JP3637172B2 - 軸封装置および軸封装置を備えた排水ポンプ - Google Patents

軸封装置および軸封装置を備えた排水ポンプ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軸封装置および軸封装置を備えた排水ポンプの改良に係わり、特にポンプ主軸にスリーブが固定され、このスリーブの外周にセグメント状のシール材が摺動するように配置されている軸封装置およびその軸封装置を備えている排水ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば土砂等の硬い粒子を含んだ河川水などを排出する排水ポンプを対象にした場合、この種の立軸形排水ポンプの軸封装置としては、一般的に、シール材に紐状のパッキンを使用したグランドパッキン構造が使用されている。この軸封装置では、グランドパッキン摺動面への潤滑水の供給のほかに土砂水混入防止を目的に、ポンプ羽根側の圧力よりも約0.1MPa高い高圧の清水が給水される。
【0003】
最近では、例えば機械設計第32巻第2号(1988年2月号)にも記載されているように、シール材に耐摩耗性に優れたセラミックスを用いたメカニカルシールが使用されるようになってきている。しかしながらその一方において、近年における急速な都市化により、排水機場への雨水の流入が大量かつ急激なものとなっており、このような事態に対応するため、排水ポンプを先行待機運転させる需要が高まってきている。
【0004】
しかし、このような先行待機運転に代表される立軸雨水排水ポンプでは、ポンプ主軸が回転していても、長時間にわたり揚水されない気中運転が行われることになる。このような場合は、軸封装置に潤滑水が注入されないので、ドライ摺動による異常摩耗の発生が避けられない。すなわち、シール材にセラミックスを採用しても、異常摩耗の発生を防止することは不可能である。
【0005】
このような問題の解決手段として、ポンプ主軸とシール材との間にわずかなギャップを設けて非接触状態でシールする方法が、実公平4−44941号公報に開示されている。また、排水ポンプの外部から軸封装置に潤滑水を注入し、気中運転を行う方法が、特開平2−154869号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように形成されている軸封装置、すなわち実公平4−44941号公報に開示されているような軸封装置であると、シール材とポンプ主軸とが非接触状態にあり、潤滑水がないときでも長時間の気中運転が可能である。しかし、揚水時はポンプ主軸とシール材との隙間からの漏水量が多く、ポンプ効率が低下する嫌いがある。
【0007】
また、特開平2−154869号公報に開示されているような軸封装置およびグランドパッキン構造では、気中運転中、外部から注水がシール材へ行われるので、長時間運転をする場合には、多量の潤滑水を必要とする嫌いがあり、また給水配管系が設けられていることから、配管の保全管理が必要となり、そのための負担が多くなる。さらに、給水配管系のトラブルなどでポンプが起動できなくなる恐れもある。
【0008】
このように従来における軸封装置においては、漏水量が少なく、かつポンプの外部から潤滑水の給水を受けずに、長時間の気中運転を繰り返し行うことは不可能であった。
【0009】
本発明はこれに鑑みなされたもので、その目的とするところは、漏水量が少なく、かつシール材の潤滑水をポンプの外部から給水することなく、例えば30分以上の繰り返し気中運転を安定して行うことができるポンプの軸封装置を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、軸表面にスリーブが固定された回転主軸と、前記スリーブの外周部に径方向に所定の間隙をもって配置されたシールケースと、このシールケースと前記スリーブとの間に配置されるとともに、周方向に複数個に分割されたセグメントシール部材とを備え、前記シール部材の内周側が前記回転主軸のスリーブと摺動し軸封を行うように形成されている軸封装置において、前記スリーブの少なくともその表面を、四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の部材で形成し、かつ前記セグメントシール材をセラミックス材にて形成するとともに、このシール材の摺動面を前記スリーブの摺動面に対して偏芯の円弧形状となし所期の目的を達成するようにしたものである。
【0011】
