JP3639962B2 - スティック状化粧料用簡易容器 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、口紅のようなスティック状の化粧料を複数回に亘って押し出して使用する簡易容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
口紅のように、スティック状の物質を収納する容器の形態として、試供品のように使用される内容物が少量でよく、一回だけ使用して捨ててしまうものや、少量の充填物を何度かに亘って使用する商品形態に適した簡易容器が求められている。これらの容器は、簡便で安価でなくてはならないが、消費者が使用に至るまでの品質保証、即ち、俗にいわれている商品のバージン性や不正使用防止の維持は使用直前まで不可欠である。
【0003】
このような課題に鑑みて、本願特許出願人は、実願平5−46994号に記載の発明を平成5年8月30日付けで出願した。この発明は、図4の(A)に示すように、筒状の容器本体41の中間部を上下に仕切り、仕切壁42を上空間部方向へ膨出してその下方に充填物43を充填し、前記充填物43を係止する係止突条44を形成するとともに、前記仕切壁42と前記係止突条44との間に位置させて周方向に一部厚肉部45を残して破断可能な薄肉部47が延在する構成とした簡易容器である。
【0004】
上述した容器を使用する際には、容器本体41の上部を薄肉部46側から厚肉部45側へ向けて手指で押して薄肉部46を破断させる。すると、容器本体41の上部は破断されずに残った厚肉部45を支点として180度回動し、図4の(B)に示すように充填物43は外部に露出する。使用者はその適量を採り使用するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した容器は、省パーツで小形化、簡便で安価、不正使用防止の維持など、この種の容器としての必要な条件は備えていて、少ない回数使用して捨ててしまう試供品や一回使い捨て商品には適している。しかし、前記容器にあっては、破断部46より露出した充填物43だけが使用できる構造であるので、充填物43を数回〜数十回に亘って少量ずつ何回にも使用したいという要望のある場合は不足であり、また、破断部46以下の容器内部に充填されて係止突条44に係止している部分の充填物43は殆ど使われずに残るので不経済である。
【0006】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであって、使用直前まで充填物のバージン性の保証をしながら、開封後は状充填物を少量ずつ必要に応じて所望回数に亘って使用ができ、且つ、充填された内容物を全量無駄なく使用できるとともに、容器のデザインの自由度にも配慮した小形で安価なスティック状化粧料用簡易容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の記載のスティック状化粧料用簡易容器は、下部筒体部と、少なくとも頂部が前記下部筒体部の内周より小さい相似形の外側形状とされた上部棒状部とが硬質合成樹脂で直列に一体形成された容器本体と、前記下部筒体部の前記上記棒状部の反対側の下部開口部に取り外し可能に外嵌された蓋体とを備え、前記下部筒体部の前記上部棒状部に近い部分の外側に薄肉破断部が周設されていて前記容器本体が前記薄肉破断部により下部筒体部と上部棒状部とに分割して分離可能とされているとともに、前記上部棒状部の頂部側から前記下部筒体部の前記下部開口部に挿入押し出し可能とされ、更に前記上部棒状部が分離されて前記下部筒体部に形成される上部開口部に前記下部開口部から取り外した前記蓋体が上蓋として外嵌可能とされ、され、且つその外嵌深さを規制するストッパが前記下部筒体部に設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の記載のスティック状化粧料用簡易容器は、上部棒状部が分離されて下部筒体部に上部開口部が形成されたとき、充填物の上部が前記上部開口部より露出していることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】
