JP3633395B2 - 温水洗浄装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洋風便器使用者の臀部を温水で洗浄するための温水洗浄装置に係り、特に、ノズル洗浄手段を備えた温水洗浄装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
洋風便器に温水洗浄装置を設置し、用便後等に臀部を温水で洗浄可能としたトイレ設備が急速に普及しつつある。この温水洗浄装置は、多くの場合、シリンダ及び該シリンダの先端から突出自在なノズル本体を有した洗浄ノズルを備えている。このシリンダの後部に温水を供給すると、この水圧によってノズル本体が前進してシリンダから突出し、その先端から温水が噴出して臀部が洗浄される。
【０００３】
このノズル本体が後退するときにシリンダ先端とノズル本体外周面との間から水が流出し、ノズル本体の洗浄が行われるよう構成されたものが多い。
【０００４】
温水洗浄装置としては、ノズル本体に向けて洗浄水を流出させてノズル本体を洗浄するようにしたものもある。また、温水洗浄装置として、使用者が温水噴出開始スイッチを操作すると、まず、ノズル洗浄水を流出させてノズル洗浄を行うものもある。
【０００５】
従来の温水洗浄装置として、ノズル洗浄スイッチを設け、このノズル洗浄スイッチを操作するとノズル洗浄が行われるようにしたものもある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来よりもノズルに汚れが付きにくい温水洗浄装置を提供することを目的とするものである。また、本発明は、汚れを洗浄によりノズルから洗い落し易い温水洗浄装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明（請求項１）の温水洗浄装置は、洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出するノズルと、このノズルの外面にノズル洗浄水を供給するノズル洗浄手段と、該ノズル洗浄手段を作動させる制御手段とを有する温水洗浄装置において、該洋風便器の便座への着座を検知する着座センサが設けられており、前記制御手段は、該着座センサが着座を検知したときに、及び該着座センサが着座を検知しなくなる時点までに温水洗浄装置が使用されなかったときに、ノズル洗浄手段を作動させることを特徴とするものである。
【０００８】
このように着座センサが着座を検知したときにノズル洗浄を行うと、ノズルが水で濡れた状態で洋風便器が使用されることになるので、ノズルに汚れが付着しにくくなる。また、その後、温水洗浄装置が使用されノズル洗浄動作が行われたときには、ノズルに付着していた汚れが速やかに洗い流される。
【０００９】
なお、着座センサが着座を検知しなくなる時点までに温水洗浄装置が使用されなかったときは、ノズル洗浄手段を作動させて強制的にノズル洗浄を行う。
【００１０】
本発明（請求項２）の温水洗浄装置は、洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出するノズルと、このノズルの外面にノズル洗浄水を供給するノズル洗浄手段と、該ノズル洗浄手段を作動させる制御手段とを有する温水洗浄装置において、該洋風便器の便蓋又は便座の起立回動を検知する回動検知手段を備えており、前記制御手段は、該回動検知手段が該回動を検知したときにノズル洗浄手段を作動させることを特徴とするものである。
【００１１】
このように便蓋又は便座の回動に合わせてノズル洗浄する場合にも、ノズルが水で濡れた状態で洋風便器が使用されていることになる。
【００１２】
この場合、洋風便器の前方の人体を人体検知センサで検知し、便蓋又は便座の回動によるノズル洗浄を行った後、人体が非検知となるまでの間に温水洗浄装置が使用されなかったときは、ノズル洗浄手段を作動させて強制的にノズル洗浄を行うのが好ましい（請求項３）。
【００１３】
本発明（請求項４）の温水洗浄装置は、洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出するノズルと、このノズルの外面にノズル洗浄水を供給するノズル洗浄手段とを有する温水洗浄装置において、該洋風便器の便座の起立を検知する起立検知手段と、洋風便器の前方の人体を検知する人体検知手段と、該起立検知手段が便座の起立状態を検知しているときに人体検知手段が人体を検知したときにはノズル洗浄手段を作動させる制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【００１４】
かかる温水洗浄装置にあっては、洋風便器が男子小用に用いられようとしたときにノズル洗浄が行われるので、男子小用使用時にはノズルが洗浄水で濡れた状態となっており、汚れが流れ落ち易い。
