、嫌気性環境内に理想的な割合で炭素と窒素を存在させることができ、嫌気反応が速やかにしかも完全に行われることに着目した。そして、屎尿と粉砕生ゴミとをまず嫌気性環境内で沈殿させるとともに嫌気処理し、つぎに一般雑排水と混入して嫌気・好気処理することで、屎尿の処理が効率的に行えることを知見によって得た。
【0011】
すなわち、本発明の生ゴミを含む合併汚水浄化槽は、上流側から下流側に向けて、少なくとも第1の嫌気性沈殿槽と、第2の嫌気性沈殿槽と、曝気槽と、沈殿槽とを備え、前記第1の嫌気性沈殿槽には屎尿及び粉砕生ゴミを含む排水を底部側に供給する流入路を備え、前記第2の嫌気性沈殿槽には前記屎尿及び粉砕生ゴミを含む排水以外の雑排水を底部側に導く導入路を備え、前記第2の嫌気性沈殿槽には嫌気性菌担体を内蔵し、前記曝気槽には空気を気泡状態として放出する散気装置を備え、上流側から下流側の前記各槽を順に巡って排水を移流可能としたことを特徴とする。
【0012】
更に、鉛直姿勢に設置する円筒状の槽本体と、前記槽本体の内部の底面近傍に吐出端を位置させ屎尿及び粉砕生ゴミを含む排水を供給する主流入路と、前記槽本体の中段部分に吐出端を位置させ前記屎尿及び粉砕生ゴミを含む排水以外の雑排水を投入する雑排水流入路と、前記雑排水流入路の吐出端よりも上方に配置され空気を気泡状態として放出する散気装置と、前記散気装置の上方に配置された沈殿槽とを備え、前記槽本体の底部から前記主流入路の吐出端レベルまでを第1の嫌気性沈殿層とし、前記第1の嫌気性沈殿層の上であって前記散気装置の下レベルまでを第2の嫌気性沈殿層とし、前記第2の嫌気性沈殿層の上であって前記沈殿槽の下レベルまでを好気性沈殿層としたとした構成としてもよい。
【0013】
この場合、前記記沈殿槽から前記第2の嫌気性沈殿層または前記第1の嫌気性沈殿層に向けて処理水を還流させる還流路を備えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の合併汚水の浄化装置の概要を示す要部の縦断面図である。
【0015】
図において、本発明の浄化装置はたとえば地中に埋設される槽本体1を備え、この槽本体1には第1の嫌気性沈殿槽2,第2の嫌気性沈殿槽3,曝気槽4,沈殿槽5及び消毒槽6をそれぞれ区画して設けたものである。
【0016】
第1の嫌気性沈殿槽2は水面側よりも底面側のほうが広い縦断面形状を持つ容器として形成され、槽本体1に流入路2aを形成するともに、隔壁2bによって第2の嫌気性沈殿槽3との間を区画している。流入路2aの上端には屎尿流入路2a−1と粉砕生ゴミを含む排水が供給される厨房排水流入路2a−2とが接続され、屎尿と粉砕生ゴミを含んだ厨房排水が流入路2aに供給される。なお、屎尿流入路2a−1は便所配管に直結したものであればよく、厨房排水流入路2a−2は厨房用シンクの排水管に備えたディスポーザ(図示せず)に流路を接続したものであればよい。
【0017】
第2の嫌気性沈殿槽3は隔壁2bの立ち上がり面に沿って導入路3aを形成し、曝気槽4との間を隔壁3bによって区画したものであり、接触型の嫌気性菌担体3dを内蔵している。導入路3aには、第1の嫌気性沈殿槽2からの処理水に加えて、屎尿及び厨房排水を除くその他の浴室や洗面所等からの比較的汚濁度が小さい雑排水を送り込むための雑排水流入路3a−1を接続している。そして、水面近傍には揚水ポンプ7を備えている。
【0018】
曝気槽4は隔壁3b及び沈殿槽5との間に配置した隔壁4aによって区画され、隔壁4aの下端部と槽本体1の底部との間を開放して沈殿槽5と連通させたものであり、接触型の好気性菌担体4dを収納している。そして、曝気槽4の底面近くに散気装置4bを位置させ、この散気装置4bに接続した空気供給管4cから空気を送り込んで曝気槽4の中の排水に空気を放出できるようにする。
【0019】
沈殿槽5は2台の揚水ポンプ8を第2の嫌気性沈殿槽3のものと同じレベルとして配置したものであり、2台の揚水ポンプ8のそれぞれに供給路8aと還流路8bとが接続された構成である。また、消毒槽6は沈殿槽5との間の隔壁5aからの処理水を受け外部から添加する消毒剤によって処理水を消毒して流出管6aから放流する。
【0020】
ここで、第2の嫌気性沈殿槽3に設ける揚水ポンプ7は図2に示す構成のものが使用できる。
【0021】
