JP4215656B2 - 地絡事故検出装置及び地絡事故検出方法 - Google Patents

地絡事故検出装置及び地絡事故検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、普通接続部で接続された地中ケーブルによって送配電される、抵抗接地系の電力系統において、変電所から需要家までの区間で、地絡事故が発生した場所を検出する装置、及び、地絡事故が発生した場所を検出する方法に関する。特に、三相交流電力がスポットネットワーク方式で需要家へ供給される電力系統において好適な地絡事故検出装置及び地絡事故検出方法に関する。
近年、特に都会におけるビル等の需要家への送配電はスポットネットワーク方式によって行われることが多い。スポットネットワーク方式とは、異なるフィーダから複数の変圧器に接続し、それぞれの変圧器の二次側を、ネットワークプロテクタを介して需要家内のネットワーク母線へ並列に接続する態様をとる送配電方式である。変圧器は、地絡事故時の異常電圧発生の防止と、通信線等に対する電磁誘導障害の低減と、を勘案して、通常、抵抗接地方式が採用される。スポットネットワーク方式によれば、ビル等の需要家へ複数の系統から電力が供給されるので、一部の回線の地絡事故の発生時には、他の健全な回線から電力供給することにより停電が回避され、電力供給にかかり高い信頼性が保持され得る。
他方、スポットネットワーク方式は、複数の回線系統がそれぞれ各需要家向けに多数分岐されるので電力系統(送配電系統とも記す)が繁雑になり、地絡事故区間の発見が容易ではないという問題があった。スポットネットワーク方式であっても、地絡事故が発生した後に、該当する回線系統の修復を行う必要があることに変わりがないが、特に、スポットネットワーク方式が適用される都会においては、多くの場合、ケーブルは架線ではなく地中(道路下)に敷設されるため、配線路における作業には制限が伴い目視確認を繰り返すことは困難である。又、このような作業は非効率的であり、従来より地絡事故区間の発見にかかる好適な手段の提案が待たれていた。
ところで、抵抗接地系の送配電系統においては、地中に敷設されるケーブル(地中ケーブルともよぶ)として、主に、三相が独立した単心ケーブルと、三相が一括構造をなす3心ケーブルとが用いられる。そして、各需要家向けに地中に敷設されるケーブルを分岐する際に、そのケーブルの接続部として、何れのケーブルの場合にも、コストを勘案し、普通接続部が採用されることが多い。一般には、3心ケーブルの場合には問題が生じ難いものの、単心ケーブルの場合には誘導電流障害が起き易いことから、絶縁接続部の採用が好ましいとされるが、スポットネットワーク方式で多く採用される33kV以下の電圧の系統では、発生する誘導電流が少ないので、普通接続部が採用出来るのである。ここで、普通接続部とは、同種のケーブルにおいて、導体と同様にケーブルの金属遮蔽層も接続した接続部を指し、絶縁接続部とは、導体を接続する両ケーブルの金属遮蔽層の相互間を絶縁した接続部を指す。何れの接続部においても、接続部から接地線により大地へ接地され、ケーブル電位の安定化が図られている。
図1は、地中ケーブルの接続部として普通接続部を採用した、抵抗接地系の送配電系統の一例を示す図である。図1に示されるように、事故点F1において、地中ケーブルで地絡事故が発生した場合に、地絡電流は、金属遮蔽層を通り(図示されないが事故点F1の近隣の接続部から接地線を経て)大地に流れ変圧器(変電所)に戻る。従って、地絡電流を零相電流として検出すれば、地絡事故が発生したケーブルを特定することは可能である。しかしながら、スポットネットワーク方式のように、各需要家向けに地中ケーブルが多数分岐される送配電系統において、分岐されたケーブルの何れかが事故発生区間に該当するのか判断することは困難であった。
尚、先行技術文献として、特許文献1が挙げられる。特許文献1によれば、クロスボンド接続を有する長距離電力送電システムの地絡事故区間を検出するための方法が開示されている。特許文献1において、それより従前の技術が、絶縁接続部(絶縁ジョイント)−絶縁接続部の区間しか事故発生場所を特定出来ず、絶縁接続部−普通接続部(接地ジョイント)−絶縁接続部の間の事故は判別出来ないという欠点が指摘され、これに対し、絶縁接続部のクロスボンド線以外に普通接続部の接地線に電流センサを取り付けることで克服出来るが、多額の費用がかかる、と述べられている。そして、普通接続部−絶縁接続部−絶縁接続部の組合せの繰り返しからなり、クロスボンド接地を有する電力伝送路線であって、普通接続部の接地線に流れる電流を比較して、所定の条件に合致する普通接続部の相を明らかにし、別途の事故相検出手段を組合せて、事故区間を判別する方法をとれば、それら問題は解決し得るとしている。
しかしながら、都会におけるスポットネットワーク方式による送配電系統では電圧が33kV以下であることが多く、そのような電圧の配電系統では、特許文献1に示された長距離送電の場合と異なり、ケーブルにクロスボンド接続を施さない場合が一般的である。又、スポットネットワーク方式では、線路の途中に区分開閉器を設置しないので、事故発生時に電力供給の支障をきたさないために、需要家に自家発電設備がある場合を除き、通常、3回線で送配電する。少なくとも3回線あれば、点検等で1回線が停止中に、他の1回線で事故が発生しても、残りの1回線で電力供給出来るからである。ところが、特許文献1に示される方法では、1回線の各普通接続部毎に3〜4つの電流センサを取り付ける必要が生じることから、特許文献1より従前の手段と同様に、3回線の送配電系統に適用すると多くの電流センサが必要になり、多額の費用がかかるという問題が生じる。
特公平6−27761号公報
