JP3637413B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents
インクジェットプリンタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3637413B2 JP3637413B2 JP2000319167A JP2000319167A JP3637413B2 JP 3637413 B2 JP3637413 B2 JP 3637413B2 JP 2000319167 A JP2000319167 A JP 2000319167A JP 2000319167 A JP2000319167 A JP 2000319167A JP 3637413 B2 JP3637413 B2 JP 3637413B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- printing
- document
- reading
- unit
- recording paper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Printers Characterized By Their Purpose (AREA)
- Ink Jet (AREA)
- Handling Of Sheets (AREA)
- Handling Of Cut Paper (AREA)
- Facsimile Heads (AREA)
- Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに関するものであり、さらに詳しくは、原稿の画像を読み取る原稿読み取り部(スキャナ)を有するスキャナ付インクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータの周辺装置のうち、画像情報を印字する印字装置(出力装置)の1つとして、インクジェット方式による印字を行うインクジェットプリンタが用いられ、画像情報を読み取る読み取り装置(入力装置)の1つとして、フラットベッド型あるいはシートフィード型等のスキャナが用いられている。
【0003】
ところが、コンピュータを中心とする従来の構成では、それぞれ独立したプリンタとスキャナを購入しなければならず、購入コストが非常に高くなってしまい、さらに、周辺装置を設置するために広いスペースが必要になるという不都合があった。
【0004】
そこで、たとえば特開平9−214684号公報に記載されているように、プリンタとスキャナの両方の機能を有するスキャナ付インクジェットプリンタが提案されている。このインクジェットプリンタでは、原稿読み取り部と印字部が、共通の駆動モータにより駆動される無端ループ状のタイミングベルトに取り付けられた共通のキャリッジに取り付けられて、一体となって移動させられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来のインクジェットプリンタの場合、原稿読み取り部と印字部が一体となった比較的重量の大きい部分が移動するため、移動によって振動、衝撃が発生する。タイミングベルトのループの中心に対して、原稿読み取り部および印字部が取り付けられたキャリッジの略対角位置にこれと略同重量のカウンタウェイトを取り付ければ、振動を抑制することができるが、このようにすると、原稿読み取り部および印字部が取り付けられたキャリッジ全体の重量の2倍の重量を移動させることになるため、大型の駆動モータが必要になり、コストが高くなる。
【0006】
また、上記の従来のインクジェットプリンタでは、原稿読み取り部と印字部を共通の駆動モータで駆動することができるが、原稿の搬送路と記録用紙の搬送路は別であるので、装置が大型化する。
【0007】
本発明の目的は、原稿読み取り部および印字部の移動による振動、衝撃を抑制することができ、しかも原稿読み取り部と印字部の駆動力が小さくてすみ、装置の小型化が可能なインクジェットプリンタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明によるインクジェットプリンタは、原稿を搬送方向と直交する幅方向に走査して原稿の画像を読み取る原稿読み取り部と、記録用紙を搬送方向と直交する幅方向に走査して記録用紙にインクジェット方式による印字を行う印字部とを備えたインクジェットプリンタにおいて、原稿および記録用紙が原稿読み取り部と印字部の部分において共通の搬送路を搬送され、共通の駆動源からの駆動力を伝達する駆動力伝達用線状部材が、両側の直線状部分が上記搬送路の幅方向にのびるように無端ループ状に配置され、原稿読み取り部および印字部が、上記線状部材のループの中心に対して略対角位置にある各直線状部分にそれぞれ取り付けられていることを特徴とするものである。