図2の(a)はエアリフトポンプであり、上端を開放した容器7aの中に空気供給管7bを差し込むとともに、この空気供給管7bの下端から放出される空気の上昇流に乗せて水を引き上げる揚水管7cを水面より上まで立ち上げた構成を持つ。空気供給管7bはコンプレッサ(図示せず)等の圧縮空気の供給源に接続され、揚水管7cの上端部は横方向に曲げた分岐管7dと空気放出管7eとに別れ、分岐管7dを曝気槽4までの流路管としている。
【0022】
このエアリフトポンプ7は、容器7aの上端を下限水位とするとともに流出管6aを最高水位とし、これらの水位の間で揚水を行う。すなわち、流入量が少ないときには揚水量が優って水位は下限近くまで下がり、流入量が増えたときには揚水量が劣って水面は徐々に上昇する。このように、エアリフトポンプ7は系の流入量の流出量に対するバッファとして機能する。
【0023】
図2の(b)は揚水ポンプ7を電動ポンプ7fとしてその吸引側を最低水位に没するように配置し、吐出側の吐水管7gを最高水位よりも高くして曝気槽4の流路管として備えたものである。そして、水位によって浮沈動作するフロート7hとこれに機械的に連接したスイッチ7iを備え、フロート7hの最低位置でスイッチ7iがオフとなり、揚水を停止する。
【0024】
沈殿槽5に備える2台の揚水ポンプ8も図2で示したものと同様の構成とすることができる。そして、前述のように、2台の揚水ポンプ8のそれぞれには、第2の嫌気性沈殿槽3への還流流路8b及び処理水を消毒槽6に送る供給路8aが個別に接続されている。なお、図1の例では、還流路8bは図中の実線で示すように雑排水流入路3a−1に接続しているが、還流路8bに切換え弁8cを設けて一点鎖線で示す接続流路8dによって第1の嫌気性沈殿槽2の流入路2aに流路を接続してもよい。
【0025】
以上の構成において、屎尿流入路2a−1及び厨房排水流入路2a−2からそれぞれ屎尿及び厨房排水が流入路2aに送り込まれ、雑排水流入路3a−1から雑排水が第2の嫌気性沈殿槽3に流入する。流入路2aからの屎尿及び厨房排水は第1の嫌気性沈殿槽2に流れ込み、沈殿固形分Sと排水中に溶解した物質に分かれるが、両者の多量の炭素が屎尿のアンモニアと嫌気反応を行い、屎尿を分解無機化し、同時に嫌気性菌を増殖する。これにより、発生するメタンガスや炭酸ガス及び窒素ガス等が大気に放出され、増殖した嫌気性菌は排水とともに第2の嫌気性沈殿槽3に移流する。なお、この第1の嫌気性沈殿槽2内では、厨房生ゴミに含まれた多量の炭素によって屎尿の分解反応が速やかに進行するので、堆積した固形分Sも時間とともに嫌気反応が行われ、残存する固形分Sは僅かとなる。
【0026】
屎尿のアンモニア等が分解無機化し、生物体を形成した第1の嫌気性沈殿槽2内の水は導入路3aに流入し、雑排水流入路3a−1からの雑排水と一緒になって第2の嫌気性沈殿槽3内に入り込む。この第2の嫌気性沈殿槽3内には、嫌気性菌担体3dが設置されているので、浮遊物の濾過と嫌気処理が更に促進される。そして、揚水ポンプ7の動作によって処理水は曝気槽4へ移流する。
【0027】
曝気槽4では、散気装置4bから吹き出す気泡と好気性菌担体4dとの接触を繰り返すいわゆるエアレーションによって好気性反応が行われる。
【0028】
曝気槽4で浄化された処理水は隔壁4a下部の間隙から順次沈殿槽5へ移流する。そして、沈殿槽5内の沈殿物は槽内の底面の傾斜によって滑り下りて曝気槽4内に戻され、曝気処理が繰り返される。揚水ポンプ8により、一部は還流路8b側に還流され、一部は消毒槽6に移流する。第2の嫌気性沈殿槽3または第1の嫌気性沈殿槽2へ還流させた処理水は脱窒作用を受け、不活性ガスを放出する。すなわち、曝気槽4内でアンモニア性窒素が硝化細菌による硝化作用によって亜硝酸性窒素もしくは硝酸性窒素に酸化され、この硝化された排水が還流されて第1または第2の嫌気性沈殿槽2,3内の嫌気の条件下に置かれると、脱窒細菌が作用して窒素が還元放出される。そして、消毒槽6に送り込まれた排水は消毒処理され、流出管6aから放流される。
【0029】
このように、屎尿を粉砕厨房排水と一緒に第1の嫌気性沈殿槽2に送り込み、粉砕厨房排水の固形生ゴミ分に含まれる多量の炭素を利用して屎尿のアンモニアを無機分解することができる。したがって、従来例のように生ゴミ成分を嫌気処理した後に厨房排水に屎尿を混ぜる構成に比べると、炭素を活用した屎尿の嫌気反応が大幅に促進され、屎尿処理がより一層効率化される。
