JP3640110B2 - 低周波治療器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の施療部位に低周波パルスを供給して治療を行う低周波治療器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、肩こりなどの治療のために人体の複数の施療部位に低周波パルス電圧を印加して治療を行う低周波治療器が提供されている。
この種の従来の低周波治療器で、例えば同時に2箇所の施療部位の治療を行うものは、図9に示すように、パルス信号を発生するパルス発生回路11と、パルス発生回路11からのパルス信号により電源電圧を昇圧する昇圧回路12と、昇圧回路12の出力電圧を蓄積する蓄積手段13と、蓄積手段13にて蓄積された電圧を電源として低周波パルスを出力する出力回路14と、出力回路14からの低周波パルスの大きさを調整する強さ調節手段16とからなる低周波供給部を、人体に装着される電極部A,Bそれぞれに対して備えている。ところで、この種の低周波治療器は、マイクロコンピュータ等からなる制御回路(図示せず)を備え、この制御回路に図示しない入力部により入力されるデータ(例えば、施療方法などに関するデータ)に基づいて前記制御回路が前記低周波供給部を制御して、施療部位に装着された電極部A,Bそれぞれに低周波パルス電圧を印加させ、これにより例えば揉み、叩きなどといった各種の施療方法に類似した刺激を施療部位に与えて治療を行うものである。
【0003】
電極部A,Bは、図12に示すような導子コード20により構成される。導子コード20は、治療器本体10’に接続される接続端子部21を有し、接続端子部21から3本のコードが導出されていて、1本のコードの先端に陽電極Pが、その他の2本のコードの各先端に陰電極A2 ,B2 が設けられている。ここで、電極部Aは、陽電極Pと陰電極A2 との電極対であり、電極部Bは、陽電極Pと陰電極B2 との電極対である。なお、各電極P,A2 ,B2 としては、一般的に、ゲル状物質よりなる電極パッド(以下、ゲルパッドと称す)が使用されており、各電極を人体の所望の部位に装着(粘着)できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の低周波治療器では、複数箇所(2箇所)を同時に治療するために、治療箇所の数の分に応じた高電圧を蓄積する必要があり、パルス発生回路11、昇圧回路12、蓄積手段13、出力回路14等を複数(2つ)設けているため、部品点数が多く、コストが高いという不具合がある。この点を改善した低周波治療器として、図10に示す構成のものがある。しかし、図10の構成の低周波治療器では、昇圧回路12を1つしか有していないので、複数箇所に同時に施療を行う場合、複数回路分のパワーを必要とし、それだけ電源のエネルギを消費するから、消費電流が大きくなってしまうという問題があった。
【0005】
また、図10に示した低周波治療器では、蓄積手段にて蓄積された電圧が所定電圧2V0 (図11(d)参照)になると、図11(a),(b)に示すような低周波パルス電圧を電極部A,Bに同時に出力するものであり、低周波パルス電圧が出力されて蓄積手段13の電圧が図11(d)に示すように低下すると、昇圧回路12にて図11(c)に示すようなパルス信号により電源電圧を昇圧し、再び蓄積手段13に蓄積される電圧を図11(d)に示すように上昇させるものである。ここで、昇圧回路12はパルス発生回路11からのパルス信号によってオン・オフされるスイッチング素子や前記スイッチング素子に接続されたインダクタ等により構成され前記スイッチング素子のオン・オフにより前記インダクタに逆起電力を発生させ、その逆起電力を蓄積手段たるコンデンサに蓄積するのが一般的であるが、前記インダクタに同じ逆起電力が発生しても、図11(d)に示すように前記コンデンサに蓄積されている電圧が高くなるにつれて蓄積する効率が悪くなる。このため、1つの低周波パルスを出力するのに必要な電圧をV0 とすると、図10に示す構成の低周波治療器により人体の2箇所を同時に治療する場合、図11(d)に示すように2V0 の電圧が必要となり、それだけ昇圧しようとするとかなりのパワーを必要とし、時間もかかってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、複数の施療部位を略同時に治療できる低コストの低周波治療器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、パルス信号を発生するパルス発生回路と、前記パルス発生回路からのパルス信号により電源電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力電圧を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段にて蓄積された電圧により所定周期毎に人間が時間的な差を感じない程度の所定時間間隔の複数の低周波パルスを出力する出力回路と、人体