JPH0917370A - コンタミ防止装置 - Google Patents

コンタミ防止装置

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Publication number
JPH0917370A
JPH0917370A JP7163857A JP16385795A JPH0917370A JP H0917370 A JPH0917370 A JP H0917370A JP 7163857 A JP7163857 A JP 7163857A JP 16385795 A JP16385795 A JP 16385795A JP H0917370 A JPH0917370 A JP H0917370A
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JP
Japan
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electron beam
sample
cooling plate
tilt
axis
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JP7163857A
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Inventor
Takao Komatsubara
岳雄 小松原
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Jeol Ltd
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Jeol Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 真空試料室内で電子線が照射される比較的
大きな試料を傾斜させて作業(顕微分析、観察作業等)
を行う場合に、コンタミ防止用の冷却板を使用できるよ
うにすること。 【構 成】 鏡筒6下端から照射される電子線に垂直な
傾斜用軸線T周りに傾斜可能で且つ傾斜角度が0°の場
合には前記電子線に垂直な支持面を有する傾斜台7と、
傾斜用軸線Tの下側の位置に試料Sを保持するとともに
前記傾斜台7の支持面に沿って移動可能な試料保持部材
(34〜36)と、傾斜用軸線Tを含み且つ前記傾斜台
7の支持面に平行な面内に配置されるとともに、電子線
通過孔49を有し、前記傾斜台7に固定された冷却板4
7と、電子線通過孔49よりも上方に配置され、且つ、
前記試料Sから放出されて電子線通過孔49を通過した
試料放出物を検出する検出器とを備えたコンタミ防止装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空試料室内部の試料
保持部材に保持された試料に電子線を照射する電子線照
射装置を有する、電子顕微鏡装置、電子、X線等を用い
た分析装置、等の、前記試料に対するコンタミ防止装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンタミ防止装置におい
ては、液体窒素で試料近辺を冷却して試料周りの炭化水
素を減らして、試料に付着するコンタミを減らしてい
た。TEMの様に試料が小さい場合は試料周り全体を冷
やすことが可能であるが、ウエハの様な大きい試料に対
しては試料周り全体を冷やすことは容易でない。前記ウ
エハの様な大きな試料のコンタミ防止に適用可能な装置
として、従来次の技術(J01)が知られている。 (J01)特開昭5−82062号公報記載の技術 この公報に記載には、コンタミ防止用の冷却板を、断熱
体とバネを介して対物レンズに取り付けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
(前記(J01)の問題点)前記(J01)の技術では、冷
却板が鏡筒または試料室に対して固定され且つ試料に接
近してその上方に配置されている。このように試料上方
に接近して冷却板が固定された装置を用い、試料を傾斜
させて作業を行う場合、試料が小さい場合には問題は生
じない。しかしながら、試料がウエハの様な比較的大き
