JP3634986B2 - 自家用変電設備における地絡区間判別方式及び地絡区間判別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自家用変電設備における地絡区間判別方式に関し、特に引込みケーブルに零相変流器を用いて地絡区間を判別する方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、構外の電力会社の配電線と構内の自家用変電設備との間には高圧地絡継電器が設けられている。
【0003】
この高圧地絡継電器が動作(地絡を検出)したとき、動作原因を調べるために、地絡継電器が動作したときの入力波形を観測する装置、又は高感度な地絡検出を行い、地絡検出したときの日時、検出レベルをメモリに記憶する装置を設けていた。
【0004】
構外と構内の地絡を判別する装置においては、零相電圧検出器を用いて検出した零相電圧と地絡電流との位相差によって構外又は構内の地絡箇所を判別するのが一般的である。
【0005】
一方、特公平7−71374号公報の配電線の地絡点認識装置においては、地域的な広がりを持つ配電系統(フィーダ)を集めた変電所に、フィーダ遮断器をフィーダ毎に設け、このフィーダ遮断器を手動又は自動シーケンス制御的に遮断して行く。このとき、フィーダの各区間に設けられて区間開閉器DM1、DM2、DM3に順次、電圧を印加させながら遮断するまでの時間を計測し、この時間から地絡区間を認識することが開示されている。
【0006】
また、特公平7−71374号公報においては、地絡地点が区間内のどの部分であるかを検出するために、区間内の開閉器を流れる電流を零相変流器を用いて検出し、子局がこの電流から地絡電流検出値と地絡時の位相とを求めて親局に送信する。
【0007】
親局は、送信された区間の地絡電流検出値がしきい値より大きいかどうか、さらに前後の区間における地絡電流の位相(地絡時位相)が180度異なるかどうか、または前後の地絡電流の差がしきい値以上であり、前のデータと比べて大きくなっており、次の区間比較では小さくなっているかどうかを確認し、そのような区間があれば、その区間にて地絡が発生したものと判断していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高圧地絡継電器の動作原因を調べる装置は無方向性であるため、構外又は構内のいずれかで地絡故障が発生したかが容易に判断できないという課題があった。
【0009】
例えば、ある地域では高圧地絡継電器の動作件数が年間で1000件程あるが約半数は、どこの区間における地絡故障かが判別できなかった。
【0010】
さらに、地絡区間を判別する方式もあるが零相電圧検出器を用いているので、接地変圧器等を必要とするので回路が複雑になると共に、配線作業が必要になるという課題があった。
【0011】
一方、特公平7−71374号公報の方式は、いわば構外の配電線の地絡区間を検出するものであり、構外又は構内の引き込み側、変電設備内のいずれかが地絡故障かを判別するものではない。
【0012】
また、地絡地点の認識は、各区間に開閉器を設け、この開閉器において地絡を検出したとき、前後の区間の地絡電流、位相差、しきい値を用いて地絡地点を認識するものであるからシステムが大規模になり、自家用変電設備を用いている場合に、構外又は構内の引き込み側、変電設備側のいずれかの地絡故障を判別するには適さないという課題があった。
【0013】
本発明は以上の課題を解決するためになされたもので、自家用変電設備において、零相電圧検出器を用いないで簡単な構成で精度良く構外又は構内の引き込み側、変電設備側のいずれかの地絡故障かを判別できる自家用変電設備の地絡区間判別方式を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の自家用変電設備における地絡区間判別方式は、高電圧の配電線路に接続された所定の変電設備と、前記高電圧より低い電圧で負荷に電力を供給する自家用変電設備とを接続して前記配電線路からの電力を前記自家用変電設備に引き込む引込みケーブルを有し、 前記引込みケーブルは、複数の各芯線各々に遮蔽銅テープが設けられ、これらの遮蔽銅テープ同志は互いに接続され、かつ接地線でアースに接続されたものである。
【0015】
前記接地線は、前記引込みケーブルの前記自家用変電設備側の端部で前記各芯線各々の遮蔽銅テープに一方を接続し、他方を前記アースに接地してなり、
前記自家用変電設備側の前記引込みケーブルの前記端部、該端部の各芯線各々の遮蔽銅テープ側に接続された前記一方側の接地線及び前記引込みケーブルの端部の近傍とを一緒にクランプして通過させる一次側及び二次側からなる極性をもつ第1の零相変流器と、前記アースに接続された接地線の他方側のみをクランプして通過させる一次側及び二次側からなる極性をもつ第2の零相変流器と、
前記第1の零相変流器からの第1の検出電流と前記第2の零相変流器からの第2の検出電流とを入力し、検出電流の有無、電流の方向が同相か逆相か、逆相であれば電流の大きさから前記配電線路側、前記引込みケーブル又は前記自家用変電設備のいずれかの区間に地絡故障が発生したかを判別して知らせる地絡区間判別装置とからなることを要旨とする。