【0009】
駆動力伝達用線状体としては、たとえば、タイミングベルト等のベルト類、ワイヤ等、任意のものが用いられる。
【0010】
原稿および記録用紙が原稿読み取り部と印字部の部分において共通の搬送路を搬送されるので、装置の小型化が可能である。
【0011】
原稿読み取り部と印字部が駆動力伝達用線状体の略対角位置に取り付けられているため、原稿読み取り部と印字部は常に逆方向に移動し、これらの移動による運動ベクトルが逆方向に発生して、互いに打ち消し合うため、振動、衝撃が抑制される。また、原稿読み取り部と印字部を合わせた重量だけを駆動すればよく、これらの駆動源の駆動力が小さくてすむ。
【0012】
本発明のインクジェットプリンタにおいて、たとえば、原稿読み取り部と印字部の重量がほぼ等しい。
【0013】
このようにすれば、原稿読み取り部と印字部の移動による運動ベクトルがほとんど打ち消し合い、振動、衝撃を抑制する効果が大きくなる。
【0014】
本発明のインクジェットプリンタにおいて、たとえば、原稿および記録用紙が、上記搬送路を同一方向に搬送される。
【0015】
このようにすれば、搬送部における搬送機構およびその制御機構が簡単になる。
【0016】
この場合、好ましくは、原稿と記録用紙は同一の排紙部(排紙トレイ等)に排出される。
【0017】
上記のインクジェットプリンタにおいて、たとえば、読み取りの修了した原稿と印字の修了した記録用紙とが、互いに幅方向にオフセットされた状態で、上記搬送部から共通の排紙部に排出される。
【0018】
この場合、原稿と記録用紙が共通の排紙部に排出されるので、さらに装置の小型化が可能である。また、原稿と記録用紙は、印字終了後、共通の排紙部のほぼ同じ箇所に重ねて排出され、排紙部上でこれらが混在してしまう。ところが、上記のようにすると、原稿と記録用紙は互いに幅方向にオフセットした状態で排出されるため、これらの仕分け作業を容易に行うことができる。
【0019】
上記のインクジェットにおいて、たとえば、原稿および記録用紙が、互いに重ねられた状態で上記搬送路を搬送され、上記線状部材が、各直線状部分が上記搬送路の原稿側および記録用紙側にそれぞれ位置するように配置され、原稿読み取り部が、原稿側にある直線状部分に取り付けられ、印字部が、記録用紙側にある直線状部分に取り付けられている。
【0020】
このようにすれば、互いに重ねられた状態で共通の搬送路を搬送されている原稿および記録用紙に対して、原稿読み取り部による原稿の読み取りおよび印字部による印字を行うことができ、全体の処理時間の短縮が可能である。
【0021】
上記のインクジェットプリンタにおいて、たとえば、原稿読み取り部において原稿の画像情報を読み取る読み取り処理と、原稿読み取り部で読み取られた画像情報を印字部において印字する印字処理とが、ほぼ同時に行われる。
【0022】
この場合、ほぼ同時とは、駆動力伝達用線状体が一方の方向に移動している間にという意味である。
【0023】
駆動力伝達用線状部材が一方の方向に移動している間、原稿読み取り部と印字部は互いに重なった原稿と記録用紙の両面側において互いに逆方向に同速度で移動する。このため、この間に、読み取り処理と印字処理をほぼ同時に行えば、原稿に対する読み取り方向と記録用紙に対する印字方向とが一致し、読み取り処理により得られた画像情報をそのままの状態で印字することが可能になり、画像処理が簡単である。
【0024】
本発明のインクジェットプリンタにおいて、たとえば、上記線状部材が往動方向に移動している間に、原稿読み取り部において、原稿の画像情報を読み取る読み取り処理が行われ、その後、上記線状部材が復動方向に移動している間に、印字部において、読み取られた原稿の画像情報を印字する印字処理が行われる。
【0025】
このようにすれば、画像情報の処理時間をより多く確保することができ、より複雑な画像情報の印字が可能となり、画像処理手段の負担を軽減することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0027】
図1はスキャナ付インクジェットプリンタの全体概略構成を示し、図2は図1のII−II線の拡大断面図である。以下の説明において、前後左右は、後述する原稿および記録用紙の搬送方向についていうものとし、同搬送方向の下流側を前、上流側を後とし、後から前を見たときの左右を左右とする。これによると、図1の左側(図2の紙面裏側)が前、図1の右側(図2の紙面表側)が後であり、図1の紙面表側(図2の左側)が左、図1の紙面裏側(図2の右側)が右である。
