JP3640448B2 - 中性点接地抵抗装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、変圧器巻線の中性点を抵抗装置を介して接地する電力用の中性点接地抵抗装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている中性点接地抵抗装置は、例えば、ケース内に抵抗素体をグリッド状に配置して形成した複数台の抵抗器によって構成されている。据付に際しては、個々の抵抗器を直列接続した状態で支持碍子を介して横1列状態で据付られており、これら抵抗器のうち、最前列の抵抗器は変圧器巻線の中性点に、最終列に位置する抵抗器は接地線にそれぞれ接続されている。そして、抵抗装置を構成する各抵抗器は、気中絶縁方式により絶縁・冷却されているだけであるので、中性点の大地間電位が上昇した場合ケース自体が高電圧となる結果、設置場所の周囲は一般に安全対策の関係から保護フェンス等が設けられている。
【0003】
然るに、前記抵抗装置は気中絶縁方式が採用されている関係上、装置自体が大形化するのを回避することが難しいという問題があった。又、抵抗素体が外気と接触するため、塩害地域等雰囲気の悪い場所での使用は抵抗素体が劣化する等の問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記の問題を解決するために近年になり、所定数の抵抗素板を絶縁部材を介在させて複数層積層して構成した抵抗器を、密閉したタンク内に収容設置し、このタンク内にSF6 ガス等の絶縁ガスを定量充填して構成した抵抗装置が使用されるようになってきた。ところが、前記絶縁ガスを充填した抵抗装置においては、抵抗素板に電流が流れると、抵抗分に応じた熱がそのまま抵抗素板から直接熱放散させて絶縁ガスの温度を急上昇させ、これによりタンク内の圧力が異常に高くなる結果、タンク自体は耐圧力に優れた高価なものを使用する必要があった。
【0005】
又、前記抵抗素板の温度が上昇すると、その温度によって絶縁ガスが分解されて有害な分解ガスが発生してこれがタンク内に蓄積されるため、この結果、抵抗素板の温度を下げることが困難となるばかりか、分解ガスが抵抗素板や絶縁部材と接触し、これらの部材を劣化損傷させ抵抗装置の寿命を短くする等の問題があった。
【0006】
更に、抵抗素板を複数層にわたり絶縁部材を介挿して抵抗器を構成していたので、抵抗器の内部は抵抗素板の熱が隠って冷却されにくい状態にあるため、抵抗素板の温度が降下する前に抵抗装置が再び動作すると、抵抗素板の温度が許容温度以上に上昇し、抵抗器自体を損壊させるおそれがあった。
【0007】
本発明は、前記の種々な問題に鑑み、抵抗器に電流が流れることによって生ずる抵抗素板の温度上昇を金属製の熱吸収部材によって抑制し、抵抗素板の発熱によりこの抵抗素板を被覆する絶縁部材が、絶縁ガスの分解ガスによってその絶縁性能が低下するのを防止するようにした中性点接地抵抗装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の問題点に鑑み、抵抗素板を耐熱性の絶縁部材により挟持被覆し、これを複数層にわたり積層するとともに、該抵抗素板にステンレス鋼板等金属製の熱吸収部材を電気的に接続してこの抵抗素板を前記一対の熱吸収部材間で挟持し、更に、前記抵抗素板と熱吸収部材との間に耐熱性に優れた薄手の絶縁シートを介挿して抵抗素板と熱吸収部材とからなる抵抗素体を形成し、この抵抗素体を厚手の絶縁部材を介挿して所要層積層することによって抵抗器を形成する。
【0009】
ついで、前記抵抗器をタンク内の底部に取付けた支持碍子上に下側支持板を介して載置固定し、抵抗器の上部側は上部支持板を乗載し、これら上,下一対の支持板を合成樹脂からなる絶縁性の締付用スタッドボルト、あるいは、磁器碍子を用いて締着することにより、複数の抵抗素体を積層して設けた抵抗器を良好に挟持固定する。このあと、タンク内にSF6 ガス等の絶縁ガスを定量充填して中性点接地抵抗装置を構成する。
