JP3633496B2 - データ伝送方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデータ伝送方法および装置に関し、特に一つの主ノードと複数の従ノードとがシリアル通信路を介してデータを伝送する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のノード間でのデータ伝送において、データの送り側と受け側との間の通信路や媒体において送受信データの衝突を回避するために、例えばEther−Netのように、送受信データの衝突を検知してノード間の調停を行う方式や、一つの送受信トークンを授受することによってデータ伝送を行う方式がある。また、一つの主ノードと複数の従ノードとを放射状にスター接続し、個別にデータ伝送する方式がある。
【0003】
これらのデータ伝送方式では、通信路上の各ノードが、固有のドライバーボードや通信ドライバーソフトおよびプロトコルファームウエア等をそれぞれ有し、通信路の調停を行ってデータ伝送している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来は、通信路での送受信データの衝突を回避するために、各ノードが固有のハード構成および通信ドライバーソフトやプロトコルファームウエア等を必要とし、これらに対応する固有のプロトコルに基づいてデータ伝送を行っている。
【0005】
このため、システム全体のハード構成が複雑かつ高価なものとなる。また、これらのハードを動作させるためのファームウエア、ドライバーソフト、アプリケーションソフトも複雑であり、送受信されるデータ形式も特定のプロトコルに基づいたヘッダーや識別子が多重多層に付加され、送受信プロトコルも複雑化するという問題点を有している。
【0006】
本発明の目的は、簡易なハード、ソフト構成によりノード間での信号の衝突を回避してデータ伝送が可能なデータ伝送方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のデータ伝送方法は、一つの主ノードと複数の従ノードとを上り下りの通信路を有するシリアル通信路によりデイジーチェイン接続し、前記従ノードがデータを前記上り通信路を介して前記主ノードへ送信するに際し、前記従ノードは送信保留を指示するBS信号を前記上り通信路を介して前記主ノードへ一定時間送信し、前記主ノードは前記BS信号を受信している期間中は折り返し前記BS信号を前記下り通信路を介して前記従ノードへ送信し、前記従ノードは前記主ノードへ送信する前記BS信号の送信継続時間と前記主ノードから折り返してくる前記BS信号の受信継続時間とを比較し、前記送信継続時間と前記受信継続時間の対応がとれたときにデータ送信権を獲得できたと判定して前記データを前記主ノードへ送信する。
【0008】
また、前記主ノードは、前記従ノードからの前記BS信号および前記データを前記上り通信路を介して受信している期間中は折り返し前記BS信号を前記下り通信路を介して前記従ノードへ送信する。
【0009】
また、前記従ノードは、前記主ノードへ送信する前記BS信号の送信継続時間をランダムに設定する。更に、前記BS信号を前記上り通信路を介して前記主ノードへ送信するに際し、前記主ノードからの前記BS信号を前記下り通信路を介して受信しているときは送信を保留する。
【0010】
本発明のデータ伝送装置は、一つの主ノードと複数の従ノードとが上り下り通信路を有するシリアル通信路によりデイジーチェイン接続されるデータ伝送装置であって、前記主ノードは、データを前記下り通信路へ送信するデータ送信手段と、送信保留を指示するBS信号を前記下り通信路へ送信するBS送信手段と、前記従ノードからのデータを前記上り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記従ノードからの前記BS信号を前記上り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信制御手段とを備え、前記送信制御手段は、データを前記従ノードへ送信するに際し、前記BS送信手段に前記BS信号を一定時間送信させた後に前記データ送信手段に前記データを送信させ、また、前記BS受信手段が前記従ノードからの前記BS信号を受信しているとき、および前記データ受信手段が前記従ノードからのデータを受信しているときには、前記BS送信手段に折り返して前記BS信号を送信させるように制御することを特徴とし、前記従ノードは、データを前記上り通信路へ送信するデータ送信手段と、前記BS信号を前記上り通信路へ送信するBS送信手段と、前記主ノードからのデータを前記下り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記主ノードからの前記BS信号を前記下り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信判定制御手段とを備え、前記送信判定制御手段は、データを前記主ノードへ送信するに際し、前記BS受信手段が前記主ノードからの前記BS信号を受信していないならば、前記BS送信手段に前記BS信号を送信させると共に、送信する前記BS信号の送信継続時間と前記BS受信手段が受信する前記主ノードからの前記BS信号の受信継続時間とを比較し、前記送信継続時間と前記受信継続時間との対応がとれたときにデータ送信権を獲得できたと判定して前記データ送信手段にデータを送信させ、前記主ノードのデータ送信手段は、前記下り通信路へ送信する前記データに送付先ノードの識別番号を付加して送信し、前記従ノードのデータ受信手段は、受信した前記データに付加された前記送付先ノードの識別番号を抽出し、自ノード宛のデータであると判定して前記データを受信することを特徴とする。
【0011】
本発明のデータ伝送装置は、一つの主ノードと複数の従ノードとが上り下り通信路を有するシリアル通信路によりデイジーチェイン接続されるデータ伝送装置であって、前記主ノードは、データを前記下り通信路へ送信するデータ送信手段と、送信保留を指示するBS信号を前記下り通信路へ送信するBS送信手段と、前記従ノードからのデータを前記上り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記従ノードからの前記BS信号を前記上り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信制御手段とを備え、前記送信制御手段は、データを前記従ノードへ送信するに際し、前記BS送信手段に前記BS信号を一定時間送信させた後に前記データ送信手段に前記データを送信させ、また、前記BS受信手段が前記従ノードからの前記BS信号を受信しているとき、および前記データ受信手段が前記従ノードからのデータを受信しているときには、前記BS送信手段に折り返して前記BS信号を送信させるように制御することを特徴とするデータ伝送装置において、前記従ノードは、データを前記上り通信路へ送信するデータ送信手段と、前記BS信号を前記上り通信路へ送信するBS送信手段と、前記主ノードからのデータを前記下り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記主ノードからの前記BS信号を前記下り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信判定制御手段とを備え、前記送信判定制御手段は、データを前記主ノードへ送信するに際し、前記BS受信手段が前記主ノードからの前記BS信号を受信していないならば、前記BS送信手段に前記BS信号を送信させると共に、送信する前記BS信号の送信継続時間と前記BS受信手段が受信する前記主ノードからの前記BS信号の受信継続時間とを比較し、前記送信継続時間と前記受信継続時間との対応がとれたときにデータ送信権を獲得できたと判定して前記データ送信手段にデータを送信させる。
【0012】
上記構成において、前記従ノードは、前記従ノードのBS送信手段が送信する前記BS信号の送信継続時間をランダムに設定するためのランダム時間発生手段を有し、前記送信判定制御手段は、前記ランダム時間発生手段により設定された送信継続時間に基づき前記BS送信手段を制御する。
【0013】
本発明のノードは、データを上り通信路へ送信するデータ送信手段と、BS信号を前記上り通信路へ送信するBS送信手段と、主ノードからのデータを前記下り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記主ノードからの前記BS信号を前記下り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信判定制御手段とを備え、前記送信判定制御手段は、データを前記主ノードへ送信するに際し、前記BS受信手段が前記主ノードからの前記BS信号を受信していないならば、前記BS送信手段に前記BS信号を送信させると共に、送信する前記BS信号の送信継続時間と前記BS受信手段が受信する前記主ノードからの前記BS信号の受信継続時間とを比較し、前記送信継続時間と前記受信継続時間との対応がとれたときにデータ送信権を獲得できたと判定して前記データ送信手段にデータを送信させる。