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、地中ケーブルの接続部として普通接続部を採用した、抵抗接地系の送配電系統であって、例えば上記したスポットネットワーク方式やその他の複数回線を有する方式のように、ケーブルが多数分岐される送配電系統において、地絡事故の発生した区間を特定することが出来る、より低廉な手段を提供することを課題とする。地中ケーブルの金属遮蔽層から接地線へ流れる地絡電流の特徴に着目して、研究が重ねられた結果、以下に示す手段により、上記目的を達成出来ることが見出された。
即ち、先ず、本発明によれば、3以上の普通接続部を有しその普通接続部により導体と金属遮蔽層とがそれぞれ接続され、地中に敷設されるとともに、普通接続部の金属遮蔽層が大地に接地されたケーブルを用いて、三相交流電力の供給がなされる、抵抗接地系の送配電系統向けの地絡事故検出装置であって、普通接続部における、金属遮蔽層と、大地と、の間を流れる3の電流IA,IB,ICを測定して出力する電流計測手段と、予め定められた地絡電流基準値Isetを入力して記憶する基準値保存手段と、3の電流IA,IB,ICを入力し、これらのうち2の電流間の差である3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|を求めてそれぞれ出力する絶対値演算手段と、地絡電流基準値Isetを取り出し、3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|をそれぞれ入力して、地絡電流基準値Isetと3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|の各々とを比較し、等しいか又は3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|の各々が地絡電流基準値Isetより大きいときに、オン信号をそれぞれ出力する3の比較演算手段と、その3の比較演算手段の出力を入力してそれらの論理和をとって出力する論理和演算手段と、を有する地絡事故検出装置が提供される。
3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|を求めるのは、地絡事故が生じた場所では、普通接続部における金属遮蔽層と大地との間を流れる電流のバランスが崩れるからである。従って、通常、これら3の絶対値のうち1の絶対値のみが、地絡事故が生じていない2の電流の差の絶対値として、概ね0に近い数値となる。例えば、|IA−IB|≒0ならば、地絡事故は電流ICが流れた普通接続部近傍において生じた、と判断出来る。これを反対に解釈・表現すれば、3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|の何れかが、一定値以上であるとき(電流のバランスが崩れたとき)、地絡事故が発生した、と判断出来る。その一定値が地絡電流基準値Isetであり、地絡電流基準値Isetと3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|の各々とを比較し、等しいか又は3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|の各々が地絡電流基準値Isetより大きいときに、とは、このことを指し、地絡事故が発生したことを意味している。
従来、このような技術的思想にかかる地絡事故検出装置は存在しておらず、各需要家向けに地中ケーブルが多数分岐される送配電系統において、分岐されたケーブルの何れかが事故発生区間に該当するのか判断することは困難であったが、地中ケーブルの分岐点は普通接続部になるので、本発明に係る地絡事故検出装置により、容易に地絡事故が発生した場所に近い普通接続部(区間)を検出することが可能になった。
地絡電流基準値Isetは、適用する送配電系統における地絡電流の最小計算値であって、送配電系統の電圧、中性点接地抵抗、事故深度、等によって予め計算される。又、論理和演算手段の出力を例えば別途用意される表示手段に入力し、その表示手段を普通接続部近傍において例えば地上に設置すれば、巡回等によって容易に、少なくとも地絡事故が生じた場所の近傍を、特定することが可能である。論理和演算手段の出力を補助継電器に入力しその接点を利用し中央監視装置に表示させる等の方法により、遠隔地で監視することも可能である。
本発明に係る地絡事故検出装置においては、上記論理和演算手段の後に、論理和演算手段の出力を入力し、そのうちオン信号をうけて作動するオンディレイタイマ手段を有することが好ましい。外来ノイズ(サージ、電源及び負荷の開閉時に発生する過渡現象、等)による誤動作を防止出来るからである。そして、一般に、地絡事故が発生すると変電所の保護継電器により系統遮断が行われ、その後は地絡電流が流れない。そうなると、本発明に係る地絡事故検出装置は機能しなくなるので、オンディレイタイマ手段の設定時間は、変電所の保護継電器と、時限協調を図る必要がある。又、同様な理由から、論理和演算手段の出力が入力される上記表示手段及び補助継電器は、自己保持機能を有するものを採用することが肝要である。
本発明に係る地絡事故検出装置においては、上記論理和演算手段の代わりに、3の比較演算手段の出力のうち2の出力はそのまま入力し何れか1の出力は否定をとって入力して、それらの論理積をとって出力する3の論理積演算手段を有することが好ましい。この場合、上記3の論理積演算手段のそれぞれの後に、それぞれの論理積演算手段の出力を入力し、そのうちオン信号をうけて作動する3のオンディレイタイマ手段を有することが好ましい。上記オンディレイタイマ手段と同様の理由により、この場合の3のオンディレイタイマ手段についても、それぞれの設定時間は、変電所の保護継電器と時限協調を図る必要がある。
