JP3631720B2 - 緊張材のシースカッター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート部材に初期圧縮力を加えるための緊張材の表面を覆う合成樹脂製等のシースを切断する、緊張材のシースカッターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリート部材に初期圧縮力を加えるために、コンクリートに埋設した鋼材に引張り力を加える工法が用いられている。そして近年では、図10に示すように、高強度鋼のワイヤー101を束ねたものに、耐食性を増すためにポリエチレン等の合成樹脂製のシース102を被せ、このワイヤーとシースを遅効性の接着剤103で結合する、PC鋼材(プレストレスト・コンクリート鋼材)100が使用されている。
【0003】
このPC鋼材100は、図11に示すように、シース102を被せたままコンクリート部材200に埋設し、このコンクリート部材が固まった後に緊張具で引張り、楔構造を有する定着金具300で固定する。すなわちコンクリート部材200が固まると、シース102の外周面はコンクリートで固定されるが、その時点では接着剤103が未だ硬化していないため、ワイヤー101だけを引っ張ることができる。そして、このようにワイヤ101に引張り力を掛けたままで定着金具300で固定しておくと、数十日から数百日の経過後に接着剤が硬化して、このワイヤーとシース102が接着固定される。なお、シース102には、周方向に溝等102aが形成してあり、コンクリート200及びワイヤー101との接着性を確保している。
【0004】
ところで定着金具300は、コンクリート部材200の外表面から突出しないように、このコンクリートの外表面に形成した窪み200aに取り付けられる。また、ワイヤー101だけを引っ張って定着金具300で固定するためには、コンクリート部材200に埋設した支圧板400の外表面とほぼ面接となる位置から、シース102を剥がす必要がある。従来は、ナイフやカッター等の手作業で、シース102を剥がしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし合成樹脂製のシース102は、かなりの硬さを有しており、従来のように、ナイフやカッター等により、狭い窪み200aの底の位置でシース102を切断して、ワイヤー101から剥がす作業は容易でなく危険でもあり、多大な時間を要していた。また切断個所を綺麗に仕上げることも困難であった。一方、窪み200aのサイズは、定着金具300が収納できれば十分であるため、できるだけ小さくするのが望ましい。このため、シース102の切断作業は、益々困難になっている。
【0006】
そこで本発明の目的は、コンクリート部材に初期圧縮力を加えるための緊張材を覆う合成樹脂製等のシースを、容易かつ迅速に切断できる緊張材のシースカッターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明による緊張材のシースカッターの第1の特徴は、本体部材と、ナット部材と、テーパ部材と、アーム部材とを備えることに有る。そして、この本体部材は、中空円筒形状を有し、その外周上には所定の長さの雄ネジが形成してある。また、このナット部材の内径には、本体部材の雄ネジと螺合する雌ネジが形成してある。そして、このテーパ部材はリング形状を有し、その内径は本体部材の外周に摺動自在に形成され、その外周はテーパ形状面に形成してある。
【0008】
アーム部材は、その先端部にカッター部が設けてあって、このカッター部の先端部が、本体部材の半径方向にのみ回転自在となるよう、この本体部材に連結してある。またカッター部の先端部には、本体部材の半径方向と、円周方向とに向う刃先が形成してある。そして、本体部材に対して上記ナット部材を回転させると、このナット部材の当接するテーパ部材を前進させ、このテーパ部材のテーパ形状面がアーム部材の後端部を押し上げ、このアーム部材の先端部に設けたカッター部の刃先を上記本体部材の半径方向に移動させて、緊張材のシースに食い込ませ、次いでこの本体部を回転して、このカッター部の刃先を円周方向に移動させて、この緊張材のシースを切断し分離する。なおアーム部材は、1個であっても、複数個であってもよい。
【0009】