【００１５】
この請求項４の場合、ノズル洗浄手段の作動後該人体検知手段が人体非検知になったときに前記制御手段は前記洗浄手段を作動させることが好ましい（請求項５）。これは、男子小用時には温水洗浄装置は使用されず、従って、ノズルに汚れが付着したままになるためである。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図１は実施の形態に係る温水洗浄装置の系統図である。
【００１７】
洋風便器（図示略）の後部上面に設置された便座ボックス又はロータンクカバー（図示略）内の温水タンク２内に給水配管１から水が導入され、この温水タンク２内で加温されて温水となる。この温水は、ポンプＰを備えた温水配管３から温水配管４、電動式の切替バルブ６を介してノズル９に供給され、また温水配管５、電動式切替バルブ１０を介してノズル１３へ供給される。
【００１８】
ノズル９，１３は、シリンダ９ａ，１３ａと、ノズル本体９ｂ，１３ｂと、該９ｂ，１３ｂを後退方向に不勢するスプリング（図示略）とを備えており、切替バルブ６，１０から配管８，１２を介して温水がシリンダ９ａ，１３ａに供給されるとノズル本体９ｂ，１３ｂが前進し、該ノズル本体９ｂ，１３ｂの先端から温水が噴出する。ノズル９は肛門洗浄用であり、ノズル１０はビデ用である。
【００１９】
各切替バルブ６，１０は温水配管７，１１を介してシリンダ９ａ，１３ａの先端側に接続されており、この温水配管７，１１からシリンダ９ａ，１３ａの先端側に温水が供給されると、この温水がシリンダ９ａ，１３ａの先端部の内周面とノズル本体９ｂ，１３ｂの外周面との間から流出し、ノズル本体９ｂ，１３ｂの洗浄が行われる。
【００２０】
この切替バルブ６，１０を制御する制御回路１５にはタイマが内蔵されている。また、この制御回路１５にはシャワースイッチ１６、ビデスイッチ１７、ストップスイッチ１８、着座センサ１９、人体検知センサ２０及び便座の起立を検知する便座センサ２１から信号が入力される。この人体検知センサ２０は洋風便器付近の人体を検知するものであり、着座センサ１９は便座に人体が着座するとＯＮ信号を出力するよう構成されている。便座センサ２１は、例えば便座のヒンジ軸の回転によって便座の起立を検知するものなどを用いることができるが、その他のいずれのものも用いることができる。
【００２１】
シャワースイッチ１６を押すと、ポンプＰが作動すると共に、切替バルブ６が配管４，８を連通するように切替作動される。温水タンク２内の温水は、シリンダ９ａの後端に供給され、ノズル本体９ｂが前進し、その先端から温水が噴出する。ストップスイッチ１８を押すと、ポンプＰが停止すると共に、切替バルブ６は配管４と配管７との連通を遮断する。
【００２２】
シリンダ９ａ内に残った水は、ノズル本体９ｂが後退するときにノズル本体９ｂの外周面を通って流出する。なお、ノズル本体９ｂが後退するときに配管７，８を切替バルブ６を介して連通させ、シリンダ９ａ内の残流水を配管８，７を介してシリンダ９ａの先端側に導き、ノズル本体９ｂの洗浄に用いても良い。
【００２３】
ビデスイッチ１７を押したときも、これと全く同様にポンプＰが作動すると共に、切替バルブ１０が配管５，１２を連通するように切替作動され、温水タンク２内の温水がシリンダ１３ａの後端に供給され、ノズル本体１３ｂが前進し、その先端から温水が噴出する。ストップスイッチ１８を押すと、ポンプＰが停止すると共に、切替バルブ１０は配管５と配管１２との連通を遮断する。
【００２４】
シリンダ１３ａ内に残った水は、ノズル本体１３ｂが後退するときにノズル本体１３ｂの外周面を通って流出するか、又は、ノズル本体１３ｂが後退するときに配管１１，１２を切替バルブ１０を介して連通させ、シリンダ１３ａ内の残流水を配管１２，１１を介してシリンダ１３ａの先端側に導き、ノズル本体１３ｂの洗浄に用いても良い。
【００２５】
なお、ストップスイッチ１８が押されると、配管４，７及び配管５，１１を連通させるように切替バルブ６，１０を作動させ、ポンプＰによって温水タンク２内の温水を配管７，１１に供給し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを洗浄するようにしても良い。
【００２６】
このように構成された温水洗浄装置のタイマや着座センサ等によるノズル洗浄作動例について次に説明する。
【００２７】
（１） 参考例１
制御回路１５は、所定時間Ｔ毎にポンプＰを作動させると共に、切替バルブ６，１０を切替作動させ、配管４，７及び配管５，１１同志を連通させ、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間（例えば０．３〜３分とりわけ０．５〜２分程度）洗浄する。なお、一方のノズル本体９ｂ又は１３ｂを先に洗浄し、その後他方のノズル本体１３ｂ又は９ｂを洗浄してもよい。
【００２８】
（２） 参考例２
着座センサ１９が着座を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７、配管５，１１が連通するように切替操作し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。この場合も、一方のノズル本体を先に洗浄し、他方のノズル本体を後から洗浄してもよい。
【００２９】
この洗浄動作後、タイマＴをスタートさせ、所定時間Ｔが経過する毎にノズル本体９ｂ，１３ｂを洗浄する。所定時間Ｔが経過する前に着座センサ１９が着座を検知すると、その時点でノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄すると共にタイマをクリア（リセット）する。
【００３０】
（３） 参考例３
便座センサ２１が便座の起立回動を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７、配管５，１１が連通するように切替操作し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。この場合も、一方のノズル本体を先に洗浄し、他方のノズル本体を後から洗浄してもよい。
【００３１】
この洗浄動作後、タイマＴをスタートさせ、所定時間Ｔが経過する毎にノズル本体９ｂ，１３ｂを洗浄する。所定時間Ｔが経過する前に便座センサ２１が再度便座２１の起立回動を検知すると、その時点でノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄すると共にタイマをクリア（リセット）する。
【００３２】
（４） 請求項１の実施の形態
着座センサ１９が着座を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７、配管５，１１が連通するように切替操作し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。この場合も、一方のノズル本体を先に洗浄し、他方のノズル本体を後から洗浄してもよい。
【００３３】
上記のノズル洗浄終了後、人体検知センサ２０が人体を検知しなくなるまでシャワースイッチ１６、ビデスイッチ１７のいずれもが押されなかったときには、該人体検知センサ２０が人体非検知となった時点で切替バルブ６，１０を配管４，７及び配管５，１１が連通するように作動させ、所要時間ノズル本体９ｂ，１３ｂの洗浄を行う。
【００３４】
（５） 請求項２の実施の形態
便座センサ２１が便座の起立回動を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７、配管５，１１が連通するように切替操作し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。この場合も、一方のノズル本体を先に洗浄し、他方のノズル本体を後から洗浄してもよい。
【００３５】
（６） 請求項３の実施の形態
上記（５）のノズル洗浄終了後、人体検知センサ２０が人体を検知しなくなるまでシャワースイッチ１６、ビデスイッチ１７のいずれもが押されなかったときには、該人体検知センサ２０が人体非検知となった時点で切替バルブ６，１０を配管４，７及び配管５，１１が連通するように作動させ、所要時間ノズル本体９ｂ，１３ｂの洗浄を行う。
【００３６】
（７） 請求項４の実施の形態
便座センサ２１が便座の起立を検知している状態において、人体検知センサ２０が人体を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７及び配管５，１１が連通するように切替作動させ、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。
【００３７】
このように洋風便器が男子小用に供されようとする場合に、予め、ノズル本体９ｂ，１３ｂを水に濡らしておくことにより、飛散した尿が直にノズル本体９ｂ，１３ｂに付着することが防止される。
【００３８】
（８） 請求項５の実施の形態
上記（７）において、人体検知センサ２０が人体を検知しなくなったときに、切替バルブ６，１０を配管４，７及び配管５，１１同志が連通するように切替作動させ、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。これにより、ノズル本体に付着した尿が乾固する前に流し落とすことができる。この場合、ノズル本体９ｂ，１３ｂが水で濡れており尿が乾燥したノズル本体に付着している場合に比べてノズル本体９ｂ，１３ｂに洗浄水を流したときに付着尿がスムーズに流れ落ちる。
