JP3635211B2 - 多層配線板用樹脂フィルムの製造方法及び多層配線板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は多層配線板用の樹脂フィルムの製造方法及びこれを絶縁層として積層してなる多層配線板、特にリジッド-フレキシブルプリント配線板(リジッド-フレックス配線板とも略称される)に関する。
【0002】
【従来の技術】
リジッド-フレックス配線板は、リジッド部とフレックス部とを有し、フレックス部の両端はリジッド部と一体化されて、電気的に接続している。このような配線板を製造する場合、予めフレックス部両端の一体化部のような層構造を有する基板を作り、その後フレックス部に対応する部分のリジッド層を除去する方法が多用されている。そして、ここでの層構造は、少なくとも1層のフレキシブル配線板層と少なくとも1層のリジッド配線板層と配線板層間に配置され、層間接着剤層の作用をも有する少なくとも1層の樹脂絶縁層を有している。
【0003】
その製造方法の1例を説明すると、カバーレイを被覆した回路形成後のフレキシブル配線板に、リジッド部間のケーブル部、すなわちフレックス部に対応する部分に開口部を設けた絶縁層を積層し、更に表面に回路形成された導体層が設けられていて、予め前記フレックス部に対応する部分を開口した若しくは切取り線をいれたリジット配線板をこの絶縁層に重ね、リジット配線板の前記開口部には、必要により取り外し容易な樹脂をはめ込んだり、あるいは離型スペーサーをはめ込んだりした後、加圧、加熱して積層一体化した後、穴開け、銅メッキ及び外層回路加工等が施される。その後、前記開口部に樹脂をあるいは離型スペーサーをはめ込んだ場合は、これを取り外し、切取り線をいれた場合は、切取り部分取り外して製造される。
【0004】
別の例として、カバーレイを被覆した回路形成後のフレキシブル配線板に、前記絶縁層を積層し、これに開口処理前のリジット配線板を配置してフレキシブル配線板と共に加圧、加熱等して積層一体化した後、リジット配線板間のフレックス部に対応した部分のリジッド配線板を開口してフレキシブル配線板のケーブル部を露出させ、その後、穴開け、銅メッキ及び外層回路加工等を行い、リジッド-フレックス配線板を製造する。
【0005】
このように、通常のリジット-フレックス配線板の製造では、フレキシブル配線板とリジット配線板の層間接着シート兼絶縁層として、フレキシブル配線板が露出してフレックス部となる部分を開口させた樹脂フィルムを用いる必要がある。従来の方法によれば、このようなリジッド-フレックス配線板の製造方法に使用する樹脂フィルムの所定の位置に、所定の形状の開口部を設けるのには、金型による打ち抜きの方法や、ピンを用いたパンチングの方法などで行われていた。ところが、このような方法では、例えば少量多品種の配線板の生産などの場合、それに応じた金型を数多く作成しなければならず、安価には製造できないという問題があった。また、これらの方法では、最近の微細回路に対応した微細加工が困難であり、より高精度でしかも効率的な層間接着層の加工方法を用いたリジッド-フレックス配線板の製造方法の確立が望まれていた。
【0006】
積層部材を構成する樹脂層を除去して開口させる方法としてはレーザによる方法が知られており、例えば微細孔を開ける方法としては特開平5−305468号公報に示されているようにパルスレーザによる方法が知られている。しかしながらこのような方法では、パルスレーザビーム1パルスの加工面での照射範囲より大きい連続した範囲、例えば細長い連続した範囲を加工するなどの場合には、パルスレーザビームを隙間なく照射する必要があり、このようなパルスレーザビームを隙間なく照射して加工する方法は、例えば特開平9−223456号公報に記載されているが、パルス繰り返し周波数がおよそ10kHz以下と小さいために複数のパルスを照射するのに長時間を要し、つまりは連続した広い範囲の樹脂を除去するのに長時間を要することとなり、効率よく樹脂の除去加工ができないという問題があった。具体的には、樹脂を除去したい範囲が上記したパルスレーザビーム1パルスの標準的な照射範囲にあたる0.2cm2以上の場合には効率よく樹脂の除去加工ができないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、多層配線板に用いられる樹脂フィルムを、レーザを用いて、高効率、高精度で加工することのできる方法を提供することである。