このように発明を構成することにより、次の作用効果が得られる。すなわち第1に、コンクリート部材から突出する緊張材に中空の本体部材を差込んで、カッター部の先端部が、コンクリートに埋設した支圧板に当接する位置まで移動させるだけで、この支圧板の外表面とほぼ面接となる位置に、カッター部の刃先を容易かつ正確に設定することができる。第2に、ナット部材の回転によってテーパ部材を徐々に前進させ、このテーパ部材のテーパ形状面が、あたかも楔が侵入するようにアーム部材の後端部を押し上げるため、このアーム部材の先端部に設けたカッター部の刃先には、強大な本体部材の軸心方向の力が発生する。このためカッター部の刃先を、比較的硬い緊張材のシースに、容易に食い込ませることができる。
【0010】
第3に、カッターの刃先を緊張材のシースに食い込ませたまま、本体部を回転させるだけで、緊張材のシースを円周方向に容易かつ切り口を綺麗に切断分離することができる。シースの切断分離後は、ナット部材を逆回転させれば、カッターの刃先に掛かるシースへの食い込み力が開放されるので、緊張材から本体部材を容易に抜き取ることができる。第4に、アーム部材の外周寸法を小さく構成することができるので、緊張材の端を固定する定着金具を収納する窪みの寸法も、小さくすることができる。
【0011】
緊張材のシースカッターの第2の特徴は、前記特徴1に記載したカッター部が、前記アーム部材の先端部に、脱着可能に装着してあることにある。すなわち、このように発明を構成することにより、カッター部の刃先が磨耗・損傷等した場合に、容易にカッター部を交換・補修することができる。
【0012】
緊張材のシースカッターの第3の特徴は、前記特徴1〜2に記載したカッター部の先端部が突出した半円形状を有し、この半円形状の外周に刃先が形成してあることにある。すなわち、このように発明を構成することにより、カッター部の刃先を容易に、緊張材のシースに食い込ませ、かつ円周方向に切断分離することができる。
【0013】
緊張材のシースカッターの第4の特徴は、前記特徴1〜3のいずれかの1に記載したアーム部材の後端部が、スプリングによって、前記テーパ部材のテーパ形状面に押接されるように構成してあることにある。すなわちこのように発明を構成することにより、ナット部材を逆回転して後退するだけで、カッター部の刃先が緊張材のシースから離れるために、緊張材のシースカッターを容易に移動することができる。
【0014】
緊張材のシースカッターの第5の特徴は、前記特徴1〜4のいずれかの1に記載した本体部材1の後端部に、取っ手部11を備えてるあることにある。すなわち取っ手部11を回すことによって、容易にシースに食い込んだ刃先を円周方向に移動させることができるので、小さい回転力でシースを切断し分離することができる。
【0015】
緊張材のシースカッターの第6の特徴は、前記特徴1〜5のいずれかの1に記載した本体部材には、その先端部から長手方向にスリットが切り欠いてあり、前記アーム部材の先端部が、このスリットに嵌合するように構成され、このスリット両側面がこのアーム部材の円周方向の移動を拘束することにある。すなわちこのように発明を構成することにより、緊張材のシースを円周方向に切断する際に、本体部材に対するアーム部材の円周方向の移動を容易かつ確実に防止することができる。
【0016】
緊張材のシースカッターの第7の特徴は、前記特徴6に記載したアーム部材は、前記本体部材に皿ネジによって回転自在に連結されるものであることにある。すなわちこのアーム部材には、本体部材の半径方向に向うネジ穴が形成してあり、このネジ穴の外側開口面は、皿座ぐり加工してある。そしてこの皿ネジは、このネジ穴より所定の寸法だけ小さい直径を有しているものである。
【0017】
このように発明を構成することにより、次の作用効果を得ることができる。すなわち、皿ネジとネジ穴とは、所定の半径方向隙間があるため、アーム部材は、本体部材の軸を含む平面上で、ある程度の角度内で回転運動することが可能になる。また皿ネジの頭部分と、ネジ穴の皿座ぐり部分とが、それぞれ円錐形状部分で当接するため、この当接部分を支点として、アーム部材は、本体部材の軸を含む平面上で、ある程度の角度内で回転運動することが可能になる。なお、アーム部材の円周方向の移動は、前記本体部材に切り欠いたスリットによって拘束される。