本発明に係る地絡事故検出装置においては、測定対象となる普通接続部における金属遮蔽層と大地との間を流れる3の電流IA,IB,ICを限定するものではないが、好ましくは、次に示す通りである。先ず、上記三相交流電力の供給が1回線でなされる場合に、上記3の電流IA,IB,ICが、上記三相交流電力のa相、b相、c相を担うそれぞれのケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Ia,Ib,Icであることが好ましい。例えば、電流IAを三相交流電力のa相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Iaとし、電流IBを三相交流電力のb相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Ibとし、電流ICを三相交流電力のc相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Icとすることが好ましい。金属遮蔽層は普通接続部におけるものである。こうすると、地絡事故が発生した相を検出することが出来るからである。尚、この場合には3以上の普通接続部は、少なくとも三相交流電力のa相、b相、c相を担うそれぞれのケーブル毎に1以上存在する。
又、本発明に係る地絡事故検出装置において、上記三相交流電力の供給が3回線でなされる場合に、上記3の電流IA,IB,ICが、3回線のそれぞれの回線において、三相交流電力のa相、b相、c相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流の合成和I1,I2,I3であることが好ましい。例えば、3回線を回線1L,2L,3Lとしたとき、電流IAが、回線1Lにおいて、三相交流電力のa相、b相、c相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流の合成和I1であり、電流IBが、回線2Lにおいて、三相交流電力のa相、b相、c相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流の合成和I2であり、電流ICが、回線3Lにおいて、三相交流電力のa相、b相、c相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流の合成和I3である、とすることが好ましい。金属遮蔽層は普通接続部におけるものである。こうすると、3回線の中から地絡事故が発生した回線を検出することが出来るからである。尚、この場合には3以上の普通接続部は、少なくとも3回線の回線1L、回線2L、回線3L毎に1以上存在する。更に、本発明に係る地絡事故検出装置は、三相交流電力の電圧が33kV以下であり、三相交流電力の供給がスポットネットワーク方式で行われる送配電系統向けに好適である。
本発明に係る地絡事故検出装置において、上記三相交流電力の供給が4回線以上でなされる場合には、上記1回線の場合の態様と3回線の場合の態様とを併用すればよい。即ち、例えば4回線の場合には、そのうちの3回線を上記3回線の場合の態様とし、残りの1回線を上記1回線の場合の態様とすれば、4回線の中から地絡事故が発生した回線を検出することが出来る。同様に、5回線の場合には、そのうちの3回線を上記3回線の場合の態様とし、残りの2回線を1回線ずつ上記1回線の場合の態様とする。6回線の場合には、3回線ずつ上記3回線の場合の態様とする。
次に、本発明によれば、3以上の普通接続部を有しその普通接続部により導体と金属遮蔽層とがそれぞれ接続され、地中に敷設されるとともに、普通接続部の金属遮蔽層が大地に接地されたケーブルを用いて、三相交流電力の供給がなされる、抵抗接地系の送配電系統向けの地絡事故検出方法であって、普通接続部において、金属遮蔽層と、大地と、の間を流れる電流を測定し、その電流測定値の比較を行う地絡事故検出方法が提供される。
地絡事故が発生すると、その場所に近い普通接続部では、地絡事故が発生する前に比較して、金属遮蔽層と大地との間を流れる電流が、地絡事故が発生していない普通接続部に比較して、相対的に変化する。従って、電流測定値の比較を行えば、少なくとも地絡事故が発生した場所に、より近い普通接続部が特定出来る。電流を測定する対象(場所)は、3以上の普通接続部である。少なくとも3の普通接続部であれば、比較により、そのうちの何れかが相対的に変化しているか判断出来るからである。より好ましくは、電流を測定する対象(場所)は全ての普通接続部である。地絡事故が発生した場所に、最も近い普通接続部が、直ぐに特定出来るからである。
従来、このような普通接続部における金属遮蔽層と大地との間を流れる電流の相対的変化のみに基づくという技術的思想にかかる地絡事故検出方法は存在しておらず、スポットネットワーク方式による電力系統の如く、各需要家向けに地中ケーブルが多数分岐される送配電系統において、分岐されたケーブルの何れかが事故発生区間に該当するのか判断することは困難であったが、地中ケーブルの分岐点は普通接続部になるので、本発明に係る地絡事故検出方法により、容易に地絡事故が発生した場所に近い普通接続部を検出することが可能になった。本発明に係る地絡事故検出方法において、測定し比較する電流は、3以上の普通接続部における金属遮蔽層と大地との間を流れる電流であり、それ以上の限定がなされるわけではないが、より具体的な好ましい電流は以下の示すものである。