【0030】
図3は占有平面積を更に小さくし且つ簡単な構成で屎尿,粉砕厨房排水,雑排水の浄化処理ができるようにした浄化装置の概略を示す縦断面図である。
【0031】
この例は、地中から約20m程度の深さまで鉛直に打設された槽本体11を浄化装置の主部としたもので、槽本体11は有底の円筒状である。この槽本体11には、屎尿とディスポーザからの厨房排水を槽本体11の底部近傍まで送り込む主流入管12を同軸上に配置するとともに、槽本体11の底部から約半分の高さに下端を位置させた雑排水流入管13を備えている。また、雑排水流入管13の上側には、嫌気性菌担体14,散気装置15,好気性菌担体16,沈殿槽17をそれぞれ所定の間隔をおいて配列している。
【0032】
嫌気性菌担体14は排水の浮遊物の濾過と嫌気性反応とを促すためのものである。散気装置15は地上に配置したコンプレッサ等の空気供給源に空気供給管15aを接続し、好気性菌担体16の下側からエアレーションのために空気を吹き出す。
【0033】
また、沈殿槽17の直ぐ下には揚水ポンプ18を配置し、その吐出管18aを沈殿槽17の上端まで延ばしてその吐出端から処理水を沈殿槽17に供給できるようにしている。この揚水ポンプ18は、先の例と同様に上下の水位の間で作動し、流入水の急激な変化に対して流出流量のバッファとして機能する。そして、沈殿槽17の水面近くには還流ポンプ19を配置し、この還流ポンプ19には沈殿槽17の中の処理水を嫌気性菌担体14の下側に戻すための還流管19aを接続している。この還流管19aの下端の位置は雑排水流入管13の下端と一致させたものである。また、槽本体11の外部であって地上に近い部分には沈殿槽17からの処理水が移流し、この処理水に消毒剤を添加して放流する消毒槽20を備えている。
【0034】
以上の構成において、主流入管12には屎尿と粉砕厨房排水との複合排水が送り込まれる。この複合排水は主流入管12の下端から槽本体11の底部の近傍に供給され、固形分を沈殿させた後、層状をなしてその流入量に相応して上昇していく。そして、その上昇中に、生ゴミに含まれた炭素と屎尿のアンモニアが嫌気性反応を行い、生物を増殖するとともに分解無機化される。
【0035】
一方、雑排水流入管13からは浴槽や洗面所等からの比較的汚濁濃度が小さい雑排水が供給される。雑排水流入管13の下端は層状の上昇流を攪拌しないような形状としている。したがって、雑排水流入管13の下端部に相当する部分を境界としてその下側に複合排水の一次流動層A及び上側に複合排水に雑排水が加わる二次流動層Bに分離することができる。
【0036】
また、嫌気性菌担体14の上方には散気装置15が配置され、放出された空気は気泡となって上昇する。したがって、散気装置15の下側では処理過程にある屎尿,厨芥排水,雑排水の二次流動層Bがそのまま維持され、上側では気泡が新たに加わる三次流動層Cを形成し、三次流動層Cも同様に分離される。そして、一次及び二次の流動層A,Bでは嫌気性菌が棲息し、三次流動層Cでは好気性菌が棲息し、嫌気性と好気性の菌が無用に混ざり合うことがなく、それぞれの菌作用による汚水の浄化機能が維持される。
【0037】
以上のことから、一次流動層Aは屎尿が粉砕厨房排水の炭素によって分解無機化する第1の嫌気性沈殿層を形成し、二次流動槽Bは雑排水が混入され嫌気性菌担体14による濾過と沈殿を含む嫌気反応を行う第2の嫌気性沈殿層を形成する。そして、三次流動層Cでは、供給される空気と好気性菌担体16による曝気槽を形成し、曝気処理された水が揚水ポンプ18によって最終沈殿槽17に押し上げられる。したがって、図3に示した円筒状の槽本体11による浄化装置は、図1で示した槽本体1の中に平面配列された各槽による処理体系と実質的に同じであり、一次流動層Aでは屎尿に対して粉砕厨房排水の炭素の全てを分解無機化に充てることができる。このため、従来例のように生ゴミ成分を単独で沈殿曝気処理した後の粉砕厨房排水に屎尿を送り込む構成に比べると、屎尿処理がより一層効率化される。
【0038】
また、沈殿槽17に送り込まれた処理水は必要に応じて還流ポンプ19により還流管19aを経由して二次流動層Bまで戻す操作を行う。この場合、還流管19aの下端は雑排水供給管13と同様な形状とすることで、還流水は二次流動層B内を上昇する向きに流れ、一次流動層Aに入り込むことはない。このように沈殿槽17から処理水を還流させることで硝化脱窒が繰り返され、臭気の除去も促進される。
