JP3633934B6 - 外科用金属インプラントを処理する方法 - Google Patents

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Description

本発明は外科用金属インプラント、特にチタンまたはチタン合金からつくられるインプラントを処理する方法に関する。
発明の背景
チタンおよびチタン合金は、それらが有する骨組織との良好な適合性および骨組織と直接強固に接着する傾向のため、歯科および整形外科の手術においてインプラント材料としてしばしば使用される。このような強固な接着性を生ずる骨組織と金属との間の相互作用は、1970年代の後半にスウェーデンのGothenburgの
Figure 0003633934
と共同研究者によって「骨一体化」(“osseointegration")と造語されたが、接着過程の機構は未だ十分にわかっていない。
外科用インプラントを固定する標準的な外科技術には二段階方法が用いられる。第1段階において骨組織を覆う柔軟組織が切開されそしてインプラントの基底部が骨組織内に入れられる。柔軟組織が閉じられそしてインプラントが骨一体化するように比較的長期間にわたってそのままに置かれる。第2段階において、柔軟組織が再び切開され、またインプラントの負荷支持部が基底部に取り付けられる。骨一体化に必要な期間が長いことは患者にとって極めて不快であるので、このような二段階技術にはある種の不利点がある。さらにまた、関節例えば股関節の手術は、もしそれが避けられるならば、二度行われるべきでないので、整形外科においては一段階の手術を行うのが好ましい。一段階手術の一つの前提条件は、骨組織−インプラント境界面で十分な強度を得るのに要する時間が短いことである。加えて、骨の質がかなり悪化しているか、例えば上顎、または神経上方の下顎の後方部分の利用できる空間に制限がある場合、完全な骨一体化を行うには問題があることがある。従って、これらの場所においてはインプラントのまわりに骨組織の再生を刺激するのが好ましい。インプラントを一層良好に接着させるためのチタンからつくられるインプラントを処理する方法が今日までにもいくつかある。これらの方法のいくつかは、例えば機械的保持を一層良くしまた接着面積を増大するために、例えばプラズマ噴射、噴射仕上げまたはエッチングによりインプラント表面上に比較的大きな不規則な形状をつくることによってインプラントの形状を変化させることが含まれる。これにより、保持は改善されるであろうが、骨組織がインプラント表面の不規則な形状内で生育しなければならないので、「骨一体化」に必要な時間は一層長くなるであろう。
他の方法はインプラント表面の化学的特性を変化させることを含んでいる。例えばこのような方法の一つは、特に骨組織の再生を刺激するためにヒドロキシアパタイトのようなセラミック材料の層をインプラント表面に適用することを包含している。しかしながらセラミックのコーティングは脆くまたインプラントの表面から薄片になってはげるかあるいはこわれてはげるであろう。これは引続いてインプラントの最終的な破壊につながるであろう。
米国特許第4,330,891があるが、微小孔の直径がある範囲内にある微小孔を有する表面をもつ部材を装着すると、担持部材の受容に関する特性が改善されまたこの微小孔表面をもつ部材の生物学的な性質のため、健全な内方生育に対するこの部材の耐久性が根本的に改善されるとされているので、この特許は上記のそれぞれを組合わせていると言うことができよう。
本発明
骨との接合強度を改善した外科用金属インプラントを提供することが本発明の目的である。この目的は本発明による弗化ナトリウムの溶液で外科用金属インプラントを処理することによって達成される。
従って本発明によると、外科用金属インプラントを可溶性弗化物塩を含有するpHが2.5〜6である水溶液で処理することからなる、インプランテーションの前に前記金属インプラントを処理する方法が提供される。
この水溶液はpHが2.5〜5であるのが好ましい。
本発明は特にチタンまたはTi/Al/V合金のようなチタン合金のインプラントの処理に関するが、ジルコニウムおよびタンタルのインプラントのような他の金属インプラント、およびヒドロキシアパタイトでコーティングされたチタンのようなコーティングされた金属インプラントを処理するためにも使用されてよい。
この処理溶液は0.1%から飽和まで、例えば0.4%から飽和まで、あるいは0.5%から飽和までの濃度の弗化ナトリウムを含有するのが好ましい。弗化ナトリウムは室温で実質的に飽和する量、例えば室温で4%存在するのが最も好ましい。
外科用金属インプラントの処理は、例えば処理溶液にインプラントを十分な時間撹拌しながらあるいは撹拌しないで浸漬することにより、適当な任意の方法で実施できる。いろいろな温度が用いられてよい。温度および時間のような因子は処理溶液の濃度および他のプロセス因子に従って選択できる。ほとんどの場合、室温での処理は少なくとも10秒間、例えば10秒間から60分間実施すべきである。弗化物溶液が飽和している場合、約5分間室温で処理するのが好ましい。処理は標準圧で行うのが便利であるが、所望ならば高圧を採用してよい。処理は標準圧と標準温度で行うのが好ましい。
本発明の処理溶液は、弗化ナトリウムの適当量を水に溶解することにより簡単に調製できる。pHはHFまたはHClのような酸を少量添加することにより低下でき、また必要ならば少量の塩基を加えてpHを上昇させることもできる。
処理に先立って、この分野でよく知られた標準的な技術によってインプラント材料を清浄化することができる。
処理後、インプラント材料は蒸溜水で洗浄され、そして滅菌状態で保管することができる。
本発明に従って処理されるチタンインプラントの場合、これを骨から外すには、処理されていないインプラントを外すのに必要な力の4倍の力が必要であった。試験したインプラントは、機械的および摩擦的影響が最小となるように円錐状であった。本発明に従って処理されるインプラントに認められる改善された特性は、本処理方法に由来する生体適合性および「骨一体化」の改善の結果である。この改善された生体適合性は、処理されたインプラントの表面上に保持される弗化物に少なくとも部分的に原因があると考えられる。
以下に本発明を実施例によって例示する。
実施例
比較例
長さが5mmで、1端の直径が3mmそして他端の直径が2mmのほぼ円錐形である商業的純度(c.p.)のチタンの外科用インプラントを、「Maximat super 11」(商標名)回転旋盤を使用して機械加工することにより6本製作した。インプラントの円錐面、つまりインプラントの骨中に位置する部分の面積は39mm2であった。
下記の工程からなる周知の清浄化方法に従って各インプラントを清浄化した。
1.トリクロロエチレンを用いて15分間超音波処理し、
2.無水エタノール中で10秒間すすぎ洗い、
3.エタノールを用いて連続して10分間ずつ3回超音波処理する。
清浄化した各インプラントをMediplast(商標名)滅菌封筒内に滅菌包装し、そしてCitomat 162(商標名)(LIC社製)オートクレーブ中で120℃で30分間加熱処理した。
実施例1
弗化ナトリウム結晶を単に溶解することにより4%溶液の弗化ナトリウム浴を調製した。浴のpHを6N塩酸により3.7に調整した。
上記の比較例と全く同様に調製し、清浄化し、滅菌包装しそしてオートクレーブ処理された6本のインプラントを滅菌包装から取り出し、弗化ナトリウム処理浴中に入れそして10分間放置した。その後、各インプラントを蒸溜水浴中で3回、各回30秒間洗浄した。室温で乾燥させた後、外科用インプランテーションにそなえて、各インプラントをMediplast(商標名)滅菌封筒中に移した。
インプラント研究
試験動物として数匹のチンチラうさぎを使用した。これらのうさぎはオスメス無作為であったが、研究の開始時にすべて体重は2.5kgであった。それぞれの動物を1.0mg/kgのフルアノゾニウムと0.02mg/kgのフェンタニリウム(Hypnorn,Jannsen Pharmaceuticals社製)とを組合わせて注射して静かにさせそしてキシロカイン/アドレナリン(AB Astra製)によって局所麻酔した。円錐形インプラントがぴったりとおさまる空所があくようになった標準化された錐を用いて各うさぎの右の尺骨に二つの空所をさん孔した。比較例または実施例1によるインプラントを、他の金属の影響を避けるためにチタンのピンセットを用いてそれぞれのうさぎの空所にいれ、そして60日間放置した。
60日後、ペントバルビトールナトリウムを注射してうさぎを犠牲にし、そして尺骨を取り出し、同じ日に行う「プッシュ−アウト」試験にそなえて滅菌した生理食塩水中に入れた。
特に、支持用ジグと0〜200Nの負荷範囲で調節可能なラムとを有するInstronモデル1121引張試験機(英国のInstron社)を用いて各インプラントを骨から離すのに必要な最大の力を計測した。インプラントのより大きい端部を包囲する骨における試験すべき試料に、支持用ジグに装着するためのギザギザのついた溝(milling track)をつけ、そしてその試料を支持用ジグに取り付けた。ラムを毎分1mmの速さで低下させ、そしてインプラントを骨から離すのに必要な最大の力を記録した。
この記録された圧力は、インプラントと骨との接合強度の直接的評価となり、必要な力が大きいほど接合は強い。その結果を表1に示す。
Figure 0003633934
本発明により処理されたインプラントとの骨の接合強度が著しく大きいことが上記から明らかである。
組織学的検査によると、実施例1によるインプラントは、それに密着して新たに形成された骨の厚い層によって、尺骨の海綿質部分が均一に包囲されていることが証明された。処理されていないインプラントつまり比較例によるものは海綿質領域において薄い骨の層によって部分的にしか覆われていなかった。