【００３９】
上記実施の形態では便座センサ２１を設けているが、（５）の場合には便座ではなく便蓋の起立回動を検知する手段を用いても良い。
【００４０】
上記実施の形態ではシリンダ９ａ，１３ａの先端側にノズル洗浄水を供給しているが、図２のノズル９’のように配管７の先端をノズル本体９ｂに近接させて配置し、配管７の流出水をノズル本体９ｂに注ぎかけたり吹き付けたりしても良い。
【００４１】
上記実施の形態では、水圧によってノズル本体を前進させているが、モータによってノズル本体を前進させても良い。上記実施の形態ではポンプＰを用いているが、給水圧を利用しても良い。また、温水タンクを省略し、給湯配管からの給湯をノズルに導くようにしても良い。
【００４２】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、ノズルに汚れが付きにくい、或いは洗浄により洗い落とし易い温水洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態に係る温水洗浄装置の系統図である。
【図２】別の実施の形態に係る温水洗浄装置のノズルの構成図である。
【符号の説明】
２ 温水タンク
６，１０ 切替バルブ
９，９’，１３ ノズル
９ａ，１３ａ シリンダ
９ｂ，１３ｂ ノズル本体
１５ 制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、洋風便器使用者の臀部を温水で洗浄するための温水洗浄装置に係り、特に、ノズル洗浄手段を備えた温水洗浄装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
洋風便器に温水洗浄装置を設置し、用便後等に臀部を温水で洗浄可能としたトイレ設備が急速に普及しつつある。この温水洗浄装置は、多くの場合、シリンダ及び該シリンダの先端から突出自在なノズル本体を有した洗浄ノズルを備えている。このシリンダの後部に温水を供給すると、この水圧によってノズル本体が前進してシリンダから突出し、その先端から温水が噴出して臀部が洗浄される。
【０００３】
このノズル本体が後退するときにシリンダ先端とノズル本体外周面との間から水が流出し、ノズル本体の洗浄が行われるよう構成されたものが多い。
【０００４】
温水洗浄装置としては、ノズル本体に向けて洗浄水を流出させてノズル本体を洗浄するようにしたものもある。また、温水洗浄装置として、使用者が温水噴出開始スイッチを操作すると、まず、ノズル洗浄水を流出させてノズル洗浄を行うものもある。
【０００５】
従来の温水洗浄装置として、ノズル洗浄スイッチを設け、このノズル洗浄スイッチを操作するとノズル洗浄が行われるようにしたものもある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来よりもノズルに汚れが付きにくい温水洗浄装置を提供することを目的とするものである。また、本発明は、汚れを洗浄によりノズルから洗い落し易い温水洗浄装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明（請求項１）の温水洗浄装置は、洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出するノズルと、このノズルの外面にノズル洗浄水を供給するノズル洗浄手段と、該ノズル洗浄手段を作動させる制御手段とを有する温水洗浄装置において、該洋風便器の便座への着座を検知する着座センサが設けられており、前記制御手段は、該着座センサが着座を検知したときに、及び該着座センサが着座を検知しなくなる時点までに温水洗浄装置が使用されなかったときに、ノズル洗浄手段を作動させることを特徴とするものである。
【０００８】
このように着座センサが着座を検知したときにノズル洗浄を行うと、ノズルが水で濡れた状態で洋風便器が使用されることになるので、ノズルに汚れが付着しにくくなる。また、その後、温水洗浄装置が使用されノズル洗浄動作が行われたときには、ノズルに付着していた汚れが速やかに洗い流される。
【０００９】
なお、着座センサが着座を検知しなくなる時点までに温水洗浄装置が使用されなかったときは、ノズル洗浄手段を作動させて強制的にノズル洗浄を行う。
【００１０】
本発明（請求項２）の温水洗浄装置は、洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出するノズルと、このノズルの外面にノズル洗浄水を供給するノズル洗浄手段と、該ノズル洗浄手段を作動させる制御手段とを有する温水洗浄装置において、該洋風便器の便蓋又は便座の起立回動を検知する回動検知手段を備えており、前記制御手段は、該回動検知手段が該回動を検知したときにノズル洗浄手段を作動させることを特徴とするものである。