【0028】
図1に示すように、プリンタは装置本体を構成する箱形の筐体(1)を備えており、筐体(1)の右側に給紙トレイ(記録用紙トレイ)(2)と原稿トレイ(3)が上下に配置され、筐体(1)の左側に共通の排紙部を構成する排紙トレイ(4)が配置されている。筐体(1)内に、搬送部(5)が設けられている。搬送部(5)は、排紙トレイ(4)の後端部分から筐体(1)内の略中央部まで水平にのびる主搬送路(6)と、給紙トレイ(2)の前端部分から主搬送路(6)の後端に合流する記録用紙搬送路(7)と、原稿トレイ(3)の前端部分から主搬送路(6)の後端に合流する原稿搬送路(8)とから構成されている。給紙トレイ(4)には1枚または複数枚の記録用紙(P)が印字面を上にした状態で載置され、給紙トレイ(4)の前側部分に、記録用紙(P)を1枚ずつ記録用紙搬送路(7)に供給するための給紙ローラ(10)が設けられている。原稿トレイ(3)には1枚または複数枚の原稿(D)が原稿面を下にした状態で載置され、原稿トレイ(3)の前側部分に、原稿(D)を1枚ずつ原稿搬送路(8)に供給するための給紙ローラ(11)が設けられている。主搬送路(6)の前後中央部は読み取り・印字部分(12)となっており、この部分(12)の主搬送路(6)の下側に、左右方向に水平にのびる透明なプラテン(13)が配置されている。読み取り・印字部分(12)の後側の主搬送路(6)の部分に上下1対の搬入ローラ(14)(15)が、読み取り・印字部分(12)の前側の主搬送路(6)の部分に上下1対の搬出ローラ(16)(17)がそれぞれ設けられている。
【0029】
給紙トレイ(2)上の記録用紙(P)は、原稿トレイ(3)上の原稿(D)に対して、左側にオフセットした状態に載置される。そのために、給紙トレイ(2)および原稿トレイ(3)の幅を記録用紙(P)および原稿(D)の幅とほぼ等しい同一幅にして、給紙トレイ(2)を原稿トレイ(3)の対して左側にオフセットした位置に配置してもよいし、また、給紙トレイ(2)および原稿トレイ(3)の幅を記録用紙(P)および原稿(D)の幅より大きい同一幅にして、両トレイ(2)(3)を左右方向の同一位置に配置し、給紙トレイ(2)の左寄りの部分に記録用紙(P)を、原稿トレイ(3)の右側部分に原稿(D)をそれぞれ載置してもよい。主搬送路(6)および排紙トレイ(4)は左右方向にオフセットされた記録用紙(P)と原稿(D)を合わせた幅に相当する幅を有し、記録用紙搬送路(7)および原稿搬送路8は、少なくとも記録用紙(P)および原稿(D)の幅に相当する幅を有する。
【0030】
主搬送路(6)の読み取り・印字部分(12)に、原稿読み取り部(20)、印字部(21)およびこれらの駆動部(22)が設けられており、その詳細が図2に示されている。次に、図2を参照して、これらの詳細について説明する。
【0031】
読み取り・印字部分(12)のプラテン(13)の右側に駆動プーリ(23)が、プラテン(13)の左側に従動プーリ(24)が、それぞれ、前後方向の軸を中心に回転しうるように配置され、これらに無端ループ状の駆動力伝達用線状部材であるタイミングベルト(25)が張架されている。ベルト(25)の上下両側の直線状部分は、主搬送路(6)の上下においてその幅方向にのびている。駆動プーリ(23)は、図示しない適宜の動力伝達機構を介して、共通の駆動源である駆動モータ(電動モータ)(26)により所定範囲内を両方向に回転させられ、これにより、ベルト(25)が所定範囲内を両方向に駆動される。なお、以下の説明において、プーリ(23)(24)の回転方向およびベルト(25)の駆動方向は、後から見たものをいう。
【0032】
ベルト(25)の下側直線状部分はプラテン(25)の下方にこれと平行に位置しており、この部分に読み取り部(20)が取り付けられている。図示は省略したが、読み取り部(20)は、ベルト(25)に取り付けられたキャリッジと、これに取り付けられた公知の読み取りヘッドとから構成され、キャリッジが左右方向にのびる複数のスライド軸により案内されている。読み取り部(20)の読み取りヘッドには、露光ランプ(27)、反射ミラー(28)、結像レンズ(29)およびCCD(30)が設けられている。ベルト(25)の上側直線状部分はプラテン(13)の上方にこれと平行に位置しており、この部分に印字部(21)が取り付けられている。図示は省略したが、印字部(21)は、ベルト(25)に取り付けられたキャリッジと、これに取り付けられた印字ヘッドとから構成されている。読み取り部(20)全体の重量と印字部(21)全体の重量は、ほぼ等しく、これらは、記録用紙(P)および原稿(D)の搬送方向である前後方向から見たベルト(25)のループの中心(C)に対して、略対角位置にある。