な形状のものである場合には、試料を傾斜させた時に試
料が冷却板に接触するという問題点が生じる。したがっ
て、前記(J01)の技術ではウエハの様な形状の大きい
試料を傾斜させて作業を行う場合、コンタミ防止用の冷
却板を使用することができないという問題点があった。
さらに、冷却板と試料とが離れて配置された異なる部材
によって支持されているため、冷却板の電子線通過孔と
試料とのセンタリング操作も必要になるという問題点も
あった。
【0004】ところで一般に、前記試料の上方に接近し
て配置した冷却板の電子線通過孔(電子線照射用および
2次電子検出用の孔)はその形状が大きくなると、電子
線照射装置側からの有機ガスの通過量が多くなり、コン
タミ防止の効果が下がる。したがって、前記電子線通過
孔は作業に支障の無い範囲で小さい方が好ましい。
【0005】本発明は、前述の事情に鑑み、下記の記載
内容を課題とする。 (O01)真空試料室内で電子線が照射される比較的大き
な試料を傾斜させて作業(顕微分析、観察作業等)を行
う場合に、コンタミ防止用の冷却板を使用できるように
すること。 (O02)冷却板に形成する電子線通過孔の大きさ(面
積)を、作業に支障が出ない範囲で、なるべく小さくす
ること。
【0006】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。ま
た、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0007】(本発明)前記課題を解決するために、本
発明のコンタミ防止装置は、下記の要件を備えたことを
特徴とする、(Y01)下端部が下方に行くに従って先細
り形状の鏡筒(6)を有し、前記鏡筒(6)の下端部か
ら電子線を照射する電子線照射装置(5)、(Y02)前
記鏡筒(6)下端部の周囲を囲むように配置されて囲ん
だ内部に真空試料室(A)を形成する壁部材(2〜
4)、(Y03)前記鏡筒(6)下端から照射される電子
線に垂直な傾斜用軸線(T)周りに傾斜可能で且つ傾斜
角度が0°の場合には前記電子線に垂直な支持面を有す
る傾斜台(7)、(Y04)前記傾斜用軸線(T)を含み
且つ前記傾斜台(7)の支持面に平行な面内に試料
(S)を保持するとともに前記傾斜台(7)の支持面に
沿って移動可能な試料保持部材(34〜36)、(Y0
5)前記試料(S)上面に接近して配置されるととも
に、電子線通過孔(49)を有し、前記傾斜台(7)に
固定された冷却板(47)、(Y06)前記電子線通過孔
(49)よりも上方に配置され、且つ、前記試料(S)
から放出されて電子線通過孔(49)を通過した試料放
出物を検出する検出器。
【0008】(本発明の実施態様1)また、本発明の実
施態様1のコンタミ防止装置は、前記本発明のコンタミ
防止装置において下記の要件を備えたことを特徴とす
る、(Y001)前記傾斜用軸線(T)に垂直な方向に延
びる長孔により形成された前記電子線通過孔(49)。
【0009】(本発明の実施態様2)また、本発明の実
施態様2のコンタミ防止装置は、前記本発明または本発
明の実施態様1のコンタミ防止装置において下記の要件
を備えたことを特徴とする、(Y002)前記壁部材(2
〜4)に支持された冷媒容器(51)、(Y003)前記
冷媒容器(51)内の冷媒に冷却板(47)の熱を伝導
する熱伝導部材(54+55)。
【0010】(本発明の実施態様3)また、本発明の実
施態様3のコンタミ防止装置は、前記本発明の実施態様
2のコンタミ防止装置において下記の要件を備えたこと
を特徴とする、(Y004)前記冷却板(47)に接続さ
れる可撓性熱伝導部材(55)を有する前記熱伝導部材
(54+55)。
【0011】(本発明の実施態様3の補足説明)前記本
発明の実施態様3の可撓性熱伝導部材(55)として
は、例えば、熱伝導網線等の柔軟な材質の種々の高熱伝
導性材料を使用することができる。
【0012】
【作用】次に、前述の特徴を備えた本発明の作用を説明
する。 (本発明の作用)前述の特徴を備えた本発明のコンタミ
防止装置では、前記電子線照射装置(5)の前記鏡筒
(6)下端部の周囲を囲むように配置された壁部材(2
〜4)は、囲んだ内部に真空試料室(A)を形成する。