本発明に係る地絡事故検出方法においては、上記三相交流電力の供給が1回線でなされる場合に、上記電流が、全ての普通接続部において、三相交流電力のa相、b相、c相を担うそれぞれのケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流であり、その電流測定値の比較を行うことによって、地絡事故が生じた区間及び相を検出することが可能である。尚、この場合には3以上の普通接続部は、少なくとも三相交流電力のa相、b相、c相を担うそれぞれのケーブル毎に1以上存在する。地絡事故が生じた区間とは、地絡事故が生じた場所に近い2の普通接続部の間を指す。
又、本発明に係る地絡事故検出方法においては、上記三相交流電力の供給が3回線でなされる場合に、上記電流が、3回線のそれぞれの回線において、三相交流電力のa相、b相、c相を担うそれぞれのケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流の合成和であり、その電流測定値の比較を行うことによって、地絡事故が生じた区間及び回線を検出することが可能である。尚、この場合には3以上の普通接続部は、3回線のそれぞれの回線毎に1以上存在する。更に、本発明に係る地絡事故検出方法は、三相交流電力の電圧が33kV以下であり、三相交流電力の供給がスポットネットワーク方式で行われる送配電系統向けに好適である。これらの場合に、又は、上記した地絡事故が生じた区間及び相を検出することが可能な場合には、地絡事故が生じた区間を検出した後に、その区間にかかる2の普通接続部におけるそれぞれの電流と、その区間のケーブルの長さと、によって比例計算を行い、地絡事故が生じた地点を検出することが好ましい。修復対象となるケーブルの場所が、直ぐに特定出来るからである。
本発明に係る地絡事故検出方法において、上記三相交流電力の供給が4回線以上でなされる場合には、上記1回線の場合の態様と3回線の場合の態様とを併用すればよい。即ち、例えば4回線の場合には、そのうちの3回線を上記3回線の場合の態様とし、残りの1回線を上記1回線の場合の態様とすれば、4回線の中から地絡事故が発生した回線を検出することが出来る。同様に、5回線の場合には、そのうちの3回線を上記3回線の場合の態様とし、残りの2回線を1回線ずつ上記1回線の場合の態様とする。6回線の場合には、3回線ずつ上記3回線の場合の態様とする。
本発明に係る地絡事故検出装置又は本発明に係る地絡事故検出方法によれば、地絡事故が発生した場所に近い普通接続部(区間)を検出することが可能である。又、好ましい態様によれば、ケーブルの何れの相で地絡事故が生じたか、あるいは、電力の供給が3回線でなされる場合に何れの回線で地絡事故が生じたか、を判断出来る。更には、好ましい態様によれば、地絡事故が生じた地点を検出することが出来る。
電力の供給が3回線でなされる場合であっても、電流計測手段(電流センサ)の数は3倍にならず、1回線でなされる場合と同じであり、より低廉な手段である。又、ケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流を複数箇所で測定し、これらの電流の差を求めて、地絡電流基準値Isetと比較するだけの手段であって、電流の相対的変化のみに基づく判断が可能であるため、位相を比較する手段(回路)が不要であり、より簡素な手段になる。本発明によれば、例えばケーブルが道路下に敷設されているものであっても、繰り返しマンホールを開閉し目視点検等を行う必要がなく、交通渋滞を招かず、修復にかかる作業が効率よく行える。修復にかかる時間は短縮されマンパワーが少なくて済む結果、電力系統の保守コストを低減することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、適宜、図面を参酌しながら説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は以下に記述される手段である。
尚、本発明に係る地絡事故検出装置及び地絡事故検出方法(総称して本発明とも記す)は、ケーブルが導体と金属遮蔽層をともに接続する普通接続部により接続されていることを前提とするから、本発明の説明にあたっては、普通接続部を単に接続部ともよぶ。
本発明に係る地絡事故検出方法は、3以上の普通接続部を有しその普通接続部により導体と金属遮蔽層とがそれぞれ接続され、地中に敷設されるとともに、普通接続部の金属遮蔽層が大地に接地されたケーブルを用いて、三相交流電力の供給がなされる、抵抗接地系の送配電系統向けの地絡事故検出方法であり、地絡事故が発生した場所(地絡事故点又は事故点ともいう)に近い接続部において金属遮蔽層と大地との間、即ち両者を結ぶ接地線、を流れる電流の特徴を利用したものである。先ず、この電流の特徴について説明する。
図4は、抵抗接地系の送配電系統の一例を示す図である。図示される送配電系統40では、変電所の変圧器41から、幹線42を介して3回線1L,2L,3L(送配電線)が引き出され、地中に敷設されたケーブルにより、図示しない電力の使用場所である工場やビル等の需要家へ、電力が供給されている。送配電系統40は、a相、b相、c相からなる三相交流電力の供給をする電力系統であり、使用されるケーブルは、合わせて9の接続部C11,C12,C13 〜 C33を有し、各接続部において、導体Dと金属遮蔽層Sとがそれぞれ接続され、それぞれの金属遮蔽層Sが接地線Eで大地Gに接地されている。より具体的には、それら各接続部の他に、両方の端部T11,T12 〜 T32(図中6箇所)において、ケーブルの金属遮蔽層Sから引き出した接地線Eが、接地電極P0,P1 〜 P4に集約されて大地Gに接地されている。一方、変電所は網目状に配置した接地電極P40の上に建設され、変圧器41は中性点抵抗Rnで接地電極P40に接続され、それを含み全ての変電設備は接地電極P40に接続されている。ここで、金属遮蔽層S、接地線E、接地電極P0,P1 〜 P4,P40、及び大地G、で接続され、導通する回路を、接地回路とよぶ。
送配電系統において、地絡事故は、ケーブルの導体と金属遮蔽層との間の絶縁物が破壊されて生じる。地絡事故が発生すると、発熱によりケーブルの外皮まで焼損することがあるが、そこに至るまでの初期の段階では、地絡電流は、地絡事故点から大地へ、直接、流れることは少なく、金属遮蔽層及び接地線を介して流れる。例えば、送配電系統40において、地絡事故が事故点F2で生じた場合、地絡電流は、接地回路を、図中矢印で示される方向に分流しながら、変圧器41にかかる中性点抵抗Rnに集まる。ここで、一般に、地絡電流は、事故点F2のケーブルの導体Dと金属遮蔽層Sとの間に、地絡事故によって生じる零相電圧と等しい単相電圧源V0を接続した場合と等価であることが知られているので、単相回路として等価変換することが出来る。
図5は、送配電系統40の等価回路を示す図である。各接続部間、又は、各接続部と端部の間、の金属遮蔽層SのインピーダンスZa11,Za12 〜 Zc34は、ケーブルの長さ及び太さ、絶縁物の材質及び厚さ、金属遮蔽層Sの材質及び厚さ、その他のケーブルの諸条件によって定まる。例えば、代表的なケーブルであるCV(架橋ポリエチレン)ケーブルの場合に、ケーブル100mあたり数十mΩである。同一区間では三相の各ケーブルは同一材質の同一長さであるから、同じインピーダンスの並列回路になる。又、大地Gの抵抗は0Ωであるが、接地電極P0,P1 〜 P4と大地Gの間には、数〜数十Ωの接地抵抗Re0,Re1 〜 Re4が存在する。
図4及び図5に示される送配電系統40及びその等価回路は3回線で接続部3箇所であるが、実際の電力系統(送配電系統)は、より多くの接続部を有し、もっと複雑である。しかし、図4に示される送配電系統40を図5に示される回路に等価変換したことに準じて、より複雑な送配電系統であっても同様の等価回路を得ることが出来る。
図示しないが、3回線で接続部20箇所、3回線で接続部21箇所、3回線で接続部23箇所、1回線で接続部13箇所、の4つの実際の送配電系統のデータを基に等価回路を作成し、事故点、単相電圧源、接地抵抗の値を変更しながら、全ての接続部及び端部において、以下の計算を試みた。先ず、金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流のうち、回線1L,2L,3L毎に、各相(a相、b相、c相)を担うケーブルの金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流Ia,Ib,Icを計算した。次いで、それら電流Ia,Ib,Icの回線1L,2L,3L毎の合成和の電流I1,I2,I3を計算した(1回線の場合は該当せず)。更に、電流I1,I2,I3の合成和の電流Ieを計算した。本出願人は、それらの計算値を考察した結果、金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流について、次に示す7つの特徴を導出した。
(1) 地絡事故点に近い接続部における金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流が、それ以外の接続部の金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流に比べて、顕著に大きくなる。
(2) 地絡事故点が接続部である場合には、その1の接続部における金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流のみが顕著に大きくなり、地絡事故点が接続部と接続部の中間である場合には、それら2の接続部の金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流が、ともに大きくなる(分流する)。
(3) (2)の場合において、上記1の接続部における金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流は、上記2の接続部の金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流の和に概ね等しい。
(4) 金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流の大きさは、単相電圧源の大きさ(電圧値)により変わるが、地絡事故点に近い接続部における金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流と、それ以外の接続部の金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流との比は、概ね一定である。
(5) 地絡事故点に近い接続部における金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流には、以下の関係が成立する。1回線の場合において、a相に地絡したときは、各相を担うケーブルの金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流について、|Ia−Ib|≒|Ic−Ia|>|Ia|、|Ib−Ic|≒0、−Ia>Ib≒Icが成り立つ。又、同様に、b相に地絡したときは、|Ia−Ib|≒|Ib−Ic|>|Ib|、|Ic−Ia|≒0、−Ib>Ia≒Icが成り立ち、c相に地絡したときは、|Ib−Ic|≒|Ic−Ia|>|Ic|、|Ia−Ib|≒0、−Ic>Ia≒Ibが成り立つ。3回線の場合において、回線1Lに地絡したときは、回線1Lにおける金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流(回線1Lにおいて各相を担うケーブルの金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流の合成和)について、|I1−I2|≒|I3−I1|>|I1|、|I2−I3|≒0、−I1>I2≒I3が成り立つ。又、同様に、回線2Lに地絡したときは、|I1−I2|≒|I2−I3|>|I2|、|I3−I1|≒0、−I2>I1≒I3が成り立ち、回線3Lに地絡したときは、|I2−I3|≒|I3−I1|>|I3|、|I1−I2|≒0、−I3>I1≒I2が成り立つ。
(6) 地絡事故点に近い接続部以外の接続部における金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流には、以下の関係が成立する。1回線の場合において、各相を担うケーブルの金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流について、|Ia−Ib|≒|Ib−Ic|≒|Ic−Ia|≒0、Ia≒Ib≒Icが成り立つ。3回線の場合において、各回線における金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流(各回線において各相を担うケーブルの金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流の合成和)について、|I1−I2|≒|I2−I3|≒|I3−I1|≒0、I1≒I2≒I3が成り立つ。
(7) (5)及び(6)に示す式において、各相を担うケーブルの金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流Ia,Ib,Icを、回線毎の電流I1,I2,I3に置き換えると、全く同じ関係になることがわかる。
以上、地絡事故が生じた場合の、接続部の金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流の特徴について、説明した。この特徴によって、本発明に係る地絡事故検出方法が実施可能であることが理解される。即ち、3以上の接続部において金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流を測定し、比較することにより、少なくとも事故点により近い接続部を検出することが可能であることがわかる。そして、全ての接続部において金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流を測定すれば、特に(1)〜(3)の特徴に基づいて、事故点に近い1乃至2の接続部を特定出来る。
2の接続部間で地絡事故が生じたと考えられる場合には、(2)の特徴より、それら2の接続部のそれぞれの金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流の大きさによって、何れかの接続部から事故点までの距離を推定することが出来る。ケーブルの単位長さあたりのインピーダンスは同じであり、接続部から事故点までの距離は電流の大きさに反比例すると考えられるからである。図8に事故点とそれに近い2つの接続部の一例を示す。図8に示される如く距離Lだけ離れた2つの接続部C81とC82との間の事故点F8で地絡が生じたとき、接続部C81から事故点F8までの距離Xは、X=L×It/(Is+It)で示される。尚、Isは接続部C81において接地線を流れる3の電流のうち最大の電流値であり、Itは接続部C82において接地線を流れる3の電流のうち最大の電流値である。
更に、特に(4)〜(7)の特徴に基づいて、全ての接続部毎に、三相交流電力のa相、b相、c相を担うそれぞれのケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Ia,Ib,Icを測定し、その電流測定値の比較を行うことによって、地絡事故が生じた区間に加えて、相を検出することが可能になる。三相交流電力の供給が3回線でなされる場合には、各相を担うケーブルの金属遮蔽層Sと大地Gとの間を流れる電流Ia,Ib,Icの回線毎の合成和の電流I1,I2,I3を測定し、その電流測定値の比較を行うことによって、地絡事故が生じた区間に加えて、回線を検出することが可能である。
次に、本発明に係る地絡事故検出装置について説明する。本発明に係る地絡事故検出装置は、3以上の普通接続部を有しその普通接続部により導体と金属遮蔽層とがそれぞれ接続され、地中に敷設されるとともに、普通接続部の金属遮蔽層が大地に接地されたケーブルを用いて、三相交流電力の供給がなされる、抵抗接地系の送配電系統向けの地絡事故検出装置であり、上記した、接続部において金属遮蔽層と大地との間(両者を結ぶ接地線)を流れる電流の特徴を利用したものである。
図6は、本発明に係る地絡事故検出装置の一実施形態を示す回路図である。図示される地絡事故検出装置60は、電流計測手段61a,61b,61cと、基準値保存手段62と、絶対値演算手段63a,63b,63cと、比較演算手段64a,64b,64cと、論理和演算手段65と、オンディレイタイマ手段66と、表示回路67及び表示灯68からなる表示手段69と、を有する。
電流計測手段61a,61b,61cは、接続部における、金属遮蔽層と、大地と、の間を流れる3の電流IA,IB,ICを測定して出力するものであり、具体的には、例えば変流器又は電流センサで構成される。3の電流IA,IB,ICが、1回線の三相交流電力のa相、b相、c相を担うそれぞれのケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Ia,Ib,Icである場合には、電流計測手段61a,61b,61cは、図2に示されるように、各相を担うそれぞれのケーブルの金属遮蔽層Sと大地Gとを結ぶ接地線Eに設けられる。又、3の電流IA,IB,ICが、三相交流電力の供給が3回線でなされる場合のそれぞれの回線において、三相交流電力のa相、b相、c相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流の合成和I1,I2,I3である場合には、電流計測手段61a,61b,61cは、図3に示されるように、各回線において、それぞれ各相を担うそれぞれのケーブルの金属遮蔽層Sを接続しその接続箇所と大地Gとを結ぶ接地線Eに設けられる。
絶対値演算手段63a,63b,63cは、3の電流IA,IB,ICを入力し、これらのうち2の電流間の差である3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|を求めてそれぞれ出力する。又、基準値保存手段62は、予め定められた地絡電流基準値Isetを入力して記憶する。そして、比較演算手段64aによって、絶対値|IA−IB|が入力されるとともに地絡電流基準値Isetが取り出され比較され、それらが等しいか、又は、絶対値|IA−IB|が大きいときに(反対にいえば地絡電流基準値Isetが小さいときに)、オン信号が出力される。このオン信号の出力は、絶対値|IA−IB|にかかり地絡が発生したことを意味する。例えば、電流IAがa相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Iaであり、電流IBがb相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Ibである場合、電流Iaと電流Ibとの間でバランスが崩れ一定以上の差が生じたのであり、比較演算手段64aのオン信号の出力は、a相又はb相で地絡が発生したことを表している。
比較演算手段64bも同様に、絶対値|IB−IC|が入力されるとともに地絡電流基準値Isetが取り出され比較され、それらが等しいか、又は、絶対値|IB−IC|が大きいとき(地絡電流基準値Isetが小さいとき)に、オン信号が出力される。比較演算手段64cも同様に、絶対値|IC−IA|が入力されるとともに地絡電流基準値Isetが取り出され比較され、それらが等しいか、又は、絶対値|IC−IA|が大きいとき(地絡電流基準値Isetが小さいとき)に、オン信号が出力される。
論理和演算手段65は、上記3の比較演算手段のそれぞれの出力を入力して、それらの論理和をとって出力するものである。即ち、3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|の何れかが、地絡電流基準値Isetと等しいか又は大きい場合に、論理和演算手段65の出力はオン信号となる。そして、そのオン信号をうけて作動するオンディレイタイマ手段66により外来ノイズを除去した後に、自己保持機能を有する表示手段69によって地絡事故が生じたことを告げる表示がなされる。
尚、本発明に係る地絡事故検出装置では、電流計測手段の代わりに、差電流計測手段を用いることが出来る。電流センサ等による差電流計測手段を用いることによって、差電流を、直接、測定することが可能である。図9に差電流計測手段の設置例を示す。例えば、図2に設置位置が示される電流計測手段61a,61b,61cの代わりに、図9に示される接続態様で差電流計測手段81a,81b,81cを設けると、3の電流IA,IB,ICのうち2の電流間の差であるIA−IB,IB−IC,IC−IAが計測される。そして、差電流計測手段81a,81b,81cの出力をそれぞれ全波整流するだけで、3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|を求めることが出来る。この場合、図6に示される本発明に係る地絡事故検出装置60のうち絶対値演算手段63a,63b,63cは不要になる。
図7は、本発明に係る地絡事故検出装置の他の実施形態を示す回路図である。上記した地絡事故検出装置60では、測定された電流に関係して地絡事故が生じたことは検出出来るが、地絡事故が生じた相乃至回線の特定をすることは出来ない。図7に示される地絡事故検出装置70は、その特定をすることが可能である。
地絡事故検出装置70は、地絡事故検出装置60と同様に、電流計測手段61a,61b,61cと、基準値保存手段62と、絶対値演算手段63a,63b,63cと、比較演算手段64a,64b,64cと、を有するが、論理和演算手段65の代わりに、論理積演算手段71a,71b,71cを有し、その論理積演算手段71a,71b,71cのそれぞれの後に、オンディレイタイマ手段66a,66b,66cと、表示回路67a及び表示灯68aからなる表示手段69a、表示回路67b及び表示灯68bからなる表示手段69b、表示回路67c及び表示灯68cからなる表示手段69cと、を有するところが異なる。
論理積演算手段71a,71b,71cは、比較演算手段64a,64b,64cの各出力のうち2の出力はそのまま入力し1の出力は否定をとって入力して、それらの論理積をとって出力する。この出力がオン信号であるとき、その否定をとった比較演算手段64a,64b,64cの何れかの出力が地絡事故を生じた場所を特定する。例えば、電流IAがa相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Iaであり、電流IBがb相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Ibである場合において、絶対値|IA−IB|の否定をとった論理積演算手段71c(図7参照)の出力がオン信号であると、電流Iaと電流Ibとの間では少なくともバランスが崩れていないのであり、このことは、c相で地絡が発生したことを表している。尚、オンディレイタイマ手段66a,66b,66c及び表示手段69a,69b,69cの役割は、地絡事故検出装置60のオンディレイタイマ手段66及び表示手段69に準じる。