【００１１】
このように便蓋又は便座の回動に合わせてノズル洗浄する場合にも、ノズルが水で濡れた状態で洋風便器が使用されていることになる。
【００１２】
この場合、洋風便器の前方の人体を人体検知センサで検知し、便蓋又は便座の回動によるノズル洗浄を行った後、人体が非検知となるまでの間に温水洗浄装置が使用されなかったときは、ノズル洗浄手段を作動させて強制的にノズル洗浄を行うのが好ましい（請求項３）。
【００１３】
本発明（請求項４）の温水洗浄装置は、洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出するノズルと、このノズルの外面にノズル洗浄水を供給するノズル洗浄手段とを有する温水洗浄装置において、該洋風便器の便座の起立を検知する起立検知手段と、洋風便器の前方の人体を検知する人体検知手段と、該起立検知手段が便座の起立状態を検知しているときに人体検知手段が人体を検知したときにはノズル洗浄手段を作動させる制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【００１４】
かかる温水洗浄装置にあっては、洋風便器が男子小用に用いられようとしたときにノズル洗浄が行われるので、男子小用使用時にはノズルが洗浄水で濡れた状態となっており、汚れが流れ落ち易い。
【００１５】
この請求項４の場合、ノズル洗浄手段の作動後該人体検知手段が人体非検知になったときに前記制御手段は前記洗浄手段を作動させることが好ましい（請求項５）。これは、男子小用時には温水洗浄装置は使用されず、従って、ノズルに汚れが付着したままになるためである。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図１は実施の形態に係る温水洗浄装置の系統図である。
【００１７】
洋風便器（図示略）の後部上面に設置された便座ボックス又はロータンクカバー（図示略）内の温水タンク２内に給水配管１から水が導入され、この温水タンク２内で加温されて温水となる。この温水は、ポンプＰを備えた温水配管３から温水配管４、電動式の切替バルブ６を介してノズル９に供給され、また温水配管５、電動式切替バルブ１０を介してノズル１３へ供給される。
【００１８】
ノズル９，１３は、シリンダ９ａ，１３ａと、ノズル本体９ｂ，１３ｂと、該９ｂ，１３ｂを後退方向に不勢するスプリング（図示略）とを備えており、切替バルブ６，１０から配管８，１２を介して温水がシリンダ９ａ，１３ａに供給されるとノズル本体９ｂ，１３ｂが前進し、該ノズル本体９ｂ，１３ｂの先端から温水が噴出する。ノズル９は肛門洗浄用であり、ノズル１０はビデ用である。
【００１９】
各切替バルブ６，１０は温水配管７，１１を介してシリンダ９ａ，１３ａの先端側に接続されており、この温水配管７，１１からシリンダ９ａ，１３ａの先端側に温水が供給されると、この温水がシリンダ９ａ，１３ａの先端部の内周面とノズル本体９ｂ，１３ｂの外周面との間から流出し、ノズル本体９ｂ，１３ｂの洗浄が行われる。
【００２０】
この切替バルブ６，１０を制御する制御回路１５にはタイマが内蔵されている。また、この制御回路１５にはシャワースイッチ１６、ビデスイッチ１７、ストップスイッチ１８、着座センサ１９、人体検知センサ２０及び便座の起立を検知する便座センサ２１から信号が入力される。この人体検知センサ２０は洋風便器付近の人体を検知するものであり、着座センサ１９は便座に人体が着座するとＯＮ信号を出力するよう構成されている。便座センサ２１は、例えば便座のヒンジ軸の回転によって便座の起立を検知するものなどを用いることができるが、その他のいずれのものも用いることができる。
【００２１】
シャワースイッチ１６を押すと、ポンプＰが作動すると共に、切替バルブ６が配管４，８を連通するように切替作動される。温水タンク２内の温水は、シリンダ９ａの後端に供給され、ノズル本体９ｂが前進し、その先端から温水が噴出する。ストップスイッチ１８を押すと、ポンプＰが停止すると共に、切替バルブ６は配管４と配管７との連通を遮断する。
【００２２】
シリンダ９ａ内に残った水は、ノズル本体９ｂが後退するときにノズル本体９ｂの外周面を通って流出する。なお、ノズル本体９ｂが後退するときに配管７，８を切替バルブ６を介して連通させ、シリンダ９ａ内の残流水を配管８，７を介してシリンダ９ａの先端側に導き、ノズル本体９ｂの洗浄に用いても良い。
【００２３】
ビデスイッチ１７を押したときも、これと全く同様にポンプＰが作動すると共に、切替バルブ１０が配管５，１２を連通するように切替作動され、温水タンク２内の温水がシリンダ１３ａの後端に供給され、ノズル本体１３ｂが前進し、その先端から温水が噴出する。ストップスイッチ１８を押すと、ポンプＰが停止すると共に、切替バルブ１０は配管５と配管１２との連通を遮断する。