また、回転主軸にスリーブが固定され、このスリーブの外周位置に配置されるシールケースと、このシールケースおよび前記スリーブ間に周方向に沿って複数配設されたセグメント状のシール材を配置したセグメント型の軸封装置において、前記スリーブを四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の筒状部材とし、シール材をセラミックスとし、このシール材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状とし、かつこのシール材の摺動面を回転主軸の停止時、スリーブ摺動面に接触させ、さらに、シール材の両端面またはこれと対向するシールケースの面のいずれか一方に摩擦低減手段を設けるようにしたものである。
【0012】
またこの場合、前記セラミックスを、炭化珪素または四ふっ化エチレン樹脂を含浸した炭化珪素としたものである。また、前記シール材の両端面またはこれと対向するシールケースの面のいずれか一方に設けられ摩擦低減手段を、周方向溝およびこの周方向溝と連通する放射溝により構成するようにしたものである。また、前記シール材の両端面またはこれと対向するシールケースの面いずれか一方に設けた摩擦低減手段を、シール材の両端面と対向するシールケースの面に設けた四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金の皮膜で形成するようにしたものである。
【0013】
すなわちこのように形成された軸封装置であると、スリーブに含浸された四ふっ化エチレン樹脂がポンプ主軸が回転するとスリーブ摺動面に数ミクロンの薄い四ふっ化エチレン樹脂皮膜を形成し、そしてこの四ふっ化エチレン樹脂皮膜は摩擦係数が小さく、形成された皮膜は剥離しにくいので外部からの給水をしなくても安定して長時間(30分以上)の気中運転が繰り返し行えるのである。また、シール材をセラミックスとし、このシール材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状としているため、スリーブ摺動面とシール材の摺動面との半径方向の隙間が狭くなり漏水量は減少し安定した密封性能が得られるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1にはその軸封装置が断面で示され、また図2にはそのシール材の周方向の配置状況が示されている。軸封装置3は、回転する主軸すなわちポンプ主軸1とポンプケーシング15との隙間からの流体の漏れを防止する装置であり、主として次のものより構成されている。
【0015】
すなわち、ポンプ主軸1の外周部に固定されたスリーブ2と、このスリーブ2の外周位置に径方向に間隙をもって配置されたシールケース6と、このシールケース6およびスリーブ2間に周方向に沿って複数配設されたセグメント状のシール材4と、このシール材4軸方向に位置決めするカバー8とを有して構成されている。なお、シール段数が2段構造の場合について図示し、以下2段構造について説明するが、このシール段数は封水圧力、漏水量等により決まるものであり、特に限定するものではない。
【0016】
スリーブ2は、超硬合金製の筒状部材で気孔部2aに四ふっ化エチレン樹脂2bが含浸されて形成され、ポンプ主軸1に六角穴付き止めネジ等(図示せず)で固定されている。この超硬合金製の筒状部材は粉体−成形−焼結の順で製造された後に、表面に開口する空孔部2aに四ふっ化エチレン樹脂2bを含浸して製造される。
【0017】
一方、シール材4は周方向に2分割した円筒形状のセラミックスで、さらに、このシール材の摺動面をスリーブ摺動面に対し楕円形状,すなわち偏芯の円弧形状に形成されている(図2参照)。シール材4の外周側には、ガータスプリング5が装着され、2分割した円筒形状のセラミックスをリング状に保持している。またシール材4には、軸方向の一端部に溝11が形成され、この溝11とシールケース6に設けられた回り止めピン9により、シールケース6とスリーブ2との間で周方向にずれることがないように形成されている。勿論、シールケース6とシールケーシング10との間にも周方向にずれないように何らかの固定手段が設けられている(図示せず)。
【0018】
ここでは、この溝11は2分割されたシール材のそれぞれに、かつシール材の周方向の中央部に設けられている。このように、回り止めの位置をシール材の周方向の中央部に設けることは回転による動圧効果を利用する上で好ましい。また、シール材4には、軸方向の両端部に周方向溝7aおよびこの周方向溝7aと連通する放射溝7bが設けられている(図2参照)。
【0019】
また、2分割のシール材4は、図2に示されているように上下部で接触した状態に配置されている。なお、この実施例では上下部で接触した状態で配置されているが、僅かな隙間をもって配置しても良い。また、シール材4の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状としているので、水平方向にわずかな隙間が形成される。間隙δaはスリーブ摺動面とシール材の摺動面との上下部の隙間であり、間隙δbはスリーブ摺動面とシール材の摺動面との合わせ目部12における隙間である。
