JP3633992B2 - Hydrodynamic bearing device - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機やレーザビームプリンタ(LBP)等の光走査用として使用されるポリゴンモータや、ハードディスク用スピンドルモータ等に使用される動圧軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多角形のミラー、すなわちポリゴンミラーをモータにより回転させ、その多角形の反射面にレーザビームを照射してその反射光を走査させるポリゴンモータが複写機やレーザビームプリンタ等の光走査部に使用される。このポリゴンモータとしては各種のものが従来より採用されているが、ポリゴンモータの小型化と高速化の要請に対応するために、従来より動圧軸受が採用されている。
【0003】
この場合、基板に固定した筒状スリーブの内側にシャフトを挿入し、スリーブの下端開口部を閉塞したスラスト受上にシャフトの端部を支持すると共に、シャフトの上部にロータを固着し、このロータにポリゴンミラーを固定し、シャフトと共にロータを回転させることによりポリゴンミラーを高速で回転させるようになっている。スリーブの内周面とシャフトの外周面との一方もしくは両方に動圧発生用のヘリングボーン状溝が刻設され、スリーブとシャフトとの間に潤滑剤が充填されている。
【0004】
例えば、図7は、前述したポリゴンモータの動圧軸受部の一部を示したものである。
ポリゴンモータの回路基板に固定された上下方向のスリーブAは、円筒状内周面Bを有し、その下端開口にこれを閉塞するようにスラスト受Cが嵌合されている。上端部にロータが固定されるシャフトDには、その外周面Eの上下部にヘリングボーン状の動圧発生用溝F、Gが刻設されており、このシャフトDがスリーブAの円筒状内周面Bに挿通され、両溝F、Gが円筒状内周面Bに対向すると共に、曲面に形成されたシャフトDの下端面Hがスラスト受Cの中央部に形成されたスパイラル溝に対向している。スリーブAの円筒状内周面BとシャフトDの外周面Eとの間には、オイル等の潤滑剤が充填されている。
【0005】
スリーブAの内周面Bの上端部及び下端部には、シャフトDの外周面Eとの間の隙間が軸方向外方に向かって拡開する潤滑剤シール用の環状上側テーパ面I及び下側テーパ面Jが形成され、スリーブAの円筒状内周面BとシャフトDの外周面Eとの間に充填された潤滑剤の流出が両テーパ面I、Jにおいて防止され、この間に保持されている。両テーパ面I、Jは、ほぼ対称状に形成され、テーパ面I、Jにおいて潤滑剤の溜を形成しており、その保持容積はほぼ等しくなっている。なお、スラスト受CとシャフトDの下端面Hとの間にも潤滑剤が充填されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した動圧軸受装置では、スリーブAの円筒状内周面BとシャフトDの外周面Eとの間に潤滑剤を充填する場合、スリーブAの内周面B内に上方よりシャフトDの下端部のみを挿入した状態において、スリーブAの上端開口面とシャフトDの外周面Eとに跨って環状に潤滑剤を塗布し、この状態からシャフトDを下降つまりスリーブA内に挿入し、潤滑剤をスリーブAとシャフトDとの隙間に徐々に引き込んで、最終的に両テーパ面I、J間に充填している。
【0007】
しかしながら、前述した潤滑剤の充填方法を採用すると、シャフトDの下端部周面が潤滑剤で濡れるため、下側テーパ面Jで潤滑剤をシールしても、潤滑剤はシャフトDの下端部の濡れ性によりこの周面に沿って流出しやすくなり、重力の作用も手伝って潤滑剤はテーパ面Jに留まらず流出し、上側テーパ面Iにおける潤滑剤の枯渇が生じるといった問題点があり、安定した回転性能が得られなくなる。その上、モータ回転時、シャフトDが高速回転するため、シャフトD周面の潤滑剤が飛散しやすく、前述した潤滑剤の枯渇をさらに進行させる結果となる。
【0008】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に留意してなされたものであり、その目的とするところは、潤滑剤の枯渇を生じることがなく、潤滑剤の保持機能を高めることができ、安定した回転性能を確保することができる動圧軸受装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の動圧軸受装置にあっては、円筒状内周面を有する上下方向のスリーブと、このスリーブの内周面に挿通され該内周面に対向する円筒状外周面を有する上下方向のシャフトと、スリーブの下端開口部に装着されシャフトの下端部を支持するスラスト受とを備え、スリーブの内周面とシャフトの外周面との一方もしくは両方に動圧発生用溝を刻設し、スリーブの内周面とシャフトの外周面との間に潤滑剤を充填し、シャフトをスリーブに対して回転支持するようにした動圧軸受装置において、