特に、リジッド-フレックス配線板の高効率、高精度な製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討の結果、掃引するレーザビームに連続発振のレーザビームを用いれば、特にこれまでのレーザ加工の手法では困難であった0.2cm2以上の樹脂除去加工が可能となり、前記課題が解決可能なことを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は発振波長が9〜11μ m である連続発振が可能な炭酸ガスレーザ発振装置からのレーザビームを用いた多層配線板用樹脂フィルムの加工において、レーザビームを単方向に掃引可能な掃引装置とレーザビームの掃引方向とは略直角方向に移動する樹脂フィルムを移動させるための加工テーブルとを備えたレーザ加工装置を用い、樹脂フィルムの吸収係数α(cm -1 )、フィルムを加工する厚み L (cm)、レーザビーム束の樹脂フィルム表面での断面直径d(cm)及び駆動ミラー掃引装置による掃引周波数 G ( Hz )としたときの移動速度v( cm/s )が、0.5×(d G /α L )<v<4.0×(d G /α L )を満足する速度で移動する加工テーブル上の樹脂フィルムに、単方向に掃引された連続発振レーザビームを3 J/cm 2 以上、50 J/cm 2 以下のエネルギー密度で照射し、開口部の面積が0.2 cm 2 以上となるように樹脂フィルムを開口することを特徴とする多層配線板用樹脂フィルムの製造方法である。そして、樹脂フィルムが、シリコンユニットを有するポリイミド樹脂又はその未硬化若しくは半硬化樹脂であることが有利である。更に、本発明は前記の製造方法で得られた樹脂フィルムを絶縁層として少なくとも1層有してなるリジッド-フレキシブルプリント配線板である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
一般的には、多層配線板は、回路形成されたプリント配線板又はフレキシブル配線板の上に、絶縁層及びリジット配線板等の導体層が逐次重ねられ製造される。本発明では多層配線板の製造に際し、少なくとも1層の所定範囲に開口部を設けた樹脂フィルムを接着及び絶縁用として、同様に所定の開口部を設けたリジット板と積層し、加熱加圧して多層配線板を製造するものである。
【0011】
多層配線板用の樹脂フィルムの種類は、絶縁性を有するものであれば特に制限はなく、公知の樹脂フィルムが広く使用できる。このような、絶縁性を有する樹脂フィルムに使用する材料としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂あるいはこれらを含む樹脂組成物などが挙げられる。好ましくはポリイミド樹脂又はポリイミド樹脂を含む樹脂組成物であり、ポリイミド樹脂の中でも、シリコンユニットを有するシリコン変性ポリイミド樹脂が好ましい。例えば、特開平6−200216号公報に示されているシリコンユニットを有するポリイミド樹脂70〜99重量%及びエポキシ樹脂1〜30重量%を配合してなる樹脂組成物が好ましいものとして挙げられる。
【0012】
エポキシ樹脂を配合したポリイミド樹脂組成物の場合、これは未硬化又は半硬化樹脂であることが好ましく、特にBステージ化状態のものが好ましい。
【0013】
樹脂フィルムの厚みは特に限定されるものではないが、1μm以上1000μm以下が好ましい。1μm未満の樹脂フィルムの作成は困難であり、また1000μmを超える樹脂フィルムの場合はレーザ加工する上でもエネルギー的に加工が困難となり、また多層配線板の厚みが厚くなり、実用的でなくなる。
【0014】
本発明においては、樹脂フィルムに所定範囲の開口部を設けるため、レーザー発振器から発振され、掃引されたレーザを開口したい部分に照射するが、使用するレーザとしては、大型設備が不要で、かつ取り扱いやメンテナンスが比較的容易な炭酸ガスレーザーが好ましい。なお、所定範囲の開口部とは、少なくともフレックス部に対応する部分又はその部分と周辺部の一部又は全部を含むものであればよく、必要によりその他の部分を含んでもよい。
【0015】
炭酸ガスレーザを用いて樹脂フィルムを加工する場合、加工装置には後記するような公知の炭酸ガスレーザ加工装置を用いることができる。樹脂フィルムの加工に用いられる炭酸ガスレーザー発振装置は、発振波長が9〜11μmである連続発振が可能な公知の炭酸ガスレーザ装置を用いればよく、好ましくは平均出力が100W以上、更に好ましくは500W以上の炭酸ガスレーザー装置を用いることがよい。
【0016】
レーザ発振器から発振された連続発振レーザビームを、樹脂フィルムの除去加工したい部分に照射するためにはレーザビームを掃引する必要がある。掃引する方法としては、公知のレーザ加工で使用されるミラー装置を使用することで可能となる。このような掃引可能な駆動ミラー装置としては、平面ミラーを平面を含む軸に対してある角度で往復で回転運動させることのできるガルバノミラースキャナーと、多角形ミラーを回転させるポリゴンミラースキャナが知られており、いずれも使用することができる。
【0017】
通常、レーザ加工を連続的に行う場合、加工対象物は一定方向に一定の速度で移動させることが可能な加工テーブルを用いて行なわれる。つまり、上記のようにして掃引されたレーザビームは、加工テーブル上の一定方向に移動する樹脂フィルムに照射されることとなるが、ここで、レーザビームは樹脂フィルムの移動方向(Y方向とする)と直行する方向(X方向とする)に照射される。
【0018】
上記、掃引されたレーザビームを集光する場合、光学レンズを使用してもよく、使用する光学レンズは炭酸ガスレーザを使用した場合には、レーザビームに対する透過率の高さからZnSe製が好ましい。
【0019】
樹脂フィルムの加工にあたり、(駆動ミラー掃引装置と光学レンズとを組み合わせて、)レーザビームをコンフォーマルマスクあるいはコンタクトマスクを施した樹脂フィルムに入射させるようにした場合、マスク面に入射したレーザビームの一部はマスクに吸収されること無く反射され、略同一光路を通ってレーザ発振器へ逆戻りする場合が有る。一度発振されたレーザビームがレーザ発振器に逆戻りすれば、逆戻りしたレーザビームがレーザ発振に関らない誘導放出を引き起こし、レーザ発振の増幅率である利得を減少させることとなり、結果的にレーザ発振出力を低下させる原因となる場合が考えられる。更には、逆戻りしたレーザビームがレーザ発振器の共振器壁面などに照射され、共振器自身を破壊する恐れも有る。したがって、このようなマスク面で反射したレーザビームの発振器への逆戻りを防止することが望ましい。
【0020】
レーザビームの発振器への逆戻りを防止する方法としては、レーザビームの偏向を利用する円偏向ミラーなどを組み合わせた光学系をレーザ発振器と樹脂フィルムの間に配置する方法がある。しかしながらこの場合、発振されたレーザビームの一部はこれら光学系で反射あるいは吸収され、樹脂フィルムに照射されるレーザビームのエネルギー低下を引き起こし、効率を低下させる原因となる。
【0021】
このような低下を引き起こさないようにし、かつレーザビームの逆戻りを防止するには、樹脂フィルムに照射されるレーザビームの入射角度が0°を超えるように、駆動ミラー掃引装置を配置すればよい。具体的には、駆動ミラー掃引装置を2〜20°の範囲で傾斜させ、樹脂フィルムへのレーザビームの入射角度を2〜20°に制御することで、レーザビームの入射エネルギーを低下させること無くマスク面で反射したレーザビームの発振器への逆戻りを防止できる。傾斜角度が2°未満の場合は、マスクで反射したレーザビームの一部がレーザ発振器へ逆戻りし、また、傾斜角度が20°を超える場合は、逆戻りはしないが、レーザ加工後の樹脂フィルムの加工断面形状が傾斜角度に対応して傾斜し好ましくない。
【0022】
加工すべき樹脂フィルムを移動かつ固定する加工テーブルは、駆動ミラー掃引装置による掃引方向(X方向)と直行する方向(Y方向)に、一定速度で移動する機構を備えたものであればよい。加工テーブルの形状は特に限定されるものではなく、平面状でもよく、また円筒状でもよい。加工テーブルが円筒状である場合は、駆動ミラー掃引装置によるレーザビームの掃引方向が円筒の高さ方向に一致するように円筒を配置しなければならない。また、加工テーブルへの樹脂フィルムの固定方法も特に限定されるものではなく、加工テーブルが平面状の場合は加工テーブルに設けた微細穴を介した真空吸引による方法や、マグネットによる方法でもよく、加工テーブルが円筒状の場合は、テンションロールなどを用いた方法でもよい。いずれにしても樹脂フィルムの移動速度が少なくとも0.1〜2(cm/s)の範囲で0.1(cm/s)刻みで可変制御可能であり、好ましくは0.01〜10(cm/s)の範囲で0.01cm/s刻みで可変制御可能であればよい。
【0023】
樹脂フィルムをレーザビームで加工すると、すすなどの絶縁層の分解副生成物が発生し、これが配線板に付着したり、あるいは加工装置を構成する光学レンズに付着したりする場合がある。これらはそれぞれ、樹脂フィルムの品質を低下させたり、加工装置の性能を低下させる原因となり、好ましくない。そこで、これら発生するすすなどの分解副生成物の除去を目的としたガス吹き付け装置であるいわゆるアシストガス装置、あるいはエアカーテン装置、すすを回収するための集塵装置などを配置することが好ましい。それぞれの装置は、一般に知られている装置でよく、また、アシストガス装置及びエアカーテン装置に用いるガスの種類は特に限定されるものではなく、例えばコンプレッサーなどで5kg/cm2程度に加圧された空気を用いてもよい。
【0024】
このようなレーザ加工装置を用いて樹脂フィルムにレーザ照射して加工を行う場合、レーザの平均出力、レーザビーム束の樹脂フィルム表面での断面積及び駆動ミラー掃引装置によるレーザビームの樹脂フィルム上での掃引速度によって制御される樹脂フィルムに照射されるレーザビームのエネルギー密度φ0(J/cm2)は、レーザによる樹脂フィルム加工における加工閾値φth(J/cm2)によって決まり、
2φth<φ0<20φth
の範囲であることが望ましい。特に、樹脂フィルムがポリイミド樹脂あるいはエポキシ樹脂を主成分とする場合は、3J/cm2以上、50J/cm2以下のエネルギー密度であることが好ましい。
【0025】
また、樹脂フィルムを固定した加工テーブルの移動速度v(cm/s)は、樹脂フィルムの吸収係数α(cm-1)、フィルムを加工する厚みL(cm)、レーザビーム束の樹脂フィルム表面での断面直径d(cm)、及び駆動ミラー掃引装置による掃引周波数G(Hz)によって決まり、
0.5×(dG/αL)<v<4.0×(dG/αL)
の範囲であることが望ましい。
【0026】
本発明において、レーザ加工した接着層兼絶縁層となる樹脂フィルムと配線板を積層する方法は、特に限定されるものではないが、ホットプレス、ホットロール等の加熱加圧成形機を用いて160〜220℃の温度範囲で、20〜40Kg/cm2程度の圧力範囲をもって加熱加圧成形法により積層する方法が好ましい。
【0027】
上記の積層体を穴あけ処理などを行うには、NC穴開け等の公知の方法によるものでよく、また、開孔した部分に銅メッキ等を施し、スルーホールを形成する場合も、公知の無電解めっきあるいは電解めっきの方法によるものでよい。更に、表面層の導体層の回路加工は感光性樹脂を塗布するか、あるいは通常の感光性ドライフィルムをラミネートした後、所望のマスクパターンを載せて紫外線照射で感光性樹脂層を感光させて現像した後、塩化第二鉄等のエッチング液でエッチングするなど公知方法によるものでよい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明のリジット-フレックス配線板の製造方法について詳細に説明する。
【0029】
実施例1
リジット-フレックス配線板のフレキシブル配線板とリジット配線板間の層間接着兼絶縁用の樹脂フィルムには、新日鐡化学株式会社製ボンディングシートSPB050A(厚み50μm、エポキシ樹脂配合シリコン変性ポリイミド樹脂組成物:Bステージ)を用いた。
【0030】
図2に示すような、連続発振可能な炭酸ガスレーザ発振器20に単方向掃引ガルバノミラー掃引装置23を取り付け、ガルバノミラー掃引装置による掃引方向と略直角方向に移動する加工テーブル24を備えた装置を用いて、樹脂フィルムを加工した。フレキシブル配線板が露出してフレックス部となる所定の範囲のレーザ加工による開口には、金属マスクのコンタクト方式を用いた。コンタクトマスクの開口部は100mm×50mmの寸法で、50cm2の開口面積を持つものとした。なお、図中21はレーザビーム、22は集光レンズである。
【0031】
樹脂フィルムのレーザ加工は、レーザ発振の平均出力を720W、レーザビームの集光面積を9.62×10-4cm2、レーザビームの掃引幅を100mm、配線板の移動速度を12mm/s及びガルバノミラー掃引装置による掃引周波数を50Hzとして前記ボンディングシートの加工を行った。
【0032】