【0010】
【作用】
前記構成の抵抗装置において、今、例えば1線地絡の事故が生じて地絡電流が抵抗素板に流れ、この抵抗素板が前記地絡電流により発熱した場合、抵抗素板に電気的に接続された熱吸収部材に、前記抵抗素板に発生した熱が薄手の絶縁シートを介して吸収されるため、抵抗素板はその温度上昇を効果的に抑制することができる。一方、抵抗器を構成する各抵抗素体間には、その上下方向において介挿した厚手の耐熱性に優れたシート状の絶縁部材によって積層・被覆されているので、抵抗素板の熱がこの部位から大量に、かつ、短時間で放散されるのを良好に防ぐことができるため、抵抗器からの急激な熱放散による絶縁ガスの温度上昇を抑制・緩和することが可能となり、タンク内の圧力上昇を効果的に阻止することができ、かつ、絶縁ガスの熱分解を良好に防ぐことができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1ないし図5によって説明する。図1において、1は例えば、変電所内に設置した変圧器、2は変圧器1の横に設置した本発明の中性点設置抵抗装置(以下、抵抗装置という)で、この抵抗装置2はその入力側の碍子3を介して変圧器1の中性点ブッシング4に接続ケーブル5を用いて接続される。そして、前記抵抗装置2は図1で示すように、後述する抵抗素板を所定段数積層して構成した抵抗器6と、この抵抗器6を収容設置してSF6 ガス等絶縁ガスを定量充填した図1で示すタンク7とによって概略構成されている。
【0012】
次に前記抵抗器6の構成について説明する。この抵抗器6は図5で示すように、ステンレス鋼板等導電性の金属板をジグザグ状に打抜き加工した複数枚の抵抗素板8を所要枚数重ねるとともに、これら抵抗素板8をマイカ,アルミナ,シリカ等耐熱性の絶縁部材を薄肉状に形成した絶縁シート9a,9aを介して一対の吸収部材10により挟持し、これら、抵抗素板8の一方の端面の突出端8cと、前記一対の熱吸収部材10の突出端10aとを図3で示すように、前記熱吸収部材10に電位を付与するために溶接等により固着して電気的に接続することにより抵抗素体11を形成し、これら、抵抗素体11を図2に示すように、各層毎にマイカ、アルミナ,セラミック等からなる肉厚で耐熱性に優れたシート状の絶縁部材9を介して所要数積層することにより、概略構成されている。
【0013】
そして、前記抵抗素体11を形成するに際しては、抵抗素板8を挟持する一対の熱吸収部材10が図5に示すように、抵抗素板8の各抵抗路幅Wよりやや狭幅となし、又、抵抗路長Lとは同一長さを有して矩形状に形成されており、前記抵抗路長Lと対応する長さ方向の一方端には、前記のように抵抗素板8の突出端8cを挟着するための突出端10aを一体的に形成して、ステンレス鋼板等導電性の金属板を用いて矩形状に設けられている。
【0014】
前記熱吸収部材10を抵抗素板8上に配設する場合は、図5で示すように、抵抗素板8の上,下面に薄手の絶縁シート9a,9aをあてがい、これら、絶縁シート9a,9aの上,下面において、抵抗素板8の各抵抗器幅Wと対応する位置で所定の絶縁間隔を保って所定枚数配設し、このあと、図2,3で示すように、抵抗素板8の突出端8cと熱吸収部材10,10の突出端10a,10aとを電位が得られるように電気的に接続することによって抵抗素体11を形成するものである。そして、前記抵抗素体11は図2で示すように、絶縁部材9を各層毎に介して所要段数積層することによって抵抗器6を構成する。
【0015】
前記のようにして抵抗器6を構成したら、図2,4で示すように、各層の抵抗素体11から突出する抵抗素板8の出力端子8bと前層の抵抗素体11の入力端子8aとを溶接等にて接続することにより、即ち、各層抵抗素体11の抵抗素板8を直列に接続して抵抗器6の最終組立を終える。なお、各層の抵抗素体11の入,出力端子8a,8bを接続する場合は、必要に応じて前記抵抗器6を組立てる以前の抵抗素体11を形成した段階で接続するようにしてもよい。
【0016】
