JP3636692B2 - ピークホールド回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はピークホールド回路に関し、特に入力信号電圧のピーク値を検出保持するピークホールド回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のピークホールド回路の構成は、大別して特開平5−189991号公報や特昭61−278979号公報等に記載されたダイオードを用いたものと、特開平4−305166号公報や特開平6−167521号公報等に記載された電圧比較器とスイッチを用いたものとの2種類に分けられる。
【0003】
本発明は、後者に属するので、以下の説明では、電圧比較器とスイッチを用いたピークホールド回路についてのみ取り上げる。
【0004】
従来のこの種のピークホールド回路をブロックで示す図13を参照すると、この従来のピークホールド回路は、非反転入力端に入力端子TIを経由して供給される入力信号Iを反転入力端に後述の電圧保持用の容量C23の保持電圧Pをそれぞれ入力しこれら入力信号Iの電圧(以下、入力電圧I)と保持電圧Pとの大小を検出し比較検出信号Dを出力する電圧比較器101と、入力信号Iのピーク値を保持電圧Pとして保持するピーク値保持回路102と、保持電圧Pをバッファ増幅し出力ピーク値POを出力するバッファ回路107とを備える。
【0005】
ピーク値保持回路102は、電圧比較器101の出力である比較検出信号Dにより制御され入力信号Iの導通(オン)・遮断(オフ)を行う充電制御用のスイッチS26と、スイッチS26のオンの時入力信号Iを充電しオフのとき充電電圧を保持電圧Pとして保持する電圧保持用の容量C23と、容量C23の電荷を放電する抵抗R21とを備える。
【0006】
次に、図13を参照して、従来のピークホールド回路の動作について説明すると、この従来のピークホールド回路の概略動作は、電圧比較器101が入力信号Iが容量C23の保持電圧Pを超えたことを検出して比較検出信号Dを出力し、この比較検出信号Dを用いて入力信号が保持電圧P以上となる期間だけスイッチS26を導通状態とするものである。
【0007】
以下、説明の便宜上、入力信号Iが正弦波で、この正弦波の周期(サイクル)よりも長時間でレベルが変動するものとし、予め定めたサンプル期間、例えば正弦波の12サイクルの期間でこの入力信号の正側の最大電圧値をピーク値(正側のピーク値)として検出するものとする。
【0008】
まず、電圧比較器101は、入力信号Iの最初のサイクルで、入力電圧Iが保持電圧Pより大きい、すなわち、I>Pのとき比較検出信号DとしてHレベルを出力し、逆に、入力電圧Iが保持電圧Pより小さい、すなわち、I<Pのとき比較検出信号DとしてLレベルを出力して、スイッチS26の制御端子に供給する。スイッチS26は、供給を受けた比較検出信号DのHレベルの応答して導通し、Lレベルに応答して遮断する。
【0009】
スイッチS26の導通時に、入力電圧IはこのスイッチS26を経由して容量C23を充電する。一方、スイッチS26の遮断時には、入力端子TIと容量C23との接続が遮断され入力電圧Iの供給が停止するので、容量C23はこのサイクルの入力電圧Iの最高値を保持電圧Pとして保持する。
【0010】
以上の動作を入力信号Iの各サイクル毎に繰り返すことにより、ピーク値保持回路102の容量C23は、入力電圧Iの最も高い電位、すなわち、ピーク値を保持電圧Pとして保持し、この保持電圧Pをバッファ回路107に供給する。バッファ回路107は、保持電圧Pをバッファ増幅し、出力端子TOから出力ピーク値POを出力する。
【0011】
以上の動作は、入力電圧Iの正側のピーク値を保持する動作であるが、電圧比較器101の非反転及び反転各入力端子への入力接続を逆に、すなわち、反転入力端に入力電圧Iを非反転入力端に電圧保持信号Pをそれぞれ入力することにより、入力電圧Iの負側のピーク値を保持する動作を行うことができる。
【0012】
しかしながら、従来のピークホールド回路の動作をタイムチャートで示す図14を参照すると、従来のピークホールド回路は、理想動作をした場合は、図14(A)に示すように、入力電圧Iのピーク値を検出できるが、実際には以下に説明する2つの要因により理想的なピークホールド特性の実現が困難である。
【0013】
第1の要因は、電圧比較器101には、高い周波数での良好な動作特性(以下、高周波動作特性)と高利得を要求されるが、この2つの両立は一般的に困難であることである。すなわち、入力信号の周波数が高い場合、及びピーク保持動作の終了点付近では、図14(A)に示すように、比較電圧DのHレベル時間すなわちスイッチS26の導通すべき時間は限りなく0に近付くと共に、入力信号Iと保持電圧Pの差電圧も小さくなって行くが、この様な状況下においても、電圧比較器101は入力電圧Iと保持電圧Pの大小関係を瞬時の遅滞もなく確実に比較検出信号Dとして出力してスイッチS26をオン・オフしなければならないため、良好な高周波動作特性と高利得が要求される。
【0014】
電圧比較器101に応答遅れがある場合は、スイッチS26の導通(オン)を遅らせ、この遅れは容量C23の充電時間を短縮し、保持電圧Pが上昇せず最悪の場合には電圧比較器101が応答しないことも想定される。
【0015】
逆にスイッチS26の遮断(オフ)時の遅れは、入力電圧Iのピークを通り過ぎた所で保持動作が行われ、結果としていずれもピーク値より低い電圧が保持されることになるため、オン時、オフ時の双方とも応答遅れは許されない。
【0016】
電圧比較器101に応答遅れがある場合の動作をタイムチャートで示す図14(B)を参照すると、電圧比較器101の遅延により、スイッチS26の切断タイミングが遅れピーク値をすぎても容量C23がまだ入力端子と接続しているため、ピークから下がったレベルで電圧を保持している。
【0017】
第2の要因は、信号源インピーダンスと充電制御用のスイッチS26の導通抵抗、及び電圧保持用の容量C23で決まるピークホールド時定数をスイッチS26のオン期間より充分短く設定する必要があるが、高周波の動作でこの条件を満たすことが困難であることである。
【0018】
上記と同様に、比較検出信号DのHレベルの幅、すなわち、スイッチS26の導通時間が限りなく0に近づいた場合でも容量C23を確実に充電完了しなければならず、このためにはピークホールド時定数をスイッチS26のオン期間より充分短く設定する必要がある。
【0019】
ピークホールド時定数が、スイッチS26の導通期間より長い場合の動作をタイムチャートで示す図14(C)を参照すると、ピークホールド時定数が入力信号Iの周波数対応の角速度より大きく入力信号波形よりも遅れて容量C26に充電を開始している。このため、信号電圧Iのピークに達した時もまだ充電が完了しておらず、それにもかかわらずスイッチS26が遮断するため、信号電圧Iのピーク値を保持できないという現象が起きている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のピークホールド回路は、電圧比較器には、良好な高周波数動作特性と高利得を要求されるが、この2つの両立は一般的に困難であることと、信号源インピーダンスと充電制御用のスイッチの導通抵抗及び電圧保持用の容量で決まるピークホールド時定数を上記スイッチのオン期間より充分短く設定する必要があるが、高周波の動作でこの条件を満たすことが困難であることとにより、入力信号が高周波の場合理想的なピークホールド特性の実現が困難であるという欠点があった。
【0021】
本発明の目的は、上記欠点を解決し、入力信号が高周波の場合でも良好なピークホールド特性を実現したピークホールド回路を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のピークホールド回路は、入力信号の電圧である入力電圧の複数のサイクルから成る予め定めた期間における最大値又は最小値であるピーク値を検出して出力信号である出力ピーク値を出力するピークホールド回路において、
前記入力電圧と前記出力ピーク値との大小関係を比較し比較検出信号を出力する電圧比較器と、
電圧保持用の第1及び第2の容量と、これら第1及び第2の容量の各々と入力端子及び出力端子の各々との接続を相補的に切替える第1及び第2のスイッチとを備え、前記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持し前記出力ピーク値を出力するピーク値保持回路と、
前記入力電圧の各サイクルのピーク点を検出してピーク点検出信号を出力するピーク点検出回路と、
前記比較検出信号と前記ピーク点検出信号とのレベル遷移情報に応じて前記第1及び第2の容量の一方を前記入力電圧が入力する入力端子に他方を前記出力ピーク値を出力する出力端子に接続するように前記第1及び第2のスイッチを相補的に切り替えるスイッチ制御信号を出力するスイッチ制御回路とを備えて構成されている。
【0023】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記電圧比較器が、非反転入力端に前記入力端子を経由して供給される前記入力電圧を反転入力端に前記出力ピーク値をそれぞれ入力し前記入力電圧と前記出力ピーク値との大小関係を検出し前記比較検出信号を出力するコンパレータ回路を備えて構成されている。
【0024】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記ピーク点検出回路が、前記入力電圧を微分し微分電圧を出力する微分回路と、
非反転入力端に基準電圧を反転入力端に前記微分電圧をそれぞれ入力し前記微分電圧の極性反転を検出して前記ピーク点検出信号を出力する電圧比較器とを備えて構成されている。
【0025】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記ピーク点検出回路が、前記入力電圧を一定周波数のクロックでチョッピングして1クロック分前のピーク点検出信号である遅延検出信号と比較して前記ピーク点検出信号を出力するチョッパコンパレータと、
前記ピーク点検出信号を1クロック分遅延して前記遅延検出信号を出力するD型のフリップフロップとを備えて構成されている。
