JP3635339B2 - 蛍光x線分析装置 - Google Patents
蛍光x線分析装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3635339B2 JP3635339B2 JP2001321600A JP2001321600A JP3635339B2 JP 3635339 B2 JP3635339 B2 JP 3635339B2 JP 2001321600 A JP2001321600 A JP 2001321600A JP 2001321600 A JP2001321600 A JP 2001321600A JP 3635339 B2 JP3635339 B2 JP 3635339B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sample
- ray
- fluorescent
- solidified
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料に1次X線を照射して、試料から発生する蛍光X線を検出するX線分析において、試料に応じて検出中の温度を適切に維持することにより、より正確な分析を行うことができるX線分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の蛍光X線分析装置は、特に試料の検出中の温度を維持するような手段を備えておらず、検出中は1次X線を照射されるため、試料の温度は、例えば50度(摂氏、以下同じ)程度まで上昇する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、一般に真空中で行われる蛍光X線分析に対応させて、油状の試料を凝固させた固化試料があり(特願平6−339435号参照)、発明者は、この固化試料において、熱分析により、約40度から90度の範囲で状態変化を起こすことを見出した。固化試料は、約90度以上で液体となって状態は安定するが、真空中では飛散するため、蛍光X線分析には適さない。
【0005】
すなわち、前記固化試料では、検出中の温度上昇により、発生する蛍光X線強度も変化する。したがって、検出中の試料の温度を管理をしない従来の蛍光X線分析装置では、試料間の比較ができず、正確な定量分析を行うことができない。
【0006】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、試料に1次X線を照射して、試料から発生する2次X線を検出するX線分析において、試料に応じて検出中の温度を適切に維持することにより、より正確な分析を行うことができるX線分析装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の蛍光X線分析装置は、油状の試料を凝固させた固化試料を対象とし、検出中に固化試料を冷却するペルチェ素子と、検出中の固化試料の温度を、状態変化が起きず蛍光X線強度が安定するような所定の温度以下に維持するように、ペルチェ素子を制御する制御手段とを備えている。
【0008】
請求項1の装置によれば、試料に応じ、検出中の試料の温度が適切な所定の温度以下に維持されるように、検出中に試料が冷却されるので、発生する蛍光X線強度が安定し、より正確な分析を行うことができる。
【0009】
請求項2の蛍光X線分析装置は、油状の試料を凝固させた固化試料を対象とし、検出中に固化試料を加熱または冷却するペルチェ素子と、検出中の固化試料の温度を、状態変化が起きず蛍光X線強度が安定するような所定の範囲内に維持するように、ペルチェ素子を制御する制御手段とを備えている。
【0010】
請求項2の装置によれば、試料に応じ、検出中の試料の温度が適切な所定の範囲内に維持されるように、検出中に試料が加熱または冷却されるので、やはり、発生する蛍光X線強度が安定し、より正確な分析を行うことができる。
【0011】
請求項3の蛍光X線分析装置は、前記固化試料が保持される試料ホルダを備え、前記ペルチェ素子が、その試料ホルダに設けられている。
【0012】
請求項3の装置によれば、構造がさほど複雑化せずに、発生する蛍光X線強度が安定し、より正確な分析を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態である蛍光X線分析装置を図面にしたがって説明する。まず、この蛍光X線分析装置での試料の搬出入について説明する。図1において、図面左側のテーブル10には、複数の試料カップ (被搬送物)11 が載置されており、このテーブル10が旋回することで、ストック位置P1の試料カップ11が搬出入位置P2に移送される。試料カップ11の内部には、破線で示すように、試料12が内蔵されている。すなわち、テーブル10は後述する試料室15へ搬入されるべき試料12を選択する選択手段10である。テーブル10の右側の第1の搬送装置13には、2本のアーム13a の先端部に、それぞれ、第1の蓋体18が設けられている。第1の蓋体18の内部には、試料カップ11を把持するハンドリング部14が設けられている。この第1の搬送装置13は、前記アーム13a が昇降駆動および旋回駆動することによって、搬出入位置P2と後述する予備真空室20との間にわたって、試料カップ11を搬送する。
【0014】
第1の搬送装置13の右側には試料室15が設けられており、この試料室15のさらに右側には、試料室15に連通状態の分光室31が隣接して設けられている。前記試料室15および分光室31は、真空容器16によって形成されて気密な真空室とされている。
【0015】
試料室15の左上部には、試料室15に試料カップ11を搬出入する搬出入口17が形成されている。この搬出入口17の下方には、上下動することにより、搬出入口17を開閉する第2の蓋体19が設けられている。前記第1および第2の蓋体18, 19は、真空容器16における搬出入口17の周囲のそれぞれ外面および内面に圧接して、予備真空室20を形成する。
【0016】
試料室15の下部において、第2の搬送装置23は、一対の第2の蓋体19と、一対の昇降ロッド22と、ターレット21とを備えている。第2の蓋体19は、試料カップ11を載せて、試料カップ11を受け渡しする受皿状のハンドリング部を構成している。ターレット21は、一対の第2の蓋体19を載せる載置部21a を有しており、この載置部21a の中央に、図示しない貫通孔が形成されている。昇降ロッド22は、真空容器16およびターレット21の前記貫通孔を上下に貫通して、第2の蓋体19を上下動させる。なお、両蓋体18, 19と真空容器16との当接面には、真空シールが設けられている。
【0017】