請求項1記載のスティック状化粧料用簡易容器は、使用者が使用する際に、下部筒体部を持って上部棒状部を横方向へ押圧すると容器本体は薄肉破断部から破断し、上部棒状部と下部筒体部とは二分割されて分離する。次に、下部開口部に外嵌している蓋体を取り外してから分離した上部棒状部を下部開口部より下部筒体部内に挿入する。そして、押し上げ棒となった上部棒状部の頂部で充填物を押し上げることにより、薄肉破断部から分離してできた上部開口部から所望量の充填物を外部に露出させて使用することができるとともに、薄肉破断部で二分割されてできた上部開口部に下部開口部から取り外した蓋体を上蓋として外嵌させ、下部筒体部の上部外側にあって薄肉破断部の下方に設けたストッパに前記上蓋の開口端を当接させて、外部に露出した充填物を上蓋内に収納し保管することができる。
【0010】
請求項2記載のスティック状化粧料用簡易容器にあっては、上部棒状部が分離されたとき、下部筒体部に上部開口部が形成され充填物の上部が前記上部開口部より露出しているので、ただちに塗布容器として使用することが可能である。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例について添付図面を参照して説明する。図1は本発明のスティック状化粧料用簡易容器の縦断面図、図2は本発明の容器の分解斜視図、図3は本発明の容器の使用状態を説明する縦断面図である。
【0012】
図1、図2に示すように、符合1は容器本体であり、硬質の合成樹脂を用いて上部棒状部3と下部筒体部2を一体成形することにより略構成されている。符合5は可撓性のある合成樹脂製の蓋体であって、前記下部筒体部2の下端部に開口している下部開口部4に外嵌されているとともに、使用の際には後述する上部開口部8にも上蓋5cとして外嵌するものであり、本発明の容器は以上の二部品から構成されている。
【0013】
容器本体1は、例えば、硬質のポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリカーボネイト系などの合成樹脂を用いて射出成形方法により、全体的に円形の棒状体のデザインに成形されている。
【0014】
容器本体1の下方の約半分は円筒状の下部筒体部2であって、その下端部は開口して下部開口部4が形成されているとともに、この下部筒体部2の筒体内周は後述する上部棒状部3の頂部3aの外周より大きい相似形の中空状に形成されており、上部棒状部3が前記下部開口部4から挿入押し出し可能に設定されている。そして、下部筒体部2の中空部2aの上方には、口紅のようなスティック状の充填物9が充填されて筒体内上部に固着されているとともに、この充填物9を密封する蓋体5が下部開口部4に外嵌されている。
【0015】
また、下部筒体部2の外側上部には、容器本体1を二分割するV字状に切り込まれた薄肉破断部6が周設されており、使用するときに上部棒状部3へ横方向の押圧力を加えると前記薄肉破断部6が破断して開口し、図3の(A)、(B)に示すように上部開口部8が形成される。
【0016】
そして、前記上部開口部8からは、図3の(A)に示すように充填物9の上部9aが僅かに露出しているように設定されている。尚、薄肉破断部6の厚さは約0.15〜0.5mmが破断可能な厚さである。
【0017】
さらに、下部筒体部2に設けた薄肉破断部6の下方には、フランジ状のストッパ7が突設されている。このストッパ7は、本発明の容器を使用している商品を使用途中で保管したり携帯する場合に、図3の(C)に示すように蓋体5を上蓋5cとして上部開口部8に外嵌させ、蓋体5の開口端5aをこれに当接させて充填物9を上蓋5c内に収納して保管するものである。そして、蓋体5の中空部5bは上部開口部8より露出した充填物9に接触しないように所望の高さと空間を有している。
【0018】
尚、ストッパ7は、本実施例のようにフランジ状の形状には限らず、蓋体5の開口部5aが当接して止まる構造であればよいので、薄肉破断部6の下方に少なくとも一つの突起を突設したり、下部筒体部2上部に段部を形成しておけばよいことはいうまでもない。
【0019】
次に説明する容器本体1の上方の約半分は、前記下部筒体部2の内側に挿入可能な寸法の相似形の外周からなる頂部3aを頂天とする上部棒状部3であり、薄肉破断部6を介して下部筒体部2と一体的に形成されている。
【0020】
