JP3634359B2 - Tcf−▲ii▼を有効成分とする血液凝固正常化剤 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、ヒト線維芽細胞が生産する糖蛋白質、TCF−IIを有効成分とする血液凝固正常化剤に関する。さらに具体的には、播種血管内凝固症候群(DIC)治療剤、血小板増加剤および血小板減少防止剤に関する。
背景技術
ヒト由来の線維芽細胞が生産する生理活性物質、例えば腫瘍細胞障害性因子としてβ−インターフェロンが存在することは広く知られている。またこのβ−インターフェロン以外にも線維芽細胞が生産する生理活性物質としては特開昭58−146293号公報に記載のCBFとよばれる腫瘍細胞障害性糖蛋白質、特開昭61−33120号公報記載の分子量35,000〜45,000の腫瘍増殖阻害因子(INF)、特開昭61−1872号公報記載の腫瘍増殖因子FNF、62−103021号公報記載の分子量40,000〜60,000、等電点pH5.0±0.5の細胞障害作用を有する生理活性物質、特開昭64−10998号公報記載のヒト由来の線維芽細胞の培養上澄みから得られる分子量36,000±1,000、等電点pH10.5以上で特定のアミノ酸配列を示す腫瘍細胞障害因子等が知られている。本発明者らはヒト線維芽細胞由来の抗腫瘍性蛋白質を研究する過程において、これまで報告されたこれらの蛋白質と全く異なる新規な抗腫瘍性物質を発見し、さらにこの蛋白質をコードするcDNAのクローニングに成功し、その全アミノ酸配列を確定するとともに、有用性を確認した。この新規な抗腫瘍性蛋白質とその遺伝子は、本出願人によって出願され、国際公開90/10651号として公開されている。この新規抗腫瘍性蛋白質はTCF−II(tumor cytotoxic factor−II)と命名されている。
このTCF−IIは強い抗腫瘍活性と正常細胞の増殖活性を合わせもち、さらに肝臓実質細胞の増殖因子であるHGFの多様なファミリーの一種であることが確認された。TCF−IIはSDS電気泳動による分子量測定では78,000±2,000の共通のバンドであるA鎖と30,000±2,000または26,000±2,000の2本のバンド(B鎖、C鎖)を示す。
TCF−IIは肝臓実質細胞の増殖因子であることから肝切除後の肝臓再生を目的とした利用が可能であるが、DICのような、血液凝固異常に伴う疾患や血小板減少に対する作用はこれまで知られていなかった。
DICは種々の基礎疾患に併発し、全身の微小血管に血栓を多発して、諸臓器の機能を障害すると共に、消費性凝固障害と線溶亢進によって著明な出血傾向を示す病態である。DICを発症させる基礎疾患としては、悪性腫瘍、白血病、敗血症、感染症、産科疾患(胎盤早期剥離、羊水栓塞など)、ショックの順であり、DIC合併頻度の高い疾患は、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫、膠原病、肝疾患の順である。これらの疾患に手術、抗腫瘍剤投与、感染症、ショックなどのリスクファクターが加わればDIC発症の危険性はより高くなる。DICの発症過程では、血液凝固因子I、II、V、VIII、XIIIなどの凝固因子が消費されて血中レベルが低下する。血小板は損傷内皮下組織に粘着凝集するとともにフィブリンに取り込まれて全身の細小血管に血栓を生じて消費される。凝固系の活性化に続いて、組織アクチベータの血中流入、カリクレインの生成などによって線溶系が活性化され、二次線溶によってFDPが生成される。以上の過程で血漿中フィブリノーゲンの減少、プロトロンビン時間の延長、血小板数の減少が著名に観察され、トロンビンやプラスミンの不活性化のためにアンチトロンビンIIIやα−アンチプラスミンなども大量に消費されることで広範囲の出血傾向に陥ることが知られている。また、肝障害、中毒、その他の原因によるビタミンK依存性凝固因子の産生障害、悪液質、薬物障害等を含む蛋白代謝異常および出血その他の血小板減少症等による止血異常などがDICの症状として知られている。
これまで上記DICの治療法としては、DICの症状に応じ、ワルファリンの投与、あるいは、出血傾向に対しては、フィブリノーゲンの投与など対症療法的な治療しか行われておらず、DICに対する有効な治療方法は見いだされなかった。また、血小板の減少は抗癌剤の投与や種々の疾患、薬剤投与によっても発生する。このような血小板の減少を防止する方法はなかった。
発明の開示
本発明者らはTCF−IIの生理活性に注目し、抗腫瘍剤としての利用や疾病の診断のマーカーとしての利用を検討してきた。
本発明者らは、TCF−IIの肝臓に対する作用を研究する過程から、TCF−IIが単に肝実質細胞の増殖をもたらすだけでなく、DICに伴う種々の血液凝固異常に対し治療効果を有する事を見いだした。また用量に依存した血小板の増加作用と抗癌剤投与に伴う血小板の減少を抑制することを見出した。これまで、TCF−IIが播種血管内凝固症候群(DIC)などの血液凝固異常に対して有効であることや血小板の減少を防止することは確認されておらず、本発明者によりTCF−IIが血小板増加作用を有すること、血液凝固異常や血小板減少に対して治療効果を見出したことは驚くべきことである。
本発明は、TCF−IIを有効成分とする、血液凝固正常化剤を提供することを課題とする。
本発明のTCF−IIを有効成分とする血液凝固正常化剤には、具体的には血液凝固異常治療剤、血小板増加剤および血小板減少防止剤などがある。
本発明の有効成分は、前記したようにヒト線維芽細胞由来の公知の糖蛋白質である。
このTCF−IIは、SDS電気泳動法による分子量測定で、非還元では78,000±2,000又は74,000±2,000であり、還元下では52,000±2,000の共通バンドAと、30,000±2,000のバンドB及び26,000±2,000のバンドCの2本のバンドとを示す。また等電点は7.4〜8.6で723個のアミノ酸配列よりなる糖蛋白である。
上記TCF−IIは、ヒト線維芽細胞培養液を濃縮し、イオン交換体に吸着させ、その溶出液をアフィニティクロマトグラフィーを行って得ることもできるし(WO90/10651)あるいは遺伝子工学的手法(WO92/01053)によって得ることもできる。
すなわち、TCF−IIは先に示したWO90/10651号公報に開示された方法によって得られた、ヒト線維芽細胞由来のものを用いることが可能である。また同公報に記載された遺伝子配列に基づいて、微生物や他の細胞により遺伝子組み換え操作により産生されたものであっても差し支えない。遺伝子操作によりTCF−IIを製造する方法については、本発明者らにより出願され、WO92/01053号公報として公開されている方法で生産したものを用いることができる。また宿主細胞、微生物の違いにより糖鎖の異なったものや、糖鎖の結合していないものであっても使用可能である。しかし糖鎖は生体内の代謝速度に関係しているため糖鎖の結合しているものが望ましい。
TCF−IIは通常の単離精製法によってさらに濃縮・精製することができる。例えば、有機溶媒による沈殿法、塩析、ゲル濾過クロマト、モノクローナル抗体を用いたアフィニティークロマト、電気泳動法などが挙げられる。これらの精製法の内モノクローナル抗体を用いたアフィニティークロマトについては、本発明者により特願平3−177236号として出願されているモノクローナル抗体を用いて精製することができる。
得られた精製TCF−IIは、凍結乾燥若しくは凍結保存することができる。
本発明の血液凝固正常化剤は注射剤として投与することができる。この場合、静注、動注、筋注あるいは皮下注射のいずれでもよい。また必要に応じて、フィブリノーゲンのような血液凝固剤、またはアンチトロンビンIIIのような凝固因子あるいはFOYなどのプロテアーゼ阻害剤などのDIC治療に用いられている薬物と併用することができる。
注射剤は、TCF−IIを単独あるいは前記薬物と併用してもよいが、さらに、ヒト血清アルブミン、界面活性剤、アミノ酸、糖類等の補助剤を併用してもよい。
本発明の血液凝固正常化剤に含まれる、TCF−IIの投与量は、投与患者の症状や、病状、年令等によって定められるが、成人一人あたり精製TCF−IIとして100−30000μg、好ましくは500−3000μgを含有する製剤を1週間に1〜7回投与することができる。また患者の症状によっては長期間の投与も可能である。
本発明の適応症としてはつぎのような疾患を例示することができる。
