JP3639443B2 - デジタルテレビ放送受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、衛星を介して伝送されるデジタルテレビ放送を受信するデジタルテレビ放送受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
CSデジタルテレビ放送受信機では、PPV番組等の有料番組の購入情報は1枚のICカードに記録される。そして、ICカードに記録された購入情報は、モデムおよび公衆電話回線を介して放送事業者のセンターにアップロードされ、課金管理が行われる。
【0003】
ところで、CSデジタルテレビ放送受信機を複数のユーザが利用する場合には、視聴料金を支払う特定のユーザが知らない間に、他のユーザが有料番組を購入し、予期していない程の多額の視聴料金が課せられるといったことも起こりうる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、1台のCSデジタルテレビ放送受信機を複数のユーザが利用する場合に、各ユーザの有料番組の購入金額の上限を設定でき、各ユーザによる有料番組の購入金額に制限をかけることができるデジタルテレビ放送受信機を提供することを目的とする。
【0005】
また、この発明は、1台のCSデジタルテレビ放送受信機を複数のユーザが利用する場合に、特定の一人のユーザが、他のユーザの有料番組の購入金額の上限を設定でき、他のユーザによる有料番組の購入金額に制限をかけることができるデジタルテレビ放送受信機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明による第1のデジタルテレビ放送受信機は、複数のユーザそれぞれに対する有料番組の購入上限金額を特定ユーザによって設定させるための設定手段、上記各ユーザ毎に、設定された購入上限金額および現在までの有料番組の購入金額合計を不揮発性メモリに記憶させる手段、特定ユーザによって購入金額上限が設定された各ユーザ別に、通常の電源キー以外であって互いの異なるキーが電源投入キーとして割り当てられており、電源投入時にいずれのキー操作によって電源が投入されたかに基づいていずれのユーザが電源を投入したかを判別する手段、有料番組が選局された際または有料番組を購入する際には、電源を投入したと判別したユーザに対する購入上限金額から当該ユーザの現在までの有料番組の購入金額合計を差し引いた差額が、今回選局された有料番組の視聴料金以上であるか否かを判別する手段、上記差額が今回選局された有料番組の視聴料金未満である場合には、当該有料番組の購入を禁止させる手段、上記差額が今回選局された有料番組の視聴料金以上である場合には、当該有料番組の購入を許可する手段、ならびに当該有料番組の購入が許可された場合において、当該ユーザが当該有料番組を購入した場合には、当該ユーザの現在までの有料番組の購入金額合計を、今回購入した有料番組の視聴料金を加えた金額に更新させる手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
通常の電源キー操作によって電源が投入された場合には、有料番組の購入を禁止させる手段を設けてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】
図1は、デジタルテレビ放送受信機の構成を示している。
【0010】
アンテナ1で受信された信号は、チューナー2で衛星の特定のトランスポンダーが選局される。選局されたトランスポンダーの信号は、QPSK復調回路3でデジタル信号に復調され、エラー訂正回路4でエラー訂正された後、デスクランブル回路5に入力される。
【0011】
デスクランブル回路5では、有料放送など暗号化されている信号を必要に応じてデスクランブルし、暗号を解き視聴できる信号に変換する。この様にしてデスクランブルされた信号は、デマルチプレクサ6でフィルタリングされ、トランスポートストリームの中に含まれている複数のチャンネルの映像信号の中から現在選択されているチャンネルのMPEG映像信号およびMPEGオーディオ信号がMPEGデコーダ7に送られる。
【0012】
MPEGデコーダ7では、送られてきたMPEG信号を復調し映像信号および音声信号として出力する。またデマルチプレクサ6では、選局および受信機の制御に必要な情報ならびに電子番組案内(EPG)を表示するために必要な各種の情報がトランスポートストリームの中からフィルタリングされて取り出される。受信機はこれらの情報に基づいて選局を行ったり電子番組案内を表示したりする。
【0013】
上記のデスクランブル回路5で暗号を解除するための鍵情報はICカードインターフェース14を通して接続されているICカード30から抽出される。このICカード30には、鍵情報の他、ユーザの認識情報、視聴履歴等も保持されている。視聴履歴は、モデム10を介して適時、放送事業者のセンターに送られ課金管理が行われる。
【0014】
ユーザはリモートコントローラ(以下、リモコンという)40を用いて受信機の操作を行う。リモコン40からの操作情報はリモコン受光部15を介して受信機に取り込まれる。
【0015】
オンスクリーン表示(OSD)回路16は、電子番組案内等の各種情報を提供するためのオンスクリーン表示情報を生成する。OSD回路16で生成されたオンスクリーン表示情報は、MPEG復調された映像信号と合成回路8で合成されNTSCエンコーダ9でNTSC信号に変換されモニタへと送られる。
【0016】