この上部棒状部3は、使用の際には薄肉破断部6から破断されて分離し、図3に示すように下部筒体部2に挿入されて下方より充填物9を押し上げる押し上げ棒3bとなるもので、押し上げ面となる頂部3aは平坦に形成されている。
【0021】
そして、上部棒状部3には、長方形の長孔3cが貫設されているが、この長孔3cは、成形上、厚肉部に発生する肉ひけ現象による成形品の変形を防止するとともに、材料を節約するために設けられたものであって、本実施例のように必ずしも長方形の長孔3cに限るものではない。例えば、上部棒状部3の頂部3aの下方に数条の縦リブを軸心方向に切り込んで設けた構成にしてもよい。(図示せず)
【0022】
以上、説明した本発明の容器を使用して商品に組み立てるには、口紅のようなスティック状充填物9を加熱などの手段により流動化させておき、下部開口部4より下部筒体内2へ所定量を充填し、スティック状に固形化して下部筒体内2上部に固着させる。その後、蓋体5を下部開口部4に外嵌させて密封することにより完成する。
【0023】
次に、上述した本発明の容器を用いた商品を使用するときは、下部筒体部2を手指で把持して上部棒状部3を横方向へ押圧し、薄肉破断部6より容器本体1を二分割して分離させ、上部開口部8を開口させて充填物9の上部9aを露出させて使用する。
【0024】
そして、更に充填物9を露出させるには、下部開口部4に外嵌している蓋体5を取り外し、上部棒状部3を下部開口部4から下部筒体部2内に挿入して、図3の(A)に示すように押し上げ棒3bとして使用し、下方から充填物9を突き上げて、図3の(B)に示すように所望量を押し出せばよい。
【0025】
充填物9の使用方法は、充填物9が口紅のようなスティック状化粧料の場合、使用者が塗布容器として手指で持って直接塗布することも、また小筆などを用いて充填物9を少量ずつ使用することも、適宜、使用目的により自由に選択されるものである。
【0026】
又、使いかけの本発明によるスティック状化粧料用簡易容器を保管したり携帯するときは、図3の(C)に示すように、蓋体5を上蓋5cとして上部開口部8に外嵌させて使いかけの充填物9を上蓋5c内に収納する。そして、再度使用するときは、上蓋5cを取り外して押し上げ棒3bを突き上げることにより所望量の充填物9を露出させて使用し、これをを繰り返すことにより全量の充填物9を使いきることができる。
【0027】
以上、詳述した実施例のスティック状化粧料用簡易容器は、容器本体1が円形の棒状体であるが、本発明はこの形状に限るものではなく、上部棒状部3が薄肉破断部6から分離して下部筒体部2内に挿入できる形状であれば、楕円形や多角形などの非円形の棒状体でもよく、多彩なデザインの棒状の押し出し容器にすることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1ないし2記載のスティック状化粧料用簡易容器による効果は下記に列挙する通りである。
a.容器本体内の充填物は、薄肉破断部から二分割されるまで商品のバージン性が維持できるだけでなく、少量ずつ押し出して何回にも亘って使用ができる便利なものである。
b.薄肉破断部が破断されると上部開口部から充填物の上部が露出しているので、使用を急ぐ試供品などはただちに使える。
c.押し上げ棒で充填物を押し上げるようにしたので、充填物は全て使用しきることができ、無駄がなく経済的である。
d.容器本体の底に使用していた蓋体を開封後は上蓋として使用して露出した充填物を密封する構成にしたので、再使用の時まで保管や携帯をすることができるとともに、部品数も少ないので安価に製造できる。
e.上部棒状部が薄肉破断部から分離して下部筒体部内に挿入できる形状であれば、楕円形や多角形などの非円形の棒状体でもよく、多彩なデザインの棒状体容器をつくることができるので、デザインの自由度が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスティック状化粧料用簡易容器の縦断面図
【図2】 本発明の容器の分解斜視図
【図3】 本発明の容器の使用状態を説明する縦断面図
【図4】 従来例の説明図
【符号の説明】
1 容器本体.2 下部筒体部.3 上部棒状部.3a 頂部.4 下部開口部.5 蓋体.5a 開口端.6 薄肉破断部.7 ストッパ.8 上部開口部.9 充填物.9a 上部.