抵抗器6の組立が終了したら、この抵抗器6をタンク7内の支持碍子12上に前記抵抗器6と電気的に接続した下部支持板13を介して載置し、抵抗器6の上部側にこの抵抗器6と電気的に接続して配置した上部支持板14と前記下部支持板13とを、絶縁性の締付用スタッドボルト19を用いて締付固定し、抵抗器6を前記上,下部の支持板14,13により挟持固定してタンク7内に揺動不能に収容設置する。なお、上,下部の支持板14,13は抵抗器6の組立を終了した時点で取付けるようにしてもよい。
【0017】
又、図2において、15は上部支持板14に被着した電界緩和シールドである。更に、図1で示す16は抵抗器6の上部支持板14と入力側碍子3とを接続する接続導体、17は下部支持板13と出力側碍子18とを接続する接続導体であり、この接続導体17は接地線20を介して地中に接地されている。前記のようにして、抵抗器6をタンク7に組込んだらこのタンク7内にSF6 ガス等の絶縁ガスを所定の圧力で充填する。
【0018】
次に、動作について説明する。送電系統において1線地絡事故等が生じ、変圧器1の中性点ブッシング4から接続ケーブル5→接続導体16を経て抵抗器6に数秒間大電流が流れると、抵抗器6を構成する各抵抗素板8はその抵抗分又は電力量に応じた熱を生ずる。前記各抵抗素板8に発生した熱は抵抗器6の外部に放散されようとする。この場合、各抵抗素体11間には耐熱性の絶縁部材9が介挿されており、しかも、前記抵抗素板8と熱吸収部材10との間には、薄手の絶縁シート9a,9aが介挿されているので、前記抵抗素板8の発熱と同時に、その熱は各抵抗素体11に取付けた一対の熱吸収部材10,10に絶縁シート9a,9aを介して吸収蓄熱されるので、抵抗素板8に残存する熱を良好に軽減し、前記大電流通電時における抵抗素板8の温度上昇を抑制するとともに、この抵抗素板8に発生した熱及び熱吸収部材10に蓄熱した熱を徐々に放散させる。
【0019】
このように、抵抗素板8に発生した熱は、前記のように、急激に抵抗素板8から放熱されることなく、抵抗素板8に絶縁シート9a,9aを介して面接触している熱吸収部材10に吸収蓄熱されて徐々に絶縁ガスに伝達されるため、絶縁ガスは抵抗素板8の熱によって熱分解することなく温められることになる。
【0020】
この結果、絶縁ガスは抵抗素板8の電流通電時に発生する熱によって急激な温度及び圧力が上昇するのを効果的に抑制できる。従って、絶縁ガスは抵抗素板8への通電時における発熱によって熱分解するのを良好に抑制し、その絶縁性能を長期にわたり維持できるとともに、分解ガスの発生が抑制されるため、分解ガスによる絶縁部材9,抵抗素板8の劣化損傷を良好に回避することができる。しかも、前記抵抗素板8と熱吸収部材10は電気的に接続されているものの、両者の電位差は小さいため、絶縁シート9a,9aは比較的薄いものが使用できるので、抵抗素板8の熱を良好に熱吸収部材10に吸収蓄熱させることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、抵抗器を構成する抵抗素板に、金属製の熱吸収部材を電気的に接続して抵抗器の熱容量を大きくするとともに、前記熱吸収部材が接続された抵抗素板を上下方向からシート状の絶縁部材にて挟持したので、前記抵抗素板が通電により発熱した際、抵抗素板の熱を熱吸収部材に良好に吸収蓄熱させて、抵抗素板の熱が外部に放散されるのを抑制することができるため、抵抗素板の発熱によって絶縁ガスの温度及び圧力が急激に上昇するのを良好に抑制・緩和することができる。
【0022】
しかも、抵抗素板と熱吸収部材とは電位を得るため電気的に接続されているものの、両者の電位差は非常に小さいので、抵抗素板と熱吸収部材との間に介挿する絶縁シートは極力薄いものを使用することが可能となり、抵抗素板の発熱を熱吸収部材によって迅速に吸収蓄熱することができる。
【0023】
