JP3635258B2 - 半凝固アルミニウム成形体の成形方法と成形金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半凝固アルミニウム成形体の成形方法と成形金型に関するもので、特に金型に半凝固アルミニウムを載置して、直接、上型や加圧ピンにより加圧することにより、高品質の成形品を成形することができる半凝固アルミニウム成形体の成形方法と成形金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地球環境保護や省エネルギーの観点から自動車の軽量化を進める中で、健全な鋳造品を得るため、各種の高圧鋳造法が適用されているが、なかでも、固液共存状態の金属(半凝固アルミニウム)を成形する方法が注目されている。
半凝固金属の成形においては、一般的には、液体から温度を低下させて製造した半凝固金属あるいは固体状態の金属を加熱して製造した半溶融金属を一旦スリーブに移し、しかる後スリーブ内のチップを移動し、半凝固金属または半溶融金属を成形金型内に押圧充填して成形する。
【0003】
しかしながら、上記成形方法には幾つかの課題がある。第1に、半凝固金属をスリーブに挿入した段階で、固液共存状態の金属はスリーブに接触して熱を奪われるので、凝固層が生成しやすい。このため、凝固層が製品へ混入するのを防ぐ工夫が必要となる。
第2に、半凝固金属の充填中にスリーブ内に残されたビスケット部分と製品までのランナーを加えた製品以外の部分の全鋳込み重量に対する割合が高い。特に、小型製品を製造する場合に、その割合が高くなる。その結果、製品価格が高くなる。
【0004】
このため、金型の中に、直接、半凝固金属を入れて成形する方法が開発されている。しかし、この方法においては、下型に載置した半凝固金属を、上型の下型への接近に伴い圧縮変形させて上型と下型で構成される空間部に半凝固金属を充填する際に、成形品内部に成分偏析が発生したり、半凝固金属が金型外に飛散したり、または、保持容器上部に発生していた半凝固金属の酸化物が製品部内に混入したりするという課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に着目し、煩雑な方法を採ることなく、半凝固アルミニウムを加圧成形する方法と同方法に使用する成形金型を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明において、第1の発明では、保持容器にて保持冷却した固相率30〜99.9%の半凝固アルミニウムを、凹部を有する下型に反転して載置し、上型の下型への接近に伴い圧縮変形させて上型と下型で構成される空間部に充填するに際し、半凝固アルミニウムを圧縮変形中は、型締め速度を0.01〜1.0m/sとし、圧縮変形する過程において、変形率が最大50%未満までは0.5m/s未満の型締め速度で変形させて基本形状を設定する第1工程と、該変形率以上では該変形速度を超える速度で半凝固アルミニウムを圧縮変形させて最終製品形状を形成する第2工程を行なうこととした。
【0008】
の発明を主体とする第の発明では、型締め力により半凝固アルミニウムを圧縮変形する過程において、前記第1工程の終了後10秒未満保持して、一旦、型締め速度を0.01m/s未満とし、引き続き前記第2工程を行なうこととした。
【0009】
第1またはの発明を主体とする第の発明では、型締め力により半凝固アルミニウムを圧縮変形する過程または圧縮変形した後において、加圧方向と異なる方向にスライド機構を有する鋳抜きピンにより、半凝固アルミニウムに対し、加圧または穴あけを行なうこととした。
【0012】
第1ないし第3のいずれか1つの発明を主体とする第4の発明では、型締め力により半凝固アルミニウムを圧縮成形するに際し、上、下の型が閉じた段階で、下型中央部に接触する半凝固アルミニウム成形体を、下型に対して摺動可能な突き出しシリンダーに連結する治具により加圧し、型開き後は、該治具を用いて製品を取り出すこととした。
【0013】
の発明では、半凝固アルミニウムを載置できる大きさの凹部を有する下型と上型で構成される空間部に該半凝固アルミニウムを充填して鋳物製品を成形する金型であって、型合わせ面に、半凝固アルミニウム成形体を取り囲む1個所以上の半凝固アルミニウム余剰メタルの集積部を設けるとともに、下型凹部とそれに対面する上型の部で構成される部位に、半凝固アルミニウム余剰メタルの集積部を設けた構造の半凝固アルミニウム成形体の成形金型とする。
また、第6の発明では、半凝固アルミニウムを載置できる大きさの凹部を有する下型と上型で構成される空間部に該半凝固アルミニウムを充填して鋳物製品を成形する金型であって、型合わせ面に、半凝固アルミニウム成形体を取り囲む1個所以上の半凝固アルミニウム余剰メタルの集積部を設けるとともに、下型凹部とそれに対面する上型の凸部で構成される部位に、半凝固アルミニウム余剰メタルの集積部を設け、また、加圧方向と異なる方向にスライド機構を有する鋳抜きピンを設けた構造の半凝固アルミニウム成形体の成形金型とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の半凝固アルミニウム成形体の成形方法と成形金型に係る具体的な実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、溶湯から、直接、半凝固アルミニウムを製造するまでのプロセスの説明図、図2は、下型凹部の半凝固アルミニウムを上型が下降して圧縮して成形することを示す説明図、図3は、半凝固アルミニウムの型締め速度と変形率との関係を示す説明図、図4は、半凝固アルミニウムを加圧方向と異なる方向にスライド機構を有する鋳抜きピンにより、加圧または穴あけを行なうことを示す説明図、図5は、上型と下型の合わせ面および下型凹部のメタル集積部に半凝固アルミニウムの余剰メタルを集めることを示す説明図、図6は、下型に対して摺動可能な治具により局部加圧をし、成形後の半凝固アルミニウム成形体を取り出すことを示す説明図である。
【0016】
まず、図1の(1)、(2)、(3)、および、(4)に基づいて、半凝固アルミニウムを製造する時の概要を説明する。図において、1はラドル、2は金属容器(保持容器)、3は溶湯、4は断熱材、5はエアー、6は半凝固アルミニウム、6Bは高周波誘導コイルである。
工程(1)において、融点直上の溶湯3を金属容器2に注いで、多数の結晶核を溶湯内に発生させ、工程(2)において、溶湯温度を下げながら結晶核を起点にして球状結晶を成長させ、目標の固相率を有する半凝固アルミニウム6を製造する。
【0017】
この間、温度が低下しやすい上部および下部の溶湯を断熱材4により保温し、断熱材4で覆われていない部分をエアー5で冷却して、容器内の半凝固アルミニウム6の温度を均一にする。工程(3)においては、高周波誘導コイル6Bで半凝固アルミニウム6を加熱して、更に半凝固アルミニウムの温度を均一化し、半凝固アルミニウムを容器から排出しやすいようにする。そして、工程(4)において、半凝固アルミニウムを排出する。
【0018】
半凝固アルミニウムの固相率は30〜99.9%とする。固相率が30%未満であると、軟いために、成形に際して型の外にメタルが飛散したり、半凝固アルミニウムに引け巣が発生しやすく、一方、固相率が99.9%を越えると、固体状態になり、成形が難しくなって、半凝固アルミニウム成形体の外観が良くないので、半凝固アルミニウムの固相率は、30〜99.9%とする。
【0019】
次に、図2の(1)、(2)、および、(3)に基づいて、半凝固アルミニウム成形体を製造する時の概要を説明する。図において、7は上型、8は下型、9は半凝固アルミニウム成形体である。
工程(1)では、図1に示す製法で得た半凝固アルミニウム6を、凹部を有する下型に反転して載置し、工程(2)では、上型を下型へ接近させて半凝固アルミニウム6を静かに変形させ、工程(3)では、上型と下型で構成される空間部に半凝固アルミニウムを完全に充填し、最終形状の半凝固アルミニウム成形体9を成形する。
即ち、工程(2)においては、半凝固アルミニウム6を静かに圧縮変形して基本形状を整え、工程(3)において、最終形状の製品に成形する。
【0020】
上型を下型へ接近させて半凝固アルミニウムを圧縮変形する際、圧縮変形中は、型締め速度を0.01〜1.0m/sとする。
型締め速度が0.01m/s未満であると、半凝固アルミニウムを適確に圧縮変形することが難しくなるとともに、半凝固アルミニウム成形体の凝固組織に成分偏析が生じ、表面性状や特性の不均一の原因となるので、型締め速度の下限を0.01m/sとする。
一方、型締め速度が1.0m/sを越えると、圧縮変形が速すぎて、半凝固アルミニウムが上型と下型の隙間から飛散することがあるので、型締め速度の上限を1.0m/sとする。
型締め速度は、0.01〜1.0m/sの範囲内で適宜選択できるが、好ましくは、0.01〜0.6m/s、より好ましくは、0.02〜0.2m/sである。
また、型締め速度は、半凝固アルミニウムの圧縮変形途中においても、0.01〜1.0m/sの範囲内で適宜選択して変えることができる。
【0021】