【産業上の利用分野】
本発明は、口紅のようなスティック状の化粧料を複数回に亘って押し出して使用する簡易容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
口紅のように、スティック状の物質を収納する容器の形態として、試供品のように使用される内容物が少量でよく、一回だけ使用して捨ててしまうものや、少量の充填物を何度かに亘って使用する商品形態に適した簡易容器が求められている。これらの容器は、簡便で安価でなくてはならないが、消費者が使用に至るまでの品質保証、即ち、俗にいわれている商品のバージン性や不正使用防止の維持は使用直前まで不可欠である。
【0003】
このような課題に鑑みて、本願特許出願人は、実願平5−46994号に記載の発明を平成5年8月30日付けで出願した。この発明は、図4の(A)に示すように、筒状の容器本体41の中間部を上下に仕切り、仕切壁42を上空間部方向へ膨出してその下方に充填物43を充填し、前記充填物43を係止する係止突条44を形成するとともに、前記仕切壁42と前記係止突条44との間に位置させて周方向に一部厚肉部45を残して破断可能な薄肉部47が延在する構成とした簡易容器である。
【0004】
上述した容器を使用する際には、容器本体41の上部を薄肉部46側から厚肉部45側へ向けて手指で押して薄肉部46を破断させる。すると、容器本体41の上部は破断されずに残った厚肉部45を支点として180度回動し、図4の(B)に示すように充填物43は外部に露出する。使用者はその適量を採り使用するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した容器は、省パーツで小形化、簡便で安価、不正使用防止の維持など、この種の容器としての必要な条件は備えていて、少ない回数使用して捨ててしまう試供品や一回使い捨て商品には適している。しかし、前記容器にあっては、破断部46より露出した充填物43だけが使用できる構造であるので、充填物43を数回〜数十回に亘って少量ずつ何回にも使用したいという要望のある場合は不足であり、また、破断部46以下の容器内部に充填されて係止突条44に係止している部分の充填物43は殆ど使われずに残るので不経済である。
【0006】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであって、使用直前まで充填物のバージン性の保証をしながら、開封後は状充填物を少量ずつ必要に応じて所望回数に亘って使用ができ、且つ、充填された内容物を全量無駄なく使用できるとともに、容器のデザインの自由度にも配慮した小形で安価なスティック状化粧料用簡易容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の記載のスティック状化粧料用簡易容器は、下部筒体部と、少なくとも頂部が前記下部筒体部の内周より小さい相似形の外側形状とされた上部棒状部とが硬質合成樹脂で直列に一体形成された容器本体と、前記下部筒体部の前記上記棒状部の反対側の下部開口部に取り外し可能に外嵌された蓋体とを備え、前記下部筒体部の前記上部棒状部に近い部分の外側に薄肉破断部が周設されていて前記容器本体が前記薄肉破断部により下部筒体部と上部棒状部とに分割して分離可能とされているとともに、前記上部棒状部の頂部側から前記下部筒体部の前記下部開口部に挿入押し出し可能とされ、更に前記上部棒状部が分離されて前記下部筒体部に形成される上部開口部に前記下部開口部から取り外した前記蓋体が上蓋として外嵌可能とされ、され、且つその外嵌深さを規制するストッパが前記下部筒体部に設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の記載のスティック状化粧料用簡易容器は、上部棒状部が分離されて下部筒体部に上部開口部が形成されたとき、充填物の上部が前記上部開口部より露出していることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】
請求項1記載のスティック状化粧料用簡易容器は、使用者が使用する際に、下部筒体部を持って上部棒状部を横方向へ押圧すると容器本体は薄肉破断部から破断し、上部棒状部と下部筒体部とは二分割されて分離する。次に、下部開口部に外嵌している蓋体を取り外してから分離した上部棒状部を下部開口部より下部筒体部内に挿入する。そして、押し上げ棒となった上部棒状部の頂部で充填物を押し上げることにより、薄肉破断部から分離してできた上部開口部から所望量の充填物を外部に露出させて使用することができるとともに、薄肉破断部で二分割されてできた上部開口部に下部開口部から取り外した蓋体を上蓋として外嵌させ、下部筒体部の上部外側にあって薄肉破断部の下方に設けたストッパに前記上蓋の開口端を当接させて、外部に露出した充填物を上蓋内に収納し保管することができる。
【0010】
