JP3639419B2 - 車両制御方法及び車両制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御方法及び車両制御システムに係り、特に、エンジンや変速機等のパワートレインを制御する好適な車両制御方法及び車両制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、大多数の市販車のエンジン制御においては、できるだけ多くの利用者の好みを満足させるように、エンジン制御の設定がなされている。これに対して、例えば、特開昭64−53047号公報に記載されているように、運転者のアクセルペダル操作などから運転者の意図を、軽快,普通,緩和の三つの運転モードに分類し、この運転モードにあわせてエンジン制御をすることにより、運転者の個々人の意図を満たすものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭64−53047号公報に記載された方法では、自車を取巻く周辺状況をみていないため、ときとして不的確な制御パラメータを設定してしまう場合がある。その結果、運転者の意図に反した不快な走行性能をもたらしたり、先行車の特性を無視した走行となったりするという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、運転者の意図を反映した快適な走行性能をもたらすとともに、先行車特性に合せた的確な制御を行うことで円滑な走行が可能な車両制御方法及び車両制御システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、先行車との車間距離Lが目標車間距離L0となるようなスロットル開度tTVOを算出し、この算出されたスロットル開度tTVOに応じてスロットルを制御する車両制御方法において、運転者の自車に対する操作動作を示す複数の計測変数に応じて運転者の運転意図を判別し、先行車の動作を示す計測変数に応じて先行車の運転性質を判定し、上記運転者の運転意図及び上記先行車の運転性質に基づいて、先行車との車間距離Lに対するスロットル開度tTVOを規定する微分制御係数Kdを変更してスロットルを制御するようにしたものである。
かかる方法により、運転者意図を判定して車両の制御を行うことにより、運転者意図にあった快適な走行と、先行車の運転特性を判定して車両の制御を行うことにより、先行車に合せた円滑な走行とを両立した車両の制御を行い得るものとなる。
【0013】
(2)上記目的を達成するために、本発明は、先行車との車間距離Lが目標車間距離L0となるようなスロットル開度tTVOを算出するスロットル弁開度算出手段を有し、この算出されたスロットル開度tTVOに応じてスロットルを制御する車両制御システムにおいて、運転者の自車に対する操作動作を示す複数の計測変数に応じて運転者の運転意図を判定する運転者意図判定部と、先行車の動作を示す計測変数に応じて先行車の運転性質を判定する先行車運転性質判定部とを備え、 上記運転者意図判定部において判定された運転者の運転意図及び上記先行車運転性質判定部において判定された先行車の運転性質に基づいて、先行車との車間距離Lに対するスロットル開度tTVOを規定する微分制御係数Kdを変更してスロットルを制御するようにしたものである。
かかる構成により、運転者意図を判定して車両の制御を行うことにより、運転者意図にあった快適な走行と、先行車の運転特性を判定して車両の制御を行うことにより、先行車に合せた円滑な走行とを両立した車両の制御を行い得るものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を用いて、本発明の第1の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムについて説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成について説明する。
【0015】
エンジン10の吸気管12には、スロットルバルブ14が回転可能に支承されている。スロットルバルブ14の開度は、スロットル制御機構32によって制御される。スロットル制御機構32は、制御ユニット100から供給されるスロットル弁開度指令tTVOの制御信号に基づいて、スロットルバルブ14の開度を制御する。
【0016】
エンジン10の各シリンダの上流には、分岐した吸気管12内に燃料を噴射する燃料噴射器34A,34B,34C,34Dが設けられている。なお、ここでは、4気筒のエンジンとして図示しているが、気筒数は、これに限るものでない。燃料噴射器34は、制御ユニット100から供給される燃料噴射信号Gfによって、燃料噴射量を制御する。
【0017】
次に、エンジン等の車両の状態を検出する各種のセンサについて説明する。
吸気管12に取り付けられた空気量センサ40は、吸気管12からエンジン10に吸入される空気量を検出して、吸入空気量の検出信号を制御ユニット100に出力する。アクセルペダル踏込み角センサ42は、アクセルペダルの踏込量を検出して、アクセルペダル踏込み角APSの検出信号を制御ユニット100に出力する。クランク角センサ44は、エンジンのクランク軸の回転数を検出して、エンジン回転数の検出信号を制御ユニット100に出力する。水温センサ46は、エンジンの冷却水の温度を検出して、水温の検出信号を制御ユニット100に出力する。
【0018】
車速センサ48は、車軸の回転数を検出して、車速V1の検出信号を制御ユニット100に出力する。空燃比センサ50は、排気管16に取り付けられ、排気ガスに基づいて空燃比を検出して、空燃比の検出信号を制御ユニット100に出力する。スロットルセンサ52は、スロットル弁14の開度を検出して、スロットル開度の検出信号を制御ユニット100に出力する。ブレーキ踏込み角センサ54は、ブレーキペダルの踏込量を検出して、ブレーキペダル踏込み角BPSの検出信号を制御ユニット100に出力する。
【0019】
さらに、光学センサ56は、車両の前部に取り付けられており、先行車両のブレーキランプの点灯を検出し、先行車ブレーキランプ点灯検出信号を制御ユニット100に出力する。レーダー装置58は、車両の前部に取り付けられており、先行車両との車間距離を測定し、先行車との車間距離Lの検出信号を制御ユニット100に出力する。
【0020】
さらに、運転モードを制御するために、運転意図入力スイッチ60と、自動追従走行スイッチ62とを有している。運転意図入力スイッチ60は、自動走行モード,スポーティ走行モード,エコノミー走行モード等を切り替えて選択可能であり、このモード切替に応じて、制御ユニット100は、運転モードを選択されたモードに切り替えて、車両の制御を行う。ここで、自動走行モードとは、本実施形態において詳述するように、運転者の意図を自動判定するとともに、先行車両の運転性質も判定し、両者の判定結果に基づいて、車両を自動制御するものである。スポーティ走行モード及びエコノミー走行モードは、運転者が直接操作選択することによって運転者の意図を制御ユニット100に入力することにより、加速性を重視したスポーティな走行を可能としたり、ゆっくりと走行して燃費を改善するエコノミーな走行を可能とする。
【0021】
自動追従走行スイッチ60は、このスイッチがオンされると、制御ユニット100は、運転モードを自動追従走行モードに切替て、車両を制御する。自動追従走行モードについては、図9を用いて後述するが、運転者の意図及び先行車の運転特性に応じた車間距離を維持しつつ、自動的に車速を変えながら先行車を追従するものである。
【0022】
制御ユニット100には、吸入空気量,アクセルペダル踏込み角APS,エンジン回転数,水温,車速V1,空燃比,ブレーキペダル踏込み角BPS,先行車ブレーキランプ点灯検出信号,先行車との車間距離L等の各種の検出信号が入力する。制御ユニット100は、これらの検出信号に基づいて、スロットル弁開度指令tTVOをスロットル制御機構32に出力してスロットル弁14の開度を制御したり、燃料噴射器34や他のパワートレインを制御する。
なお、本実施形態においては、制御ユニット100は、アクセルペダル踏込み角APS,車速V1,ブレーキペダル踏込み角BPS,先行車ブレーキランプ点灯検出信号,先行車との車間距離Lの検出信号に基づいて、運転者の意図及び先行車の運転性質を判定し、スロットル弁開度指令tTVOをスロットル制御機構32に出力してスロットル弁14の開度を制御するようにしている。
【0023】
制御ユニット100は、相互にバスによって接続されたCPU102,ROM104,RAM106,タイマ108,IO/LSI110から構成されている。CPU102は、ROM104に格納された制御プログラムに基づいて、エンジン10や他の変速機等のパワートレインを制御する。各種入力信号は、IO/LSI110を介して制御ユニット100内に入力され、RAM106に一時的に格納される。CPU102は、RAM106に格納されたエンジン等の状態を表す入力信号に基づいて、制御信号を算出し、この制御信号は、IO/LSI110を介して出力される。タイマー108は、所定の周期で、CPU102に割り込み要求を発生し、これに応じてCPU102はROM104に格納された制御プログラムを実行する。本実施形態による制御方法は、制御プログラムとしROM104に格納されている。
【0024】
次に、図2を用いて、本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成について説明する。
最初に、全体の構成について簡単に説明し、次に、各部の動作について図3〜図8を用いて詳細に説明する。
【0025】
制御ユニット100のスロットル弁開度算出部120は、アクセルペダル踏込み角センサ42によって検出されたアクセルペダル踏込み角APSに基づいて、定常状態で確保すべきスロットル弁開度ttTVOを決定する。スロットル弁開度算出部120は、後述するように、エンジン定常運転特性設定部160によって可変である。
【0026】
スロットル応答特性設定(遅れ処理)部130は、スロットル弁開度算出部120によって算出された定常状態で確保すべきスロットル弁開度ttTVOに対して、時間遅れ処理を施し、スロットル弁開度指令tTVOを算出する。時間遅れの程度は、後述するように、エンジン過渡運転特性設定部170によって可変である。
【0027】
運転者意図判定部140は、アクセルペダル踏込み角センサ42によって検出されたアクセルペダル踏込み角APSと、ブレーキ踏込み角センサ54によって検出されたブレーキペダル踏込み角BPSと、車速センサ48によって検出された車速V1に基づいて、運転者の運転意図を判定し、数値化する。
【0028】
運転者の意図を知るには、発進時や定速走行時のアクセルペダルの踏み方、減速時や停車時のブレーキペダルの踏み方、走行時のハンドルの切り方、先行車両との車間距離のデータを収集し、これらと車速、加速度、エンジン回転数などを参照して評価することにより行える。評価にはあたっては、アクセルペダルやブレーキペダルやハンドル位置の単位時間あたりの変化量や、その他の計測データを予め設定しておいたファジィ理論のメンバシップ関数に適用することにより、運転者の意図を分類、数値化できる。本実施形態では、上述したように、アクセルペダル踏込み角APSと、ブレーキペダル踏込み角BPSと、車速V1に基づいて、運転者の運転意図を判定し、数値化するようにしている。