【0026】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記スイッチ制御回路が、クロック端に前記ピーク点検出信号を入力し入力端に前記比較検出信号を入力し第1及び第2の出力端から相補の制御信号を出力し前記ピーク値保持回路に供給するフリップフロップとを備えて構成されている。
【0027】
また、請求項6記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記第1及び第2のスイッチの各々が、それぞれPチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタの並列接続から成り相補に動作する第1及び第2のトランスファゲートと、制御信号を反転して反転制御信号を出力するインバータとを備え、
前記第1のトランスファゲートが、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としゲートに前記制御信号の供給を受けるNチャネル型の第1のトランジスタとゲートに前記反転制御信号の供給を受けるPチャネル型の第2のトランジスタとを有し、
前記第2のトランスファゲートが、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としゲートに前記反転制御信号の供給を受けるNチャネル型の第3のトランジスタとゲートに前記制御信号の供給を受けるPチャネル型の第4のトランジスタとを有して構成されている。
【0028】
また、請求項7記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、リセット信号の供給に応答して前記第1及び第2の容量に保持していた前記ピーク値を初期状態にリセットするリセット回路を備えて構成されている。
【0029】
また、請求項8記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記ピーク点検出回路の出力端と前記スイッチ制御回路の前記ピーク点検出信号の入力端との間に挿入され選択信号の供給に応答して保持ピーク値の最大値と最小値のいずれか一方を選択して保持する保持ピーク値選択回路を備えて構成されている。
【0030】
また、請求項9記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記入力端子と前記ピーク値保持回路の入力端との間に挿入され前記入力電圧を所定時間遅延するようバッファリングするバッファ回路を備えて構成されている。
【0031】
また、請求項10記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記電圧比較器の出力端及び前記ピーク点検出回路の出力端の各々と前記スイッチ制御回路の入力端の各々との間に予め定めた基準電圧より低い点で前記入力電圧の前記ピーク点を検出した場合前記スイッチ制御回路の動作を禁止する誤動作防止回路を備え、
前記誤動作防止回路が、前記入力電圧と前記基準電圧とを比較し低レベル検出信号を出力するレベル比較器と、
前記比較検出信号と前記低レベル検出信号との論理演算結果を前記スイッチ制御回路の入力端に供給する論理回路とを備えて構成されている。
【0032】
また、請求項11記載の発明は、請求項5記載のピークホールド回路において、前記フリップフロップが、第1及び第2の入力端を有するJKフリップフロップであることを特徴とするものである。
【0033】
また、請求項12記載の発明は、請求項5記載のピークホールド回路において、前記フリップフロップが、Tフリップフロップであることを特徴とするものである。
【0034】
また、請求項13記載の発明は、請求項7記載のピークホールド回路において、前記リセット回路が、初期電圧を出力する電圧源と、
各々の入力端が前記電圧源に各々の出力端が前記第1及び第2の容量の各々の一端にそれぞれ接続し制御端への前記リセット信号の供給に応答して導通する第1及び第2のリセットスイッチと、
前記リセット信号を反転し反転リセット信号を出力するインバータと、
入力電圧が入力する入力端子と前記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持するピーク値保持回路の入力端との間に挿入され制御端への前記反転リセット信号の供給に応答して導通する第3のリセットスイッチとを備えて構成されている。
【0035】
また、請求項14記載の発明は、請求項8記載のピークホールド回路において、前記保持ピーク値選択回路が、一方の入力端が第1の電源に他方の入力端が第2の電源にそれぞれ接続し制御端への前記選択信号の供給に応答して前記第1及び第2の電源のいずれか一方を出力端に接続するピーク値選択スイッチと、
一方の入力端が前記ピーク値選択スイッチの出力端に他方の入力端が前記ピーク点検出信回路の出力端に出力端が前記スイッチ制御回路の前記ピーク点検出信号の入力端にそれぞれ接続した第1の排他的論理和回路と、
一方の入力端が前記ピーク値選択スイッチの出力端に他方の入力端が電圧比較器の出力端に出力端が前記スイッチ制御回路の入力端にそれぞれ接続した第2の排他的論理和回路とを備えて構成されている。
【0036】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
本実施の形態のピークホールド回路は、入力信号の電圧である入力電圧の複数のサイクルから成る予め定めた期間における最大値又は最小値であるピーク値を検出して出力信号である出力ピーク値を出力するピークホールド回路において、上記入力電圧と上記出力ピーク値との大小関係を比較し比較検出信号を出力する電圧比較器と、電圧保持用の第1及び第2の容量と、これら第1及び第2の容量の各々と入力端子及び出力端子の各々との接続を相補的に切替える第1及び第2のスイッチとを備え、上記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持し上記出力ピーク値を出力するピーク値保持回路と、上記入力電圧の各サイクルのピーク点を検出してピーク点検出信号を出力するピーク点検出回路と、上記比較検出信号と上記ピーク点検出信号とのレベル遷移情報に応じて上記第1及び第2の容量の一方を上記入力電圧が入力する入力端子に他方を上記出力ピーク値を出力する出力端子に接続するように上記第1及び第2のスイッチを相補的に切り替えるスイッチ制御信号を出力するスイッチ制御回路とを備えることを特徴とする。
【0038】
次に、本発明の実施の形態をブロックで示す図1を参照すると、この図に示す本実施の形態のピークホールド回路は、非反転入力端に入力端子TIを経由して供給される入力信号の電圧(以下、入力電圧)Iを反転入力端に出力ピーク値)POをそれぞれ入力し入力信号Iと出力信号の電圧(以下出力ピーク値)POとの大小関係を検出し比較検出信号Dを出力するコンパレータ回路から成る電圧比較器1と、入力信号Iのピーク値を保持電圧Pとして保持し対応する出力ピーク値POを出力するピーク値保持回路2と、入力電圧Iの各サイクルのピーク点を検出してピーク点検出信号PDを出力するピーク点検出回路3と、クロック端にピーク点検出信号PDの供給をJ及びK各入力端に比較検出信号Dの各々の供給をそれぞれ受け出力端B及びQBの各々から相補の制御信号C,BCを出力しピーク値保持回路2に供給するJK型のフリップフロップ4と、保持電圧Pをバッファ増幅し出力ピーク値POを出力するバッファ回路7とを備える。
【0039】
ピーク値保持回路2は、一端が後述の節点N21,N22の各々に他端が接地にそれぞれ接続された電圧保持用の容量21,22と、入力端が入力端子TIに一方の出力端が節点N21に他方の出力端が節点N22に制御端がフリップフロップ4の出力端QBにそれぞれ接続されたスイッチS21と、一方の入力端が節点N21に他方の入力端が節点N22に制御端がフリップフロップ4の出力端Bにそれぞれ接続されたスイッチS22とを備える。
【0040】
これらスイッチS21,S22は、フリップフロップ4からの相補の制御信号BC,Cの供給に応答して容量21,22の一方の一端を入力端子TIに他方の一端を出力端子TOに接続するように相補的に切替える。
【0041】
ピーク点検出回路3は、入力電圧Iを微分し微分電圧dIを出力する微分回路31と、非反転入力端に基準電圧VRを反転入力端に微分電圧dIをそれぞれ入力し微分電圧dIの極性反転を検出してピーク点検出信号を出力する電圧比較器31と、基準電圧VRを出力する電圧源V31とを備える。
【0042】
次に、図1及び各部波形をタイムチャートで示す図2を参照して本実施の形態の動作について説明すると、まず、説明の便宜上、従来と同様に、入力信号Iが正弦波で、この正弦波の周期(サイクル)よりも長時間でレベルが変動するものとし、予め定めたサンプル期間、例えば正弦波の12サイクルの期間でこの入力信号の正側の最大電圧値をピーク値(正側のピーク値)として検出するものとする。
【0043】
また、初期状態として、図示のように、スイッチS21が入力端子TIを節点N22を経由して容量C22に接続し、スイッチS22が出力端子TOを節点N21を経由して容量C21に接続しているものとする。
【0044】
この状態で、入力端子TIに入力信号(以下、入力電圧)Iの任意のサイクルが入力されると、この入力電圧Iは、スイッチS21、節点N22を経由して容量C22に充電され、容量C21の保持電圧P1は、節点N21、スイッチS22を経由して出力端子TOに出力ピーク値POとして出力される。
【0045】
同時に、入力電圧Iはピーク点検出回路3に入力される。ピーク点検出回路3は、以下に説明するようにこのサイクルの正弦波形入力電圧Iにおける上昇傾向が下降傾向に移行する点、すなわち、ピーク点を検出し、ピーク点検出信号PDを出力してフリップフロップ4のクロック端に供給する。
【0046】
まず、微分回路31は、入力電圧Iを微分し微分電圧dIを出力する。電圧比較器31は、微分電圧dIと基準電圧VRとを比較し微分電圧dIがプラス、すなわち入力電圧Iが上昇傾向の場合はピーク点検出信号PDとしてLレベルを出力する。入力電圧Iがピーク点に到達し微分電圧dIが0からマイナス、すなわち入力電圧Iが下降傾向に変化したとき、電圧比較器31は、ピーク点検出信号PDとしてHレベルを出力する。