(1)血小板減少を伴う各種疾患、特に血小板産生の低下を引き起こす、放射線障害、抗癌剤などの薬物による低形成、再生不良性貧血および関連疾患、骨髄癆・白血病・悪性リンパ腫・骨髄線維症・癌の骨転移などによる造血組織の置換、B12・葉酸の欠乏などによる巨大赤血球性貧血や発作性夜間血色素尿症などによる無効血小板産生や先天性血小板産生低下、トロンボポエチン欠乏感染症(感染による敗血症、AIDS)などの疾患。
(2)血小板破壊の亢進を伴う各種疾患、特にDIC、微小血管障害、大量輸血、高グリセリド血症、薬剤投与による破壊、血栓性血小板減少性紫斑病、腎臓透析などの体外循環、血管腫、突発性小板減少性紫斑病、エバンズ症候群、薬物アレルギーなど免疫複合体による破壊などの疾患。
(3)血小板分布の異常、特に脾腫、脾臓機能亢進症に伴う血小板の貯留や血小板の産生減少、髄外造血を伴う骨髄繊維症などの疾患。
(4)血小板粘着能異常、血小板放出異常、血小板凝集異常などの血小板機能異常症を伴う疾患で、特に血小板無力症、無フィブリン血症、骨髄腫など異常蛋白血症、急性骨髄白血病、糖尿病、骨髄増殖性疾患、ホモシステイン尿症、ストレージプール病、Bernard−Soulier症候群、von Willebrand病などの疾患。
【図面の簡単な説明】
第1図は、正常ラットに対する本発明治療剤投与による血小板数の増加を示す。
第2図は、正常ラットに対する本発明治療剤投与によるプロトロンビン時間の短縮効果を示す。
第3図は、70%肝臓切除後の血液凝固障害ラットに対する本発明治療剤投与によるプロトロンビン時間の短縮効果を示す。
第4図は、70%肝臓切除後の血液凝固障害ラットに対する本発明治療剤投与による血漿フィブリノーゲン量の増加効果を示す。
第5図は、70%肝臓切除後の血液凝固障害ラットに対する本発明治療剤投与によるトロンボテスト値の短縮効果を示す。
第6図は、アンチトロンビンIII活性低下ラットに対する本発明治療剤投与によるアンチトロンビンIII活性の変化を示す。
第7図は、アンチトロンビンIII活性低下ラットに対する本発明治療剤投与によるトロンボテスト値の変化を示す。
第8図は、DICラットに対する本発明治療剤投与によるプロトロンビン時間の変化を示す。
第9図は、DICラットに対する本発明治療剤投与による血漿フィブリノーゲン量の変化を示す。
第10図は、DICラットに対する本発明治療剤投与によるアンチトロンビンIII活性の変化を示す。
第11図は、DICラットに対する本発明治療剤投与によるトロンボテスト値の変化を示す。
第12図は、DICラットに対する本発明治療剤投与によるプロトロンビン時間の変化を示す。
図中、*は、P<0.05であることを、また**は、P<0.01であることを示す。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を示し本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
TCF−IIの精製
WO90/10651号公報に開示された方法及び東尾らの方法(Higasio,K.et al.B.B.R.C.,vol,170,397−404,1990)に準じて細胞を培養し精製TCF−IIを得た。
ヒト線維芽細胞IMR−90(ATCC CCL 186)細胞を5%子牛血清を含むDMEM100mlをいれたローラーボトルに3×106個移植し、0.5〜2回転/分の回転速度で回転させながら7日間培養を続けた。総細胞数が1×107個になったところでトリプシンにより細胞を剥離し細胞をボトル底面に集め、5〜9メッシュのセラミック100g(東芝セラミック社製)を殺菌して投入し、24時間静置して培養した。その後上記培養液を500ml加え、培養を継続した。7〜10日ごとに培地を全量回収し、新鮮培地を補給した。このようにして2ケ月間の生産を継続し、ローラーボトル一本あたり4lの培養液を回収した。
このようにして得た培養液当たりの比活性は32μ/mlであった。
培養液750lをアミコン社製メンブランフィルター(MW6000カット)処理によりUF濃縮し、CMセファデックスC−50ファルマシア社製)、ConAセファロース(ファルマシア社製)、MonoSカラム(ファルマシア社製)ヘパリンセファロース(ファルマシア社製)による5段階のクロマト精製を行い、比活性5248000u/mgの精製TCF−IIを得た。