受信機を構成する各機器はCPU20によって制御される。CPU20は、そのプログラム等を記憶するプログラムROM11、プログラムが動作するための作業メモリとして用いられるRAM12、ユーザが予約した番組に関する予約番組情報、パスワード等の不揮発性が要求される情報等を記憶するEEPROM13を備えている。プログラムROM11には、Gコード算出プログラムも記憶されている。RAM12には、受信したEPG情報も記憶される。
【0017】
この実施の形態では、1台のデジタルテレビ放送受信機を複数のユーザが利用する場合に、メインユーザが各ユーザ(メインユーザおよび他のサブユーザ)の有料番組の購入金額の上限を設定できる。
【0018】
図2は、利用者設定方法を示している。
【0019】
この利用者設定は、特定の一人のユーザ(以下、メインユーザという)のみが行えるようになっている。ここでは、既に、メインユーザが、暗証番号を登録しているものとする。
【0020】
図2(a)に示すメニュー画面から利用者設定ボタン51を選択すると、図2(b)に示すような、暗証番号入力画面が表示される。メインユーザが、暗証番号を入力すると、予め登録されている暗証番号と比較され、入力された暗証番号と予め登録されている暗証番号とが一致した場合には、図2(c)に示すような利用者設定画面が表示される。
【0021】
この例では、利用者設定画面には、4人のユーザ(USER1 〜USER4)毎に、有効/ 無効チェックボックス、上限金額の入力ボックス、現在までの金額(現在までの有料番組の購入金額合計)および現在までの金額をクリアするためのクリアボタンがそれぞれ設けられている。また、利用者設定画面には、メインメニュー画面に戻るための戻るボタンが設けられている。
【0022】
利用者設定画面において必要な情報を入力した後に、戻るボタンを押すと、その設定内容がEEPROM13に記憶される。
【0023】
なお、USER1 〜USER4 それぞれに対して、電源をオンさせるための数値キーが割り当てられている。ここでは、説明の便宜上、USER1 〜USER4 に、それぞれ、数値キー”1 ”〜”4 ”が割り当てられているものとする。
【0024】
ただし、数値キー入力によって電源がオンされるのは、利用者設定画面において、有効/無効チェックボックスがチェックされているUSERのみできるようになっている。したがって、図2(c)に示すように、USER1 〜USER4 のうち、USER1 とUSER3に対する有効/無効チェックボックスのみがチェックされている場合には、USER1 に割り当てられた数値キー”1”がオンされた場合またはUSER3に割り当てられた数値キー”3”がオンされた場合には、電源が入れられるが、USER2 またはUSER4 に割り当てられた数値キー”2 ”または”4”がオンされた場合には電源は入れられない。
【0025】
また、通常の電源キーをオンすることによっても、電源が入れられる。しかしながら、電源キーがオンされることによって電源が入れられた場合には、有料番組の購入を行うことはできないようになっている。
【0026】
図3および図4は、視聴制御処理手順を示している
【0027】
電源オン要求があった場合には(ステップ1)、電源キーによる電源オン要求か、数値キー”1”〜”4”による電源ON要求であるかを判別する(ステップ2)。
【0028】
電源キーによる電源オン要求である場合には、電源をオンにさせるとともに、ログインIDとしてゲストID(一時利用者を示すID)を保持する(ステップ3)。
【0029】
数値キー”1”〜”4”による電源オン要求である場合には、その数値キーが利用者設定によって有効となっているユーザ(以下、登録済ユーザという)に対応する数値キーであるか否かが判別される(ステップ4 )。入力された数値キー”1”〜”4”が利用者設定によって有効となっていないユーザに対する数値キーである場合には、ステップ1に戻る。この場合には、電源はオンされない。
【0030】
入力された数値キー”1”〜”4”が利用者設定によって有効となっているユーザ対する数値キーである場合には、電源をオンにさせるとともに、ログインIDとして入力された数値キーに対応するユーザID(USER1 〜USER4 を表すID) を保持する(ステップ5)。
【0031】
電源が入れられると、選局動作を行う(ステップ6)。これにより、映像・音声が出力される。そして、選局されている番組がPPV番組であるか否かを判別する(ステップ7)。
【0032】
選局されている番組がPPV番組である場合には、ログインIDとしてユーザIDが記憶されているか否かを判別する(ステップ8)。ログインIDとしてユーザIDが記憶されている場合には、当該PPV番組の視聴料金が、ユーザIDで示されるUSERの購入可能範囲内か否かを判別する(ステップ9)。つまり、まず、ユーザIDに対応する利用者設定内容をEEPROM13から読み出して、購入上限から現在までの金額を差し引いて、購入可能範囲(購入上限−現在までの金額)を算出する。そして、当該PPV番組の視聴料金が、購入可能範囲内か否かを判別する。
【0033】
当該PPV番組の視聴料金が、ユーザIDで示されるUSERの購入可能範囲内である場合には、購入選択画面を表示する(ステップ10)。
【0034】
購入選択画面に基づいて、購入手続きが行われた場合には(ステップ11でYES)、EEPROM13内の当該ユーザIDに対応する現在までの金額を更新させる(ステップ12)。つまり、当該ユーザIDに対応する現在までの購入金額を、それまでの金額に今回購入したPPV番組の視聴料金を加算した金額に更新する。
【0035】