【0033】
図2に実線で示すように、ベルト(25)が待機位置(ホームポジション)に停止しているとき、読み取り部(20)は右端の待機位置(H1)に停止し、印字部(21)は左端の待機位置(H2)に停止している。ベルト(25)が待機位置から時計方向(往動方向)に走査端位置まで駆動されると、読み取り部(20)がプラテン(13)の下面に沿って左方向(往動方向)に左端の走査端位置(E1)まで移動し、これと同時に、印字部(21)がプラテン(13)の上面に沿って右方向(往動方向)に右端の走査端位置(E2)まで移動する。そして、この間に、読み取り部(20)により原稿(D)の読み取りが行われ、印字部(21)により記録用紙(P)に印字が行われる。ベルト(25)が走査端位置から反時計方向(復動方向)に駆動されて待機位置に戻ると、読み取り部(20)が右方向(復動方向)に移動して待機位置(H1)に戻り、これと同時に、印字部(21)が左方向(復動方向)に移動して待機位置(H2)に戻る。上記のような1回の走査により、読み取り部(20)は、予め設定された読み取り幅に応じた1〜複数のライン数の画像読み取りを行い、印字部(21)は、読み取り幅と同数のラインの印字を行う。
【0034】
読み取り部(20)が待機位置(H1)から左側に距離L1分移動した位置が読み取り開始位置(A1)、この位置(A1)からさらに左側に読み取り幅(原稿搬送領域)分移動した位置が読み取り修了位置(B1)となっている。また、印字部(21)が待機位置(H2)から右側に距離L2分移動した位置が印字開始位置(A2)、この位置(A2)からさらに右側に印字幅(記録用紙搬送領域)分移動した位置が印字修了位置(B2)となっている。読み取り幅と印字幅は、最大サイズの原稿(D)の幅および記録用紙(P)の幅に相当するものであり、互いに等しい。印字部(21)の待機位置(H2)から印字開始位置(A2)までの距離L2は、読み取り部(20)の待機位置(H1)から読み取り開始位置(A1)までの距離L1より大きい。また、記録用紙(P)が原稿(D)に対して左側にオフセットされていることに合わせて、印字開始位置(A2)は読み取り修了位置(B1)より左側に位置し、印字修了位置(B2)は読み取り開始位置(A1)より左側に位置している。読み取り部(20)の初期位置(H1)から読み取り開始位置(A1)までの距離L1はベルト(25)の速度の立ち上がりを考慮して設定されており、読み取り部(20)が初期位置(H1)から読み取り開始位置(A1)に移動するまでの間に、読み取り部(20)は一定の走査速度に立ち上げられる。印字部(21)の初期位置(H2)から印字開始位置(A2)までの距離L2は上記の距離L1より大きいので、印字部(21)も、初期位置(H2)から印字開始位置(A2)に移動するまでの間に、同じ一定の走査速度に立ち上げられる。そして、読み取り部(20)および印字部(21)は、それぞれ、読み取り幅および印字幅の部分において、同一の一定の走査速度で移動する。また、上記の距離L2と距離L1の差L(=L2−L1)は、後述する画像処理に要する時間を考慮して設定される。
【0035】
上記のインクジェットプリンタは、複写機、プリンタおよびスキャナとして使用することができる。
【0036】
上記のインクジェットプリンタを複写機として使用する場合、複写開始指令があると、原稿(D)が、給紙ローラ(11)によって原稿トレイ(3)から原稿搬送路(8)に供給されて、主搬送路(6)の搬入ローラ(14)(15)の部分で一旦停止させられ、これと同時に、記録用紙(P)が、給紙ローラ(10)によって給紙トレイ(2)から記録用紙搬送路(7)に供給されて、搬入ローラ(14)(15)の部分で一端停止させられる。原稿(D)と記録用紙(P)の先端が搬入ローラ(14)(15)の部分に揃うと、搬入ローラ(14)(15)の動作により、記録用紙(P)と原稿(D)が左右にオフセットするとともに上下に重ねられた状態で、読み取り・印字部分(12)に搬送される。記録用紙(P)および原稿(D)は、さらに、搬入ローラ(14)(15)の動作、搬入ローラ(14)(15)と搬出ローラ(16)(17)の動作、あるいは搬出ローラ(16)(17)の動作により、読み取り・印字部分(12)を所定の間隔ずつ間欠的に搬送され、この間に、後述する原稿(D)の読み取りおよび印字が行われる。そして、読み取りおよび印字の終わった原稿(D)および記録用紙(P)は、排出ローラ(16)(17)により、排紙トレイ(4)に排出される。このとき、記録用紙(P)と原稿(D)は上下に重なった状態で排紙トレイ(4)に排出されるが、左右方向にオフセットされているので、これらの仕分け作業が容易である。