スリーブの内周面の上端部及び下端部に、シャフトの外周面との間の隙間が軸方向外方に向かって拡開する潤滑剤シール用の環状上側テーパ面及び下側テーパ面を形成し、スリーブの下端部の下側テーパ面の外周部に、スラスト受との間の隙間が半径方向外方に向かって拡開する潤滑剤シール用の環状第2テーパ面を形成し、下側テーパ面と第2テーパ面とをスリーブとスラスト受との間の環状の狭隘部を介して連通させたことを特徴とするものである。
【0010】
この場合、前記上側テーパ面によるシャフトとの間の容積は、下側テーパ面によるシャフトとの間の容積より大きく形成するのが望ましい。また、スラスト受の上面のシャフトに対向する部分に動圧発生用の溝を刻設し、スラスト受の上面における前記溝より外周部に撥油剤を塗布するのがよい。さらに、前記狭隘部の表面及び第2テーパ面の表面に、撥油剤を塗布してもよい。
【0011】
【作用】
前述のように構成された動圧軸受装置にあっては、スリーブの下端部の下側テーパ面の外周部に、スリーブとスラスト受との間の環状の狭隘部を介してスラスト受との間の隙間が半径方向外方に向かって拡開する潤滑剤シール用の環状第2テーパ面を連通形成したので、潤滑剤自身の重量や他の何らかの原因で下側テーパ面で保持していた潤滑剤がこのシール部から流出しようとしても、この潤滑剤は、まず狭隘部がその流出の抵抗となるため、下側テーパ面から容易に流出することはできず、仮に、潤滑剤が狭隘部を抜けて流出しても、この外周側に位置する第2テーパ面で潤滑剤がテーパシールされ、潤滑剤の外部への流出が大幅に抑制される。
【0012】
ここで、上側テーパ面によるシャフトとの間の容積を、下側テーパ面によるシャフトとの間の容積より大きく形成すれば、予め上側テーパ面に余分の潤滑剤を保持するように潤滑剤を多めに充填しておくことができ、仮に潤滑剤が下側テーパ面から狭隘部を経て第2テーパ面に流出しても、潤滑剤の枯渇を生じることはなく、長期にわたって軸受性能を維持できる。また、スラスト受の上面のシャフトに対向する部分に動圧発生用の溝を刻設し、スラスト受の上面における前記溝より外周部に撥油剤を塗布すれば、スラスト受上の潤滑剤が溝部分から容易に外周方向に流出することを防止でき、さらに、前記狭隘部の表面及び第2テーパ面の表面に撥油剤を塗布すれば、下側テーパ面からの潤滑剤の流出をより効果的に抑制できる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の第1の実施例の要部断面図、図2は全体構造を示す断面図、図3は図1の一部拡大図、図4はスラスト受の斜視図、図5はスラスト受の表面処理の工程説明図、図6は本発明の第2の実施例の全体構成を示す断面図である。
【0014】
まず、図2により本発明が適用するポリゴンモータMの全体構造を説明する。鉄板等からなる回路基板2には、銅合金等からなり円筒状内周面4を有する上下方向の筒状スリーブ6がかしめ等により固定される。このスリーブ6の下端開口には、ほぼ円盤状のスラスト受8が嵌着され、スリーブ6の上端開口からシャフト10が挿通され、シャフト10の下端のスラスト受面12がスラスト受8上に支持されている。
【0015】
シャフト10の上端部には、ロータハブ14が圧入等により固着されており、このロータハブ14の下面にほぼ有蓋円筒状のロータヨーク16が固定され、ロータヨーク16の円筒部内周面に環状マグネット18が装着されると共に、スリーブ6の外周面中央部にかしめ等により固定されたステータ20がロータマグネット18にラジアル方向のギャップを介して対向するようになっている。ロータヨーク16の最外周部には、折り曲げによる環状凹部2が形設されており、この環状凹部22の適所にパテ等の重りを適量充填することにより動バランスを取る仕組みになっている。
【0016】
前記ロータハブ14の外周部には、例えば正6角形のポリゴンミラー24が嵌挿され、これがシャフト10の上端にねじ26で取り付けられたクランプばね28によりロータハブ14との間で挟持されている。