また、前記ノードは、前記ノードのBS送信手段が送信する前記BS信号の送信継続時間をランダムに設定するためのランダム時間発生手段を有し、前記送信判定制御手段は、前記ランダム時間発生手段により設定された前記送信継続時間に基づき前記BS送信手段を制御する。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を示すブロック図であり、データを送受信する一つの主ノード1と、データを送受信する複数の従ノード2−1,2−2,……,2−Nとが、シリアル通信路3を介してデイジーチェイン接続(数珠つなぎ)されている。
【0016】
シリアル通信路3は、例えばRS−485規格(Recommended Standard 485:EIAによって規定化された直列データ伝送用インターフェイス)のシリアル通信路であり、主ノード1から各従ノード2へデータを伝送する下り通信路31と、各従ノード2から主ノード1へデータを伝送する上り通信路32とを有している。
【0017】
主ノード1は、データを下り通信路31へ送信するデータ送信部11と、各従ノード2が上り通信路32へ送信したデータを受信するデータ受信部12と、送信保留を指示するBS信号(BS:Breakシーケンス)を下り通信路31へ送信するBS送信部13と、各従ノード2が上り通信路32へ送信したBS信号を受信するBS受信部14と、データ送信部11およびBS送信部13の送信制御を行う送信制御部15とを備えている。
【0018】
ここで、送信制御部15は、データを送信するに際し、BS送信部13にBS信号を一定時間送信させた後に、データ送信部11にデータを送信させる。また、BS受信部14が従ノード2からのBS信号を受信しているとき、およびデータ受信部12が従ノード2からのデータを受信しているときには、折り返しBS信号を送信するようにBS送信部13を制御する。
【0019】
従ノード2−1,2−2,……,2−Nは、データを上り通信路32へ送信するデータ送信部21と、主ノード1が下り通信路31へ送信するデータを受信するデータ受信部22と、データ送信前に上り通信路32へBS信号を送信するBS送信部23と、主ノード1が下り通信路31へ送信するBS信号を受信するBS受信部24と、BS信号の送信継続時間をランダムに設定するためのランダム時間発生部25と、データ送信部21およびBS送信部23の送信制御を行う送信判定制御部26とを備えている。
【0020】
送信判定制御部26は、データを送信するに際し、BS送信部23にBS信号を送信させると共に、BS送信部23が送信するBS信号の送信タイミングとBS受信部24が受信する主ノード1からの折り返しBS信号の受信タイミングとを比較し、データ送信権獲得の可否を判定してデータ送信部21の送信制御を行う。また、データを送信するに際して、BS受信部24が主ノード1からのBS信号を受信しているときは送信を保留する。
【0021】
このような一つの主ノードと複数の従ノードとのデータ伝送は、例えば、映像信号の切替や調整を行う映像調整装置(スイッチャ)において、主制御機器により複数のマトリックススイッチを制御するのに適用できる。
【0022】
ここで、主ノード1を映像調整装置内の主制御機器とし、複数の従ノード2−1,2−2,……,2−Nを映像調整装置内の複数のマトリックススイッチとし、主ノード1(主制御機器)が各従ノード2(マトリックススイッチ)へ制御データを送信してマトリックススイッチのクロスポイント(XP)を制御する場合を例にとって説明する。
【0023】
図2は、一例として、主ノード1から従ノード2−2へ向けてクロスポイント制御データ(XP制御データ)を送信して制御する場合の信号の流れを示す図である。
【0024】
図2において、主ノード1は、制御データを送信する前に、まず、送信保留を指示するBS信号(BS11)を下り通信路31へ送信し、引き続いて、XP制御データを含むXP制御コマンド(CX)を送信する。
【0025】
XP制御コマンド(CX)は、例えば図6に示すように、ヘッダ部分とデータ部分とで構成されている。ヘッダ部分には、データの送付先ノードを指定するノード識別番号、データの種別およびデータ長等の各種情報が含まれる。データ部分には制御データが含まれる。
【0026】
ここでは、XP制御コマンドのヘッダ部分には従ノード2−2のノード識別番号が設定され、データ部分には従ノード2−2のXP制御データが設定される。
【0027】
従ノード2−1,2−2,……,2−Nは、BS信号(BS11)をそれぞれ受信して送信保留状態になった後、XP制御コマンド(CX)をそれぞれ受信し、ヘッダ部分に含まれるノード識別番号を抽出し、自ノード宛のXP制御コマンドであるか否かを判定する。
【0028】
そして、自ノード宛のXP制御コマンドを受信したならば、XP制御コマンドのデータ部分に含まれるXP制御データを受信する。また、自ノード宛のXP制御コマンドでないならば、このXP制御データを無視する。ここでは、従ノード2−2が自ノード宛のXP制御コマンドであると認識してXP制御データを受信する。なお、主ノード1がXP制御コマンドの送信を終了するまで各従ノード2は送信保留状態を維持する。
【0029】
その後、主ノード1は、XP制御データの送付先従ノードにおいてXP制御が有効に実行されたか否かを確認するために、現在のクロスポイントの状態データを要求するXP状態要求コマンド(CS)を送信する。XP状態要求コマンド(CS)はBS信号(BS12)に続いて送信される。
【0030】
このXP状態要求コマンド(CS)には、送付先のノード識別番号が含まれており、主ノード1はXP制御コマンドと同じ送付先のノード識別番号を設定する。ここでは、従ノード2−2のノード識別番号を設定する。
【0031】
従ノード2−1,2−2,……,2−Nは、BS信号(BS12)に続いてXP状態要求コマンド(CS)をそれぞれ受信し、このコマンドに含まれるノード識別番号を抽出し、自ノード宛のXP状態要求コマンドであるか否かを判定する。
【0032】
そして、自ノード宛のXP状態要求コマンドであるときは、現在のクロスポイント状態データを主ノード1へ送信することになる。また、自ノード宛でないならば、このコマンドを無視する。ここでは、従ノード2−2がクロスポイント状態データを主ノード1へ送信することになる。
【0033】
従ノード2−2は、クロスポイント状態データ(DS2)を主ノード1へ送信するに際し、主ノード1からのBS信号を受信していないことを確認して、まず、BS信号(BS22)を送信する。
【0034】
ところで、各従ノード2が送信するBS信号の送信継続時間は、一定範囲内でランダムに設定される。また、主ノード1は、従ノード2が送信したBS信号およびデータの受信中は、下り通信路31へ折り返してBS信号を送信するようにしている。
【0035】
ここでは、従ノード2−2が、ランダムに設定される時間だけ継続してBS信号(BS22)を送信することにより、このBS信号に応じて主ノード1は折り返しBS信号(BS13)を送信するので、従ノード2−2は、BS信号(BS22)の送信開始タイミングおよび送信終了タイミングと主ノード1から折り返してくるBS信号(BS13)の受信開始タイミングと受信終了タイミングとを比較し、互いに対応したときにデータの送信権を獲得できた判定し、直ちにクロスポイント状態データ(DS2)の送信を開始する。
【0036】
主ノード1は、従ノード2−2からのクロスポイント状態データ(DS2)を受信したときにBS信号(BS14)の送信を開始する。そして、従ノード2−2がクロスポイント状態データ(DS2)の送信が終了したとき、BS信号(BS14)の送信を停止する。
【0037】
このように、従ノード2−2がBS信号(BS22)およびクロスポイント状態データ(DS2)を上り通信路32へ送信している期間中は、主ノード1がBS信号(BS13)およびBS信号(BS14)を下り通信路31へ送信して他の従ノードを送信保留状態とするので、上り通信路32でのデータ衝突は発生しない。
【0038】
次に、主ノード1から複数の従ノードへ向けて同じ制御データを送信して同時に制御を行う場合について説明する。
【0039】
図3は、一例として、主ノード1から2つの従ノード2−1,2−2へ向けてXP制御データを送信する場合の信号の流れを示す図である。
【0040】
主ノード1は、図2の場合と同様に、まず、BS信号(BS11)を送信し、引き続きXP制御コマンド(CX)を送信する。このXP制御コマンド(CX)には、2つの従ノード2−1,2−2のノード識別番号が付加されている。
【0041】
各従ノード2−1,2−2,……,2−Nは、BS信号(BS11)を受信して送信保留状態となり、引き続きXP制御コマンド(CX)をそれぞれ受信する。そして、このXP制御コマンドに含まれるノード識別番号を抽出し、自ノード宛のXP制御コマンドであるか否かを判定する。
【0042】
ここでは、従ノード2−1および2−2が自ノード宛のXP制御コマンドであることをそれぞれ認識してXP制御データを受信する。
【0043】
その後、主ノード1は、XP制御が有効に実行されたかどうかを確認するために、BS信号(BS12)を送信した後、従ノード2−1,2−2に対してXP状態要求コマンド(CS)を送信する。このXP状態要求コマンド(CS)には、従ノード2−1および2−2のノード識別番号がそれぞれ付加される。
【0044】
従ノード2−1,2−2は、XP状態要求コマンド(CS)が自ノード宛であることをノード識別番号により認識し、現在のクロスポイント状態データ(DS1,DS2)を主ノード1へ送信するための動作を開始する。
【0045】
いま、従ノード2−1が、従ノード2−2よりも早くBS信号(BS21)の送信を開始し、ランダムに設定された時間だけ送信したとすれば、主ノード1は、BS信号(BS21)を受信した時点から折り返しBS信号(BS13)の送信を開始するので、従ノード2−2は送信保留状態となる。
【0046】
一方、従ノード2−1は、BS信号(BS21)の送信開始タイミングと主ノード1からのBS信号(BS13)の受信開始タイミング、およびBS信号(BS21)の送信終了タイミングと主ノード1からのBS信号(BS13)の受信終了タイミングとを比較し、互いに対応しているならばデータ送信権を獲得できた判定し、直ちにクロスポイント状態データ(DS1)の送信を開始する。
【0047】
一方、主ノード1は、クロスポイント状態データ(DS1)を受信した時点から折り返しBS信号(BS14)の送信を再び開始するので、従ノード2−2は送信保留状態を継続する。
【0048】
また、従ノード2−1および従ノード2−2が、同時にBS信号(BS21)およびBS信号(BS22)をそれぞれ送信開始した場合、BS信号(BS21)とBS信号(BS22)の送信時間はランダムに設定されるので、時間差が生じる。
【0049】
例えば、図3に示したように、BS信号(BS22)の送信時間がBS信号(BS21)の送信時間よりも短い場合は、従ノード2−2がBS信号(BS22)の送信を終了しても、折り返しBS信号(BS13)を継続して受信している。
【0050】
よって、従ノード2−2は、BS信号(BS22)の送信終了タイミングと主ノード1からのBS信号(BS13)の受信終了タイミングとが対応していないことを検出し、他の従ノードがBS信号もしくはデータを送信している可能性があると判定し、自ノードの送信権獲得を放棄して次の送信可能時期まで送信保留状態となる。
【0051】
その後、従ノード2−1がクロスポイント状態データ(DS1)の送信を終了し、主ノード1もBS信号(BS14)の送信を停止することにより、従ノード2−2は送信保留状態から開放されてBS信号(BS23)を送信する。そして、従ノード2−2は、BS信号(BS23)のタイミングとBS信号(BS15)のタイミングとを比較し、データ送信権を獲得できたと判定したときにクロスポイント状態データ(DS2)を送信する。
【0052】
このように、主ノードがデータを送信する場合は、BS信号を送信して従ノードを送信保留状態した後、データに送付先のノード識別番号を付加して送信し、また、従ノードからBS信号およびデータを受信しているときには、折り返しBS信号を従ノードへ送信するようにし、一方、従ノードがデータを送信する場合は、まず、BS信号をランダムな継続時間で主ノードへ送信し、BS信号の送信タイミングと主ノードから折り返えされるBS信号の受信タイミングとを比較し、対応しているならばデータの送信権を獲得できた判定して、主ノードへのデータ送信を開始することにより、通信路でのデータ衝突を回避してデータ伝送できる。
【0053】
次に、図1に示した主ノード1および従ノード2の動作を説明する。
【0054】
図4は、主ノード1のデータ送信時の動作を説明するためのフローチャートであり、図2に示した信号の流れに対応している。
【0055】
図4において、主ノード1が制御データを送信するに際し(ステップ101)、まず、主ノード1のBS送信部13がBS信号(BS11)を下り通信路31へ送信し(ステップ102)、引き続いて、データ送信部11が送付先ノード識別番号および制御データを含む制御コマンド(CX)を送信する(ステップ103)。
【0056】
次に、制御データに基づく制御が従ノードにおいて有効に実行されたか否かを確認するため、主ノード1のBS送信部13がBS信号(BS12)を送信した後、引き続いて主ノード1のデータ送信部11が、送付先ノード識別番号を含む状態要求コマンド(CS)を送信する(ステップ104)。
【0057】
その後、状態要求コマンド(CS)に応じて状態データを送信する従ノードからのBS信号(BS22)を、主ノード1のBS受信部14が受信したときに(ステップ105)、BS送出制御部15は、折り返してBS信号(BS13)の送信を開始するようにBS送信部13を制御する(ステップ106)。そして、BS受信部14がBS信号(BS22)の受信を終了したときに(ステップ107)、BS信号(BS13)の送信を終了するように制御する(ステップ108)。
【0058】
BS送出制御部15は、データ受信部12が従ノードからの状態データ(DS2)を受信したときに(ステップ109)、折り返してBS信号(BS14)を送信開始するようにBS送信部13を制御し、その後、従ノードからの状態データ(DS2)の受信を終了したときに(ステップ111)、BS信号(BS14)の送信を終了するようにBS送信部13を制御(ステップ112)。
【0059】
図5は、従ノード2のデータ送信時の動作を説明するためのフローチャートであり、図2に示した信号の流れに対応している。
【0060】
図5において、従ノード2が状態要求コマンド(CS)を受信して(ステップ201)、主ノード1へ状態データ(DS2)を生成して送信するに際し(ステップ202)、従ノード2の送信判定制御部26は、BS受信部24が主ノード1からのBS信号を受信していないことを確認し(ステップ203)、まず、BS送信部23にBS信号(BS22)を上り通信路へ送信開始させ、ランダム時間発生部25が生成するランダム時間だけBS信号(BS22)を送信するようにBS送信部23を制御する(ステップ204)。
【0061】
なお、ステップ203において、主ノード1からのBS信号を受信しているならば、送信保留状態とする(ステップ210)。
【0062】
そして、送信判定制御部26は、BS送信部23が送信するBS信号(BS22)の送信開始タイミングと、BS受信部24が受信する主ノード1から折り返し送出されてくるBS信号(BS13)の受信タイミングとを比較し、その対応がとれ(ステップ205)、且つ、BS送信部23がBS信号(BS22)の送信を終了したときに(ステップ206)、このBS信号(BS22)の送信終了タイミングと、BS受信部24が受信するBS信号(BS13)の受信終了タイミングとが対応したならば(ステップ207)、データ送信権を獲得できた判定し(ステップ208)、直ちにクロスポイント状態データ(DS2)の送信を開始するようにデータ送信部21を制御する(ステップ209)。
【0063】
なお、ステップ205および207において、BS信号(BS22)のタイミングとBS信号(BS13)のタイミングとが対応していないならば、送信保留状態とし、次の送信可能時期まで送信保留状態となる。(ステップ210)。
【0064】
このように、従ノードから主ノードへデータを送信する前に、ランダムに設定した送信継続時間だけBS信号を主ノードへ送信し、主ノードでは、従ノードからのBS信号を受信している期間、およびデータを受信している期間は折り返しBS信号を従ノードへ送信することにより、従ノードにおいては、送信するBS信号のタイミングと主ノードから折り返し送信されるBS信号のタイミングとを比較することによりデータ送信権が獲得できたか否かを判定でき、通信路上でのデータ衝突を回避して主ノードへのデータ送信が可能となる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、データを送信する一つの主ノードとデータを受信する複数の従ノードとをシリアル通信路を介してデイジーチェイン接続し、主ノードから従ノードへ向けてデータを伝送する際には、送信保留を指示するBS信号をシリアル通信路の下り通信路を介して従ノードへ送信した後、引き続きデータを送信し、従ノードから主ノードへ向けてデータを伝送する際には、データ伝送に先立ちBS信号をランダムな時間送信し、従ノードから送信するBS信号のタイミングと主ノードから折り返されてくるBS信号のタイミングとを比較してデータ送信権獲得の可否を判定し、従ノードからデータを送信中にも主ノードからBS信号を送信させて他の従ノードを送信保留状態とすることにより、従来のように、固有の複雑なハードウェアドライバーやソフトウェアドライバーを必要とせず、簡易な構成でデータ衝突を回避したデータ伝送が可能となる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した主ノード1から従ノード2−2へ向けて制御データを送信して制御する場合の信号の流れを示す図である。