前記鏡筒(6)下端部の下方に配置された傾斜台(7)
は、前記鏡筒(6)下端から照射される電子線に垂直な
傾斜用軸線(T)周りに傾斜する。前記傾斜台(7)の
傾斜角度を0°とした状態では、傾斜台(7)の支持面
は、前記電子線に垂直になる。
【0013】前記傾斜台(7)の支持面に沿って移動可
能な試料保持部材(34〜36)は、前記傾斜用軸線
(T)を含む面内に試料(S)を保持する。前記傾斜台
(7)に固定された冷却板(47)は、前記試料(S)
上面に接近して前記傾斜台(7)の支持面に平行な面内
に配置される。したがって、傾斜角度が0°の場合に
は、前記傾斜台(7)の支持面に平行な冷却板(47)
は、電子線に垂直になり、冷却板(47)の電子線通過
孔(49)も電子線に垂直となる。前記電子線照射装置
(5)から照射される電子線は、前記電子線通過孔(4
9)を通って、前記試料(S)上の傾斜用軸線(T)に
垂直に入射する。この入射位置(すなわち、試料(S)
上の傾斜用軸線(T)と電子線との交点位置)は、傾斜
台(7)が傾斜しても移動しない。
【0014】電子線照射装置(5)は、下端部が下方に
行くに従って先細り形状の鏡筒(6)の下端部から電子
線を照射する。この電子線が前記冷却板(47)の電子
線通過孔(49)を通って、試料(S)に照射される
と、試料(S)から2次電子線等の試料放出物が放出さ
れる。放出された2次電子線等の試料放出物は、前記電
子線通過孔(49)を通って検出器により検出される。
冷却板(47)およびその電子線通過孔(49)は、前
記傾斜用軸線(T)を含む面内の試料(S)上面に近接
した位置に有るので、前記傾斜台(7)を傾斜用軸線
(T)周りに傾斜させた場合の電子線通過孔(49)の
位置の移動量は少ない。したがって、前記電子線通過孔
(49)は、傾斜台(7)が傾斜して、常に電子線の通
過位置に有ることになる。また、電子線照射装置(5)
の鏡筒(6)の下端部は下方に行くに従って先細り形状
をしており、また、試料面と冷却板を出来るだけ近づけ
て(2mm以下)いるので、前記鏡筒(6)の下端部の
下方の傾斜用軸線(T)周りに傾斜台(7)を傾斜させ
た場合、前記先細り形状の鏡筒(6)下端部の側面と冷
却板(47)との接触を防止することができる。
【0015】(本発明の実施態様1の作用)また、本発
明の実施態様1のコンタミ防止装置では、前記冷却板
(47)の電子線通過孔(49)は、前記傾斜用軸線
(T)に垂直な方向に延びる長孔により形成されてい
る。したがって、傾斜台(7)が傾斜したとき、前記長
孔により形成された電子線通過孔(49)がその長手方
向に垂直な傾斜用軸線(T)周りに傾斜する。このと
き、電子線が通過可能な長孔の短手方向の長さは変化し
ないが、電子線が通過可能な長孔の長手方向の長さは短
くなる。したがって、前記傾斜時の電子線が通過可能な
長孔の長手方向の長さ、および長孔の短手方向の長さを
必要最小限の長さ(なるべく小さい値)に設定すること
が可能となる。これにより、電子線通過孔(49)を小
さくすることができる。冷却板(47)の電子線通過孔
(49)を小さくすることにより、冷却板(47)の切
除部分の面積を小さくすることができるので、コンタミ
低減の効果を上げることができる。
【0016】(本発明の実施態様2の作用)また、本発
明の実施態様2のコンタミ防止装置では、冷却板(4
7)の熱は、熱伝導部材(54+55)により、前記壁
部材(2〜4)に支持された冷媒容器(51)内の冷媒
に伝導される。したがって、冷却板(47)を低温に保
持することができる。
【0017】(本発明の実施態様3の作用)また、本発
明の実施態様3のコンタミ防止装置では、前記熱伝導部
材(54+55)が前記冷却板(47)に接続される可
撓性熱伝導部材(55)を有するので、前記可撓性熱伝
導部材(55)が冷却板(47)の傾斜用軸線(T)周
りの傾斜動作に追従して変形し、常時熱伝導を行うこと
ができる。
【0018】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の実施例の
コンタミ防止装置を説明するが、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。なお、以後の説明の理解を