【0017】
スリーブ6内に挿入されたシャフト10は、スリーブ6の内周面4に対向する円筒状外周面30を有し、この外周面30の上下部にヘリングボーン状の動圧発生用溝32、34が刻設されている。スリーブ6の内周面4とシャフト10の外周面30との間には、図3に見られるように、オイル等の潤滑剤36が充填されており、スリーブ6とシャフト10との相対回転により溝32、34の中央部分の潤滑剤圧力が高くなり、それぞれラジアル動圧軸受部を構成することになる。
【0018】
スリーブ6の内周面4の上端部及び下端部には、シャフト10の外周面30との間の隙間が軸方向外方に向かって拡開する潤滑剤シール用の環状上側テーパ面36及び下側テーパ面38が形成され、上側テーパ面36が下側テーパ面38に比べ大容積に形成されている。この上側テーパ面36及び下側テーパ面38により、前記潤滑剤36のスリーブ6内周面4からの流出が防止され、この間の内外周面4、30間に潤滑剤36が充填されることになる。下側テーパ面40は、従来の場合に比べシャフト10の下端側に寄り、スラスト軸受部に隣接している。
【0019】
スリーブ6の下端部の前記下側テーパ面40の外周部には、スラスト受8との間の隙間が半径方向外方に向かって拡開する潤滑剤シール用の環状第2テーパ面42が形成されており、下側テーパ面40と第2テーパ面42とが、スリーブ6とスラスト受8との間の環状の狭隘部44を介して連通している。
【0020】
前記スラスト受8は、耐摩耗性に優れたアルミナ等のサーメットにより構成され、このスラスト受8の上面のシャフト10に対向する部分には、図4に示すように、スパイラル状の動圧発生用溝46が刻設されている。スラスト受8の上面における溝46より外周部つまり前記下側テーパ面40の開口端に対向する部分には撥油剤が塗布されている。この場合、撥油剤の塗布は、溝46の外周部に精度よくまた適量に塗布する必要があり、少なければスラスト受8とシャフト10との間に充填された潤滑剤が流出しやすくなり、多ければ撥油剤自身の流出を生じる問題がある。
【0021】
そこで、本実施例では、次のような潤滑剤の塗布方法を採用している。すなわち、まず、図5の(a)のように、溝46の加工を終えたスラスト受8の上面のスラスト軸受部つまり溝46の部分に潤滑剤36aを薄く塗布する。次に、同図(b)のように、溝46の外周部に撥油剤48を所定量塗布し、ベーキングする。このとき撥油剤48は潤滑剤36aにより溝46部分に流入することはない。その後、同図(c)のように、潤滑剤36aの上面つまり撥油剤48の内側に規定量の潤滑剤36bを塗布する。これにより、撥油剤48を溝46部分に侵入することなく塗布することができ、塗布量の管理も容易になる。
【0022】
スラスト受8の外周部には、図4に示すように、エアー抜き用の3個の切り欠き50が等間隔に形成されている。この各切り欠き50は、図1及び図3に示すように、スリーブ6の第2テーパ面42に対向しており、潤滑剤36の充填時における空気抜きと温度変化に伴う潤滑剤等の膨張収縮時の呼吸口を兼ねている。
【0023】
このような構成の動圧軸受装置にあっては、潤滑剤36の注入時、スラスト軸受部に対しては、前述した要領でスラスト受8上に適量の潤滑剤36が充填され、また、ラジアル軸受部に対しては、従来技術で説明した要領で潤滑剤36が充填される。本実施例にあっては、スリーブ6の下側テーパ面40がシャフト10の下端部に対向配置されているので、潤滑剤の充填時にシャフト10の下端部が潤滑剤で濡れていても、図3に示すように、この部分を含むテーパシール構造で潤滑剤36のシールが行われ、潤滑剤36の流出が防止される。また、潤滑剤36は、必要量以上が充填され、余分の潤滑剤は、上側テーパ面38において保持されている。
【0024】
モータMを駆動すると、シャフト10が高速回転し、この回転に伴って、下側テーパ面40の潤滑剤36は、遠心力により、一部は軸周面に沿って下端方向に流れ出ようとし、他の潤滑剤36はテーパ面40に沿って外周方向に流れ出ようとする。シャフト下端側に流れ出ようとする潤滑剤36は、スラスト受8上の撥油剤の作用によりそれ以上の潤滑剤の広がりは抑制され、また、外周方向に流れ出ようとする潤滑剤36は、スリーブ6とスラスト受8との間の狭隘部44が潤滑剤36流出の抵抗となり、潤滑剤36の流出が狭隘部44で食い止められる。
【0025】
仮に、狭隘部44より潤滑剤36が流出してしまっても、この狭隘部44の外周側に第2のテーパ面42による第2のテーパシール構造が存在するため、流出した潤滑剤36は、図3に2点鎖線で示すようにテーパシールされ、外部への流出が確実に防止される。ここで、上側テーパ面38に保持されている余分の潤滑剤36は、潤滑剤36が第2のテーパ面42まで流出してもスリーブ6、シャフト10間の潤滑剤に枯渇が生じない量に設定されている。
【0026】
なお、前記実施例において、スラスト受8の上面外周部だけでなく、狭隘部42を構成するスリーブ6の表面及び第2テーパ面42も撥油処理しておけば、前述したシール効果がより確実となる。
【0027】
次に、図6は、本発明をインナーロータタイプのポリゴンモータM’に適用した場合の第2の実施例を示したものである。同図において、前記と同一符号は同一もしくは相当するものを示すものとする。
【0028】
回路基板2に固定されたスリーブ6には、第1の実施例の場合と同様に、シャフト10がラジアル方向及びスラスト方向に動圧軸受支持され、シャフト10の上端部に固着されたロータハブ14にスリーブ6の外周に近接して円筒部14’が設けられている。この円筒部14’の外周面には、円筒状のヨーク16を介してロータマグネット18が装着されている。
【0029】
回路基板2上には、ロータマグネット18の外周面に対向するように環状のステータ20が配置され、これが樹脂製の環状ホルダ52により回路基板2に固定されている。
【0030】
以上、本発明の動圧軸受装置の実施例について説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているため、次に記載するような効果を奏する。
スリーブの下端部の下側テーパ面の外周部に、スリーブとスラスト受との間の環状の狭隘部を介して潤滑剤シール用の環状第2テーパ面を連通形成したので、下側テーパ面で保持していた潤滑剤が何らかの原因でこのシール部から流出しようとしても、潤滑剤をまず狭隘部で食い止めることができ、仮に、潤滑剤が狭隘部を抜けて流出しても、この外周側に位置する第2テーパ面で潤滑剤をテーパシールでき、潤滑剤の外部への流出を確実に抑制できるものであり、安定した動圧軸受の軸受性能を確保できるものである。
【0032】
また、上側テーパ面によるシャフトとの間の容積を、下側テーパ面によるシャフトとの間の容積より大きく形成すれば、予め上側テーパ面に余分の潤滑剤を保持するように潤滑剤を多めに充填しておくことができ、仮に潤滑剤が下側テーパ面から狭隘部を経て第2テーパ面に流出しても、潤滑剤の枯渇を生じることはなく、長期にわたって軸受性能を維持できるものである。さらに、スラスト受の上面のシャフトに対向する部分に動圧発生用の溝を刻設し、スラスト受の上面における前記溝より外周部に撥油剤を塗布すれば、スラスト受上の潤滑剤が溝部分から容易に外周方向に流出することを防止でき、前記狭隘部の表面及び第2テーパ面の表面に撥油剤を塗布すれば、下側テーパ面からの潤滑剤の流出をより効果的に抑制できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動圧軸受装置をポリゴンモータに適用した場合の第1の実施例を示す要部の断面図である。
【図2】第1の実施例のポリゴンモータの全体構成を示す断面図である。
【図3】図1の下側テーパ面部分の拡大断面図である。
【図4】図1のスラスト受の斜視図である。
【図5】図1のスラスト受の撥油処理を説明する各工程の正面図である。
【図6】本発明の動圧軸受装置をポリゴンモータに適用した場合の第2の実施例を示す全体断面図である。
【図7】従来の動圧軸受装置を示す一部の断面図である。
【符号の説明】
4 円筒状内周面
6 スリーブ
8 スラスト受
10 シャフト
30 円筒状外周面
32、34、46 溝
36 潤滑剤
38 上側テーパ面
40 下側テーパ面
42 第2テーパ面
44 狭隘部[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a hydrodynamic bearing device used for a polygon motor used for optical scanning such as a copying machine or a laser beam printer (LBP), a spindle motor for a hard disk, or the like.
[0002]
[Prior art]
Polygon mirrors, that is, polygon mirrors that rotate a polygon mirror with a motor, irradiate the polygonal reflecting surface with a laser beam and scan the reflected light are used in optical scanning units such as copying machines and laser beam printers. The Various types of polygon motors have been conventionally used, but dynamic pressure bearings have been conventionally used in order to meet demands for miniaturization and high speed of polygon motors.
[0003]
In this case, the shaft is inserted inside the cylindrical sleeve fixed to the substrate, the end of the shaft is supported on a thrust receiver that closes the lower end opening of the sleeve, and the rotor is fixed to the upper portion of the shaft. The polygon mirror is fixed to the shaft, and the polygon mirror is rotated at a high speed by rotating the rotor together with the shaft. A herringbone groove for generating dynamic pressure is formed on one or both of the inner peripheral surface of the sleeve and the outer peripheral surface of the shaft, and a lubricant is filled between the sleeve and the shaft.
[0004]
For example, FIG. 7 shows a part of the dynamic pressure bearing portion of the polygon motor described above.
The vertical sleeve A fixed to the circuit board of the polygon motor has a cylindrical inner peripheral surface B, and a thrust receiver C is fitted to the lower end opening so as to close it. The shaft D, on which the rotor is fixed at the upper end, is provided with herringbone-like dynamic pressure generating grooves F, G on the upper and lower portions of the outer peripheral surface E. The shaft D is formed in the cylindrical shape of the sleeve A. The groove F is inserted into the peripheral surface B, both grooves F and G face the cylindrical inner peripheral surface B, and the lower end surface H of the shaft D formed on the curved surface faces the spiral groove formed in the central portion of the thrust receiver C. doing. A lubricant such as oil is filled between the cylindrical inner peripheral surface B of the sleeve A and the outer peripheral surface E of the shaft D.
[0005]
At the upper and lower ends of the inner peripheral surface B of the sleeve A, an annular upper taper surface I for the lubricant seal and a lower portion where a gap with the outer peripheral surface E of the shaft D expands outward in the axial direction. A side taper surface J is formed, and the outflow of the lubricant filled between the cylindrical inner peripheral surface B of the sleeve A and the outer peripheral surface E of the shaft D is prevented at both the taper surfaces I and J, and is held therebetween. ing. Both the tapered surfaces I and J are formed substantially symmetrically and form a reservoir of lubricant on the tapered surfaces I and J, and their holding volumes are substantially equal. A lubricant is also filled between the thrust receiver C and the lower end surface H of the shaft D.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the above-described hydrodynamic bearing device, when the lubricant is filled between the cylindrical inner peripheral surface B of the sleeve A and the outer peripheral surface E of the shaft D, the shaft D is inserted into the inner peripheral surface B of the sleeve A from above. In the state in which only the lower end portion of the sleeve A is inserted, the lubricant is applied in an annular shape across the upper end opening surface of the sleeve A and the outer peripheral surface E of the shaft D, and the shaft D is lowered, that is, inserted into the sleeve A from this state. The lubricant is gradually drawn into the gap between the sleeve A and the shaft D, and finally filled between the tapered surfaces I and J.
[0007]
However, when the lubricant filling method described above is employed, the peripheral surface of the lower end portion of the shaft D is wetted with the lubricant, so that even if the lubricant is sealed with the lower tapered surface J, the lubricant remains on the lower end portion of the shaft D. Due to the wettability, it is easy to flow out along this peripheral surface, and the lubricant does not stay on the taper surface J because of the action of gravity, and there is a problem that the upper taper surface I is depleted of the lubricant and is stable. Rotation performance will not be obtained. In addition, since the shaft D rotates at a high speed when the motor rotates, the lubricant on the peripheral surface of the shaft D is likely to be scattered, resulting in further progress of the above-described lubricant depletion.
[0008]
The present invention has been made in consideration of such problems of the prior art. The object of the present invention is to prevent the lubricant from being depleted and to improve the function of retaining the lubricant. An object of the present invention is to provide a hydrodynamic bearing device capable of ensuring stable rotation performance.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, in the hydrodynamic bearing device according to the present invention, a vertical sleeve having a cylindrical inner peripheral surface, and a cylinder that is inserted through the inner peripheral surface of the sleeve and faces the inner peripheral surface. A vertical shaft having a cylindrical outer peripheral surface and a thrust receiver attached to the lower end opening of the sleeve and supporting the lower end of the shaft, and dynamic pressure is applied to one or both of the inner peripheral surface of the sleeve and the outer peripheral surface of the shaft In the hydrodynamic bearing device in which the groove for generation is formed, the lubricant is filled between the inner peripheral surface of the sleeve and the outer peripheral surface of the shaft, and the shaft is rotatably supported with respect to the sleeve.
The upper and lower end portions of the inner peripheral surface of the sleeve are formed with an annular upper tapered surface and a lower tapered surface for a lubricant seal in which a gap between the outer peripheral surface of the shaft expands outward in the axial direction. An annular second tapered surface for a lubricant seal is formed on the outer peripheral portion of the lower tapered surface of the lower end portion of the sleeve so that a gap between the thrust receiver and the thrust receiver expands radially outward. The surface and the second tapered surface are communicated with each other via an annular narrow portion between the sleeve and the thrust receiver.
[0010]
In this case, the volume between the upper tapered surface and the shaft is preferably larger than the volume between the lower tapered surface and the shaft. Further, it is preferable that a groove for generating dynamic pressure is formed on a portion of the upper surface of the thrust receiver facing the shaft, and an oil repellent is applied to the outer peripheral portion of the groove on the upper surface of the thrust receiver. Furthermore, you may apply | coat an oil repellent agent to the surface of the said narrow part, and the surface of a 2nd taper surface.
[0011]
[Action]
In the hydrodynamic bearing device configured as described above, the outer peripheral portion of the lower tapered surface of the lower end portion of the sleeve is connected to the thrust receiver via the annular narrow portion between the sleeve and the thrust receiver. Since the annular second taper surface for the lubricant seal in which the gap of the seal expands outward in the radial direction is formed in communication, the lubrication that has been held by the lower taper surface due to the weight of the lubricant itself or for some other reason Even if the agent is about to flow out of the seal portion, the narrow portion first becomes resistance to the outflow of the lubricant, so that the lubricant cannot easily flow out from the lower taper surface. Even if it flows out and flows out, the lubricant is taper-sealed by the second tapered surface located on the outer peripheral side, and the outflow of the lubricant to the outside is greatly suppressed.
[0012]
Here, if the volume between the upper tapered surface and the shaft is larger than the volume between the lower tapered surface and the shaft, the amount of lubricant is increased so as to retain extra lubricant on the upper tapered surface in advance. Even if the lubricant flows out from the lower tapered surface to the second tapered surface through the narrowed portion, the lubricant is not depleted and the bearing performance can be maintained over a long period of time. In addition, if a groove for generating dynamic pressure is formed in a portion of the upper surface of the thrust receiver facing the shaft, and an oil repellent is applied to the outer periphery of the groove on the upper surface of the thrust receiver, the lubricant on the thrust receiver is grooved. It is possible to prevent the oil from easily flowing out of the outer peripheral direction from the portion. Further, if an oil repellent is applied to the surface of the narrowed portion and the surface of the second tapered surface, the lubricant is more effectively discharged from the lower tapered surface. Can be suppressed.
[0013]
【Example】
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. 1 is a cross-sectional view of an essential part of the first embodiment of the present invention, FIG. 2 is a cross-sectional view showing the overall structure, FIG. 3 is a partially enlarged view of FIG. 1, FIG. 4 is a perspective view of a thrust receiver, and FIG. FIG. 6 is a sectional view showing the overall configuration of the second embodiment of the present invention.
[0014]
First, the overall structure of a polygon motor M to which the present invention is applied will be described with reference to FIG. On the
[0015]
A
[0016]
For example, a regular
[0017]
The
[0018]
The upper and lower end portions of the inner
[0019]
An annular
[0020]
The
[0021]
Therefore, in this embodiment, the following lubricant application method is employed. That is, first, as shown in FIG. 5A, the
[0022]
As shown in FIG. 4, three
[0023]
In the hydrodynamic bearing device having such a configuration, when the
[0024]
When the motor M is driven, the
[0025]
Even if the
[0026]
In the above embodiment, if the surface of the
[0027]
Next, FIG. 6 shows a second embodiment in which the present invention is applied to an inner rotor type polygon motor M ′. In the figure, the same reference numerals as those described above indicate the same or corresponding elements.
