JP3639660B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヘッドマウントディスプレイやビデオカメラのファインダ、スチルカメラのファインダ等の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の表示装置において、画面上を移動しながら表示される文字情報等を注視する観察者の視線を検出する方法が種々提案されている。
【0003】
その1つを図7〜図10を用いて説明する。
【0004】
図7はイメージセンサに投影された眼球像の概略図、図8は同イメージセンサの出力強度図、図9は視線検出方法の原理を示す上面図、図10は同側面図を示す。
【0005】
図9及び図10において、806a、806bは観察者に対して不感の赤外光を放射する発光ダイオード(IRED)等の光源であり、各光源806a、806bは結像レンズ811の光軸に対して図9に示すようにx方向(水平方向)に略対称に、また、y方向(垂直方向)には図10に示すようにやや下側に配置され、観察者の眼球808を発散照明している。該眼球808で反射した照明光の一部は結像レンズ811によってイメージセンサ812に結像するようになっている。
【0006】
次に図7〜図10を用いて視線の検出方法を説明する。
【0007】
まず、水平面で考えると、図9及び図10において一方の光源806bより放射された赤外光は、観察者の眼球808の角膜810を照明する。このとき角膜810の表面で反射した赤外光により形成される角膜反射像(虚像)dは、図9及び図10の結像レンズ811により集光され、イメージセンサ812上の位置d′に結像する。同様に他方の光源806aより放射された赤外光は眼球の角膜810を照明する。このとき角膜810の表面で反射した赤外光により形成された角膜反射像(虚像)eは、結像レンズ811により集光され、イメージセンサ812上の位置e′に結像する。また虹彩804の端部a、bからの光束は結像レンズ811を介してイメージセンサ812上の位置a′、b′に該端部a、bの像を結像する。結像レンズ811の光軸に対する眼球808の光軸の回転角θが小さい場合、虹彩804の端部a、bのx座標をxa、xbとすると、xa、xbはイメージセンサ812上で多数点求めることが出来る(図7の×印a)。そこで、まず、円の最小自乗法にて瞳孔中心xc803を算出する。
【0008】
一方、角膜810の曲率中心oのx座標をxoとすると、眼球808の光軸に対する回転角θxは、下記(1)式となる。
【0009】
oc*sinθx=xc−xo (1)
また、角膜反射像dとeとの中点kに所定の補正値δxを考慮してxoを求めると、下記(2)式となる。
【0010】
xk=(xd+xe)/2
xo=(xd+xe)/2+δx (2)
ここで、δxは装置の設置方法/眼球距離等から幾何学的に求められる数値であり、その算出方法は省略する。よって、(1)式を(2)式へ代入して回転角θxを求めると、下記(3)式となる。
【0011】
θx=arcsin[[xc−{(xd+xe)/2+δx}]/oc] (3)
更に、図9及び図10のイメージセンサ812上に投影された各々の特徴点の座標の記号に「′」をつけて書き換えると、下記(4)式となる。
【0012】
ここで、βは図9及び図10の結像レンズ811に対する眼球の距離szeにより決まる倍率で、実際は角膜反射像の間隔|xd′−xe′|の関数として求められる。
【0013】
垂直面で考えると図9及び図10のような構成となる。ここで2個のIRED806a、806bにより生じる角膜反射像は同位置に発生し、これをiとする。眼球の回転角θyの算出方法は水平面の時とほぼ同一であるが、上記(2)式のみ異なり、角膜曲率中心oのy座標をyoとすると、下記(5)式となる。
【0014】
yo=yi+δy (5)
ここで、δyは装置の配置方法、眼球距離等から幾何学に求められる数値であり、その算出方法は省略する。依って、垂直方向の回転角θyは、下記(6)式となる。
【0015】
θy=arcsin[[yc′−(yi′+δy′)]/oc/β] (6)
となる。
【0016】
更に、ビデオカメラのファインダの場合、画面上の位置座標(xn、yn)はファインダ光学系で決まる定数mを用いると、水平面上、垂直面上それぞれ、下記(7)式、及び(8)式となる。
【0017】
xn=m*arcsin[[xc′−{(xd′+xe′)/2+δx′}]/oc/β] (7)