容易にするために、図面において互いに直交する矢印
X,Y,Zの方向に直交座標軸X軸、Y軸、Z軸を定義
し、矢印X方向を前方、矢印Y方向を左方、 矢印Z方
向を上方とする。この場合、X方向(前方)と逆向き
(−X方向)は後方、Y方向(左方)と逆向き(−Y方
向)は右方、Z方向(上方)と逆向き(−Z方向)は下
方となる。また、前方(X方向)及び後方(−X方向)
を含めて前後方向又はX軸方向といい、左方(Y方向)
及び右方(−Y方向)を含めて左右方向又はY軸方向と
いい、上方(Z方向)及び下方(−Z方向)を含めて上
下方向又はZ軸方向ということにする。さらに図中、
「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表
に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載され
たものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものと
する。
【0019】(実施例)図1は本発明の一実施例のコン
タミ防止装置を備えた走査型電子顕微鏡の正面図であ
る。図2は同実施例の要部の正面拡大図である。図3は
前記図2のIII−III線から端面図である。図4は前記図
1の走査型電子顕微鏡の側面図である。図5は図1のV
−V線断面図である。図6は同実施例の試料載置テーブ
ル34への試料(ウエハー)Sの受渡し方法の説明図で
ある。
【0020】図1において、床(図示せず)上に固定支
持された基台1上端には、底壁部材2が支持されてい
る。底壁部材2上には枠状の側壁部材3が支持されてお
り、側壁部材3上端にはベースプレート4が支持されて
いる。前記底壁部材2、側壁部材3、およびベースプレ
ート4の内側には真空試料室Aが形成されている。すな
わち、前記符号2〜4で示された要素から前記真空試料
室Aを形成する本実施例の壁部材(2〜4)が構成され
ている。真空試料室Aは図示しない真空ポンプにより真
空に保持されるようになっている。前記ベースプレート
4には、電子線照射装置としてのSEM(Scaning Elec
tron Microscope、走査型電子顕微鏡)本体5が支持さ
れている。
【0021】前記SEM本体5は鏡筒6およびその内部
に設けられた図示しない電子銃および電子レンズ等によ
り構成されている。鏡筒6下端部は前記真空試料室A内
に配置されており、下方に行くに従って先細りの形状を
有している。前記真空試料室Aを形成する側壁部材3に
は、前記鏡筒6の最下端の電子線出射部の下方位置に、
試料S(図2参照)を保持するための傾斜台7が傾斜可
能に支持されている。図2において、傾斜台7は、左右
に配置されたL字型の左側傾斜部材8および右側傾斜部
材9とそれらの下端部を連結する底部材10とにより構
成されている。
【0022】傾斜台7の左側傾斜部材8は筒状の内側軸
部材11に連結されており、内側軸部材11の外端部は
外側軸部材12に連結されている。前記内側軸部材11
は、軸受13により左側の側壁部材3に回転自在に支持
されている。前記軸受13は側壁部材3に固定された内
側リング状プレート14により、所定位置に保持されて
いる。また、前記内側軸部材11の外端は外側リング状
プレート15により位置決めされている。前記外側軸部
材12にはギヤ12aが設けられており、このギヤ12a
はモータ16の出力軸に装着されたウォーム17によっ
て回転駆動されるように構成されている。
【0023】傾斜台7の前記右側傾斜部材9は筒状の内
側軸部材21に連結されており、内側軸部材21の外端
部は外側軸部材22に連結されている。前記内側軸部材
21は、軸受23により右側の側壁部材3に回転自在に
支持されている。前記軸受23は側壁部材3に固定され
たリング状プレート24により、所定位置に保持されて
いる。また、前記内側軸部材21の外端は前記リング状
プレート24により位置決めされている。前述のよう
に、前記左側の外側軸部材12、内側軸部材11、傾斜
台7、右側の内側軸部材21および外側軸部材22等
は、一体的に連結されており、それらは軸受13,23