このように、本発明においては抵抗器が通電により発熱したとき、抵抗器内部の抵抗素板からの放散を金属製の熱吸収部材を用いて極力抑制するようにしたので、抵抗器自体は通電による発熱を瞬時に放熱することなく、絶縁ガスの熱分解を効果的に抑制することができるとともに、これによって絶縁部材の劣化損傷が回避でき、抵抗器の繰り返し使用を可能としてその長寿命化をはかり、信頼性に優れた中性点接地抵抗装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中性点接地抵抗装置の使用状態を示す断面図である。
【図2】抵抗器の縦断側面図である。
【図3】抵抗素板と熱吸収部材の接続関係を示す斜視図である。
【図4】抵抗素板の入力端子と出力端子との接続関係を示す斜視図である。
【図5】抵抗素体の要部を分解して示す斜視図である。
【符号の説明】
2 中性点接地抵抗装置
6 抵抗器
7 タンク
8 抵抗素板
8c 突出端
9 絶縁部材
9a 絶縁シート
10 熱吸収部材
10a 突出端
11 抵抗素体
【産業上の利用分野】
本発明は、変圧器巻線の中性点を抵抗装置を介して接地する電力用の中性点接地抵抗装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている中性点接地抵抗装置は、例えば、ケース内に抵抗素体をグリッド状に配置して形成した複数台の抵抗器によって構成されている。据付に際しては、個々の抵抗器を直列接続した状態で支持碍子を介して横1列状態で据付られており、これら抵抗器のうち、最前列の抵抗器は変圧器巻線の中性点に、最終列に位置する抵抗器は接地線にそれぞれ接続されている。そして、抵抗装置を構成する各抵抗器は、気中絶縁方式により絶縁・冷却されているだけであるので、中性点の大地間電位が上昇した場合ケース自体が高電圧となる結果、設置場所の周囲は一般に安全対策の関係から保護フェンス等が設けられている。
【0003】
然るに、前記抵抗装置は気中絶縁方式が採用されている関係上、装置自体が大形化するのを回避することが難しいという問題があった。又、抵抗素体が外気と接触するため、塩害地域等雰囲気の悪い場所での使用は抵抗素体が劣化する等の問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記の問題を解決するために近年になり、所定数の抵抗素板を絶縁部材を介在させて複数層積層して構成した抵抗器を、密閉したタンク内に収容設置し、このタンク内にSF6 ガス等の絶縁ガスを定量充填して構成した抵抗装置が使用されるようになってきた。ところが、前記絶縁ガスを充填した抵抗装置においては、抵抗素板に電流が流れると、抵抗分に応じた熱がそのまま抵抗素板から直接熱放散させて絶縁ガスの温度を急上昇させ、これによりタンク内の圧力が異常に高くなる結果、タンク自体は耐圧力に優れた高価なものを使用する必要があった。
【0005】
又、前記抵抗素板の温度が上昇すると、その温度によって絶縁ガスが分解されて有害な分解ガスが発生してこれがタンク内に蓄積されるため、この結果、抵抗素板の温度を下げることが困難となるばかりか、分解ガスが抵抗素板や絶縁部材と接触し、これらの部材を劣化損傷させ抵抗装置の寿命を短くする等の問題があった。
【0006】
更に、抵抗素板を複数層にわたり絶縁部材を介挿して抵抗器を構成していたので、抵抗器の内部は抵抗素板の熱が隠って冷却されにくい状態にあるため、抵抗素板の温度が降下する前に抵抗装置が再び動作すると、抵抗素板の温度が許容温度以上に上昇し、抵抗器自体を損壊させるおそれがあった。
【0007】
本発明は、前記の種々な問題に鑑み、抵抗器に電流が流れることによって生ずる抵抗素板の温度上昇を金属製の熱吸収部材によって抑制し、抵抗素板の発熱によりこの抵抗素板を被覆する絶縁部材が、絶縁ガスの分解ガスによってその絶縁性能が低下するのを防止するようにした中性点接地抵抗装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の問題点に鑑み、抵抗素板を耐熱性の絶縁部材により挟持被覆し、これを複数層にわたり積層するとともに、該抵抗素板にステンレス鋼板等金属製の熱吸収部材を電気的に接続してこの抵抗素板を前記一対の熱吸収部材間で挟持し、更に、前記抵抗素板と熱吸収部材との間に耐熱性に優れた薄手の絶縁シートを介挿して抵抗素板と熱吸収部材とからなる抵抗素体を形成し、この抵抗素体を厚手の絶縁部材を介挿して所要層積層することによって抵抗器を形成する。