Claims (12)

  1. 燐酸カルシウムコーティングを施してない、外科用の金属インプラントを、pHが2.5〜6である弗化ナトリウムを含有する水溶液で処理することからなる、インプランテーションに先立って前記金属インプラントを処理する方法。
  2. 水溶液のpHが2.5〜5である、請求項1記載の方法。
  3. 外科用金属インプラントがチタンまたはチタン合金である、請求項1または2記載の方法。
  4. 弗化ナトリウム溶液の濃度が0.1%から飽和までの範囲にある、請求項1、2または3のいずれかに記載の方法。
  5. 弗化ナトリウム溶液の濃度が0.4%から飽和までの範囲にある、請求項4記載の方法。
  6. 弗化ナトリウム溶液が室温で実質的に飽和している、請求項4記載の方法。
  7. 弗化ナトリウム溶液の濃度が室温において約4%である、請求項4、5または6記載の方法。
  8. 溶液のpHが約3.7である、請求項1〜3および7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 処理が、室温においてインプラントを水溶液に少なくとも10秒間浸漬することよりなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 処理が、室温においてインプラントを水溶液に少なくとも10秒間〜5分間浸漬することよりなる、請求項1〜3ならびに8および9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 処理が、室温においてインプラントを弗化ナトリウムの水溶液に約5分間浸漬することよりなる、請求項1〜3および8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法により処理され外科用金属インプラント。
JP1994514043A 1992-12-04 1993-12-01 外科用金属インプラントを処理する方法 Expired - Fee Related JP3633934B6 (ja)

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