【0029】
先行車運転特性判定部150は、車速センサ48によって検出された車速V1と、レーダ装置56によって検出された先行車との車間距離Lと、光センサ58によって検出された先行車のブレーキランプ点灯検出信号に基づいて、先行車の運転性質を判定し、数値化する。
【0030】
先行車両の運転性質を判定するには、速度、加速度、ブレーキランプの点灯、車体の横揺れなどのデータを収集し、評価することで行える。評価にあたっては、計測データを予め設定しておいたファジィ理論のメンバシップ関数に適用することにより、先行車の運転性質を分類、数値化できる。本実施形態では、上述したように、車速V1と、先行車との車間距離Lと、先行車のブレーキランプ点灯検出信号に基づいて、先行車の運転性質を判定し、数値化するようにしている。
【0031】
エンジン定常運転特性設定部160は、運転者意図判定部140によって判定された運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって判定された先行車運転性質とに基づいて、定常運転に関する運転特性を判定し、数値化する。この数値に比例して、スロットル弁開度算出部120におけるアクセルペダル踏込み角APSとスロットル弁開度ttTVOの対応関係を変化させる。
【0032】
エンジン過渡運転特性設定部170は、運転者意図判定部140によって判定された運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって判定された先行車運転性質とに基づいて、過渡での運転特性を判定し、数値化する。この数値は、スロットル応答特性設定部130におけるスロットル弁開度ttTVOからスロットル弁開度指令tTVOを算出する際の遅れ時間を変化させる。
【0033】
以上のようにして、運転者意図判定部140によって判定された運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって判定された先行車運転性質とに基づいて、アクセルペダル踏込み角APSに対するスロットル弁開度指令tTVOを変えることにより、運転者の意図を反映した快適な走行性能を得ることができ、また、先行車の運転性質に応じた的確な制御を行い、円滑な走行が可能となる。
【0034】
即ち、本実施形態では、運転者の意図(軽快度:「紳士」、「普通」、「軽快」)を運転操作から判定するとともに、先行する車両の運転性質(激しさ:「丁寧」、「普通」、「激しい」)をその挙動から判定し、これらの判断結果から制御パラメータが持つべき運転特性を随時更新する。これにより、運転者の意図を反映した快適な走行性能をもたらすとともに、先行車特性に合せた的確な制御を行うことで円滑な走行が可能となる。
【0035】
次に、図3を用いて、本実施形態におけるスロットル弁開度算出部120の動作について説明する。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中のスロットル弁開度算出部の動作説明図である。
【0037】
スロットル弁開度算出部120は、図3に示す関係で、アクセルペダル踏込み角APSから定常状態で確保すべきスロットル弁開度ttTVOを決定する。即ち、図3は、横軸をアクセルペダル踏込み角APSとし、縦軸をスロットル弁開度ttTVOとしたときの両者の関係を示している。運転特性中間時を基準として考えると、運転特性最小時は、アクセルペダル踏込み角APSに対してスロットル弁開度ttTVOの変化が小さくなっている。即ち、運転特性中間時と同様にアクセルペダルが踏み込まれた場合でも、スロットル弁の開度が小さくなるように設定されおり、運転特性中間時に比べて、車両の加速も控え目であり、車両の速度も控えるような運転特性となる。他方、運転特性最大時は、アクセルペダル踏込み角APSに対してスロットル弁開度ttTVOの変化が大きくなっている。即ち、運転特性中間時と同様にアクセルペダルが踏み込まれた場合でも、スロットル弁の開度が大きくなるように設定されおり、運転特性中間時に比べて車両の加速もよく、速度も高まるような運転特性となる。
【0038】
アクセルペダル踏込み角APSと、スロットル弁開度ttTVOと関係は、マップ若しくはテーブル形式で、ROM104に格納されており、エンジン定常運転特性設定部160から与えられる定常時の運転特性を示す数値に応じて、スロットル弁開度算出部120は、定常状態で確保すべきスロットル弁開度ttTVOを決定する。
【0039】
次に、スロットル応答特性設定部130の処理内容について説明する。
スロットル応答特性設定部130は、以下の式(1)に従い、スロットル弁開度算出部120によって求められたスロットル弁開度ttTVOに対して、時間遅れ処理を施し、スロットル弁開度指令tTVOを算出する。
【0040】
【数1】
【0041】
ここで、sはラプラス演算子である。遅れの時定数T1、T2は、エンジン過渡運転特性設定部170により設定される。
【0042】
このスロットル弁開度指令tTVOが、制御ユニット100からスロットル制御機構32へ開度指令値として出力される。
【0043】
次に、図4を用いて、本実施形態による運転者意図判定部140の処理内容について説明する。
【0044】
運転者意図判定部140は、運転者のアクセルペダル操作とブレーキペダル操作と車速V1から、ファジィ理論を用いて運転者の運転意図を判定し、数値化する。
【0045】
図4(A)は、アクセルペダルの操作量を「大」,「中」,「小」のカテゴリーに分類したとき、アクセルペダル踏込み角APSの単位時間当たりの踏込み角ΔAPSが、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。単位時間当たりの踏込み角ΔAPSは、アクセルペダル踏込み角センサ42によて検出されたアクセルペダル踏込み角APSから、サンプリング時間毎のそれぞれの変化量ΔAPSを算出することにより求められる。例えば、計測された値がΔAPS1であるとき、運転者意図判定部140は、カテゴリー「中」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「大」のグレードが「0.5」であると、図4(A)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0046】
また、図4(B)は、ブレーキペダルの操作量を「大」,「中」,「小」のカテゴリーに分類したとき、ブレーキペダル踏込み角BPSの単位時間当たりの踏込み角ΔBPSが、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。単位時間当たりの踏込み角ΔBPSは、ブレーキペダル踏込み角センサ54によて検出されたブレーキペダル踏込み角BPSから、サンプリング時間毎のそれぞれの変化量ΔBPSを算出することにより求められる。例えば、計測された値がΔBPS1であるとき、運転者意図判定部140は、カテゴリー「中」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「小」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「大」のグレードが「0.1」であると、図4(B)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0047】
図4(C)は、アクセルペダル踏込み角APSの単位時間あたりの踏込み角ΔAPSと、ブレーキペダル踏込み角BPSの単位時間あたりの踏込み角ΔBPSの組合せによって、運転者の運転意図を判定する判定ルールを示している。
【0048】
発進時や停車時,定速走行からの加減速時において、アクセルペダル踏込み角APS,ブレーキペダル踏込み角BPSのそれぞれの単位時間あたりの踏込み角ΔAPS,ΔBPSが大きいほど、運転者の運転意図は「軽快」を指向している。また、逆に、ΔAPS,ΔBPSが小さいほど、運転者の運転意図は「紳士」を指向している。このルールは、図4(C)のようにまとめられる。なお、発進,停車,定速走行を行っていたかは、車速をみることにより判断(数値化)できる。このような運転状況下で計測されたΔAPSあるいはΔBPSを次回の計測まで保持し、これを入力として、運転意図が判定される。
【0049】
図4(C)に示す判定ルールから、ファジィ理論にもとづくmax−min合成を用いた推論法により、運転者意図が「紳士」,「普通」,「軽快」に属する割合(縮小係数)が算出される。
【0050】
例えば、上述したように、計測された値がΔAPS1であるとき、図4(A)に示すメンバシップ関数を用いて、運転者意図判定部140は、カテゴリー「中」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「大」のグレードが「0.5」であると求める。また、計測された値がΔBPS1であるとき、図4(B)に示すメンバシップ関数を用いて、運転者意図判定部140は、カテゴリー「中」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「小」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「大」のグレードが「0.1」であると求める。即ち、ΔAPSは、カテゴリー「大」,「中」の2カテゴリーとなり、ΔBPSは、カテゴリー「大」,「中」,「小」の3カテゴリーとなり、それぞれの組合せは、図4(C)における9通りの組合せの中の6通りとなる。そこで、それぞれの組合せから、min値を求める。
【0051】
即ち、ΔAPSが「大(グレード0.5)」で、ΔBPSが「大(グレード0.1)のときは、図4(C)の判定ルールから、運転者意図は「軽快」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.1)=0.1となる。同様にして、ΔAPSが「大(グレード0.5)」で、ΔBPSが「中(グレード0.6)のときは、図4(C)の判定ルールから、運転者意図は「軽快」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.6)=0.5となる。ΔAPSが「大(グレード0.5)」で、ΔBPSが「小(グレード0.3)のときは、図4(C)の判定ルールから、運転者意図は「普通」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.3)=0.3となる。
【0052】