【0016】
このため、地絡が自家用変電設備内で発生したときは、アースから接地線を介して引込みケーブルに向かってながれる第2の電流が接地線と遮蔽銅テープとを逆向きに流れるので第1の零相変流器でこの第2の電流がキャンセルされる。
【0017】
そして、アースから配電線路を介して引込みケーブルに流れ込む第1の検出電流のみが第1の零相変流器によって検出される。
【0018】
また、接地線に設けられた第2の零相変流器はアースから流れ込み第2の電流を検出する。つまり、二次側巻線から一次側巻線に向かう第2の電流を検出する。
【0019】
このため、第1の零相変流器と第2の零相変流器からの第1、第2の検出電流は逆相となって地絡区間判別装置に入力する。
【0020】
また、引込みケーブル内で地絡が発生したときは、引込みケーブルの遮蔽銅テープから接地線を介してアースに向かってながれる第2の電流が接地線と遮蔽銅テープとを逆向きに流れるので第1の零相変流器でこの第2の電流がキャンセルされる。
【0021】
そして、アースから自家用変電設備を介して引込みケーブルに流れ込む第1の検出電流のみが第1の零相変流器によって検出される。このときの第1の電流は第1の零相変流器の二次側から一次側に向かって流れる。
【0022】
また、接地線に設けられた第2の零相変流器は接地線からアースに流れ込む第2の電流を検出する。つまり、一次側巻線から二次側巻線に向かう第2の電流を検出する。
【0023】
このため、第1の零相変流器と第2の零相変流器からの第1、第2の検出電流は逆相となって地絡区間判別装置に入力する。
【0024】
さらに、配電線路側に地絡が発生したときは、アースから接地線を介して引込みケーブルに向かってながれる第2の電流が接地線と遮蔽銅テープとを逆向きに流れるので第1の零相変流器でこの第2の電流がキャンセルされる。
【0025】
そして、アースから自家用変電設備を介して引込みケーブルに流れ込む第1の検出電流のみが第1の零相変流器によって検出される。つまり、第1の零相変流器は二次側から一次側に向かう第1の電流を検出する。
【0026】
また、接地線に設けられた第2の零相変流器はアースから流れ込み第2の電流を検出する。つまり、二次側巻線から一次側巻線に向かう第2の電流を検出する。
【0027】
このため、第1の零相変流器と第2の零相変流器からの第1、第2の検出電流は同相となって地絡区間判別装置に入力する。
【0028】
また、本発明の地絡区間判別装置は、高電圧の配電線路に接続された所定の変電設備と、前記高電圧より低い電圧で負荷に電力を供給する自家用変電設備とを接続して前記配電線路からの電力を前記自家用変電設備に引き込む引込みケーブルを有し、この引込みケーブルは、複数の各芯線各々に遮蔽銅テープが設けられ、これらの遮蔽銅テープ同志は互いに接続され、かつ前記自家用変電設備側の前記遮蔽銅テープ同士に一方の接地線が接続され、該接地線の他方がアースに接続されたものであり、互いに接続された遮蔽銅テープ同士を接続する接地線と前記自家用変電設備の引込みケーブルを、遮蔽銅テープ同士を互いに接続している場所の近傍で一緒にクランプして通過させる一次側及び二次側からなる極性を持つ第1の零相変流器と、前記接地線の他方側をクランプして通過させる一次側及び二次側からなる極性をもつ第2の零相変流器とに接続された地絡区間判別装置である。
【0029】
前記地絡区間判別装置は、
前記第1の零相変流器からの第1の検出電流と前記第2の零相変流器からの第2の検出電流とを入力し、前記第1の零相変流器が検出した第1の検出電流、及び第2の零相変流器が検出した第2の検出電流を読み、両方の検出電流の位相が同相又は逆相かどうかを判別する手段と、逆相のときは、前記第1の検出電流が前記第2の検出電流を越えているときには、前記自家用変電設備内の地絡故障と判別する手段と、前記第2の検出電流が前記第1の検出電流を越えているときには、前記引込みケーブルの地絡故障と判別する手段と、さらに同相のときは、前記配電線路側と判別する手段とを備えたことを要旨とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は本実施の形態の自家用変電設備における地絡区間判別方式の概略構成図である。この方式は、引込みケーブルの電源側1からの3相電力を自家用変電設備2側に引き込むための引込みケーブル3内のシールド線4a、4b、4c(遮蔽銅テープ)に対して接地線5をアース接地する。
【0031】
そして、この引込みケーブル3と接地線5とを零相変流器ZCT1で一緒にクランプすると共に、零相変流器ZCTcで接地線5を流れる電流Icを検出し、この零相変流器ZCT1からの検出電流i1と零相変流器ZCTcの検出電流icとを地絡区間判別装置6に入力して地絡故障が引込みケーブル電源側1、引込みケーブル3の区間、自家用変電設備2側のいずれかを判別する。
【0032】