yn=m*arcsin[[yc′−(yi′+δy′)]/oc/β] (8)
図7〜図10で明らかなように、瞳孔エッヂの検出はイメージセンサ812の出力波形の立ち上がりxb′、立ち下がりxa′を利用する。また、角膜反射像の座標は鋭い立ち上がり部xe′及びxd′を利用する。
【0018】
次に視線検出機能をポインティングデバイスとして利用したパーソナルコンピュータ(パソコン)のヘッドマウントディスプレイについて、図11及び図12を用いて説明する。
【0019】
図11はヘッドマウントディスプレイの構成を示すブロック図であり、同図において、1110はヘッドマウントディスプレイユニットで、ゴーグル、メガネ等のような形状で、使用者の目の近傍に固定されるようになっている。また1108は液晶表示素子、1109は液晶表示回路で、パソコン画面の表示を行う。更に、1107は特殊なプリズム、1101は観察者の目であり、プリズム1107により、前記液晶画面が拡大されて観察者の目1101に観察される。
【0020】
プリズム1107は、第1の光学作用面a、第2の光学作用面b、第3の光学作用面cを有し、全体として正の屈折力を有する観察光学系である。また、1102は眼球を照明する赤外発光ダイオードで、光軸を含み紙面に平行な平面に対して対称に2個、少なくとも1対の光源を観察者の目1101の下方から該観察者の目1101を照明するように配置されている。1103は観察者の目1101及び角膜反射像を縮小結像する結像レンズ系で、レンズ1103a,1103bを有する。1104は前記像を検出するイメージセンサーである。プリズム1107の第2光学作用面bは、観察者の目1101の上下方向に傾斜しており、液晶表示素子1108は観察者の目1101の上方(または下方)に配置されている。
【0021】
図12は、プリズム1107の第2の光学作用面bから見た側面図であり、第2の光学作用面bには、光を反射するための反射層(斜線部)が設けられており、その中央部には、開口部Aがあいている。
【0022】
次に、観察光学系の光学作用を説明する。
【0023】
液晶表示素子1108からの光はプリズム1107の第3の光学作用面cで、屈折透過し、プリズム内の第1の光学作用面aで全反射し、第2の光学作用面bの反射層で反射し、再び第1の光学作用面aを屈折透過して、観察者の視度に適合した拡がり角(収束角、平行)の光束となり、観察者の目1101側に射出する。ここでは、観察者の目1101と液晶表示素子1108の中心を結ぶ線を基本光軸Lとして示している。そして、観察者の視度に対する調整は、液晶表示素子1108をプリズム1107の光軸に沿って平行移動することにより可能となる。
【0024】
次に視線検出系の光学作用を説明する。
【0025】
赤外発光ダイオード1102から発した光は、視線検出系の光軸とは異なる方向から観察者の目1101を照明する。照明光は観察者の目1101の角膜、瞳孔で反射散乱され、角膜で反射した光は角膜反射像を形成し、瞳孔で散乱した光は瞳孔像を形成する。これらの光は、プリズム1107の第2の光学作用面bに設けられた開口部Aを通して、結像レンズ系1103によりイメージセンサ1104上に結像される。そして、イメージセンサ1104から得られる観察者の目1101の画像は、前述した視線検出原理によって構成された視線検出回路1105によって、注視点データを後述するパソコンユニット1120へ出力するようになっている。
【0026】
プリズム1107は、像性能と歪を補正し、テレセントリックな系とするために、3つの作用面a、b、cをそれぞれ回転対称軸を有しない3次元曲面で構成するのが望ましく、ここでは、基本光軸Lを含み、紙面に平行な平面にのみ対称な曲面構造としている。
【0027】
結像レンズ系1103の一方のレンズ1103aは、楔形状のレンズで、これにより結像レンズ系1103を少ないレンズで構成することができるので小型化に適している。このレンズ1103aの斜めの面に曲率をつけることで、プリズム1107の第2の光学作用面bで発生する偏心収差を有効に補正することができる。更に、結像レンズ系1103には少なくとも非球面を1面設けると、軸外の結像性能を補正する上で有効である。結像レンズ系1103の絞りは、プリズム1107の第2の光学作用面bに設けた開口部Aに近いほうが開口部Aを小さくすることができ、観察光学系に対する中抜けを防ぐのに有効であり、できれば開口部Aと絞りが一致しているのが望ましい。開口部Aは、2mmより小さく設定したほうが観察者の目1101の瞳孔より小さくなり、更に、観察光学系に対する中抜けを防ぐのに有効である。また、観察者の目1101を照明する光は、視感度の低い光がよいので赤外光を使用している。この場合、結像レンズ系1103に可視光をカットする部材からなるレンズ1103bを少なくとも1個設けると、視線の検出精度を向上させることができる。