請求項2記載のスティック状化粧料用簡易容器にあっては、上部棒状部が分離されたとき、下部筒体部に上部開口部が形成され充填物の上部が前記上部開口部より露出しているので、ただちに塗布容器として使用することが可能である。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例について添付図面を参照して説明する。図1は本発明のスティック状化粧料用簡易容器の縦断面図、図2は本発明の容器の分解斜視図、図3は本発明の容器の使用状態を説明する縦断面図である。
【0012】
図1、図2に示すように、符合1は容器本体であり、硬質の合成樹脂を用いて上部棒状部3と下部筒体部2を一体成形することにより略構成されている。符合5は可撓性のある合成樹脂製の蓋体であって、前記下部筒体部2の下端部に開口している下部開口部4に外嵌されているとともに、使用の際には後述する上部開口部8にも上蓋5cとして外嵌するものであり、本発明の容器は以上の二部品から構成されている。
【0013】
容器本体1は、例えば、硬質のポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリカーボネイト系などの合成樹脂を用いて射出成形方法により、全体的に円形の棒状体のデザインに成形されている。
【0014】
容器本体1の下方の約半分は円筒状の下部筒体部2であって、その下端部は開口して下部開口部4が形成されているとともに、この下部筒体部2の筒体内周は後述する上部棒状部3の頂部3aの外周より大きい相似形の中空状に形成されており、上部棒状部3が前記下部開口部4から挿入押し出し可能に設定されている。そして、下部筒体部2の中空部2aの上方には、口紅のようなスティック状の充填物9が充填されて筒体内上部に固着されているとともに、この充填物9を密封する蓋体5が下部開口部4に外嵌されている。
【0015】
また、下部筒体部2の外側上部には、容器本体1を二分割するV字状に切り込まれた薄肉破断部6が周設されており、使用するときに上部棒状部3へ横方向の押圧力を加えると前記薄肉破断部6が破断して開口し、図3の(A)、(B)に示すように上部開口部8が形成される。
【0016】
そして、前記上部開口部8からは、図3の(A)に示すように充填物9の上部9aが僅かに露出しているように設定されている。尚、薄肉破断部6の厚さは約0.15〜0.5mmが破断可能な厚さである。
【0017】
さらに、下部筒体部2に設けた薄肉破断部6の下方には、フランジ状のストッパ7が突設されている。このストッパ7は、本発明の容器を使用している商品を使用途中で保管したり携帯する場合に、図3の(C)に示すように蓋体5を上蓋5cとして上部開口部8に外嵌させ、蓋体5の開口端5aをこれに当接させて充填物9を上蓋5c内に収納して保管するものである。そして、蓋体5の中空部5bは上部開口部8より露出した充填物9に接触しないように所望の高さと空間を有している。
【0018】
尚、ストッパ7は、本実施例のようにフランジ状の形状には限らず、蓋体5の開口部5aが当接して止まる構造であればよいので、薄肉破断部6の下方に少なくとも一つの突起を突設したり、下部筒体部2上部に段部を形成しておけばよいことはいうまでもない。
【0019】
次に説明する容器本体1の上方の約半分は、前記下部筒体部2の内側に挿入可能な寸法の相似形の外周からなる頂部3aを頂天とする上部棒状部3であり、薄肉破断部6を介して下部筒体部2と一体的に形成されている。
【0020】
この上部棒状部3は、使用の際には薄肉破断部6から破断されて分離し、図3に示すように下部筒体部2に挿入されて下方より充填物9を押し上げる押し上げ棒3bとなるもので、押し上げ面となる頂部3aは平坦に形成されている。
【0021】
そして、上部棒状部3には、長方形の長孔3cが貫設されているが、この長孔3cは、成形上、厚肉部に発生する肉ひけ現象による成形品の変形を防止するとともに、材料を節約するために設けられたものであって、本実施例のように必ずしも長方形の長孔3cに限るものではない。例えば、上部棒状部3の頂部3aの下方に数条の縦リブを軸心方向に切り込んで設けた構成にしてもよい。(図示せず)
【0022】
以上、説明した本発明の容器を使用して商品に組み立てるには、口紅のようなスティック状充填物9を加熱などの手段により流動化させておき、下部開口部4より下部筒体内2へ所定量を充填し、スティック状に固形化して下部筒体内2上部に固着させる。その後、蓋体5を下部開口部4に外嵌させて密封することにより完成する。
【0023】
次に、上述した本発明の容器を用いた商品を使用するときは、下部筒体部2を手指で把持して上部棒状部3を横方向へ押圧し、薄肉破断部6より容器本体1を二分割して分離させ、上部開口部8を開口させて充填物9の上部9aを露出させて使用する。
【0024】
そして、更に充填物9を露出させるには、下部開口部4に外嵌している蓋体5を取り外し、上部棒状部3を下部開口部4から下部筒体部2内に挿入して、図3の(A)に示すように押し上げ棒3bとして使用し、下方から充填物9を突き上げて、図3の(B)に示すように所望量を押し出せばよい。
【0025】
充填物9の使用方法は、充填物9が口紅のようなスティック状化粧料の場合、使用者が塗布容器として手指で持って直接塗布することも、また小筆などを用いて充填物9を少量ずつ使用することも、適宜、使用目的により自由に選択されるものである。
【0026】
又、使いかけの本発明によるスティック状化粧料用簡易容器を保管したり携帯するときは、図3の(C)に示すように、蓋体5を上蓋5cとして上部開口部8に外嵌させて使いかけの充填物9を上蓋5c内に収納する。そして、再度使用するときは、上蓋5cを取り外して押し上げ棒3bを突き上げることにより所望量の充填物9を露出させて使用し、これをを繰り返すことにより全量の充填物9を使いきることができる。
【0027】
以上、詳述した実施例のスティック状化粧料用簡易容器は、容器本体1が円形の棒状体であるが、本発明はこの形状に限るものではなく、上部棒状部3が薄肉破断部6から分離して下部筒体部2内に挿入できる形状であれば、楕円形や多角形などの非円形の棒状体でもよく、多彩なデザインの棒状の押し出し容器にすることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1ないし2記載のスティック状化粧料用簡易容器による効果は下記に列挙する通りである。
a.容器本体内の充填物は、薄肉破断部から二分割されるまで商品のバージン性が維持できるだけでなく、少量ずつ押し出して何回にも亘って使用ができる便利なものである。
b.薄肉破断部が破断されると上部開口部から充填物の上部が露出しているので、使用を急ぐ試供品などはただちに使える。
c.押し上げ棒で充填物を押し上げるようにしたので、充填物は全て使用しきることができ、無駄がなく経済的である。
d.容器本体の底に使用していた蓋体を開封後は上蓋として使用して露出した充填物を密封する構成にしたので、再使用の時まで保管や携帯をすることができるとともに、部品数も少ないので安価に製造できる。
e.上部棒状部が薄肉破断部から分離して下部筒体部内に挿入できる形状であれば、楕円形や多角形などの非円形の棒状体でもよく、多彩なデザインの棒状体容器をつくることができるので、デザインの自由度が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスティック状化粧料用簡易容器の縦断面図
【図2】 本発明の容器の分解斜視図
【図3】 本発明の容器の使用状態を説明する縦断面図
【図4】 従来例の説明図
【符号の説明】
1 容器本体.2 下部筒体部.3 上部棒状部.3a 頂部.4 下部開口部.5 蓋体.5a 開口端.6 薄肉破断部.7 ストッパ.8 上部開口部.9 充填物.9a 上部.
Claims (2)
- 下部筒体部(2)と、少なくとも頂部(3a)が前記下部筒体部(2)の内周より小さい相似形の外側形状とされた上部棒状部(3)とが硬質合成樹脂で直列に一体形成された容器本体(1)と、前記下部筒体部(2)の前記上部棒状部(3)の反対側の下部開口部(4)に取り外し可能に外嵌された蓋体(5)とを備え、前記下部筒体部(2)の前記上部棒状部(3)に近い部分の外側に薄肉破断部(6)が周設されていて前記容器本体(1)が前記薄肉破断部(6)により下部筒体部(2)と上部棒状部(3)とに分割して分離可能とされているとともに、前記上部棒状部(3)の頂部(3a)側から前記下部筒体部(2)に前記下部開口部(4)に挿入押し出し可能とされ、更に前記上部棒状部(3)が分離されて前記下部筒体部(2)に形成される上部開口部(8)に前記下部開口部(4)から取り外した前記蓋体(5)が上蓋として外嵌可能とされ、且つその外嵌深さを規制するストッパ(7)が前記下部筒体部(2)に設けられていることを特徴とするスティック状化粧料用簡易容器。
- 上部棒状部(3)が分離されて下部筒体部(2)に上部開口部(8)が形成されたとき、充填物(9)の上部(9a)が前記上部開口部(8)より露出していることを特徴とする請求項1記載のスティック状化粧料用簡易容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22736394A JP3639962B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | スティック状化粧料用簡易容器 |
Applications Claiming Priority (1)
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KR20230000542U (ko) * | 2021-09-07 | 2023-03-15 | 주식회사 엔에프씨 | 리필형 스틱 화장품 용기어셈블리 |
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