に装着される1つの陽電極及び複数の陰電極からなる複数の電極対と、前記出力回路からの低周波パルスを複数の電極対に順次切り替えて出力する出力切替手段とを備え、前記パルス発生回路が、前記所定時間の間もパルス信号を発生することを特徴とするものであり、低周波パルスを複数の電極対に人間が時間的な差を感じない程度の所定時間間隔で順次切り替えて出力するので、前記パルス発生回路及び前記蓄積手段及び前記出力回路それぞれを電極対の数に関係なく1つだけ設けれることにより使用者に複数箇所が同時に施療されているように感じさせることができるから、コストを低減でき、しかも、前記所定時間の間も昇圧回路により電源電圧が昇圧され蓄積手段に蓄積される電圧が昇圧するので、複数の電極対に低周波パルスを出力するのに必要な電圧を複数回に分けて蓄積手段に蓄積することができ、一度に蓄積する時よりも蓄積電圧を低くできるから、効率良く昇圧することができ、消費電流が少なくなる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記低周波パルスを定電流出力とするので、各施療部位によって人体抵抗値が異なっても、常に一定の出力電流を出力することができるから、使用者に各施療部位で同じような刺激を感じさせることができるとともに略同じ治療を行うことができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、各電極対に出力する低周波パルスの大きさを調節する強さ調節手段を備えているので、一つの強さ調節手段によって複数の施療部位に装着された各電極対に供給される低周波パルスの大きさを調節できるから、刺激の強さの調節のための操作が簡単であり、使い勝手が良い。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の発明において、各陰電極は治療器本体に着脱可能であって、前記治療器本体には前記各陰電極が接続される共有の接続部が複数設けられているので、使用しない陰電極を取り外して治療を行うことができるとともに必要に応じて陰電極の数を調整できるから、使用しない陰電極が邪魔になることがなく、使い勝手が良い。また、各陰電極を共用できるので、施療部位を増やす場合に従来のように新たな接続端子を用意する必要がないから、陰陰電極の組立が容易になる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の発明において、上記各電極としてゲル状物質よりなる電極パッドを使用し、電極対への低周波パルスの供給が停止された後に電極間の残留電圧により電極間に電流を流すので、前記残留電圧によって低周波パルスが供給された時と反対方向に電流が流れるから、電極パッドに電流が一方向のみに流れることによる電極パッドの劣化を防止することができ、長時間の使用に耐えることができ、各電極の寿命が長くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の低周波治療器は、図1に示すように、パルス信号を発生するパルス発生回路11と、パルス発生回路11からのパルス信号により電源電圧VDD(図2参照)を昇圧する昇圧回路12と、昇圧回路12の出力電圧を蓄積する蓄積手段13と、蓄積手段13にて蓄積された高電圧を電源として所定周期毎に人間が時間的な差を感じない程度の所定時間間隔の複数の低周波パルス(刺激)を出力する出力回路14と、出力回路14の出力する低周波パルスの大きさ(強度)を調節する強さ調節手段16と、強さ調節手段16にて強さが調節された出力回路14の出力を電極部A,Bに順次切り替えて出力するための出力切替手段15とからなる低周波供給部と、人体に装着して低周波パルスを人体に通電させるための電極部A,Bとを備えている。なお、電源としては例えば、リチウム電池のような電池(図示せず)を使用している。また、本低周波治療器はマイクロコンピュータ等からなる制御回路(図示せず)を備え、この制御回路に図示しない入力部により入力されるデータ(例えば、施療方法などに関するデータ)に基づいて前記制御回路が前記低周波供給部を制御して、施療部位に装着された電極部A,Bそれぞれに低周波パルス電流を流し、これにより例えば揉み、叩きなどといった各種の施療方法に類似した刺激を施療部位に与えて治療を行うものである。パルス発生回路11は前記制御回路内に設けてもよい。
【0012】
電極部A,Bは、従来例と同様に1つの陽電極と、2つの陰電極とで構成してあり、低周波パルスが供給される時の極性を一方向としてある。
以下、本低周波治療器の動作を図2及び図3に基づいて説明する。