【0037】
次に、図2を参照して、読み取り・印字部分(12)における読み取りおよび印字動作について、詳細に説明する。
【0038】
原稿(D)および記録用紙(P)が読み取り・印字部分(12)の所定の処理位置(読み取り・印字位置)に移動してくるまで、読み取り部(20)および印字部(21)は待機位置(H1)(H2)に停止している。原稿(D)および記録用紙(P)が処理位置に停止すると、読み取り部(20)および印字部(21)は往動方向に走査端位置(E1)(E2)まで移動した後、復動方向に移動して待機位置(H1)(H2)に戻り、1回の走査が行われる。読み取り部(20)が待機位置(H1)から往動方向に移動して読み取り開始位置(A1)に達すると、プラテン(13)上の原稿(D)下面の画像の読み取りが開始し、読み取り部(21)が読み取り修了位置(B1)を通過した時点で、読み取りを修了する。読み取り部(20)で読みとれた原稿(D)の画像情報は、図示しない画像処理手段により公知の画像処理が施された後、印字部(21)に送られる。そして、印字部(21)が待機位置(H2)から往動方向に移動して印字開始位置(A2)に達すると、原稿(D)の上の記録用紙(P)に対する印字が開始し、印字部(21)が印字修了位置(B2)に達した時点で、印字を修了する。読み取り部(20)および印字部(21)が走査端位置(E1)(E2)から待機位置(H1)(H2)に戻っている間に、原稿(D)および記録用紙(P)が次の読み取り・印字位置に送られ、これらが次の読み取り・印字位置に停止して、読み取り部(20)および印字部(21)が待機位置(H1)(H2)に戻った時点で、上記同様に、次の走査が行われる。そして、このような動作が繰り返されることにより、1枚の原稿(D)の画像が読み込まれて、1枚の記録用紙(P)に印字される。
【0039】
上記のように、読み取り部(20)で読み取られた原稿(D)の画像情報は画像処理が施された後に、印字部(21)に送られるが、この画像処理には時間が必要であるため、読み取りと印字を完全に同時に開始することはできない。このため、上記のインクジェットプリンタでは、印字部(21)の待機位置(H2)から印字開始位置(A2)までの距離L2を読み取り部(20)の待機位置(H1)から読み取り開始位置(A1)までの距離L1より大きくして、読み取った画像情報の画像処理が修了した後にその画像データの印字が行われるようにしている。つまり、上記の距離L2とL1の差Lを、画像処理と画像情報の送信に要する時間よりも少し長い時間に対応する大きさに設定し、印字の開始を、読み取りの開始に対して、画像処理と画像情報の送信に要する時間よりも少し長い時間遅らせるようにしている。
【0040】
上記のようにすることにより、原稿(D)の読み取りに合わせて、印字をほぼ同時に行うことができ、画像情報を記憶するメモリ等が不要であるか、あるいは必要最小限のメモリ容量でもって複写処理を行うことができる。
【0041】
なお、上記の画像処理に要する時間が非常に短い場合は、上記の距離L2と距離L1の差Lをほとんど0に近い値にすることができる。
【0042】
上記の例では、原稿(D)と記録用紙(P)が重ねられた状態で搬送され、読み取り部(20)と印字部(21)が往動方向に移動している間に、読み取りと印字がほぼ同時に行われる。このとき、読み取り部(20)は原稿(D)の下面に対向し、印字部(21)は記録用紙(P)の上面に対向し、両者の移動方向は互いに逆方向であるから、原稿(D)に対する読み取り方向と記録用紙(P)に対する印字方向とが一致し、読み取り処理により得られた画像情報をそのままの状態で印字することが可能であり、画像処理が簡単である。
【0043】
しかしながら、読み取り部(20)が往動方向に移動している間に原稿(D)の読み取りを行い、その後、印字部(21)が復動方向に移動している間に記録用紙(P)に対する印字を行うようにすることもできる。このようにすると、読み取り部(20)で読み取った画像情報をメモリに記憶しておく必要があるが、画像処理の時間をより多く確保することができ、より複雑な画像情報の複写が可能となり、画像処理手段の負担を軽減することができる。
【0044】
上記の例では、原稿(D)と記録用紙(P)が重ねて搬送され、この間に原稿(D)の読み取りおよび印字が行われるので、複写処理に要する時間を短縮することができる。
【0045】