第1工程として、変形率が最大50%未満までは0.5m/s未満の型締め速度で半凝固アルミニウムを圧縮変形させて基本形状を設定し、次いで、第2工程として、該変形率以上では該型締め速度を超える速度で圧縮変形させて最終製品形状を形成することができる。
変形率50%を境にして、型締め速度を変える理由は、変形率が50%未満までの範囲では基本形状を整え易いからである。変形率が50%を越えるまで、基本形状の設定を行なうと、圧縮変形中、溶融アルミニウムが滲み出したり、半凝固アルミニウム成形体が硬くなりすぎたりする。
【0022】
また、半凝固アルミニウムの圧縮変形中、第1工程の終了後10秒未満保持して、一旦、型締め速度を0.01m/s未満とし、引き続き第2工程を行なってもよい。具体的には、工程(2)と工程(3)の間において、一旦、型締め速度(変形速度)を0.01m/s未満にして製品の固相率を増加させて、収縮巣の発生を抑えるようにし、工程(3)における加工において、塑性加工を含む鍛造効果を一部期待する方法を採用することもできる。なお、半凝固アルミニウムの圧縮変形中、成形体の内部品質向上のために振動することもできる。
【0023】
図3に、半凝固アルミニウムの型締め速度と変形率の関係の一例を示す。タイプ(イ)の場合、第1工程においては型締め速度が0.45m/sの等速で変形率50%近くまで変形させ、その後、型締め速度を0.95m/sまで上げて、変形率が90%になるまで成形している。タイプ(ロ)場合、第1工程においては、型締め速度が0.05m/sの等速で変形率30%近くになるまで変形させ、その後、型締め速度を0.45m/sまで上げて、変形率が80%になるまで成形している。
【0024】
実際の成形においては、それぞれの工程の中で、図3に示すような変形率に対して一定の型締め速度とは異なるパターンも選択できる。
なお、変形率(%)とは、半凝固アルミニウムの初期高さH0から変形後の高さH1を差し引いたものを、初期高さH0で割った値を意味している。即ち、下記式で計算される値である。
変形率(%)=100×(H0−H1)÷H0
【0025】
図4は、半凝固アルミニウムの加圧方向と異なる横方向にスライド機構を有する鋳抜きピンにより、半凝固アルミニウムに対し加圧したりまたは穴あけを行なうことを示す説明図である。図において、6は半凝固アルミニウム、8は下型、10は鋳抜きピン、11はスライド機構を有する鋳抜きピンである。半凝固アルミニウム6を圧縮変形している過程、または、半凝固アルミニウムを圧縮変形した後において、スライド機構付きのピンを移動させることにより、半凝固アルミニウムに対して加圧または穴あけを行ない、半凝固アルミニウム成形体を成形する。
【0026】
図5は、上型と下型の合わせ面および下型凹部のメタル集積部に半凝固アルミニウム6の余剰メタル6Aを集めることを示す説明図である。図において、7は上型、8は下型、8Aは下型凹部、9は半凝固アルミニウム成形体、12は型合わせ面の半凝固アルミニウム集積部外、13は型合わせ面の半凝固アルミニウム集積部内、14は下型凹部8Aの半凝固アルミニウム集積部である。
上型7の下型8への接近に伴い半凝固アルミニウム6は圧縮変形されるが、それに伴い、下型凹部8Aに載置した半凝固アルミニウム6の余剰メタル6Aを半凝固アルミニウム集積部14に集め、また、上型7と下型8の合わせ面における余剰メタル6Aを半凝固アルミニウム集積外12と半凝固アルミニウム集積内13に集める。
【0027】
図6は、下型に対して摺動可能な治具により局部加圧をし、また、成形後の半凝固アルミニウム成形体9を取り出すことを示す図である。図において、7は上型、8は下型、15は突き出し治具である。
上型7と下型8で構成される空間部に、図2に示す工程を経て製造された半凝固アルミニウム成形体9を、突き出し治具15を用いて加圧し、必要に応じて、上型7の上昇による型開き後、突き出し治具15を用いて、半凝固アルミニウム成形体9を上へ突き出す。
【0028】
【実施例】
(実施例)
以下、図面および表1に基づいて、本発明の実施例について詳細に説明する。
下型8に載置した半凝固アルミニウム6を加圧した場合、下型8に接触して半凝固アルミニウム6の温度が低下して凝固層が発生し、該凝固層が製品の内部に混在したり、また、金属容器2の中で生成し半凝固アルミニウム6の上部に集積した酸化物が、同様に、製品の内部に混在したりして、品質上問題になることがある。
また、半凝固アルミニウム6の圧縮変形に際しては、製品重量以上の余剰メタルを、型外に飛散させないように型内の所定の場所に集める必要がある。また、上記圧縮変形に際し、加圧成形条件が不適切な場合、成形した製品中に成分偏析が発生したり、成形過程で半凝固アルミニウム6が飛散したりすることがある。