【0028】
更に、照明光源をプリズム1107を挟んで観察者の目1101と反対側に配置すると、プリズム1107の屈折力が強くなり、高視野化した場合でも、観察者の目1101を適切に照明することができるので望ましい。この場合は、プリズム1107の第2の光学作用面bの反射層の光源の部分に開口部Aを設ける。赤外発光ダイオード1102から発射された光は、プリズム1107の第2の光学作用面bの開口部Aを透過し、第1の光学作用面aを透過して、視線検出系の光軸と異なる方向から観察者の目1101を照明するようになる。
【0029】
次にパソコンユニット1120について説明すると、図11において、1120はパソコンユニット、1114はCPU(中央処理装置)であり、プログラムやデータの演算処理を行うようになっている。1113は各デバイスを結ぶシステムバス、1118は、ROM(読み出し専用メモリ)1116やRAM(読み出し書き込みメモリ)1117の制御を行うメモリコントローラ、1112はビデオRAM1111に書かれた内容がディスプレイに表示されるよう制御するビデオグラフィックコントローラである。1115はポインティングデバイスやキーボードをコントロールするアクセサリ/デバイスコントローラで、本例ではヘッドマウントディスプレイ1110の視線検出回路1105に接続されている。1119は周辺装置制御用のI/Oチャネルで、本例ではヘッドマウントディスプレイ1110の液晶表示回路1109に接続される。
【0030】
ここで、視線検出機能をポインティングデバイスとして利用したヘッドマウントディスプレイパソコンに搭載されている視線ポインティングデバイスの機能について、図13を用いて説明する。
【0031】
図13は観察者がヘッドマウントディスプレイ1301を装着した場合に見える画面であり、1302はメニュー選択表示範囲、1303、1304、1305はメニュー表示、α、β、γはそれぞれのメニュー表示1303〜1305に対応した注視判別のための座標群範囲である。観察者は、メニュー表示1303、1304、1305を一定時間注視することによって、それぞれのメニュー表示に対する機器を実行することができるようになっている。
【0032】
次に視線ポインティングデバイス機能時におけるCPU1114の動作を図14のフローチャートに従って具体的に説明する。それぞれの視線スイッチの指標を含む所定の範囲の座標群はそれぞれ図11のROM1116に記憶されており、各座標群は各指標の図13に示した範囲α、β、γの座標を全て含む。
【0033】
まず、ステップS1401で電源がオン(ON)されると、ステップS1402で変数l、m、nが0にリセットされ、準備ができる。変数l、m、nはそれぞれ観察者の注視点が範囲αのいずれかの座標、範囲βのいずれかの座標、範囲γのいずれかの座標と一致した回数をカウントする変数である。次にステップS1403で図11のCPU1114は、観察者が画面を覗き視線検出が正常に行われている間、絶えず観察者のファインダー上の注視点座標範囲α、β、γを視線検出回路1105から受け取っている。
【0034】
いま、観察者が図13のメニューAのメニュー表示1303を見た場合を説明する。注視点座標が範囲αの内のいずれかの座標に略一致すると(ステップS1404)、ステップS1405で変数m、nを0にリセットし、lが所定の回数(本実施の形態では5回)より多いか否かをステップS1406で判断し、少なければステップS1408でlに1を加え、再びステップS1409でlが5より多いか否かを判断し、少なければ前記ステップS1403へ戻り、再び視線検出回路1105から注視点座標を受け取る。
【0035】
また、前記ステップS1409で5以上と判断されると、ステップS1411でAメニューを選択した後、前記ステップS1403へ戻り、再び視線座標を受け取る。また、前記ステップS1406でlが5以上であれば、前記ステップS1408及びステップS1409をスキップして、前記ステップS1411に進む。
【0036】
