JP3635747B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置に関し、特に、蓄熱を利用した空調を行う空気調和装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、深夜電力を利用して蓄熱運転を行い、昼間に蓄熱を利用して空調を行うようにした空気調和装置が提案されている。この空気調和装置には、特開平7−4721号公報に開示されているように、圧縮機と室外熱交換器と膨張弁と室内熱交換器とを接続し、冷房サイクルと暖房サイクルとに可逆運転可能な主冷媒回路を構成する一方、蓄熱槽の蓄熱用熱交換器の一端を主冷媒回路の液ラインに、他端をガスラインに接続しているものがある。
【0003】
そして、夜間において、圧縮機から吐出した冷媒を室外熱交換器と蓄熱用熱交換器との間で循環させ、蓄熱槽に冷熱の氷又は温熱の温水を蓄熱する。
【0004】
一方、昼間においては、ガスポンプによって冷媒を蓄熱用熱交換器と室内熱交換器とので循環させ、該室内熱交換器で放冷又は放熱して室内を冷房又は暖房するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した空気調和装置においては、蓄熱利用運転時にガスポンプを用いて冷媒を搬送するようにしているため、大きな動力を要するという問題があった。また、上記ガスポンプの利用運転と圧縮機の利用運転とを切り換える際、冷媒制御や潤滑油の確保が難しく、信頼性に劣るという問題があった。
【0006】
そこで、特開平2−33573号公報に開示されているように、液ポンプを利用しているものがある。しかしながら、この液ポンプでは、運転の停止期間が長くなると、円滑な駆動が困難となる場合があり、信頼性に劣るという問題があった。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、冷媒制御や潤滑油の確保が容易で、信頼性の高い冷媒搬送を小さな動力で行い得るようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
本発明は、主冷媒回路(20)の液ライン(25-M)の途中に搬送用冷凍回路(40)の2つのサブ熱交換器(43,44)を設け、一方のサブ熱交換器(43,44)でサブ冷媒を凝縮させると共に、他方のサブ熱交換器(43,44)で蒸発させることによって、主冷媒回路(20)の冷媒が利用側熱交換器(24)と蓄熱用熱交換器(32)との間で自然循環できない運転状態においては、搬送用冷凍回路(40)の熱エネルギを冷媒搬送力に変換して主冷媒回路(20)の冷媒を循環させるようにしたものである。
【0009】
これによって、熱エネルギで冷媒を搬送するので、小さな動力で信頼性の高い蓄熱利用運転が可能となる。
【0010】
−発明の特定事項−
具体的に、図1に示すように、請求項1に係る発明が講じた手段は、先ず、圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(EV-0)と利用側膨張機構(EV-I)と利用側熱交換器(24)とが冷媒配管(25)によって接続され、冷媒流通方向が可逆可能に構成されている主冷媒回路(20)が設けられている。更に、熱源媒体が蓄熱槽(31)と蓄熱用熱交換器(32)との間で循環可能に構成されると共に、主冷媒回路(20)の冷媒と熱源媒体との間で熱交換するように該蓄熱用熱交換器(32)の一端が主冷媒回路(20)の液ライン(25-M)に蓄熱用膨張機構(EV-C)を介して接続され、他端が主冷媒回路(20)の圧縮機(21)の吐出側と吸込側とに切り換え可能に接続された蓄熱回路(30)が設けられている。
【0011】
そして、少なくとも主冷媒回路(20)の冷媒が圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と利用側熱交換器(24)との間を循環して空調を行う通常運転と、主冷媒回路(20)の冷媒が圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と蓄熱用熱交換器(32)との間を循環して蓄熱を行う蓄熱運転と、主冷媒回路(20)の冷媒が利用側熱交換器(24)と蓄熱用熱交換器(32)との間を循環して蓄熱利用の空調を行う蓄熱利用運転とを行うようにした空気調和装置を対象としている。
【0012】
加えて、圧縮機(41)と第1サブ熱交換器(43)と膨張機構(EV-S)と第2サブ熱交換器(44)とが順に接続され、サブ冷媒が一方のサブ熱交換器(43,44)で凝縮し、他方のサブ熱交換器(43,44)で蒸発する可逆運転可能な1つの冷凍サイクルを構成すると共に、両サブ熱交換器(43,44)が主冷媒回路(20)の液ライン(25-M)の途中に接続され、蓄熱利用の冷房又は暖房を行う蓄熱利用運転時にサブ冷媒が主冷媒回路(20)の液冷媒を冷却及び加熱して該液冷媒に移動力を付与する搬送用冷凍回路(40)が設けられている。
【0013】
ことを特徴とする空気調和装置。
【0014】
また、図16に示すように、請求項2に係る発明が講じた手段は、上記請求項1の発明と同様な空気調和装置を対象としている。そして、請求項1の発明における搬送用冷凍回路(40)に代えて、第1サブ熱交換器(43)と膨張機構(EV-S)と第2サブ熱交換器(44)とが順に接続されると共に、主冷媒回路(20)の圧縮機(21)に接続され、サブ冷媒が一方のサブ熱交換器(43,44)で凝縮し、他方のサブ熱交換器(43,44)で蒸発する可逆運転可能に構成される一方、両サブ熱交換器(43,44)が主冷媒回路(20)の液ライン(25-M)の途中に接続され、蓄熱利用の冷房又は暖房を行う蓄熱利用運転時にサブ冷媒が主冷媒回路(20)の液冷媒を冷却及び加熱して該液冷媒に移動力を付与する搬送用冷凍回路(40)が設けられている。
