JP3639039B2 - 噴霧装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圃場の薬剤散布に使用する遠隔操縦ヘリコプタの噴霧装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、アトマイザーを設けて液剤を霧状にして散布させる技術があるが、アトマイザーから散布された液剤がヘリコプタの脚体に当たり、大きな水滴となって滴下する不具合があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
然るに、本発明は、遠隔操縦用ヘリコプタに防除タンクを搭載させると共に、該タンクの液剤を空中散布するアトマイザーを設ける噴霧装置において、前記遠隔操縦用ヘリコプタのメインフレームに前記アトマイザーを固設した散布装置であって、前記液剤を空中散布したときの液剤散布上面が前記ヘリコプタの脚体よりも下方になるようにアトマイザーを取付けたもので、アトマイザーから散布された液剤が脚体より低い部位に飛散し、液剤が脚体に当たることがないから、従来のように脚体に液剤が付着して大きな水滴となって滴下する不具合をなくし得るものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はヘリコプタの正面説明図、図2はヘリコプタの側面説明図であり、図中(A)は遠隔操縦によって無人飛行させるヘリコプタであり、メインロータ(1)及びスタビライザ(2)をヘリコプタ(A)の胴体(3)上側に設けると共に、脚体(4)を胴体(3)下側に固定させる。また、胴体(3)後側のテールブーム(5)後端にテールロータ(6)を設けると共に、胴体(3)下側に施肥タンク(7)を固定させ、無人飛行させ乍ら肥料または薬液などの液剤(B)を空中散布させるように構成している。
【0005】
また、前記胴体(3)内部にメインフレーム(8)を介してエンジン(9)及びミッションケース(10)を取付け、マフラー(11)及び燃料タンク(12)を配設させると共に、リコイルレバーを引張る手動操作によってエンジン(9)を始動させ、前記メインロータ(1)及びテールロータ(6)をエンジン(9)によって駆動し、図示しない無線操縦用の送信機を操縦者が手元操作してヘリコプタ(A)を飛行させるように構成している。なお、図2において、符号(13)はヘリコプタ(A)制御用受信機、(14)はモニタライトである。
【0006】
さらに、図1、図3、図4、図5、図6、図7に示す如く、前記脚体(4)を取付ける板バネ製支柱(15)(15)とメインフレーム(8)の連結部に受フレーム(16)(17)をボルト(18)(18)止め固定させ、受フレーム(16)(17)にノブボルト(19)(19)を介して前後受板(20)(21)を着脱自在に固定させる。また、前受板(20)に防除フレーム(22)を固定させ、防除フレーム(22)下面側に左右防除ポンプ(23)(24)を取付けると共に、前後受板(20)(21)に緩衝ゴム(25)(25)を介して防除タンク(7)前後部を連結させる。また、開閉自在なキャップ(26)(26)を有する左右投入口(27)(27)を防除タンク(7)両側に左右対称に連結させると共に、投入口(27)内部に薬液移動規制板(28)設け、ヘリコプタ(A)が左右に傾いても、タンク(7)内部の肥料または薬液などの液剤(B)が投入口(27)方向に移動してヘリコプタ(A)重心が左右に移動するのを防ぐように構成している。
【0007】
また、前記防除タンク(7)及び投入口(27)をブロー成形により一体形成するもので、図8のように、前記薬液移動規制板(28)を弾性体で形成すると共に、投入口(27)に係止突起(29)…を一体形成し、前記規制板(28)の3個所の凹部(28a)…を作業者が手で撮んで変形させ、規制板(28)を係止突起(29)…に係脱させて着脱させるように構成している。なお、前記規制板(28)を硬質板材で形成してもよい。
【0008】
また、図3、図6に示す如く、投入口(27)開口内部に段部(27a)を形成し、キャップ(26)を開けて液剤(B)を段部(27a)まで投入させるもので、段部(27a)を目印として液剤(B)を投入し、適量の液剤(B)を補給できるように構成している。
【0009】
さらに、前記前受板(20)に四角筒形台フレーム(30)を固定させ、台フレーム(30)に支点軸(31)を介してアーム基板(32)を回転自在に連結させ、長孔(33)及び止めネジ(34)を介してアーム基板(32)を角度変更自在に取付けると共に、丸パイプ形アトマイザーアーム(34)基端をアーム基板(32)に固定させ、液剤(B)を散布するアトマイザー(35)を前記アトマイザーアーム(34)先端に角度変更自在に止めボルト(36)を介して取付ける。