【0039】
なお、還流管19aを図中の一点鎖線で示すように一次流動層Aの下端部まで延ばしたものとし、二次流動層B側から一次流動層A側に切り換えて還流させるようにしてもよい。この場合でも、二次次流動層B側に還流した場合と同様な効果が期待でき、供給された厨芥排水に含まれる豊富な炭素によってアンモニアの分解無機化が繰り返されるので、屎尿の浄化度を上げることができる。
【0040】
以上のように、厨房排水はディスポーザで粉砕されたものを使用するが、沈殿した固形分も屎尿の存在によって速やかに分解無機化され、最終的にはセルローズ等の僅かな残滓が残るだけとなる。また、処理水は河川に放流することも可能で、条例の改正などによっては都市下水道に放流することもできる。結果的に、生ゴミを合理的に環境に被害を与えることなく処理できることになる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明では、粉砕生ゴミを含む厨房排水を屎尿と一緒に第1の嫌気性沈殿槽に投入し、第2の嫌気性沈殿槽で雑排水と合流させて曝気して濾過浄化するので、理想的な炭素と窒素との量比のもとに嫌気性反応が行われる。したがって、嫌気性反応を速くしかも完全に行わせることができ、生ゴミの処理の手間が省けると同時に屎尿の浄化効率を上げることができる。また、第1の嫌気性沈殿槽は小さくて済むので、装置全体の小型化も図られる。
【0042】
請求項2の発明では、円筒状の槽本体に請求項1の発明と同様の浄化機能を備えることができるので、槽本体1を地中に埋設すればその地上の占有面積を更に小さくできる。したがって、設置面積の大小による施工条件の制約を受けることがなく、施工費用も削減できる。
【0043】
請求項3の発明では、円筒状の槽本体の内部を3層の反応区分に分けて嫌気・好気循環による窒素の除去が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の浄化処理装置の概要を示す要部の縦断面図である。
【図2】 揚水ポンプの概略図であって、(a)はエアリフトポンプを利用した例、(b)は電動ポンプを利用した例の図である。
【図3】 円筒状の本体を備える浄化装置処理装置の例を示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 槽本体
2 第1の嫌気性沈殿槽
2a 流入路
2a−1 屎尿流入路
2a−2 厨房排水流入路
2b 隔壁
3 第2の嫌気性沈殿槽
3a 導入路
3a−1 雑排水流入路
3d 嫌気性菌担体
4 曝気槽
4a 隔壁
4b 散気装置
4c 空気供給管
4d 好気性菌担体
5 沈殿槽
5a 隔壁
6 消毒槽
6a 流出管
7,8,9 揚水ポンプ
11 槽本体
12 主流入管
13 雑排水流入管
14 嫌気性菌担体
15 散気装置
16 好気性菌担体
17 沈殿槽
18 揚水ポンプ
19 還流ポンプ
19a 還流管
20 消毒槽
A 一次流動層
B 二次流動層
C 三次流動層

Claims (2)

  1. 鉛直姿勢に設置する円筒状の槽本体と、前記槽本体の内部の底面近傍に吐出端を位置させ屎尿及び粉砕生ゴミを含む排水を供給する主流入路と、前記槽本体の中段部分に吐出端を位置させ前記屎尿及び粉砕生ゴミを含む排水以外の雑排水を投入する雑排水流入路と、前記雑排水流入路の吐出端よりも上方に配置され空気を気泡状態として放出する散気装置と、前記散気装置の上方に配置された沈殿槽とを備え、前記槽本体の底部から前記主流入路の吐出端レベルまでを第1の嫌気性沈殿層とし、前記第1の嫌気性沈殿層の上であって前記散気装置の下レベルまでを第2の嫌気性沈殿層とし、前記第2の嫌気性沈殿層の上であって前記沈殿槽の下レベルまでを好気性沈殿層としたことを特徴とする生ゴミを含む合併汚水浄化槽。
  2. 前記沈殿槽から前記第2の嫌気性沈殿層または前記第1の嫌気性沈殿層に向けて処理水を還流させる還流路を備えたことを特徴とする請求項記載の生ゴミを含む合併汚水浄化槽。
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