範囲αの内のいずれかの座標と視線座標が一致しても、一致した回数が5回に満たない内に範囲αの内のいずれかの座標から1度でもはずれると、ステップS1413、ステップS1421、ステップS1428で変数lは0にリセットされる。
【0037】
他のメニューBのメニュー表示1304及びメニューCのメニュー表示1305を見た場合も、上記図13のメニューAのメニュー表示1303を見た場合と同様なので、図14のフローチャートに示すが、その説明は省略する。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例では、観察者が視線でメニューを選択する際、メニュー表示の大きさ及びピッチに応じた視線検出精度が要求されていた。ところが、一般的に視線検出精度には個人差があり、メニュー表示が小さすぎて選択ができなかったり、必要以上に大きすぎて表示が邪魔になったりするという不具合があった。
【0039】
この発明は上記従来例の有する不具合を改善するためになされたもので、最適な視線によるメニュー選択を可能にした表示装置を提供することを目的とするものである。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の請求項1の表示装置は、画面上に表示される文字情報等を注視する観察者の視線を検出する視線検出手段と、前記視線検出手段によって検出された前記観察者の複数の視線検出位置の分散に基づく統計データに応じて前記観察者の視線検出精度を求め、当該視線検出精度に応じて指標の大きさを小さく、ピッチを狭く、注視エリアを小さくする処理のうちの少なくとも1つを実行するように制御する制御手段とを具備したことを特徴とするものである。
【0041】
また、同じ目的を達成するために、この発明の請求項2の表示装置は、請求項1の表示装置において、前記観察者の判別を行う判別手段と、前記観察者の統計データを計算して保存する保存手段と、視線精度個人差に応じて選択可能な拡大倍率を判別して学習する学習手段と、前記観察者に該当する統計データに応じて指標表示の拡大倍率を選択する選択手段とを具備したことを特徴とするものである。
【0042】
また、同じ目的を達成するために、この発明の請求項3の表示装置は、請求項1の表示装置において、前記視線検出精度を向上させるための個人差補正機能を具備したことを特徴とするものである。
【0043】
更に、同じ目的を達成するために、この発明の請求項4の表示装置は、請求項1の表示装置において、前記視線検出精度を向上させるための自動学習型個人差補正機能を具備したことを特徴とするものである。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図1〜図6に基づき説明する。尚、この発明の表示装置の基本的な構成及び視線検出原理は、上述した従来の図7〜図10及び図11、図12と同一であるから、これらの図を流用して説明する。
【0045】
図1はこの発明の一実施の形態に係る表示装置において、ポインティングデバイスとして利用したヘッドマウントディスプレイパソコンの初期画面を示す図、図2は同ヘッドマウントディスプレイパソコンの観察者の視線検出精度を学習判断した後の画面を示す図である。
【0046】
図1及び図2において、101はパソコン表示画面、102、202は視線メニューエリア、103、104、105、203、204、205はメニュー表示である。また、範囲α、β、γは視線メニュー選択のための座標群エリアである。
【0047】
この図で分かるように、学習後の画面(図2)の方が、初期画面(図1)に比べて視線メニューエリア102、202及びメニュー表示103〜105、203〜205は、小さくなっている。これは、使用者の視線検出精度を学習判断した結果、図2の大きさで十分使いこなせると見なされたからである。
【0048】
図3は視線メニューエリア102、202の大きさ決定の概念図であり、同図において、301は注視認識座標群エリア、302は図11の視線検出回路1105から出力される視点座標である。ここで、図3の(A)は視線検出精度が最悪のときのものであり、注視認識座標群エリア301は実験や経験により決定されるものであり、初期設定はこの状態にしておく。このときの分散をσA、注視認識座標群エリア301の表示倍率(X(s))を1倍とする。また、図3の(B)は観察者の視線検出精度を学習判断した後のものであり、注視認識座標群エリア301は本装置を使用しているうちに判断された視線検出精度により決定されるものである。このときの注視認識座標群エリア301の表示倍率(X(s))は、最新視点座標群の分散σを求め、前記初期設定時の分散σAで割った値を用いる。