また、前述の引込みケーブルの電源側1においては、受電設備9を引き込み柱に設けている。この受電設備9は、電力会社の3相の配電線路8と引込みケーブル3とを接続する高圧交流負荷開閉器(又は高圧交流遮断器)と、無方向性の地絡継電器GRy等を備えて、配電線路8と引込みケーブル3とに接続されている。
【0033】
また、引込みケーブル3は、例えば高圧CVケーブルなどを用いており、3本の芯線はそれぞれ絶縁体により被覆されており、その外周を例えば銅テープなどの遮蔽用導電性シールド材により覆われて、シールド線4a、4b、4cを構成している。これらシールド線には前述の通り、各シールド線4a、4b、4cの遮蔽銅テープに接続する接地線5が設けられている。
【0034】
一般的に、引込みケーブル3の対地静電容量と、自家用変電設備2の対地静電容量(図示せず)の比率は10対1〜1対10の範囲内にある。
【0035】
また、零相変流器ZCT1、ZCTcは、既設の引込みケーブル3や接地線5への設置が容易にできるように分割形を用いており、その際には複数の鉄心を多数積層して重ね合わせ、分割接合部が嵌合式を用いるのがよい。また、後述のとおりZCT1、ZCTcは、本発明において極性、即ち取り付け向きを注意する必要がある。
【0036】
当業者間では、零相変流器の向きを示すために、電源側をK、負荷側をLで示すことが一般的であるが(JIS C 1731計器用変成器 を参照)、以後の説明では、ZCT1、ZCTcそれぞれの向き(極性)を説明するために、前述の電源側を一次側と設定し、一次側Kと表記し、前述負荷側を二次側と設定し、二次側Lとして説明する。
【0037】
上記のように構成された地絡箇所判別方式の動作を図2、図3、図4を用いて以下に説明する。
【0038】
<変電設備の地絡故障の場合>
図2は変電設備内で地絡故障が発生した場合の零相変流器ZCT1、ZCTcを通電する電流のルートを説明する説明図である。図2において、Igcは引込みケーブル3の対地静電容量Ccを介して地絡点に戻る電流、Ig1は配電線路8の対地静電容量C1を介して流れる電流、Igは電流Igcと電流Ig1とを合計した電流である。
【0039】
例えば、図2に示すように、自家用変電設備2の母線のa点で地絡が発生すると、電流Igが変電設備2の母線のa点からアースに流れる。
【0040】
また、この電流Igがアースに流れ込むのに伴って、電流Ig1がアース、配電線路8の対地静電容量C1、配電線路8、受電設備9、引込みケーブル3、自家用変電設備2の地絡点aのルートで流れる。
【0041】
さらに、電流Igがアースに流れ込むのに伴って、電流Igcがアース、接地線5、シールド線4(4a、4b、4c)、引込みケーブル3の対地静電容量Cc、引込みケーブル3、自家用変電設備2の地絡点aのルートで流れこむ。
【0042】
すなわち、零相変流器ZCT1においては、接地線5、シールド線4を流れるIgcが互いに逆向きで鉄心を通過する。零相変流器Zct1の一次側Kから二次側Lに向かう電流Igcと、二次側Lから一次側Kに向かう電流Igcとが同時に通過するため、両電流がキャンセルされることになる。
【0043】
従って、ZCT1では引込みケーブルの電源側1から引込みケーブル3を通る電流Ig1と引込みケーブル3の対地静電容量を介して引き込みケーブルを通る電流Igcの合計が検出される。
【0044】
すなわち、自家用変電設備2側で地絡故障が発生すると、零相変流器ZCT1は、引込みケーブルの電源側1及び引込みケーブルの対地静電容量から流れ込んで、一次側Kから二次側Lに向かう地絡電流Ig(Ig;Igc+Ig1)を電流I1として検出し、かつ接地線5に設けられた零相変流器ZCTcは、アース側から流れ込んで二次側Lから一次側Kに向かう地絡電流Igcを電流Icとして検出する。
【0045】
つまり、変電設備側で地絡故障が発生した場合は、電流Igc及び電流Igは位相が180°異なって検出される(電流I1と電流Icの位相差は180°)。
【0046】
また、引込みケーブル3の対地静電容量Ccと配電線路8の静電容量C1との関係は、配電線路8の静電容量C1の方が極めて大きいので、I1とIcの関係はI1≫Icとなる。
【0047】
<引込みケーブル内で地絡故障が発生した場合>
図3に示すように、例えば引込みケーブル3のb点で地絡故障が発生すると、電流Igが引込みケーブル3のb点からシールド線4(4a、4b、4c)、接地線5、アースのルートで流れる。
【0048】
すなわち、零相変流器ZCT1においては、図3に示すように、接地線5、シールド線4を流れる電流Igが互いに逆向きで鉄心を通過する。零相変流器Zct1の一次側Kから二次側Lに向かう電流Igと、二次側Lから一次側Kに向かう電流Igとが同時に通過するため、両電流がキャンセルされることになる。
【0049】
また、これによって、電流Ig1がアース、配電線路8の対地静電容量C1、配電線路8、受電設備9、引込みケーブル3の地絡点bのルートで流れる。
【0050】
さらに、電流Ig2がアース、自家用変電設備2の対地静電容量C2、自家用変電設備の母線、引込みケーブル3のb点のルートで流れる。