次に、図1に示すようにフレキシブル配線板である新日鐡化学株式会社製両面銅張り積層板(SB35-50-35WE)に、市販の感光性ドライフィルムをラミネートし、所望のマスクパターンを載せて紫外線照射でこれを感光させ、現像したのち、塩化第二鉄等のエッチング液でエッチングして導体層の回路加工を行い、新日鐵化学株式会社製カバーレイフィルム(SPC35A25A)で被覆し、フレキシブル配線板5を作成した。カバーレイは、室温から3℃/分で加温し、180℃で1時間保持した後、水冷方式で20分で室温まで冷却する温度条件で、30kg/cm2のプレス圧力でプレスして被覆した。
【0033】
次に、フレックス部となる所定の開口部を開けたリジット配線板3及び7、リジット配線板の開口部と開口部同士が重なるように開口部10、11、12及び13を設けた樹脂フィルム2、4、6及び8と、外層を形成する銅箔1、9をホットプレスにより同時に積層した。積層プレスは、室温から3℃/分で加温し、180℃で1時間保持した後、水冷方式で20分で室温まで冷却し、プレス圧力は20kg/cm2の条件で行った。
【0034】
次に、積層した多層配線板に、穴開け及び銅メッキを施した後に感光性ドライフィルムをラミネートし、パターンマスクを施した後、紫外線を照射して感光性ドライフィルムを感光させ、現像及びエッチング工程を経て外層回路加工を行いリジット-フレックス配線板を製造した。
【0035】
製造したリジッド-フレックス配線板は、接着シートの加工精度が向上したことによりプレス時の接着シートの染み出しなどが抑制されており、高効率な製造方法であるに加え高精度で製造できることが確認された。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、多層配線板の絶縁性樹脂層となる接着シートの開口部や穴等を高精度かつ高効率で加工でき、信頼性の高い多層配線板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線板の層構造を分解して示す斜視図
【図2】 連続発振炭酸ガスレーザ加工装置の概略装置図
【符号の説明】
1、9 外層銅箔
2、4、6、8 樹脂フィルム
3、7 リジット配線板
5 フレキシブル配線板
20 炭酸ガスレーザ発振器
21 レーザビーム
22 集光レンズ
23 単方向ガルバノミラー
24 加工テーブル
Claims (3)
- 発振波長が9〜11μmである連続発振が可能な炭酸ガスレーザ発振装置からのレーザビームを用いた多層配線板用樹脂フィルムの加工において、レーザビームを単方向に掃引可能な掃引装置とレーザビームの掃引方向とは略直角方向に移動する樹脂フィルムを移動させるための加工テーブルとを備えたレーザ加工装置を用い、樹脂フィルムの吸収係数α(cm-1)、フィルムを加工する厚みL(cm)、レーザビーム束の樹脂フィルム表面での断面直径d(cm)及び駆動ミラー掃引装置による掃引周波数G(Hz)としたときの移動速度v(cm/s)が、0.5×(dG/αL)<v<4.0×(dG/αL)を満足する速度で移動する加工テーブル上の樹脂フィルムに、単方向に掃引された連続発振レーザビームを3J/cm2以上、50J/cm2以下のエネルギー密度で照射し、開口部の面積が0.2cm2以上となるように樹脂フィルムを開口することを特徴とする多層配線板用樹脂フィルムの製造方法。
- 樹脂フィルムが、シリコンユニットを有するポリイミド樹脂又はその未硬化若しくは半硬化樹脂である請求項1記載の多層配線板用樹脂フィルムの製造方法。
- 請求項1記載の多層配線板用樹脂フィルムの製造方法に使用されるレーザ加工装置において、
連続発振の炭酸ガスレーザ発振器と、
該発振器から連続発振されたレーザビームを単方向に掃引可能な掃引装置と、
該掃引装置で掃引されたレーザビームの掃引方向とは略直角方向に移動する樹脂フィルムを移動させるための加工テーブルとを備え、
前記樹脂フィルム上での掃引速度によって制御される樹脂フィルムに照射されるレーザビームのエネルギー密度φo(J/cm2)を2φth<φo<20φth(但し、φthは加工閾値(J/cm2)である。)を満足し、且つ3J/cm2以上、50J/cm2以下のエネルギー密度に設定したことを特徴とする配線板用樹脂フィルムのレーザー加工装置。
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