【0020】
図示のように、この間隙はδa<δbの寸法関係にある。したがって、同芯の場合に比較し間隙δaの寸法が狭くなり、その結果、漏水量が減少する。また、図中Raはスリーブ摺動面の半径、Rbはシール材4の摺動面の半径で、この両者の関係は、Rb>Raの関係にある。半径Rbを半径Raよりも僅かに大きくするだけで有効である。シール材4の摺動面の半径Rbはスリーブ摺動面の半径Raに対して、加工精度、許容漏水量等によって決まるものである。
【0021】
このように構成された軸封装置であると、スリーブ2に含浸された四ふっ化エチレン樹脂2bがポンプ主軸1の回転によりスリーブ摺動面に数ミクロンの薄い四ふっ化エチレン樹脂皮膜を形成する。形成された四ふっ化エチレン樹脂皮膜はすべりやすため摩擦係数が小さく、また、剥離しにくい。そのため、揚水時に揚水液により洗い落とされることがなく、外部からの給水をしなくても長時間(30分以上)の気中運転が繰り返し行える。
【0022】
また、シール材4をセラミックスとし、このシール材4の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状とし、分割のシール材4は上下部で接触した状態で配置されているので漏水量が低減できる。さらに、シール材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状としているので、ポンプ主軸が回転するとスリーブ摺動面に動圧効果が発生し、シール材の摺動面とスリーブ摺動面とは非接触状態に近くなり、安定した摺動特性が期待できる。
【0023】
また、揚水時において、シール材の摺動面とスリーブ摺動面とで構成される隙間に異物が浸入しても、シール材4が分割構造であるためシール材が半径方向に移動し容易に排出され、シール材4は損傷を受けない。
【0024】
さらに、シール材の摺動面とスリーブ摺動面とで構成される隙間を周方向に一様ではなく、上下部を接触した状態にし水平方向(合わせ目部)よりも狭くしている。このため、水平方向(合わせ目部)からの漏水量がその他の部分より多くなるので異物も同時に排出され摺動面への噛み込みが少なり、シール材4の異物噛み込みによる損傷を防止できる。
【0025】
また、シール材4には、軸方向の両端部に周方向溝7aおよびこの周方向溝7aと連通する放射溝7bが形成されている。このため、シール材4の軸方向の両端部に設けた周方向溝7aの内周側まで揚水時の封水圧力が作用し、周方向溝7aの内周側から外側の部分では軸方向の押しつけ力がキャンセルされる。したがって、軸方向の押し付け力は軽減され、シール材の半径方向の動きがスムーズで、安定した密封性能が得られる。
【0026】
さらに、シール材の摺動面とスリーブ摺動面とで構成される隙間を周方向に一様ではなく、上下部を接触した状態にし水平方向(合わせ目部)よりも狭くしている。このため、ポンプ主軸の回転によるシール材の振動を押さえる事ができる。したがって、空転運転時においても、シール材の振動による損傷が確実に防止され、信頼性の高い軸封装置とすることができる。
【0027】
図3および図4に本発明の気中運転のときの摩擦係数とシール材の温度上昇を測定した結果が示されている。この場合、本発明では、前述した実施例と同様のものであって、スリーブを四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の筒状部材を用い、シール材は炭化珪素のセラミックスで、さらに、シール材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状(Ra=80.0mm、Rb=80.04mm)としている。
【0028】
図3から、本発明において、スリーブ2とシール材4との摺動面は上下部で接触しているものの、摩擦係数は時間の経過に伴って低下し、その後は一定値(0.05程度)で推移している。このことから気中運転時においても30分以上安定した摺動特性が得られることがわかる。一方、スリーブに四ふっ化エチレン樹脂を含浸していない超硬合金製の筒状部材と炭化珪素リングを組み合わせた従来例において、摩擦係数は時間経過に伴って増大傾向が見られ、また、シールリングに振動が発生し30分以上の運転は困難であった。
【0029】
図4はシール材の温度上昇を示すものである。シール材の温度は上部の接触位置で摺動面から1mmの所にセンサを埋め込んで測定した。シール材の温度上昇値はシール材の温度−気温である。本発明において、シール材の温度上昇値は時間経過に関係なくほぼ一定値で推移して、安定して30分以上の運転ができることがわっかた。一方、従来例では、図3に示す摩擦係数と同様な傾向を示し、30分以上の運転は困難であった。
【0030】
なお、本発明における最初の運転時の摩擦係数は0.13程度となるが、スリーブおよびシール材が耐摩耗性に優れているため、接触摺動させても、ほとんど損傷しないことが実験で確認された。再運転時においては、摩擦係数が0.05になり、一度運転するとスリーブ摺動面には四ふっ化エチレン樹脂の皮膜が形成されることが実験で明らかにされた。
【0031】
図5に本発明による軸封装置の第2の実施例を示す。この実施例において、前記第1の実施例と異なるのはスリーブ2を金属リング2Cの外周面に四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金部2dを設けた筒状部材とし点にある。この筒状部材は、金属リング2C(材質:SUS304等)の外周面に溶射等により超硬合金製の皮膜を形成し、その後、四ふっ化エチレン樹脂を超硬合金製の皮膜の空孔部に含浸処理して製造される。
【0032】
この実施例によれば、基本的には前述した第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる他、スリーブ2を金属リング2C(材質:SUS304等)の外周面に溶射等により超硬合金製の皮膜2dを形成し製作しているので、超硬合金製のソリッド材に比較し重量を軽くでき、取り扱い性が向上する。さらに、ポンプ主軸1にスリーブ2を固定する際、金属リング2C部にネジ等を加工し取り付けられるので容易に行うことができる。
【0033】
図6に本発明による軸封装置の第3の実施例を示す。この実施例においては、前記第1の実施例と異なるのはシール材の両端面またはこれと対向するシールケースの面いずれか一方に設けた摩擦低減手段として、溝をシール材の両端面と対向するシールケースの面に設けた点にある。すなわち、シール材の両端面の対向するシールケースの面に周方向溝7cおよびこの周方向溝7cと連通する放射溝7dを形成したものである。
【0034】
この実施例によれば、基本的には前述した第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる他、溝加工を金属製のシールケース6に実施しているので、シール材側に加工するよりも容易にでき、製作費も安く済む。
【0035】
図7に本発明による軸封装置の第4の実施例を示す。この実施例においては、前記第2の実施例と異なるのはシール材の両端面またはこれと対向するシールケースの面いずれか一方に設けた摩擦低減手段として、シール材の両端面と対向するシールケースの面に潤滑性の有する皮膜を設けた点にある。すなわち、シール材の両端面と対向するシールケースの面に四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金の皮膜12aを形成したことにある。
【0036】
この実施例によれば、基本的には前述した第2の実施例と同様の作用効果を得ることができる他、シールケースに超硬合金の皮膜を溶射等で形成でき、製作費も安く済む。また、超硬合金製の皮膜硬度は河川水等に含まれる異物よりも高いので、異物による損傷を受けにくい。
【0037】
図8に本発明による軸封装置の第4の実施例を示す。この実施例において、前記第1の実施例と異なるのはシール材4を3分割したセグメントより構成した点にある。この実施例によれば、基本的には前述した第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
なお、これまで説明した実施例では、シール材4を2分割、または3分割のセグメントより構成された例を示したが、その分割数はスリーブ2の直径で決まるので、図示実施例に限定されるものではない。
【0039】
次に、本発明の軸封装置を立軸雨水排水ポンプポンプに適用した場合について述べる。すなわち、立軸雨水排水ポンプは図9に示すように、ポンプ主軸1と、ポンプ主軸1の下部に固定されたランナ13と、ポンプ主軸1が貫通するケーシング貫通部14と、このケーシング貫通部14に固定されている本実施例の軸封装置3とを有している。この軸封装置3は、スリーブ2と、シールケース6と、シール材4と、シールケーシング10とを備えている。
【0040】
スリーブ2は図5に示されているように、金属リング2Cの外周面に四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金部2dが設けられている。シールケーシング10は図1うに筒形をなしており、図5において、左側が下側になるように固定されている。したがって、シールケース6の上にシール材4が配置されている。シール段数は図5に示すように2段としている。
【0041】
この実施例によれば、スリーブを四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の筒状部材とし、シール材をセラミックスとし、さらに、このシール材の摺動面をスリーブ摺動面に対し非同芯の円弧形状としているので、基本的には第1〜第4の実施例と同等の作用効果を得ることができる。
【0042】
さらに、本発明の軸封装置を横軸雨水排水ポンプポンプに適用した場合について述べる。図10に示すように、ポンプ主軸1と、ポンプ主軸1の中央部に固定されたランナ13aと、ポンプ主軸1が貫通するケーシング貫通部14a,14bと、このケーシング貫通部14a、14bに固定されている本実施例の軸封装置3とを有している。
【0043】
ポンプ主軸1は両端部に配置したころがり軸受17により支持されている。また、一端にカップリング16が固定されている。この軸封装置3は、スリーブ2と、シールケース6と、シール材4と、シールケーシング10とを備えている。スリーブ2は図5に示すように、金属リング2Cの外周面に四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金部2dが設けられている。ケーシング貫通部14a,14bに取り付けている軸封装置3は図5に示す実施例のものである。
【0044】
実施例によれば、スリーブを四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の筒状部材とし、シール材をセラミックスとし、さらに、このシール材の摺動面をスリーブ摺動面に対し非同芯の円弧形状としているので、基本的には第1〜第4の実施例と同等の作用効果を得ることができる。
【0045】
これに加え、外部からの給水をしなくても長時間(30分以上)の気中運転が繰り返し行えるポンプが提供できる。
【0046】
以上説明してきたようにこのように形成された軸封装置であると、スリーブに含浸された四ふっ化エチレン樹脂がポンプ主軸が回転するとスリーブ摺動面に数ミクロンの薄い四ふっ化エチレン樹脂皮膜を形成する。形成された四ふっ化エチレン樹脂皮膜はすべりやすく摩擦係数が小さく、形成された皮膜は剥離しにくく、揚水時に揚水液により洗い落とされることがないので外部からの給水をしなくても長時間(30分以上)の気中運転が繰り返し行える。
【0047】
また、シール材をセラミックスとし、このシール材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状としているため、スリーブ摺動面とシール材の摺動面との半径方向の隙間を狭くなり漏水量は減少し安定した密封性能が得られる。さらに、シール材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状としているので、ポンプ主軸が回転するとスリーブ摺動面に動圧効果が発生し、シール材の摺動面とスリーブ摺動面とは非接触状態に近くなり、安定した摺動特性が期待できる。
【0048】
また、揚水時において、シール材の摺動面とスリーブ摺動面とで構成される隙間に異物が浸入しても、シール材が分割構造であるためシール材が半径方向に移動し容易に排出され、シール材は損傷を受けない。
【0049】
さらに、シール材の摺動面とスリーブ摺動面とで構成される隙間を周方向に一様ではなく、上下部を接触に近い状態にし水平方向(合わせ目部)よりも狭くしている。このため、水平方向(合わせ目部)からの漏水量がその他の部分より多くなるので異物も同時に排出され摺動面への噛み込みが少なり、シール材の異物噛み込みによる損傷を防止できる。またこれに加え、外部からの給水をしなくても長時間(通常30分以上)の気中運転が繰り返し行えるポンプが得られるのである。
【0050】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、漏水量が少なく、かつシール材の潤滑水をポンプの外部から給水することなく、例えば30分以上の繰り返し気中運転を安定して行うことができる軸封装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸封装置の一実施例を示す縦断側面図である。
【図2】2分割シール材の周方向の配置状況を示す説明図である。
【図3】本発明の軸封装置と従来技術の軸封装置との摩擦係数を各々に測定した結果を示す説明図である。
【図4】本発明の軸封装置と従来技術の軸封装置とのシール材の温度上昇を各々に測定した結果を示す説明図である。
【図5】本発明による軸封装置の第2の実施例を示す縦断側面図である。
【図6】本発明による軸封装置の第3の実施例を示す縦断側面図である。
【図7】本発明による軸封装置の第4の実施例を示す縦断側面図である。
【図8】3分割シール材の周方向の配置状況を示す説明図である。
【図9】本発明による軸封装置を適用した立軸排水ポンプを示す縦断面図である。