【0051】
すなわち、引込みケーブル3内で地絡故障が発生すると、零相変流器ZCT1がアース、自家用変電設備2側から流れ込んで、二次側Lから一次側Kに向かう電流Ig2を電流I1として検出し、かつ接地線5に設けられた零相変流器ZCTc
は、シールド線4から接地線5を介してアースに流れ込んで、一次側Kから二次側Lに向かう電流Igを電流Icとして検出する。
【0052】
つまり、引込みケーブル3内で地絡故障が発生した場合は、地絡電流Ig及び電流Ig2は位相が180°異なって検出される(電流I1と電流Icの位相差は180°)。
【0053】
また、自家用変電設備2の対地静電容量C2と配電線路8の静電容量C1との関係は、配電線路8の静電容量C1の方が極めて大きいので、I1とIcの関係はIc≫I1となる。
【0054】
<引込みケーブルの電源側で地絡故障が生じた場合>
図4に示すように、引込みケーブルの電源側1のc点で地絡故障が発生すると、電流Igがアースに流れる。
【0055】
これによって、電流Ig2がアース、自家用変電設備2の対地静電容量C2、自家用変電設備の母線、引込みケーブル3、高圧交流負荷開閉器(又は高圧交流遮断機)9、地絡点Cのルートで流れる。
【0056】
一方、電流Igcがアース、接地線5、シールド線4、引込みケーブル3の静電容量Cc、引込みケーブル3、高圧交流負荷開閉器9、地絡点Cのルートで流れる。
【0057】
すなわち、零相変流器ZCT1においては、図4に示すように、接地線5、シールド線4を流れる電流Igcが互いに逆向きで鉄心を通過する。零相変流器Zct1の一次側Kから二次側Lに向かう電流Igcと、二次側Lから一次側Kに向かう電流Igcとが同時に通過するため、両電流がキャンセルされることになる。
【0058】
従って、引込みケーブルの電源側1から自家用変電設備2を通る電流Ig2のみが検出される。
【0059】
すなわち、引込みケーブルの電源側1で地絡故障が発生すると、零相変流器ZCT1が、アース、自家用変電設備2側から流れ込んで、二次側Lから一次側Kに向かう電流Ig2を電流I1として検出し、かつ接地線5に設けられた零相変流器ZCTcは、アース、接地線5からシールド線4に流れ込んで、二次側Lから一次側Kに向かう電流Igcを電流Icとして検出する。
【0060】
つまり、引込みケーブルの電源側1で地絡故障が発生した場合は、電流Ig2及び電流Igcは位相が同相で検出される(電流I1と電流Icの位相差は0°)。
【0061】
すなわち、引込みケーブルの電源側1、引込みケーブル3、自家用変電設備2において地絡が発生したときの電流と位相の関係は表1に示すようになっている。
【0062】
なお、一般的な引込みケーブル3の対地静電容量と自家用変電設備2における対地静電容量の比率から、ZCT1、ZCTcの各々の検出電流は、双方とも検出可能レベルに達し、電流I1、Icの位相判断は、殆どの場合に於いて判断可能である。
【0063】
【表1】
表1においては、零相変流器ZCT1を流れる電流を単にI1とし、零相変流器ZCTcを流れる電流を単にIcとして示している。
【0064】
この表1に示すように、引込みケーブル3に設けた零相変流器ZCT1を流れる電流I1及び引込みケーブル3のシールド線4に設けた零相変流器ZCTcを流れる電流Icの位相関係と大きさとを判断できれば、地絡箇所が自家用変電設備内、引込みケーブル内又は引込みケーブルの電源側かどうかを判別できることになる。
【0065】
この判別方法の概略を図5を用いて説明する。図5に示すように、零相変流器ZCT1及び零相変流器ZCTCによって、ZCT1、ZCTCを流れる電流I1、電流Icを検出し(d1、d2)、この検出電流i1、icを所定の電圧に整定する(d3、d4)。
【0066】
次に、検出電流i1と検出電流icの両方か又は検出電流i1若しくは検出電流icの一方を検出したかどうかを判別する検出電流判別を行う(d5)。
【0067】
この検出電流判別によって、i1とic共に検出したときは(d6)、両方の検出電流の位相差を比較する(d7)。
【0068】
次に、この位相差が位相差約0°(同相)又は位相差約180°かどうかを判定する(d8、d9)。
【0069】
位相差が位相差約0°(同相)のときは、引込みケーブルの電源側1の地絡と判定する(d10)。この結果をLED(発光ダイオード)を用いて知らせる。
【0070】
また、位相差約180°のときは、検出電流icと検出電流i1との大きさを比較し(d11)、検出電流i1が検出電流icより大きいときは(d12)、自家用変電設備2内の地絡と判定する(d14)。この結果をLEDを用いて知らせる。
【0071】
また、位相差180°で、検出電流icが検出電流i1より大きいときは(d13)、引込みケーブル3内の地絡と判定する(d18)。この結果をLEDを用いて知らせる。さらに、検出電流i1のみを検出したとき(d17)は、自家用変電設備2の地絡と判定(d14)し、検出電流icのみを検出したとき(d16)は、引き込みケーブル3内の地絡と判定する(d18)。