により回転自在(傾斜可能)に支持されている。したが
って、前記モータ16により前記左側の外側軸部材12
を回転させると、前記軸受13,23の中心線(すなわ
ち、傾斜用軸線)T周りに傾斜台7が傾斜するように構
成されている。
【0024】前述傾斜台7の底部材10上面には左右
(Y軸方向)に移動するY軸移動テーブル26が支持さ
れている。Y軸移動テーブル26は下面に突出するナッ
ト部分27を有しおり、そのナット部分27は傾斜台7
の左右の傾斜部材8および9により回転自在に支持され
たスクリューシャフト28に螺合している。前記スクリ
ューシャフト28の右端部にはギヤ29が装着されてい
る。ギヤ29はモータ31により駆動されるギヤ32に
噛み合っている。したがって、モータ31によりギヤ3
2および29を介してスクリューシャフト28を回転さ
せると、Y軸移動テーブル26は左右(Y軸方向)に移
動するように構成されている。前記Y軸移動テーブル2
6上には前後(X軸方向)移動用駆動装置(図示せず)
により前後方向に移動可能なX軸移動テーブル33が支
持されている。なお、前記X軸移動テーブル33および
Y軸移動テーブル26の駆動装置としては従来公知の種
々の駆動装置を使用することが可能である。
【0025】前記X軸移動テーブル33上には、円形の
試料載置テーブル34が支持されている。試料載置テー
ブル34は図5(平面図)に示すように外周部に位置決
め用固定部材35および半径方向に移動可能な2個の位
置決め用可動ピン36が配置されている。図示していな
いが、前記試料載置テーブル34上に載置される試料
(ウエハー)Sは、円周の一部を削って被位置決め用の
直線部分を有する略円形の平板部材である。前記位置決
め用固定部材35は試料載置テーブル34上に載置され
る試料(ウエハー)S外周の被位置決め用の直線部分が
当接される位置決め用の直線部分35aを有している。
【0026】前記位置決め用可動ピン36は図示しない
ばねにより常時半径方向内方に付勢されているが、ソレ
ノイド(図示せず)がONのときには半径方向外方位置
に保持されるように構成されている。したがって、前記
図示しないソレノイドをONにして位置決め用可動ピン
36を外方位置に保持した状態で、試料載置テーブル3
4上に試料(ウエハー)Sを載置し、その後、ソレノイ
ドをOFFにして位置決め用可動ピン36を内方に移動
させることにより、試料(ウエハー)Sを試料載置テー
ブル34上の所定位置に位置決め保持できるようになっ
ている。前記符号34〜36等で示された要素から本実
施例の試料保持部材(34〜36)が構成されている。
【0027】前記試料載置テーブル34の中央部には昇
降テーブル37が上昇位置と下降位置との間で昇降可能
に支持されている。昇降テーブル37上面は下降位置に
おいては試料載置テーブル34の上面と面一となる 次に図6により前記試料載置テーブル34上に試料Sを
載置する方法について説明する。前記Y軸移動テーブル
26およびX軸移動テーブル33を移動させて、試料載
置テーブル34を図5に示す位置(試料受渡し位置)に
移動させる。その状態では、昇降テーブル37は下降位
置に保持しておく。前記試料受渡し位置の昇降テーブル
37の上方に搬送部材Hによりに試料(ウエハー)Sを
搬送する。前記搬送部材Hは、例えば前記試料(ウエハ
ー)Sが載置される二股のフォーク状部材であり、それ
らの二股のフォーク状部材は、それらの間を前記昇降テ
ーブル37が昇降可能に形成されている。
【0028】前記搬送部材H上に載置された試料(ウエ
ハー)Sが前記試料受渡し位置に搬送された状態(図6
A参照)で、前記昇降テーブル37を上昇させて試料
(ウエハー)を持ち上げ(図6B参照)、その後、前記
搬送部材Hを退避させる(図6C参照)。次に前記位置
決め用可動ピン36を外方位置に保持した状態で昇降テ
ーブル37を下降させると、昇降テーブル37上面に支
持された試料(ウエハー)Sは試料載置テーブル34上
に載置される(図6D参照)。次に位置決め用可動ピン
36を内方に移動させると試料(ウエハー)Sは試料載
置テーブル34上に位置決め保持される(図6E参
照)。試料載置テーブル34は、その上に試料(ウエハ
ー)Sが位置決め保持されたとき、試料Sが前記傾斜用
軸線Tを含む面内に配置されるように構成されている。
【0029】前記傾斜台7の左側傾斜部材8および右側
傾斜部材9の側面図での形状は図4から分かるように、
略5角形をしており、それらの上端の水平部分には、冷
却板サポート部材41の左右方向両端の固定部42,4
2が固定されている。冷却板サポート部材41は前記左
右両端の固定部42,42とこの固定部42,42から
下方に延びる垂直部43,43とこれらの垂直部43,
43の下端を接続する冷却板支持部44とを有してい
る。前記冷却板サポート部材41の冷却板支持部44
は、その中央部に円弧状切除部44a(図5参照)が形
成されている。前記円弧状切除部44a外周部の下面に
は断熱材46を介して冷却板47が固着されている。こ
の冷却板47は、前記試料載置テーブル34上に保持さ
れた試料(ウエハー)Sの上面に近接して配置されてい
る。すなわち、図2においては、前記傾斜用軸線T(傾
斜台7の傾斜時の回転軸線)を含む面よりわずかに上方
に配置されている。
【0030】図5において、冷却板47は略円形の高伝
熱率の金属板(例えば、銅板)により構成されている。
冷却板47の外周部には円弧状の切除部48(図5参
照)が形成されている。この切除部48が形成されてい
る理由を次に説明する。すなわち、試料載置テーブル3
4が図5に示す試料受渡し位置において、試料載置テー
ブル34上方に搬送された試料(ウエハー)Sを昇降テ
ーブル37の上昇により持ち上げた後、降下により試料
(ウエハー)Sを試料載置テーブル34上に載置する
際、前記試料(ウエハー)Sは、前記冷却板47の上方
から下方に移動する。
【0031】図5に示す試料受渡し位置の試料載置テー
ブル34上の試料(ウエハー)Sと冷却板47とは、冷
却板47が円形の場合には平面図で一部重なるように構
成されている。したがって、前記冷却板47に切除部4
8が形成されていない場合には、試料(ウエハー)Sは
冷却板47の上方位置と下方位置との間で上下移動でき
なくなる。そこで、冷却板47に前記円弧状の切除部4
8を形成することにより試料(ウエハー)Sの冷却板4
7上方位置から下方への移動を可能にしているのであ
る。このように、冷却板47に円弧状の切除部48を形
成することにより、装置全体を小型に構成することが可
能となる。
【0032】前記冷却板47には、その中央部に電子線
通過孔49が形成されており、その電子線通過孔49
は、前記試料S上の傾斜用軸線Tと電子線とが交差する
位置(交点)のわずかに上方位置に配置されている。前
記電子線通過孔49は、前記傾斜用軸線T(傾斜台7の
回転軸線)に垂直な方向に延びる長孔により形成されて
いる。図3に示すように、前記長孔により形成された電
子線通過孔49の短径はDで、長径はLに設定されてい
る。前記傾斜台7が傾斜したとき、前記長孔により形成
された電子線通過孔49がその長手方向に垂直な傾斜用
軸線T周りに傾斜する。このとき、電子線の進行方向か
ら見た電子線通過孔49の短手方向の長さDは変化しな
いが、長手方向の長さLは見掛け上短くなる。
【0033】すなわち図3に示すように、冷却板47が
電子線に垂直な場合の電子線通過孔49の長径L(図3
B参照)は、冷却板47を角度θ傾斜させた状態での電
子線の進行方向からみた場合には、冷却板47の厚さを
無視すれば、Lcosθ(図3C参照)となる。したがっ
て、電子線の進行方向から見た電子線通過孔49の内径
の必要な寸法が前記短径と同じ値D(mm)とすれば、
D=Lcosθとなる。したがって、D(=3 mm)、θ
の最大値が60°とすれば、電子線通過孔49の実際の
短径D=3 mm、長径L=D/cosθ=3/(1/2)
=6 mmに設定すれば良い。したがって、本実施例で
は前記電子線通過孔49の短径Dおよび長径Lは次のよ
うに設定されている。 D=3 mm L=6 mm
【0034】図4において、ベースプレート4には冷媒
容器51が支持されている。冷媒容器51は外筒52お
よび内筒53を有しており、内筒53内には、冷媒とし
て液体窒素が収容されている。内筒53の下面には下方
に延びる高伝熱率の熱伝導棒54が設けられている。熱