本発明に係る地絡事故検出装置及び地絡事故検出方法は、接続部として普通接続部が採用された地中ケーブルを敷設して形成される抵抗接地系の送配電系統において、地絡事故を検出する手段として利用出来る。特に、複数回線を有し33kV以下の電圧の送配電系統、例えば都会におけるスポットネットワーク方式の送配電系統に、好適に用いられる。
地中ケーブルの接続部として普通接続部を採用した抵抗接地系の送配電系統の一例を示す図である。 本発明に係る地絡事故検出装置の一実施形態を示す図であり、三相交流電力が1回線の場合に、電流計測手段の設置位置を説明する図である。 本発明に係る地絡事故検出装置の他の実施形態を示す図であり、三相交流電力が3回線の場合に、電流計測手段の設置位置を説明する図である。 抵抗接地系の送配電系統の一例を示す図である。 図4に示す送配電系統の等価回路を示す図である。 本発明に係る地絡事故検出装置の一実施形態を示す回路図である。 本発明に係る地絡事故検出装置の他の実施形態を示す回路図である。 事故点とそれに近い2つの接続部の一例を示す図である。 本発明に係る地絡事故検出装置の更に他の実施形態を示す図であり、三相交流電力が1回線の場合に、差電流計測手段の設置位置を説明する図である。
符号の説明
60,70…地絡事故検出装置、61a,61b,61c…電流計測手段、62…基準値保存手段、63a,63b,63c…絶対値演算手段、64a,64b,64c…比較演算手段、65…論理和演算手段、66,66a,66b,66c…オンディレイタイマ手段、67,67a,67b,67c…表示回路、68,68a,68b,68c…表示灯、69,69a,69b,69c…表示手段、71a,71b,71c…論理積演算手段、81a,81b,81c…差電流計測手段。

Claims (7)

  1. 3以上の普通接続部を有し前記普通接続部により導体と金属遮蔽層とがそれぞれ接続され、地中に敷設されるとともに、前記普通接続部の金属遮蔽層が大地に接地されたケーブルを用いて、三相交流電力の供給がなされる、抵抗接地系の送配電系統向けの地絡事故検出装置であって、
    前記普通接続部における、金属遮蔽層と、大地と、の間を流れる3の電流IA,IB,ICを測定して出力する電流計測手段と、
    予め定められた地絡電流基準値Isetを入力して記憶する基準値保存手段と、
    前記3の電流IA,IB,ICを入力し、これらのうち2の電流間の差である3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|を求めてそれぞれ出力する絶対値演算手段と、
    前記地絡電流基準値Isetを取り出し、前記3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|をそれぞれ入力して、前記地絡電流基準値Isetと前記3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|の各々とを比較し、等しいか又は前記3の絶対値|IA−IB|,|IB−IC|,|IC−IA|の各々が地絡電流基準値Isetより大きいときに、オン信号をそれぞれ出力する3の比較演算手段と、
    前記3の比較演算手段の出力を入力してそれらの論理和をとって出力する論理和演算手段と、
    を有する地絡事故検出装置。
  2. 請求項1に記載の地絡事故検出装置であって、
    前記論理和演算手段の後に、論理和演算手段の出力を入力し、そのうちオン信号をうけて作動するオンディレイタイマ手段を有する地絡事故検出装置。
  3. 請求項1に記載の地絡事故検出装置であって、
    前記論理和演算手段の代わりに、3の比較演算手段の出力のうち2の出力はそのまま入力し1の出力は否定をとって入力して、それらの論理積をとって出力する3の論理積演算手段を有する地絡事故検出装置。
  4. 請求項3に記載の地絡事故検出装置であって、
    前記3の論理積演算手段のそれぞれの後に、それぞれの論理積演算手段の出力を入力し、そのうちオン信号をうけて作動する3のオンディレイタイマ手段を有する地絡事故検出装置。
  5. 請求項1に記載の地絡事故検出装置であって、
    前記三相交流電力の供給が1回線でなされ、
    前記3の電流IA,IB,ICが、前記三相交流電力のa相、b相、c相を担うそれぞれのケーブルの前記金属遮蔽層と大地との間を流れる電流Ia,Ib,Icである地絡事故検出装置。
  6. 請求項1に記載の地絡事故検出装置であって、
    前記三相交流電力の供給が3回線でなされ、
    前記3の電流IA,IB,ICが、前記3回線のそれぞれの回線において、三相交流電力のa相、b相、c相を担うケーブルの金属遮蔽層と大地との間を流れる電流の合成和I1,I2,I3である地絡事故検出装置。
  7. 請求項1又は6に記載の地絡事故検出装置であって、
    前記三相交流電力の電圧が33kV以下であり前記三相交流電力の供給がスポットネットワーク方式で行われる送配電系統向けの地絡事故検出装置。
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