【００２４】
シリンダ１３ａ内に残った水は、ノズル本体１３ｂが後退するときにノズル本体１３ｂの外周面を通って流出するか、又は、ノズル本体１３ｂが後退するときに配管１１，１２を切替バルブ１０を介して連通させ、シリンダ１３ａ内の残流水を配管１２，１１を介してシリンダ１３ａの先端側に導き、ノズル本体１３ｂの洗浄に用いても良い。
【００２５】
なお、ストップスイッチ１８が押されると、配管４，７及び配管５，１１を連通させるように切替バルブ６，１０を作動させ、ポンプＰによって温水タンク２内の温水を配管７，１１に供給し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを洗浄するようにしても良い。
【００２６】
このように構成された温水洗浄装置のタイマや着座センサ等によるノズル洗浄作動例について次に説明する。
【００２７】
（１） 参考例１
制御回路１５は、所定時間Ｔ毎にポンプＰを作動させると共に、切替バルブ６，１０を切替作動させ、配管４，７及び配管５，１１同志を連通させ、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間（例えば０．３〜３分とりわけ０．５〜２分程度）洗浄する。なお、一方のノズル本体９ｂ又は１３ｂを先に洗浄し、その後他方のノズル本体１３ｂ又は９ｂを洗浄してもよい。
【００２８】
（２） 参考例２
着座センサ１９が着座を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７、配管５，１１が連通するように切替操作し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。この場合も、一方のノズル本体を先に洗浄し、他方のノズル本体を後から洗浄してもよい。
【００２９】
この洗浄動作後、タイマＴをスタートさせ、所定時間Ｔが経過する毎にノズル本体９ｂ，１３ｂを洗浄する。所定時間Ｔが経過する前に着座センサ１９が着座を検知すると、その時点でノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄すると共にタイマをクリア（リセット）する。
【００３０】
（３） 参考例３
便座センサ２１が便座の起立回動を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７、配管５，１１が連通するように切替操作し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。この場合も、一方のノズル本体を先に洗浄し、他方のノズル本体を後から洗浄してもよい。
【００３１】
この洗浄動作後、タイマＴをスタートさせ、所定時間Ｔが経過する毎にノズル本体９ｂ，１３ｂを洗浄する。所定時間Ｔが経過する前に便座センサ２１が再度便座２１の起立回動を検知すると、その時点でノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄すると共にタイマをクリア（リセット）する。
【００３２】
（４） 請求項１の実施の形態
着座センサ１９が着座を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７、配管５，１１が連通するように切替操作し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。この場合も、一方のノズル本体を先に洗浄し、他方のノズル本体を後から洗浄してもよい。
【００３３】
上記のノズル洗浄終了後、人体検知センサ２０が人体を検知しなくなるまでシャワースイッチ１６、ビデスイッチ１７のいずれもが押されなかったときには、該人体検知センサ２０が人体非検知となった時点で切替バルブ６，１０を配管４，７及び配管５，１１が連通するように作動させ、所要時間ノズル本体９ｂ，１３ｂの洗浄を行う。
【００３４】
（５） 請求項２の実施の形態
便座センサ２１が便座の起立回動を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７、配管５，１１が連通するように切替操作し、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。この場合も、一方のノズル本体を先に洗浄し、他方のノズル本体を後から洗浄してもよい。
【００３５】
（６） 請求項３の実施の形態
上記（５）のノズル洗浄終了後、人体検知センサ２０が人体を検知しなくなるまでシャワースイッチ１６、ビデスイッチ１７のいずれもが押されなかったときには、該人体検知センサ２０が人体非検知となった時点で切替バルブ６，１０を配管４，７及び配管５，１１が連通するように作動させ、所要時間ノズル本体９ｂ，１３ｂの洗浄を行う。