さらに、ΔAPSが「中(グレード0.9)」で、ΔBPSが「大(グレード0.1)のときは、図4(C)の判定ルールから、運転者意図は「軽快」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。ΔAPSが「中(グレード0.9)」で、ΔBPSが「中(グレード0.6)のときは、図4(C)の判定ルールから、運転者意図は「普通」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.6)=0.6となる。ΔAPSが「中(グレード0.9)」で、ΔBPSが「小(グレード0.1)のときは、図4(C)の判定ルールから、運転者意図は「紳士」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。
【0053】
さらに、これらの6通りの組合せを、運転者意図で分類し、max値を求める。即ち、運転者意図「軽快」の縮小係数は、max(0.1,0.5,0.1)=0.5となる。運転者意図「普通」の縮小係数は、max(0.3,0.6)=0.6となる。運転者意図「紳士」の縮小係数は、max(0.1)=0.1となる。即ち、運転者意図が、「軽快」である割合は「0.6」であり、「普通」である割合は「0.5」であり、「紳士」である割合は「0.3」である。
【0054】
図4(D)は、運転者意図に関するメンバシップ関数である。
【0055】
図4(E)は、図4(D)の運転者意図に関するメンバシップ関数に対して、上述した運転者意図の縮小係数を掛けた上で合成したものである。この合成された運転者意図の重心MD1を求めることにより、運転者意図を運転者意図数値MDとして、数値化することができる。求められた運転者意図数値MD1は、エンジン定常運転特性設定部160及びエンジン過渡運転特性設定部170において用いられる。
【0056】
なお、ここで、偶発的な操作による運転意図の誤判定をさけるため、複数回の判定により得られた数値の平均をとったものを、運転者意図判定部140の出力としてもよい。
【0057】
次に、図5を用いて、本実施形態による先行車運転性質判定部150の処理内容について説明する。
【0058】
先行車運転性質判定部150は、レーダー装置58によって検出された先行車との車間距離Lと車速センサ48によって検出された自車の速度V1とから、先行車両の加速度A2を求め、これと光学センサ56によって検出された先行車ブレーキランプ点灯検出信号とから、先行車の運転性質を判定し、数値化する。
【0059】
図5(A)は、先行車両の加速度A2を「大」,「中」,「小」のカテゴリーに分類したとき、先行車両の加速度A2が、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。例えば、求められた先行車両の加速度A2がA2−1であるとき、先行車運転性質判定部150は、カテゴリー「中」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「大」のグレードが「0.5」であると、図5(A)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0060】
また、図5(B)は、単位時間当たりのブレーキランプ点灯回数BRCを「大」,「中」,「小」のカテゴリーに分類したとき、検出されたブレーキランプ点灯回数BRCが、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。例えば、検出された値がBRC1であるとき、先行車運転性質判定部150は、カテゴリー「中」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「小」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「大」のグレードが「0.1」であると、図5(B)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0061】
図5(C)は、先行車両の加速度A2と、ブレーキランプ点灯回数BRCの組合せによって、先行車の運転性質を判定する判定ルールを示している。先行車両の加速度A2が大きく、ブレーキランプ点灯回数BRCが多いほど、先行車の運転性質は「激しい」を指向している。また、逆に、A2,BRCが小さいほど、先行車の運転性質は「丁寧」を指向している。このルールは、図5(C)のようにまとめられる。
【0062】
図5(C)に示す判定ルールから、ファジィ理論にもとづくmax−min合成を用いた推論法により、先行車運転性質が「丁寧」,「普通」,「激しい」に属する割合(縮小係数)が算出される。
【0063】
例えば、上述したように、求められた値がA2−1であるとき、図5(A)に示すメンバシップ関数を用いて、先行車運転性質判定部150は、カテゴリー「中」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「大」のグレードが「0.5」であると求める。また、計測された値がBRC1であるとき、図5(B)に示すメンバシップ関数を用いて、先行車運転性質判定部150は、カテゴリー「中」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「小」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「大」のグレードが「0.1」であると求める。即ち、A2は、カテゴリー「大」,「中」の2カテゴリーとなり、BRCは、カテゴリー「大」,「中」,「小」の3カテゴリーとなり、それぞれの組合せは、図5(C)における9通りの組合せの中の6通りとなる。そこで、それぞれの組合せから、min値を求める。
【0064】
即ち、A2が「大(カテゴリー0.5)」で、BRCが「大(カテゴリー0.1)のときは、図5(C)の判定ルールから、先行車運転性質は「激しい」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.1)=0.1となる。同様にして、A2が「大(カテゴリー0.5)」で、BRCが「中(カテゴリー0.6)のときは、図5(C)の判定ルールから、先行車運転性質は「激しい」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.6)=0.5となる。A2が「大(カテゴリー0.5)」で、BRCが「小(カテゴリー0.3)のときは、図5(C)の判定ルールから、先行車運転性質は「普通」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.3)=0.3となる。
【0065】
さらに、A2が「中(カテゴリー0.9)」で、BRCが「大(カテゴリー0.1)のときは、図5(C)の判定ルールから、先行車運転性質は「激しい」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。A2が「中(カテゴリー0.9)」で、BRCが「中(カテゴリー0.6)のときは、図5(C)の判定ルールから、先行車運転性質は「普通」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.6)=0.6となる。A2が「中(カテゴリー0.9)」で、BRCが「小(カテゴリー0.1)のときは、図5(C)の判定ルールから、先行車運転性質は「丁寧」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。
【0066】
さらに、これらの6通りの組合せを、運転者意図で分類し、max値を求める。即ち、先行車運転性質「激しい」の縮小係数は、max(0.1,0.5,0.1)=0.5となる。先行車運転性質「普通」の縮小係数は、max(0.3,0.6)=0.6となる。先行車運転性質「丁寧」の縮小係数は、max(0.1)=0.1となる。即ち、先行車運転性質が、「激しい」である割合は「0.6」であり、「普通」である割合は「0.5」であり、「丁寧」である割合は「0.3」である。
【0067】
図5(D)は、先行車運転性質に関するメンバシップ関数である。
【0068】
図5(E)は、図5(D)の先行車運転性質に関するメンバシップ関数に対して、上述した先行車運転性質の縮小係数を掛けた上で合成したものである。この合成された先行車運転性質の重心MC1を求めることにより、先行車運転性質図を先行車運転性質数値MCとして、数値化することができる。求められた先行車運転性質数値MC1は、エンジン定常運転特性設定部160及びエンジン過渡運転特性設定部170において用いられる。
【0069】
なお、ここで、偶発的な操作による先行車運転性質の誤判定をさけるため、複数回の判定により得られた数値の平均をとったものを、先行車運転性質判定部150の出力としてもよい。あるいは、複数回の計測によって得たΔAPS,ΔBPSを、それぞれ、2回以上の所定の回数で移動平均化し、これらを運転者意図判定部140への入力としてもよい。あるいは、単位時間に計測した先行車両の加速度A2,ブレーキランプ点灯回数BRCを、それぞれ2回以上の所定回数で移動平均化し、これらを先行車運転性質判定部150への入力としてもよい。
【0070】
次に、図6を用いて、本実施形態によるエンジン定常運転特性設定部160の処理内容について説明する。
【0071】
エンジン定常運転特性設定部160は、運転車意図判定部140によって求められた運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって求められた先行車運転性質とから、定常運転に関する運転特性を判定し、数値化する。この数値は小さいほど運転特性が「丁寧」、大きいほど「激しい」ことを示すものである。
【0072】
図6(A)は、運転者意図判定値MDを「軽快」,「普通」,「紳士」のカテゴリーに分類したとき、運転者意図判定部140によって求められた運転者意図判定値MDが、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。例えば、求められた運転者意図判定値MDが図4において説明したようにMD1であるとき、エンジン定常運転特性設定部160は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「軽快」のグレードが「0.5」であると、図6(A)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0073】
また、図6(B)は、先行車運転性質判定値MCを「激しい」,「普通」,「丁寧」のカテゴリーに分類したとき、先行車運転性質判定部150によって求められた先行車運転性質判定値MCが、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。例えば、検出された値がMC1であるとき、エンジン定常運転特性設定部160は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「丁寧」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「激しい」のグレードが「0.1」であると、図6(B)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0074】
図6(C)は、運転者意図判定値MDと、先行車運転性質判定値MCとの組合せによって、定常運転特性を判定する判定ルールを示している。運転者意図MDが大きく、先行車運転性質MCが大きいほど、定常運転特性は「立上り重視」を指向している。また、逆に、MD,MCが小さいほど、定常運転特性は「じっくり」を指向している。このルールは、図6(C)のようにまとめられる。
【0075】
図6(C)に示す判定ルールから、ファジィ理論にもとづくmax−min合成を用いた推論法により、定常運転特性が「じっくり」,「通常」,「立上り重視」に属する割合(縮小係数)が算出される。
【0076】
例えば、上述したように、求められた値がMD1であるとき、図6(A)に示すメンバシップ関数を用いて、エンジン定常運転特性設定部160は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「軽快」のグレードが「0.5」であると求める。また、計測された値がMC1であるとき、図6(B)に示すメンバシップ関数を用いて、エンジン定常運転特性設定部160は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「丁寧」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「激しい」のグレードが「0.1」であると求める。即ち、MDは、カテゴリー「軽快」,「普通」の2カテゴリーとなり、MCは、カテゴリー「激しい」,「普通」,「丁寧」の3カテゴリーとなり、それぞれの組合せは、図6(C)における9通りの組合せの中の6通りとなる。そこで、それぞれの組合せから、min値を求める。
【0077】
即ち、MDが「軽快(グレード0.5)」で、MCが「激しい(グレード0.1)のときは、図6(C)の判定ルールから、運転者意図は「立上り重視」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.1)=0.1となる。同様にして、MDが「軽快(グレード0.5)」で、MCが「普通(グレード0.6)のときは、図6(C)の判定ルールから、定常運転特性は「立上り重視」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.6)=0.5となる。MDが「軽快(グレード0.5)」で、MCが「丁寧(グレード0.3)のときは、図6(C)の判定ルールから、定常運転特性は「通常」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.3)=0.3となる。
【0078】
さらに、MDが「普通(グレード0.9)」で、MCが「激しい(グレード0.1)のときは、図6(C)の判定ルールから、定常運転特性は「立上り重視」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。MDが「普通(グレード0.9)」で、MCが「普通(グレード0.6)のときは、図6(C)の判定ルールから、定常運転特性は「通常」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.6)=0.6となる。MDが「普通(グレード0.9)」で、MCが「丁寧(グレード0.1)のときは、図6(C)の判定ルールから、定常運転特性は「じっくり」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。
【0079】
さらに、これらの6通りの組合せを、定常運転特性で分類し、max値を求める。即ち、定常運転特性「立上り重視」の縮小係数は、max(0.1,0.5,0.1)=0.5となる。定常運転特性「通常」の縮小係数は、max(0.3,0.6)=0.6となる。定常運転特性「じっくり」の縮小係数は、max(0.1)=0.1となる。即ち、定常運転特性が、「立上り重視」である割合は「0.6」であり、「通常」である割合は「0.5」であり、「じっくり」である割合は「0.3」である。
【0080】
図6(D)は、定常運転特性に関するメンバシップ関数である。
【0081】
図6(E)は、図6(D)の定常運転特性に関するメンバシップ関数に対して、上述した定常運転特性の縮小係数を掛けた上で合成したものである。この合成された定常運転特性の重心MS1を求めることにより、定常運転特性を定常運転特性数値MSとして、数値化することができる。求められた定常運転特性数値MS1に基づいて、スロットル弁開度算出部120は、図3に示したアクセルペダル踏込み角とスロットル弁開度の対応関係を変化させる。定常運転特性が激しいほど、わずかなアクセルぺダル踏込み量でスロットル弁が大きく開くことになる。
【0082】
次に、図7を用いて、本実施形態によるエンジン過渡運転特性設定部170の処理内容について説明する。
【0083】
エンジン過渡運転特性設定部170は、運転車意図判定部140によって求められた運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって求められた先行車運転性質とから、過渡運転に関する運転特性を判定し、運転の激しさを数値化する。この数値は小さいほど運転特性が「緩」、大きいほど「急」であることを示すものである。
【0084】
図7(A)は、運転者意図判定値MDを「軽快」,「普通」,「紳士」のカテゴリーに分類したとき、運転者意図判定部140によって求められた運転者意図判定値MDが、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。例えば、求められた運転者意図判定値MDが図4において説明したようにMD1であるとき、エンジン過渡運転特性設定部170は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「軽快」のグレードが「0.5」であると、図7(A)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0085】
また、図7(B)は、先行車運転性質判定値MCを「激しい」,「普通」,「丁寧」のカテゴリーに分類したとき、先行車運転性質判定部150によって求められた先行車運転性質判定値MCが、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。例えば、検出された値がMC1であるとき、エンジン過渡運転特性設定部170は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「丁寧」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「激しい」のグレードが「0.1」であると、図7(B)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0086】
図7(C)は、運転者意図判定値MDと、先行車運転性質判定値MCとの組合せによって、過渡運転特性を判定する判定ルールを示している。運転者意図MDが大きく、先行車運転性質MCが大きいほど、過渡運転特性は「立上り重視」を指向している。また、逆に、MD,MCが小さいほど、過渡運転特性は「じっくり」を指向している。このルールは、図7(C)のようにまとめられる。
【0087】
図7(C)に示す判定ルールから、ファジィ理論にもとづくmax−min合成を用いた推論法により、過渡運転特性が「じっくり」,「通常」,「立上り重視」に属する割合(縮小係数)が算出される。
【0088】
例えば、上述したように、求められた値がMD1であるとき、図7(A)に示すメンバシップ関数を用いて、エンジン過渡運転特性設定部170は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「軽快」のグレードが「0.5」であると求める。また、計測された値がMC1であるとき、図7(B)に示すメンバシップ関数を用いて、エンジン過渡運転特性設定部170は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「丁寧」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「激しい」のグレードが「0.1」であると求める。即ち、MDは、カテゴリー「軽快」,「普通」の2カテゴリーとなり、MCは、カテゴリー「激しい」,「普通」,「丁寧」の3カテゴリーとなり、それぞれの組合せは、図7(C)における9通りの組合せの中の6通りとなる。そこで、それぞれの組合せから、min値を求める。
【0089】
即ち、MDが「軽快(カテゴリー0.5)」で、MCが「激しい(カテゴリー0.1)のときは、図7(C)の判定ルールから、過渡運転特性は「急」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.1)=0.1となる。同様にして、MDが「軽快(カテゴリー0.5)」で、MCが「普通(カテゴリー0.6)のときは、図7(C)の判定ルールから、過渡運転特性は「急」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.6)=0.5となる。MDが「軽快(カテゴリー0.5)」で、MCが「丁寧(カテゴリー0.3)のときは、図7(C)の判定ルールから、過渡運転特性は「通常」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.3)=0.3となる。
【0090】
さらに、MDが「普通(カテゴリー0.9)」で、MCが「激しい(カテゴリー0.1)のときは、図7(C)の判定ルールから、過渡運転特性は「急」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。MDが「普通(カテゴリー0.9)」で、MCが「普通(カテゴリー0.6)のときは、図7(C)の判定ルールから、過渡運転特性は「通常」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.6)=0.6となる。MDが「普通(カテゴリー0.9)」で、MCが「丁寧(カテゴリー0.1)のときは、図7(C)の判定ルールから、過渡運転特性は「緩」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。
【0091】
さらに、これらの6通りの組合せを、過渡運転特性で分類し、max値を求める。即ち、過渡運転特性「急」の縮小係数は、max(0.1,0.5,0.1)=0.5となる。過渡運転特性「通常」の縮小係数は、max(0.3,0.6)=0.6となる。過渡運転特性「緩」の縮小係数は、max(0.1)=0.1となる。即ち、過渡運転特性が、「急」である割合は「0.6」であり、「通常」である割合は「0.5」であり、「緩」である割合は「0.3」である。
【0092】
図7(D)は、過渡運転特性に関するメンバシップ関数である。
【0093】
図7(E)は、図7(D)の過渡運転特性に関するメンバシップ関数に対して、上述した過渡運転特性の縮小係数を掛けた上で合成したものである。この合成された過渡運転特性の重心MT1を求めることにより、過渡運転特性を過渡運転特性数値MTとして、数値化することができる。求められた過渡運転特性数値MT1に基づいて、スロットル弁応答特性設定部130は、スロットル弁開度算出部120によって算出された定常状態で確保すべきスロットル弁開度ttTVOに対して、時間遅れ処理を施し、スロットル弁開度指令tTVOを算出する。例えば、過渡運転特性数値MTを0.0〜1.0の範囲に数値化した場合、MT=0.0のとき、式(1)に示した時定数T1,T2をそれぞれ、T1=0.4、T2=0と設定し、1次遅れとする。また、MT=0.5のとき、T1=0、T2=0とし、MT=1.0のとき、T1=0、T2=0.05とし、位相進みとする。MTの中間値に対するT1,T2は、上述した関係を線形補完して求める。
【0094】
次に、図8を用いて、本実施形態による制御ユニット100の制御処理の流れについて説明する。
【0095】
ステップ810において、制御ユニット100のスロットル弁開度算出部120は、アクセルペダル踏込み角センサ42によって検出されたアクセルペダル踏込み角APSに基づいて、定常状態で確保すべきスロットル弁開度ttTVOを決定する。このとき、メモリ880に記憶されている図3に示したアクセルペダル踏込み角APSとスロットル弁開度ttTVOの関係を参照している。
【0096】
ステップ820において、スロットル応答特性設定部130は、スロットル弁開度算出部120によって算出された定常状態で確保すべきスロットル弁開度ttTVOに対して、時間遅れ処理を施し、スロットル弁開度指令tTVOを算出する。このとき、時間遅れの係数T1,T2は、メモリ890に記録されている数1の係数T1、T2を参照している。
【0097】
ステップ830において、運転者意図判定部140は、図4において説明したように、アクセルペダル踏込み角センサ42によって検出されたアクセルペダル踏込み角APSと、ブレーキ踏込み角センサ54によって検出されたブレーキペダル踏込み角BPSと、車速センサ48によって検出された車速V1に基づいて、運転者の運転意図を判定し、数値化する。発進時,停車時,定速走行からの加減速時でないときは、前回の運転者意図の値を保持する。
【0098】
ステップ840において、先行車運転性質判定部150は、図5に示したように、レーダー装置58によって検出された先行車との車間距離Lと、自車の速度V1とに基づいて、先行車両の加速度A2を求め、さらに、この先行車の加速度A2と、光学センサ56によって検出された先行車ブレーキランプ点灯検出信号とに基づいて、先行車の運転性質を判定し、数値化する。先行車がいない場合は、「普通」を表す値を出力する。
【0099】
ステップ850において、エンジン定常運転特性設定部160は、図6に示したように、運転者意図判定部140によって判定された運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって判定された先行車運転性質とに基づいて、定常運転に関する運転特性を判定し、数値化する。ここで、アクセルペダル踏み角APSとスロットル弁開度ttTVOの関係を求め、メモリ880に記録する。
【0100】
ステップ860において、エンジン過渡運転特性設定部170は、図7に示したように、運転者意図判定部140によって判定された運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって判定された先行車運転性質とに基づいて、過渡での運転特性を判定し、数値化する。ここで、係数T1,T2の値を求め、メモリ890に記録する。
【0101】
ステップ870において、スロットル応答特性設定部130は、算出したスロットル弁開度tTVOをスロットル制御機構32に出力する。
【0102】
以上説明したように、本実施形態では、更新される運転特性としてアクセルペダル踏込み角とスロットル弁開度の関係を規定するパラメータの特性(「じっくり」、「通常」、「立上り重視」)をとり、「軽快」な走行を求める運転者には「立上り重視」の運転特性とし、わずかな踏込みで十分なエンジントルクを得られる。また、「紳士」な走行を求める運転者には「じっくり」の運転特性とし、深く踏込むほどにエンジントルクを増加させることができる。さらに先行する車両が激しく加減速を繰返す「激しい」運転性質を持つ場合、自車の運転特性を「じっくり」方向になるよう重みづけする。これにより、運転者意図を反映させつつ、自車の不要な加減速を抑制できる。
【0103】
また、アクセルペダル踏込み角とスロットル弁が開くまでの応答速度を規定するパラメータの特性(速応性)を、意図判断、性質判断により随時更新する運転特性し、「軽快」な運転意図では、速応性を上げる。また、「紳士」的な運転が要求されている場合、速応性を下げる。これにより、運転者意図にあった立上りの速い軽快な特性を与えるとともに、不整地路面などでの「紳士」的な運転特性が必要な場合にも、これに的確に対応できる。
【0104】
本実施形態によれば、運転者意図を判定して車両の制御を行うことにより、運転者意図にあった快適な走行と、先行車の運転特性を判定して車両の制御を行うことにより、先行車に合せた円滑な走行とを両立したエンジン制御を行うことができる。
【0105】
次に、図9〜図12を用いて、本発明の第2の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムについて説明する。なお、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成は、図1に示したものと同様である。
最初に、図9を用いて、本発明の第2の実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成について説明する。
【0106】
本実施形態においては、先行車両と一定の車間距離Loを維持する自動追従走行を行うようにしている。
図9において、制御ユニット100Aを構成する運転者意図判定部140及び先行車運転特性判定部150の機能は、図2に示したものと同一のものであり、それぞれ、図4及び図5において説明したような処理を実行する。
【0107】
スロットル弁開度算出部125は、レーダ装置58により検出された先行車との車間距離Lに基づいて、先行車との車間距離が目標車間距離Loとなるようなスロットル開度tTVOを算出し、スロットル制御機構32へ出力する。なお、スロットル弁開度指令tTVOは、図1に示した自動追従走行スイッチがONであり、かつ、ブレーキペダル及びアクセルベダルの踏込み角APS,BPSがともに0のとき、他の制御部からの信号に優先して、スロットル制御機構32に伝えられ、先行車との車間距離が一定となるような自動追従制御を実行する。
【0108】
スロットル弁開度算出部125は、先行車との車間距離Lをもとに、以下の式(2)に従って比例微分制御を行い、スロットル開度tTVOを算出し、スロットル制御機構32へ出力する。
【0109】
【数2】
【0110】
ここで、sはラプラス演算子であり、Kdは微分制御の係数であり、Kpは比例制御の係数である。
【0111】
自動追従運転特性設定部180は、運転者意図判定部140及び先行車運転特性判定部150で数値化された運転者意図MDと先行車運転性質MCをもとに、上述した式(2)の中の係数Kdを変更することで、追従制御の応答特性を変化させる。
【0112】
ここで、図10を用いて、本実施形態による自動追従運転特性設定部180の処理内容について説明する。
【0113】
自動追従運転特性設定部180は、運転車意図判定部140によって求められた運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって求められた先行車運転性質とから、自動追従運転に関する追従運転特性を判定し、追従運転の激しさを数値化する。この数値は小さいほど運転特性が「緩」、大きいほど「急」であることを示すものである。
【0114】
図10(A)は、運転者意図判定値MDを「軽快」,「普通」,「紳士」のカテゴリーに分類したとき、運転者意図判定部140によって求められた運転者意図判定値MDが、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。例えば、求められた運転者意図判定値MDが図4において説明したようにMD1であるとき、自動追従運転特性設定部180は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「軽快」のグレードが「0.5」であると、図10(A)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0115】
また、図10(B)は、先行車運転性質判定値MCを「激しい」,「普通」,「丁寧」のカテゴリーに分類したとき、先行車運転性質判定部150によって求められた先行車運転性質判定値MCが、各カテゴリーの中のどのカテゴリーに分類されるかのグレードを示すメンバシップ関数を示している。例えば、検出された値がMC1であるとき、自動追従運転特性設定部180は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「丁寧」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「激しい」のグレードが「0.1」であると、図10(B)に示すメンバシップ関数を用いて求める。
【0116】
図10(C)は、運転者意図判定値MDと、先行車運転性質判定値MCとの組合せによって、過渡運転特性を判定する判定ルールを示している。運転者意図MDが大きく、先行車運転性質MCが大きいほど、追従運転特性は「立上り重視」を指向している。また、逆に、MD,MCが小さいほど、追従運転特性は「じっくり」を指向している。このルールは、図10(C)のようにまとめられる。
【0117】
図10(C)に示す判定ルールから、ファジィ理論にもとづくmax−min合成を用いた推論法により、追従運転特性が「じっくり」,「通常」,「立上り重視」に属する割合(縮小係数)が算出される。
【0118】
例えば、上述したように、求められた値がMD1であるとき、図10(A)に示すメンバシップ関数を用いて、自動追従運転特性設定部180は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.9」であり、カテゴリー「軽快」のグレードが「0.5」であると求める。また、計測された値がMC1であるとき、図10(B)に示すメンバシップ関数を用いて、自動追従運転特性設定部180は、カテゴリー「普通」のグレードが「0.6」であり、カテゴリー「丁寧」のグレードが「0.3」であり、カテゴリー「激しい」のグレードが「0.1」であると求める。即ち、MDは、カテゴリー「軽快」,「普通」の2カテゴリーとなり、MCは、カテゴリー「激しい」,「普通」,「丁寧」の3カテゴリーとなり、それぞれの組合せは、図10(C)における9通りの組合せの中の6通りとなる。そこで、それぞれの組合せから、min値を求める。
【0119】
即ち、MDが「軽快(グレード0.5)」で、MCが「激しい(グレード0.1)のときは、図10(C)の判定ルールから、追従運転特性は「急」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.1)=0.1となる。同様にして、MDが「軽快(グレード0.5)」で、MCが「普通(グレード0.6)のときは、図10(C)の判定ルールから、追従運転特性は「急」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.6)=0.5となる。MDが「軽快(グレード0.5)」で、MCが「丁寧(グレード0.3)のときは、図10(C)の判定ルールから、追従運転特性は「通常」となり、このときの縮小係数はmin(0.5,0.3)=0.3となる。
【0120】
さらに、MDが「普通(グレード0.9)」で、MCが「激しい(グレード0.1)のときは、図10(C)の判定ルールから、追従運転特性は「急」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。MDが「普通(グレード0.9)」で、MCが「普通(グレード0.6)のときは、図10(C)の判定ルールから、追従運転特性は「通常」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.6)=0.6となる。MDが「普通(グレード0.9)」で、MCが「丁寧(グレード0.1)のときは、図10(C)の判定ルールから、追従運転特性は「緩」となり、このときの縮小係数はmin(0.9,0.1)=0.1となる。
【0121】
さらに、これらの6通りの組合せを、追従運転特性で分類し、max値を求める。即ち、追従運転特性「急」の縮小係数は、max(0.1,0.5,0.1)=0.5となる。追従運転特性「通常」の縮小係数は、max(0.3,0.6)=0.6となる。追従運転特性「緩」の縮小係数は、max(0.1)=0.1となる。即ち、追従運転特性が、「急」である割合は「0.6」であり、「通常」である割合は「0.5」であり、「緩」である割合は「0.3」である。
【0122】
図10(D)は、追従運転特性に関するメンバシップ関数である。
【0123】
図10(E)は、図10(D)の追従運転特性に関するメンバシップ関数に対して、上述した追従運転特性の縮小係数を掛けた上で合成したものである。この合成された追従運転特性の重心MAC1を求めることにより、追従運転特性を追従運転特性数値MACとして、数値化することができる。求められた追従運転特性数値MAC1に基づいて、スロットル弁開度算出部125は、式(2)の微分制御の係数Kdを決定する。追従運転特性が「急」であるほど、Kdの値を大きくする。ここで、係数Kdの値は適切な範囲,例えば、後述する図10のk2か〜k4となるように、予め運転特性とKdの対応関係は決めてある。
【0124】
次に、図11を用いて、本実施形態による制御ユニット100Aの制御処理の流れについて説明する。
【0125】
ステップ1110において、制御ユニット100Aのスロットル弁開度算出部125は、レーダ装置58により検出された先行車との車間距離Lに基づいて、先行車との車間距離が目標車間距離L0となるようなスロットル開度tTVOを算出する。このとき、メモリ1190に記録されている係数Kdを微分制御の係数として用いる。
【0126】
ステップ1120において、運転者意図判定部140は、図4において説明したように、アクセルペダル踏込み角センサ42によって検出されたアクセルペダル踏込み角APSと、ブレーキ踏込み角センサ54によって検出されたブレーキペダル踏込み角BPSと、車速センサ48によって検出された車速V1に基づいて、運転者の運転意図を判定し、数値化する。自動追従走行スイッチがオンの場合を含め、発進時、停車時、定速走行からの加減速時でないときは前回の運転者意図の値を保持する。
【0127】
ステップ1130において、先行車運転性質判定部150は、図5に示したように、レーダー装置58によって検出された先行車との車間距離Lと、自車の速度V1とに基づいて、先行車両の加速度A2を求め、さらに、この先行車の加速度A2と、光学センサ56によって検出された先行車ブレーキランプ点灯検出信号とに基づいて、先行車の運転性質を判定し、数値化する。
【0128】
ステップ1140において、自動追従運転特性設定部180は、運転車意図判定部140によって求められた運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって求められた先行車運転性質とから、自動追従運転に関する追従運転特性を判定し、係数Kdを決定する。ここで決定された係数Kdの値は、メモリ1190に記録される。
【0129】
ステップ1150において、スロットル弁開度算出部125は、算出したスロットル弁開度tTVOをスロットル制御機能32に出力する。
【0130】
次に、図12を用いて、本実施形態による車両制御の追従特性について説明する。
図12は、先行車が走行速度V2を周期的に変化させた場合に、これに追従する制御をしたときの自車の速度変化を示したものである。横軸は先行車速度変化の周波数、縦軸は自車の速度の振動の振幅を表している。係数Kdを4通りに変化させて各々の場合についてプロットしてある。ただし、
k1>k2>k3>k4
の関係にある。このとき、変更者の速度変化が特定の周波数f0付近で大きく発振することが分かる。発振の度合はKdを大きく取るほどに強くなる。この現象は追従制御での自車速度変化の遅れによるもので、追従制御を行う上で不可避の問題である。振幅が拡大傾向にあるとき、複数車両からなる車列の後続車両ほど、振幅が大きく伝わる。最終的には、先行車との接触事故などを発生することになる。従って、許される範囲内で、係数Kdの値は小さめにとることが考えられる。しかし、あまりにKdを小さくとることは、先行する車両への追従性を劣化させる。
【0131】
そこで、本実施形態では、先行する車両が加減速を繰返すような「激しい」運転性質であるとき、Kdの値は小さくとられ、発振現象の拡大を抑制する。また、運転者意図が「軽快」を求める場合は追従性を高め、「紳士」的な運転を求める場合は追従時の加速性能を抑えることができる。
【0132】
以上説明したように、本実施形態では、自動追従のためには、レーダ装置、光学装置などにより先行車両との距離を計測し、距離が規定値より大であれば自車を加速し、規定値より小であれば減速する制御がなされる。この加速度(減速度)が運転特性の一つであり、運転者意図が「軽快」である場合には加速度を大きめにとり、「紳士」である場合は小さめになるようにする。また、先行車の運転性質が「激しい」ほど自車加速度を小さめに取る。これにより、運転者の好みにあった快適な追従制御が実現できる。
【0133】
また、先行車が加減速を繰返すなど「激しい」運転性質の場合にも、自車の速度が著しく変ることがなくなり、速度の発振現象を抑制できる。これにより、複数車両による車列全体も円滑な走行が行える。
【0134】
本実施形態によれば、運転者意図を判定して車両の制御を行うことにより、運転者意図にあった快適な走行と、先行車の運転特性を判定して車両の制御を行うことにより、先行車に合せた円滑な走行とを両立した追従制御を行うことができる。
【0135】
次に、図13及び図14を用いて、本発明の第3の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムについて説明する。
最初に、図13を用いて、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成について説明する。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0136】
本実施形態においては、スロットル制御機構32Aは、制御ユニット100Bから入力するスロットル弁開度指令値tTVOと運転特性信号Pに基づいて、スロットル弁14の開度を制御している。
【0137】
次に、図14を用いて、本発明の第3の実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成について説明する。
制御ユニット100Bを構成するスロットル弁開度算出部120,運転者意図判定部140,先行車運転性質判定部150,エンジン定常運転特性設定部160,エンジン過渡運転特性設定部170は、図2〜図7を用いて説明したものと同様な機能を有している。
【0138】
なお、スロットル弁開度算出部120は、アクセルペダル踏込み角センサ42によって検出されたアクセルペダル踏込み角APSに基づいて、定常状態で確保すべきスロットル弁開度指令tTVOを決定し、スロットル制御機構32Aに出力する。
【0139】
また、エンジン過渡運転特性設定部170は、運転者意図判定部140によって判定された運転者意図と、先行車運転性質判定部150によって判定された先行車運転性質とに基づいて、過渡での運転特性を判定し、数値化して、運転特性信号Pとして、スロットル制御機構32Aに出力する。
【0140】
スロットル弁制御機構32Aは、入力されたスロットル弁開度指令tTVOに基づき、以下の式(3)に示されるPID制御により、スロットルセンサ52によって検出されたスロットル開度TVOが、スロットル弁開度指令tTVOと一致するように、スロットル弁を駆動するモータの電流Iを制御する。
【0141】
【数3】
【0142】
ここで、Kpは比例係数であり、Kiは積分係数であり、Kdは微分係数であり、sはラプラス演算子である。
【0143】
ここで、スロットル弁制御機構32Aは、制御ユニット100Bから入力した運転特性信号Pに基づいて、微分係数Kdを可変するようにしている。即ち、運転特性信号Pが大きほど、微分係数Kdを大きな値としている。これにより、スロットル弁が開度指令値に一致するまでの応答時間が短くなる。なお、運転特性信号Pに基づいて、スロットル制御機構32Aは、式(3)の比例係数Kpを可変したり、積分係数Kiを可変するようにしてもよいものである。
【0144】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様にして、運転者意図を判定して車両の制御を行うことにより、運転者意図にあった快適な走行と、先行車の運転特性を判定して車両の制御を行うことにより、先行車に合せた円滑な走行とを両立した車両制御を行うことができる。
【0145】
次に、図15〜図18を用いて、本発明の第4の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムについて説明する。
最初に、図15を用いて、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成について説明する。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0146】
本実施形態においては、図1に示した構成に加えて、点火時期制御回路36及びオートマチックトランスミッション装置70を備えるとともに、燃料噴射機34W,34X,34Y,34Zは、シリンダ内部に直接燃料を噴射する筒内直噴式の燃料噴射機を設置してある。
【0147】
点火時期制御回路36は、制御ユニット100Cから入力する点火時期制御信号に基づいて、点火時期を制御する。また、オートマティックトランスミッション装置70は、制御ユニット100Cによってギア位置(変速比)を制御可能となっている。
【0148】
本実施形態によるエンジンシステムにおいては、成層燃焼(超希薄燃焼)と均質燃焼(通常燃焼)が可能であり、制御ユニット100Cは、燃費効率のよい燃焼方式を随時選択している。成層燃焼と均質燃焼が切替可能なエンジンシステムでは、スロットル開度とエンジントルクの関係が極めて非線形となる。本実施形態によるエンジンシステムでは、自然な運転特性を得るために、運転者の運転操作量から、エンジントクルや駆動時トルクの目標値を予め決定し、これを実現するようにスロットル開度,燃料噴射量,点火時期などを制御ユニット100Cが制御している。
【0149】
次に、図16を用いて、本発明の第4の実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成について説明する。
制御ユニット100Cを構成する運転者意図判定部140,先行車運転性質判定部150,エンジン定常運転特性設定部160,エンジン過渡運転特性設定部170は、図2〜図7を用いて説明したものと同様な機能を有している。
【0150】
定常エンジントルク目標算出部135は、アクセルペダル踏込み角APSと現在のエンジン回転数Neに基づいて、この組合せの元での定常状態で発生させるべきエンジントルクttTeを算出する。また、定常エンジントルク目標算出部135は、エンジン定常運転特性設定部160からの定常運転特性の値に応じて、算出するエンジントルクttTeを可変する。
【0151】
ここで、図17を用いて、本実施形態における定常エンジントルク目標算出部135の動作について説明する。
【0152】
定常エンジントルク目標算出部135は、図17に示す関係で、アクセルペダル踏込み角APSと現在のエンジン回転数Neに基づいて定常状態で発生させるべきエンジントルクttTeを算出する。即ち、図17は、横軸をアクセルペダル踏込み角APSとし、縦軸を定常エンジントルク目標値ttTeとし、アクセルペダルが全開位置における発生可能な最大のトルクは、エンジン回転数Neによって決まっている。そして、検出されたアクセルペダル踏込み角APSに対して、定常状態で発生させるべきエンジントルクttTeを求めている。
【0153】
また、アクセルペダル踏込み角APSとエンジントルク目標値ttTeの関係は、運転特性に応じて可変である。運転特性中間時を基準として考えると、運転特性最小時は、アクセルペダル踏込み角APSに対してエンジントルク目標値ttTeの変化がアクセルペダル踏込角APSが小さいときは小さくなっている。即ち、運転特性中間時と同様にアクセルペダルが踏み込まれた場合でも、エンジントルク目標値が小さくなるように設定されおり、運転特性中間時に比べて、車両の加速も控え目であるような運転特性となる。他方、運転特性最大時は、アクセルペダル踏込み角APSに対してエンジントルク目標値ttTeの変化が大きくなっている。即ち、運転特性中間時と同様にアクセルペダルが踏み込まれた場合でも、エンジントルク目標値ttTeが大きくなるように設定されおり、運転特性中間時に比べて車両の加速もよくなるような運転特性となる。
【0154】
アクセルペダル踏込み角APSと、エンジントルク目標値ttTe関係は、マップ若しくはテーブル形式で、ROM104に格納されており、エンジン定常運転特性設定部160から与えられる定常時の運転特性を示す数値に応じて、定常エンジントルク目標算出部135は、定常状態で発生すべきエンジントルク目標値ttTeを決定する。
【0155】
次に、過渡時エンジントルク目標算出部145は、エンジン過渡運転特性設定部170によって求められた過渡運転特性に応じて、定常エンジントルク目標算出部135において算出された定常エンジントクル目標ttTeに遅れ処理を施し、過渡時のエンジントルク目標値tTeを算出する。
【0156】
過渡時エンジントルク目標算出部145は、以下の式(4)に従って、定常エンジントクル目標ttTeに遅れ処理を施し、過渡時のエンジントルク目標値tTeを算出する。
【0157】
【数4】
【0158】
ここで、遅れの時定数Tは、エンジン過渡運転特性設定部170で求められる過渡運転特性により可変とする。
【0159】
ここで、図18を用いて、エンジン過渡運転特性MTと遅れ時定数Tとの関係について説明する。
【0160】
図18の横軸は、エンジン過渡運転特性設定部170によって設定されたエンジン過渡運転特性MTを示しており、縦軸は、遅れ時定数Tを示している。遅れ時定数Tは、エンジン過渡運転特性MTが最小時に、例えば,0.2sであり、エンジン過渡運転特性MTが最大時に、例えば、0.01sであり、その間は、直線的に短くなる特性としている。
【0161】
次に、最適化計算部155は、エンジントルクがtTeとなり、かつ、燃費が最適になる燃焼方式を選び、これを実現するようにスロットル開度指令値tTVO,点火時期信号Gi,燃料噴射信号Gfを算出し、それぞれ、スロットル制御機構32,点火時期制御回路36,燃料噴射器34に出力して、スロットル弁開度,点火時期,燃料噴射量を制御する。
【0162】
本実施形態によれば、運転者意図を判定して車両の制御を行うことにより、運転者意図にあった快適な走行と、先行車の運転特性を判定して、エンジントクルや駆動時トルクの目標値を予め決定し、これを実現するようにスロットル開度,燃料噴射量,点火時期など車両の制御を行うことにより、先行車に合せた円滑な走行とを両立した車両制御を行うことができる。また、成層燃焼、均質燃焼の切替を伴うエンジンシステムにおいても実現できる。
【0163】
次に、図19を用いて、本発明の第5の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムについて説明する。なお、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成は、図15に示したものと同様である。
本実施形態においては、先行車両と一定の車間距離Loを維持する自動追従走行を行うようにしている。
図19において、制御ユニット100Dを構成する運転者意図判定部140,先行車運転特性判定部150の機能は、図2に示したものと同一のものであり、それぞれ、図4,図5において説明したような処理を実行する。また、自動追従運転特性設定部180は、図9に示したものと同一のものであり、図10において説明したような処理を実行する。さらに、最適化計算部155は、図16において説明したような処理を実行する。
【0164】
本実施形態において、エンジントルク目標算出部135Aは、以下の式(5)に基づいて、エンジントルク目標値tTeを算出する。
【0165】
【数5】
【0166】
ここで、係数Kdは、図9の処理で式(2)の計数Kdを定めたのと同じように、自動追従運転特性設定部部180で求まる自動追従運転特性の値によって定まるものである。運転特性値が大きいほど、計数Kdの値を大きくする。
【0167】
最適化計算部155は、エンジントルクがtTeとなり、かつ、燃費が最適になる燃焼方式を選び、これを実現するようにスロットル開度指令値tTVO,点火時期信号Gi,燃料噴射信号Gfを算出し、それぞれ、スロットル制御機構32,点火時期制御回路36,燃料噴射器34に出力して、スロットル弁開度,点火時期,燃料噴射量を制御する。
【0168】
本実施形態によれば、運転者意図を判定して車両の制御を行うことにより、運転者意図にあった快適な走行と、先行車の運転特性を判定して、エンジントルクの目標値を予め決定し、これを実現するようにスロットル開度,燃料噴射量,点火時期など車両の制御を行うことにより、先行車に合せた円滑な走行とを両立した追従制御を行うことができる。また、成層燃焼、均質燃焼の切替を伴うエンジンシステムにおいても実現できる。
【0169】
次に、図20〜22を用いて、本発明の第6の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムについて説明する。なお、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成は、図15に示したものと同様である。
最初に、図20を用いて、本実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成について説明する。
【0170】
図20において、制御ユニット100Eを構成する運転者意図判定部140,先行車運転特性判定部150,エンジン定常運転特性設定部170及びエンジン過渡運転特性設定部180の機能は、図2に示したものと同一のものであり、それぞれ、図4〜図7において説明したような処理を実行する。さらに、最適化計算部155は、図16において説明したような処理を実行する。
【0171】
本実施形態においては、図16に示した第4の実施形態ではエンジントルクの目標値を設定していたのに対し、駆動軸トルクの目標値を設定し、ギア位置を含め車両制御している。これにより、より一層の燃費の改善が行えるものである。
【0172】
図20において、定常駆動軸トルク目標算出部165は、アクセルペダル踏込み角APSと現在車速V1の組合せから、この組合せの元での定常状態で発生させるべき駆動軸トルクttTdを算出する。算出される駆動軸トルクttTdは、エンジン定常運転特性設定部160で求められる定常運転特性により可変とする。
【0173】
ここで、図21を用いて、本実施形態における定常駆動軸トルク目標算出部165の動作について説明する。
【0174】
定常駆動軸トルク目標算出部165は、図21に示す関係で、アクセルペダル踏込み角APSと現在の車速V1に基づいて定常状態で発生させるべき駆動軸トルクttTdを算出する。即ち、図21は、横軸をアクセルペダル踏込み角APSとし、縦軸を定常駆動軸トルク目標値ttTdとし、アクセルペダルが全開位置における発生可能な最大のトルクは、車速V1によって決まっている。そして、検出されたアクセルペダル踏込み角APSに対して、定常状態で発生させるべき駆動軸トルクttTdを求めている。
【0175】
また、アクセルペダル踏込み角APSと駆動軸トルク目標値ttTdの関係は、運転特性に応じて可変である。運転特性中間時を基準として考えると、運転特性最小時は、アクセルペダル踏込み角APSに対して駆動軸トルク目標値ttTdの変化がアクセルペダル踏込角APSが小さいときは小さくなっている。即ち、運転特性中間時と同様にアクセルペダルが踏み込まれた場合でも、駆動軸トルク目標値が小さくなるように設定されおり、運転特性中間時に比べて、車両の加速も控え目であるような運転特性となる。他方、運転特性最大時は、アクセルペダル踏込み角APSに対して駆動軸トルク目標値ttTdの変化が大きくなっている。即ち、運転特性中間時と同様にアクセルペダルが踏み込まれた場合でも、駆動軸トルク目標値ttTdが大きくなるように設定されおり、運転特性中間時に比べて車両の加速もよくなるような運転特性となる。
【0176】
アクセルペダル踏込み角APSと、駆動軸トルク目標値ttTd関係は、マップ若しくはテーブル形式で、ROM104に格納されており、エンジン定常運転特性設定部160から与えられる定常時の運転特性を示す数値に応じて、定常駆動軸トルク目標算出部165は、定常状態で発生すべき駆動軸トルク目標値ttTdを決定する。
【0177】
次に、過渡駆動軸トルク目標算出部175は、以下の式(6)に従って、定常エンジントクル目標ttTdに遅れ処理を施し、過渡時のエンジントルク目標値tTdを算出する。
【0178】
【数6】
【0179】
ここで、遅れの時定数Tは、エンジン過渡運転特性設定部170で求められる過渡運転特性により可変とする。
【0180】
ここで、図22を用いて、過渡運転特性の値と時定数Tの関係について説明する。
【0181】
図22の横軸は、エンジン過渡運転特性設定部170によって設定されたエンジン過渡運転特性MTを示しており、縦軸は、遅れ時定数Tを示している。遅れ時定数Tは、エンジン過渡運転特性MTが最小時に、例えば,0.5sであり、エンジン過渡運転特性MTが最大時に、例えば、0.05sであり、その間は、直線的に短くなる特性としている。
【0182】
次に、最適化計算部155は、駆動軸トルクがtTdとなり、かつ、燃費が最適になる燃焼方式を選び、これを実現するようにスロットル開度指令値tTVO,点火時期信号Gi,燃料噴射信号Gf,ギア位置iを算出し、それぞれ、スロットル制御機構32,点火時期制御回路36,燃料噴射器34,オートマティックトランスミッション装置70に出力して、スロットル弁開度,点火時期,燃料噴射量,ギア位置を制御する。
【0183】
本実施形態によれば、運転者意図を判定して車両の制御を行うことにより、運転者意図にあった快適な走行と、先行車の運転特性を判定して、駆動軸トルクの目標値を予め決定し、これを実現するようにスロットル開度,燃料噴射量,点火時期など車両の制御を行うことにより、先行車に合せた円滑な走行とを両立した車両制御を行うことができる。また、成層燃焼、均質燃焼の切替を伴うエンジンシステムにおいても実現できる。
【0184】
次に、図23を用いて、本発明の第7の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムについて説明する。なお、本実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成は、図15に示したものと同様である。
本実施形態においては、先行車両と一定の車間距離Loを維持する自動追従走行を行うようにしている。
図23において、制御ユニット100Fを構成する運転者意図判定部140,先行車運転特性判定部150の機能は、図2に示したものと同一のものであり、それぞれ、図4,図5において説明したような処理を実行する。また、自動追従運転特性設定部180は、図9に示したものと同一のものであり、図10において説明したような処理を実行する。さらに、最適化計算部155は、図16において説明したような処理を実行する。
【0185】
本実施形態において、駆動軸トルク目標算出部165Aは、以下の式(7)に基づいて、駆動軸トルク目標値tTdを算出する。
【0186】
【数7】
【0187】
ここで、係数Kdは、図9の処理で式(2)の計数Kdを定めたのと同じように、自動追従運転特性設定部部180で求まる自動追従運転特性の値によって定まるものである。運転特性値が大きいほど、計数Kdの値を大きくする。
【0188】
最適化計算部155は、駆動軸トルクがtTdとなり、かつ、燃費が最適になる燃焼方式を選び、これを実現するようにスロットル開度指令値tTVO,点火時期信号Gi,燃料噴射信号Gf,ギア位置iを算出し、それぞれ、スロットル制御機構32,点火時期制御回路36,燃料噴射器34,オートマティックトランスミッション装置70に出力して、スロットル弁開度,点火時期,燃料噴射量,ギア位置を制御する。
【0189】
本実施形態によれば、運転者意図を判定して車両の制御を行うことにより、運転者意図にあった快適な走行と、先行車の運転特性を判定して、駆動軸トルクの目標値を予め決定し、これを実現するようにスロットル開度,燃料噴射量,点火時期など車両の制御を行うことにより、先行車に合せた円滑な走行とを両立した追従制御を行うことができる。また、成層燃焼、均質燃焼の切替を伴うエンジンシステムにおいても実現できる。
【0190】
なお、以上説明した各実施形態において用いたメンバシップ関数は、同一である必要はなく、個別に最適なメンバシップ関数を用意すればよいものである。
【0191】
【発明の効果】
本発明によれば、運転者の意図を反映した快適な走行性能をもたらすとともに、先行車特性に合せた的確な制御を行うことで円滑な走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成を説明する機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中のスロットル弁開度算出部の動作説明図である。
【図4】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中の運転者意図判定部の動作説明図である。
【図5】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中の先行車運転性質判定部の動作説明図である。
【図6】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中のエンジン定常運転特性設定部の動作説明図である。
【図7】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中のエンジン過渡運転特性設定部の動作説明図である。
【図8】本発明の一実施形態による車両制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成を説明する機能ブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中の自動追従運転特性設定部の動作説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による車両制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態による車両制御方法を実行したときの追従特性の説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第3実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成を説明する機能ブロック図である。
【図15】本発明の第4の実施形態による車両制御方法を適用する車両制御システムの全体構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第4実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成を説明する機能ブロック図である。
【図17】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中の定常エンジントルク目標算出部の動作説明図である。
【図18】本発明の第5の実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中の過渡エンジントルク目標算出部において用いる時定数Tの説明図である。
【図19】本発明の第5の実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成を説明する機能ブロック図である。
【図20】本発明の第6の実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成を説明する機能ブロック図である。
【図21】本発明の一実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中の定常駆動軸トルク目標算出部の動作説明図である。
【図22】本発明の第6の実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットの中の過渡駆動軸トルク目標算出部において用いる時定数Tの説明図である。
【図23】本発明の第7の実施形態による車両制御方法を実行する制御ユニットのシステム構成を説明する機能ブロック図である。
【符号の説明】
10…エンジン
14…スロットルバルブ
32,32A…スロットル制御機構
34A,34B,34C,34D…燃料噴射器
36…点火時期制御回路
40…空気量センサ
42…アクセルペダル踏込み角センサ
44…クランク角センサ
48…車速センサ
52…スロットルセンサ
54…ブレーキペダル踏込み角センサ
56…光学センサ
58…レーダー装置
70…オートマチックトランスミッション装置
100,100A,100B,100C,100D,100E,100F…制御ユニット
120,125…スロットル弁開度算出部
130…スロットル応答特性設定部
135…定常エンジントルク目標算出部
140…運転者意図判定部
145…過渡エンジントルク目標算出部
150…先行車運転性質判定部
155…最適化計算部
160…エンジン定常運転特性設定部
165…定常駆動軸トルク目標算出部
170…エンジン過渡常運転特性設定部
175…過渡駆動軸トルク目標算出部
180…自動追従運転特性設定部
Claims (2)
- 先行車との車間距離Lが目標車間距離L0となるようなスロットル開度tTVOを算出し、この算出されたスロットル開度tTVOに応じてスロットルを制御する車両制御方法において、
運転者の自車に対する操作動作を示す複数の計測変数に応じて運転者の運転意図を判別し、
先行車の動作を示す計測変数に応じて先行車の運転性質を判定し、
上記運転者の運転意図及び上記先行車の運転性質に基づいて、先行車との車間距離Lに対するスロットル開度tTVOを規定する微分制御係数Kdを変更してスロットルを制御することを特徴とする車両制御方法。 - 先行車との車間距離Lが目標車間距離L0となるようなスロットル開度tTVOを算出するスロットル弁開度算出手段を有し、この算出されたスロットル開度tTVOに応じてスロットルを制御する車両制御システムにおいて、
運転者の自車に対する操作動作を示す複数の計測変数に応じて運転者の運転意図を判定する運転者意図判定部と、
先行車の動作を示す計測変数に応じて先行車の運転性質を判定する先行車運転性質判定部とを備え、
上記運転者意図判定部において判定された運転者の運転意図及び上記先行車運転性質判定部において判定された先行車の運転性質に基づいて、先行車との車間距離Lに対するスロットル開度tTVOを規定する微分制御係数Kdを変更してスロットルを制御することを特徴とする車両制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29721197A JP3639419B2 (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 車両制御方法及び車両制御システム |
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