しかし、原稿(D)と記録用紙(P)を前後に並べて搬送し、先に、原稿(D)が読み取り・印字部分(12)を搬送されている間に、読み取り部(20)による原稿(D)の読み取りを行って、読み取った画像情報をメモリに記憶しておき、次に、記録用紙(P)が読み取り・印字部分(12)を搬送されている間に、記憶された画像情報に基づいて印字部(21)による印字を行うようにしてもよい。
【0046】
上記のインクジェットプリンタをプリンタあるいはスキャナとして使用する場合、プリンタはコンピュータ等に接続される。
【0047】
プリンタとして使用する場合、コンピュータ等から印字指令があると、原稿トレイ(3)に原稿(D)が載置されていても、記録用紙(P)だけが給紙トレイ(2)から主搬送路(6)に供給されて、この記録用紙(P)に対して印字部(21)による印字だけが行われる。この場合の印字は上記の複写の場合と同様であり、画像情報はコンピュータ等から印字部(21)に送られる。
【0048】
スキャナとして使用する場合、コンピュータ等から走査指令があると、給紙トレイ(2)に記録用紙(P)が載置されていても、原稿(D)だけが原稿トレイ(3)から主搬送路(6)に供給されて、この原稿(D)に対する読み取り部(20)による読み取りだけが行われる。この場合の読み取りは上記の複写の場合と同様であり、読み取り部(20)で読み取られた画像情報はコンピュータ等に送られる。
【0049】
上記のインクジェットプリンタでは、原稿(D)と記録用紙(P)が共通の主搬送路(6)を搬送されるので、装置の小型化が可能である。また、読み取り部(20)と印字部(21)がベルト(25)の略対角位置に取り付けられているため、読み取り部(20)と印字部(21)は常に逆方向に移動して、両者の運動ベクトルが逆方向に発生し、および加速度ベクトルが互いに逆向きになり、しかも両者の重量がほぼ等しいから、それらが互いに打ち消し合って、振動、衝撃が抑制される。また、読み取り部(20)と印字部(21)を合わせた重量だけを駆動すればよく、従来のようにカウンタウェイトを設けてこれも駆動する必要がなく、駆動モータ(26)等の駆動源の駆動力が小さくてすむ。
【0050】
インクジェットプリンタの全体構成、各部の構成等は、上記実施形態のものに限らず、適宜変更可能である。
【0051】
たとえば、原稿読み取り部(20)における読み取りヘッドとして、上記実施形態では、原稿(D)からの反射光を反射ミラー(28)および結像レンズ(29)を介してCCD(30)に結像させるものを使用しているが、原稿からの反射光を密着CCDに直接結像させるようなものを使用することもできる。
【0052】
上記実施形態では、原稿と記録用紙を共通の搬送路を同一方向に搬送するようになっているが、これらを共通の搬送路を逆方向に搬送するようにすることもできる。その場合、たとえば、先に、共通の搬送路に原稿を所定の方向に搬送して、その画像情報を原稿読み取り部により読み取って、読み取った画像情報をメモリに記憶しておき、次に、共通の搬送路に記録用紙を逆方向に搬送して、記憶された画像情報に基づいて印字部による印字を行う。
【0053】
また、原稿と記録用紙を重ねて搬送しない場合には、原稿読み取り部と印字部を、上記実施形態のように共通の搬送路の反対側に配置せずに、同じ側に配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態を示すインクジェットプリンタの概略構成図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿う拡大断面図である。
【符号の説明】
(6) 主搬送路
(20) 原稿読み取り部
(21) 印字部
(25) タイミングベルト
(26) 駆動モータ
(C) 中心
(D) 原稿
(P) 記録用紙
Claims (7)
- 原稿を搬送方向と直交する幅方向に走査して原稿の画像を読み取る原稿読み取り部と、記録用紙を搬送方向と直交する幅方向に走査して記録用紙にインクジェット方式による印字を行う印字部とを備えたインクジェットプリンタにおいて、
原稿および記録用紙が原稿読み取り部と印字部の部分において共通の搬送路を搬送され、共通の駆動源からの駆動力を伝達する駆動力伝達用線状部材が、両側の直線状部分が上記搬送路の幅方向にのびるように無端ループ状に配置され、原稿読み取り部および印字部が、上記線状部材のループの中心に対して略対角位置にある各直線状部分にそれぞれ取り付けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 原稿読み取り部と印字部の重量がほぼ等しいことを特徴とする請求項1のインクジェットプリンタ。