番組が継続して提示される(ステップ13)。この後において、選局操作が行われた場合または番組が更新された場合には(ステップ14)、ステップ6に戻る。ただし、番組が更新された場合には、選局動作は行われず、ステップ7に移行する。電源がオフされた場合には(ステップ15)、ログインIDをクリアした後(ステップ16)、ステップ1に戻る。
【0036】
上記ステップ7において、選局された番組がPPV番組でない場合、つまり、無料番組である場合には、ステップ13に移行し、当該番組が継続して呈示される。
【0037】
上記ステップ8において、ログインIDとしてユーザIDが記憶されていない場合、つまり、ログインIDとしてゲストIDが記憶されている場合には、購入不可を示すメッセージを表示する(ステップ17)。この後において、選局操作が行われた場合または番組が更新された場合には(ステップ18)、ステップ6に戻る。ただし、番組が更新された場合には、選局動作は行われず、ステップ7に移行する。
【0038】
上記ステップ9において、当該PPV番組の視聴料金が、ユーザIDで示されるUSERの購入可能範囲内でない場合にも、購入不可を示すメッセージを表示する(ステップ17)。この後において、選局操作が行われた場合または番組が更新された場合には(ステップ18)、ステップ6に戻る。ただし、番組が更新された場合には、選局動作は行われず、ステップ7に移行する。
【0039】
上記ステップ11において、購入選択画面に基づく購入続きが行われなかった場合には、未購入である旨のメッセージを表示する(ステップ19)。この後において、選局操作が行われた場合または番組が更新された場合には(ステップ20)、ステップ6に戻る。ただし、番組が更新された場合には、選局動作は行われず、ステップ7に移行する。
【0040】
なお、PPV番組の番組情報として年齢制限の情報が含まれている場合には、利用者設定においてユーザの年齢情報をも設定しておき、当該PPV番組の年齢制限によって視聴できないユーザに対しては、プレビューも表示させることなく、購入不可メッセージを表示させるようにしてもよい。
【0041】
上記実施の形態では、USER1 〜USER4 それぞれに対して、電源をオンさせるための数値キーが割り当てられているが、USER1 〜USER4 それぞれに対して、個別の電源キーボタンを設けるようにしてもよい。
【0042】
また、PPV番組を前もって予約する場合にも、上記図4のステップ9と同様に、番組予約を行おうとするPPV番組の視聴料金が購入可能範囲内か否かを判別し、購入可能範囲内であれば当該PPV番組の予約を許可し、購入可能範囲外である場合には当該PPV番組の予約を禁止させるようにすればよい。そして、番組予約が行われた場合に、現在までの金額を更新するようにすればよい。
【0043】
【発明の効果】
この発明によれば、1台のCSデジタルテレビ放送受信機を複数のユーザが利用する場合に、各ユーザの有料番組の購入金額の上限を設定でき、各ユーザによる有料番組の購入金額に制限をかけることができるようになる。
【0044】
また、この発明によれば、1台のCSデジタルテレビ放送受信機を複数のユーザが利用する場合に、特定の一人のユーザが、他のユーザの有料番組の購入金額の上限を設定でき、他のユーザによる有料番組の購入金額に制限をかけることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルテレビ放送受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】利用者設定方法を説明するための模式図である。
【図3】視聴制御処理手順を示すフローチャートである。
【図4】視聴制御処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 CPU
11 プログラムROM
12 RAM
13 EEPROM
30 ICカード
40 リモコン
Claims (2)
- 複数のユーザそれぞれに対する有料番組の購入上限金額を特定ユーザによって設定させるための設定手段、
上記各ユーザ毎に、設定された購入上限金額および現在までの有料番組の購入金額合計を不揮発性メモリに記憶させる手段、
特定ユーザによって購入金額上限が設定された各ユーザ別に、通常の電源キー以外であって互いの異なるキーが電源投入キーとして割り当てられており、電源投入時にいずれのキー操作によって電源が投入されたかに基づいていずれのユーザが電源を投入したかを判別する手段、
有料番組が選局された際または有料番組を購入する際には、電源を投入したと判別したユーザに対する購入上限金額から当該ユーザの現在までの有料番組の購入金額合計を差し引いた差額が、今回選局された有料番組の視聴料金以上であるか否かを判別する手段、
上記差額が今回選局された有料番組の視聴料金未満である場合には、当該有料番組の購入を禁止させる手段、
上記差額が今回選局された有料番組の視聴料金以上である場合には、当該有料番組の購入を許可する手段、ならびに
当該有料番組の購入が許可された場合において、当該ユーザが当該有料番組を購入した場合には、当該ユーザの現在までの有料番組の購入金額合計を、今回購入した有料番組の視聴料金を加えた金額に更新させる手段、
を備えているデジタルテレビ放送受信機。 - 通常の電源キー操作によって電源が投入された場合には、有料番組の購入を禁止させる手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のデジタルテレビ放送受信機。
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