したがって、極めて簡単な構造により、アーム部材を、本体部材に回転自在に連結することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に示す緊張材のシースカッターは、緊張材に取り付ける前の状態であって、それぞれ鉄製の本体部材1と、ナット部材2と、テーパ部材3と、アーム部材4とを備えている。本体部材1は、中空円筒形状を有し、その後端部には取っ手部11を備え、その外周上には所定の長さの雄ネジ1aが形成してある。なお、取っ手部11は、それぞれ鉄製の円筒部材12と、この円筒部材の外周に形成した2個のスポーク11とからなる。そして円筒部材12の内径には、本体部材1の雄ネジ1aに螺合する雌ネジが形成してあり、またこの円筒部材の外周面の軸対称位置には、スポーク11の先端部が螺合する2つの雌ネジ12aが、半径方向に向って貫通成形してある。そして、スポーク11先端部は、雌ネジ12aにネジ込まれて本体部材1の外周面に押圧され、この本体部材に対して円筒部材12が回転移動することを防止している。
【0019】
ナット部材2はほぼ円筒形状をしており、その内径には、ほぼ半分の長さにわたって、本体部材1の雄ネジ1aと螺合する雌ネジ2aが形成してある。なお、ナット部材2の外周面は、手で回転させる際の滑り防止のために、細かい凹凸2bが形成してある。テーパ部材3はリング形状を有し、その内径は本体部材1の外周に摺動自在に形成してあり、その外周はテーパ形状面3aに形成してある。
【0020】
アーム部材4は、120度の等角度間隔で3個設けてあり、矩形断面形状を有し、その先端部に鋼鉄製の板材からなるカッター部5が、2本のビス7によって脱着自在に設けてある。アーム部材4は、本体部材1に、皿ネジ8によって回転自在に連結される。すなわちアーム部材4には、本体部材1の軸心方向に向うネジ穴4cが形成してあり、このネジ穴の外側開口面は、皿座ぐり加工してある。そして皿ネジ8は、ネジ穴4cより所定の寸法だけ小さい直径を有している。したがって、アーム部材4は、ネジ穴4cの皿座ぐり部分と皿ネジ8とが当接する、それぞれの円錐形状部分を支点として、本体部材1の軸を含む平面上で、ある程度の角度内で回転運動することが可能になる。なお、アーム部材4の後端部は、テーパ部材3のテーパ形状面3aとほぼ平行になる傾斜形状面4aが形成してある。
【0021】
カッター部5の先端部は所定の幅を有し、アーム部材4への連設部分から軸心に向けてほぼ直角に曲げてある。そしてカッター部5の先端部は突出する半円形状を有し、この半円形状の外周に刃先5aが形成してある。なお、カッター部5の刃先5aは、後述するように、テーパ部材3を最大限後退させ、アーム部材4を最も水平に近い位置においたときに、所定の太さの緊張材が挿入可能な、半径方向位置に設定してある。また、アーム部材4の外面上であって、皿ネジ8で連結してある位置と後端部との間には、円弧上の溝4bが形成してあり、この溝にゴム製のOリング6が装着してある。したがって、ゴム製のOリング6の引張り力によって、アーム部材4の後端部は、常にテーパ部材3のテーパ形状面3aに押接されている。
【0022】
本体部材1には、その先端部から長手方向に、矩形形状のスリット1bが切り欠いてあり、矩形断面形状を有するアーム部材4の先端部の両側面が、このスリットに嵌合するように構成されている。したがって、スリット1bの両側面によってこのアーム部材4の円周方向の移動が拘束される。このため、アーム部材4は、ネジ穴4cの皿座ぐり部分と皿ネジ8との当接部分を支点として、このアーム部材の先端部に設けたカッター部5の刃先5aが、軸心に向う方向にのみ回転可能になる。
【0023】
なお、本体部材1に形成した雄ネジ1aには、ビス9が取り付けてあり、ナット部材2を過度に後退させるのを防止して、テーパ部材3のテーパ形状面3aから、アーム部材4の後端部が外れるのを回避している。
【0024】
図2に示す緊張材のシースカッターは、緊張材のシースを切断する時の状態を示している。すなわち、本体部材1に対してナット部材2を回転させると、このナット部材に当接するテーパ部材3を前進させ、このテーパ部材のテーパ形状面3aがアーム部材4の後端部を押し上げる。そして、アーム部材4は、皿ネジ8との当接部分を支点として、本体部材1に切り欠いたスリット1bによって円周方向を拘束されつつ回転し、このアーム部材の先端部に設けたカッター部5の刃先5aを、本体部材1の軸心に向って移動させる。
【0025】
次に図3〜図9を参照しつつ、緊張材のシースカッターの使用方法を説明する。図3に示すように、まずコンクリート部材200が固まった時点で、このコンクリート部材から突出するPC鋼材100に、緊張材のシースカッターを挿入する。なお、このときには、ナット部材2を逆回転させて後方に移動させておく。すなわち、ゴム製のOリング6の押接力によって、アーム部材4の後端部がテーパ部材3を後方に押し戻し、このアーム部材が水平に近い状態となる。このため、カッター部5の刃先5aの中心からの距離が大きくなり、緊張材100に容易に挿入できるようになる。
【0026】
次に図4に示すように、緊張材のシースカッターを、カッター部5の刃先5aが支圧板400に当接する位置まで移動する。そして、ナット部材2を回転させて前進させると、これに当接するテーパ部材3が前進し、このテーパ部材のテーパ形状面3aが、アーム部材4の後端部を押し上げて、このアーム部材を皿ネジ8を支点として回転させ、先端に設けたカッター部5の刃先5aを、中心方向に移動させる。そして、図6に示すように、カッター部5の刃先5aを、ワイヤー101の表面を覆うシース102に食い込ませる。
【0027】
次に図5に示すように、本体部材1の後端部に設けた取っ手部11を回転させると、図6に示すように、カッター部5の半円形の刃先5aが回転し、シース102を円周方向に切断して分離する。なお、アーム部材4は、本体部材1の先端部に切り欠いたスリット1bによって両側面を拘束されているため、取っ手部11を握ってこの本体部材1を回転させることにより、容易にシース102を円周方向に切断して分離することができる。
【0028】
次に図7に示すように、シース102が円周方向に切断して分離された後は、ナット部材2を逆回転させて後退させると、アーム部材5はOリング6の力によって、水平位置近くまで回転し、カッター部5を中心位置から遠ざけ、刃先5aをシース102から外す。
【0029】
そして図8に示すように、緊張材のシースカッターを後退させ、PC鋼材100から取り外し、最後に図9に示すように、引抜き冶具(図示せず。)によって、切断分離したシース102を、ワイヤー101から引抜いて取り外す。なお、この作業の際には、ワイヤー101とシース102とを固定する遅効性の接着剤103は未だ固まっていないため、このシースをこのワイヤーから容易に引抜いて取り外すことができる。
【0030】
なおアーム部材4は3個に限らず、1個でも2個でも、4個以上であってもよい。ただし、複数の場合には、軸対称に配置することが望ましい。カッター部5は、板材から形成する場合に限らず、機械加工製であってもよい。取っ手部11は、スポーク形状に限らず、回転トルクを掛け易い円盤形状等でも足りる。また、スプリング6は、ゴム製のOリングに限らず、金属製のコイル等の弾力性を有する部材を使用してもよい。カッター部5に刃先5aは半円形状に限らず、V型あるいはU型形状等の、中心方向と円周方向とにシース102を切断できる形状であればよい。
【0031】
【発明の効果】
従来のようにナイフやカッターでシースを切断分離する手段に対して、次の効果が得られる。第1にシースは薄いため、このシースを切断するための刃先の半径方向の移動距離は小さくても良い。したがってカッター部の外形サイズを小さくできるため、定着金具を収納するコンクリート部材の窪みの寸法を小さくすることができる。第2に、コンクリート部材に埋設する支圧板の外表面と面接になる位置で、シースを切断分離でき、かつ切り口を綺麗に切断できる。このため定着金具の取り付けが容易かつ迅速にできるようになる。
【0032】
第3に、小さな力でナット部材と取っ手部とを回転させるだけで、シースを切断分離できるため、容易、迅速かつ安全にシースを切断分離することができる。第4に、緊張材のシースカッターは小型軽量であるため、取扱いが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シースを切断する前の緊張材のシースカッターの全体構造図である。そして図(A)は正面図、図(B)は横断面図である。
【図2】シースを切断した後の緊張材のシースカッターの全体構造図である。そして図(A)は正面図、図(B)は横断面図である。
【図3】緊張材のシースカッターの使用態様の説明図であり、緊張材のシースカッターをPC鋼材に挿入した場合を示す。
【図4】緊張材のシースカッターの使用態様の他の説明図であり、カッター部の刃先をシースに食い込ませる場合を示す。
【図5】緊張材のシースカッターの使用態様の他の説明図であり、シースを円周方向に切断分離する場合を示す。
【図6】カッター部の刃先を回転させてシースを円周方向に切断分離する場合を説明する拡大断面図である。
【図7】緊張材のシースカッターの使用態様の他の説明図であり、シースの切断分離後に、カッター部の刃先を切断分離したシースから外す場合を示す。
【図8】緊張材のシースカッターの使用態様の他の説明図であり、緊張材のシースカッターを、PC鋼材から抜き取る場合を示す。
【図9】切断分離したシースを引抜く場合を示す説明図である。
【図10】緊張材の構造図である。
【図11】PC鋼材の取り付け状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体部材
1a 雄ネジ
1b スリット
11 取っ手部
2 ナット部材
2a 雌ネジ
3 テーパ部材
3a テーパ形状面
4 アーム部材
4c ネジ穴
5 カッター部
5a 刃先
6 Oリング(スプリング)
7 ビス
8 皿ネジ
Claims (7)
- 本体部材(1)とナット部材(2)とテーパ部材(3)とアーム部材(4)とを備え、上記本体部材(1)は中空円筒形状を有し、その外周上には所定の長さの雄ネジ(1a)が形成してあり、
上記ナット部材(2)の内径には、上記本体部材(1)の雄ネジ(1a)と螺合する雌ネジ(2a)が形成してあり、
上記テーパ部材(3)はリング形状を有し、その内径は上記本体部材(1)の外周に摺動自在に形成され、その外周はテーパ形状面(3a)に形成してあり、
上記アーム部材(4)は、その先端部にカッター部(5)が設けてあって、このカッター部の先端部が上記本体部材(1)の半径方向にのみ回転自在となるようこの本体部材に連結してあり、
上記カッター部(5)の先端部には上記本体部材(1)の半径方向と円周方向とに向う刃先(5a)が形成してあり、
上記本体部材(1)に対して上記ナット部材(2)を回転させると、このナット部材に当接する上記テーパ部材(3)を前進させ、このテーパ部材のテーパ形状面(3a)が上記アーム部材(4)の後端部を押し上げ、このアーム部材の先端部に設けた上記カッター部(5)の刃先(5a)を上記本体部材(1)の半径方向に移動させて緊張材のシースに食い込ませ、この本体部材を回転してこのカッター部の刃先を円周方向に移動させてこの緊張材のシースを切断し分離する
ことを特徴とする緊張材のシースカッター。 - 請求項1において、前記カッター部(5)が前記アーム部材(4)の先端部に脱着可能に装着してあることを特徴とする緊張材のシースカッター。
- 請求項1〜2のいずれかにおいて、前記カッター部(5)の先端部が突出した半円形状を有し、この半円形状の外周に前記刃先(5a)が形成してあることを特徴とする緊張材のシースカッター。
- 請求項1〜3のいずれかの1において、前記アーム部材(4)の後端部がスプリング(6)によって前記テーパ部材(3)のテーパ形状面(3a)に押接されるように構成してあることを特徴とする緊張材のシースカッター。
- 請求項1〜4のいずれかの1において、前記本体部材(1)の後端部に取っ手部(11)を備えてあることを特徴とする緊張材のシースカッター。
- 請求項1〜5のいずれかの1において、前記本体部材(1)にはその先端部から長手方向にスリット(1b)が切り欠いてあり、
前記アーム部材(4)の先端部が上記スリット(1b)に嵌合するように構成され、このスリットの両側面がこのアーム部材の円周方向の移動を拘束する
ことを特徴とする緊張材のシースカッター。 - 請求項6において、前記アーム部材(4)は皿ネジ(8)によって前記本体部材(1)に回転自在に連結されるものであって、
上記アーム部材(4)には上記本体部材(1)の半径方向に向うネジ穴(4c)が形成してあり、
上記ネジ穴(4c)の外側開口面は、皿座ぐり加工してあり、
上記皿ネジ(8)は、上記ネジ穴(4c)より所定の寸法だけ小さい直径を有しているものである
ことを特徴とする緊張材のシースカッター。
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