本実施例においては、これらのことを評価した。
半凝固アルミニウム成形体の成形条件と品質(評価結果)を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003635258
【0030】
用いた合金はAC4CH合金である。合金組成はAl−7%Si−0.35%Mg−0.15Tiである。半凝固アルミニウム6は、図1に示す製法で製造した。金型は200℃に加熱し、黒鉛系の水溶性離型剤を塗布して、試験に用いた。
型締め力315tのマシンを使用し、約1.0kgの半凝固アルミニウムを圧縮変形した。
【0031】
なお、半凝固アルミニウムの製造方法は、図1に示す方法に限定されるものではなく、種々の方法を適用できる。図1に示す方法は、半凝固アルミニウムを、治具を使用せずに、直接得る方法であって、液相線温度に対して過熱度を50℃未満に保持された結晶微細化剤を含むアルミニウム合金溶湯を冷却治具を使用することなく、直接、金属容器2に注湯し、溶湯内に結晶核を発生させ、該結晶核を成長させて、所定の液相率を示す成形温度まで冷却しつつ30秒〜30分間保持することにより、球状結晶を有する半凝固アルミニウムを得ることを特徴としている。
【0032】
半凝固アルミニウム6を金属容器2より反転して排出した後、下型8内に載置する。なお、半凝固アルミニウム6は、AC4CH合金に限定されるものでなく、半凝固アルミニウム6あるいは半溶融アルミニウムとして準備できるアルミニウム合金は、すべて本発明に適用できる。
【0033】
また、本発明においては、冷却板に溶湯を接触させて、あるいは、冷却振動棒を、注湯する溶湯あるいは注湯後も継続して溶湯中に浸漬して、上記方法と同様に、保持容器内で冷却保持する方法も適用できる。さらに、一旦固化したビレットを加熱して製造した半溶融アルミニウムも本発明に適用できる。
【0034】
比較例10では、下型8に凹部、即ち、半凝固アルミニウム集積部14がないため、半凝固アルミニウム6を載置して加圧した場合、下型8に接触して温度が低下し、発生した凝固層が半凝固アルミニウム成形体9の内部に混入するとともに、金属容器2内で生成した半凝固アルミニウム6の酸化物を固定できないために、該酸化物が、同様に、アルミニウム成形体6の内部に混入して、品質上問題があった。
【0035】
比較例11では、第1工程における型締め速度が遅いために、圧縮変形中にSiが濃縮されて成分偏析が発生し、また、変形速度が遅いために、圧縮成形の途中で、固相率が高まり成形し難くなり、収縮巣が発生した。
比較例12では、第2工程における型締め速度が速いために、メタル集積部を設けていても、型外にメタルが飛散した。
【0036】
比較例13では、第1工程における型締め速度が速いために、メタル集積部を設けていても、型外にメタルが飛散した。
比較例14では、固相率が低いために、メタル集積部を設けていても、型外にメタルが飛散した。また、収縮巣が発生しやすく、成分偏析も発生した。
比較例15では、固体であるために、成形が容易でなく外観が悪化した。また、成形体中に収縮巣が発生した。
比較例16では、第1工程の後の変形停止時間が長すぎるために、半凝固アルミニウム成形体の表面が固化して成形が容易でなくなり、外観が悪化した。
【0037】
一方、実施例1〜9では、半凝固アルミニウム成形体の内部組織に成分偏析は認められないし、また、凝固層、酸化物の混入も非常に少ない。また、加圧効果も十分に高いために、収縮巣もほとんど認められない。特に、加圧ピン、スライドピンを用いたものについては、さらに、収縮巣は観察されなかった。
また、メタル集積部を設けたものについては、第2工程の型締め速度が速くても、型外へのメタルの飛散はなかった。
【0038】
【発明の効果】
以上、説明したことから明らかなように、本発明の半凝固アルミニウム成形体の成形方法においては、(1)保持容器にて保持冷却した固相率30〜99.9%の半凝固アルミニウムを、凹部を有する下型に反転して載置し、上型の下型への接近に伴い半凝固アルミニウムを圧縮変形させて上型と下型で構成される空間部に充填するに際し、半凝固アルミニウムを圧縮変形中は、型締め速度を0.01〜1.0m/sとし、圧縮変形する過程において、変形率が最大50%未満までは0.5m/s未満の型締め速度で圧縮変形させて基本形状を設定する第1工程と、該変形率以上では該変形速度を超える速度で変形させて最終製品形状を形成する第2工程を行なうこと、さらに、(2)型締め力により半凝固アルミニウムを圧縮成形するに際し、上型と下型の合わせ面に半凝固アルミニウム成形体を取り囲む1個所以上のメタル集積部および下型凹部とそれに対面する上型の凸部で構成されるメタル集積部に半凝固アルミニウムの余剰メタルを集めることにより、製品内部に成分偏析、凝固層、酸化物層の混入がなく、かつ、収縮巣がない高品質の半凝固アルミニウム成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶湯から直接半凝固アルミニウムを製造するまでのプロセスを示す説明図である。