[0028]
As in the case of the first embodiment, the
[0029]
On the
[0030]
As mentioned above, although the Example of the hydrodynamic bearing apparatus of this invention was described, this invention is not limited to this Example, and it cannot be overemphasized that various changes are possible in the range which does not deviate from the main point of this invention. .
[0031]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, the following effects can be obtained.
Since the annular second tapered surface for the lubricant seal is formed in communication with the outer peripheral portion of the lower tapered surface of the lower end portion of the sleeve via the annular narrow portion between the sleeve and the thrust receiver, the lower tapered surface Even if the retained lubricant tries to flow out of this seal part for some reason, the lubricant can first stop at the narrow part, and even if the lubricant flows out through the narrow part, The lubricant can be taper-sealed with the second taper surface positioned, the outflow of the lubricant to the outside can be reliably suppressed, and stable bearing performance of the dynamic pressure bearing can be ensured.
[0032]
In addition, if the volume between the upper tapered surface and the shaft is larger than the volume between the lower tapered surface and the shaft, the amount of lubricant is increased in advance so that excess lubricant is retained on the upper tapered surface. Even if the lubricant flows out from the lower taper surface to the second taper surface through the narrowed portion, the lubricant does not run out and the bearing performance can be maintained over a long period of time. is there. Furthermore, if a groove for generating dynamic pressure is formed in a portion of the upper surface of the thrust receiver facing the shaft, and an oil repellent is applied to the outer periphery of the groove on the upper surface of the thrust receiver, the lubricant on the thrust receiver is grooved. It is possible to prevent the oil from easily flowing out from the outer peripheral direction, and by applying an oil repellent to the surface of the narrow portion and the surface of the second taper surface, the outflow of the lubricant from the lower taper surface is more effectively suppressed. It can be done.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a main part showing a first embodiment when the hydrodynamic bearing device of the present invention is applied to a polygon motor.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the overall configuration of the polygon motor of the first embodiment.
3 is an enlarged cross-sectional view of a lower tapered surface portion of FIG. 1. FIG.
4 is a perspective view of the thrust receiver of FIG. 1. FIG.
5 is a front view of each step for explaining the oil-repellent treatment of the thrust receiver in FIG. 1. FIG.
FIG. 6 is an overall sectional view showing a second embodiment when the hydrodynamic bearing device of the present invention is applied to a polygon motor.
FIG. 7 is a partial cross-sectional view showing a conventional hydrodynamic bearing device.
[Explanation of symbols]
4 Cylindrical inner
Claims (4)
前記スリーブの内周面の上端部及び下端部には、前記シャフトの外周面との間の隙間が軸方向外方に向かって拡開する潤滑剤シール用の環状上側テーパ面及び下側テーパ面が形成され、前記スリーブの下端部の前記下側テーパ面の外周部には、前記スラスト受との間の隙間が半径方向外方に向かって拡開する潤滑剤シール用の環状第2テーパ面が形成され、前記下側テーパ面と前記第2テーパ面とが前記スリーブと前記スラスト受との間の環状の狭隘部を介して連通していることを特徴とする動圧軸受装置。A vertical sleeve having a cylindrical inner peripheral surface, a vertical shaft having a cylindrical outer peripheral surface that is inserted through the inner peripheral surface of the sleeve and faces the inner peripheral surface, and a lower end opening of the sleeve. A thrust receiver that supports a lower end portion of the shaft, and a dynamic pressure generating groove is formed in one or both of the inner peripheral surface of the sleeve and the outer peripheral surface of the shaft, and the inner peripheral surface of the sleeve In the hydrodynamic bearing device in which a lubricant is filled between the outer peripheral surface of the shaft and the shaft is rotatably supported with respect to the sleeve.
An annular upper tapered surface and a lower tapered surface for a lubricant seal in which a gap between the outer peripheral surface of the shaft and the outer peripheral surface of the shaft expands outward in the axial direction at an upper end portion and a lower end portion of the inner peripheral surface of the sleeve. An annular second taper surface for a lubricant seal in which a gap between the thrust receiver and the outer periphery of the lower taper surface at the lower end portion of the sleeve is expanded radially outward. And the lower tapered surface and the second tapered surface communicate with each other through an annular narrow portion between the sleeve and the thrust receiver.
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