【0015】
また、請求項3に係る発明が講じた手段は、上記請求項1又は2記載の発明において、おいて、少なくとも主冷媒回路(20)の利用側熱交換器(24)が高所に、蓄熱回路(30)の蓄熱用熱交換器(32)が低所に設置され、蓄熱利用の冷房を行う蓄熱利用運転時に搬送用冷凍回路(40)が駆動して主冷媒回路(20)の冷媒に移動力を与える構成としている。
【0016】
また、請求項4に係る発明が講じた手段は、上記請求項1又は2記載の発明において、少なくとも蓄熱回路(30)の蓄熱用熱交換器(32)が高所に、主冷媒回路(20)の利用側熱交換器(24)が低所に設置され、蓄熱利用の暖房を行う蓄熱利用運転時に搬送用冷凍回路(40)が駆動して主冷媒回路(20)の冷媒に移動力を与える構成としている。
【0017】
−作用−
上記の発明特定事項により、請求項1に係る発明では、通常の空調運転では、圧縮機(21)から吐出した冷媒が熱源側熱交換器(23)で凝縮して利用側熱交換器(24)で蒸発し、冷房運転を行うことになる。また、圧縮機(21)から吐出した冷媒が利用側熱交換器(24)で凝縮して熱源側熱交換器(23)で蒸発し、暖房運転を行うことになる。
【0018】
また、圧縮機(21)から吐出した冷媒が熱源側熱交換器(23)で凝縮して蓄熱用熱交換器(32)で蒸発し、蓄熱槽(31)に冷熱を蓄熱する一方、圧縮機(21)から吐出した冷媒が蓄熱用熱交換器(32)で凝縮して熱源側熱交換器(23)で蒸発し、蓄熱槽(31)に温熱を蓄熱することになる。
【0019】
また、蓄熱利用運転であって、暖房を行う場合、例えば、請求項3の発明のように、主冷媒回路(20)の利用側熱交換器(24)が高所に、蓄熱回路(30)の蓄熱用熱交換器(32)が低所に設置されていると、搬送用冷凍回路(40)の運転は停止し、主冷媒回路(20)の冷媒は自然循環によって循環することになる。その際、蓄熱回路(30)は温熱を蓄熱用熱交換器(32)に供給している。
【0020】
この状態において、主冷媒回路(20)の冷媒は、蓄熱用熱交換器(32)において温熱が付与されて蒸発する。この冷媒は、ガスに変態することによって体積が膨張するので、低所に設置された蓄熱回路(30)から上昇して利用側熱交換器(24)に流入する。そして、該利用側熱交換器(24)でガス冷媒は凝縮して液冷媒に変態して暖房することになる。その後、上記液冷媒は、利用側熱交換器(24)から自重で落下して蓄熱用熱交換器(32)に戻り、再び温熱が付与される。この動作を繰り返して蓄熱利用暖房運転が実行される。
【0021】
一方、蓄熱利用の冷房運転時は、凝縮器となる蓄熱用熱交換器(32)が低所に位置するため、主冷媒回路(20)の冷媒は自然循環によって循環することができないので、搬送用冷凍回路(40)を駆動して冷媒を循環させることになる。その際、蓄熱回路(30)は冷水を蓄熱用熱交換器(32)に供給している。
【0022】
この状態において、主冷媒回路(20)の冷媒は、蓄熱用熱交換器(32)において冷熱が付与されて凝縮する。この液冷媒自体では、高所の利用側熱交換器(24)に移動する移動力を有しないので、各サブ熱交換器(43,44)に溜ることになる。この搬送用冷凍回路(40)は、1つの冷凍サイクルを構成しているので、サブ冷媒は、圧縮機(41)より吐出して一方のサブ熱交換器(43,44)で凝縮した後、膨張弁で膨張し、他方のサブ熱交換器(43,44)で蒸発して圧縮機(41)に戻る循環を繰り返す。
【0023】
そして、凝縮器となっているサブ熱交換器(43,44)では冷媒が加熱されて圧力が上昇し、該サブ熱交換器(43,44)に溜っている液冷媒が排出され、該冷媒が移動力を得ることになる。一方、蒸発器となっているサブ熱交換器(43,44)では冷媒が冷却されて圧力が低下し、該サブ熱交換器(43,44)に液冷媒が流入することになる。この排出と流入とを両サブ熱交換器(43,44)で交互に繰り返すことによって、ほぼ連続的に液冷媒が流れ、該液冷媒は、利用側熱交換器(24)に流れて蒸発し、ガス化して冷房することになる。このガス冷媒は、膨張するので、利用側熱交換器(24)から蓄熱用熱交換器(32)に戻り、再び冷熱が付与される。この動作を繰り返して蓄熱利用冷房運転が実行される。
【0024】
また、請求項2に係る発明では、主冷媒回路(20)の圧縮機(21)が搬送用冷凍回路(40)の圧縮機を兼用するので、蓄熱利用運転時に主冷媒回路(20)の圧縮機(21)を駆動し、該圧縮機(21)から吐出した冷媒は、両サブ熱交換器(43,44)で凝縮と蒸発とを行って圧縮機(21)に戻る循環を行うことになる。そして、主冷媒回路(20)における冷媒が両サブ熱交換器(43,44)で移動力を得て蓄熱用熱交換器(32)と利用側熱交換器(24)を循環し、冷房することになる。
【0025】
また、請求項4に係る発明では、少なくとも蓄熱回路(30)の蓄熱用熱交換器(32)が高所に、主冷媒回路(20)の利用側熱交換器(24)が低所に設置されているので、蓄熱利用冷房運転時には、主冷媒回路(20)の冷媒が蓄熱用熱交換器(32)と利用側熱交換器(24)を自然循環することになるが、蓄熱利用暖房運転時に自然循環によって循環し得ないので、搬送用冷凍回路(40)を駆動し、冷媒に移動力を与えることになる。
【0026】
【発明の効果】
従って、本発明によれば、搬送用冷凍回路(40)の熱エネルギによって主冷媒回路(20)の冷媒の搬送力を得るようにしたために、従来のようにポンプ等を使用しないので、小さな動力で確実に冷媒搬送を行うことができ、省エネルギ化を図ることができる。つまり、上記搬送用冷凍回路(40)は、主冷媒回路(20)の冷媒に移動力を付与するように加熱するのみであるので、搬送用冷凍回路(40)の圧縮機(41)の容量は主冷媒回路(20)の圧縮機(21)の容量の20%程度であり、省エネルギ化を図ることができる。
【0027】