パルス発生回路11から出力される図3(d)に示すようなパルス信号によって抵抗R1 、コンデンサC1 を通じてトランジスタTr1 がオン・オフ駆動され、このトランジスタTr1 のコレクタに接続されているインダクタL1 に逆起電力を発生する(トランジスタTr1 がオフし、インダクタL1 に流れる電流が断たれた時、このインダクタL1 に高電圧が生じる)。この逆起電力でダイオードD1 を通じてコンデンサC2 を充電することにより、コンデンサC2 の両端に昇圧された電圧を得ている。つまり、前記逆起電力によりコンデンサC2 を繰り返し充電することによって図3(d)に示すようにコンデンサC2 の充電電圧を高めている。そして、前記制御回路から出力されるパルス信号により抵抗R6 を通じてトランジスタTr4 を駆動することにより、コンデンサC2 に蓄積された電荷を放電させて低周波パルスとして人体に装着された電極部A,Bに順次出力させる。この時、低周波パルスの極性は一方向であり、低周波パルスを電極部A,Bのどちらに供給するかはトランジスタTr2 ,Tr3 のオン・オフを前記制御回路からの切替パルス信号により切り替えることによって決まる。
【0013】
更に詳しく説明すると、本低周波治療器では、出力回路14から図3(a)に示すような低周波パルスが出力され、電極部Aには図3(b)に示すような低周波パルスが(治療モードの周期T2 毎に)出力され、電極部Bには図3(c)に示すように電極部Aの低周波パルスと所定時間間隔(人間が時間的な差を感じない程度の時間)T1 だけずれた低周波パルスが出力されるようになっている。ここで、前記所定時間間隔T1 を例えば50ms(人間が時間的な差を感じないといわれるのは50ms程度)以下の時間にすることによって、時間差を感じないようにすることができ、時間差があるにもかかわらず電極部A、Bが装着された施療部位において使用者には同時に治療が行われているように感じられるのである。ところで、本低周波治療器では、従来構成と同様に低周波パルスを出力した後にコンデンサC2 への充電を行うが、電極部A及び電極部Bに出力する低周波パルスに所定時間間隔の間にもパルス発生回路11からのパルス信号によってトランジスタTr1 をオン・オフ駆動させてコンデンサC2 への充電を行うようになっている。このため、2箇所の施療部位に低周波パルスを供給するのに必要な電圧(パワー)を図3(e)に示すように2回に分けて昇圧することができるので、図10に示した従来構成のように一度に昇圧する場合よりも昇圧時の蓄積電圧が小さくてすむから、より効率的に昇圧することができ、図10の従来構成に比べて消費電流が少なくてすむのである。例えば、本低周波治療器では、図3(e)に示すように、一度目は電圧(V0 +V1 )、二度目は電圧V2 だけ昇圧すればよく、V0 <V1 であって、図10に示した従来構成のように2V0 昇圧する時よりも消費電流が小さくなる。また、図9に示した従来構成のように2つの低周波供給部を複数設ける必要がないので、図9に示した従来構成に比べて低コスト化することができるとともに、治療器本体10を小型化することができる。
【0014】
ところで、人体は施療部位によって人体抵抗値が異なるが、従来の低周波治療器から電極部A,Bに供給される低周波パルスは低電圧出力であるため、施療部位の違い(つまり、人体抵抗値の違い)によって治療効果や得られる刺激が異なってしまう。このため、図9に示した従来構成では、電極部A,Bに低周波パルス電圧の大きさを調節する強さ調節手段16、16を設け、使用者が治療の度に、両方の強さ調節手段16、16を個別に調節する必要があり、手間がかかってしまい使い勝手が良くなかった。また、施療部位に装着された電極部A,Bに定電圧が供給されると、施療部位に電流が流れている間に人体抵抗による電圧降下が生じ図4に示すように電圧が変動して所望の刺激が得られなくなることがあった(図4中の一点鎖線は人体抵抗値が異なる場合の電圧の変化を示したものである)。しかし、本低周波治療器では、抵抗R6 を通じてトランジスタTr4 をオン・オフさせる出力パルスの電圧レベルを一定にすることにより、トランジスタTr4 のベース・エミッタ間電圧を一定にするので、トランジスタTr4 に流れる電流が制限され、人体抵抗値が異なっても人体に流れる電流の大きさが図4に破線で示すように略一定になる(つまり、定電流出力になる)から、使用者に各施療部位で同じような刺激を感じさせることができるとともに略同じ治療を行うことができるのである。ただし、この時には、人体に低周波出力するのに十分は電圧がコンデンサC2 に蓄電されている必要がある。
【0015】
本低周波治療器は、強さ調節手段16たるボリュームVRの抵抗値を変えることによってトランジスタTr4 に流れる電流を制限して電極部A,Bにより人体に与えられる低周波パルス電流の大きさ、つまり、刺激の強さを調節することができるようになっている。つまり、低周波パルスを電極部A,Bのどちらに出力する場合でも1つの強さ調節手段16によって刺激の強さを調節することができるのである。なお、強さ調節手段16はボリュームVRに限定するものではない。
【0016】
従来の2箇所の同時治療が可能な低周波治療器では、電極部A,Bを図12に示すような3本のコードを有する(n箇所の治療を行う場合は、n+1本のコードを有する)導子コード20により構成している。このため、一箇所だけ治療したい時には、例えば陽電極P及び陰電極A2 を人体に装着して使用するので、残りの1本のコード及びその先端の陰電極B2 が邪魔になってしまい使い勝手が悪いという不具合があった。一方、治療できる箇所を更に増やす場合には、電極部を増やすために導子コード20に接続される陰電極の数が増えるので、組立が面倒になり、また、上述のように1箇所だけを治療する時には使用しない陰電極が邪魔になるので更に使い勝手が悪くなってしまうという不具合があった。これに対し、本低周波治療器では、図5に示すような、1つの陽電極P及び1つの陰電極A2 を有する導子コード20aと、1つの陰電極B2 を有する導子コード20bとを備えており、各導子コード20a,20bの接続端子部21a,21bのピンを治療器本体10に設けられた2つの接続部(図示せず)に別々に差し込んで接続するようになっている。ここで、各接続端子部の形状は同じであり、治療器本体10側の接続部の形状及び結線を同じにしてあるので、各導子コード20a,20bはどちらの接続部に差し込んでも使用できるようになっている。このため、治療できる箇所を更に増やす場合には、導子コード20bと同じものを用意するとともに前記接続部を増やせばよい。なお、導子コード20aの接続端子部21aのピンは、陽電極Pに電気的に接続される部位22aと、陰電極A2 に接続される部位23aとを有する。また、導子コード20bの接続端子21bのピンは、陽電極Pに電気的に接続可能な部位22bと、陰電極B2 に接続される部位23bとを有するが、陽電極Pは接続されていない。各電極P,A2 ,B2 は接続端子付きの導子コードでなく、治療器本体10に直接取り付けるタイプのものやその他のタイプのものでも良い。
【0017】
また、各電極P,A2 ,B2 は、ゲルパッド(例えば、セグメント化ポリエーテルウレタン、アルカリ金属塩、水分等により構成されるものや、ポリアクリル酸ソーダ、グリセリン、水等により構成されるもの等がある)により構成してあり、人体に粘着して使用できるようになっている。ゲルパッドは、同一方向のみの低周波パルス出力であれば、つまり、一方向にしか電流が流れないと、短期間で電気分解を起こしてしまい、電極としての機能を果たさなくなるので、従来は低周波パルスの極性を切り替える等の方法が採られ、極性を切り替えるためのスイッチ等を各電極部に設ける必要があった。ところで、人体は抵抗成分R0 と容量成分C0 とを持っており、図6(a)に示すような低周波パルス電流が例えば図7(a)中に一点鎖線で示すような方向で流れ込んだ時の電極P,A2 間の電圧波形は図6(b)のような放電曲線をもつ。そこで、本低周波治療器では、低周波パルスの出力後、人体に電圧が残っている間に前記制御回路からの図6(d)に示すようなパルス信号(逆転パルス)によってトランジスタTr5 をオンして図7(b)に示すように電極P,A2 間を短絡することにより、人体の容量成分C0 の残留電圧を利用して図6(c)に示すような逆電流(図7(b)には一点鎖線で示す)を電極P,A2 であるゲルパッドに流すようにしてある。したがって、例えば、図8に示すように、低周波パルス供給時は、矢印Fの方向に電流が流れ、低周波パルスの供給が停止された後に、矢印Rの方向に電流が流れるのである。このため、本低周波治療器では、従来構成のような極性を切り替えるためのスイッチ等を各電極部に設けることなく、ゲルパッドに正負の電流が流れることになるので、低周波パルスの片側通電によるゲルパッドの劣化を防止することができ、長時間の使用に耐え得ることができ、電極としての寿命を延ばすことができるのである。
【0018】
なお、本実施形態では、電極対が2つの場合について説明したが3つ以上であっても良いことは勿論である。また、図2の回路構成は一例であって、図2の回路構成に限定するものではない。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明は、パルス信号を発生するパルス発生回路と、前記パルス発生回路からのパルス信号により電源電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力電圧を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段にて蓄積された電圧により所定周期毎に人間が時間的な差を感じない程度の所定時間間隔の複数の低周波パルスを出力する出力回路と、人体に装着される1つの陽電極及び複数の陰電極からなる複数の電極対と、前記出力回路からの低周波パルスを複数の電極対に順次切り替えて出力する出力切替手段とを備え、前記パルス発生回路が、前記所定時間の間もパルス信号を発生するものであり、低周波パルスを複数の電極対に人間が時間的な差を感じない程度の所定時間間隔で順次切り替えて出力するので、前記パルス発生回路及び前記蓄積手段及び前記出力回路それぞれを電極対の数に関係なく1つだけ設けれることにより使用者に複数箇所が同時に施療されているように感じさせることができるから、コストを低減でき、しかも、前記所定時間の間も昇圧回路により電源電圧が昇圧され蓄積手段に蓄積される電圧が昇圧するので、複数の電極対に低周波パルスを出力するのに必要な電圧を複数回に分けて蓄積手段に蓄積することができ、一度に蓄積する時よりも蓄積電圧を低くできるから、効率良く昇圧することができ、消費電流が少なくなるという効果がある。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記低周波パルスを定電流出力とするので、各施療部位によって人体抵抗値が異なっても、常に一定の出力電流を出力することができるから、使用者に各施療部位で同じような刺激を感じさせることができるとともに略同じ治療を行うことができるという効果がある。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、各電極対に出力する低周波パルスの大きさを調節する強さ調節手段を備えているので、一つの強さ調節手段によって複数の施療部位に装着された各電極対に供給される低周波パルスの大きさを調節できるから、刺激の強さの調節のための操作が簡単であり、使い勝手が良いという効果がある。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の発明において、各陰電極は治療器本体に着脱可能であって、前記治療器本体には前記各陰電極が接続される共有の接続部が複数設けられているので、使用しない陰電極を取り外して治療を行うことができるとともに必要に応じて陰電極の数を調整できるから、使用しない陰電極が邪魔になることがなく、使い勝手が良い。また、各陰電極を共用できるので、施療部位を増やす場合に従来のように新たな接続端子を用意する必要がないから、陰陰電極の組立が容易になるという効果がある。
【0022】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の発明において、上記各電極としてゲル状物質よりなる電極パッドを使用し、電極対への低周波パルスの供給が停止された後に電極間の残留電圧により電極間に電流を流すので、前記残留電圧によって低周波パルスが供給された時と反対方向に電流が流れるから、電極パッドに電流が一方向のみに流れることによる電極パッドの劣化を防止することができ、長時間の使用に耐えることができ、各電極の寿命が長くなるという効果がある。。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略ブロック図である。
【図2】同上の要部の回路図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の他の動作説明図である。
【図5】同上の導子コードの説明図である。
【図6】同上の別の動作説明図である。
【図7】電極部に流れる電流の説明図である。
【図8】電極部に流れる電流の他の説明図である。
【図9】従来例を示す概略ブロック図である。
【図10】他の従来例を示す概略ブロック図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】同上の導子コードの説明図である。
【符号の説明】
10 治療器本体
11 パルス発生回路
12 昇圧回路
13 蓄積手段
14 出力回路
15 出力切替手段
A 電極部
B 電極部
Claims (5)
- パルス信号を発生するパルス発生回路と、前記パルス発生回路からのパルス信号により電源電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力電圧を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段にて蓄積された電圧により所定周期毎に人間が時間的な差を感じない程度の所定時間間隔の複数の低周波パルスを出力する出力回路と、人体に装着される1つの陽電極及び複数の陰電極からなる複数の電極対と、前記出力回路からの低周波パルスを複数の電極対に順次切り替えて出力する出力切替手段とを備え、前記パルス発生回路は、前記所定時間の間もパルス信号を発生することを特徴とする低周波治療器。
- 前記低周波パルスを定電流出力とすることを特徴とする請求項1記載の低周波治療器。
- 各電極対に出力する低周波パルスの大きさを調節する強さ調節手段を備えて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の低周波治療器。
- 各陰電極は治療器本体に着脱可能であって、前記治療器本体には前記各陰電極が接続される共有の接続部が複数設けられて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の低周波治療器。
- 上記各電極としてゲル状物質よりなる電極パッドを使用し、電極対への低周波パルスの供給が停止された後に電極間の残留電圧により電極間に電流を流すことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の低周波治療器。
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