【図10】本発明による軸封装置を適用した横軸排水ポンプを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…ポンプ主軸、2…スリーブ、3…軸封装置、4…シール材、5…ガータスプリング、6…シールケース、7a,7c…周方向溝、7b,7d…放射溝、8…カバー、9…回り止めピン、10…シールケーシング、11…溝、12…シール材合わせ目部、2a…空孔部、2b…四ふっ化エチレン樹脂、2c…金属リング、2d…超硬合金部、12a…超硬合金溶射皮膜、14,14a,14b…ケーシング貫通部、15…ポンプケーシング、13…ランナ、16…カップリング、17…ころがり軸受。

Claims (13)

  1. 軸表面にスリーブが固定された回転主軸と、前記スリーブの外周部に径方向に所定の間隙をもって配置されたシールケースと、このシールケースと前記スリーブとの間に配置されるとともに、周方向に複数個に分割されたセグメントシール部材とを備え、前記セグメントシール部材の内周側が前記回転主軸のスリーブと摺動し軸封を行うように形成されている軸封装置において、
    前記スリーブの少なくともその表面を、四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の部材で形成するとともに、前記セグメントシール部材をセラミックス材にて形成するようにしたことを特徴とする軸封装置。
  2. 軸表面にスリーブが固定された回転主軸と、前記スリーブの外周部に径方向に所定の間隙をもって配置されたシールケースと、このシールケースと前記スリーブとの間に配置されるとともに、周方向に複数個に分割されたセグメントシール部材とを備え、前記セグメントシール部材の内周側が前記回転主軸のスリーブと摺動し軸封を行うように形成されている軸封装置において、
    前記スリーブの少なくともその表面を、四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の部材で形成し、かつ前記セグメントシール部材をセラミックス材にて形成するとともに、このセグメントシール部材の摺動面を前記スリーブの摺動面に対して偏芯の円弧形状としたことを特徴とする軸封装置。
  3. 軸表面にスリーブが固定された回転主軸と、前記スリーブの外周部に径方向に所定の間隙をもって配置されたシールケースと、このシールケースと前記スリーブとの間に配置されるとともに、周方向に複数個に分割されたセグメントシール部材とを備え、前記セグメントシール部材の内周側が前記回転主軸のスリーブと摺動し軸封を行うように形成されている軸封装置において、
    前記スリーブの少なくともその表面を、四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の部材で形成し、かつ前記セグメントシール部材をセラミックス材にて形成するとともに、このセグメントシール部材の内径形状を楕円形状としたことを特徴とする軸封装置。
  4. 軸表面にスリーブが固定された回転主軸と、前記スリーブの外周部に径方向に所定の間隙をもって配置されたシールケースと、このシールケースと前記スリーブとの間に配置されるとともに、周方向に複数個に分割されたセグメントシール部材とを備え、前記セグメントシール部材の内周側が前記回転主軸のスリーブと摺動し軸封を行うように形成されている軸封装置において、
    前記スリーブの少なくともその表面を、四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の部材で形成するとともに、前記セグメントシール部材をセラミックス材にて形成し、かつこのセグメントシール部材の内径形状を楕円形状に形成するとともに、このセグメントシール部材の対向内周面が、前記スリーブ摺動面に接触するように形成したことを特徴とする軸封装置。
  5. 回転主軸にスリーブが固定され、このスリーブの外周位置に配置されるシールケースと、このシールケースおよび前記スリーブ間に周方向に沿って複数のセグメントシール部材を配置したセグメント型の軸封装置において、
    前記スリーブを金属リングの外周面に四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金部を設けた筒状部材とし、セグメントシール部材をセラミックスとし、かつこのセグメントシール部材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状に形成するとともに、このセグメントシール部材の摺動面を前記回転主軸の停止時に前記スリーブ摺動面に接触するように形成したことを特徴とする軸封装置。
  6. 回転主軸にスリーブが固定され、このスリーブの外周位置に配置されるシールケースと、このシールケースおよび前記スリーブ間に周方向に沿って複数のセグメントシール部材を配置したセグメント型の軸封装置において、