- 原稿および記録用紙が、上記搬送路を同一方向に搬送されることを特徴とする請求項1または2のインクジェットプリンタ。
- 読み取りの修了した原稿と印字の修了した記録用紙とが、互いに幅方向にオフセットされた状態で、上記搬送部から共通の排紙部に排出されることを特徴とする請求項3のインクジェットプリンタ。
- 原稿および記録用紙が、互いに重ねられた状態で上記搬送路を搬送され、上記線状部材が、各直線状部分が上記搬送路の原稿側および記録用紙側にそれぞれ位置するように配置され、原稿読み取り部が、原稿側にある直線状部分に取り付けられ、印字部が、記録用紙側にある直線状部分に取り付けられていることを特徴とする請求項3または4のインクジェットプリンタ。
- 原稿読み取り部において原稿の画像情報を読み取る読み取り処理と、原稿読み取り部で読み取られた画像情報を印字部において印字する印字処理とが、ほぼ同時に行われることを特徴とする請求項5のインクジェットプリンタ。
- 上記線状部材が往動方向に移動している間に、原稿読み取り部において、原稿の画像情報を読み取る読み取り処理が行われ、その後、上記線状部材が復動方向に移動している間に、印字部において、読み取られた原稿の画像情報を印字する印字処理が行われることを特徴とする請求項5のインクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000319167A JP3637413B2 (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | インクジェットプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000319167A JP3637413B2 (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | インクジェットプリンタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002127505A JP2002127505A (ja) | 2002-05-08 |
JP3637413B2 true JP3637413B2 (ja) | 2005-04-13 |
Family
ID=18797675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000319167A Expired - Fee Related JP3637413B2 (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | インクジェットプリンタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3637413B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8128198B2 (en) | 2008-01-08 | 2012-03-06 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus including carriage with recording head |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004066576A (ja) * | 2002-08-05 | 2004-03-04 | Ricoh Co Ltd | インクジェット記録装置 |
CN100382977C (zh) * | 2003-03-28 | 2008-04-23 | 梁健 | 高精度同步双面写真喷画机 |
US20060132520A1 (en) * | 2004-12-16 | 2006-06-22 | Bledsoe James D | Multiple-function inkjet printing system with single motor for carriage and scan head motion |
JP7385811B2 (ja) * | 2019-09-26 | 2023-11-24 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置 |
-
2000
