JP3635840B2 - 冷水塔 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷水塔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の冷水塔の一例を示すもので、この冷水塔は、ケーシング1の頂部に設けられた送風機2を有する排気口3と、ケーシング1の外周に形成された外気取入口4と、ケーシング1内の上部における排気口3周囲に設けられた温水槽5と、該温水槽5の下側に配置され且つ温水槽5下面の散水口6から流下させた温水7を送風機2により外気取入口4から取り込んだ外気8と熱交換させて冷却する熱交換部9とを備えており、該熱交換部9は、温水槽5の直下に設けたフィン付きチューブ10からなる乾式空気加熱部11と、該乾式空気加熱部11の下側に配置され且つ例えばシート状の合成樹脂材の表面に凹凸を有した熱交換面材を多数並列に起立させて備えることにより外気8の流通空間を確保した充填材12とにより構成されている。
【0003】
尚、図中13は冷却後の水を回収する底部水槽である。
【0004】
斯かる冷水塔においては、温水槽5の温水7を散水口6から乾式空気加熱部11のフィン付きチューブ10内を通して流下させた後に、その下部の充填材12に沿わせて流下させ、同時に送風機2により外気取入口4から外気8を吸引して乾式空気加熱部11及び充填材12を横方向に流通させることにより前記温水7の冷却を行うようにしている。
【0005】
このとき、前記充填材12に沿って流下する温水7は、外気8と直接熱交換されることにより効果的に冷却されるが、一方、充填材12において温水7と熱交換を行った外気8は、昇温されると共に湿度が略100%の湿り空気14となるので、この湿り空気14をそのまま冷水塔外部に排出すると、外気温度が低い場合に白煙を生じることがある。
【0006】
このような白煙の発生は、外気を汚染しているかの如き誤解を近隣居住者等に与える結果となり、また、白煙が地上に降りて周囲に霧のように立ちこめることにより視界不良を招く等の不具合があるので、白煙を極力発生させないようにする要求が高まっている。
【0007】
この為、図示する例においては、温水7を乾式空気加熱部11のフィン付きチューブ10内を通して流下させる際に、フィン付きチューブ10の外周に沿って流通する外気8を乾式で加熱することにより湿度が極めて低い乾き空気15とし、この乾き空気15を送風機2によって前記湿り空気14に混合して排気口3から排出される空気の湿度を低減し、白煙の発生を防止するようにしているのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した如き従来の冷水塔においては、白煙の発生を防止する為の乾き空気15を作る為に、フィン付きチューブ10による専用の乾式空気加熱部11を設けるようにしている為、構造が複雑化して建築コストが高騰すると共に、フィン付きチューブ10による間接的な熱交換である為に熱交換効率を高めることができず、従って大きな容量が必要となって乾式空気加熱部11の構造が大型化し、冷水塔の高さ寸法が増大して冷水塔全体の大型化を招くという問題があった。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、白煙の発生を防止し得る冷水塔の建築コストの削減と小型化を図り得るようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、温水槽の下面に開口した複数の散水口から温水槽直下の充填材に温水を散水し、該充填材の表面を流下する温水に外気を直接接触させて温水を冷却する冷水塔であって、充填材を互いに外気の流通空間を隔絶した常時湿式領域と湿式・乾式切替領域とに区分して交互に配置し、該湿式・乾式切替領域を常時湿式領域とは別に散水し得るよう前記湿式・乾式切替領域に連通する全ての散水口を温水槽内で紆余曲折する仕切板により櫛歯状に区画して共通の区画領域に開口させ、該区画領域と温水槽内の区画領域以外の貯水領域とに対し、前記仕切板により互い違いに深く入り込んだ袋小路として形成される複数列の分配通路に連通して該各分配通路の並び方向に延びる供給通路上に、該供給通路に沿って延び且つその下面に多数の散水孔を長手方向略全域に亘って開口した散水ヘッダを夫々配設し、貯水領域側の散水ヘッダの一端に対し温水を供給する温水供給管を接続すると共に、該温水供給管から分岐した枝管を区画領域側の散水ヘッダの一端に対し温水の分配を適宜に遮断し得るよう接続したことを特徴とするものである。
【0011】
而して、白煙が発生する虞れが無い時(外気温度が高い時)に、温水供給管から貯水領域側の散水ヘッダに温水を供給すると共に、温水供給管から枝管を介し区画領域側の散水ヘッダにも温水を分配すると、貯水領域及び区画領域における各供給通路に各散水ヘッダの長手方向略全域の多数の散水孔から温水が比較的低い流出速度となって細かく散水されるので、前記各供給通路の長手方向に略均等に温水が供給され、前記各供給通路の夫々に連通している複数列の分配通路に対しても略均等に温水が分配されて前記各分配通路の奥まで良好に行き亘り、充填材における常時湿式領域と湿式・乾式切替領域の両方に均一性の高い良好な散水が行われて充填材の全領域で外気による温水の直接冷却が効果的に行われる。
【0012】
一方、白煙が発生する虞れがある時(外気温度が低い時)に、温水供給管から区画領域への温水の分配を遮断すると、温水が散水されている常時湿式領域での外気による温水の直接冷却と、温水が散水されていない湿式・乾式切替領域を流通する外気の乾式加熱とが同時に行われ、前記直接冷却によって生じる湿り空気に、乾式加熱によって生じる乾き空気が混合されて白煙の発生が防止される。
【0013】
この際に、貯水領域への温水の供給は、散水ヘッダの長手方向略全域の多数の散水孔から比較的低い流出速度で細かく散水されているので、温水の分配が遮断されている区画領域に対し水しぶきが入るような不具合がなくなり、湿式・乾式切替領域に湿気を侵入させることなく良好な外気の乾式加熱を行うことが可能となる。
【0014】
このようにすれば、充填材の一部を湿式・乾式切替領域として利用しているので、フィン付きチューブによる専用の乾式空気加熱部を不要とすることが可能となる。
【0015】
また、本発明においては、散水ヘッダを温水の流れ方向上流側から下流側にかけて徐々に縮径するよう形成することが好ましく、このようにすれば、散水ヘッダの一端側に供給された温水が他端側に到るまでの間に減少する水量分に見合うよう流路断面積を漸減して散水ヘッダの長手方向における圧力分布を略均一に保持することが可能となる。
【0016】
更に、温水槽内を区画する仕切板の適宜位置に開閉可能な連通口を設けるようにしても良く、このようにすれば、白煙が発生する虞れが無い時(外気温度が高い時)に、前記連通口を開けておくことにより貯水領域と区画領域とにおける水位差をなくすことが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0019】
本形態例においては、フィン付きチューブによる専用の乾式空気加熱部を不要とし、温水槽5の下側に配置される熱交換部を、以下に詳述する如き充填材12により構成している。
【0020】
即ち、前記充填材12は、シート状の合成樹脂材の表面に凹凸を付した熱交換面材を多数並列に起立させて備えることにより上下方向に延びる外気8の流通空間16を確保した構造となっており、互いに外気8の流通空間16を隔絶した常時湿式領域17と湿式・乾式切替領域18とに夫々区分されて交互に配置されている。
【0021】
ここで、湿式・乾式切替領域18を形成する充填材12の上端は、温水槽5の下面まで延び且つ温水槽5の下面から下方向きに延ばした隔絶板21により隣の常時湿式領域17からの温水7の侵入を阻止し得るよう挾持されている。
【0022】
一方、前記温水槽5内は、その直下に配置される充填材12の湿式・乾式切替領域18を常時湿式領域17とは別に散水し得るよう湿式・乾式切替領域18に連通する全ての散水口6を温水槽5内で紆余曲折する仕切板23により櫛歯状に区画して共通の区画領域24に開口させるようにしてあり、該区画領域24と温水槽5内における区画領域24以外の貯水領域25とは、前記仕切板23により互い違いに深く入り込んだ袋小路として形成される複数列の分配通路26と、該各分配通路26に連通して各分配通路26の並び方向に延びる供給通路27とを有して形成されている。
【0023】
また、前記区画領域24と貯水領域25とにおける各供給通路27の夫々の上側には、該各供給通路27に沿って延び且つその下面に多数の散水孔28を長手方向略全域に亘って開口した散水ヘッダ29が夫々配設されており、貯水領域25側の散水ヘッダ29の一端には、温水7を供給する温水供給管30が接続されていると共に、区画領域24側の散水ヘッダ29の一端には、前記温水供給管30から分岐した枝管31が温水7の分配を適宜に遮断し得るようバルブ32を介して接続されている。
【0024】
ここで、特に本形態例においては、散水ヘッダ29を温水7の流れ方向上流側から下流側にかけて徐々に縮径するよう形成しており、散水ヘッダ29の一端側に供給された温水7が他端側に到るまでの間に減少する水量分に見合うよう流路断面積を漸減してある。
【0025】
更に、前記仕切板23の適宜位置には、貯水領域25を適宜に区画領域24と連通し得るよう開閉可能なバルブ33を備えた連通口34が設けられている。
【0026】
尚、図中35は温水槽5の下面に開口された散水口6に付設された散水ノズルであり、このような散水ノズル35を散水口6に付設すれば、温水7を充填材12に対し良好に散水できるが、充填材12相互の間隔や散水口6の数や配置位置、口径等の調整により省略することも可能である。
【0027】
而して、白煙が発生する虞れが無い時(外気温度が高い時)に、温水供給管30から貯水領域25側の散水ヘッダ29に温水7を供給すると共に、温水供給管30から枝管31を介し区画領域24側の散水ヘッダ29にも温水7を分配すると、貯水領域25及び区画領域24における各供給通路27に各散水ヘッダ29の長手方向略全域の多数の散水孔28から温水7が比較的低い流出速度となって細かく散水されるので、前記各供給通路27の長手方向に略均等に温水7が供給され、前記各供給通路27の夫々に連通している複数列の分配通路26に対しても略均等に温水7が分配されて前記各分配通路26の奥まで良好に行き亘り、充填材12における常時湿式領域17と湿式・乾式切替領域18の両方に均一性の高い良好な散水が行われて充填材12の全領域で外気8による温水7の直接冷却が効果的に行われる。
【0028】
一方、冬期等の白煙が発生する虞れがある時(外気温度が低い時)に、温水供給管30から区画領域24への温水7の分配をバルブ32を閉じて遮断すると、温水7が散水されている常時湿式領域17での外気8による温水7の直接冷却と、温水7が散水されていない湿式・乾式切替領域18を流通する外気8の乾式加熱とが同時に行われ、前記直接冷却によって生じる湿り空気に、乾式加熱によって生じる乾き空気が混合されて白煙の発生が防止される。
【0029】
この際に、貯水領域25への温水7の供給は、散水ヘッダ29の長手方向略全域の多数の散水孔28から比較的低い流出速度で細かく散水されているので、温水7の分配が遮断されている区画領域24に対し水しぶきが入るような不具合がなくなり、湿式・乾式切替領域18に湿気を侵入させることなく良好な外気8の乾式加熱を行うことが可能となる。
【0030】
従って、前述した本形態例の冷水塔によれば、充填材12の一部を湿式・乾式切替領域18として利用することによって、フィン付きチューブによる専用の乾式空気加熱部を不要とすることができ、しかも、温水槽5内を仕切板23で区画するだけで温水槽5を従来と同じ高さ寸法のまま格別な構造の複雑化を招くことなく実施できるので、白煙の発生を防止し得る冷水塔の建築コストの削減と小型化を図ることができる。
【0031】
更に、散水ヘッダ29の長手方向略全域の多数の散水孔28から温水7を比較的低い流出速度として細かく散水させるようにしているので、貯水領域25及び区画領域24における各供給通路27の長手方向に略均等に温水7を供給することができ、これによって、互い違いに深く入り込んだ袋小路として形成される複数列の分配通路26に対しても略均等に温水7を分配して良好に行き亘らせることができるので、常時湿式領域17と湿式・乾式切替領域18の何れにおいても均一性の高い良好な散水を行わしめて温水7の直接冷却を効果的に行うことができる。
【0032】
また、温水供給管30から区画領域24への温水7の分配を遮断して白煙の発生を防止する際に、温水7の分配が遮断されている区画領域24に対し水しぶきが入るような不具合がなくなるので、湿式・乾式切替領域18に湿気を侵入させることなく良好な外気8の乾式加熱を行うことができる。
【0033】
更に、特に本形態例に示した如く、散水ヘッダ29を温水7の流れ方向上流側から下流側にかけて徐々に縮径するよう形成すれば、散水ヘッダ29の一端側に供給された温水7が他端側に到るまでの間に減少する水量分に見合うよう流路断面積を漸減して散水ヘッダ29の長手方向における圧力分布を略均一に保持することができるので、貯水領域25及び区画領域24における各供給通路27の長手方向への温水7の供給を一層確実に均等化することができる。
【0034】
また、本形態例に示した如く、温水槽5内を区画する仕切板23の適宜位置に開閉可能な連通口34を設けるようにすれば、白煙が発生する虞れが無い時(外気温度が高い時)に、前記連通口34のバルブ35を開けておくことにより貯水領域25と区画領域24とにおける水位差をなくすことができるので、貯水領域25と区画領域24とで個別に水位調整する必要がなくなり、制御系の構成が簡単になると共に運転も容易となる。
【0035】
尚、本発明の冷水塔は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0036】
【発明の効果】
上記した本発明の冷水塔によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0037】
(I)充填材の一部を湿式・乾式切替領域として利用することによって、フィン付きチューブによる専用の乾式空気加熱部を不要とすることができ、しかも、温水槽内を仕切板で区画するだけで温水槽を従来と同じ高さ寸法のまま格別な構造の複雑化を招くことなく実施できるので、白煙の発生を防止し得る冷水塔の建築コストの削減と小型化を図ることができる。
【0038】
(II)散水ヘッダの長手方向略全域の多数の散水孔から温水を比較的低い流出速度として細かく散水させるようにしているので、貯水領域及び区画領域における各供給通路の長手方向に略均等に温水を供給することができ、これによって、互い違いに深く入り込んだ袋小路として形成される複数列の分配通路に対しても略均等に温水を分配して良好に行き亘らせることができるので、常時湿式領域と湿式・乾式切替領域の何れにおいても均一性の高い良好な散水を行わしめて温水の直接冷却を効果的に行うことができる。
【0039】
(III)温水供給管から区画領域への温水の分配を遮断して白煙の発生を防止する際に、温水の分配が遮断されている区画領域に対し水しぶきが入るような不具合がなくなるので、湿式・乾式切替領域に湿気を侵入させることなく良好な外気の乾式加熱を行うことができる。
【0040】
(IV)散水ヘッダを温水の流れ方向上流側から下流側にかけて徐々に縮径するよう形成すれば、散水ヘッダの一端側に供給された温水が他端側に到るまでの間に減少する水量分に見合うよう流路断面積を漸減して散水ヘッダの長手方向における圧力分布を略均一に保持することができるので、貯水領域及び区画領域における各供給通路の長手方向への温水の供給を一層確実に均等化することができる。
【0041】
(V)仕切板の適宜位置に開閉可能な連通口を設けるようにすれば、白煙が発生する虞れが無い時(外気温度が高い時)に、前記連通口を開けておくことにより貯水領域と区画領域とにおける水位差をなくすことができるので、貯水領域と区画領域とで個別に水位調整する必要がなくなり、制御系の構成が簡単になると共に運転も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の温水槽の平面図である。
【図3】図1の温水槽の要部を拡大して示す正面断面図である。
【図4】従来例を示す概略図である。
【符号の説明】
5 温水槽
6 散水口
7 温水
8 外気
12 充填材
16 流通空間
17 常時湿式領域
18 湿式・乾式切替領域
23 仕切板
24 区画領域
25 貯水領域
26 分配通路
27 供給通路
28 散水孔
29 散水ヘッダ
30 温水供給管
31 枝管
34 連通口
Claims (3)
- 温水槽の下面に開口した複数の散水口から温水槽直下の充填材に温水を散水し、該充填材の表面を流下する温水に外気を直接接触させて温水を冷却する冷水塔であって、充填材を互いに外気の流通空間を隔絶した常時湿式領域と湿式・乾式切替領域とに区分して交互に配置し、該湿式・乾式切替領域を常時湿式領域とは別に散水し得るよう前記湿式・乾式切替領域に連通する全ての散水口を温水槽内で紆余曲折する仕切板により櫛歯状に区画して共通の区画領域に開口させ、該区画領域と温水槽内の区画領域以外の貯水領域とに対し、前記仕切板により互い違いに深く入り込んだ袋小路として形成される複数列の分配通路に連通して該各分配通路の並び方向に延びる供給通路上に、該供給通路に沿って延び且つその下面に多数の散水孔を長手方向略全域に亘って開口した散水ヘッダを夫々配設し、貯水領域側の散水ヘッダの一端に対し温水を供給する温水供給管を接続すると共に、該温水供給管から分岐した枝管を区画領域側の散水ヘッダの一端に対し温水の分配を適宜に遮断し得るよう接続したことを特徴とする冷水塔。
- 散水ヘッダを温水の流れ方向上流側から下流側にかけて徐々に縮径するよう形成したことを特徴とする請求項1に記載の冷水塔。
- 仕切板の適宜位置に開閉可能な連通口を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷水塔。
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