    前記スリーブを四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の筒状部材とし、セグメントシール部材をセラミックスとし、このセグメントシール部材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状とし、かつこのセグメントシール部材の摺動面を回転主軸の停止時、スリーブ摺動面に接触させ、さらに、セグメントシール部材の両端面またはこれと対向するシールケースの面のいずれか一方に摩擦低減手段を設けたことを特徴とする軸封装置。
  7. 回転主軸にスリーブが固定され、このスリーブの外周位置に配置されるシールケースと、このシールケースおよび前記スリーブ間に周方向に沿って複数のセグメントシール部材を配置したセグメント型の軸封装置において、
    前記スリーブを金属リングの外周面に四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金部を設けた筒状部材とし、セグメントシール部材をセラミックスとし、該セグメントシール部材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状とし、かつこのセグメントシール部材の摺動面を回転主軸の停止時、前記スリーブ摺動面に接触させ、さらに、セグメントシール部材の両端面またはこれと対向するシールケースの面のいずれか一方に摩擦低減手段を設けたことを特徴とする軸封装置。
  8. 回転主軸にスリーブが固定され、このスリーブの外周位置に配置されるシールケースと、このシールケースおよび前記スリーブ間に周方向に沿って複数のセグメントシール部材を配置したセグメント型の軸封装置において、
    前記スリーブを四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の筒状部材とし、セグメントシール部材をセラミックスとし、かつこのセグメントシール部材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状とし、さらに、セグメントシール部材の両端面またはこれと対向するシールケースの面のいずれか一方に摩擦低減手段を設けたことを特徴とする軸封装置。
  9. 回転主軸にスリーブが固定され、このスリーブの外周位置に配置されるシールケースと、このシールケースおよび前記スリーブ間に周方向に沿って複数のセグメントシール部材を配置したセグメント型の軸封装置において、
    前記スリーブを金属リングの外周面に四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金部を設けた筒状部材とし、セグメントシール部材をセラミックスとし、かつこのセグメントシール部材の摺動面をスリーブ摺動面に対し偏芯の円弧形状とし、さらに、セグメントシール部材の両端面またはこれと対向するシールケースの面のいずれか一方に摩擦低減手段を設けたことを特徴とする軸封装置。
  10. 前記セラミックスが、炭化珪素または四ふっ化エチレン樹脂を含浸した炭化珪素である請求項1から9いずれかの項に記載の軸封装置。
  11. 前記セグメントシール部材の両端面またはこれと対向するシールケースの面のいずれか一方に設けられた摩擦低減手段が、周方向溝およびこの周方向溝と連通する放射溝により構成されてなる請求項6から10いずれかの項に記載の軸封装置。
  12. 前記セグメントシール部材の両端面またはこれと対向するシールケースの面のいずれか一方に設けられた摩擦低減手段が、セグメントシール部材の両端面と対向するシールケースの面に設けた四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金の被膜である請求項6から11いずれかの項に記載の軸封装置。
  13. ポンプ軸表面にスリーブが固定された回転主軸と、前記スリーブの外周部に径方向に所定の間隙をもって配置されたシールケースと、このシールケースと前記スリーブとの間には位置されるとともに、周方向に複数個に分割されたセグメントシール部材とを備え、前記セグメントシール部材の内周側が前記回転主軸のスリーブと摺動しポンプ内外の軸封を行うように形成されている軸封装置を備えた排水ポンプにおいて、
    前記スリーブの少なくともその表面を、四ふっ化エチレン樹脂を含浸した超硬合金製の筒状部材で形成し、かつ前記セグメントシール部材をセラミックス材にて形成するとともに、このセグメントシール部材の摺動面を前記スリーブの摺動面に対して偏芯の円弧形状としたことを特徴とする軸封装置を備えた排水ポンプ。
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