【0009】
ついで、前記抵抗器をタンク内の底部に取付けた支持碍子上に下側支持板を介して載置固定し、抵抗器の上部側は上部支持板を乗載し、これら上,下一対の支持板を合成樹脂からなる絶縁性の締付用スタッドボルト、あるいは、磁器碍子を用いて締着することにより、複数の抵抗素体を積層して設けた抵抗器を良好に挟持固定する。このあと、タンク内にSF6 ガス等の絶縁ガスを定量充填して中性点接地抵抗装置を構成する。
【0010】
【作用】
前記構成の抵抗装置において、今、例えば1線地絡の事故が生じて地絡電流が抵抗素板に流れ、この抵抗素板が前記地絡電流により発熱した場合、抵抗素板に電気的に接続された熱吸収部材に、前記抵抗素板に発生した熱が薄手の絶縁シートを介して吸収されるため、抵抗素板はその温度上昇を効果的に抑制することができる。一方、抵抗器を構成する各抵抗素体間には、その上下方向において介挿した厚手の耐熱性に優れたシート状の絶縁部材によって積層・被覆されているので、抵抗素板の熱がこの部位から大量に、かつ、短時間で放散されるのを良好に防ぐことができるため、抵抗器からの急激な熱放散による絶縁ガスの温度上昇を抑制・緩和することが可能となり、タンク内の圧力上昇を効果的に阻止することができ、かつ、絶縁ガスの熱分解を良好に防ぐことができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1ないし図5によって説明する。図1において、1は例えば、変電所内に設置した変圧器、2は変圧器1の横に設置した本発明の中性点設置抵抗装置(以下、抵抗装置という)で、この抵抗装置2はその入力側の碍子3を介して変圧器1の中性点ブッシング4に接続ケーブル5を用いて接続される。そして、前記抵抗装置2は図1で示すように、後述する抵抗素板を所定段数積層して構成した抵抗器6と、この抵抗器6を収容設置してSF6 ガス等絶縁ガスを定量充填した図1で示すタンク7とによって概略構成されている。
【0012】
次に前記抵抗器6の構成について説明する。この抵抗器6は図5で示すように、ステンレス鋼板等導電性の金属板をジグザグ状に打抜き加工した複数枚の抵抗素板8を所要枚数重ねるとともに、これら抵抗素板8をマイカ,アルミナ,シリカ等耐熱性の絶縁部材を薄肉状に形成した絶縁シート9a,9aを介して一対の吸収部材10により挟持し、これら、抵抗素板8の一方の端面の突出端8cと、前記一対の熱吸収部材10の突出端10aとを図3で示すように、前記熱吸収部材10に電位を付与するために溶接等により固着して電気的に接続することにより抵抗素体11を形成し、これら、抵抗素体11を図2に示すように、各層毎にマイカ、アルミナ,セラミック等からなる肉厚で耐熱性に優れたシート状の絶縁部材9を介して所要数積層することにより、概略構成されている。
【0013】
そして、前記抵抗素体11を形成するに際しては、抵抗素板8を挟持する一対の熱吸収部材10が図5に示すように、抵抗素板8の各抵抗路幅Wよりやや狭幅となし、又、抵抗路長Lとは同一長さを有して矩形状に形成されており、前記抵抗路長Lと対応する長さ方向の一方端には、前記のように抵抗素板8の突出端8cを挟着するための突出端10aを一体的に形成して、ステンレス鋼板等導電性の金属板を用いて矩形状に設けられている。
【0014】
前記熱吸収部材10を抵抗素板8上に配設する場合は、図5で示すように、抵抗素板8の上,下面に薄手の絶縁シート9a,9aをあてがい、これら、絶縁シート9a,9aの上,下面において、抵抗素板8の各抵抗器幅Wと対応する位置で所定の絶縁間隔を保って所定枚数配設し、このあと、図2,3で示すように、抵抗素板8の突出端8cと熱吸収部材10,10の突出端10a,10aとを電位が得られるように電気的に接続することによって抵抗素体11を形成するものである。そして、前記抵抗素体11は図2で示すように、絶縁部材9を各層毎に介して所要段数積層することによって抵抗器6を構成する。
【0015】
前記のようにして抵抗器6を構成したら、図2,4で示すように、各層の抵抗素体11から突出する抵抗素板8の出力端子8bと前層の抵抗素体11の入力端子8aとを溶接等にて接続することにより、即ち、各層抵抗素体11の抵抗素板8を直列に接続して抵抗器6の最終組立を終える。なお、各層の抵抗素体11の入,出力端子8a,8bを接続する場合は、必要に応じて前記抵抗器6を組立てる以前の抵抗素体11を形成した段階で接続するようにしてもよい。
【0016】
抵抗器6の組立が終了したら、この抵抗器6をタンク7内の支持碍子12上に前記抵抗器6と電気的に接続した下部支持板13を介して載置し、抵抗器6の上部側にこの抵抗器6と電気的に接続して配置した上部支持板14と前記下部支持板13とを、絶縁性の締付用スタッドボルト19を用いて締付固定し、抵抗器6を前記上,下部の支持板14,13により挟持固定してタンク7内に揺動不能に収容設置する。なお、上,下部の支持板14,13は抵抗器6の組立を終了した時点で取付けるようにしてもよい。
【0017】
又、図2において、15は上部支持板14に被着した電界緩和シールドである。更に、図1で示す16は抵抗器6の上部支持板14と入力側碍子3とを接続する接続導体、17は下部支持板13と出力側碍子18とを接続する接続導体であり、この接続導体17は接地線20を介して地中に接地されている。前記のようにして、抵抗器6をタンク7に組込んだらこのタンク7内にSF6 ガス等の絶縁ガスを所定の圧力で充填する。
【0018】
次に、動作について説明する。送電系統において1線地絡事故等が生じ、変圧器1の中性点ブッシング4から接続ケーブル5→接続導体16を経て抵抗器6に数秒間大電流が流れると、抵抗器6を構成する各抵抗素板8はその抵抗分又は電力量に応じた熱を生ずる。前記各抵抗素板8に発生した熱は抵抗器6の外部に放散されようとする。この場合、各抵抗素体11間には耐熱性の絶縁部材9が介挿されており、しかも、前記抵抗素板8と熱吸収部材10との間には、薄手の絶縁シート9a,9aが介挿されているので、前記抵抗素板8の発熱と同時に、その熱は各抵抗素体11に取付けた一対の熱吸収部材10,10に絶縁シート9a,9aを介して吸収蓄熱されるので、抵抗素板8に残存する熱を良好に軽減し、前記大電流通電時における抵抗素板8の温度上昇を抑制するとともに、この抵抗素板8に発生した熱及び熱吸収部材10に蓄熱した熱を徐々に放散させる。
【0019】
このように、抵抗素板8に発生した熱は、前記のように、急激に抵抗素板8から放熱されることなく、抵抗素板8に絶縁シート9a,9aを介して面接触している熱吸収部材10に吸収蓄熱されて徐々に絶縁ガスに伝達されるため、絶縁ガスは抵抗素板8の熱によって熱分解することなく温められることになる。
【0020】
この結果、絶縁ガスは抵抗素板8の電流通電時に発生する熱によって急激な温度及び圧力が上昇するのを効果的に抑制できる。従って、絶縁ガスは抵抗素板8への通電時における発熱によって熱分解するのを良好に抑制し、その絶縁性能を長期にわたり維持できるとともに、分解ガスの発生が抑制されるため、分解ガスによる絶縁部材9,抵抗素板8の劣化損傷を良好に回避することができる。しかも、前記抵抗素板8と熱吸収部材10は電気的に接続されているものの、両者の電位差は小さいため、絶縁シート9a,9aは比較的薄いものが使用できるので、抵抗素板8の熱を良好に熱吸収部材10に吸収蓄熱させることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、抵抗器を構成する抵抗素板に、金属製の熱吸収部材を電気的に接続して抵抗器の熱容量を大きくするとともに、前記熱吸収部材が接続された抵抗素板を上下方向からシート状の絶縁部材にて挟持したので、前記抵抗素板が通電により発熱した際、抵抗素板の熱を熱吸収部材に良好に吸収蓄熱させて、抵抗素板の熱が外部に放散されるのを抑制することができるため、抵抗素板の発熱によって絶縁ガスの温度及び圧力が急激に上昇するのを良好に抑制・緩和することができる。
【0022】
しかも、抵抗素板と熱吸収部材とは電位を得るため電気的に接続されているものの、両者の電位差は非常に小さいので、抵抗素板と熱吸収部材との間に介挿する絶縁シートは極力薄いものを使用することが可能となり、抵抗素板の発熱を熱吸収部材によって迅速に吸収蓄熱することができる。
【0023】
このように、本発明においては抵抗器が通電により発熱したとき、抵抗器内部の抵抗素板からの放散を金属製の熱吸収部材を用いて極力抑制するようにしたので、抵抗器自体は通電による発熱を瞬時に放熱することなく、絶縁ガスの熱分解を効果的に抑制することができるとともに、これによって絶縁部材の劣化損傷が回避でき、抵抗器の繰り返し使用を可能としてその長寿命化をはかり、信頼性に優れた中性点接地抵抗装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中性点接地抵抗装置の使用状態を示す断面図である。
【図2】抵抗器の縦断側面図である。
【図3】抵抗素板と熱吸収部材の接続関係を示す斜視図である。
【図4】抵抗素板の入力端子と出力端子との接続関係を示す斜視図である。
【図5】抵抗素体の要部を分解して示す斜視図である。
【符号の説明】
2 中性点接地抵抗装置
6 抵抗器
7 タンク
8 抵抗素板
8c 突出端
9 絶縁部材
9a 絶縁シート
10 熱吸収部材
10a 突出端
11 抵抗素体
Claims (2)
- 絶縁ガスを封入したタンク内に、抵抗素板を耐熱性の絶縁部材により挟持被覆し、これを複数層にわたり積層してなる抵抗器を収容設置した中性点接地抵抗装置において、前記抵抗器の抵抗素板に金属製の熱吸収部材を電気的に接続するようにしたことを特徴とする中性点接地抵抗装置。
- 前記抵抗素板は、一対の熱吸収部材にて挟持するとともに、前記抵抗素板と熱吸収部材との間に耐熱性の絶縁シートを介挿して前記抵抗素板と熱吸収部材とを接続するようにしたことを特徴とする請求項1記載の中性点接地抵抗装置。
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|---|---|---|---|
| JP30369795A JP3640448B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 中性点接地抵抗装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP30369795A JP3640448B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 中性点接地抵抗装置 |
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Family
ID=17924162
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| JP30369795A Expired - Fee Related JP3640448B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 中性点接地抵抗装置 |
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-
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- 1995-10-27 JP JP30369795A patent/JP3640448B2/ja not_active Expired - Fee Related
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