実施例2
遺伝子組換TCF−IIの生産
WO92/01053号公報に開示された方法に従い、TCF−II遺伝子を組み込んだ細胞を培養し、精製TCF−IIを得た。形質転換マルナワ(Namalwa)細胞を培養し、培養液20lを得た。この培養液をCM−セファデックスC−50クロマト、Con−AセファロースCL−6Bクロマト、MonoSカラムを装着したHPLCの順に処理を行い、約11mgの活性TCF−IIを得た。
実施例3
TCF−II製剤の生産例
本実施例においては、上記実施例2の方法により得ることのできた遺伝子組み換えTCF−IIの注射製剤の生産例を示した。
(1)TCF−II 20μg
ヒト血清アルブミン 100mg
上記組成をpH7.0の0.01MのPBSで溶解し、全量を20mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥密封した。
(2)TCF−II 40μg
ツイーン80 1mg
ヒト血清アルブミン 100mg
上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥密封した。
(3)TCF−II 20μg
ツイーン80 2mg
ソルビトール 4g
上記組成をpH7.0の0.01MのPBSで溶解し、全量を20mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥密封した。
(4)TCF−II 40μg
ツイーン80 2mg
グリシン 2g
上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥密封した。
(5)TCF−II 40μg
ツイーン80 1mg
ソルビトール 2g
グリシン 1g
上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥密封した。
(6)TCF−II 20μg
ソルビトール 4g
ヒト血清アルブミン 50mg
上記組成をpH7.0の0.01MのPBSで溶解し、全量を20mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥密封した。
(7)TCF−II 40μg
グリシン 2g
ヒト血清アルブミン 50mg
上記組成を注射用生理食塩水に溶解し、全量を20mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥密封した。
(8)TCF−II 10mg
ヒト血清アルブミン 100mg
上記組成をpH7.0の0.01MのPBSで溶解し、全量を20mlに調製し、滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥密封した。
前記(1)〜(8)のTCF−II製剤は、血液凝固異常の治療あるいは制癌剤投与による血小板減少の防止のために、前記した投与量で使用される。
本発明によりTCF−IIを有効成分として含有する血液凝固異常疾患治療剤が提供される。以下に本実施例により製造した治療剤の効果を確認した実験例を示し、本発明の効果を説明する。
実験例1
血小板数の増加作用ならびにプロトロンビン時間に対す る作用
(1)方法
7週齢のウィスター系雄ラット(1群6匹)にTCF−IIの注射剤(0、5、50、500、5000μg/kg)を12時間間隔で14日間計28回)の反復静脈内投与を行い、最終投与12時間後採血を行い、血小板数及びプロトロンビン時間を計測した。
TCF IIの注射剤は、TCF−IIを含有し、0.25%ヒト血清アルブミン、0.15M食塩、10mMリン酸バッファー、0.01%Tween80含有液(pH6.8〜7.2)を調製し、これを用いた。以下の実験はすべてこの組成を用いた。
(2)結果
TCF−IIの用量に依存して血小板数の増加(図1)、プロトロンビン時間の短縮(図2)が観察された。とくに500μg/kg以上の投与により両数値とも顕著に改善した。血液凝固異常に対する治療効果を確認できた。
実験例2
肝臓切除による血液凝固障害ラットのプロトロンビン時 間、血漿フィブリノーゲン量、トロンボテスト値に対す る効果