【0047】
電圧比較器1は、入力電圧Iが出力端子TOの出力ピーク値PO、すなわち、容量C21の保持電圧P1より大きい(I>P1)とき比較検出信号DとしてHレベルを出力し、逆に、入力電圧Iが保持電圧Pより小さい(I<P1)とき比較信号DとしてLレベルを出力して、フリップフロップ4の入力端J及びKに供給する。フリップフロップ4は、入力端J,KがHレベルの期間中にピーク点検出信号PDがHレベルとなったとき、遷移動作を行って出力端B,QBの各々のレベルが反転し、スイッチS21の出力端及びスイッチS22の入力端を切り替える。すなわち、スイッチS21は、節点N21を経由して容量C21を入力端子に接続するように、スイッチS22は、節点N22を経由して容量C22を出力端子に接続よう切り替える。この結果、容量C21は入力電圧Iの充電を開始し、容量C22は保持電圧P2を保持電圧Pとして保持し、この保持電圧Pをバッファ回路7に供給する。バッファ回路7は、保持電圧Pをバッファ増幅し、出力端子TOから出力ピーク値POを出力する。
【0048】
この時、容量C22の保持電圧P2はその時点の入力電圧Iであり、この入力電圧I対応の保持電圧P2を保持電圧P、すなわち、出力ピーク値POとして出力する。一方、それまでの最高電圧を保持電圧P1として保持していた容量C21には、さらに入力電圧Iが供給され、入力電圧Iが保持電圧より高い場合は充電を行う。
【0049】
以上の動作を入力信号Iの各サイクル毎に繰り返すことにより、ピーク値保持回路2の容量C21,C22は、入力電圧Iの最も高い電位、すなわち、ピーク値を保持電圧P1及びP2として保持し、この保持電圧P1,P2を保持電圧Pとして出力端子TOから対応する出力ピーク値POを出力する。
【0050】
このように、スイッチS21,S22が切り替わった時点の入力電圧値がピーク値として出力されるので、入力電圧Iの周波数が高い場合でも確実にピーク値保持回路2の容量C21,C22はピーク値を保持することができ、容量C21,C22の充電時間に起因する不十分なピーク値保持を防止できる。また、ピーク点検出回路3を備えることにより、入力電圧Iのピーク点を検出した瞬間にスイッチS21,S22の切替が終了してるので、ピーク値超過時点の値の保持を防止できる。
【0051】
スイッチS21,S22の構成の一例を示す図3(A)を参照すると、この図は代表としてスイッチS22の構成を示し、それぞれPチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタの並列接続から成り、相補に動作するトランスファゲートTG21,TG22と、制御信号Cを反転して反転制御信号BCを出力するインバータIV21とを備える。
【0052】
トランスファゲートTG21は、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としたNチャネル型のトランジスタN21とPチャネル型のトランジスタP21とから成り、トランジスタN21のゲートに制御信号Cの供給をトランジスタP21のゲートに反転制御信号BCの供給をそれぞれ受ける。
【0053】
トランスファゲートTG22は、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としたNチャネル型のトランジスタN22とPチャネル型のトランジスタP22とから成り、トランジスタP22のゲートに制御信号Cの供給をトランジスタN22のゲートに反転制御信号BCの供給をそれぞれ受ける。
【0054】
図3(B)にスイッチS22の等価回路を示す。すなわち、トランスファゲートTG21の共通接続ソースが一方の入力端に、トランスファゲートTG22の共通接続ソースが他方の入力端に、トランスファゲートTG21,TG22の各々の共通接続ドレインをさらに共通接続したものが出力端に、制御信号Cの入力端子が制御端Cにそれぞれ相当する。
【0055】
スイッチS21はトランスファゲートTG21,TG22の各々の入力端を共通接続し、各々の出力端をそれぞれ一方の出力端及び他方の出力端とする以外はスイッチS22と同様である。
【0056】
なお、以上の説明では、便宜上ソースをトランスファゲートの入力端として説明したが、ドレイン側を入力端としても良いことは、公知である。
【0057】
以上の動作は、入力電圧Iの正側のピーク値を保持する動作であるが、電圧比較器1の非反転及び反転各入力端子への入力接続を逆に、すなわち、反転入力端に入力電圧Iを非反転入力端に電圧保持信号Pをそれぞれ入力すること、及びピーク点検出回路3の検出特性を逆、すなわち、正弦波形入力電圧Iにおける下降傾向が上昇傾向に移行する点をピーク点として検出することとにより、入力電圧Iの負側のピーク値を保持する動作を行うことができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図4を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、リセット信号Rの供給に応答して電圧保持用の容量C21,C22に保持していたピーク値を初期状態にリセットするリセット回路5を備えることである。
【0059】
リセット回路5は、初期電圧VAを出力する電圧源V51と、各々の入力端が電圧源V51に各々の出力端がピーク値保持回路の容量C21,C22の各々の一端、すなわち、節点N21,N21の各々にそれぞれ接続し制御端へのリセット信号Rの供給に応答して導通(オン)するスイッチS51,S52と、入力端がリセット端子TRに接続されリセット信号Rを反転し反転リセット信号BRを出力するインバータIV51と、入力端子TIとスイッチS21の入力端(ピーク値保持回路2の入力端)との間に挿入され制御端への反転リセット信号BRの供給に応答して導通するスイッチS53とを備える。
【0060】
スイッチS51,S52,S53の構成の一例を示す図3(C)を参照すると、この図は代表としてスイッチS51の構成を示し、Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタの並列接続から成るトランスファゲートTG51と、制御信号Cを反転して反転制御信号BCを出力するインバータIV52とを備える。
【0061】
図3(D)にスイッチS51の等価回路を示す。すなわち、トランスファゲートTG51の共通接続ソースが入力端に、トランスファゲートTG51の共通接続ドレインが出力端に、制御信号Cの入力端子が制御端Cにそれぞれ相当する。
【0062】
図4及び各部波形をタイムチャートで示す図5を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、リセット信号RがLレベルのときは通常通りピークホールド動作を行う。リセット信号RがHレベルとなった時、ピークホールド動作を停止し出力Oがリセットされ初期状態となる。
【0063】
これにより、リセット信号の供給に応答して瞬時にホールド(保持)電圧の放電を終え、次回のピークホールド動作へ移行できる。
【0064】
次に、本発明の第3の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図6を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、ピーク点検出回路3の出力端とフリップフロップ4のクロック端との間に挿入され選択信号Sの供給に応答して保持ピーク値の最大値と最小値のいずれか一方を選択して保持する保持ピーク値選択回路6を備えることである。
【0065】
保持ピーク値選択回路6は、一方の入力端が電源VDDに他方の入力端が接地電位VSSにそれぞれ接続し制御端への選択信号Sの供給に応答して電源VDDと接地電位VSSのいずれか一方を出力端に接続するスイッチS61と、一方の入力端がスイッチS61の出力端に他方の入力端がピーク点検出信回路3の出力端に出力端がフリップフロップ4のクロック入力端にそれぞれ接続した排他的論理和(EXOR)回路E61と、一方の入力端がスイッチS61の出力端に他方の入力端が電圧比較器1の出力端に出力端がフリップフロップ4の入力端J,Kにそれぞれ接続したEXOR回路E62とを備える。
【0066】
図6及び各部波形をタイムチャートで示す図7を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、選択端子TSからの選択信号Sの供給に応答してスイッチS61が動作し、選択信号SがLレベルのときは接地電位VSSをEXOR回路E61,E62に供給して保持ピーク値の最大値を、Hレベルのときは電源電位VDDをEXOR回路E61,E62に供給して保持ピーク値の最小値をそれぞれ保持する。
【0067】
本実施の形態では、EXOR回路を用いて保持ピーク値選択回路を構成したが、インバータ回路、NAND回路等を用いても構成できることは明らかである。
【0068】
次に、本発明の第4の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図8を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、入力端子TIとピーク値保持回路2の入力端との間に挿入され入力電圧Iを所定時間遅延するようバッファリングするバッファ回路9を備えることである。
【0069】
図8及び各部波形をタイムチャートで示す図8を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、第1の実施の形態の構成では、ピーク点検出回路3の動作遅延によりピーク点検出信号PDの出力タイミングが実際のピーク点より遅れる。そのため、電圧保持用の容量C21,C22の切替がピーク点より遅れ、ピーク値を超えた時点で電位を保持するるため図9(A)に示すように、実際のピーク値の保持ができなくなってしまう。バッファ回路9の挿入により、容量C21,C22の入力電圧Iをピーク点検出信号PDの遅延時間分を補正することにより、図9(B)に示すように、より高精度にピーク値を保持できる。
【0070】
次に、本発明の第5の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図10を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、ピーク点検出回路3の代わりに、微分回路31と電圧比較器32の代わりに入力電圧Iを一定周波数のクロックφでチョッピングして1クロック分前のピーク点検出信号である遅延検出信号DPDと比較してピーク点検出信号PDを出力するチョッパコンパレータ33と、ピーク点検出信号PDを1クロック分遅延して遅延検出信号DPDを出力するD型のフリップフロップ34とを備えるピーク点検出回路3Aを備えることである。
【0071】
図10を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、ピーク点検出回路3Aのチョッパコンパレータ33は、入力電圧Iを常に1クロック分前のピーク点検出信号PDである遅延検出信号DPDと比較し、入力電圧Iが遅延検出信号DPDより大きい、すなわち、入力電圧が上昇傾向である場合はピーク点検出信号PDとしてLレベルを出力する。入力電圧Iがピーク点に到達し入力電圧Iが下降傾向に変化したとき、入力電圧Iは遅延検出信号DPDよりも小さくなるので、チョッパコンパレータ33は、ピーク点検出信号PDとしてHレベルを出力する。
【0072】
次に、本発明の第6の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図11を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、電圧比較器1の出力端及びピーク点検出回路3の出力端の各々とフリップフロップ4の入力端J及び入力端Kの各々との間に予め定めた基準電圧VFより低い点で入力電圧Iのピーク点を検出した場合フリップフロップ4の動作を禁止する誤動作防止回路8を備えることである。
【0073】
誤動作防止回路8は、入力電圧Iと基準電圧VFとを比較し低レベル検出信号LDを出力する電圧比較器81と、電圧比較器1からの比較検出信号Dと低レベル検出信号LDとの論理積(AND)結果をフリップフロップ4の入力J,Kの各々に供給するAND回路A81,A82と、基準電圧VFを出力する電圧源V81とを備える。
【0074】
図11及び入力電圧Iの波形例をタイムチャートで示す図12を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、ここでは、説明の便宜上正のピーク点を検出するもとする。まず、電圧比較器81は、入力電圧Iのピーク点が基準電圧VFより大きい場合(点a,c,e)は、低レベル検出信号LDとしてHレベルを出力しAND回路A81,A82の一方の入力端に供給する。AND回路A81,A82の各々は他方の入力端に比較検出信号Dが入力されており、比較検出信号DがHレベルの場合Hレベルを出力し、フリップフロップ4の入力J,Kの各々に供給するので、第1の実施の形態と同様に動作する。入力電圧Iが基準電圧VFより小さい場合(点g)は、低レベル検出信号LDとしてLレベルを出力し、従ってAND回路A81,A82は、比較検出信号DがHレベルの場合でもLレベルを出力するので、ピーク点検出信号PDがアクテイブ(Hレベル)となってもフリップフロップ4は動作しない。従ってピーク値保持回路2のスイッチS21,S22の切替動作は行われず、誤動作を防止できる。
【0075】
負のピーク点検出の場合は、上記と逆に基準電圧VFより大きい負ピーク点b,dの検出を防止するよう動作する。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のピークホールド回路は、入力電圧と上記出力ピーク値との大小関係を比較し比較検出信号を出力する電圧比較器と、電圧保持用の第1及び第2の容量と、これら第1及び第2の容量の各々と入力端子及び出力端子の各々との接続を相補的に切替える第1及び第2のスイッチとを備え上記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持し上記出力ピーク値を出力するピーク値保持回路と、上記入力電圧の各サイクルのピーク点を検出してピーク点検出信号を出力するピーク点検出回路と、上記比較検出信号と上記ピーク点検出信号とのレベル遷移情報に応じて上記第1及び第2の容量の一方を入力端子に他方を出力端子に接続するように上記第1及び第2のスイッチを相補的に切り替えるスイッチ制御信号を出力するスイッチ制御回路とを備えることにより、一方の容量がピーク値を出力する期間に他方の容量の保持電圧が入力電圧に追従しているため、スイッチが切り替わった時点の入力電圧値がピーク値として出力されるので、入力信号の周波数が高い場合でも容量の充電時間に起因する不十分なピーク値保持を防止できるという効果がある。
【0077】
また、ピーク点検出回路を備えることにより、入力信号のピーク点を検出した瞬間に容量切替スイッチの切替が終了してるので、ピーク値超過時点の値の保持を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピークホールド回路の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図3】図1及び図4のスイッチの構成の一例を示す回路図及び等価回路図である。
【図4】本発明のピークホールド回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図6】本発明のピークホールド回路の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図8】本発明のピークホールド回路の第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図9】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図10】本発明のピークホールド回路の第5の実施の形態を示すブロック図である。
【図11】本発明のピークホールド回路の第6の実施の形態を示すブロック図である。
【図12】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図13】従来のピークホールド回路の一例を示すブロック図である。
【図14】従来のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1,32,81,101 電圧比較器
2,102 ピーク値保持回路
3,3A ピーク点検出回路
4,34 フリップフロップ
5 リセット回路
6 保持ピーク値選択回路
7,9,107 バッファ回路
8 誤動作防止回路
31 微分回路
33 チョッパコンパレータ
A81,A82 AND回路
C21,C22,C23 容量
E61,E62 EXOR回路
IV21,IV51,IV52 インバータ
R21 抵抗
S21,S22,S26,S51,S52,S53,S61 スイッチ
TG21,TG22,TG51 トランスファゲート
N21,N22,P21,P22 トランジスタ
V31,V51,V81 電圧源
【発明の属する技術分野】
本発明はピークホールド回路に関し、特に入力信号電圧のピーク値を検出保持するピークホールド回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のピークホールド回路の構成は、大別して特開平5−189991号公報や特昭61−278979号公報等に記載されたダイオードを用いたものと、特開平4−305166号公報や特開平6−167521号公報等に記載された電圧比較器とスイッチを用いたものとの2種類に分けられる。
【0003】
本発明は、後者に属するので、以下の説明では、電圧比較器とスイッチを用いたピークホールド回路についてのみ取り上げる。
【0004】
従来のこの種のピークホールド回路をブロックで示す図13を参照すると、この従来のピークホールド回路は、非反転入力端に入力端子TIを経由して供給される入力信号Iを反転入力端に後述の電圧保持用の容量C23の保持電圧Pをそれぞれ入力しこれら入力信号Iの電圧(以下、入力電圧I)と保持電圧Pとの大小を検出し比較検出信号Dを出力する電圧比較器101と、入力信号Iのピーク値を保持電圧Pとして保持するピーク値保持回路102と、保持電圧Pをバッファ増幅し出力ピーク値POを出力するバッファ回路107とを備える。
【0005】
ピーク値保持回路102は、電圧比較器101の出力である比較検出信号Dにより制御され入力信号Iの導通(オン)・遮断(オフ)を行う充電制御用のスイッチS26と、スイッチS26のオンの時入力信号Iを充電しオフのとき充電電圧を保持電圧Pとして保持する電圧保持用の容量C23と、容量C23の電荷を放電する抵抗R21とを備える。
【0006】
次に、図13を参照して、従来のピークホールド回路の動作について説明すると、この従来のピークホールド回路の概略動作は、電圧比較器101が入力信号Iが容量C23の保持電圧Pを超えたことを検出して比較検出信号Dを出力し、この比較検出信号Dを用いて入力信号が保持電圧P以上となる期間だけスイッチS26を導通状態とするものである。
【0007】
以下、説明の便宜上、入力信号Iが正弦波で、この正弦波の周期(サイクル)よりも長時間でレベルが変動するものとし、予め定めたサンプル期間、例えば正弦波の12サイクルの期間でこの入力信号の正側の最大電圧値をピーク値(正側のピーク値)として検出するものとする。
【0008】
まず、電圧比較器101は、入力信号Iの最初のサイクルで、入力電圧Iが保持電圧Pより大きい、すなわち、I>Pのとき比較検出信号DとしてHレベルを出力し、逆に、入力電圧Iが保持電圧Pより小さい、すなわち、I<Pのとき比較検出信号DとしてLレベルを出力して、スイッチS26の制御端子に供給する。スイッチS26は、供給を受けた比較検出信号DのHレベルの応答して導通し、Lレベルに応答して遮断する。
【0009】
スイッチS26の導通時に、入力電圧IはこのスイッチS26を経由して容量C23を充電する。一方、スイッチS26の遮断時には、入力端子TIと容量C23との接続が遮断され入力電圧Iの供給が停止するので、容量C23はこのサイクルの入力電圧Iの最高値を保持電圧Pとして保持する。
【0010】
以上の動作を入力信号Iの各サイクル毎に繰り返すことにより、ピーク値保持回路102の容量C23は、入力電圧Iの最も高い電位、すなわち、ピーク値を保持電圧Pとして保持し、この保持電圧Pをバッファ回路107に供給する。バッファ回路107は、保持電圧Pをバッファ増幅し、出力端子TOから出力ピーク値POを出力する。
【0011】
以上の動作は、入力電圧Iの正側のピーク値を保持する動作であるが、電圧比較器101の非反転及び反転各入力端子への入力接続を逆に、すなわち、反転入力端に入力電圧Iを非反転入力端に電圧保持信号Pをそれぞれ入力することにより、入力電圧Iの負側のピーク値を保持する動作を行うことができる。
【0012】
しかしながら、従来のピークホールド回路の動作をタイムチャートで示す図14を参照すると、従来のピークホールド回路は、理想動作をした場合は、図14(A)に示すように、入力電圧Iのピーク値を検出できるが、実際には以下に説明する2つの要因により理想的なピークホールド特性の実現が困難である。
【0013】
第1の要因は、電圧比較器101には、高い周波数での良好な動作特性(以下、高周波動作特性)と高利得を要求されるが、この2つの両立は一般的に困難であることである。すなわち、入力信号の周波数が高い場合、及びピーク保持動作の終了点付近では、図14(A)に示すように、比較電圧DのHレベル時間すなわちスイッチS26の導通すべき時間は限りなく0に近付くと共に、入力信号Iと保持電圧Pの差電圧も小さくなって行くが、この様な状況下においても、電圧比較器101は入力電圧Iと保持電圧Pの大小関係を瞬時の遅滞もなく確実に比較検出信号Dとして出力してスイッチS26をオン・オフしなければならないため、良好な高周波動作特性と高利得が要求される。
【0014】
電圧比較器101に応答遅れがある場合は、スイッチS26の導通(オン)を遅らせ、この遅れは容量C23の充電時間を短縮し、保持電圧Pが上昇せず最悪の場合には電圧比較器101が応答しないことも想定される。
【0015】
逆にスイッチS26の遮断(オフ)時の遅れは、入力電圧Iのピークを通り過ぎた所で保持動作が行われ、結果としていずれもピーク値より低い電圧が保持されることになるため、オン時、オフ時の双方とも応答遅れは許されない。
【0016】
電圧比較器101に応答遅れがある場合の動作をタイムチャートで示す図14(B)を参照すると、電圧比較器101の遅延により、スイッチS26の切断タイミングが遅れピーク値をすぎても容量C23がまだ入力端子と接続しているため、ピークから下がったレベルで電圧を保持している。
【0017】
第2の要因は、信号源インピーダンスと充電制御用のスイッチS26の導通抵抗、及び電圧保持用の容量C23で決まるピークホールド時定数をスイッチS26のオン期間より充分短く設定する必要があるが、高周波の動作でこの条件を満たすことが困難であることである。
【0018】
上記と同様に、比較検出信号DのHレベルの幅、すなわち、スイッチS26の導通時間が限りなく0に近づいた場合でも容量C23を確実に充電完了しなければならず、このためにはピークホールド時定数をスイッチS26のオン期間より充分短く設定する必要がある。
【0019】
ピークホールド時定数が、スイッチS26の導通期間より長い場合の動作をタイムチャートで示す図14(C)を参照すると、ピークホールド時定数が入力信号Iの周波数対応の角速度より大きく入力信号波形よりも遅れて容量C26に充電を開始している。このため、信号電圧Iのピークに達した時もまだ充電が完了しておらず、それにもかかわらずスイッチS26が遮断するため、信号電圧Iのピーク値を保持できないという現象が起きている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のピークホールド回路は、電圧比較器には、良好な高周波数動作特性と高利得を要求されるが、この2つの両立は一般的に困難であることと、信号源インピーダンスと充電制御用のスイッチの導通抵抗及び電圧保持用の容量で決まるピークホールド時定数を上記スイッチのオン期間より充分短く設定する必要があるが、高周波の動作でこの条件を満たすことが困難であることとにより、入力信号が高周波の場合理想的なピークホールド特性の実現が困難であるという欠点があった。
【0021】
本発明の目的は、上記欠点を解決し、入力信号が高周波の場合でも良好なピークホールド特性を実現したピークホールド回路を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のピークホールド回路は、入力信号の電圧である入力電圧の複数のサイクルから成る予め定めた期間における最大値又は最小値であるピーク値を検出して出力信号である出力ピーク値を出力するピークホールド回路において、
前記入力電圧と前記出力ピーク値との大小関係を比較し比較検出信号を出力する電圧比較器と、
電圧保持用の第1及び第2の容量と、これら第1及び第2の容量の各々と入力端子及び出力端子の各々との接続を相補的に切替える第1及び第2のスイッチとを備え、前記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持し前記出力ピーク値を出力するピーク値保持回路と、
前記入力電圧の各サイクルのピーク点を検出してピーク点検出信号を出力するピーク点検出回路と、
前記比較検出信号と前記ピーク点検出信号とのレベル遷移情報に応じて前記第1及び第2の容量の一方を前記入力電圧が入力する入力端子に他方を前記出力ピーク値を出力する出力端子に接続するように前記第1及び第2のスイッチを相補的に切り替えるスイッチ制御信号を出力するスイッチ制御回路とを備えて構成されている。
【0023】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記電圧比較器が、非反転入力端に前記入力端子を経由して供給される前記入力電圧を反転入力端に前記出力ピーク値をそれぞれ入力し前記入力電圧と前記出力ピーク値との大小関係を検出し前記比較検出信号を出力するコンパレータ回路を備えて構成されている。
【0024】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記ピーク点検出回路が、前記入力電圧を微分し微分電圧を出力する微分回路と、
非反転入力端に基準電圧を反転入力端に前記微分電圧をそれぞれ入力し前記微分電圧の極性反転を検出して前記ピーク点検出信号を出力する電圧比較器とを備えて構成されている。
【0025】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記ピーク点検出回路が、前記入力電圧を一定周波数のクロックでチョッピングして1クロック分前のピーク点検出信号である遅延検出信号と比較して前記ピーク点検出信号を出力するチョッパコンパレータと、
前記ピーク点検出信号を1クロック分遅延して前記遅延検出信号を出力するD型のフリップフロップとを備えて構成されている。
【0026】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記スイッチ制御回路が、クロック端に前記ピーク点検出信号を入力し入力端に前記比較検出信号を入力し第1及び第2の出力端から相補の制御信号を出力し前記ピーク値保持回路に供給するフリップフロップとを備えて構成されている。
【0027】
また、請求項6記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記第1及び第2のスイッチの各々が、それぞれPチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタの並列接続から成り相補に動作する第1及び第2のトランスファゲートと、制御信号を反転して反転制御信号を出力するインバータとを備え、
前記第1のトランスファゲートが、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としゲートに前記制御信号の供給を受けるNチャネル型の第1のトランジスタとゲートに前記反転制御信号の供給を受けるPチャネル型の第2のトランジスタとを有し、
前記第2のトランスファゲートが、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としゲートに前記反転制御信号の供給を受けるNチャネル型の第3のトランジスタとゲートに前記制御信号の供給を受けるPチャネル型の第4のトランジスタとを有して構成されている。
【0028】
また、請求項7記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、リセット信号の供給に応答して前記第1及び第2の容量に保持していた前記ピーク値を初期状態にリセットするリセット回路を備えて構成されている。
【0029】
また、請求項8記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記ピーク点検出回路の出力端と前記スイッチ制御回路の前記ピーク点検出信号の入力端との間に挿入され選択信号の供給に応答して保持ピーク値の最大値と最小値のいずれか一方を選択して保持する保持ピーク値選択回路を備えて構成されている。
【0030】
また、請求項9記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記入力端子と前記ピーク値保持回路の入力端との間に挿入され前記入力電圧を所定時間遅延するようバッファリングするバッファ回路を備えて構成されている。
【0031】
また、請求項10記載の発明は、請求項1記載のピークホールド回路において、前記電圧比較器の出力端及び前記ピーク点検出回路の出力端の各々と前記スイッチ制御回路の入力端の各々との間に予め定めた基準電圧より低い点で前記入力電圧の前記ピーク点を検出した場合前記スイッチ制御回路の動作を禁止する誤動作防止回路を備え、
前記誤動作防止回路が、前記入力電圧と前記基準電圧とを比較し低レベル検出信号を出力するレベル比較器と、
前記比較検出信号と前記低レベル検出信号との論理演算結果を前記スイッチ制御回路の入力端に供給する論理回路とを備えて構成されている。
【0032】
また、請求項11記載の発明は、請求項5記載のピークホールド回路において、前記フリップフロップが、第1及び第2の入力端を有するJKフリップフロップであることを特徴とするものである。
【0033】
また、請求項12記載の発明は、請求項5記載のピークホールド回路において、前記フリップフロップが、Tフリップフロップであることを特徴とするものである。
【0034】
また、請求項13記載の発明は、請求項7記載のピークホールド回路において、前記リセット回路が、初期電圧を出力する電圧源と、
各々の入力端が前記電圧源に各々の出力端が前記第1及び第2の容量の各々の一端にそれぞれ接続し制御端への前記リセット信号の供給に応答して導通する第1及び第2のリセットスイッチと、
前記リセット信号を反転し反転リセット信号を出力するインバータと、
入力電圧が入力する入力端子と前記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持するピーク値保持回路の入力端との間に挿入され制御端への前記反転リセット信号の供給に応答して導通する第3のリセットスイッチとを備えて構成されている。
【0035】
また、請求項14記載の発明は、請求項8記載のピークホールド回路において、前記保持ピーク値選択回路が、一方の入力端が第1の電源に他方の入力端が第2の電源にそれぞれ接続し制御端への前記選択信号の供給に応答して前記第1及び第2の電源のいずれか一方を出力端に接続するピーク値選択スイッチと、
一方の入力端が前記ピーク値選択スイッチの出力端に他方の入力端が前記ピーク点検出信回路の出力端に出力端が前記スイッチ制御回路の前記ピーク点検出信号の入力端にそれぞれ接続した第1の排他的論理和回路と、
一方の入力端が前記ピーク値選択スイッチの出力端に他方の入力端が電圧比較器の出力端に出力端が前記スイッチ制御回路の入力端にそれぞれ接続した第2の排他的論理和回路とを備えて構成されている。
【0036】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
本実施の形態のピークホールド回路は、入力信号の電圧である入力電圧の複数のサイクルから成る予め定めた期間における最大値又は最小値であるピーク値を検出して出力信号である出力ピーク値を出力するピークホールド回路において、上記入力電圧と上記出力ピーク値との大小関係を比較し比較検出信号を出力する電圧比較器と、電圧保持用の第1及び第2の容量と、これら第1及び第2の容量の各々と入力端子及び出力端子の各々との接続を相補的に切替える第1及び第2のスイッチとを備え、上記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持し上記出力ピーク値を出力するピーク値保持回路と、上記入力電圧の各サイクルのピーク点を検出してピーク点検出信号を出力するピーク点検出回路と、上記比較検出信号と上記ピーク点検出信号とのレベル遷移情報に応じて上記第1及び第2の容量の一方を上記入力電圧が入力する入力端子に他方を上記出力ピーク値を出力する出力端子に接続するように上記第1及び第2のスイッチを相補的に切り替えるスイッチ制御信号を出力するスイッチ制御回路とを備えることを特徴とする。
【0038】
次に、本発明の実施の形態をブロックで示す図1を参照すると、この図に示す本実施の形態のピークホールド回路は、非反転入力端に入力端子TIを経由して供給される入力信号の電圧(以下、入力電圧)Iを反転入力端に出力ピーク値)POをそれぞれ入力し入力信号Iと出力信号の電圧(以下出力ピーク値)POとの大小関係を検出し比較検出信号Dを出力するコンパレータ回路から成る電圧比較器1と、入力信号Iのピーク値を保持電圧Pとして保持し対応する出力ピーク値POを出力するピーク値保持回路2と、入力電圧Iの各サイクルのピーク点を検出してピーク点検出信号PDを出力するピーク点検出回路3と、クロック端にピーク点検出信号PDの供給をJ及びK各入力端に比較検出信号Dの各々の供給をそれぞれ受け出力端B及びQBの各々から相補の制御信号C,BCを出力しピーク値保持回路2に供給するJK型のフリップフロップ4と、保持電圧Pをバッファ増幅し出力ピーク値POを出力するバッファ回路7とを備える。
【0039】
ピーク値保持回路2は、一端が後述の節点N21,N22の各々に他端が接地にそれぞれ接続された電圧保持用の容量21,22と、入力端が入力端子TIに一方の出力端が節点N21に他方の出力端が節点N22に制御端がフリップフロップ4の出力端QBにそれぞれ接続されたスイッチS21と、一方の入力端が節点N21に他方の入力端が節点N22に制御端がフリップフロップ4の出力端Bにそれぞれ接続されたスイッチS22とを備える。
【0040】
これらスイッチS21,S22は、フリップフロップ4からの相補の制御信号BC,Cの供給に応答して容量21,22の一方の一端を入力端子TIに他方の一端を出力端子TOに接続するように相補的に切替える。
【0041】
ピーク点検出回路3は、入力電圧Iを微分し微分電圧dIを出力する微分回路31と、非反転入力端に基準電圧VRを反転入力端に微分電圧dIをそれぞれ入力し微分電圧dIの極性反転を検出してピーク点検出信号を出力する電圧比較器31と、基準電圧VRを出力する電圧源V31とを備える。
【0042】
次に、図1及び各部波形をタイムチャートで示す図2を参照して本実施の形態の動作について説明すると、まず、説明の便宜上、従来と同様に、入力信号Iが正弦波で、この正弦波の周期(サイクル)よりも長時間でレベルが変動するものとし、予め定めたサンプル期間、例えば正弦波の12サイクルの期間でこの入力信号の正側の最大電圧値をピーク値(正側のピーク値)として検出するものとする。
【0043】
また、初期状態として、図示のように、スイッチS21が入力端子TIを節点N22を経由して容量C22に接続し、スイッチS22が出力端子TOを節点N21を経由して容量C21に接続しているものとする。
【0044】
この状態で、入力端子TIに入力信号(以下、入力電圧)Iの任意のサイクルが入力されると、この入力電圧Iは、スイッチS21、節点N22を経由して容量C22に充電され、容量C21の保持電圧P1は、節点N21、スイッチS22を経由して出力端子TOに出力ピーク値POとして出力される。
【0045】
同時に、入力電圧Iはピーク点検出回路3に入力される。ピーク点検出回路3は、以下に説明するようにこのサイクルの正弦波形入力電圧Iにおける上昇傾向が下降傾向に移行する点、すなわち、ピーク点を検出し、ピーク点検出信号PDを出力してフリップフロップ4のクロック端に供給する。
【0046】
まず、微分回路31は、入力電圧Iを微分し微分電圧dIを出力する。電圧比較器31は、微分電圧dIと基準電圧VRとを比較し微分電圧dIがプラス、すなわち入力電圧Iが上昇傾向の場合はピーク点検出信号PDとしてLレベルを出力する。入力電圧Iがピーク点に到達し微分電圧dIが0からマイナス、すなわち入力電圧Iが下降傾向に変化したとき、電圧比較器31は、ピーク点検出信号PDとしてHレベルを出力する。
【0047】
電圧比較器1は、入力電圧Iが出力端子TOの出力ピーク値PO、すなわち、容量C21の保持電圧P1より大きい(I>P1)とき比較検出信号DとしてHレベルを出力し、逆に、入力電圧Iが保持電圧Pより小さい(I<P1)とき比較信号DとしてLレベルを出力して、フリップフロップ4の入力端J及びKに供給する。フリップフロップ4は、入力端J,KがHレベルの期間中にピーク点検出信号PDがHレベルとなったとき、遷移動作を行って出力端B,QBの各々のレベルが反転し、スイッチS21の出力端及びスイッチS22の入力端を切り替える。すなわち、スイッチS21は、節点N21を経由して容量C21を入力端子に接続するように、スイッチS22は、節点N22を経由して容量C22を出力端子に接続よう切り替える。この結果、容量C21は入力電圧Iの充電を開始し、容量C22は保持電圧P2を保持電圧Pとして保持し、この保持電圧Pをバッファ回路7に供給する。バッファ回路7は、保持電圧Pをバッファ増幅し、出力端子TOから出力ピーク値POを出力する。
【0048】
この時、容量C22の保持電圧P2はその時点の入力電圧Iであり、この入力電圧I対応の保持電圧P2を保持電圧P、すなわち、出力ピーク値POとして出力する。一方、それまでの最高電圧を保持電圧P1として保持していた容量C21には、さらに入力電圧Iが供給され、入力電圧Iが保持電圧より高い場合は充電を行う。
【0049】
以上の動作を入力信号Iの各サイクル毎に繰り返すことにより、ピーク値保持回路2の容量C21,C22は、入力電圧Iの最も高い電位、すなわち、ピーク値を保持電圧P1及びP2として保持し、この保持電圧P1,P2を保持電圧Pとして出力端子TOから対応する出力ピーク値POを出力する。
【0050】
このように、スイッチS21,S22が切り替わった時点の入力電圧値がピーク値として出力されるので、入力電圧Iの周波数が高い場合でも確実にピーク値保持回路2の容量C21,C22はピーク値を保持することができ、容量C21,C22の充電時間に起因する不十分なピーク値保持を防止できる。また、ピーク点検出回路3を備えることにより、入力電圧Iのピーク点を検出した瞬間にスイッチS21,S22の切替が終了してるので、ピーク値超過時点の値の保持を防止できる。
【0051】
スイッチS21,S22の構成の一例を示す図3(A)を参照すると、この図は代表としてスイッチS22の構成を示し、それぞれPチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタの並列接続から成り、相補に動作するトランスファゲートTG21,TG22と、制御信号Cを反転して反転制御信号BCを出力するインバータIV21とを備える。
【0052】
トランスファゲートTG21は、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としたNチャネル型のトランジスタN21とPチャネル型のトランジスタP21とから成り、トランジスタN21のゲートに制御信号Cの供給をトランジスタP21のゲートに反転制御信号BCの供給をそれぞれ受ける。
【0053】
トランスファゲートTG22は、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としたNチャネル型のトランジスタN22とPチャネル型のトランジスタP22とから成り、トランジスタP22のゲートに制御信号Cの供給をトランジスタN22のゲートに反転制御信号BCの供給をそれぞれ受ける。
【0054】
図3(B)にスイッチS22の等価回路を示す。すなわち、トランスファゲートTG21の共通接続ソースが一方の入力端に、トランスファゲートTG22の共通接続ソースが他方の入力端に、トランスファゲートTG21,TG22の各々の共通接続ドレインをさらに共通接続したものが出力端に、制御信号Cの入力端子が制御端Cにそれぞれ相当する。
【0055】
スイッチS21はトランスファゲートTG21,TG22の各々の入力端を共通接続し、各々の出力端をそれぞれ一方の出力端及び他方の出力端とする以外はスイッチS22と同様である。
【0056】
なお、以上の説明では、便宜上ソースをトランスファゲートの入力端として説明したが、ドレイン側を入力端としても良いことは、公知である。
【0057】
以上の動作は、入力電圧Iの正側のピーク値を保持する動作であるが、電圧比較器1の非反転及び反転各入力端子への入力接続を逆に、すなわち、反転入力端に入力電圧Iを非反転入力端に電圧保持信号Pをそれぞれ入力すること、及びピーク点検出回路3の検出特性を逆、すなわち、正弦波形入力電圧Iにおける下降傾向が上昇傾向に移行する点をピーク点として検出することとにより、入力電圧Iの負側のピーク値を保持する動作を行うことができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図4を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、リセット信号Rの供給に応答して電圧保持用の容量C21,C22に保持していたピーク値を初期状態にリセットするリセット回路5を備えることである。
【0059】
リセット回路5は、初期電圧VAを出力する電圧源V51と、各々の入力端が電圧源V51に各々の出力端がピーク値保持回路の容量C21,C22の各々の一端、すなわち、節点N21,N21の各々にそれぞれ接続し制御端へのリセット信号Rの供給に応答して導通(オン)するスイッチS51,S52と、入力端がリセット端子TRに接続されリセット信号Rを反転し反転リセット信号BRを出力するインバータIV51と、入力端子TIとスイッチS21の入力端(ピーク値保持回路2の入力端)との間に挿入され制御端への反転リセット信号BRの供給に応答して導通するスイッチS53とを備える。
【0060】
スイッチS51,S52,S53の構成の一例を示す図3(C)を参照すると、この図は代表としてスイッチS51の構成を示し、Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタの並列接続から成るトランスファゲートTG51と、制御信号Cを反転して反転制御信号BCを出力するインバータIV52とを備える。
【0061】
図3(D)にスイッチS51の等価回路を示す。すなわち、トランスファゲートTG51の共通接続ソースが入力端に、トランスファゲートTG51の共通接続ドレインが出力端に、制御信号Cの入力端子が制御端Cにそれぞれ相当する。
【0062】
図4及び各部波形をタイムチャートで示す図5を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、リセット信号RがLレベルのときは通常通りピークホールド動作を行う。リセット信号RがHレベルとなった時、ピークホールド動作を停止し出力Oがリセットされ初期状態となる。
【0063】
これにより、リセット信号の供給に応答して瞬時にホールド(保持)電圧の放電を終え、次回のピークホールド動作へ移行できる。
【0064】
次に、本発明の第3の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図6を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、ピーク点検出回路3の出力端とフリップフロップ4のクロック端との間に挿入され選択信号Sの供給に応答して保持ピーク値の最大値と最小値のいずれか一方を選択して保持する保持ピーク値選択回路6を備えることである。
【0065】
保持ピーク値選択回路6は、一方の入力端が電源VDDに他方の入力端が接地電位VSSにそれぞれ接続し制御端への選択信号Sの供給に応答して電源VDDと接地電位VSSのいずれか一方を出力端に接続するスイッチS61と、一方の入力端がスイッチS61の出力端に他方の入力端がピーク点検出信回路3の出力端に出力端がフリップフロップ4のクロック入力端にそれぞれ接続した排他的論理和(EXOR)回路E61と、一方の入力端がスイッチS61の出力端に他方の入力端が電圧比較器1の出力端に出力端がフリップフロップ4の入力端J,Kにそれぞれ接続したEXOR回路E62とを備える。
【0066】
図6及び各部波形をタイムチャートで示す図7を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、選択端子TSからの選択信号Sの供給に応答してスイッチS61が動作し、選択信号SがLレベルのときは接地電位VSSをEXOR回路E61,E62に供給して保持ピーク値の最大値を、Hレベルのときは電源電位VDDをEXOR回路E61,E62に供給して保持ピーク値の最小値をそれぞれ保持する。
【0067】
本実施の形態では、EXOR回路を用いて保持ピーク値選択回路を構成したが、インバータ回路、NAND回路等を用いても構成できることは明らかである。
【0068】
次に、本発明の第4の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図8を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、入力端子TIとピーク値保持回路2の入力端との間に挿入され入力電圧Iを所定時間遅延するようバッファリングするバッファ回路9を備えることである。
【0069】
図8及び各部波形をタイムチャートで示す図8を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、第1の実施の形態の構成では、ピーク点検出回路3の動作遅延によりピーク点検出信号PDの出力タイミングが実際のピーク点より遅れる。そのため、電圧保持用の容量C21,C22の切替がピーク点より遅れ、ピーク値を超えた時点で電位を保持するるため図9(A)に示すように、実際のピーク値の保持ができなくなってしまう。バッファ回路9の挿入により、容量C21,C22の入力電圧Iをピーク点検出信号PDの遅延時間分を補正することにより、図9(B)に示すように、より高精度にピーク値を保持できる。
【0070】
次に、本発明の第5の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図10を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、ピーク点検出回路3の代わりに、微分回路31と電圧比較器32の代わりに入力電圧Iを一定周波数のクロックφでチョッピングして1クロック分前のピーク点検出信号である遅延検出信号DPDと比較してピーク点検出信号PDを出力するチョッパコンパレータ33と、ピーク点検出信号PDを1クロック分遅延して遅延検出信号DPDを出力するD型のフリップフロップ34とを備えるピーク点検出回路3Aを備えることである。
【0071】
図10を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、ピーク点検出回路3Aのチョッパコンパレータ33は、入力電圧Iを常に1クロック分前のピーク点検出信号PDである遅延検出信号DPDと比較し、入力電圧Iが遅延検出信号DPDより大きい、すなわち、入力電圧が上昇傾向である場合はピーク点検出信号PDとしてLレベルを出力する。入力電圧Iがピーク点に到達し入力電圧Iが下降傾向に変化したとき、入力電圧Iは遅延検出信号DPDよりも小さくなるので、チョッパコンパレータ33は、ピーク点検出信号PDとしてHレベルを出力する。
【0072】
次に、本発明の第6の実施の形態を図1と共通の構成要素には共通の参照文字/数字を付して同様にブロックで示す図11を参照すると、この図に示す本実施の形態の前述の第1の実施の形態との相違点は、電圧比較器1の出力端及びピーク点検出回路3の出力端の各々とフリップフロップ4の入力端J及び入力端Kの各々との間に予め定めた基準電圧VFより低い点で入力電圧Iのピーク点を検出した場合フリップフロップ4の動作を禁止する誤動作防止回路8を備えることである。
【0073】
誤動作防止回路8は、入力電圧Iと基準電圧VFとを比較し低レベル検出信号LDを出力する電圧比較器81と、電圧比較器1からの比較検出信号Dと低レベル検出信号LDとの論理積(AND)結果をフリップフロップ4の入力J,Kの各々に供給するAND回路A81,A82と、基準電圧VFを出力する電圧源V81とを備える。
【0074】
図11及び入力電圧Iの波形例をタイムチャートで示す図12を参照して本実施の形態の動作について第1の実施の形態との相違点を重点的に説明すると、ここでは、説明の便宜上正のピーク点を検出するもとする。まず、電圧比較器81は、入力電圧Iのピーク点が基準電圧VFより大きい場合(点a,c,e)は、低レベル検出信号LDとしてHレベルを出力しAND回路A81,A82の一方の入力端に供給する。AND回路A81,A82の各々は他方の入力端に比較検出信号Dが入力されており、比較検出信号DがHレベルの場合Hレベルを出力し、フリップフロップ4の入力J,Kの各々に供給するので、第1の実施の形態と同様に動作する。入力電圧Iが基準電圧VFより小さい場合(点g)は、低レベル検出信号LDとしてLレベルを出力し、従ってAND回路A81,A82は、比較検出信号DがHレベルの場合でもLレベルを出力するので、ピーク点検出信号PDがアクテイブ(Hレベル)となってもフリップフロップ4は動作しない。従ってピーク値保持回路2のスイッチS21,S22の切替動作は行われず、誤動作を防止できる。
【0075】
負のピーク点検出の場合は、上記と逆に基準電圧VFより大きい負ピーク点b,dの検出を防止するよう動作する。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のピークホールド回路は、入力電圧と上記出力ピーク値との大小関係を比較し比較検出信号を出力する電圧比較器と、電圧保持用の第1及び第2の容量と、これら第1及び第2の容量の各々と入力端子及び出力端子の各々との接続を相補的に切替える第1及び第2のスイッチとを備え上記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持し上記出力ピーク値を出力するピーク値保持回路と、上記入力電圧の各サイクルのピーク点を検出してピーク点検出信号を出力するピーク点検出回路と、上記比較検出信号と上記ピーク点検出信号とのレベル遷移情報に応じて上記第1及び第2の容量の一方を入力端子に他方を出力端子に接続するように上記第1及び第2のスイッチを相補的に切り替えるスイッチ制御信号を出力するスイッチ制御回路とを備えることにより、一方の容量がピーク値を出力する期間に他方の容量の保持電圧が入力電圧に追従しているため、スイッチが切り替わった時点の入力電圧値がピーク値として出力されるので、入力信号の周波数が高い場合でも容量の充電時間に起因する不十分なピーク値保持を防止できるという効果がある。
【0077】
また、ピーク点検出回路を備えることにより、入力信号のピーク点を検出した瞬間に容量切替スイッチの切替が終了してるので、ピーク値超過時点の値の保持を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピークホールド回路の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図3】図1及び図4のスイッチの構成の一例を示す回路図及び等価回路図である。
【図4】本発明のピークホールド回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図6】本発明のピークホールド回路の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図8】本発明のピークホールド回路の第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図9】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図10】本発明のピークホールド回路の第5の実施の形態を示すブロック図である。
【図11】本発明のピークホールド回路の第6の実施の形態を示すブロック図である。
【図12】本実施の形態のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図13】従来のピークホールド回路の一例を示すブロック図である。
【図14】従来のピークホールド回路における動作の一例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1,32,81,101 電圧比較器
2,102 ピーク値保持回路
3,3A ピーク点検出回路
4,34 フリップフロップ
5 リセット回路
6 保持ピーク値選択回路
7,9,107 バッファ回路
8 誤動作防止回路
31 微分回路
33 チョッパコンパレータ
A81,A82 AND回路
C21,C22,C23 容量
E61,E62 EXOR回路
IV21,IV51,IV52 インバータ
R21 抵抗
S21,S22,S26,S51,S52,S53,S61 スイッチ
TG21,TG22,TG51 トランスファゲート
N21,N22,P21,P22 トランジスタ
V31,V51,V81 電圧源
Claims (14)
- 入力信号の電圧である入力電圧の複数のサイクルから成る予め定めた期間における最大値又は最小値であるピーク値を検出して出力信号である出力ピーク値を出力するピークホールド回路において、
前記入力電圧と前記出力ピーク値との大小関係を比較し比較検出信号を出力する電圧比較器と、
電圧保持用の第1及び第2の容量と、これら第1及び第2の容量の各々と入力端子及び出力端子の各々との接続を相補的に切替える第1及び第2のスイッチとを備え、前記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持し前記出力ピーク値を出力するピーク値保持回路と、
前記入力電圧の各サイクルのピーク点を検出してピーク点検出信号を出力するピーク点検出回路と、
前記比較検出信号と前記ピーク点検出信号とのレベル遷移情報に応じて前記第1及び第2の容量の一方を前記入力電圧が入力する入力端子に他方を前記出力ピーク値を出力する出力端子に接続するように前記第1及び第2のスイッチを相補的に切り替えるスイッチ制御信号を出力するスイッチ制御回路とを備えることを特徴とするピークホールド回路。 - 前記電圧比較器が、非反転入力端に前記入力端子を経由して供給される前記入力電圧を反転入力端に前記出力ピーク値をそれぞれ入力し前記入力電圧と前記出力ピーク値との大小関係を検出し前記比較検出信号を出力するコンパレータ回路を備えることを特徴とする請求項1記載のピークホールド回路。
- 前記ピーク点検出回路が、前記入力電圧を微分し微分電圧を出力する微分回路と、
非反転入力端に基準電圧を反転入力端に前記微分電圧をそれぞれ入力し前記微分電圧の極性反転を検出して前記ピーク点検出信号を出力する電圧比較器とを備えることを特徴とする請求項1記載のピークホールド回路。 - 前記ピーク点検出回路が、前記入力電圧を一定周波数のクロックでチョッピングして1クロック分前のピーク点検出信号である遅延検出信号と比較して前記ピーク点検出信号を出力するチョッパコンパレータと、
前記ピーク点検出信号を1クロック分遅延して前記遅延検出信号を出力するD型のフリップフロップとを備えることを特徴とする請求項1記載のピークホールド回路。 - 前記スイッチ制御回路が、クロック端に前記ピーク点検出信号を入力し入力端に前記比較検出信号を入力し第1及び第2の出力端から相補の制御信号を出力し前記ピーク値保持回路に供給するフリップフロップとを備えることを特徴とする請求項1記載のピークホールド回路。
- 前記第1及び第2のスイッチの各々が、それぞれPチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタの並列接続から成り相補に動作する第1及び第2のトランスファゲートと、制御信号を反転して反転制御信号を出力するインバータとを備え、
前記第1のトランスファゲートが、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としゲートに前記制御信号の供給を受けるNチャネル型の第1のトランジスタとゲートに前記反転制御信号の供給を受けるPチャネル型の第2のトランジスタとを有し、
前記第2のトランスファゲートが、各々のソース同士及びドレイン同士を共通接続してそれぞれ入力端及び出力端としゲートに前記反転制御信号の供給を受けるNチャネル型の第3のトランジスタとゲートに前記制御信号の供給を受けるPチャネル型の第4のトランジスタとを有することを特徴とする請求項1記載のピークホールド回路。 - リセット信号の供給に応答して前記第1及び第2の容量に保持していた前記ピーク値を初期状態にリセットするリセット回路を備えることを特徴とする請求項1記載のピークホールド回路。
- 前記ピーク点検出回路の出力端と前記スイッチ制御回路の前記ピーク点検出信号の入力端との間に挿入され選択信号の供給に応答して保持ピーク値の最大値と最小値のいずれか一方を選択して保持する保持ピーク値選択回路を備えることを特徴とする請求項1記載のピークホールド回路。
- 前記入力端子と前記ピーク値保持回路の入力端との間に挿入され前記入力電圧を所定時間遅延するようバッファリングするバッファ回路を備えることを特徴とする請求項1記載のピークホールド回路。
- 前記電圧比較器の出力端及び前記ピーク点検出回路の出力端の各々と前記スイッチ制御回路の入力端の各々との間に予め定めた基準電圧より低い点で前記入力電圧の前記ピーク点を検出した場合前記スイッチ制御回路の動作を禁止する誤動作防止回路を備え、
前記誤動作防止回路が、前記入力電圧と前記基準電圧とを比較し低レベル検出信号を出力するレベル比較器と、
前記比較検出信号と前記低レベル検出信号との論理演算結果を前記スイッチ制御回路の入力端に供給する論理回路とを備えることを特徴とする請求項1記載のピークホールド回路。 - 前記フリップフロップが、第1及び第2の入力端を有するJKフリップフロップであることを特徴とする請求項5記載のピークホールド回路。
- 前記フリップフロップが、Tフリップフロップであることを特徴とする請求項5記載のピークホールド回路。
- 前記リセット回路が、初期電圧を出力する電圧源と、
各々の入力端が前記電圧源に各々の出力端が前記第1及び第2の容量の各々の一端にそれぞれ接続し制御端への前記リセット信号の供給に応答して導通する第1及び第2のリセットスイッチと、
前記リセット信号を反転し反転リセット信号を出力するインバータと、
入力電圧が入力する入力端子と前記入力電圧のピーク値を保持電圧として保持するピーク値保持回路の入力端との間に挿入され制御端への前記反転リセット信号の供給に応答して導通する第3のリセットスイッチとを備えることを特徴とする請求項7記載のピークホールド回路。 - 前記保持ピーク値選択回路が、一方の入力端が第1の電源に他方の入力端が第2の電源にそれぞれ接続し制御端への前記選択信号の供給に応答して前記第1及び第2の電源のいずれか一方を出力端に接続するピーク値選択スイッチと、
一方の入力端が前記ピーク値選択スイッチの出力端に他方の入力端が前記ピーク点検出信回路の出力端に出力端が前記スイッチ制御回路の前記ピーク点検出信号の入力端にそれぞれ接続した第1の排他的論理和回路と、
一方の入力端が前記ピーク値選択スイッチの出力端に他方の入力端が電圧比較器の出力端に出力端が前記スイッチ制御回路の入力端にそれぞれ接続した第2の排他的論理和回路とを備えることを特徴とする請求項8記載のピークホールド回路。
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