伝導棒54の下端と前記冷却板47との間は熱伝導網線
(可撓性熱伝導部材)55により接続されている。前記
熱伝導棒54および熱伝導網線55により本実施例の熱
伝導部材(54+55)が構成されている。そして、冷
却板47の熱量は前記熱伝導網線55、熱伝導棒54、
および内筒53を伝導して冷媒容器51内の冷媒(液体
窒素)に吸収される。また、前述したように、冷却板4
7は断熱材46を介して冷却板サポート部材41に支持
されている。したがって、冷却板47は低温に保持され
るようになっている。図4において、側壁部材3には、
側壁部材3を貫通するセンサ保持部材56が支持されて
いる。センサ保持部材56の先端部57には、試料放出
物を検出する検出器としての2次電子検出器(図示せ
ず)が保持されている。
【0035】(実施例の作用)次に、前述の構成を備え
た本発明の一実施例の作用を説明する。前記実施例によ
れば、試料載置テーブル34を前記図5に示す試料受渡
し位置に移動させた状態で、前記図6示したようにし
て、試料(ウエハー)Sは試料載置テーブル34上に載
置され、位置決め用可動ピン36等により位置決め保持
される。次に、Y軸移動テーブル26およびX軸移動テ
ーブル33を移動させて、前記試料載置テーブル34を
冷却板47下方の作業位置(観察位置)に移動させる。
その観察位置において前記試料(ウエハー)Sに、SE
M本体5の鏡筒6下端から電子線を照射する。
【0036】このとき、前記電子線は前記冷却板47の
電子線通過孔49を通って試料(ウエハー)Sに入射す
る。冷却板47の熱量は前記熱伝導網線55、熱伝導棒
54、および内筒53を伝導して冷媒容器51内の冷媒
(液体窒素)に吸収されるので、冷却板47は低温に保
持されている。したがって、試料(ウエハー)S周囲の
有機ガス等は冷却板47に吸着され、試料(ウエハー)
Sへのコンタミ付着が防止できる。試料(ウエハー)S
から放射される2次電子は前記電子線通過孔49を通過
して前記センサ保持部材56の先端部57に収容された
2次電子検出器(図示せず)により検出される。この検
出信号は図示しない伝送ケーブルにより外部の測定装置
(図示せず)に伝送される。前記Y軸移動テーブル26
およびX軸移動テーブル33を移動させながら、試料
(ウエハー)Sの表面を走査して得られる前記検出信号
をCRT等の表示装置に表示させることにより、試料
(ウエハー)S表面の観察、検査等を行うことができ
る。
【0037】前記傾斜台7を傾斜させた状態で電子線を
試料(ウエハー)Sに照射する場合、試料S上の傾斜用
軸線Tと電子線との交点よりわずかに上に有る冷却板4
7の電子線通過孔49は傾斜台7の傾斜用軸線Tを中心
に回転して傾斜する。このとき図4から分かるように、
冷却板47の約半分の面は上方に傾斜(移動)し、残り
の約半分は下方に傾斜(移動)する。前記上方に傾斜
(移動)する前記冷却板47の約半分すなわち、冷却板
47の上方傾斜部分は、傾斜用軸線Tの上方に配置され
たSEM本体5の下端部に接近して行く。しかし、前記
SEM本体5の鏡筒6の下端部は下方に行くに従って先
細り形状に形成されていること、および、試料面と冷却
板上面とが2mm以下にしてあることにより、SEM本
体5と前記冷却板47の位置とが接近して配置されて
も、前記冷却板47の上方傾斜部分は前記SEM本体5
下端部に接触することなく、SEM本体5下端部の先細
り形状部分の側面に沿って配置されることになる。
【0038】前記冷却板47が傾斜用軸線T周りに傾斜
するとき、長孔形状の電子線通過孔49の姿勢は、前記
図3Bの状態から図3Cの状態に変化し、電子線は電子
線通過孔49に斜め方向から入射することになる。この
場合、電子線通過孔49の長径Lは、電子線の進行方向
から見た場合、傾斜角度θ=0の場合の値Lから、傾斜
角度がθのときの内径Lcosθに縮小される。前述した
ように本実施例では、電子線通過孔49の短径D=3
mm、長径L=6 mmに設定されている。したがっ
て、傾斜台7の傾斜角度θが最大値60°になった時の
電子線の進行方向から見た長径Lの値Lcosθ=L・
(1/2)=3 mmとなり、電子線の通過方向から見
た電子線通過孔49の必要な内径の大きさD=3 mm