【0072】
次に、この判別方法を用いた地絡区間判別装置の具体的構成を図6、図7を用いて以下に説明する。
【0073】
地絡区間判別装置6は図6に示すように、引込みケーブル3の本体と接地線5とをクランプしている零相変流器ZCT1からの検出電流i1と、接地線5をクランプしている零相変流器ZCTCからの検出電流icとをそれぞれ入力し、これをアナログの電気部品で所定の電圧波形に変換及び位相差を求めるための信号を生成する整定回路部8と、整定回路部8からの検出電流ic、i1の有無を判別し、この判別結果と、位相差及び検出電流の大きさに基づいて、地絡区間を演算判別する地絡区間判別演算部9(CPU部ともいう)とを備えている。
【0074】
この地絡区間判別演算部9には、整定回路部8からの零相変流器ZCT1による検出電流i1及び零相変流器ZCTCの検出電流icが入力したときに、その検出電流の判別の感度を決めるロータリスイッチSW1、SW2が接続されている。
【0075】
例えば、これらのロータリスイッチの設定によって、50〔mA〕、100〔mA〕、200〔mA〕…の判別の感度となる。
【0076】
さらに、地絡区間判別演算部9には所定秒以下の地絡を無視させるためのロータリスイッチSW3が接続されている。このロータリスイッチSW3の操作によって、0.4〔s〕、0.3〔s〕、0.2〔s〕…以下の地絡を無視させることが可能となっている。
【0077】
また、この地絡区間判別演算部9には、引込みケーブルの電源側1の地絡を知らせるためのLED10a(以下引込みケーブル電源側地絡報知用LEDという)と、引込みケーブル3内の地絡を知らせるためのLED10b(以下引込みケーブル内地絡報知用LEDという)と、自家用変電設備2内の地絡を知らせるためのLED10c(以下自家用変電設備内地絡報知用LEDという)とが接続されている。
【0078】
前述の整定回路部8及び地絡区間判別演算部9の構成は図7に示すように構成されている。
【0079】
図7に示すように、整定回路部8は、電流−電圧変換回路12a、12bと、バンドパスフィルタ13a、13bと、地絡検知回路14a、14bとを備えている。
【0080】
電流−電圧変換回路12aは、引込みケーブル3をクランプ(本体、接地線)した零相変流器ZCT1の検出電流i1を電圧増幅する。
【0081】
この電流−電圧変換回路12aは、零相変流器ZCT1の一次側Kから二次側Lに向かう電流I1及び零相変流器ZCT1の二次側Lから一次側Kに向かう電流I1を検出可能にされている。
【0082】
また、電流−電圧変換回路12aは、例えば零相変流器ZCT1が50〔mA〕の検出電流i1を検出したとき、0.1〔V〕程度に変換する。
【0083】
バンドパスフィルタ13aは、図示しない微分回路、積分回路、アンプなどによって構成されている。
【0084】
電流−電圧変換回路12aからの検出電流信号i1は、例えば、50〔Hz〕又は60〔Hz〕の周波数を中心として、その上下に任意に設定した一定幅の周波数帯内のものが通過するようにしている。
【0085】
地絡検知回路14aは、電流−電圧変換回路12aからの検出電流信号i1を入力し、この信号(方向はマイナス又はプラス)とグランドレベルとの差を増幅して送出する。
【0086】
一方、接地線5に設けられた零相変流器ZCTcには、図7に示すように上記と同様な電流−電圧変換回路12b、バンドパスフィルタ13b、地絡検知回路14bの順で直列に接続されている。
【0087】
また、バンドパスフィルタ13a、13bの出力及び地絡検知回路14a、14bの出力を入力して、それぞれを所定の電圧レベルに変換する電圧レベル変換回路15が設けられ、地絡区間判別演算部9に送出する。
【0088】
この電圧レベル変換回路15におけるバンドパスフィルタ13aの検出電流信号i1をレベル変換した信号を検出電流i11、バンドパスフィルタ13bの検出電流信号icをレベル変換した信号を検出電流iccと称する。
【0089】
さらに、地絡区間判別演算部9は、図7に示すように、検知電流判別回路18とMPU19(マイクロコンピュータ)とを備えている。
【0090】
また、本実施の形態では検出電流i1、icは電圧に変換されているが単に検出電流i1、ic、i11、iccとして説明する。
【0091】
検知電流判別回路18は、ロータリスイッチSW1、SW2、SW3に接続され、整定回路部8から入力する検出電流i1がロータリスイッチSW1、SW2、SW3の設定条件を満たしているとき、MPU19に出力信号を送出する。 例えば、SW1、SW2の設定が50〔mA〕にされているときは、検出電流i1、icが50〔mA〕に相当する電圧レベルになっているとき、検出電流i1、icを検知したことを知らせる出力信号を送出する。
【0092】
この出力信号の送出は、ロータリスイッチSW3の設定時間を越えているときに送出する。例えば、設定時間が0.3〔s〕で、SW1、SW2の設定が50〔mA〕にされているとき、検出電流i1が50〔mA〕に相当する電圧を越えて、かつ0.3〔s〕以上継続したときは、検出電流i1の検出を知らせる出力信号を送出する。