【0049】
次に本実施の形態に係る表示装置の動作を図4〜図6を用いて説明する。図4〜図6は、本実施の形態に係る表示装置の動作の制御手順を示すフローチャートである。
【0050】
ここで、SはユーザーID(識別子)であり、たとえば1から5の数字として5人分のユーザーを判別することができる。X(s)は視線メニューエリア102、202の表示倍率、Xα(s)、Xβ(s)、Xγ(s)は図13の範囲α、β、γを注視して得られた表示倍率の途中結果である。σ1、σ2、σ3はA、B、Cメニュー表示を注視したときの過去最新50回分の視線座標データ編差、P(t1)、P(t2)、P(t3)は最新50個の視線座標生データ、σAは最大編差、t1、t2、t3は視線座標データのカウント数である。Xα(s)、Xβ(s)、Xγ(s)は電源を切っても消えることのないEEPROM等のメモリに格納されている。
【0051】
図4において、パソコンの初期状態ではXα(s)、Xβ(s)、Xγ(s)の値を1とする(ステップS401)。ステップS402で電源オン(ON)後、ユーザーIDをキーインして(ステップS403)、IDナンバーをSへ格納する(ステップS404)。次にステップS405でXα(s)、Xβ(s)、Xγ(s)、X(s)をリセットするためのRキーが押された(ONした)場合は、Xα(s)、Xβ(s)、Xγ(s)、X(s)の値を全て1として格納し(ステップS406)、また、前記Rキーが押されない場合は、前記ステップS406をスキップして次のステップS407へ進む。ここで、リセットとは、今まで使用していた人のデータを消して、新たに使用する人のデータを入れるためのものである。
【0052】
次に、t1、t2、t3、σ1、σ2、σ3、P(t1)、P(t2)、P(t3)、I、m、nを全て0リセットし(ステップS407、ステップS408、ステップS409)、視線検出を行い(ステップS410)、図5の視線によるメニュー選択動作が行われるが、ここではAメニューについてのみ説明する。
【0053】
この図5において、ステップS411〜ステップS416及びステップS429は、図13の範囲αを注視したときAメニューが選択される場合のものであり、上述した従来例の図14におけるステップS1404〜ステップS1411及びステップS1428と同一であるから、その説明は省略する。
【0054】
図5のステップS416においてAメニューが選択されると、図6のステップS430で選択された最後の視線座標をP(t1)に格納する(このとき5回の視線座標の平均でもよい)。更に、次のステップS431でt1が「49」より大きいか否かを判断し、小さければステップS438でt1に1を加えて、ステップS457に進む。一方、前記ステップS431においてt1が「49」より大きい場合はステップS432で偏差σ1を求め、次のステップS433で偏差σ1がσAより大きいか否かを判断する。そして、偏差σ1がσAより大きい場合はステップS434でσ1=σAとした後、ステップS435へ進み、小さい場合は前記ステップS434をスキップしてステップS435へ進む。
【0055】
このステップS435では表示倍率Xα(s)を求め、ステップS436でP(t1)を、ステップS437でt1をそれぞれリセットする。この後、ステップS457で同様にして求められたXα(s)、Xβ(s)、Xγ(s)の内の最小値を最終的な表示倍率X(s)とした後、前記図4のステップS410へ戻る。
【0056】
尚、図5において、ステップS418〜ステップS421は、図14のステップS1413〜ステップS1417のmをIに、Iをmに置き換えた点が異なる以外は、互いに同一である。また、図5において、ステップS424〜ステップS427は、図14のステップS1421〜ステップS1425のIをmに、nをIに置き換えた点が異なる以外は、互いに同一である。
【0057】
尚、上述したようにXα(s)、Xβ(s)、Xγ(s)、X(s)は、電源を切っても消えることのないEEPROM等のメモリに格納されており、次回本装置を使用するときにも、過去のデータが反映される。
【0058】
以上のような本実施の形態に係る表示装置によれば、使用者の視線検出精度を学習判断し、その判断結果に応じたメニューエリアを設定することができる。
【0059】