また、冷媒制御が容易であり、且つ蓄熱利用運転時に主冷媒回路(20)に駆動部分がないので、信頼性を向上させることができる。
【0028】
また、蓄熱利用運転時に従来のように湿り運転等を考慮する必要がなく、空調運転の信頼性を向上させることができる。
【0029】
また、搬送用冷凍回路(40)の故障時には、主冷媒回路(20)で空調運転を継続することができるので、より信頼性の向上を図ることができる。
【0030】
また、請求項2に係る発明によれば、1つの圧縮機(21)で冷媒に移動力を付与することができるので、部品点数の軽減を図ることができ、構成の簡略化を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図1は、請求項1及び請求項3に係る発明の実施形態を示し、本実施形態1の空気調和装置(10)は、ビル等に設置されて室内を空調するもので、蓄熱すると共に、蓄熱利用の運転を行えるようにしたものである。そして、上記空気調和装置(10)は、主冷媒回路(20)と蓄熱回路(30)と搬送用冷凍回路であるサブ冷凍機(40)とを備えている。
【0033】
上記主冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と四路切換弁(22)と熱源側熱交換器である室外熱交換器(23)と膨張機構である室外膨張弁(EV-O)及び室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)と利用側熱交換器である室内熱交換器(24,24,…)とが冷媒配管(25)によって接続されて冷媒流通方向が可逆運転可能な閉回路に構成されている。そして、上記室内熱交換器(24,24,…)は互いに並列に複数接続される一方、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)は室内熱交換器(24,24,…)に対応して設けられている。
【0034】
上記液冷媒配管(25-L)には、方向制御回路(50)が設けられ、室内熱交換器(24,24,…)側の液冷媒配管(25-L)には電磁弁(SV-1)が設けられている。該方向制御回路(50)は、4つの逆止弁(CV-1,CV-1,…)を備えたブリッジ回路に構成され、2つの流出入点A,Bに上記液冷媒配管(25-L)が接続されている。
【0035】
また、上記方向制御回路(50)の流入点Iと流出点Sとの間には、1方向通路(25-W)が接続され、該1方向通路(25-W)には、逆止弁(CV-2)を有する分岐通路(25-B)が室内熱交換器(24,24,…)側の液冷媒配管(25-L)より分岐して接続されている。そして、上記液冷媒配管(25-L)と1方向通路(25-W)と分岐通路(25-B)とによって液ライン(25-M)が構成されている。
【0036】
上記蓄熱回路(30)は、例えば、ビルの地下に設置され、冷熱又は温熱を蓄熱媒体によって氷蓄熱又は温水蓄熱するように構成され、蓄熱槽(31)と蓄熱用熱交換器(32)とが循環通路(33)によって接続されて成り、該循環通路(33)に循環ポンプ(P)が設けられている。上記蓄熱用熱交換器(32)は、蓄熱媒体と主冷媒回路(20)の冷媒とを熱交換させるものであって、ガス管(34)と流入液管(35-I)及び流出液管(35-O)とが接続されている。
【0037】
そして、上記ガス管(34)は、三方弁(3W)を介して主冷媒回路(20)の圧縮機(21)の吐出側と吸込側とに接続され、上記流入液管(35-I)は、蓄熱用膨張機構である蓄熱膨張弁(EV-C)を介して室内熱交換器(24,24,…)側の液冷媒配管(25-L)に、流出液管(35-O)は、電磁弁(SV-2)を介して分岐通路(25-B)にそれぞれ接続されている。
【0038】
上記サブ冷凍機(40)は、本発明の特徴とする事項であって、例えば、ビルの地下に設置され、圧縮機(41)と四路切換弁(42)と第1サブ熱交換器(43)と膨張機構である膨張弁(EV-S)と第2サブ熱交換器(44)とが順に接続され、サブ冷媒が一方のサブ熱交換器(43,44)で凝縮し、他方のサブ熱交換器(43,44)で蒸発する可逆運転可能な1つの冷凍サイクルを構成している。
【0039】
上記両サブ熱交換器(43,44)は、主冷媒回路(20)の液ライン(25-M)である1方向通路(25-W)の途中に互いに並列に接続されている。該液冷媒配管(25-L)には、各サブ熱交換器(43,44)の入口側と出口側とにそれぞれで逆止弁(CV-3,CV-3,…)が設けられている。そして、上記両サブ熱交換器(43,44)は、室内熱交換器(24,24,…)が蒸発器となる冷房運転時において、サブ冷媒の凝縮と蒸発とを交互に行わせ、サブ冷媒が主冷媒回路(20)の液冷媒を冷却及び加熱して該液冷媒に移動力を付与するように構成されている。
【0040】
−サブ冷凍機(40)の作用原理−
そこで、上記サブ冷凍機(40)の基本的原理を説明する。
【0041】
先ず、主冷媒回路(20)の冷媒は、温度が上昇すると圧力も上昇し、温度が低下すると圧力も低下する。この原理を利用し、サブ冷凍機(40)の熱エネルギを冷媒が移動するための仕事に変換するようにしたものである。
【0042】
具体的に、サブ冷凍機(40)のサブ冷媒は、圧縮機(41)より吐出して一方のサブ熱交換器(43,44)で凝縮した後、膨張弁(EV-S)で膨張し、他方のサブ熱交換器(43,44)で蒸発して圧縮機(41)に戻る循環を繰り返す。このサブ冷媒が凝縮するサブ熱交換器(43,44)では冷媒が加熱されて圧力が上昇し、該サブ熱交換器(43,44)に溜っている液冷媒が排出される。つまり、該冷媒が移動力を得ることになる。
【0043】
一方、上記サブ冷媒が蒸発するサブ熱交換器(43,44)では冷媒が冷却されて圧力が低下し、該サブ熱交換器(43,44)に液冷媒が流入することになる。
【0044】
この排出と流入とを両サブ熱交換器(43,44)で交互に繰り返すことによって、ほぼ連続的に冷媒が搬送されることになる。
【0045】
−実施形態1の運転動作−
次に、上述した空気調和装置(10)の運転動作について説明する。本実施形態の空気調和装置(10)は、12種類の運転動作が可能になっており、▲1▼-C:通常冷房運転、▲1▼-H:通常暖房運転、▲2▼-C:製氷蓄熱運転、▲2▼-H:温水蓄熱運転、▲3▼-C:製氷蓄熱兼冷房運転、▲3▼-H:温水蓄熱兼暖房運転、▲4▼-C:製氷蓄熱兼暖房運転、▲4▼-H:温水蓄熱兼冷房運転、▲5▼-C:氷蓄熱をコンデンサ利用した冷房運転、▲5▼-H:温水蓄熱をクーラ利用した暖房運転、▲6▼-C:氷利用冷房運転、▲6▼-H:温水利用暖房運転、の12種類である。以下、順に各動作を説明する。
【0046】
−▲1▼-C:通常冷房運転−
図2に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮して液冷媒配管(25-L)を流れ、方向制御回路(50)の流出入点Aと流出点Sを通り、各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Bを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)で膨張して室内熱交換器(24,24,…)で蒸発する。その後、上記冷媒は圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返して室内を冷房する。
【0047】
−▲1▼-H:通常暖房運転−
図3に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、室内熱交換器(24,24,…)で凝縮して液冷媒配管(25-L)を流れ、分岐通路(25-B)から各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Aを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、室外膨張弁(EV-O)で膨張して室外熱交換器(23)で蒸発する。その後、上記冷媒は圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返して室内を暖房する。
【0048】
−▲2▼-C:製氷蓄熱運転−
図4に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮して液冷媒配管(25-L)を流れ、方向制御回路(50)の流出入点Aと流出点Sを通り、各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Bを通り、電磁弁(SV-1)が閉鎖しているので、液冷媒配管(25-L)から蓄熱回路(30)の流入液管(35-I)を流れ、蓄熱膨張弁(EV-C)で膨張して蓄熱用熱交換器(32)で蒸発する。その後、上記冷媒はガス管(34)を経て圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返す一方、上記蓄熱用熱交換器(32)で蓄熱媒体と冷媒とを熱交換させ、循環ポンプ(P)を駆動して冷熱である氷を蓄熱槽(31)に貯溜する。
【0049】
−▲2▼-H:温水蓄熱運転−
図5に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、ガス管(34)を経て蓄熱用熱交換器(32)で凝縮し、流出液管(35-O)を流れ、各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Aを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、室外膨張弁(EV-O)で膨張して室外熱交換器(23)で蒸発する。その後、上記冷媒は圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返す一方、上記蓄熱用熱交換器(32)で蓄熱媒体と冷媒とを熱交換させ、循環ポンプ(P)を駆動して温熱である温水を蓄熱槽(31)に貯溜する。
【0050】
−▲3▼-C:製氷蓄熱兼冷房運転−
図6に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮して液冷媒配管(25-L)を流れ、方向制御回路(50)の流出入点Aと流出点Sを通り、各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Bを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、一部が蓄熱回路(30)の流入液管(35-I)に分流する一方、他の冷媒が室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)で膨張して室内熱交換器(24,24,…)で蒸発する。その後、上記冷媒は圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返して室内を冷房する。
【0051】
一方、上記液冷媒配管(25-L)から分流した冷媒は、蓄熱回路(30)の流入液管(35-I)を流れ、蓄熱膨張弁(EV-C)で膨張して蓄熱用熱交換器(32)で蒸発する。その後、上記冷媒はガス管(34)を経て圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返す一方、上記蓄熱用熱交換器(32)で蓄熱媒体と冷媒とを熱交換させ、循環ポンプ(P)を駆動して冷熱である氷を蓄熱槽(31)に貯溜する。
【0052】
−▲3▼-H:温水蓄熱兼暖房運転−
図7に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒の一部が室内熱交換器(24,24,…)で凝縮して液冷媒配管(25-L)を流れ、分岐通路(25-B)から各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Aを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、室外膨張弁(EV-O)で膨張して室外熱交換器(23)で蒸発する。その後、上記冷媒は圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返して室内を暖房する。
【0053】
一方、上記ガス管(34)に分流した冷媒は、蓄熱用熱交換器(32)で凝縮し、流出液管(35-O)を流れ、液冷媒配管(25-L)で室内熱交換器(24,24,…)からの冷媒と合流して圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返す一方、上記蓄熱用熱交換器(32)で蓄熱媒体と冷媒とを熱交換させ、循環ポンプ(P)を駆動して温熱である温水を蓄熱槽(31)に貯溜する。
【0054】
−▲4▼-C:製氷蓄熱兼暖房運転−
図8に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、室内熱交換器(24,24,…)で凝縮して液冷媒配管(25-L)を流れ、分岐通路(25-B)から各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Bを通り、電磁弁(SV-1)が閉鎖されているので、蓄熱回路(30)の流入液管(35-I)を流れ、蓄熱膨張弁(EV-C)で膨張して蓄熱用熱交換器(32)で蒸発する。その後、上記冷媒はガス管(34)を経て圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返して室内を暖房する一方、上記蓄熱用熱交換器(32)で蓄熱媒体と冷媒とを熱交換させて熱回収し、循環ポンプ(P)を駆動して冷熱である氷を蓄熱槽(31)に貯溜する。
【0055】
−▲4▼-H:温水蓄熱兼冷房運転−
図9に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、ガス管(34)を経て蓄熱用熱交換器(32)で凝縮し、流出液管(35-O)を流れ、各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Bを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)で膨張して室内熱交換器(24,24,…)で蒸発する。その後、上記冷媒は圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返して室内を冷房する一方、上記蓄熱用熱交換器(32)で蓄熱媒体と冷媒とを熱交換させ、循環ポンプ(P)を駆動して温熱である温水を蓄熱槽(31)に貯溜する。
【0056】
−▲5▼-C:氷蓄熱をコンデンサ利用した冷房運転−
図10に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、ガス管(34)を経て蓄熱用熱交換器(32)で凝縮し、流出液管(35-O)を流れ、各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Bを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)で膨張して室内熱交換器(24,24,…)で蒸発する。その後、上記冷媒は圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返して室内を冷房する。つまり、この場合、上記蓄熱槽(31)に冷熱である氷が蓄熱されており、氷蓄熱をコンデンサに使用して冷房を行うことになる。
【0057】
−▲5▼-H:温水蓄熱をクーラ利用した暖房運転−
図11に示すように、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、室内熱交換器(24,24,…)で凝縮して液冷媒配管(25-L)を流れ、分岐通路(25-B)から各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Bを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、電磁弁(SV-1)が閉鎖されているので、蓄熱回路(30)の流入液管(35-I)を流れ、蓄熱膨張弁(EV-C)で膨張して蓄熱用熱交換器(32)で蒸発する。その後、上記冷媒はガス管(34)を経て圧縮機(21)に戻り、この循環を繰り返して室内を暖房する。つまり、この場合、上記蓄熱槽(31)に温熱である温水が蓄熱されており、温水蓄熱をクーラに使用して暖房を行うことになる。
【0058】
−▲6▼-H:温水利用暖房運転−
図12に示すように、本発明の特徴とする運転であって、主冷媒回路(20)の圧縮機(21)を停止すると共に、サブ冷凍機(40)の運転は停止しており、主冷媒回路(20)は自然循環方式で冷媒が循環することになる。その際、蓄熱回路(30)の循環ポンプ(P)を駆動して温熱である温水を蓄熱用熱交換器(32)に供給している。
【0059】
この状態において、主冷媒回路(20)の冷媒は、蓄熱用熱交換器(32)において温水と熱交換して蒸発してガス化し、温水から冷媒に温熱が付与される。この冷媒は、ガスに変態することによって体積が膨張するので、地下に設置された蓄熱回路(30)のガス管(34)から室内熱交換器(24,24,…)に上昇し、各室内熱交換器(24,24,…)に流入する。そして、該各室内熱交換器(24,24,…)でガス冷媒は凝縮して液冷媒に変態して室内を暖房することになる。
【0060】
その後、上記液冷媒は、各室内熱交換器(24,24,…)から自重で落下して液冷媒配管(25-L)を流れ、分岐通路(25-B)から各サブ熱交換器(43,44)を介して1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記液冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Bを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、電磁弁(SV-1)が閉鎖されているので、蓄熱回路(30)の流入液管(35-I)を流れ、蓄熱膨張弁(EV-C)で膨張して蓄熱用熱交換器(32)に戻り、再び温水から温熱が付与されて蒸発する。この動作を繰り返して蓄熱利用暖房運転が実行される。
【0061】
−▲6▼-C:氷利用冷房運転−
図13に示すように、この冷房運転時は、主冷媒回路(20)は自然循環方式では冷媒が循環することができないので、本発明の特徴として、サブ冷凍機(40)を駆動して冷媒を循環させることになる。その際、主冷媒回路(20)の圧縮機(21)を停止すると共に、蓄熱回路(30)の循環ポンプ(P)を駆動して温熱である冷水を蓄熱用熱交換器(32)に供給している。
【0062】
この状態において、主冷媒回路(20)の冷媒は、蓄熱用熱交換器(32)において冷水と熱交換して凝縮して液化し、冷水から冷媒に冷熱が付与される。この液冷媒は、流出液管(35-O)を通ってサブ冷凍機(40)の各サブ熱交換器(43,44)に流入することになり、この液冷媒自体では、高所の各室内熱交換器(24,24,…)に移動する移動力を要しないので、各サブ熱交換器(43,44)に溜ることになる。
【0063】
このサブ冷凍機(40)は、1つの冷凍サイクルを構成しているので、サブ冷媒は、圧縮機(41)より吐出して一方のサブ熱交換器(43,44)で凝縮した後、膨張弁(EV-S)で膨張し、他方のサブ熱交換器(43,44)で蒸発して圧縮機(41)に戻る循環を繰り返す。例えば、第1サブ熱交換器(43)が凝縮器となり、第2サブ熱交換器(44)が蒸発器となっている場合、この第1サブ熱交換器(43)では冷媒が加熱されて圧力が上昇し、該第1サブ熱交換器(43)に溜っている液冷媒が排出される。つまり、該冷媒が移動力を得ることになる。
【0064】
一方、上記第2サブ熱交換器(44)では冷媒が冷却されて圧力が低下し、該第2サブ熱交換器(44)に液冷媒が流入することになる。この排出と流入とを両サブ熱交換器(43,44)で交互に繰り返すことによって、ほぼ連続的に液冷媒が1方向通路(25-W)を流れる。そして、上記液冷媒は、方向制御回路(50)の流入点Iと流出入点Bを通り、液冷媒配管(25-L)を流れ、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)で膨張して室内熱交換器(24,24,…)で蒸発し、ガス化して室内を冷房することになる。このガス冷媒は、膨張するので、各室内熱交換器(24,24,…)からガス管(34)を経て蓄熱用熱交換器(32)に戻り、再び冷水から冷熱が付与されて凝縮する。この動作を繰り返して蓄熱利用冷房運転が実行される。
【0065】
−四路切換弁の制御動作−
次に、上述した▲6▼-Cの氷利用冷房運転におけるサブ冷凍機(40)の四路切換弁(42)の切り換え制御について図14に基き説明する。
【0066】
上記サブ冷凍機(40)の圧縮機(41)の吐出側には、圧力センサ(SP)が設けられており、該圧力センサ(SP)は吐出圧力が所定圧力になるとオフすることになる。したがって、ステップST11において、圧力センサ(SP)がオフしたか否かを判定し、オフするまで四路切換弁(42)を現状のまま維持する一方、圧力センサ(SP)がオフすると、上記ステップST11からステップST12に移り、四路切換弁(42)を切り換えることになる。そして、上記ステップST11に戻り、上述の動作を繰り返すことになる。
【0067】
つまり、例えば、第1サブ熱交換器(43)を加熱して液冷媒が全て流出すると、該第1サブ熱交換器(43)はガス冷媒が充満するので、サブ冷媒との熱交換率が低下し、圧縮機(41)の吐出圧力が上昇するので、この吐出圧力が所定値になると、四路切換弁(42)を切り換える。そして、第2サブ熱交換器(44)を凝縮器に、第1サブ熱交換器(43)を蒸発器にする。この動作を繰り返すことになる。
【0068】
−膨張弁の制御動作−
次に、上述した▲1▼-Cの通常冷房運転や▲6▼-Cの氷利用冷房運転における室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)の開度制御について図15に基き説明する。
【0069】
先ず、ステップST21において、冷媒回路を判定し、つまり、主冷媒回路(20)を用いた空調運転か、サブ冷凍機(40)等を利用した蓄熱利用運転かを判定する。そして、上記主冷媒回路(20)を用いた空調運転である場合、上記ステップST21からステップST22に移り、膨張弁を過熱度制御してステップST21に戻りこの動作を繰り返すことになる。
【0070】
具体的に、通常冷房運転時には、室内熱交換器(24,24,…)における冷媒温度の過熱度が所定温度になるように室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)の開度をPI制御することになる。尚、通常暖房運転時及び温水に蓄熱運転時は、室外熱交換器(23)における冷媒温度の過熱度が所定温度になるように室外膨張弁(EV-O)の開度をPI制御し、製氷蓄熱運転時には、蓄熱用熱交換器(32)における冷媒温度の過熱度が所定温度になるように蓄熱膨張弁(EV-C)の開度をPI制御することになる。
【0071】
一方、蓄熱利用の冷房運転である場合、上記ステップST21からステップST23に移り、室内温度と設定温度とを比較する。そして、室内温度が設定温度に対して±1℃の範囲内である場合、ステップST23からステップST24に移り、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)の開度を現状のままにしてステップST21に戻り、この動作を繰り返すことになる。
【0072】
また、上記室内温度が設定温度に対して1℃以上高い場合、ステップST23からステップST25に移り、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)の開度を一定量大きくしてステップST21に戻り、この動作を繰り返すことになる。
【0073】
また、上記室内温度が設定温度に対して1℃以上低い場合、ステップST23からステップST26に移り、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)の開度を一定量小さくしてステップST21に戻り、この動作を繰り返すことになる。
【0074】
つまり、室内負荷に対応して室内熱交換器(24,24,…)を流れる冷媒流量を調節し、負荷が大きい場合冷媒流量を多くし、逆に、負荷が小さい場合は冷媒流流を少なくすることになる。
【0075】
尚、蓄熱利用の暖房運転時は、蓄熱利用の冷房運転時と逆の動作になり、室内温度が設定温度に対して1℃以上高い場合、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)の開度を一定量小さくし、室内温度が設定温度に対して1℃以上低い場合、室内膨張弁(EV-I,EV-I,…)の開度を一定量大きくすることになる。
【0076】
−実施形態1の効果−
以上のように本実施形態1によれば、サブ冷凍機(40)の熱エネルギによって主冷媒回路(20)の冷媒の搬送力を得るようにしたために、従来のようにポンプ等を使用しないので、小さな動力で確実に冷媒搬送を行うことができ、省エネルギ化を図ることができる。つまり、上記サブ冷凍機(40)は、主冷媒回路(20)の冷媒に移動力を付与するように加熱するのみであるので、サブ冷凍機(40)の圧縮機(41)の容量は主冷媒回路(20)の圧縮機(21)の容量の20%程度であり、省エネルギ化を図ることができる。
【0077】
また、冷媒制御が容易であり、且つ蓄熱利用運転時に主冷媒回路(20)に駆動部分がないので、信頼性を向上させることができる。
【0078】
また、蓄熱利用運転時に従来のように湿り運転等を考慮する必要がなく、空調運転の信頼性を向上させることができる。
【0079】
また、上記サブ冷凍機(40)の故障時には、主冷媒回路(20)で空調運転を継続することができるので、より信頼性の向上を図ることができる。
【0080】
【発明の実施の形態2】
本実施形態2は、図16に示しており、請求項2の実施形態を示し、主冷媒回路(20)の圧縮機(21)が実施形態1におけるサブ冷凍機(40)の圧縮機(41)を兼用するようにしたものである。具体的に、上記サブ冷凍機(40)の四路切換弁(42)における2つのポートがメイン冷凍機の圧縮機(21)の吐出側と吸込側とに三方弁(3W-1,3W-2)を介してに接続されている。そして、上記主冷媒回路(20)の圧縮機(21)はインバータ制御されて低容量から高容量まで制御可能に構成されている。
【0081】
したがって、本実施形態2では、▲6▼-Cの氷利用冷房運転時に主冷媒回路(20)の圧縮機(21)を低容量で駆動し、該圧縮機(21)から吐出した冷媒は、両サブ熱交換器(43,44)で凝縮と蒸発とを行って圧縮機(21)に戻る循環を行うことになる。そして、主冷媒回路(20)においては、実施形態1と同様に、主冷媒回路(20)の冷媒が両サブ熱交換器(43,44)で移動力を得て蓄熱用熱交換器(32)と各室内熱交換器(24,24,…)を循環し、室内を冷房することになる。
【0082】
この結果、本実施形態2では、1つの圧縮機(21)で冷媒に移動力を付与することができるので、部品点数の軽減を図ることができ、構成の簡略化を図ることができる。その他の構成及び作用・効果は実施形態1と同様である。
【0083】
【発明の他の実施の形態】
上記実施形態1及び実施形態2においては、蓄熱回路(30)やサブ冷凍機(40)を地下に設置するようにしたが、請求項4に係る発明の実施形態として、上記蓄熱回路(30)やサブ冷凍機(40)を屋上等の高所に設置し、室内熱交換器(24,24,…)が低所に位置するようにしてもよい。
【0084】
その際、上記▲6▼-Cの氷利用冷房運転時には、主冷媒回路(20)の冷媒が蓄熱用熱交換器(32)と各室内熱交換器(24,24,…)を自然循環することになるが、上記▲6▼-Hの温水利用暖房運転時に自然循環しないので、サブ冷凍機(40)を駆動し、冷媒に移動力を与えることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す空気調和装置の冷媒回路図である。
【図2】▲1▼-Cの通常冷房運転を示す冷媒回路図である。
【図3】▲1▼-Hの通常暖房運転を示す冷媒回路図である。
【図4】▲2▼-Cの製氷蓄熱運転を示す冷媒回路図である。
【図5】▲2▼-Hの温水蓄熱運転を示す冷媒回路図である。
【図6】▲3▼-Cの製氷蓄熱兼冷房運転を示す冷媒回路図である。
【図7】▲3▼-Hの温水蓄熱兼暖房運転を示す冷媒回路図である。
【図8】▲4▼-Cの製氷蓄熱兼暖房運転を示す冷媒回路図である。
【図9】▲4▼-Hの温水蓄熱兼冷房運転を示す冷媒回路図である。
【図10】▲5▼-Cの氷蓄熱をコンデンサ利用した冷房運転を示す冷媒回路図である。
【図11】▲5▼-Hの温水蓄熱をクーラ利用した暖房運転を示す冷媒回路図である。
【図12】▲6▼-Cの氷利用冷房運転を示す冷媒回路図である。
【図13】▲6▼-Hの温水利用暖房運転を示す冷媒回路図である。
【図14】搬送用冷凍回路の切り換え動作を示す制御フロー図である。
【図15】主冷媒回路の膨張弁の切り換え動作を示す制御フロー図である。
【図16】実施形態2を示す空気調和装置の冷媒回路図である。
【符号の説明】
10 空気調和装置
20 主冷媒回路
21 圧縮機
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
24 室内熱交換器(利用側熱交換器)
25 冷媒配管
25-M 液ライン
EV-O 室外膨張弁(熱源側膨張機構)
EV-I 室内膨張弁(利用側膨張機構)
30 蓄熱回路
31 蓄熱槽
32 蓄熱用熱交換器
40 サブ冷凍機(搬送用冷凍回路)
41 圧縮機
43,44 サブ熱交換器
EV-S 膨張弁(膨張機構)

Claims (4)

  1. 圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(EV-0)と利用側膨張機構(EV-I)と利用側熱交換器(24)とが冷媒配管(25)によって接続され、冷媒流通方向が可逆可能に構成されている主冷媒回路(20)と、
    熱源媒体が蓄熱槽(31)と蓄熱用熱交換器(32)との間で循環可能に構成されると共に、主冷媒回路(20)の冷媒と熱源媒体との間で熱交換するように該蓄熱用熱交換器(32)の一端が主冷媒回路(20)の液ライン(25-M)に蓄熱用膨張機構(EV-C)を介して接続され、他端が主冷媒回路(20)の圧縮機(21)の吐出側と吸込側とに切り換え可能に接続された蓄熱回路(30)とを備え、
    少なくとも主冷媒回路(20)の冷媒が圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と利用側熱交換器(24)との間を循環して空調を行う通常運転と、主冷媒回路(20)の冷媒が圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と蓄熱用熱交換器(32)との間を循環して蓄熱を行う蓄熱運転と、主冷媒回路(20)の冷媒が利用側熱交換器(24)と蓄熱用熱交換器(32)との間を循環して蓄熱利用の空調を行う蓄熱利用運転とを行うようにした空気調和装置であって、
    圧縮機(41)と第1サブ熱交換器(43)と膨張機構(EV-S)と第2サブ熱交換器(44)とが順に接続され、サブ冷媒が一方のサブ熱交換器(43,44)で凝縮し、他方のサブ熱交換器(43,44)で蒸発する可逆運転可能な1つの冷凍サイクルを構成すると共に、両サブ熱交換器(43,44)が主冷媒回路(20)の液ライン(25-M)の途中に接続され、蓄熱利用の冷房又は暖房を行う蓄熱利用運転時にサブ冷媒が主冷媒回路(20)の液冷媒を冷却及び加熱して該液冷媒に移動力を付与する搬送用冷凍回路(40)を備えている
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(EV-0)と利用側膨張機構(EV-I)と利用側熱交換器(24)とが冷媒配管(25)によって接続され、冷媒流通方向が可逆可能に構成されている主冷媒回路(20)と、
    熱源媒体が蓄熱槽(31)と蓄熱用熱交換器(32)との間で循環可能に構成されると共に、主冷媒回路(20)の冷媒と熱源媒体との間で熱交換するように該蓄熱用熱交換器(32)の一端が主冷媒回路(20)の液ライン(25-M)に蓄熱用膨張機構(EV-C)を介して接続され、他端が主冷媒回路(20)の圧縮機(21)の吐出側と吸込側とに切り換え可能に接続された蓄熱回路(30)とを備え、
    少なくとも主冷媒回路(20)の冷媒が圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と利用側熱交換器(24)との間を循環して空調を行う通常房運転と、主冷媒回路(20)の冷媒が圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と蓄熱用熱交換器(32)との間を循環して蓄熱を行う蓄熱運転と、主冷媒回路(20)の冷媒が利用側熱交換器(24)と蓄熱用熱交換器(32)との間を循環して蓄熱利用の空調を行う蓄熱利用運転とを行うようにした空気調和装置であって、
    第1サブ熱交換器(43)と膨張機構(EV-S)と第2サブ熱交換器(44)とが順に接続されると共に、主冷媒回路(20)の圧縮機(21)に接続され、サブ冷媒が一方のサブ熱交換器(43,44)で凝縮し、他方のサブ熱交換器(43,44)で蒸発する可逆運転可能に構成される一方、両サブ熱交換器(43,44)が主冷媒回路(20)の液ライン(25-M)の途中に接続され、蓄熱利用の冷房又は暖房を行う蓄熱利用運転時にサブ冷媒が主冷媒回路(20)の液冷媒を冷却及び加熱して該液冷媒に移動力を付与する搬送用冷凍回路(40)を備えている
    ことを特徴とする空気調和装置。
  3. 請求項1又は2記載の空気調和装置において、
    少なくとも主冷媒回路(20)の利用側熱交換器(24)が高所に、蓄熱回路(30)の蓄熱用熱交換器(32)が低所に設置され、
    蓄熱利用の冷房を行う蓄熱利用運転時に搬送用冷凍回路(40)が駆動して主冷媒回路(20)の冷媒に移動力を与える
    ことを特徴とする空気調和装置。
  4. 請求項1又は2記載の空気調和装置において、
    少なくとも蓄熱回路(30)の蓄熱用熱交換器(32)が高所に、主冷媒回路(20)の利用側熱交換器(24)が低所に設置され、
    蓄熱利用の暖房を行う蓄熱利用運転時に搬送用冷凍回路(40)が駆動して主冷媒回路(20)の冷媒に移動力を与える
    ことを特徴とする空気調和装置。
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