線溶系の因子は肝臓で生産される。このため肝臓切除により、線溶系機能低下ラットを作製し、このモデルに対するTCF−IIの効果を確認した。
(1)方法
7週齢のウィスター系雄ラット(1群6匹)に70%肝切除を行い、TCF−II(0、20、100、500μg/kg)を12時間間隔で2日間(計4回)の反復静脈内投与を行い、投与開始48時間後採血を行い、プロトロンビン時間、血漿フィブリノーゲン量、トロンボテスト値を測定した。
(2)結果
TCF−II投与にともない、プロトロンビン時間の短縮(図3)、血漿フィブリノーゲン量の増加(図4)及びトロンボテスト値の短縮(図5)が観察された。肝臓由来の血液凝固障害に、本発明が有効であることが確認できた。
実験例3
アンチトロンビンIII活性低下モデルにおけるTCF−II投 与による改善効果
(1)方法
7週齢のウィスター系雄ラットにDL−エチオニンを4日間、250mg/kg/day投与し、アンチトロンビンIII活性の低下モデルを作製した(1群10匹)。このラットにTCF−II(0、50、500μg/kg)を12時間間隔で投与し、投与開始48時間めのプロトロンビン時間、アンチトロンビンIII活性、トロンボテストを行った。
(2)結果
TCF−II投与にともない、アンチトロンビンIII活性が回復し(図6)、トロンボテスト値の短縮(図7)及びプロトロンビン時間の短縮(図8)が観察された。本発明による治療剤はアンチトロンビンIIIを増加させ、血液凝固障害に有効であることが確認できた。
実験例4
DICモデルに対する治療効果
(1)方法
7週齢のウィスター系雄ラット(1群10匹)に70%肝切除を行た直後にガラクトサミンを50mg/kg皮下投与し、肝臓障害とDIC症状を合併させた病態モデルを作製した。この病態モデルに、TCF−II(500μg/kg)を12時間間隔で2日間(計4回)の反復静脈内投与を行い、投与開始48時間後採血を行い、プロトロンビン時間、血漿フィブリノーゲン量、アンチトロンビンIII、トロンボテスト値を測定した。
(2)結果
TCF−II投与にともない血漿フィブリノーゲン量の増加(図9)、アンチトロンビンIII活性の増加(図10)、トロンボテスト値の短縮(図11)及びプロトロンビン時間の短縮(図12)が観察された。この結果、DIC由来の血液凝固障害に、本発明が有効であることが確認できた。
以上の結果、本発明による治療剤は血液凝固障害に有効であることが確認できた。
実験例5
制癌剤投与による血小板減少モデルに対する治療効果
(1)方法
7週齢のウィスター系雄ラットにシスプラチン(Cisplatin,シオノギ製薬)8mg/kgを単回静脈内投与して血小板減少モデルを作製した。シスプラチン投与直後よりTCF−II(1回投与量1mg/kg)を12時間間隔で、7日間反復静脈内投与した(10匹)。シスプラチンの投与直前、投与後3および7日目に血小板数を多項目自動血球計数装置(Sysmex E−7000)を用いて計測した。表1にその結果を示す。
(2)結果
表1に示すようにTCF−II投与3日目から有意な血小板数の増加が認められ、シスプラチン投与後7日目の顕著な血小板減少時においても注射剤中にTCF−IIを含まない溶媒投与群(対照)(9匹)より有意に高い値を維持した。以上の成績よりTCF−IIは制癌剤投与などによる各種血小板減少症の軽減および改善治療に有用であることが確認できた。
Figure 0003634359
産業上の利用可能性
本発明の血液凝固正常化剤は、播種血管内凝固症候群の治療、血小板減少に伴なう各種の症候群の治療に用いられる。

Claims (5)

  1. TCF−IIを有効成分とする血小板増加剤。
  2. TCF−IIを有効成分とする血小板減少防止剤。
  3. 精製TCF−IIを成人1人1日当り500−3000μg投与できるような剤形とした請求項1に記載の血小板増加剤又は請求項2に記載の血小板減少防止剤。
  4. 剤形が注射剤である、請求項1に記載の血小板増加剤又は請求項2に記載の血小板減少防止剤。
  5. 精製TCF−IIを成人1人1日当り500−3000μg投与できるような剤形が注射剤である請求項1に記載の血小板増加剤又は請求項2に記載の血小板減少防止剤。
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