【0093】
MPU19は、検出電流i1及びicの検知又は検出電流i1又はicのいずれかの検知が知らせられると以下に説明する処理を行ってLED10a、10b、10cを点灯させる。
【0094】
図8、9はMPU19の動作を説明するフローチャートである。MPU19は、検知電流判別回路18の出力信号が書き込まれるポートをリードする(S801)。
【0095】
そして、このポートに書き込まれた出力信号(フラグ)の種類から検出電流の種類を判別する(S803)。例えば、検出電流i1、icの両方の検知若しくは検出電流i1又はicの検知かどうかを判定する。
【0096】
ステップS803において、i1とicの検出と判定したときは、判別用レジスタ(図示せず)にi1とicの検出フラグfi1、ficを設定する(S805)。そして、電圧レベル変換回路15からのバンドパスフィルタ13aの検出電流i1をレベル変換した検出電流i11と、バンドパスフィルタ13bの検出電流icをレベル変換した検出電流iccを電圧に変換し、この位相差を検出電流i1と検出電流icの位相差として求める(S807)。次に、この位相差を判別する(S809)。
【0097】
ステップS809で位相差が180°と判定された場合は、位相差180°を示すフラグf180を判別レジスタHiに設定する(S811)。
【0098】
つまり、図2において説明したように、零相変流器ZCT1は引込みケーブルの電源側及び引込みケーブルの対地静電容量から流れ込んで、一次側Kから二次側Lに向かう地絡電流Ig(Ig;Igc+Ig1)を電流I1として検出し、かつ接地線5に設けられた零相変流器ZCTcは、アース側から流れ込んで二次側Lから一次側Kに向かう地絡電流Igcを電流Icとして検出していることになる。
【0099】
若しくは、図3において説明したように、引込みケーブル3内で地絡故障が発生すると、零相変流器ZCT1がアース、自家用変電設備2側から流れ込んで、二次側Lから一次側Kに向かう電流Ig2を電流I1として検出し、かつ接地線5に設けられた零相変流器ZCTcは、シールド線4から接地線5を介してアースに流れ込んで、一次側Kから二次側Lに向かう電流Igを電流Icとして検出していることになる。
【0100】
すなわち、自家用変電設備2又は引込みケーブル3内の地絡故障のいずれかである。
【0101】
次に、MPU19は、電圧レベル変換回路15からの検出電流I1、ICの値を求め(S813)、I1とICの大きさを比較する(S815)。
【0102】
ステップS815において、検出電流I1が検出電流ICより大きいと判定したときは、検出電流I1の方が大きい値であることを示すフラグfkを判別用レジスタHiに設定する(S817)。
【0103】
つまり、引込みケーブル3に設けられた零相変流器ZCT1を流れる電流I1と接地線5に設けられた零相変流器ZCTCを流れる電流ICの位相差が180°で、かつ電流I1が大きいことを設定したことになる。
【0104】
また、ステップS815において、零相変流器ZCTCを流れる電流ICの方が大きいと判定したときは、電流ICの方が大きいことを示すフラグfmを判別用レジスタHiに設定する(S819)。
【0105】
さらに、ステップS809において、icとi1の位相差が「0°」と判定したときは、両方の電流が同相であることを示すフラグf0を設定する(S821)。つまり、図4において説明したように、零相変流器ZCT1が、アース、自家用変電設備2側から流れ込んで、二次側Lから一次側Kに向かう電流Ig2を電流I1として検出し、かつ接地線5に設けられた零相変流器ZCTcは、アース、接地線5からシールド線4に流れ込んで、二次側Lから一次側Kに向かう電流Igcを電流Icとして検出したことになる。
【0106】
さらに、ステップS803において、検出電流の種類がi1又はicのいずれかと判定したときは、その電流はicかどうかを判定する(S823)。
【0107】
ステップS823において、icと判定したときは、検出電流icの検出を示すフラグficを判別用レジスタHiに設定する(S825)。
【0108】
また、ステップS823において、icではないと判定したときは、検出電流i1のみの検出であることを示すフラグfi1を判別用レジスタHiに設定する(S827)。
【0109】
そして、MPU19は、図9に示すように、判別用レジスタHiの各フラグを読み(S901)、判別用レジスタHiの状態を判別する(S903)。
【0110】
ステップS903において、判別用レジスタHiにフラグfi1、fic、f0が設定されているときは、引込みケーブルの電源側1と判定し(S905)、引込みケーブルの電源側地絡報知用LED10aを点灯させる(S907)。
【0111】
また、ステップS903において、判別用レジスタHiにフラグfi1、fic、f180、fkが設定されているとき又はfi1のみが設定されているときは、自家用変電設備2内の地絡と判定し(S909)、変電設備内地絡報知用LED10bを点灯させる(S911)。
【0112】
さらに、ステップS903において、判別用レジスタHiにフラグfi1、fic、f180、fmの組で設定されているとき、又はficのみが設定されているときは、引込みケーブル3内の地絡と判定し(S913)、引込みケーブル内地絡報知用LED10cを点灯させる(S915)。
【0113】
そして、終了かどうかを判定し(S917)、終了でないときは処理をステップS801に戻して上記のように、どの区間に地絡故障が発生しているかを判定して知らせる。
【0114】
すなわち、MPU19のプログラム構成は、図10に示すように、引込みケーブル3に設けられた零相変流器ZCT1(本体、接地線を一緒にクランプ)からの検出電流i1、接地線5に設けられた零相変流器ZCTCからの検出電流icが同時に検出されたか或いはいずれか一方の検出かを判別する検出電流判別手段20と、i1及びicが検出されたとき、両方の電流の位相差を求めて判別する位相差判別手段21と、i1及びicが検出されたとき、両方の電流の大きさを求めて比較する電流値比較手段22と、検出電流判別手段20と位相差判別手段21と電流値比較手段22の結果を判別用レジスタHiに設定する判別結果設定手段23と、この判別用レジスタHiの設定内容から地絡区間が引込みケーブルの電源側1、引込みケーブル3内又は自家用変電設備内2かどうかを判定し、この判定結果に基づくLEDを点灯させる地絡区間判別手段24とを備えていることになる。
【0115】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、各零相変流器の極性を活用し、第1の零相変流器と第2の零相変流器の極性を逆向きにクランプさせ、また、第1の零相変流器によって引込みケーブル及び接地線を一緒にクランプして通過させ、第2の零相変流器を用いて接地線のみをクランプさせることにより、これら変流器の検出電流の位相差、電流値に基づいて地絡区間(地絡故障の発生した区間)を判別するようしたので、零相電圧検出器を用いなくとも、零相変流器のみで配電線路側、引込みケーブル、自家用変電設備内のいずれかに地絡故障が発生したかを知らせることができるという効果が得られている。
【0116】
更に、配電工事の際に行われる三叉分岐管処理箇所近傍の高圧配電線路側の引込みケーブルに第1の零相変流器を設けたので、三叉分岐管近傍から引き出される接地線を引込みケーブルと一緒にクランプし易いという効果も併せ持っている。
従って、引込みケーブルや、引込みケーブルの端末処理などで設けられている、遮蔽銅テープに接続した接地線などの既設の線に前述の各零相変流器を分割形であることを利用して、簡単に取り付けることができ、各零相変流器を地絡区間判別装置に接続するだけで、大規模な地絡故障判別装置を持たない一般的にある自家用変電設備の地絡故障が、配電線路側、引込みケーブル、自家用変電設備内のいずれかの区間で発生しているのかが容易に作業者に知らせることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の自家用変電設備における地絡区間判別方式の概略構成図である。
【図2】自家用変電設備の地絡故障時の電流の流れを説明する説明図である。
【図3】引込みケーブル内の地絡故障時の電流の流れを説明する説明図である。
【図4】引込みケーブル電源側の地絡故障時の電流の流れを説明する説明図である。
【図5】本実施の形態の地絡区間の判別を説明する説明図である。
【図6】本実施の形態の地絡区間判別装置の概略構成図である。
【図7】地絡区間判別装置の詳細構成図である。
【図8】地絡区間判別装置のMPUの動作を説明するフローチャートである。
【図9】地絡区間判別装置のMPUの動作を説明するフローチャートである。
【図10】地絡区間判別装置のMPUの処理を説明する構成図である。
【符号の説明】
1 引込みケーブルの電源側
2 自家用変電設備
3 引込みケーブル
4a、4b、4c シールド線(遮蔽銅テープ)
5 接地線
ZCT1 零相変流器
ZCTC 零相変流器
6 地絡区間判別装置
Claims (8)
- 高電圧の配電線路に接続された所定の変電設備と、前記高電圧より低い電圧で負荷に電力を供給する自家用変電設備とを接続して前記配電線路からの電力を前記自家用変電設備に引き込む引込みケーブルを有し、 前記引込みケーブルは、複数の各芯線各々に遮蔽銅テープが設けられ、これらの遮蔽銅テープ同志は互いに接続され、かつ接地線でアースに接続されたものであり、
前記接地線は、前記引込みケーブルの前記自家用変電設備側の端部で前記各芯線各々の遮蔽銅テープに一方を接続し、他方を前記アースに接地してなり、
前記自家用変電設備側の前記引込みケーブルの前記端部、該端部の各芯線各々の遮蔽銅テープ側に接続された前記一方側の接地線及び前記引込みケーブルの端部の近傍とを一緒にクランプして通過させる一次側及び二次側からなる極性をもつ第1の零相変流器と、
前記アースに接続された接地線の他方側のみをクランプして通過させる一次側及び二次側からなる極性をもつ第2の零相変流器と、