- 2000-10-19 JP JP2000319167A patent/JP3637413B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8128198B2 (en) | 2008-01-08 | 2012-03-06 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus including carriage with recording head |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002127505A (ja) | 2002-05-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4615334B2 (ja) | シート後処理装置及びこれを備えた画像形成装置 | |
US7107004B2 (en) | Compactly arranged image forming apparatus | |
US6139206A (en) | Multifunctional machine performing a shuttle-scanning | |
JP3710437B2 (ja) | 画像読み取り装置及びその制御方法並びに画像形成装置 | |
JP3637413B2 (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP4393424B2 (ja) | 両面原稿読取装置及び両面原稿読取方法 | |
CN102833442B (zh) | 图像形成装置 | |
US11861251B2 (en) | Image forming system that changes order of RIP according to combination of sorting order and face orientation at delivery of recording medium having image formed thereon | |
JP3297431B2 (ja) | 画像処理装置 | |
JP2006347644A (ja) | 画像形成装置 | |
JP5063175B2 (ja) | シート処理装置 | |
US6424365B1 (en) | Image forming apparatus and method of controlling apparatus | |
JP4284920B2 (ja) | 画像読取装置 | |
JP3117975B2 (ja) | 画像処理方法 | |
JPH0818726A (ja) | 記録媒体識別装置 | |
JP7424166B2 (ja) | 画像形成装置およびその制御方法 | |
JP2786032B2 (ja) | 両面読取りイメージスキャナ | |
JP2000349981A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2023084717A (ja) | 読取装置 | |
JP5927976B2 (ja) | 画像記録装置及び画像記録方法 | |
JP2872261B2 (ja) | 複写装置 | |
JP2021141377A (ja) | 画像読取装置 | |
JP2024033332A (ja) | 画像読取装置 | |
JP3625398B2 (ja) | 原稿搬送装置、原稿搬送装置を備えた画像読取装置及び画像読取装置を備えた画像形成装置 | |
JP3629588B2 (ja) | 用紙給送装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040607 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040713 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040913 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Effective date: 20040913 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20040915 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20041220 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080121 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120121 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |