JP3638304B2 - 脈管内カテーテル - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は脈管内カテーテルに関し、詳細には、非常に小さな輪郭を有することができ、案内ワイヤ伝いに最初のカテーテルを他のカテーテルと交換することを可能にする脈管内カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】
脈管内カテーテル法の装置は、治療目的および診断目的の両方に有用かつ有効であることが証明されている。脈管内カテーテル法による治療、例えば血管形成、粥腫切除およびレーザ照射は、脈管疾患、または患者の脈管系の部分の内腔径を閉塞もしくは減少させるその他の状態を治療するための手術を回避するための代替策として発達してきた。とりわけ、バルーン血管形成は、閉塞性冠動脈疾患に対して有用で、かつ多くの状況において好適な治療法であることが立証されている。また、例えば血管造影、超音波造影およびドップラー血流測定のための脈管内診断用カテーテル装置が血管の閉塞(例えば狭窄症)の程度を測定または造影するために開発されている。これらの脈管内診断装置は、前記の治療装置と併用してよく、またはより侵襲的な手法、例えば冠動脈手術と併用してよい。
【0003】
これらの脈管内治療および診断装置は、それらの有効性とともに、冠動脈手術と比較すると、患者に対して相対的に非破壊的である小規模の外科操作を通じて用い得るという事実を理由として好評を博している。これらの脈管内治療および診断装置は、閉塞または狭窄症の部位から遠隔であり得る手頃な位置での切開を通じてカテーテル装置を患者の脈管系内に定置することに依存している。例えば、その手頃な位置は鼠径部の大腿動脈であってよい。そうして、切開を通じて大腿動脈を経由し、所望の冠動脈という遠方の個所へと脈管内装置を推進する。
【0004】
これらの血管のいくつかは小さく、かつ血管内の通路が蛇行しているため、患者の脈管構造を通じてのカテーテル装置の定置が医師の側にかなりの熟練を要する困難で時間のかかる作業となることがある。例えば、血管形成のための拡張を実施するには、血管形成のためのバルーンカテーテルを動脈位の狭窄部分を越えて定置しなければならない。狭窄部分は冠動脈の脈管構造の蛇行する部分に位置することがあり、その上、閉塞性の動脈疾患は、血管形成用カテーテルのバルーンが狭窄部分を通過することを妨げる可能性がある。このように、動脈閉塞にはバルーン拡張カテーテルにとって容易に接近できないものもあることから、現在の脈管内バルーンカテーテルの操作によって必ずしも全ての動脈閉塞を成功裡に治療できるとは限らない。したがって、ある人の脈管構造の狭くて蛇行する部分に定置することが可能な、非常に小さな輪郭の脈管内カテーテルが必要になる。
【0005】
脈管内操作、例えば血管形成に関連するもう一つの重要な懸案はカテーテル交換に関することである。脈管内治療および診断装置は、治療を実施しようとする血管の寸法および位置に適した様々な形式並びに大きさのものがある。ときには、最初の治療装置を定置した後に、または最初の装置を定置する試みが失敗に終わった後に、最初の装置を異なる大きさのものに交換することが必要となる。これが必要となり得るのは、最初の装置が誤った大きさであることが明らかになり、あるいは異なる大きさもしくは形式の装置を用いた追加の治療または診断操作が必要であると判定されるからである。
【0006】
脈管内治療または診断用カテーテルを患者の脈管構造中に定置するために、いくつかの異なる形式のカテーテル構造が開発されている。カテーテルのデザインの一形式は、一般的には固定ワイヤ型カテーテルと呼ばれ、脈管内カテーテルの遠位末端に取付けられた取外しのできないワイヤ先端を有する。ワイヤ先端は所望の血管部位にカテーテルを誘導することを容易にする。固定ワイヤ型のカテーテルの短所は、最初のカテーテルを第二のカテーテルに交換することが必要となった場合に、第二のカテーテルにも誘導操作を反復しなければならないことである。上記のとおり、これは時には冗長かつ困難な操作となることがある。
【0007】
カテーテルのデザインのもう一つの形式は、ワイヤ伝い型カテーテルと呼ばれ、脈管内装置を貫く中心内腔を有し、この内腔は、カテーテルに相対的に可動かつ取外し可能である独立した案内ワイヤを収容することができて、遠隔の血管の位置にカテーテルを案内ワイヤ伝いに定置することを容易にする。ワイヤ伝い型の構造では、カテーテルは、装置の近位末端から遠位末端まで案内ワイヤを受容するように適合させた内腔を有する。案内ワイヤは、最初、このワイヤ伝い型カテーテルの内腔を通して装着され、その遠位末端から延伸する。次いで、案内ワイヤおよび脈管内カテーテルを併進させて、所望の部位で血管内に定置する。案内ワイヤをカテーテルの遠位末端の遠方に推進してもよく、必要に応じて、血管の蛇行する経路を通過するようにこれを操縦する。そうして、案内ワイヤをカテーテルの内腔を通して手前に引き戻してもよく、または操作の間、カテーテルの遠位末端から延伸する定位置に留めてもよい。
【0008】
ワイヤ伝い型カテーテルは交換を容易にする。最初のワイヤ伝い型脈管内カテーテルをもう一つのものと交換するには、カテーテルを案内ワイヤの近位末端伝いに引き戻す際に、案内ワイヤの近位末端の確保を失わないことが好ましい。ワイヤ伝い構造を有する脈管内カテーテルは、長さの長い(例えば300cm)案内ワイヤである交換ワイヤを用いることによって、案内ワイヤの遠位の先端をその場に留めたままで交換することができ、その結果、案内ワイヤの十分に長い近位部分はカテーテルの近位末端の外に延伸して、ワイヤの近位部分の確保を維持しつつ、カテーテル全体をワイヤ伝いに完全に引き戻すことができる。ワイヤ伝い型の脈管内カテーテルを用いて交換を実施するもう一つの方法は、案内ワイヤの延長部分を用いることによる。
【0009】
最初の脈管内カテーテルともう一つのそれとの交換を容易にするワイヤ伝い型の一つの変形は、ワンマン交換(操作者1名による交換)型のデザインの構造である。ワンマン型構造によれば、案内ワイヤは、脈管内カテーテルの近位および中央部分沿いにカテーテルに隣接する位置を占め、カテーテルの遠位部分のどこかの位置の開口を経由して、カテーテルの短い案内ワイヤ内腔に進入する。このデザインの型によれば、案内ワイヤを所望の位置に定置し、そしてカテーテル装置をワイヤ伝いに推進することによって、カテーテルを患者の血管内に定置することができる。しかし、ワンマン型カテーテルを交換することが必要になった場合は、案内ワイヤの遠位の先端を血管部位内の位置に留めたままカテーテルを手前に引き戻すことができる。案内ワイヤの近位末端とカテーテルの近位末端とは相互に隣接していることから、案内ワイヤの近位末端を保持することができ、その結果、案内ワイヤの遠位末端の位置を患者の血管内に維持することができる。カテーテルのこの型によれば、カテーテルの遠位末端から案内ワイヤ内腔の近位入口までの距離は、案内カテーテルから手前に延伸する案内ワイヤの長さより短いことが必要である。
【0010】
脈管内カテーテル、例えばワイヤ伝い型およびワンマン型の、独立した案内ワイヤを用いるものは交換に関する利点を与えるが、これらの形式のカテーテルは、大きさを犠牲にしてこの利点を得ている。独立した案内ワイヤを収容するには、独立した案内ワイヤのための内腔を、カテーテルの少なくとも一部を貫いて与えなければならない。この要素のために、カテーテル全体の寸法を固定ワイヤ型のカテーテルと比較して少なくともある程度まで増大させることが避けられない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記により、カテーテルは案内ワイヤ伝いに交換が容易にされる。ところが固定ワイヤ型カテーテルの非常に小さな輪郭を有するバルーン拡張カテーテルに対する必要性が存在する。
【0012】
従って、この発明の目的はカテーテルの交換が容易であることはもとより、固定ワイヤカテーテルに対応すべく小型の脈管内カテーテルを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、膨張可能なバルーンと、近位部分および遠位部分を有する細長い軸とを備えるバルーンカテーテル・案内ワイヤ・アセンブリであって、膨張可能なバルーンが細長い軸の遠位部分に配置され、かつ細長い軸がバルーンを膨張させるための流体を輸送する膨張内腔を有するバルーンカテーテル・案内ワイヤ・アセンブリにおいて、案内ワイヤと、該案内ワイヤがそのほぼ全長にわたって延びるコアを有することと、該案内ワイヤを収容する軸の遠位延長部分と、該遠位延長部分はバルーンの内側に配置されるとともに該バルーンの近位末端から延伸することと、該バルーンの内側に配置され、該バルーンの遠位末端から近位側へ延伸する密封スリーブと、該密封スリーブは該案内ワイヤを滑動可能に受容するための内腔を備えることと、使用時において、該密封スリーブと該遠位延長部分とは、長手方向に整列され、かつ、互いに対して滑動可能であるとともに該密封スリーブと該遠位延長部分との間にて流体を密封するように形成されていることとを特徴とする。
【0014】
【作用】
拡張バルーンは、膨張内腔を経て流れる流体によって膨張されて脈管を拡張する。コアワイヤは脈管内に定置されたまま、細長い軸および拡張バルーンを引き戻す。先端部材の輪郭が開口よりも大きいため、コアワイヤは回収が不要となる。
【0015】
【実施例】
ここに記載した本発明の実施例は、PTCA法に用いるための拡張バルーンカテーテルである。これらの実施例を他の形式の脈管内治療装置、例えば粥腫切除用カテーテルはもとより、診断用カテーテル、例えば超音波カテーテルにも適合させ得ることが理解されなければならない。なお、本発明において遠位とは被治療者の血管側をいい、近位とは治療者側をいう。
【0016】
図1を参照すると、本発明の第1の参考例に従ったPTCAバルーン拡張カテーテル10が示されている。バルーン拡張カテーテル10は、近位部分18および遠位部分22を有する管状部材16で形成された細長いカテーテル軸14を含む。拡張バルーン26はカテーテル軸14の遠位部分22に配置され、かつそれに接続されている。バルーン26はポリオレフィン共重合体または他の重合体材料で形成することができる。例えば、一参考例では、5〜50メガラドの電子ビーム照射による二次処理を用いたポリオレフィン共重合体(例えば樹脂第8527号としてサーリン(SURLYN)という商品名のもとにデュポン社により販売されたもの)でバルーン26を形成して、バルーン26の部域の強さを高める。バルーン26は、PTCAの用途に適した各種の公知の大きさで与えられる。
【0017】
カテーテル軸14を貫き、具体的には外側の管状部材16を貫いて、第一の内腔32が延伸する。拡張バルーン26は、カテーテル軸14の第一内腔32とは流体で連絡している。膨張流体は、手前に配置されたマニホールド44の膨張ポート40から第一内腔32を経由して輸送されて、当技術に公知の方法でバルーン26を膨張させ、したがって血管を拡張する。マニホールド44の直遠位の外側管状部材の周囲には、ひずみ軽減部材46が配置されている。ひずみ軽減部材46は、重合体の管材の小片であってよく、5〜10cmの長さを有する。
【0018】
この参考例では、カテーテル軸14の外側管状部材16は2部分で形成されている。外側管状部材16の近位部分48は、強くて相対的に硬質な材料、例えば、304型ステンレス鋼で形成されたステンレス鋼のハイポ管で形成されている。外側管状部材16の遠位部分50は相対的に柔軟な材料、例えばポリオレフィン共重合体またはポリエチレンなどの重合体材料で形成される。一好適参考例では、遠位部分50はポリエチレン、特に高密度ポリエチレン(HDPE)で形成される。近位部分48と遠位部分50とは、結合手段、例えば接着剤または機械的嵌め合いを用いて相互に接続してよい。好適な参考例では、管状部材16の近位部分48は約0.71mm(0.028インチの外径、約0.56mm(0.022インチ)の内径、および105cmの長さを有する。管状部材16の遠位部分50は約0.64mm(0.025インチ)の外径、約0.48mm(0.019インチ)の内径、および30cmの長さを有する。
【0019】
代替的構造としては、軸14の近位部分48をステンレス鋼以外の材料で作成することができる。軸に用い得る一つの代替的材料は、超弾性合金である。これらの合金は一般的には形状記憶合金ともいわれる。そのような合金は、米国カリフォルニア州メンロパークのレイチェム(Raychem )社から入手可能であるティネル(Tinel )(登録商標)である。同様の特性を与えるその他の材料は、米国カリフォルニア州サニーベイルのシェープメモリアプリケーションズ(Shape Memory Applications )社から入手できるニッケル−チタン形状記憶合金を包含する。ニチノール(Nitinol )(商品名)はもう一つのそのような合金である。これらの材料は、捩れ抵抗性のあるカテーテル軸が得られる高い弾性を有する管材として入手可能である。
【0020】
これらの超弾性合金の管材は、カテーテル軸の近位部分および遠位部分の両方に用いることができる。近位部分48を超弾性合金の管材で作成するならば、好ましくは約0.71mm(0.028インチ)の外径、および約0.05〜約0.08mm(0.002〜0.003インチ)の肉厚を持たせる。遠位部分50を超弾性合金の管材で作成するならば、好ましくは約0.51mm(0.020インチ)の外径、および約0.03〜0.05mm(0.001〜0.002インチ)の肉厚を持たせる。これらの材料は、はんだ付けまたはろう付けするのが困難であるから、好ましくは接着剤を用いて他の基材と結合させてもよい。また、使用に必要な寸法で管材を提供するために、心なし研削盤の操作によって材料を加工してもよい。
【0021】
再び図1を参照すると、近位部分と遠位部分との間の接続の箇所およびその遠方には、捩れ抵抗性部材52を位置させて、相対的に硬い近位部分48と相対的に柔軟な遠位部分50との間に剛性の移行を与えるのが好ましい。一参考例では、捩れ抵抗性部材52は、接続位置を越えて延伸するばねコイルで形成される。好適参考例では、捩れ抵抗性部材は、遠位部分50内に遠方に約5cm延伸するステンレス鋼のコイルで形成される。好適参考例では、ばねコイルは、外側管状部材16の内腔32に密着して嵌合する大きさになっている。捩れ抵抗性部材52は、プレスまたは機械的嵌め合いを用いて外側管状部材16に結合され、または定置されてよい。代替的参考例では、捩れ抵抗性部材52は、近位部分48の遠方に延伸するワイヤ、とりわけ先細のワイヤを用いて形成される。
【0022】
第一内腔32内には、内側管状部材56が配置される。内側管状部材56も、それを貫いて延伸する内腔、すなわち第二内腔58を有する。管状部材56は、カテーテル軸14の遠位部分50および近位部分48の両方を貫いて、またバルーン26も貫いて延伸する。内側管状部材56は、第一内腔32の一部分のみを占め、それによって外側管状部材16と内側管状部材56との間に環状の部域を与えてその中の膨張流体の輸送を可能にする。好適参考例では、内側管状部材56は相対的に柔軟な材料、例えば中密度ポリエチレンで形成される。好適参考例では、内側管状部材56は約0.30mm(0.012インチ)の外径、約0.25mm(0.010インチ)の内径、および140cmの長さを有する。
【0023】
内側管状部材56の内腔58内にはコアワイヤ62が配置される。この参考例では、コアワイヤ62は非常に輪郭の小さなコアワイヤである。例えば、好適参考例では、コアワイヤは約0.25mm(0.010インチ)未満の直径を有し、好ましくは約0.15〜約0.20mm(0.006〜0.008インチ)の直径を有する。コアワイヤ62は内側管状部材の内腔56内でカテーテル軸14を貫いて延伸し、マニホールド44の第二のポート66からその手前に延伸する。コアワイヤ62の遠位部分70は、バルーン26の遠方に配置された遠位開口72からカテーテル軸14より遠方に延伸する。この参考例では、遠位開口72は内側管状部材56の内腔58と連絡している。好ましくは、コアワイヤ62は一様な外径を有し、遠方に先細となっている。好適参考例では、コアワイヤは304型ステンレス鋼で作成される。
【0024】
バルーン26の遠方に延伸するコアワイヤ62の遠位部分70に配置され、かつ接続されて先端部材76が存在する。好ましくは、先端部材76は、コアワイヤ62に結合されたコイルばねで形成される。公知の方法では、コアワイヤ62は、減少され、かつ扁平となった断面をコイルばねの下方に有して更に弾力性を与えるように加工される。先端部材76は、好ましくは放射線不透過性の材料、例えば白金で形成されるが、他の材料、例えばステンレス鋼または非金属性重合体も同様に用いてよい。先端部材76は、ろう付け、はんだ付け、接着剤、機械的嵌め合い、または他の結合手段によってコアワイヤ62に結合させてよい。先端部材76は、血管に最小限の外傷を与えてカテーテル10を脈管内において推進および定置するために、柔軟かつ変形可能な先端を備えている。先端部材76の遠位末端には、丸みを帯びた先端78が配置されるが、これは当技術に公知の方法ではんだまたは他の材料で形成してよい。
【0025】
先端部材76は、公知の固定ワイヤカテーテルについて組み込まれた柔軟なばね先端に特徴的に密接に適合する大きさを有して、そのような公知来の固定ワイヤ型カテーテルを用いて医療を行う医師が既に開発した技量および精通の利点を生かす。したがって、バネ先端は、曲げることができ、さもなければ、例えばJ字型に形成することができるように構成されて、動脈の所望の位置に定置することを容易にする。
【0026】
バルーン26の部域にはマーカー80が配置される。マーカー80は、好ましくは放射線不透過性材料、例えば白金、金などの小さな帯またはコイルで形成され、バルーン26の直下で内側管状部材56に結合されている。マーカーは、公知のいかなる手段、例えば機械的嵌め合い、接着剤などを用いて結合されてもよい。マーカー80は、医師が蛍光透視法によってカテーテルを定位かつ定置するのを助けるために、公知の方法で用いられる。これに代えて、他の位置、例えばバルーンの遠位または近位の腰部の部域にマーカーを配置してもよく、あるいは複数のマーカーを組み込んでもよい。
【0027】
バルーン26の遠位部分が細長い軸14に接続する位置には、ひずみ軽減部材84が存在する。ひずみ軽減部材84は、バルーン26の遠位腰部の直下で内側管状部材56の外側に結合された相対的に短い重合体管材の一片であってよい。このように、バルーン26はひずみ軽減部材84に結合され、次いでそれは内側管状部材56に結合される。ひずみ軽減部材84は、バルーンの遠位腰部と軸との間の結合間隙をせばめることによる、柔軟な内側管状部材56へのバルーン26の柔軟な遠位腰部の接続を容易にする。ひずみ軽減部材84は、相対的に柔軟なばねの先端から相対的に堅いバルーンの結合部位への移行も与える。また、ひずみ軽減部材は、例えばカテーテル交換の際に漏斗のように作用して、内側管状部材56へのコアワイヤの装着を容易にする。
【0028】
マニホールド44は、小さな輪郭のコアワイヤ62の近位部分を固定するための固定手段88を組み込んでいる。固定されたとき、コアワイヤ62はマニホールドに対して軸方向かつ回転方向に移動不能に固定される。そのように固定されたとき、コアワイヤ62および細長い軸14は公知の固定ワイヤ型カテーテルと同様に機能することになる。固定手段88は、医師が片手で容易に操作できる扱い易い装置であることが好ましい。そのような目的のための締付け装置は慣用的であり、当業者に公知である。例えば、固定手段88は、対応するマニホールド本体の外側のねじと噛み合う内側のねじを有する輪状の環を有してもよい。輪状の環を締め付けることによって、弾力的なガスケットが軸方向に圧縮され、それによってガスケットは、それを貫いて延伸するコアワイヤの近位末端を固く締めるようになる。
【0029】
この参考例の選択的な特徴は、軸14とコアワイヤ62との間のトルクの伝達を許すことである。この特徴は、コアワイヤの直径が非常に小さいことから特に好都合である。この特徴は、1990年9月17日付けの同時継続出願第07/583,437号明細書に開示されたトルク伝達参考例のうちのいずれを組み込むことによっても与えられる可能性があり、該出願は本明細書中に記載されているものとする。とりわけ、コアワイヤ62の、円形以外の輪郭を有する部分を捩れ抵抗性の部材52に対応する部域に形成することによって、この参考例にトルク移動という特徴を組み込むことが好ましい。同様に、内側管状部材56の、この部域に対応する部分では、第二の内腔58の輪郭はコアワイヤの外側の輪郭の円形以外の形状に対応し、その結果、外側管状部材16の近位末端の回転によって、コアワイヤの遠位部分へとトルクを伝達することができる。コアワイヤ62の円形以外の外側の輪郭は、コアワイヤに沿って、ある距離だけ延伸して、操縦する目的のために軸からコアワイヤへのトルクの伝達を依然として許しつつ、コアワイヤの先端を細長い軸の遠方に推進することを可能にすることが好ましい。
【0030】
バルーンカテーテル10の操作および取扱いは固定ワイヤ型バルーンカテーテルのそれと同様であると思われる。したがって、バルーンカテーテル10は、既に軸14内に定置されたコアワイヤ62で包装されてもよい。使用の前に、固定手段88を用いてコアワイヤ62を手前に固定してもよい。コアワイヤをそのように固定したときは、バルーンカテーテル10を、固定ワイヤ型の公知のバルーンカテーテルと同じか、または類似の方法で定置し、使用することができる。その上、公知の固定ワイヤ型バルーンカテーテルのように、バルーンカテーテルは小さな輪郭を有することができる。更に、上記のようなトルク伝達という特徴を有して用いたときは、バルーンカテーテル10は、公知の固定ワイヤ型カテーテルと類似の、または同一の取扱い特性も有することができる。
【0031】
しかしながら、バルーンカテーテル10は、公知の固定ワイヤカテーテルによっては与えられない重要な利点を与える。バルーンカテーテル10は、ワイヤを脈管部域に定置したまま、最初のカテーテルともう一つのカテーテルとの交換を可能にし、それによってカテーテル交換を容易にする。そのような交換は、例えば、異なる大きさのバルーンが必要であると決定されたとき、または異なる形式の脈管内カテーテル装置が適切であるならば、必要となり得る。このことは、例えば、越えることの困難な狭窄を通過してワイヤが定置されているときに好都合である。このように、バルーンカテーテル10はワイヤ伝い型カテーテルの交換可能性という利点も与える。
【0032】
ワイヤ伝い型のバルーンカテーテルを用い、案内ワイヤを脈管系内に定置したままカテーテル交換を達成するための公知の2方法が以前には存在していた。一つの方法は、独立した交換ワイヤを用いることであり、もう一つは、案内ワイヤの近位末端に嵌合する案内ワイヤの延長部分を用いて、カテーテルを案内ワイヤおよび延長ワイヤの両方に沿ってカテーテルを完全に引き戻すことを可能にすることである。しかし、これらの操作は困難となり得る。例えば、交換ワイヤの使用は最初のワイヤの回収および交換ワイヤの置換を必要とするが、これは時間を要し得る操作である。また案内ワイヤ延長部分の接続は冗長となり、患者の体外でのかなりの長さのワイヤの取扱いを要することがある。その上、延長ワイヤは、非常に小さい口径の、例えば約0.15〜約0.20mm(0.006〜0.008インチ)のワイヤを用いて実行するのが困難となり得る。更に、非常に小さい口径のワイヤによれば、案内ワイヤと延長ワイヤの合算された長さにわたる、押し出してカテーテル交換を実施するのに十分な能力を与えることは非常に困難であることがある。したがって、従来の案内ワイヤのデザインによれば、延長ワイヤの接続を許す必要性が、案内ワイヤの輪郭を減少させ得る程度を多少とも限定していた。
【0033】
参考例では、コアワイヤ62は公知の案内ワイヤより著しく小さな輪郭を有する。本参考例のコアワイヤによれば、カテーテル交換を実施する目的で近位の案内ワイヤ延長部分を備えないことが好ましい。それに代えて、カテーテルの交換は、1989年8月25日付けの米国特許出願第07/398,765号明細書に記載された案内ワイヤ捕捉装置および方法によって達成することができる。例えば、米国ミネソタ州メープルグローブ(MapleGrove)のシメッドライフシステムズ(SciMedLifeSystems)社が製造するトラッパー(Trapper)(商品名)というカテーテル交換装置を用いることが好ましい。案内ワイヤ捕捉装置を用いることにより、非常に小さな輪郭を有するコアワイヤであっても血管の位置で容易に固定することができる。したがって、ワイヤの大きさは、延長ワイヤに備えることを目的として制約される必要がない。
【0034】
再び図1を参照すると、本参考例では、案内ワイヤ捕捉装置を用いて、カテーテル軸16は、コアワイヤ62を動脈部位に放置したまま動脈から完全に引き戻すことができる。そうして、例えば、異なる大きさの、第二の脈管内カテーテルをコアワイヤ62伝いに取付けることができる。このことは、ワイヤ伝い型のカテーテルの利点を与える。カテーテル軸14を通じてのコアワイヤ62の回収は、先端部材70の輪郭が遠位開口72および第二内腔58のそれより大きいことから、当然与えられない。第二の脈管内カテーテルは、好ましくは、小さな輪郭のコアワイヤとともに用いるのに適合した型のものとなる。
【0035】
図2〜6を参照すると、本発明の第二の好適な参考例が示される。この参考例も、血管形成を実施するためのバルーンカテーテルであり、下記に説明するもの以外は、上記参考例に関して記載のものと類似または同一の部品を有する。この参考例の類似の部品は、上記と同じ番号で示される。図2〜6に示した参考例は中身のない構造を組み込んでいる。すなわち、内側管状部材56は、少なくともカテーテル軸14の部分で省略されていて、ただ1本の管状部材が、公知の同軸ワイヤ伝い型カテーテルの外側管状部材および内側管状部材の両者の機能を与える。この参考例は、米国特許第5,032,113号明細書および同第5,085,636号明細書、または1991年10月15日付け同時継続出願第07/776,559号明細書に記載の方法で構成してもよく、これらの開示内容は本明細書中に記載されているものとする。
【0036】
この参考例では、管状部材16の近位部分48は、好ましくは304型ステンレス鋼で作成され、約0.61mm(0.024インチ)の外径および約0.08mm(0.003インチ)の肉厚を有する。管状部材16の遠位部分50は、好ましくは高密度ポリエチレンで作成され、約0.61mm(0.024インチ)の外径および約0.64mm(0.025インチ)の肉厚を有する。近位部分48を超弾性合金の管材で作成する場合は、好ましくは約0.58mm(0.023インチ)の外径および約0.05〜約0.08mm(0.002〜0.003インチ)の肉厚を有する。遠位部分50を超弾性合金の管材で作成する場合は、好ましくは約0.46mm(0.018インチ)の外径および約0.03〜約0.05mm(0.001〜0.002)インチの肉厚を有する。
【0037】
図2を参照すると、外側管状部材16はマニホールド44から延伸してバルーン26に結合する。この参考例では、カテーテルのバルーン26の位置に対応する部分のコア部材62の周囲にスリーブ部材90が配置される。スリーブ部材90はバルーン26の遠位腰部に結合していてもよい。スリーブ部材90は、マニホールド44の遠位の位置で手前が終端する。好ましくは、スリーブ部材90はバルーンの近位腰部94に対応する位置92で手前が終端する。スリーブ部材90の近位末端は、好ましくは一方の辺縁でバルーンの近位腰部の一部に例えば接着剤によって接続する。位置92の手前では、コアワイヤ62は、膨張流体の輸送に用いられるのと同じ内腔32を占める。スリーブ部材90は、遠位開口72に連絡し、またコアワイヤ62の一部が占める内腔96を画定する。スリーブ部材内腔96は、内腔96を通じて膨張流体をほとんどまたは全く失うことなく、コアワイヤが定置されたままでバルーン26を拡張圧力に対して膨張させ得るように、十分に低いクリアランスをコアワイヤ62の周囲に有する。更に、スリーブ部材90は、動脈の蛇行する解剖学的構造内にカテーテルが定置されたときなどに、(軸方向および回転方向の両方でのコアワイヤの自由な運動を許す。好適な参考例では、コアワイヤ62とスリーブ部材との間の間隙は約0.0025〜約0.0051mm(0.0001〜0.0002インチ)である(これに代えて、同時継続出願第07/776,559号明細書に開示されたとおり、弁装置をスリーブ部材90に組み込むこともできる。この参考例では、コアワイヤ62の近位部分は、コアワイヤ62伝いのカテーテル軸14の回収を可能にするためにスリーブ内腔96より小さいか、またはそれに等しい輪郭を有することが必要とされる。
【0038】
この参考例では、マーカー部材80は、バルーンの近位腰部に対応する部域のスリーブ90の近位の位置でスリーブに結合される。図5および6を特定して参照すると、中身のない構造を有するこの参考例とともに用い得るトルク移動部材100が示されている。トルク移動部材100は、第一の参考例に関して上述したものと類似の方法で形成してもよい。中身のない構造を有する本参考例では、トルク伝達部材は、管状部材16の近位部分48の遠位末端で内腔32内に位置する環状のインサート102を含む。インサート102は、近位部分48にそれとともに回転運動をするように固定される。インサート102を貫いて1か所またはそれ以上の空孔104が延伸して、それを通じての膨張流体の輸送を可能にする。加えて、インサート102はキー付き空孔106も有する。キー付き空孔106は、例えば扁平な側面、または円形以外のいかなる形状も有する。コアワイヤ62は、インサート102の位置に対応するその部分に沿って外側の輪郭を有し、その結果、コアワイヤのキーを有する部域がインサート102のキー付き空孔と噛み合ったときに、コアワイヤ62とインサート102との(またそれによって軸16との間の相対的回転を制約するが、軸方向の運動は妨げられない。その上、好適な参考例では、コアワイヤ62のキー付き部分は、好ましくは相対的に短い距離、例えば2cmだけ延伸しているために、キー付き部域越しに、コアワイヤ62は、インサート102および軸16に対する相対的回転を可能にする輪郭を有する。そのため、医師がトルク伝達という特徴を必要とするときは、コアワイヤのキー付き部域がインサート102と軸方向に整合される結果、トルクは相対的に堅い外側の管48からコアワイヤ62へと伝達されることができる。
【0039】
図7を参照すると、本発明の第三の好適な参考例が示されている。上記の参考例と同様に、この参考例も血管形成を実施するためのバルーンカテーテルであり、下記に説明するもの以外は、上記の参考例に関して記載のものと類似または同一の部品を有する。この参考例の類似の部品は、上記と同じ番号で示される。
【0040】
この参考例は、ワンマン型交換構造を組み込んだものである。この型の構造では、内側管状部材56は、遠位開口72から手前に、細長い軸14の、脈管内の使用の際は、通常、身体内に存在する部分に配置された近位開口114まで延伸する。この参考例では、近位開口114は、外側管状部材16の遠位部分50と近位部分48との間の結合部に、またはそれに近接して配置され、とりわけ、近位開口114は捩れ抵抗性部材52を貫いて位置して、カテーテルの安定性を高める。この参考例では、近位開口114はバルーン26の近位末端の手前約12cmに配置される。
【0041】
ワンマン型構造によれば、ワイヤは近位開口114の近位のカテーテル軸16に隣接して配置される。この参考例では、カテーテル軸のこの部分は、通常、冠動脈の操作に慣用される案内カテーテル内に存在する。したがって、マニホールド44は、ワイヤがそれを貫いて延伸するポートを含まない。しかしながら、好ましくはその代わりにワイヤロックおよびリリース装置118がマニホールド44に付随して存在して、カテーテル軸16に対してワイヤの部分を確保かつ固定してもよい。
【0042】
非常に小さな輪郭のコアワイヤによれば、コアワイヤ62を近位開口114の手前でカテーテル軸16に固定するのが好都合であり得る。この目的のために、近位開口114の近位のカテーテル軸16沿いに、ワイヤ包み込み機構122を与えてもよい。ワイヤ包み込み機構122は、カテーテル軸16にコアワイヤ62が巻き付くことも防止する。好適な参考例では、ワイヤ包み込み機構122は、コアワイヤ62をカテーテル軸16沿いに密着して保持し、小さな輪郭のワイヤが軸16に巻き付くことを防止する。ワイヤ包み込み機構122が、カテーテル軸16に相対的なコアワイヤ62の少なくとも限定された回転運動を可能にする結果、コアワイヤ62を動脈側の部位に定置したまま軸16を引き戻せることも好ましい。ワイヤ包み込み機構122は、カテーテル軸16の外壁から側方に延伸し、そしてコアワイヤ62をそれに近接して保つ1個またはそれ以上の小さなワイヤまたはプラスチックのクリップ124の形態であってもよい。これに代えて、ワイヤ包み込み機構122を、カテーテル軸16沿いに位置して、コアワイヤ62を引き寄せ、それに近接してコアワイヤ62を保持する一連の小さな磁石を用いて形成してもよい。更に代替的な方策は、カテーテル軸16の外表面沿いに長手方向に延伸するスリットを与えることである。スリットは、脈管内の使用の際にコアワイヤ62をその内部に保持することを可能にするような、そしてカテーテル軸を手前に引き戻すときは、容易な取外しを可能にするような大きさであり、かつそのように適合させる。
【0043】
ワンマン型構造の利点は、それがカテーテル交換を容易にすることである。カテーテルの軸14は、ワイヤ62の遠位末端を動脈側の部位に定置したままで引き戻すことができる。ワンマン型の参考例を用いて、捕捉カテーテルを用いることなくカテーテル交換を実施してもよい。しかし、捕捉カテーテルの使用に付随する利点、例えばワイヤ先端の安定性、および案内カテーテルを通じての逆流出血の減少が存在することから、捕捉カテーテルが好ましい可能性もある。
【0044】
図8を参照すると、本発明の第四の好適な参考例が示されている。上記の参考例と同様に、この参考例も、血管形成を実施するためのバルーンカテーテルであり、下記に説明するもの以外は、上記の参考例に関して記載のものと類似または同一の部品を有する。この参考例の類似の部品は、上記と同じ番号で示される。
【0045】
前述の参考例と同様に、この参考例もワンマン型交換構造を組み込んでいる。この参考例では、内側管状部材56は遠位開口72から手前に、細長い軸14の、脈管内の使用の際は、通常、身体の体内に存在する部分に位置する近位開口114まで延伸する。この参考例では、近位開口114は、外側管状部材16の遠位部分50とバルーン26の近位腰部との間の結合部に、またはそれに近接して配置される。この参考例では、近位開口114は、直接遠位部分にあるバルーン26の近位末端の手前約1cmに配置する。この構造によれば、近位開口114は、脈管内の使用の際は、案内カテーテルの遠位末端の遠方に配置してもよい。
【0046】
この参考例では、外側管状部材16の遠位部分50を強化して、カテーテルの適切な押し付け可能性および追跡を許すことが好都合であり得る。これは、1992年2月10日付けの「遠位の案内ワイヤ内腔および移動部材を有する脈管内カテーテル」と題する同時継続出願に記載の移動部材の組み込みによって与えられる可能性があり、この開示内容は本明細書中に記載されているものとする。しかし、そのような移動部材は、そのように小さな輪郭のカテーテルによれば必要とされないこともあり、またはこれに代えて、外側管状部材の遠位部分50をその剛性を遠位に向かって高めるよう加工することによって与えられることもある。
【0047】
図9および10を参照すると、本発明の第五の好適な参考例が示されている。上記の参考例と同様に、この参考例も、血管形成を実施するためのバルーンカテーテルであり、下記に説明するもの以外は、上記の参考例に関して記載のものと類似または同一の部品を有する。この参考例の類似の部品は、上記と同じ番号で示される。
【0048】
図9および10は、図8に示した参考例のそれと同様のワンマン型構造を有する拡張カテーテルを示す。図9および10の参考例では、コアワイヤ62は、外側管状部材16の近位部分48および遠位部分50の両方の外部の表面に、またそれによって形成される長手方向に延伸するスロット130内に配置される。とりわけ、スロット130は、外側管状部材16を構成する近位管状部材48および遠位管状部材50を屈曲させて、溝を画定することによって形成される。マニホールド44からほぼ近位ワイヤ開口114までの軸14の周囲にはスリーブ132が配置される。スリーブ132は、軸14伝いに容易に滑動させることができる重合体の鞘で形成してもよい。スリーブ132はまた、スロット130に対応してそれに沿って延伸するスリット134も有する。スリーブ132内のスリット134は、波打ちまたは振動するように形成して、コアワイヤ62をスロット130内に保持するのを容易にすることができる。スリーブ132、スリット134およびスロット130は、コアワイヤが具合よくその中に嵌合するが、容易に取外しできるような大きさである。
【0049】
図11および12を参照すると、本発明の第六の好適な参考例が示されている。上記の参考例と同様に、この参考例も、血管形成を実施するためのバルーンカテーテルであり、下記に説明するもの以外は、上記の参考例に関して記載のものと類似または同一の部品を有する。この参考例の類似の部品は、上記と同じ番号で示される。
【0050】
図11および12は、図9および10に示した参考例のそれと同様に、カテーテル軸16沿いに長手方向に延伸するスロット130を有するワンマン型構造の拡張カテーテルを示す。図11および12の参考例では、近位ワイヤ開口114は、遠位管状部分50と近位管状部分48との間の結合部の遠位管状部分50の近位末端に配置される。近位ワイヤ開口114の位置は図7に示した参考例のそれと同様である。図11に示した参考例では、コアワイヤ62は、遠位管状部分50を通じての膨張流体の輸送に用いられる同じ内腔32を占める。これは、遠位管状部分50を貫く内側管状部材52の排除によってカテーテル全体の輪郭を更に減少させることを可能にする。この参考例は、カテーテルのバルーン部分26を貫くスリーブ140を組み込んでもよい。スリーブ140は、図2〜4に示した参考例について説明したスリーブ90と同様であってもよい。
【0051】
この参考例では、近位の案内ワイヤスリーブ142は近位ワイヤ開口114に位置し、遠位管状部材の中に短い距離だけ遠方に延伸している。近位ワイヤスリーブ142は、バルーン26の膨張の際、ワイヤ62とスリーブ142との間でスリーブ142から膨張流体がほとんどまたは全く漏出しないような寸法を有する。この目的のために、ほぼ0.003〜0.005mm(0.0001〜0.0002インチ)程度のクリアランスを与えるようにスリーブ142を構成してもよい。
【0052】
カテーテル交換の際にコアワイヤをコアワイヤ62内に確実に案内するために、スリーブ142を貫いてコアワイヤを案内するための漏斗状の形状をスリーブ142の遠位部分に与えてもよい。
【0053】
図11および図12に示した参考例は、長手方向に延伸するスロット130も有する。コアワイヤ62は、管状部材16の遠位部分50を貫く内腔32の中に配置されることから、スロット130は外側管状部材16の近位部分48だけの外表面に形成される。この参考例は、図9および10に示した参考例のようなスリーブ132と同様のスリーブを、マニホールド44からほとんど近位ワイヤ開口114までの軸14の周囲に有する。
【0054】
図13を参照すると、本発明の第七の参考例が示されている。本発明のこの参考例は、図2〜6に示した参考例のそれと同様の中身のない構造を有する。図13の参考例はカテーテル交換の一代替手段を提供する。図13の参考例では、近位管状部分48は2個またはそれ以上の分節150、152、154で形成されるが、それらが相互に入子式に嵌合する結果、近位部分48の全長は、拡張の際の使用のための延伸された長さから、交換の際の使用のための縮小された長さまで変化させることができる。この目的のためには、近位部分48を、好ましくはそれぞれ約30cmの長さを有する3個またはそれ以上の分節で形成する。分節150、152、154は、好ましくはステンレス鋼から作成する。分節が相互に嵌合する箇所では、入子式に嵌合する断片の外側の内表面および内側の外表面に輪状のリムを形成して、水密性シールを与え、そして分節が離脱するのを防止する。
【0055】
図13の参考例は、公知の拡張カテーテルと同じ方法で用いてもよい。最初のカテーテルをもう一つのものと交換する必要が生じたときは、カテーテル軸14が引き戻されるにつれて近位部分48の分節150、152、154が相互に入子式に嵌合することによって、最初のカテーテルが引き戻され、その結果、コアワイヤ62の遠位末端を動脈側の部位に定置したまま、コアワイヤの近位末端をしっかりと把握することができる。
【0056】
図14〜16を参照すると、本発明の一実施例が示されている。この実施例は、図2〜4に示した参考例といくつかの面で類似する。図14を参照すると、カテーテル部分201および案内ワイヤ202を有するバルーンカテーテル装置系200が存在する。カテーテル部分201は、細長い軸206の遠位部分206に配置された拡張バルーン204を有する。軸206の近位末端210にはマニホールド208が配置されている。ひずみ軽減機構209はマニホールド208の直遠方の軸206伝いに接続している。案内ワイヤ202はカテーテル部分201の細長い軸206を貫いて延伸し、とりわけ、案内ワイヤ202は軸206の内腔214内のある位置を占める。前述の参考例におけるとおり、案内ワイヤ202はカテーテル部分201の軸206に関して取外しができるため、カテーテル部分201を取り外し、もう一つのカテーテルと交換する間も、案内ワイヤ202を血管の遠位の位置に定置して保つことができる。また、前述の参考例と同様に、案内ワイヤ202は、カテーテル部分201の遠位案内ワイヤ開口218より大きい輪郭を有する遠位部分216を有するため、カテーテル交換のための案内ワイヤ202からのカテーテル部分201の取外しは、案内ワイヤ202からのカテーテル部分201の回収によって実施し得る。また、前述の参考例におけるとおり、案内ワイヤ202は、案内ワイヤ延長部分との結合のための接続部を備えない近位末端220を備えている。
【0057】
図2〜4に示した参考例におけるとおり、実施例200は中身のない構造を有する。すなわち、案内ワイヤ202が占める内腔214は、少なくとも部分的には、バルーン204の膨張のための流体の輸送にも用いられる。案内ワイヤ202と膨張流体とは、少なくとも部分的には、共通の内腔を共有することから、シールを与えて、バルーン204の膨張の際の遠位開口218からの膨張流体の漏れを防止または制限しなければならない。
【0058】
図14を参照すると、バルーン204の近位腰部222は、位置224で軸206の遠位部分に接着されている。軸206の遠位の延長部分または末端226がバルーン204の内側に配置されている。密封スリーブ228は軸の遠位延長部分226内に受容され、遠方に延伸する。密封スリーブ228と軸の遠位延長部分226とは一緒に接着されていないため、密封スリーブ228は軸の遠位延長部分226に対して滑動することができる。バルーン204の遠位腰部230は、位置232で密封スリーブ228の遠位部分に接着されている。案内ワイヤ202は、軸の遠位末端から、密封スリーブ228の内腔234を貫き、そして密封スリーブ228の遠位末端が形成する遠位開口218の外へと延伸する。案内ワイヤ202と密封スリーブ228との間、および密封スリーブ228と軸の延長部分226との間の近接したトレランスの嵌め合いが、バルーン204の膨張のための流体の加圧の際の、遠位開口218からの膨張流体のいかなる重大な漏れも防止または制限する。
【0059】
軸の遠位延長部分226が密封スリーブ228に関して滑動できることは、この実施例に付随する一つの利点である。バルーンを膨張させるときには、バルーンは放射状に拡張し、長手方向にも拡張する傾向がある。膨張の際のこの長手方向の拡張は、バルーンの近位および遠位末端または腰部を離れるように移動させる。カテーテルのバルーンより下の部分がこの拡張に適応できない場合、そのような拡張は、バルーンの近位および遠位の腰部の近位および遠位の結合または接着部分に応力を発生させることがある。上記の実施例によれば、軸206および密封スリーブ228は、バルーンを膨張させたときに離れるように移動できることから、バルーンと軸との間またはバルーンと密封スリーブとの間の結合部分での応力を軽減することができる。
【0060】
内腔214とバルーン204の内部との間に流体の連絡を与えるために、バルーン204の内側には、1個またはそれ以上の開口236が軸の延長部分226を貫いて配置される。これらの開口236は、流体が内腔214からバルーン204の内部へと、その膨張のために通過することを可能にする。これらの開口236は、軸延長部分226の、延長部分206の内側の密封スリーブ228の近位末端の位置の手前の部分に配置される。好適な実施例では、それぞれ約0.2mm(0.008インチ)の直径を有する4個の開口が与えられている。これらの開口236は、軸延長部分226沿いに相互に軸方向に1mmの間隔を置き、それぞれの開口は、隣接する開口とは円周方向に90 ずつずれている。
【0061】
バルーン204の下方にはマーカー238が配置される。マーカー238は放射線不透過性材料、例えば90%白金および10%イリジウムの環で構成される。マーカー238は長さが約1.30mm(0.051インチ)で、厚さが約0.04mm(0.0015インチ)である。マーカー238は、バルーン204の位置を蛍光透視法によって観察するための公知の方法で用いられる。好適な実施例では、マーカー238は、軸方向に印加された力を軸206および軸延長部分226から密封スリーブ228へと伝達するためにも用いられる。好適な実施例では、マーカー238は、図15に示したとおり、軸206の遠位末端が寄り掛かることのできる肩部を形成するような位置で密封スリーブ228に接着されている。そのため、例えばカテーテル装置系200の定置の際に、近位末端の細長い軸206に押す力が医師によって印加されたとき、その力は、滑動できるよう嵌合した軸延長部分226および密封スリーブ228を越えて、カテーテルの遠位部分へと伝達されることになる。この特徴はカテーテルの誘導し易さを高める。誘導し易さは、バルーンカテーテル200を定置しようとするときに必要とされることから、軸延長部分226の遠位末端に寄り掛かるマーカー238の位置は、図15に示したとおり、未膨張の状態でのバルーン204と連動する。バルーン204の膨張は、バルーンの近位末端および遠位末端を相互に引き離そうとすることになる。スリーブ228および軸延長部分226は相互に滑動できることから、これらも相互に離れるよう移動しようとするため、膨張させたときには、図14に示したとおり、マーカー238は軸延長部分226の遠位末端とは直接には隣接しないことになる。バルーン204の収縮の際は、バルーン204の近位および遠位末端は、再び会合しようとすることになり、マーカー238も軸延長部分226の遠位末端に寄り掛かる位置に復帰することになる。
【0062】
好適な実施例では、密封スリーブ228は、約0.58〜約1.57mm(約0.023〜0.062インチ)の密封スリーブ228が軸の遠位延長部分226内に延伸するような長さで与えられてよい。密封スリーブ228は約0.33mm(約0.013インチ)の外径および約0.28mm(約0.011インチ)の内径を有する。本実施例では、密封スリーブは、その内表面にPTFE(例えばテフロン:商品名)の被覆が施されたポリアミドで構成される。バルーン204は、照射されたポリオレフィン共重合体、例えばデュポン社から入手可能なサーリン(Surlyn)(商品名)、または低または中コンプライアンス材料、例えばPETで作成される。バルーンは様々な直径および長さで与えてよい。軸206は、304型ステンレス鋼からなる近位部分239、および高密度ポリエチレンからなる遠位部分240で構成される。軸206はマニホールド208からバルーン204の近位末端まで約169cm(約66.5インチ)の長さを有する。軸206は約0.58mm(約0.023インチ)の近位の外径、および約0.66mm(0.026インチ)の遠位の外径を有し、中間の分節に、近位の断片と遠位の断片が約0.84mm(約0.033インチ)の外径を有して重なり合う部分を有する。軸206の肉厚は近位では約0.06mm(約0.0025インチ)、そして遠位では約0.08mm(約0.003インチ)である。軸の、バルーン内に延伸する遠位延長部分226は、好ましくは軸206のその直近の部分と同じ材料片で形成する。これに代えて、軸延長部分226を、バルーンの近位腰部のいずれかの側で軸206に結合させた独立した管材片で作成してもよい。軸の、バルーン内に延伸する遠位延長部分226の長さは、膨張開口236のための長さはもとより、密封スリーブ228の近位部分が軸延長部分226の遠位末端内に受容される重なり合う部域のためのもう一つの長さをも与えるのに十分である。こうして、軸の遠位延長部分226の長さはバルーンの大きさに依存し、したがって、異なるバルーンの大きさによって変動する。バルーンの大きさの代表的な範囲によれば、バルーンの近位腰部の遠方の軸の遠位延長部分226の長さは、約11.94〜約28.96mm(約0.47〜1.14インチ)である。軸の、密封スリーブを受容する部分の遠位延長部分226の内径は約0.36mm(約0.014インチ)である。
【0063】
上記のとおり、案内ワイヤ202は、案内ワイヤ202からの軸206の回収によって軸206に関して取外し可能である。図16を参照すると、特に図14および15に示した実施例による使用のための、案内ワイヤ202の好適な実施例が示されている。案内ワイヤ202は遠位部分216および近位部分244を有する。好適な実施例では、案内ワイヤ202の近位部分244は、コア部分246、およびコア部分246の少なくとも一部の周囲に配置されたワイヤスリーブ部分248を有する。コア部分246は高張力ステンレス鋼、例えば304型ステンレス鋼で作成し、ワイヤスリーブ部分248は重合体、例えばPTFE例えばテフロンで作成する。重合体はコアワイヤ246に焼きばめしてもよい。案内ワイヤ202の少なくとも一部は、低摩擦コーティング、例えばシリコーンで被覆する。本実施例では、遠位部分216、および近位部分244の遠位の部域にシリコーンコーティングを施す。案内ワイヤの近位部分244の近位の部域はシリコーンで被覆しないでおく。案内ワイヤ202の被覆されない近位の部域は約457mm(約18インチ)の長さである。案内ワイヤのスリーブ部分248は、案内ワイヤ202の遠位部分216の直近に位置する。案内ワイヤのスリーブ部分248は、案内ワイヤ202の近位部分244の、使用の際にカテーテル部分201の密封スリーブ228内に配置される案内ワイヤ202の分節にほぼ対応する分節沿いに延伸する。本実施例では、案内ワイヤのスリーブ部分248は、案内ワイヤ202の遠位部分216から手前に約165mm(約6.50インチ)延伸する。案内ワイヤのスリーブ部分248は、カテーテル部分201の密封スリーブ228と案内ワイヤ202との間の流体シールの向上に役立つ。この目的のためには、案内ワイヤのスリーブ部分248は、好ましくは密封スリーブ228との密接な水密性の嵌め合いを形成する材料で作成する。
【0064】
案内ワイヤ202はカテーテル部分201より大きい全長を有する。具体的には、案内ワイヤ202は、遠位部分216がカテーテル部分の遠位末端から遠方に延伸し、そして近位部分244の少なくとも一部がカテーテル部分201の近位末端から手前に延伸するような長さを有する。本実施例では、案内ワイヤ202は約190.5cm(約75インチ)の長さを有する。上記のとおり、遠位部分216はワイヤスリーブ248を含む近位部分244より大きい輪郭を有する。近位部分244は、軸206を案内ワイヤ202伝いに手前に引き戻せるように、カテーテル201の遠位開口218より大きくない輪郭を有さなければならない。好適な実施例では、案内ワイヤの近位部分244は約0.28mm(約0.011インチ)より大きくはない。好適な実施例では、近位部分244は一様な輪郭を有さないが、代わりに、近位末端252から約157.5cm(約62インチ)の長さで延伸し、約0.25mm(約0.010インチ)の直径を有する第1分節250;第1分節の直遠方にあって、約0.17mm(約0.0067インチ)にまで先細となる約50.8mm(約2.00インチ)の長さを有する第2分節254;第2分節の直遠方にあって、約0.17mm(約0.0067インチ)の一様な直径および約127mm(約5インチ)の長さを有する第3分節256;第3分節の直遠方にあって、約0.14mm(約0.0055インチ)にまで先細となる約127mm(約5インチ)の長さを有する第4分節258;および第4分節の直遠方にあって、約54.76mm(約2.156インチ)の長さを有する第5分節260を含む。放射線不透過性のコイルばね262をコアワイヤの遠位末端に取付ける。コイル262は約1〜2cmの長さであって、コアワイヤの第5分節260の遠位部分264を包囲する。コアワイヤは、好ましくは、コイル内に配置された部分に沿った最遠位の分節で扁平になっている。コイルばね262およびコアワイヤ246は案内ワイヤ202の遠位の分節216を形成する。コイルばね262は約0.38mm(約0.015インチ)の外径を有する。コアワイヤ246および/またはスリーブ部分248には心なし研削を施して、適切なトレランスを与えてもよい。
【0065】
好適な実施例では、案内ワイヤ202の近位部分沿いに1個またはそれ以上のマーカー270を配置してよい。これらのマーカーは、案内ワイヤの近位部分250の、マニホールド208から手前に延伸するような分節沿いに配置する。これらのマーカー270のマニホールド208との相対的な位置の観察によって、医師は、案内ワイヤ202の遠位部分216がカテーテル部分201の遠位末端を通過して延伸された度合いを判定することができる。また、医師は、案内ワイヤのスリーブ248が、バルーンを膨張させ得るように密封スリーブ228と整合される時点を判定することができる。好適な実施例では、2個のマーカーが存在する。マーカーの一つは、案内ワイヤの遠位部分216の約152cm(約60インチ)手前に配置し、マーカーのもう一つは、案内ワイヤ202の遠位部分216の約166cm(約65.5インチ)手前に配置する。好適な実施例では、各マーカーは約12.7mm(0.5インチ)の長さであり、水油親和性インクを用いて貼付する。
【0066】
好適な実施例では、図2〜4の参考例に関連して上記に記載の方法でカテーテル装置系200を用いることができる。カテーテル200の準備は、内腔214内に定置した案内ワイヤ202を用いて実施する。カテーテル装置系200を準備するときは、バルーン204をレノグラフィン(Renografin)(商品名)と食塩水との50:50混合物に浸漬するのが好ましく、このとき、陰圧を引いて、何らかの僅かな漏れのためにカテーテル201の遠位末端内にいくらかでも空気を引き入れることを防止する。案内ワイヤ202を、カテーテル部分201に対する相対運動に対して解放され得るように固定すると、結果的に、カテーテル装置系200は公知の固定ワイヤ型バルーンカテーテルと同様に取り扱い、そして定置することができる。カテーテル交換が望まれる場合は、この実施例は、カテーテル部分201を同一の案内ワイヤ202伝いに引き戻して、もう一つのカテーテルと置き換えつつ、案内ワイヤは脈管内に定置しておけるという固定ワイヤ型カテーテルでは得られない利点を提供する。第二のカテーテルは、案内ワイヤ202について互換性のあるいかなる型のカテーテルであってもよい。第二のカテーテルは、公知の案内ワイヤを案内ワイヤ内腔中に受容する形式のものでなければならない。好適な実施例では、第二のカテーテルは、必ずしもカテーテル部分201に類似のカテーテルである必要はない。
【0067】
本発明の更に一つの参考例によれば、カテーテルのためのマニホールド、とりわけ図14〜15に示したカテーテルのためのマニホールドが提供されるが、この参考例では、案内ワイヤポートは案内ワイヤの把握および案内ワイヤ周囲での流体シールの付与の双方を自動的に行うのに適合させてあり、更に、膨張ポートは膨張装置の離脱の際に自動的に密封される。
【0068】
上記のとおり、マニホールド208はバルーンカテーテル200の近位末端に位置する。マニホールド208は、拡張のためにバルーンを膨張させる目的で案内ワイヤ202を受容し、膨張流体源に接続することを可能にする。したがって、マニホールド208は案内ワイヤポート300および膨張ポート302を備えている。
【0069】
案内ワイヤポート300に関しては、マニホールド208はいくつかの機能を与える。この参考例の一面によれば、カテーテル部分201を内ワイヤ202とともに固定してよく、その結果、カテーテル部分201および案内ワイヤ202を固定ワイヤ型バルーンカテーテルと類似の方法で脈管内に一緒に推進することができる。この目的のためには、マニホールド208は、カテーテル部分201に対して案内ワイヤ202を固定することを許す。また、上記のとおり、カテーテル部分201は案内ワイヤ202から引き戻すことができる。そのため、マニホールド208は案内ワイヤ202の脱着可能性も与える。更に、案内ワイヤ202と膨張流体とは共通の内腔214を軸206内に共有することから、マニホールド208は、膨張流体がマニホールドの案内ワイヤポートから漏出しないように流体シールも許さなければならない。これら三つの特徴は、ここに開示されたマニホールドの参考例中に下記の通り与えられている。
【0070】
図17および18を参照すると、マニホールド208の分解図がある。マニホールド208は、主要本体部分312および主要本体部分312から90゜の角度で延伸する膨張ポート基部316を有するマニホールド本体310を有する。マニホールド本体310は、主要本体312を貫いて延伸する主要ボア314を有する。膨張ポート基部316も、それを貫いて延伸して膨張ポート302と主要ボア314とを連絡する膨張ボア318を有する。マニホールド本体310および膨張ポート基部316は固いプラスチック材料、例えばポリカーボネートで作成してもよい。
【0071】
主要ボア314内にあって膨張ボア318がそれと連絡するまさにその位置に、マニホールド本体インサート322が配置される。マニホール本体インサート322は、全体として円筒形の外形を有し、この部域に位置する主要本体の凹部323を完全に占める大きさとなっている。マニホールド本体インサート322は、その中を延伸する、少なくとも案内ワイヤ202を収容するのに十分な大きさを有するインサートボア324を有する。インサートボア324は、下記に説明する理由のために、遠位に向かってその近位末端より大きくなるように先太となっている。マニホールド本体インサート322は、その長さ沿いのほぼ中間で外周を完全に囲んで延伸する輪状の凹部328を有する。この凹部328からインサートボア324まで、マニホールドインサートの膨張ボア330が延伸する。好適な参考例では、マニホールド本体インサート322は相対的に固いプラスチック材料、例えばポリカーボネートで作成される。
【0072】
主要ボア314内の、マニホールド本体インサート322が占める位置の直近位では、主要ボア314は大きさが増大して肩部332を形成する。主要ボア314のこの区画内には、圧縮シール336が配置される。圧縮シール336は肩部332に直接隣接して配置される。圧縮シール336は、柔らかくて密封できる弾性材料、例えばシェル化学から入手可能なクラトン(Kraton)(商品名)で形成される。圧縮シール336は、それを貫く密封ボア338を有する。圧縮シール336を貫く密封ボア338の大きさは、圧縮シール336に印加される圧縮力に応じて調整可能である。圧縮下にないときは、圧縮シール336を貫く密封ボア338は約0.51mm(約0.020インチ)の直径を有する。
【0073】
主要ボア314内の、圧縮シール336が占める位置の直近位には、コレット座340が存在する。コレット座340は全体として円筒形の外形を有する。コレット座340の中をコレット座ボア342が延伸する。コレット座ボア342は、その近位末端344および遠位末端346の両方から先細になっているために、コレット座ボア342の中央部348は近位末端344および遠位末端346の両方よりも直径が小さくなっている。コレット座ボアの遠位末端346の大きさは、一般的には、応力下にない密封ボア338の直径に従う。中央部348でのコレット座の最小直径の大きさは、案内ワイヤ202を収容するのに十分である。好適な参考例では、コレット座340は、相対的に固いプラスチック材料、例えばゼネラル・エレクトリック社から入手可能なレクサン(Lexan)(商品名)で作成される。コレット座340の直近位にあって、また主要ボア314の部分的な位置を占めて、コレット組立品352が存在する。本参考例では、コレット組立品352はコレット本体356およびコレットインサート358を含む。コレットインサート358は、コレット本体356の近位凹部360内に受容され、そこに永久的にスナップ嵌合してコレット組立品352を形成する。コレット組立品352は、その中を延伸するコレットボア362を有する。コレット組立品352は把手部分364ねじ山を有する部分366および万力部分368を含む。把手部分364は、コレット組立品352の大きい口径の近位部分の外表面によって画定される。組み立てられたとき、把手部分364はマニホールド本体310の近位末端の手前に延伸する。ねじ山を有する中間部分366は把手部分364の直遠位に配置されている。ねじ山を有する中間部分366は、マニホールド本体310の主要ボア314の近位部分の対応するねじ山370にねじで噛み合うように適合させてある。万力部分368はねじ山を有する部分366の直遠位に存在する。万力部分368は細長い円筒形部分372および先細の遠位部分374を含む。万力部分368の先細の遠位部分374は、コレット座ボア342の先細の近位部分344に従うように適合させてある。万力部分368は、長手方向のスリット382によって分離された少なくとも2枚の小葉378、380からなり、コレットボア362はこれらの小葉378、380の中を延伸する。好適な参考例では、コレット本体356およびコレットインサート358が、相対的に固いプラスチック材料、例えばゼネラル・エレクトリック社から入手可能なアルテム(Ultem)(商品名)で作成される。
【0074】
組み立てられたとき、コレット組立品352の万力部分368およびねじ山を有する部分366は、マニホールド本体310の凹部370内に延伸する。コレット組立品の先細の遠位部分374は、コレット座ボア342の近位の先細の部分344に直接隣接して配置される。圧縮シール336は、コレット座340とマニホールド本体310の肩部332との間に配置される。マニホールド本体インサート322が主要ボア314の一部に配置されているために、膨張ポート通路318はインサート322の凹部328と整合する。コレット組立品352は、噛み合えるねじ山366、370でマニホールドの主要な本体310に回転できるように結合され、その結果、把手部分364を用いてマニホールド本体310に相対的にコレット組立品352を回転させることによって、コレット組立品352をマニホールド本体310内に推進し、またそれから引き出すことができる。コレット組立品352は、コレット組立品352の辺縁の止め具384によって、マニホールド本体から完全に引き戻されることが防止される。この止め具384は、組立の際はスナップ式リブ500、501を越えて移動し、スナップ式リブは、コレットの把手364を反時計回りに回したときの分解を防止する。
【0075】
案内ワイヤ202をカテーテル部分201内に定置するには、案内ワイヤ202をカテーテル部分201内に逆装填する。すなわち、案内ワイヤ202の近位末端をカテーテル部分201の遠位開口218から滑り込ませる。その後、案内ワイヤ202をカテーテル部分201を貫いて逆方向に推進する。案内ワイヤの近位末端がマニホールド208に達したときに、案内ワイヤは、膨張ポートの基部316を通過して主要ボア314内に受容される。次いで、案内ワイヤ202の近位末端はインサートボア324内に受容される。インサートボア324の先細の輪郭によって、案内ワイヤの近位末端は、インサート322の近位末端から出る際に中心に寄せられ、その結果、密封ボア338の中心に定置される。インサートボア324の、より大きい遠位の直径は、遠位の案内ワイヤの周囲に膨張流体の輸送のための、より大きい輪状の部域も与える。次いで、案内ワイヤ202は、圧縮シール336の密封ボア338の中からコレット座340の遠位側面346内へと手前に延伸する。上記のとおり、コレット座ボア342は先細であるため、その近位および遠位末端は中央部より口径が大きい。コレット座ボア342の、より大きな遠位の寸法は、圧縮シール336からの案内ワイヤ202の受容を容易にする。密封ボア338は口径が変動し得ることから、コレット座ボア342の先細の遠位部分346は、圧縮シール336からの案内ワイヤの受容を、たとえそれが正確に中心的に整合されていなくとも容易にする。次いで、案内ワイヤはコレット座340から出て、コレット組立品352のコレットボア362に進入する。案内ワイヤはコレット組立品352の中を、そしてマニホールド208の近位末端の外へと延伸する。案内ワイヤがカテーテル部分201内で手前に十分に定置されたときには、案内ワイヤの近位末端の約25cm(約10インチ)がマニホールド208から出て手前に延伸する。
【0076】
カテーテル装置系200を定置するときには、固定ワイヤ型カテーテルと同様に、案内ワイヤ202およびカテーテル部分201を一緒に推進してよく、またはそれに代えて、案内ワイヤ202をカテーテル部分201より多少とも先に推進してもよい。カテーテル部分201に対して案内ワイヤ202の位置を固定することが望まれるならば、コレット組立品352をマニホールド本体310に対して時計回りに回転させ、それによってコレット組立品をマニホールド本体310内に推進する。これは、コレット組立品の遠位末端をコレット座340および圧縮シール336内に押し進める。圧縮シールはコレット座340とマニホールド本体310の肩部332との間で圧縮されて、圧縮ボアの口径を減少させる。コレット組立品352からの十分量の圧力の印加によって、圧縮シール336は案内ワイヤに接して閉鎖されて、案内ワイヤの周囲に水密シールを形成し、それによって案内ワイヤポート300からの膨張流体の漏出を防止する。
【0077】
また、コレット組立品352の推進は、マニホールド208に対する(したがってまたカテーテル部分201に対しても)案内ワイヤの位置を固定するために、案内ワイヤ202を自動的に把握し、その結果、案内ワイヤ202およびカテーテル部分201を公知の固定ワイヤ型カテーテルと同様に取り扱うことも可能になる。上記のとおり、コレット組立品352の時計回りの回転は、コレット組立品をマニホールド本体310の中へと推進し、コレット組立品352の遠位の万力部分368をコレット座340の先細の近位部分344の中へと押し進める。コレット組立品の万力部分368は先細の遠位先端374を有することから、コレット組立品の遠位への移動は、この先細の遠位末端部分374をコレット座ボアの近位の先細の末端344の中に押し込む。これは軸方向の力をコレット組立品から小葉378、380へと移送し、それによってそれらを強制的に纏める効果を有する。案内ワイヤは、ボア362内で小葉378、380の間に位置を占めることから、これは案内ワイヤを万力部分368の内側に固定する効果も有する。
【0078】
このようにして、案内ワイヤ202は、カテーテル部分201に関する軸方向または回転方向の運動に抗してマニホールド208内に固定することができる。その上、把手部分364の回転も、上記に説明したとおり、シール336を自動的に圧縮するため、案内ワイヤ202は、案内ワイヤポート300内に機械的にも流動的にも固定することができる。
【0079】
これに代えて、医師が好むならば、カテーテル部分201とは無関係に案内ワイヤ202を推進することによって、カテーテル装置系200を定置することも可能である。この方法でカテーテル部分を操作するには、万力部分368がもはや案内ワイヤ202をカテーテル部分201に対する相対運動に抗して固定することのないように、把手364を反時計回りに僅かに回転させる。そうすれば、医師は、カテーテル部分の遠位末端より更に前方に案内ワイヤ202を移動し、あるいはカテーテル部分とは無関係に案内ワイヤを必要なだけ回転させることができる。再び案内ワイヤの位置を固定することが望まれるときは、これは、コレット組立品の把手364の調整によって容易に達成される。
【0080】
カテーテルのマニホールド208の、案内ワイヤの周囲の自動的な流体密封および機械的固定を与える案内ワイヤポート300は、膨張流体に用いられるのと同じ内腔214を案内ワイヤ201が占めることから、上記で考察したカテーテル装置系200の実施例に関して特に有用性を有する。自動的な流体密封および機械的固定を与える案内ワイヤポート300は他の形式のカテーテルにも使用し得ることを理解することができる。例えば、上記の案内ワイヤの参考例は、膨張流体に用いられる内腔とは別の内腔内の位置を案内ワイヤが占める、ワイヤ伝い型カテーテルにおいても用いることができるであろう。そのようなカテーテルによれば、流体シールを保って、血液が案内ワイヤの内腔から逆に流出することを防止しなければならない。また、ワイヤ伝い型カテーテルによれば、案内ワイヤおよびカテーテルを機械的に固定して、それらの間の相対運動を防止することが好ましい。上記の自動的案内ワイヤポートは、そのようなカテーテルの配置に容易に用いることができるであろう。
【0081】
膨張ポート302に関しては、マニホールド208はいくつかの機能を与える。上記のとおり、本参考例の特徴によれば、カテーテル部分201は案内ワイヤ202とともに固定されてよく、その結果、カテーテル部分201および案内ワイヤ202は、固定ワイヤ型バルーンカテーテルと同様に、脈管内を併進させることができ、この目的のためには、マニホールド208はカテーテルに関して案内ワイヤを固定することを供給する。操作のこの段階の際に、カテーテルは既に準備されているため、空気が膨張内腔に進入するのを防ぐことが好ましいと思われる。したがって、医師の中には、注射器または膨張装置を膨張ポートに結合したままにして、空気が膨張内腔に進入するのを防ぐ者もいる。これは面倒であり、カテーテルの取扱いをより困難にすることがある。停止コック配置が用いられることもあるが、これらもまた面倒であり得る。
【0082】
本発明の参考例におけるマニホールド208は、膨張流体源を結合したときには自動的に膨張ポート302を開放することを与え、膨張流体源を離脱させたときには自動的に膨張ポートを密封することを与える。これは、カテーテルの定置の際に、医師が膨張通路に空気が進入し得ることを懸念することなく、注射器または膨張装置を容易に離脱させることができるという利点を有する。
【0083】
図17〜21を参照すると、ロータリーシール400は、マニホールド本体310の膨張ポート基部316の壁404によって画定される凹部402内に受容される。膨張ポート基部316には、限定された回転運動を与える方法でキャップ408が結合される。具体的には、キャップ408はスカート410、412を有する。これらのスカート410、412は、膨張ポート基部316の上に配置された止め具414に寄り掛かり、それによって膨張ポート基部316に対するキャップ408の回転運動を約90゜にまで制限する。好適な参考例では、ロータリーシール400はポリエチレンで作成され、キャップ408はポリカーボネートで作成される。
【0084】
選択的には、キャップ408と膨張ポート基部316との間にOリング416を配置して、相対的回転の際でさえ、これら2部品間の水密シールを与えてもよい。水密シールを他の方法で与えることができるならば、Oリングは省略してもよい。
【0085】
キャップ408は、公知のおすのルエルすり合わせ420を有して、公知のおすのルエルすり合わせを有する注射器422(図19に示す)、膨張装置または他の装置を受容する頂部を備えている。キャップ408は、ルエルすり合わせと連絡する受容ボア424を有する。キャップ408の内壁428を貫いて、内側ボア426が側方に延伸する。内壁428および外壁430はそれらの間に円筒形の凹部432を画定し、その中にロータリーシール400、および膨張ポート基部316の壁404が配置されている。キャップ408の外壁430には外側ボア434が配置されている。外側ボア434は内側ボア426と整合されている。
【0086】
上記のとおり、ロータリーシール400は、膨張ポート基部316の壁404が画定する凹部402内に配置されている。ロータリーシール400は、凹部402を画定する膨張ポート基部の壁404と同様に、全体的に円筒形の形状をなすため、これら2個の部品はキャップ408内の凹部432内に嵌合する。ロータリーシール400は、膨張ポート基部316に関する相対的回転に抗して固定されるような形状をなす。ロータリーシール400はガス抜きボア436および膨張ボア438を有する。ガス抜きボア436と膨張ボア438とは約90゜の間隔を置く。ガス抜きボア436は、ロータリーシール400の内側からロータリーシール壁を部分的に貫いて延伸する。膨張ボア438は、ロータリーシール壁の内側からシール壁を全長にわたって貫いて延伸し、またロータリーシール400の底面440に向かって下方にも延伸する。膨張ポート基部316は壁404の中を延伸するガス抜きボア442を有する。ロータリーシール400が膨張ポート基部316内で定位置にあるときは、ロータリーシールのガス抜きボア436は膨張ポート基部316のガス抜きボア442と整合されて、それらを通じての連絡を供給する。しかし、ロータリーシール400の膨張ボア438の位置では、膨張ポート基部316の壁404は中空でないので、それを貫く孔は皆無である。したがって、ロータリーシールの膨張ボア438の位置では、膨張流体のための唯一の経路はロータリーシール400の底部辺縁440に向かって下方に存在する。膨張ポート基部316の壁内には、ロータリーシール400の底部辺縁440から主要ボア314へと連絡する下部のボア318が配置されている。
【0087】
キャップ408および膨張ポート基部316が図21に示したとおりに整合しているときは、ロータリーシール400のガス抜きボア436、および膨張ポート基部の壁404のガス抜きボア442は、キャップ408の内側ボア426および外側ボア434と整合している。しかし、この位置では、キャップの壁428、430はキャップの受容ボア424と主要ボア314との間の連絡を防止する。この位置では、膨張装置422およびマニホールド上部をガス抜きして、いかなる空気も除去し得るが、カテーテル軸の内腔214は密封されている。
【0088】
キャップ408および膨張ポート基部316を図19または20に示したとおりに整合させたときは、ロータリーシール400の膨張ボア438はキャップの内側ボア426と整合する。しかし、膨張ポート基部の壁404はロータリーシール400の膨張ボア438のすぐ次に存在することから、唯一の流通経路はシール底440に向かって下方に存在する。こうして、流体の連絡は、キャップの内側ボア426、ロータリーシールの膨張ボア438、膨張ポート基部の下部のボア318、並びにインサート322の輪状凹部328および膨張ボアを介して、受容ボア424と主要ボア314との間に与えられる。この位置では、膨張流体源422は主要ボア314およびカテーテル内腔214と連絡していて、そのためにバルーン204を膨張させることができる。
【0089】
キャップ408と膨張ポート基部316とは、キャップ408を膨張ポート基部316に対して回転させるのに比較的僅かな力しか必要とされないような方法で接続されている。具体的には、キャップ408をマニホールド本体316に対して運動させるためには、注射器または膨張装置422をキャップのルエルすり合わせ420に締め付けるのに必要とされる相対的により少ない力が必要とされる。したがって、注射器または膨張装置をキャップのめすのルエルすり合わせ420上に定置し、そして注射器または装置をマニホールド本体316に対して時計回りに回転させるときには、キャップ408を最初に回転させ、それによってキャップ408をガス抜き位置図21から膨張位置図19へと移動することになる。そうして、キャップを膨張位置へと回転させた後で、スカート410は止め具414に寄り掛かり、マニホールド本体310に対するキャップのそれ以上の回転を防止する。注射器または膨張装置422に与えられたそれ以上の回転は、注射器とキャップ408との間の相対的な回転を生起し、それによってルエルすり合わせを締め付けて、注射器とマニホールド208との間に水密シールを形成することになる。
【0090】
注射器の離脱は順序を逆にして行う。注射器422をマニホールド316から離脱させるために反時計回りに回転させると、注射器に印加された回転力は、初めはキャップ408を膨張の位置からガス抜きの位置へと移動する。キャップ408がガス抜きの位置にあるときは、それに印加された反時計回りのそれ以上の力はスカート412を止め具414に寄り掛からせ、それによってキャップと膨張ポート基部との間のそれ以上の相対運動を防止する。そうして、注射器422に印加されたそれ以上の力は、注射器とキャップとの間の相対的回転を生起して、ルエルロックを離脱させることになる。この方法で、注射器または他の膨張装置をマニホールド208に着脱させることができ、それと同時に、膨張経路を自動的に開放し、次いで密封することができる。
【0091】
上記の自動的な膨張ポートの密封という特徴は、カテーテル200とともに用いたときに、とりわけ有用性を有する。その理由は、案内ワイヤおよび膨張流体が共有する共通の内腔214から空気を排除しておくことが重要だからである。自動的な膨張ポートの密封という特徴は、案内ワイヤを用いないものさえも包含する他の形式のカテーテルにも用い得ることを認識することができる。例えば、染料または医薬の注入に用いられるカテーテルに自動的な流体密封ポートを有する結果、染料または医薬の流体を有する注射器を容易に離脱させることができ、マニホールドポートから血液が逆流することなく注射器を取り外せることは有用である可能性がある。
【0092】
前述の詳細な説明は、限定的というよりは例示的であると見なされなければならないこと、およびすべての等価物を包含する添付の請求の範囲は発明の範囲を明確にするように意図されていることが理解されることが意図される。
【0093】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によればカテーテルの交換が容易であることはもとより、固定ワイヤカテーテルに対応すべく小型になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルーン拡張カテーテルの第一の好適参考例の側面断面図である。
【図2】本発明のバルーン拡張カテーテルの第二の好適参考例の側面断面図である。
【図3】図2に示した参考例の遠位部分の長手方向断面図である。
【図4】図3の4−4線における断面図である。
【図5】図2に示した参考例の中間部分の長手方向断面図である。
【図6】図5の6−6線における断面図である。
【図7】本発明のバルーン拡張カテーテルの第三の好適参考例の側面断面図である。
【図8】本発明のバルーン拡張カテーテルの第四の好適参考例の側面断面図である。
【図9】本発明のバルーン拡張カテーテルの第五の好適参考例の側面断面図である。
【図10】図9の10−10線における断面図である。
【図11】本発明のバルーン拡張カテーテルの第六の好適参考例の側面断面図である。
【図12】図11の12−12線における断面図である。
【図13】本発明のバルーン拡張カテーテルの第七の好適参考例の側面断面図である。
【図14】本発明の一実施例を示す長手方向の断面切欠図である。
【図15】膨張されていない状態、例えばカテーテルの定置の際に示した図14のカテーテルの遠位部分の断面図である( 明確にするためにバルーン部分なしで示す) 。
【図16】図14の実施例の案内ワイヤを部分的に断面で示す側面切欠図である。
【図17】図14のマニホールド組立品の分解透視図である。
【図18】図17のマニホールド組立品の分解側面図である。
【図19】図17のマニホールド組立品の一部の長手方向断面図であって、膨張設定時のマニホールド組立品を示す。
【図20】図17の膨張ポートの分解断面図である。
【図21】図19の21−21線沿いに示した膨張ポートの横断断面図であって、ガス抜き設定時の膨張ポートを示す。
【符号の説明】
10…バルーンカテーテル、26…拡張バルーン、32…第一内腔、40,302…膨張ポート、44,208…マニホールド、56…内側管状部材、58…第二内腔、62…コアワイヤ、72…コアワイヤの遠位開口、76…先端部材、202…案内ワイヤ、204…バルーン部分、206…細長い軸、214…内腔、216…案内ワイヤの遠位部分、218…案内ワイヤの遠位開口、226…遠位延長部分、228…密封スリーブ、236…細長い軸の開口、310…マニホールド本体、314…マニホールドボア、336…圧縮シール、340…コレット座、356…コレット本体、408…キャップ、436,442…ガス抜きボア。

Claims (4)

  1. 膨張可能なバルーンと、近位部分および遠位部分を有する細長い軸とを備えるバルーンカテーテル・案内ワイヤ・アセンブリであって、前記膨張可能なバルーンが前記細長い軸の遠位部分に配置され、かつ前記細長い軸がバルーンを膨張させるための流体を輸送する膨張内腔を有するバルーンカテーテル・案内ワイヤ・アセンブリにおいて、
    案内ワイヤと、前記案内ワイヤがそのほぼ全長にわたって延びるコアを有することと、
    案内ワイヤを収容する前記軸の遠位延長部分と、前記遠位延長部分は前記バルーンの内側に配置されるとともに該バルーンの近位末端から延伸することと、
    前記バルーンの内側に配置され、該バルーンの遠位末端から近位側へ延伸する密封スリーブと、前記密封スリーブは前記案内ワイヤを滑動可能に受容するための内腔を備えることと、使用時において、前記密封スリーブと前記遠位延長部分とは、長手方向に整列され、かつ、互いに対して滑動可能であるとともに該密封スリーブと該遠位延長部分との間にて流体を密封するように形成されていることと、
    を特徴とするバルーンカテーテル・案内ワイヤ・アセンブリ。
  2. 前記密封スリーブはポリアミド管状部材からなる請求項1に記載のアセンブリ。
  3. 前記密封スリーブは更に、その内表面がポリテトラフルオロエチレンにて被覆されている請求項2に記載のアセンブリ。
  4. 前記遠位延長部分は、ポリマー管状部材である請求項1に記載のアセンブリ。
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