【図2】 下型凹部の半凝固アルミニウムを上型が下降して圧縮して成形することを示す説明図である。
【図3】 半凝固アルミニウムの型締め速度と変形率との関係を示す説明図である。
【図4】 半凝固アルミニウムを加圧方向と異なる方向にスライド機構を有する鋳抜きピンにより、加圧または穴あけを行なうことを示す説明図である。
【図5】 上型と下型の合わせ面および下型凹部のメタル集積部に半凝固アルミニウムの余剰メタルを集めることを示す説明図である。
【図6】 下型に対して摺動可能な治具により局部加圧をし、成形後の半凝固アルミニウム成形体を取り出すことを示す説明図である。
【符号の説明】
1…ラドル
2…金属容器
3…溶湯
4…断熱材
5…エアー
6…半凝固アルミニウム
6A…余剰メタル
6B…高周波誘導コイル
7…上型
8…下型
8A…下型凹部
9…半凝固アルミニウム成形体
10…鋳抜きピン
11…スライド機構を有する鋳抜きピン
12…半凝固アルミニウム集積部外
13…半凝固アルミニウム集積部内
14…下型凹部8Aの半凝固アルミニウム集積部
15…突き出し治具

Claims (6)

  1. 保持容器にて保持冷却した固相率30〜99.9%の半凝固アルミニウムを、凹部を有する下型に反転して載置し、上型の下型への接近に伴い圧縮変形させて上型と下型で構成される空間部に充填するに際し、半凝固アルミニウムを圧縮変形中は、型締め速度を0.01〜1.0m/sとし、圧縮変形する過程において、変形率が最大50%未満までは0.5m/s未満の型締め速度で半凝固アルミニウムを圧縮変形させて基本形状を設定する第1工程と、該変形率以上では該型締め速度を超える速度で半凝固アルミニウムを圧縮変形させて最終製品形状を形成する第2工程を行なうことを特徴とする半凝固アルミニウム成形体の成形方法。
  2. 型締め力により半凝固アルミニウムを圧縮変形する過程において、前記第1工程の終了後10秒未満保持して、一旦、型締め速度を0.01m/s未満とし、引き続き前記第2工程を行なうことを特徴とする請求項1に記載の半凝固アルミニウム成形体の成形方法。
  3. 型締め力により半凝固アルミニウムを圧縮変形する過程または圧縮変形した後において、加圧方向と異なる方向にスライド機構を有する鋳抜きピンにより、半凝固アルミニウムに対し、加圧または穴あけを行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の半凝固アルミニウム成形体の成形方法。
  4. 型締め力により半凝固アルミニウムを圧縮成形するに際し、上、下の型が閉じた段階で、下型中央部に接触する半凝固アルミニウム成形体を、下型に対して摺動可能な突き出しシリンダーに連結する治具により加圧し、型開き後は、該治具を用いて製品を取り出すことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半凝固アルミニウム成形体の成形方法。
  5. 半凝固アルミニウムを載置できる大きさの凹部を有する下型と上型で構成される空間部に該半凝固アルミニウムを充填して鋳物成品を成形する金型であって、型合わせ面に、半凝固アルミニウム成形体を取り囲む1個所以上の半凝固アルミニウム余剰メタルの集積部を設けるとともに、下型凹部とそれに対面する上型の凸部で構成される部位に、半凝固アルミニウム余剰メタルの集積部を設けたことを特徴とする半凝固アルミニウム成形体の成形金型。
  6. 半凝固アルミニウムを載置できる大きさの凹部を有する下型と上型で構成される空間部に該半凝固アルミニウムを充填して鋳物成品を成形する金型であって、型合わせ面に、半凝固アルミニウム成形体を取り囲む1個所以上の半凝固アルミニウム余剰メタルの集積部を設けるとともに、下型凹部とそれに対面する上型の凸部で構成される部位に、半凝固アルミニウム余剰メタルの集積部を設け、また、加圧方向と異なる方向にスライド機構を有する鋳抜きピンを設けたことを特徴とする半凝固アルミニウム成形体の成形金型。
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