を有する。前述のように、電子線通過孔49を長孔によ
り形成し、その短径は必要な最小値Dに設定し、その長
径Lは冷却板47が傾斜したときにLcosθの値が必要
な最小値Dとなるように設定している。これにより、電
子線通過孔49の大きさを計測作業に支障の無い範囲で
できるだけ小さな値とすることが可能である。
【0039】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求
の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変
更を行うことが可能である。
【0040】
【発明の効果】前述の本発明のコンタミ防止装置は、下
記の効果を奏することができる。 (E01)真空試料室内で電子線が照射される比較的大き
な試料を傾斜させて作業(顕微分析、観察作業等)を行
う場合でも、コンタミ防止用の冷却板を使用することが
できる。 (E02)冷却板に形成する電子線通過孔を長孔に形成す
ることにより、電子線通過孔の大きさ(面積)を、作業
に支障が出ない範囲で、なるべく小さくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施例のコンタミ防止装置
を備えた走査型電子顕微鏡の正面図である。
【図2】 図2は同実施例の要部の正面拡大図である。
【図3】 図3は前記図2のIII−III線から端面図であ
る。
【図4】 図4は前記図1の走査型電子顕微鏡の側面図
である。
【図5】 図5は図1のV−V線断面図である。
【図6】 図6は同実施例の試料載置テーブル34への
試料(ウエハー)Sの受渡し方法の説明図である。
【符号の説明】
A…真空試料室、S…試料(ウエハー)、T…傾斜用軸
線、5…電子線照射装置(SEM本体)、6…鏡筒、7
…傾斜台、47…冷却板、49…電子線通過孔、51…
冷媒容器、55…可撓性熱伝導部材(熱伝導網)、(2
〜4)…壁部材、(34〜36)…試料保持部材(34
〜36)、(54+55)…熱伝導部材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とするコ
    ンタミ防止装置、(Y01)下端部が下方に行くに従って
    先細り形状の鏡筒を有し、前記鏡筒の下端部から電子線
    を照射する電子線照射装置、(Y02)前記鏡筒下端部の
    周囲を囲むように配置されて囲んだ内部に真空試料室を
    形成する壁部材、(Y03)前記鏡筒下端から照射される
    電子線に垂直な傾斜用軸線周りに傾斜可能で且つ傾斜角
    度が0°の場合には前記電子線に垂直な支持面を有する
    傾斜台、(Y04)前記傾斜用軸線を含み且つ前記傾斜台
    の支持面に平行な面内に試料を保持するとともに前記傾
    斜台の支持面に沿って移動可能な試料保持部材、(Y0
    5)前記試料上面に接近して配置されるとともに、電子
    線通過孔を有し、前記傾斜台に固定された冷却板。(Y
    06)前記電子線通過孔よりも上方に配置され、且つ、前
    記試料から放出されて電子線通過孔を通過した試料放出
    物を検出する検出器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006286514A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Jeol Ltd ステージ傾斜機構
US7202476B2 (en) 2005-03-11 2007-04-10 Jeol Ltd. Charged-particle beam instrument
JP2011018506A (ja) * 2009-07-08 2011-01-27 Jeol Ltd 電子線装置

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JP2006286514A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Jeol Ltd ステージ傾斜機構
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