【0010】
そして、図1の如く、アトマイザーアーム(34)を略水平に倒伏させて胴部(3)側方に延出させる散布位置と、アトマイザーアーム(34)を略垂直に起立させて胴部(3)上方に延出させる格納位置とに、アトマイザー(35)支持位置を変更でき、アトマイザーアーム(34)をコンパクトに折畳んでヘリコプタ(A)の運搬及び格納を行える。なお、遠隔操作によってアトマイザーアーム(34)を起伏させるサーボモータ(図示省略)を設け、ヘリコプタ(A)が左右に傾いた姿勢で着陸するとき、サーボモータ制御によってアトマイザーアーム(34)を起立方向に角度調節し、アトマイザー(35)が地面に衝突して損傷するのを防げる。
【0011】
また、図1から明らかなように、遠隔操縦用ヘリコプタ(A)に防除タンク(7)を搭載させると共に、該タンク(7)の液剤(B)を空中散布するアトマイザー(35)を設ける噴霧装置において、前記アトマイザー(35)の液剤(B)散布延長線がヘリコプタ(A)の脚体(4)よりも下方になるようにアトマイザー(35)を取付け、アトマイザー(35)の液剤散布上面(C)が脚体(4)より低い位置になり、アトマイザー(35)から散布された液剤(B)が脚体(4)より低い部位に飛散し、液剤(B)が脚体(4)に当たることがなく、従来のように脚体(4)に液剤(B)が付着して大きな水滴となって滴下する不具合をなくしている。また、脚体(4)に付着した液剤(B)が乾いて脚体(4)が汚れる従来不具合もなくせる。
【0012】
さらに、図9に示す如く、前記アトマイザーアーム(34)先端に止めボルト(36)を介して角度調節自在に取付ける本体フレーム(37)と、該フレーム(37)に固定させる電動モータ(38)と、該モータ(38)の出力軸(39)に固定させる散布板(40)と、前記フレーム(37)に固定させて散布板(40)上面側に遮閉する散布カバー(41)と、該カバー(41)に貫通させて散布板(40)上面中央部に液剤(B)を供給する注入ノズル(40a)を、前記アトマイザー(35)に備える。そして、アトマイザーアーム(34)の内孔に挿通させる電源線(42)を介して前記モータ(38)をヘリコプタ(A)のバッテリ(図示省略)に電気接続させると共に、アトマイザーアーム(34)の内孔に挿通させる配液管(43)を介して注入ノズル(42)を防除ポンプ(23)に連通接続させる。
【0013】
上記のように、止めボルト(36)回りにアトマイザー(35)を回転させて取付け角度を変化させることにより、アトマイザーアーム(34)の取付け角度を略一定に保ち乍らアトマイザー(35)の散布方向を変更でき、例えば隣接圃場への液剤(B)散布を防止でき、また風向き及び風力に対してアトマイザー(35)の散布幅を修正できると共に、最終工程の液剤(B)散布幅を調節して液剤(B)の圃場外への散布を防止できる。なお、遠隔操作によって作動させるサーボモータ(図示省略)をアトマイザーアーム(34)と本体フレーム(37)の間に連結させ、サーボモータの遠隔制御によって止めボルト(36)回りにアトマイザー(35)を回転させて散布方向を修正することも行える。
【0014】
また、前記アトマイザー(35)に電動モータ(38)を設け、ヘリコプタ(A)のメインロータ(1)に対し独立してアトマイザー(35)の散布板(40)を駆動しているから、メインロータ(1)を停止させた状態で散布板(40)及び防除ポンプ(23)を駆動し、防除タンク(7)に洗浄用の水を入れ、ポンプ(23)及び配液管(43)及び散布板(40)などを水洗して残留液剤(B)を排出でき、メインロータ(1)を停止させていることによってその水洗清掃を安全に行えると共に、前記電源線(42)及び配液管(43)をアトマイザーアーム(34)に内挿させるから、前記線(42)及び管(43)を草木などに引掛けて損傷させることがない。
【0015】
さらに、図5、図10に示す如く、前記防除タンク(7)下面に配管キャップ(7a)を取付け、左右防除ポンプ(23)(23)とキャップ(7a)間に吸込管(44)(44)及び戻し管(45)(45)を接続させ、吸込管(44)を介してタンク(7)の液剤(B)をポンプ(23)に吸入し、吸入した液剤(B)の余りをタンク(7)に戻し管(45)を介して戻すと共に、各ポンプ(23)(23)から吐出される液剤(B)を合流させる合流管(46)と、液剤(B)が一定圧よりも高くなったときに開動する逆止弁(47)(47)を介して左右配液管(43)(43)を接続させる分流管(48)の間に、サーボモータ(49)によって開閉させるボールバルブ(50)を設け、各ポンプ(23)(23)からの液剤(B)を合流後にバルブ(50)を介して各逆止弁(47)(47)から左右のアトマイザー(35)(35)に送出させるもので、ボールバルブ(50)を閉じているとき、該バルブ(50)と閉動状態の逆止弁(47)の間の分流管(48)内に液剤(B)が封入され、前記バルブ(50)の閉によって分流管(48)内の液剤(B)がアトマイザー(35)から滴下するのを防げる。なお、前記サーボモータ(49)に代えて電磁ソレノイドを用いてもよい。
【0016】
さらに、図11、図12に示す如く、施肥タンク(7)の左側にだけ投入口(27)を設けることも行えると共に、左右防除ポンプ(23)(23)を前後にオフセットさせて防除フレーム(22)に取付け、オフセットさせた各ポンプ(23)(23)の一部を左右幅方向に互にラップさせることにより、各ポンプ(23)(23)をコンパクトに設置でき、単一のポンプ構造に比べて2つのポンプ(23)(23)によって大容量化を行えて送液量を容易に多くすることができる。
【0017】
さらに、図13に示す如く、液剤(B)を滴下散布する滴下ノズル(51)を設け、ポンプ(23)によって送出するタンク(7)の液剤(B)を点滴状に滴下させ、狭い範囲に液剤(B)を散布させることができ、例えば水田の除草用液剤(B)を水田に滴下させ、畦または土手に液剤(B)が散布されるのを防ぐもので、ヘリコプタ(A)の胴体(3)にマフラー(11)を設け、マフラー(11)に左右排気管(52)(52)を取付け、左右排気管(52)(52)の間に前記滴下ノズル(51)を配設させ、排気管(52)からの排風作用により滴下ノズル(51)からの液剤(B)を下方に落下させ、メインロータ(1)によって発生する乱気流により滴下させた液剤(B)が適正位置に落下しない従来不具合をなくしている。
【0018】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、遠隔操縦用ヘリコプタ(A)に防除タンク(7)を搭載させると共に、該タンク(7)の液剤(B)を空中散布するアトマイザー(35)を設ける噴霧装置において、前記遠隔操縦用ヘリコプタ(A)のメインフレーム(8)に前記アトマイザー(35)を固設した散布装置であって、前記液剤(B)を空中散布したときの液剤散布上面(C)が前記ヘリコプタ(A)の脚体(4)よりも下方になるようにアトマイザー(35)を取付けたもので、アトマイザー(35)から散布された液剤(B)が脚体(4)より低い部位に飛散し、液剤(B)が脚体(4)に当たることがないから、従来のように脚体(4)に液剤(B)が付着して大きな水滴となって滴下する不具合をなくすことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘリコプタの正面説明図。
【図2】ヘリコプタの側面説明図。
【図3】防除タンク部の正面図。
【図4】同側面図。
【図5】同拡大図。
【図6】同平面図。
【図7】同拡大図。
【図8】同油分断面図。
【図9】アトマイザーの説明図。
【図10】液剤配管説明図。
【図11】他の実施例を示す防除タンク部の正面図。
【図12】同平面図。
【図13】滴下ノズルを設けたヘリコプタの正面説明図。
【符号の説明】
(A) ヘリコプタ
(B) 液剤
(4) 脚体
(7) 防除タンク
(35) アトマイザー
Claims (1)
- 遠隔操縦用ヘリコプタに防除タンクを搭載させると共に、該タンクの液剤を空中散布するアトマイザーを設ける噴霧装置において、前記遠隔操縦用ヘリコプタのメインフレームに前記アトマイザーを固設した散布装置であって、前記液剤を空中散布したときの液剤散布上面が前記ヘリコプタの脚体よりも下方になるようにアトマイザーを取付けたことを特徴とする噴霧装置。
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JP11831996A Expired - Lifetime JP3639039B2 (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 噴霧装置 |
Country Status (1)
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1996
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