前記第1の零相変流器からの第1の検出電流と前記第2の零相変流器からの第2の検出電流とを入力し、検出電流の有無、電流の方向が同相か逆相か、逆相であれば電流の大きさから前記配電線路側、前記引込みケーブル又は前記自家用変電設備のいずれかの区間に地絡故障が発生したかを判別して知らせる地絡区間判別装置とを有することを特徴とする自家用変電設備における地絡区間判別方式。 - 前記第1の零相変流器と前記第2の零相変流器は、接地線のアース側から見て、極性が反対となるようにクランプすることを特徴とする請求項1記載の自家用変電設備における地絡区間判別方式。
- 前記第1の零相変流器は、前記引込みケーブルを前記自家用変電設備内に引き込む際に、前記ケーブル端末を処理する三叉分岐管より前記配電線路側の引込みケーブルにクランプし、そのケーブル端末から接地線を引き出すことを特徴とする請求項1記載の自家用変電設備における地絡区間判別方式。
- 前記第1の零相変流器は、一次側を前記配電線路側となるようにクランプすることを特徴とする請求項1、2又は3記載の自家用変電設備における地絡区間判別方式。
- 高電圧の配電線路に接続された所定の変電設備と、前記高電圧より低い電圧で負荷に電力を供給する自家用変電設備とを接続して前記配電線路からの電力を前記自家用変電設備に引き込む引込みケーブルを有し、この引込みケーブルは、複数の各芯線各々に遮蔽銅テープが設けられ、これらの遮蔽銅テープ同志は互いに接続され、かつ前記自家用変電設備側の前記遮蔽銅テープ同士に一方の接地線が接続され、該接地線の他方がアースに接地されたものであり、互いに接続された遮蔽銅テープ同士を接続する接地線と前記自家用変電設備の引込みケーブルを、遮蔽銅テープ同士を互いに接続している場所の近傍で一緒にクランプして通過させる一次側及び二次側からなる極性を持つ第1の零相変流器と、前記接地線の他方側をクランプして通過させる一次側及び二次側からなる極性をもつ第2の零相変流器とに接続された地絡区間判別装置であって、
前記地絡区間判別装置は、
前記第1の零相変流器からの第1の検出電流と前記第2の零相変流器からの第2の検出電流とを入力し、前記第1の零相変流器が検出した第1の検出電流、及び第2の零相変流器が検出した第2の検出電流を読み、両方の検出電流の位相が同相又は逆相かどうかを判別する手段と、
逆相のときは、前記第1の検出電流が前記第2の検出電流を越えているときには、前記自家用変電設備内の地絡故障と判別する手段と、
前記第2の検出電流が前記第1の検出電流を越えているときには、前記引込みケーブルの地絡故障と判別する手段と、
さらに同相のときは、前記配電線路側と判別する手段とを有することを特徴とする地絡区間判別装置。 - 前記第1の検出電流のみが検出されたときには、前記自家用変電設備内の 地絡故障と判別する手段と、
前記第2の検出電流のみが検出されたときには、前記引込みケーブルの地絡故障と判別する手段とを有することを特徴とする請求項5記載の地絡区間判別装置。 - 前記地区区間判別装置は、
前記第1、第2の零相変流器がそれぞれの一次側から2次側に向かって流れる第1、第2の検出電流又はそれぞれの二次側から一次側に向かって流れる第1、第2の検出電流を検出したとき、これらの第1、第2の検出電流を電圧増幅してアース電位に対する差を増幅して前記判別する手段に送出する整定回路部と、
前記整定回路部から前記第1、第2の検出電流値と両方の検出か、又はいずれか一方の検出かを判別し、両方の検出のときは位相か同相か又は逆相かを判別すると共に、この判別結果及び前記両方の検出電流の比較結果を設定してこれらの設定データから前記配電線路側、前記引込みケーブル又は前記自家用変電設備のいずれかの区間に地絡故障が発生したかを判別して知らせる地絡区間判別演算部によって前記地絡故障を判別する
ことを特徴とする請求項5又は6記載の地絡区間判別装置。 - 前記整定回路部は、
前記第1、第2の零相変流器がそれぞれの一次側から2次側に向かって流れる第1、第2の検出電流又はそれぞれの二次側から一次側に向かって流れる第1、第2の検出電流を出したとき、これらの第1、第2の検出電流を電圧増幅して出力すると共に、前記第1、第2の検出電流から一定幅の周波数帯域の第1の検出信号、第2の検出信号を送出するものであり、
前記地絡区間判別演算部は、
前記第1の検出信号及び第2の検出信号を入力し、これらの検出信号の電圧が予め設定されている電圧値、継続時間とに基づいて前記第1、第2の検出信号の検出を知らせる検知電流判別回路と、
前記検知電流判別回路からの検出結果と前記整定回路部から前記第1、第2の検出電流の値から両方の検出か、又はいずれか一方の検出かを判別し、両方の検出のときは位相か同相か又は逆相かを判別すると共に、逆相であれば電流の大きさから、前記引込みケーブル又は前記自家用変電設備のいずれかの区間に地絡故障が発生したかを判別して知らせる地絡区間判別演算手段とを有することを特徴とする請求項5、6又は7記載の地絡区間判別装置。
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