X線源たるX線管30は、その先端部が試料室15に挿入されており、試料12に向かって1次X線B1を出射する。入射した1次X線B1は試料12の原子を励起して、その元素固有の蛍光X線B2を発生させる。試料12からの蛍光X線B2は、分析室31内のソーラスリット32を通った後、分光器33で分光され、検出器34に入射して検出される。この検出値に基づいて、周知のように、試料12の元素分析がなされる。
【0018】
つぎに、前記試料カップ11の搬入動作について説明する。
予め、第2の蓋体19は、試料カップ11を載置していない状態で、真空容器16における搬出入口17の周囲の内面に圧接している。これにより、搬出入口17が閉塞されて、試料室15が真空状態に保たれる。
【0019】
試料カップ12は、テーブル10が旋回することにより、ストック位置P1から搬出入位置P2に移送される。この後、第1の搬送装置13のアーム13a が下降し、ハンドリング部14で試料カップ11を把持した後、アーム13a が上昇、旋回、下降して、試料カップ11が予備真空室20内に搬入される。同時に、第1の蓋体18が真空容器16に当接して、この図に示すように、予備真空室20が閉塞される。
【0020】
この後、予備真空室20内を排気するとともに、第1の蓋体18が、試料カップ11の把持を解除して、第2の蓋体19上に試料カップ11を移載する。
【0021】
その後、左側の昇降ロッド22が下降して、第2の蓋体19がターレット21上に載置される。この載置後、ターレット21が旋回し、右側の昇降ロッド22が上昇して、試料カップ11が第2の蓋体19と共に分析位置P3まで移送される。すなわち、ターレット21は、試料室15内で試料12を水平方向に移動させる移動手段21である。前記移送後、所定の元素分析がなされる。なお、搬出動作は、搬入動作と同時に行われるが、搬入動作と同様であり、その詳しい説明を省略する。
【0022】
さて、図2に示すように、円板状の試料12は、段差のある円形の孔を有する円板状の試料ホルダ4に、その孔の段4aにより保持され、試料ホルダ4は、底部11b と輪状の段11a を有する円筒状の試料カップ11に、その段11a により保持されている。
【0023】
第1実施形態の装置においては、油状の試料を凝固させた固化試料 12 を対象とし、蛍光X線B2の検出中に(分析位置P3にある)試料12を冷却するペルチェ素子3(図2において2点鎖線で示す)を、試料ホルダ4の内部に設けている。ペルチェ素子3は、試料ホルダ4の外部に接触するように設けてもよい。また、第1実施形態の装置は、前記検出中の試料12の温度を、状態変化が起きず蛍光X線強度が安定するような所定の温度以下に維持するように、検出中にペルチェ素子3を制御する制御手段6を備えている。制御手段は、冷却中の試料12の温度を測定する温度センサ等を含んでいてもよい。
【0024】
第1実施形態の蛍光X線分析装置によれば、試料12に応じ、検出中の試料12の温度が適切な所定の温度以下に維持されるように、検出中に試料12が冷却されるので、前記固化試料のように所定の温度以下でのみ蛍光X線分析に適しかつ強度が安定する試料12においても、発生する蛍光X線強度が安定し、正確な分析を行うことができる。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態である蛍光X線分析装置を図2にしたがって説明する。第2実施形態の装置も油状の試料を凝固させた固化試料 12 を対象とするが、第1実施形態の装置においてペルチェ素子3を逆向きにも通電し、試料12の加熱をも行うものである。また、第2実施形態の装置は、前記検出中の試料12の温度を、状態変化が起きず蛍光X線強度が安定するような所定の範囲内に維持するように、検出中にペルチェ素子3を制御する制御手段6を備えている。制御手段は、加熱または冷却中の試料12の温度を測定する温度センサ等を含んでいてもよい。なお、その他の構成は第1実施形態の装置と同じである。
【0026】
第2実施形態の蛍光X線分析装置によれば、試料12に応じ、検出中の試料12の温度が適切な所定の範囲内に維持されるように、検出中に試料12が加熱または冷却されるので、所定の温度範囲内でのみ蛍光X線分析に適しかつ強度が安定する試料12においても、発生する蛍光X線強度が安定し、正確な分析を行うことができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の装置によれば、試料に応じ、検出中の試料の温度が適切な所定の温度以下に維持されるように、検出中に試料が冷却されるの で、発生する蛍光X線強度が安定し、より正確な分析を行うことができる。
【0028】
請求項2の装置によれば、試料に応じ、検出中の試料の温度が適切な所定の範囲内に維持されるように、検出中に試料が加熱または冷却されるので、やはり、発生する蛍光X線強度が安定し、より正確な分析を行うことができる。
【0029】
請求項3の装置によれば、構造がさほど複雑化せずに、発生する蛍光X線強度が安定し、より正確な分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2実施形態である蛍光X線分析装置を示す正面図である。
【図2】同装置の要部を示す正面図である。
【符号の説明】
3…ペルチェ素子、4…試料ホルダ、6…制御手段、10…選択手段(テーブル)、11…試料カップ、12…試料、15…試料室、21…移動手段(ターレット)、30…X線源、34…検出器、B1…1次X線、B2…蛍光X線。
Claims (3)
- 油状の試料を凝固させた固化試料に1次X線を入射させるX線源と、
前記固化試料から発生した蛍光X線を検出する検出器とを備えた蛍光X線分析装置において、
前記検出中に前記固化試料を冷却するペルチェ素子と、
前記検出中の前記固化試料の温度を、状態変化が起きず蛍光X線強度が安定するような所定の温度以下に維持するように、前記ペルチェ素子を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする蛍光X線分析装置。 - 油状の試料を凝固させた固化試料に1次X線を入射させるX線源と、
前記固化試料から発生した蛍光X線を検出する検出器とを備えた蛍光X線分析装置において、
前記検出中に前記固化試料を加熱または冷却するペルチェ素子と、
前記検出中の前記固化試料の温度を、状態変化が起きず蛍光X線強度が安定するような所定の範囲内に維持するように、前記ペルチェ素子を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする蛍光X線分析装置。 - 請求項1または2において、
前記固化試料が保持される試料ホルダを備え、