【００３６】
（７） 請求項４の実施の形態
便座センサ２１が便座の起立を検知している状態において、人体検知センサ２０が人体を検知すると、切替バルブ６，１０を配管４，７及び配管５，１１が連通するように切替作動させ、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。
【００３７】
このように洋風便器が男子小用に供されようとする場合に、予め、ノズル本体９ｂ，１３ｂを水に濡らしておくことにより、飛散した尿が直にノズル本体９ｂ，１３ｂに付着することが防止される。
【００３８】
（８） 請求項５の実施の形態
上記（７）において、人体検知センサ２０が人体を検知しなくなったときに、切替バルブ６，１０を配管４，７及び配管５，１１同志が連通するように切替作動させ、ノズル本体９ｂ，１３ｂを所要時間洗浄する。これにより、ノズル本体に付着した尿が乾固する前に流し落とすことができる。この場合、ノズル本体９ｂ，１３ｂが水で濡れており尿が乾燥したノズル本体に付着している場合に比べてノズル本体９ｂ，１３ｂに洗浄水を流したときに付着尿がスムーズに流れ落ちる。
【００３９】
上記実施の形態では便座センサ２１を設けているが、（５）の場合には便座ではなく便蓋の起立回動を検知する手段を用いても良い。
【００４０】
上記実施の形態ではシリンダ９ａ，１３ａの先端側にノズル洗浄水を供給しているが、図２のノズル９’のように配管７の先端をノズル本体９ｂに近接させて配置し、配管７の流出水をノズル本体９ｂに注ぎかけたり吹き付けたりしても良い。
【００４１】
上記実施の形態では、水圧によってノズル本体を前進させているが、モータによってノズル本体を前進させても良い。上記実施の形態ではポンプＰを用いているが、給水圧を利用しても良い。また、温水タンクを省略し、給湯配管からの給湯をノズルに導くようにしても良い。
【００４２】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、ノズルに汚れが付きにくい、或いは洗浄により洗い落とし易い温水洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態に係る温水洗浄装置の系統図である。
【図２】別の実施の形態に係る温水洗浄装置のノズルの構成図である。
【符号の説明】
２ 温水タンク
６，１０ 切替バルブ
９，９’，１３ ノズル
９ａ，１３ａ シリンダ
９ｂ，１３ｂ ノズル本体
１５ 制御回路
Claims (5)
- 洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出するノズルと、このノズルの外面にノズル洗浄水を供給するノズル洗浄手段と、該ノズル洗浄手段を作動させる制御手段とを有する温水洗浄装置において、
該洋風便器の便座への着座を検知する着座センサが設けられており、前記制御手段は、該着座センサが着座を検知したときに、及び該着座センサが着座を検知しなくなる時点までに温水洗浄装置が使用されなかったときに、ノズル洗浄手段を作動させることを特徴とする温水洗浄装置。 - 洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出するノズルと、このノズルの外面にノズル洗浄水を供給するノズル洗浄手段と、該ノズル洗浄手段を作動させる制御手段とを有する温水洗浄装置において、
該洋風便器の便蓋又は便座の起立回動を検知する回動検知手段を備えており、前記制御手段は、該回動検知手段が該回動を検知したときにノズル洗浄手段を作動させることを特徴とする温水洗浄装置。 - 請求項２において、洋風便器の前方の人体を検知する人体検知センサが設けられており、前記回動検知手段の検知によるノズル洗浄動作後、該人体検知センサが人体非検知になるまでに温水洗浄装置が使用されなかったときには、前記制御手段はノズル洗浄手段を作動させることを特徴とする温水洗浄装置。
- 洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出するノズルと、このノズルの外面にノズル洗浄水を供給するノズル洗浄手段とを有する温水洗浄装置において、
該洋風便器の便座の起立を検知する起立検知手段と、
洋風便器の前方の人体を検知する人体検知手段と、
該起立検知手段が便座の起立状態を検知しているときに人体検知手段が人体を検知したときにはノズル洗浄手段を作動させる制御手段を備えたことを特徴とする温水洗浄装置。 - 請求項４において、前記ノズル洗浄手段の作動後、該人体検知手段が人体非検知になったときに前記制御手段は前記洗浄手段を作動させることを特徴とする温水洗浄装置。
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