【図3】
図1に示した主ノード1から2つの従ノード2−1,2−2へ向けて制御データを送信して制御する場合の信号の流れを示す図である。
【図4】図1に示した主ノード1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示した従ノード2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】XP制御コマンド(CX)の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 主ノード
2 従ノード
3 シリアル通信路
11,21 データ送信部
12,22 データ受信部
13,23 BS送信部
14,24 BS受信部
15 送信制御部
25 ランダム時間発生部
26 送信判定制御部
31 下り通信路
32 上り通信路

Claims (9)

  1. 一つの主ノードと複数の従ノードとを上り下りの通信路を有するシリアル通信路によりデイジーチェイン接続し、前記従ノードがデータを前記上り通信路を介して前記主ノードへ送信するに際し、前記従ノードは送信保留を指示するBS信号を前記上り通信路を介して前記主ノードへ一定時間送信し、前記主ノードは前記BS信号を受信している期間中は折り返し前記BS信号を前記下り通信路を介して前記従ノードへ送信し、前記従ノードは前記主ノードへ送信する前記BS信号の送信継続時間と前記主ノードから折り返してくる前記BS信号の受信継続時間とを比較し、前記送信継続時間と前記受信継続時間の対応がとれたときにデータ送信権を獲得できたと判定して前記データを前記主ノードへ送信することを特徴とするデータ伝送方法。
  2. 前記主ノードは、前記従ノードからの前記BS信号および前記データを前記上り通信路を介して受信している期間中は折り返し前記BS信号を前記下り通信路を介して前記従ノードへ送信することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送方法。
  3. 前記従ノードは、前記主ノードへ送信する前記BS信号の前記送信継続時間をランダムに設定することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送方法。
  4. 前記従ノードは、前記BS信号を前記上り通信路を介して前記主ノードへ送信するに際し、前記主ノードからの前記BS信号を前記下り通信路を介して受信しているときは送信を保留することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送方法。
  5. 一つの主ノードと複数の従ノードとが上り下り通信路を有するシリアル通信路によりデイジーチェイン接続されるデータ伝送装置であって、前記主ノードは、データを前記下り通信路へ送信するデータ送信手段と、送信保留を指示するBS信号を前記下り通信路へ送信するBS送信手段と、前記従ノードからのデータを前記上り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記従ノードからの前記BS信号を前記上り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信制御手段とを備え、前記送信制御手段は、データを前記従ノードへ送信するに際し、前記BS送信手段に前記BS信号を一定時間送信させた後に前記データ送信手段に前記データを送信させ、また、前記BS受信手段が前記従ノードからの前記BS信号を受信しているとき、および前記データ受信手段が前記従ノードからのデータを受信しているときには、前記BS送信手段に折り返して前記BS信号を送信させるように制御することを特徴とし、前記従ノードは、データを前記上り通信路へ送信するデータ送信手段と、前記BS信号を前記上り通信路へ送信するBS送信手段と、前記主ノードからのデータを前記下り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記主ノードからの前記BS信号を前記下り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信判定制御手段とを備え、前記送信判定制御手段は、データを前記主ノードへ送信するに際し、前記BS受信手段が前記主ノードからの前記BS信号を受信していないならば、前記BS送信手段に前記BS信号を送信させると共に、送信する前記BS信号の送信継続時間と前記BS受信手段が受信する前記主ノードからの前記BS信号の受信継続時間とを比較し、前記送信継続時間と前記受信継続時間との対応がとれたときにデータ送信権を獲得できたと判定して前記データ送信手段にデータを送信させることを特徴とし、前記主ノードのデータ送信手段は、前記下り通信路へ送信する前記データに送付先ノードの識別番号を付加して送信し、前記従ノードのデータ受信手段は、受信した前記データに付加された前記送付先ノードの識別番号を抽出し、自ノード宛のデータであると判定して前記データを受信することを特徴とするデータ伝送装置。
  6. 一つの主ノードと複数の従ノードとが上り下り通信路を有するシリアル通信路によりデイジーチェイン接続されるデータ伝送装置であって、前記主ノードは、データを前記下り通信路へ送信するデータ送信手段と、送信保留を指示するBS信号を前記下り通信路へ送信するBS送信手段と、前記従ノードからのデータを前記上り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記従ノードからの前記BS信号を前記上り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信制御手段とを備え、前記送信制御手段は、データを前記従ノードへ送信す るに際し、前記BS送信手段に前記BS信号を一定時間送信させた後に前記データ送信手段に前記データを送信させ、また、前記BS受信手段が前記従ノードからの前記BS信号を受信しているとき、および前記データ受信手段が前記従ノードからのデータを受信しているときには、前記BS送信手段に折り返して前記BS信号を送信させるように制御することを特徴とするデータ伝送装置において、前記従ノードは、データを前記上り通信路へ送信するデータ送信手段と、前記BS信号を前記上り通信路へ送信するBS送信手段と、前記主ノードからのデータを前記下り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記主ノードからの前記BS信号を前記下り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信判定制御手段とを備え、前記送信判定制御手段は、データを前記主ノードへ送信するに際し、前記BS受信手段が前記主ノードからの前記BS信号を受信していないならば、前記BS送信手段に前記BS信号を送信させると共に、送信する前記BS信号の送信継続時間と前記BS受信手段が受信する前記主ノードからの前記BS信号の受信継続時間とを比較し、前記送信継続時間と前記受信継続時間との対応がとれたときにデータ送信権を獲得できたと判定して前記データ送信手段にデータを送信させることを特徴とするデータ伝送装置。
  7. 前記従ノードは、前記従ノードのBS送信手段が送信する前記BS信号の送信継続時間をランダムに設定するためのランダム時間発生手段を有し、前記送信判定制御手段は、前記ランダム時間発生手段により設定された前記送信継続時間に基づき前記BS送信手段を制御することを特徴とする請求項5または6記載のデータ伝送装置。
  8. データを上り通信路へ送信するデータ送信手段と、BS信号を前記上り通信路へ送信するBS送信手段と、主ノードからのデータを前記下り通信路を介して受信するデータ受信手段と、前記主ノードからの前記BS信号を前記下り通信路を介して受信するBS受信手段と、前記データ送信手段および前記BS送信手段の送信制御を行う送信判定制御手段とを備え、前記送信判定制御手段は、データを前記主ノードへ送信するに際し、前記BS受信手段が前記主ノードからの前記BS信号を受信していないならば、前記BS送信手段に前記BS信号を送信させると共に、送信する前記BS信号の送信継続時間と前記BS受信手段が受信する前記主ノードからの前記BS信号の受信継続時間とを比較し、前記送信継続時間と前記受信継続時間との対応がとれたときにデータ送信権を獲得できたと判定して前記データ送信手段にデータを送信させることを特徴とするノード。
  9. 前記ノードのBS送信手段が送信する前記BS信号の送信継続時間をランダムに設定するためのランダム時間発生手段を有し、前記送信判定制御手段は、前記ランダム時間発生手段により設定された前記送信継続時間に基づき前記BS送信手段を制御することを特徴とする請求項8記載のノード。
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