尚、本実施の形態においては、単に視線検出精度の個人差を判断しているが、学習型個人差補正機能、或は同一使用者が使用を繰り返すことにより視線検出精度が向上する実使用による学習型個人差補正機能等を併用することにより、より効果的に応用できる。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明の請求項1の表示装置によれば、観察者の視線検出精度に応じて指標の大きさを小さく、ピッチを狭く、注視エリアを小さくする処理のうちの少なくとも1つを実行するように制御するので、最適な視線によるメニュー選択を行うことができるという効果を奏する。
【0061】
また、この発明の請求項2の表示装置によれば、請求項1の表示装置において、前記観察者の判別を行い、前記観察者の統計データを計算して保存し、視線精度個人差に応じて選択可能な拡大倍率を判別して学習し、前記観察者に該当する統計データに応じて指標表示の拡大倍率を選択するので、より一層最適な視線によるメニュー選択を行うことができるという効果を奏する。
【0062】
また、この発明の請求項3及び請求項4の表示装置によれば、請求項1の表示装置において、個人差補正機能、或は学習型個人差補正機能を有するから、前記視線検出精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る表示装置において、ポインティングデバイスとして利用したヘッドマウントディスプレイパソコンの初期画面を示す図である。
【図2】同ヘッドマウントディスプレイパソコンの観察者の視線検出精度を学習判断した後の画面を示す図である。
【図3】同表示装置における視線メニューエリアの大きさ決定の概念図である。
【図4】同表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】同表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】同表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】同表示装置に設けられたメモリの作用説明図である。
【図8】イメージセンサに投影された眼球像の概略図である。
【図9】同イメージセンサの出力強度を示す図である。
【図10】視線検出方法の原理を説明する上面図である。
【図11】視線検出方法の原理を説明する上面図である。
【図12】従来の表示装置の構成を示すブロック図である。
【図13】同従来の表示装置におけるプリズムの第2の光学作用面から見た側面図である。
【図14】同従来の表示装置における視線メニューの表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
1105 視線検出回路(視線検出手段)
1114 CPU(制御手段、判別手段、保存手段、学習手段、選択手段)
Claims (4)
- 画面上に表示される文字情報等を注視する観察者の視線を検出する視線検出手段と、
前記視線検出手段によって検出された前記観察者の複数の視線検出位置の分散に基づく統計データに応じて前記観察者の視線検出精度を求め、当該視線検出精度に応じて指標の大きさを小さく、ピッチを狭く、注視エリアを小さくする処理のうちの少なくとも1つを実行するように制御する制御手段とを具備したことを特徴とする表示装置。 - 前記観察者の判別を行う判別手段と、前記観察者の統計データを計算して保存する保存手段と、視線精度個人差に応じて選択可能な拡大倍率を判別して学習する学習手段と、前記観察者に該当する統計データに応じて指標表示の拡大倍率を選択する選択手段とを具備したことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記視線検出精度を向上させるための個人差補正機能を具備したことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記視線検出精度を向上させるための自動学習型個人差補正機能を具備したことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35224695A JP3639660B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35224695A JP3639660B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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