前記ペルチェ素子が、その試料ホルダに設けられている蛍光X線分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001321600A JP3635339B2 (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 蛍光x線分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001321600A JP3635339B2 (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 蛍光x線分析装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20921996A Division JP3268977B2 (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 蛍光x線分析装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002181741A JP2002181741A (ja) | 2002-06-26 |
JP3635339B2 true JP3635339B2 (ja) | 2005-04-06 |
Family
ID=19138789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001321600A Expired - Fee Related JP3635339B2 (ja) | 2001-10-19 | 2001-10-19 | 蛍光x線分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3635339B2 (ja) |
-
2001
- 2001-10-19 JP JP2001321600A patent/JP3635339B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002181741A (ja) | 2002-06-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005093750A (ja) | 熱処理装置 | |
KR102363775B1 (ko) | 용탕 샘플러 | |
JP5801334B2 (ja) | 核酸増幅装置及びそれを用いた核酸検査装置 | |
CN106104250B (zh) | 低温存储系统 | |
JP3635339B2 (ja) | 蛍光x線分析装置 | |
US5162233A (en) | Method of detecting and analyzing impurities | |
TWI297512B (en) | Heat treating apparatus and method | |
JP2002542620A (ja) | 制御された温度で材料を処理するための装置 | |
JP3268977B2 (ja) | 蛍光x線分析装置 | |
JPH09304253A (ja) | 不純物濃縮・分析方法およびこれに用いる装置 | |
JP2587200Y2 (ja) | 真空室への搬出入装置 | |
JP2982072B2 (ja) | 分光目的のサンプルの電熱霧化装置 | |
CN113311014A (zh) | 荧光x射线分析装置 | |
JP3928014B2 (ja) | 蛍光x線分析装置 | |
US4980538A (en) | Heating and temperature-control device for biological sample containers | |
JP3247665B2 (ja) | X線分析装置における試料交換機 | |
JP4083998B2 (ja) | 真空カメラ | |
US20240084411A1 (en) | Light irradiation type heat treatment method and heat treatment apparatus | |
US12033836B2 (en) | Nitriding apparatus and nitriding method | |
JP2005277242A (ja) | 基板加熱時の出力の決定方法 | |
JP5221236B2 (ja) | 石英製試料収容容器の製造方法及び石英製試料収容容器の製造装置 | |
WO2021100189A1 (ja) | Pcr容器、pcr容器支持装置、サーマルサイクラーおよび遺伝子検査装置 | |
JPH0917370A (ja) | コンタミ防止装置 | |
JPS5855616B2 (ja) | 走査電子顕微鏡等の試料装置 | |
US20210351015A1 (en) | Nitriding apparatus and nitriding method |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040810 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040913 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041207 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041210 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080114 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090114 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090114 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100114 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100114 Year of fee payment: 5 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100114 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110114 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |