JP3631709B2 - 酸化金属の還元方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、還元用回転炉床炉を用いて、酸化金属を還元する方法、および、金属の精錬業および加工業において発生する金属酸化物を含むダストおよびスラジを還元する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
還元鉄や合金鉄を製造するプロセスとしては各種のものがあるが、この内で、生産性の高いプロセスとして、回転炉床法が実施されている。回転炉床法は、固定した耐火物の天井および側壁の下で、中央部を欠いた円盤状の耐火物の炉床がレールの上を一定速度で回転する型式の焼成炉(以下、回転炉と称す)を主体とするプロセスであり、酸化金属の還元に用いられる。回転炉の炉床直径は10〜50メートルかつ、幅は2〜6メートルである。
【0003】
原料の酸化金属を含む粉体は、炭素系の還元剤と混合された後、原料ペレットにされて、回転炉に供給される。原料ペレットはこの炉床上に敷きつめられており、原料ペレットが炉床上に静置されていることから、原料ペレットが炉内で崩壊しにくいといった利点があり、耐火物上に粉化した原料が付着する問題が無く、また、塊の製品歩留が高いと言った長所がある。また、生産性が高く、安価な石炭系の還元剤や粉原料を使用できると言った理由から、近年、実施される例が増加している。
【0004】
さらに、回転炉床法は、高炉、転炉、電気炉から発生する製鉄ダストや圧延工程でのシックナースラジの還元と不純物除去の処理にも有効であり、ダスト処理プロセスとしても使用され、資源リサイクルに有効なプロセスである。
【0005】
回転炉床法の操業の概略は以下の通りである。
【0006】
まず、原料である鉱石やダスト、スラジの金属酸化物に、この酸化物の還元に必要な量の炭素系還元剤をよく混合した後、パンペレタイザー等の造粒機にて、水分が約10%となるように、水をかけながら、数〜十数mmのペレットを製造する。原料の鉱石や還元剤の粒径が大きい場合は、ボールミル等の粉砕機で粉砕した後に、混練して、造粒する。
【0007】
このペレットを回転炉床上に供給して、層状に敷き込む。炉床上に敷込まれたペレットは急速に加熱され、5〜20分間、1300℃前後の高温で焼成される。この際に、ペレットに混合されている還元剤により酸化金属が還元され、金属が生成する。還元後の金属化率は還元される金属により異なるが、鉄、ニッケル、マンガンでは、95%以上、還元しづらいクロムでも50%以上となる。また、製鉄業から発生するダストを処理する場合は、還元反応に伴い、亜鉛、鉛、アルカリ金属、塩素、等の不純物が揮発除去されることから、高炉や電気炉にリサイクルすることが容易となる。
【0008】
このように、回転炉床を用いる金属の還元方法および製鉄ダストの還元処理方法においては、原料と還元剤をペレットにすることが必須の条件で、原料の事前処理として、原料の酸化金属の粉体と還元剤の混合物を造粒性の良い状態にすることが重要であり、原料の事前粉砕やボールミルでの混練等の種々の方法が行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来の回転炉床法による酸化金属の還元は、生産性や製造費用の面で優れており、経済的に金属を製造する方法である。しかし、原料と還元剤をペレットにすることが重要であり、造粒性能の高い原料を選択するか、高価な粉砕機を設置して、原料を粉砕することにより造粒性を向上させることが必要であり、このための費用が多くかかる問題があった。
【0010】
つまり、原料として鉄鉱石等の鉱石を使用する場合は、一般には、原料鉱石の粒径が大きいため、平均粒径が数十ミクロン以下になるように粉砕した後、造粒して、ペレットを製造していた。その結果、粉砕工程の設備が高価であり、また、粉砕機の運転のための電力がかかることや粉砕機器の磨耗に伴う整備費用がかかると言った欠点があった。
【0011】
また、粉砕の費用を節約するために、微粉の原料を使用することがあるが、原料の選択性が厳しく、汎用的な方法ではなかった。そこで、湿式選鉱後の微粉鉱石を使用したり、高炉や転炉のシックナーダスト、圧延工程でのスケールピットのスラジや酸洗工程での沈殿スラジ等を使用することが有効である。しかし、この場合でも、原料の含有水分が多すぎて造粒しづらいといった問題があった。すなわち、これらの原料は粒径が1〜数十ミクロンの微粉であり、その結果、水分を含んだ状態では、これらは汚泥状となりやすく、また真空脱水機やフィルタープレスで脱水した後でも、水分が30〜50%あり、そのままでは水分が多すぎて、造粒できなかった。
【0012】
この問題の解決のためには、熱風等の熱源で粉原料を完全に乾燥した後に、造粒する方法がある。しかし、乾燥過程で粉原料が疑似凝集してしまい、そのままでは造粒することはできないため、これを粉砕して、再度、微粒の状態にした後に、他の原料とともに、加水して、造粒した後に、回転炉床で還元されていた。
【0013】
その結果、上記の方法で利用された場合は、良好な成形体を製造することができ、成形体の乾燥が効率的に行えれば、安定した酸化金属の還元が行える。しかし、従来技術では、成形体の物理状態を考慮してこれを乾燥する方法が十分に確立されておらず、だだ単に成形体を乾燥すれば良いとの考えしかなかった。その結果、乾燥時に成形体に亀裂が入ったり、表面から粉が多量に発生する問題があった。更に、乾燥条件が悪い場合は、成形体が爆裂を起こすこともあった。したがって、長い間、この問題を解決することが望まれていた。また、事前に成形体を乾燥する方法は有効な手段であるものの、多量の熱源を用いて乾燥した後に、水分の蒸発に、専用の熱源と装置が必要であり、経済性にはやや劣る還元方法である問題は残る。
【0014】
特に、製鉄業等の金属の精錬業や加工業で発生するダストやスラジを湿式集塵機または沈殿槽から集めた場合には、これらの発生物は、最大90%と、多くの水分を含有しており、これらの発生物を回転炉床法で還元処理しようとする場合には、乾燥工程と乾燥後の粉砕処理の問題が顕著であった。
【0015】
これらの問題を解決するために、例えば、特開平11−12619号公報に示されるように、原料を造粒せずに回転炉床法で使用する方法として、原料を圧縮成型機でタイル状にして、これを回転炉床法で使用する発明が開示されている。しかし、この方法でも、やはり、水分を大量に含有した状態の原料を使用することには問題があった。つまり、特開平11−12624号公報に示されるように、原料の水分を6〜18%に調整する必要があり、このためには、事前の脱水処理に加え、乾燥処理が必要であり、このための複雑な水分制御が必要な問題があった。また、この原料装入のためには、特開平11−12621号公報に示されるような、複雑な装入装置が必要であり、この設備の整備費用が高い等の問題も生じていた。
【0016】
さらに、このような形状の水分を含む原料を高温の回転炉に直接装入した場合には、水分含有率が高いために、水分の蒸発に伴う爆裂現象が発生して、原料が粉化して、排気ガス中に失われて、製品歩留が極端に悪いといった問題が生じていた。通常、回転炉床法での炉内温度は、原料供給部の近傍が最も低く、それでも1150〜1200℃である。このような高温であれば、湿潤状態の成形体は、過激な水分蒸発に伴う爆裂の問題が生ずる。たとえ、爆裂が生じない場合でも、、水蒸気の噴出による角の部分や表面の剥離が生じる。したがって、還元操業は可能であるが、塊状の還元物の比率が少なく、成形体からの粉の生成率が高くなるという問題があった。その結果、排ガス中に粉の金属分がロスする比率が比較的高くなり、歩留の低下の問題が残った。
【0017】
本発明は、従来法では実現できなかった、水分を含んだ紛状態の成形体を回転炉に直接供給して還元しても、成形体の爆裂等の発生なく高歩留で還元することが可能な還元方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点に鑑みなされたもので、その要旨とするところは、
【0019】
(1)回転移動する中央が欠けた円形の炉床の上面に載せた酸化金属と炭素の粉体を含む成形体を炉内の上部空間のガス燃焼熱で焼成還元する炉の内部において、体積の1/3乗の値が5〜21mmであり、かつ、気孔率が40〜55%である成形体を、当該成形体が含有する水の蒸発速度を下記に示す値:V以下、かつ、雰囲気温度を700〜1170℃の状態として、当該成形体の水分を、気孔率のパーセンテージ値の0.2倍以上の質量パーセンテージ値から1質量%以下となるまで乾燥した後に、同一炉内で1100℃以上の温度で還元することを特徴とする酸化金属の還元方法。
ただし、V=300P2/D、なお、Vは水の限界蒸発速度(成形体のドライ質量1キログラム当たりの水分蒸発速度(g/kg・s))、Dは成形体の代表径の値(mm)、また、Pは気孔率(−)である。
(2)体積の1/3乗の値が5〜21mmであり、かつ、水分が15〜27質量%である、貫通ノズルから湿潤粉体を押出す型式の成形装置で製造した成形体を、回転炉床式還元炉の雰囲気ガス温度が700〜1170℃の部分に供給して乾燥した後に、当該成形体を引き続き同一の炉内で焼成還元することを特徴とする前記(1)に記載の酸化金属の還元方法。
(3)回転移動する中央が欠けた円形の炉床の上面に載せた酸化金属と炭素の粉体を含む成形体を炉内の上部空間のガス燃焼熱で焼成還元する炉の内部において、体積の1/3乗の値が5〜21mmであり、かつ、気孔率が40〜55%である成形体を、当該成形体への熱供給速度を下記に示す値:Hin以下、かつ、雰囲気温度を700〜1170℃の状態として、当該成形体の水分を、気孔率のパーセンテージ値の0.2倍以上の質量パーセンテージから1質量%以下となるまで乾燥した後に、同一炉内で1100℃以上の温度で還元することを特徴とする酸化金属の還元方法。
ただし、Hin=820P2/D、なお、Hinは限界熱供給速度(成形体のドライ質量1キログラム当たりの熱供給速度(kW/kg))、Dは成形体の体積の1/3乗の値(mm)、また、Pは気孔率(−)である。
(4)体積の1/3乗の値が5〜21mmであり、かつ、水分が15〜27質量%である、貫通ノズルから湿潤粉体を押出す型式の成形装置で製造した成形体を、回転炉床式還元炉の雰囲気ガス温度が700〜1170℃の部分に供給して乾燥した後に、当該成形体を引き続き同一の炉内で焼成還元することを特徴とする前記(3)に記載の酸化金属の還元方法。
【0044】
【発明の実施の形態】
【0045】
本発明は、酸化金属と炭素含有の粉体を原料として、水分を含んだ状態で製造した成形体を適正に乾燥する方法であり、実際の操業においては、湿潤成形体を専用の乾燥装置で熱風などを用いて乾燥する方法やガス温度を適正に制御している回転炉内部の比較的低温の部分で乾燥する。本発明者らは、この目的を達成するために、酸化金属と炭素含有の粉体の成形体を適正に乾燥するための条件を探索した。このために、成形体内部の水蒸気の流れの理論解析と小型の熱風式乾燥装置と箱型電気炉を用いた実験を行った。
【0046】
まず、実験に先立ち、成形体内の水分蒸発の際のガス流れの物理現象に対して、狭い通路を通過するガス流れの解析の観点での流体力学的な技術解析を行った。次に、実際の成形体を乾燥する実験を行い、成形体を乾燥するための処理基準を作成した。
【0047】
まず、細かい気孔の中を流れる流体の流速と抵抗の関係の物理モデルを基に、水蒸気が成形体内部の粒子間を流れる際の圧力を解析した。このモデル解析により、水蒸気が気孔を流れる際の単位長さ当たりの通気抵抗は、気孔の通路径に反比例すること、また、水蒸気の流速に比例することが判明した。また、成形体の観察の結果、気孔通路径は気孔率にほぼ比例する値をとることを解明した。また、成形体内部の幾何学的な条件から、通路内の水蒸気流速は成形体体積当たりの水蒸気発生速度に比例し、かつ、気孔率に逆比例する。ここで、本発明での気孔率の定義は、成形体の容積のうち空隙が占める容積の比率であり、一般的には、成形体の見掛け比重を粉体の真比重で割った値である。
【0048】
以上の流体力学的な、また、成形体の幾何学的な条件を考慮した考察を基とすれば、成形体内部の気孔率が一定の場合は、下式に表わす関係が成立する。
(中央部圧力)=A(通路径)−1(通路長さ)(通路内水蒸気流速)
の関係があり、ただし、ここで、通路長さは成形体の直径に比例する。また、この式は、前述した関係から、さらに、次式に変形される。つまり、
と表現される。さらに、上式は変形されて、
(単位質量当たり水蒸気発生速度)=C(中央部圧力)(気孔率)2 /(代表径)、
の関係となる。ここで、A、B、および、Cは、成形体の物理状態や気体の物性などに影響される定数である。
【0049】
水蒸気発生に伴い内部圧力が高まり、これが成形体が耐えられる圧力値以上となると、成形体の爆裂、亀裂発生、表面の粉化などの問題が発生する。また、本発明者らは、爆裂や亀裂発生のないこと、また、表面からの粉の発生が10%以下であることを乾燥条件の判定基準とした。この結果と上式を整理して、爆裂限界における水蒸気発生速度を定量的に評価した。成形体が耐えられる限界値(限界圧力)は、成形体内部の粒子の結合強度に関わる数値であり、粒子間の物理的な接着性に伴う現象が結合強度の主な要因である。本発明者らは、特殊なバインダーを使用しない場合は、成形体内の粒子のこの結合強度はほぼ一定であることを解明した。ここで、前述した本発明者らが行った解析結果と成形体の観察結果をおりこんだ評価式を作成し、定数で評価できる項目をまとめると、中央部圧力が限界圧力に達する水蒸気発生速度( 限界蒸発速度) は、(a)式で表わすことができる。
V=KP2 /D ‥‥‥ (a)
また、水の蒸発速度と熱供給速度は比例するため、限界圧力での成形体への熱供給速度( 限界熱供給速度) は、(b)式となる。
Hin=LP2 /D ‥‥‥ (b)
なお、式(a)と式(b)の記号の意味は、Vは限界圧力での成形体のドライ質量1キログラム当たりの水蒸気蒸発速度(g/kg・s)、Hinは限界圧力での成形体のドライ質量1kg当たりの熱供給速度(kW/kg)、Pが気孔率(−)、および、Dが成形体の大きさを現す成形体体積の1/3乗の値(mm)である。なお、KとLは定数である。形状が異なる成形体を同一に評価するために、成形体体積の1/3乗を大きさの評価に用い、以降、これを代表径と称す。
【0050】
このように、適正な乾燥状態の条件式(a)と(b)の定数KとLを決定するために、本発明者らは、実験用の加熱装置を用いた実験を行った。この実験には、内容積が5リットルの熱風式の乾燥装置と内容積が10リットルの電気炉を用いた。実験用原料は、回転炉床式還元炉で使用する粉体である、平均粒径が4〜50マイクロメートルで、酸化鉄を63質量%、炭素を15質量%含むものであった。実験用成形体は、▲1▼.パン式造粒装置で製造した気孔率22〜32%の球形の成形体、▲2▼.ブリケット造粒装置で製造した気孔率32〜40%の成形体、および、▲3▼.押し出し式造粒装置で製造した気孔率40〜55%の円柱形の成形体であった。これらの成形方法は以下に説明するとおりである。▲1▼の成形体は、微細な粉体が回転するディスク上を転がることにより、製造されるものである。▲2▼の成形体は、一対のローラーの表面に窪み状の型があり、ローラーの回転に伴い、この型に粉体を押し込んで成形したものである。▲3▼の成形体は、貫通ノズルに湿潤粉体を押し込んで成形したものである。なお、成形体の代表径は、5〜21mmである。
【0051】
本発明者らの実験では、熱風式乾燥装置の熱風温度又は箱型電気炉の内部温度を変えることにより、成形体への熱供給速度を種々変更した。この実験結果のうち、成形体の爆裂が起きない、かつ、表面からの粉化ロスが10%以下であった結果を乾燥条件良好のものと判断してデータをまとめた。この乾燥条件が良好な乾燥処理の区分での蒸発速度の上限値を限界蒸発速度(ただし、成形体ドライ質量1キログラム当たりの1秒間の水蒸発量)と定義して、また、この時の熱供給速度を限界熱供給速度と定義して、これらの値を求めた。
【0052】
この結果を図2に示す。図2には、気孔率の2乗を成形体の代表径で割った商(P2 /D)と限界蒸発速度(V)の関係が示されている。この結果を重回帰分析してまとめると、(a)式のKの値は300であった。また、限界熱供給速度(Hin)を求める(b)式のLの値は820であった。ただし、Vの単位はg/kg・s、Hinの単位はkW/kg、Dの単位はmm、および、Pは無単位である。
限界蒸発速度 V=300P2 /D ‥‥‥ (1)
限界熱供給速度 Hin=820P2 /D ‥‥‥ (2)
なお、本実験では、水分比率が気孔率の値の0.2倍以下の場合は、発生する水蒸気量が少ないため、(1)式および(2)式で計算される限界値の条件を外れても、爆裂や表面の粉化が起きないことから、本発明の有効範囲は、水分比率が気孔率の値の0.2倍以上の場合である。
【0053】
この解析結果を用いて、実際の設備で成形体を乾燥させるための適正な操業を行う。装置の成形体乾燥装置は熱風式であり、成形体への熱供給速度を調整する。ただし、乾燥装置は、熱供給速度を調整できるものであれば、いずれの型式のものでも良い。成形装置を用いて、前述の3方式で製造した水分を含む成形体を、成形体乾燥炉に供給する。ここでは、成形体の代表径と気孔率に応じた、式(2)で求められる限界熱供給速度以下の熱供給速度とする。熱供給速度の調整は、熱風の温度や風速等で行うことが効果的である。この時の成形体の水分の蒸発速度は、同じく成形体の代表径と気孔率から求められる、限界蒸発速度である(1)式のV以下の水分蒸発速度とする。
【0054】
実際の回転炉床法での操業では、成形体内部の伝熱特性を良くするためや成形体の形状の維持のためには、回転炉3で使用する成形体には適正なサイズがあり、その代表径は5〜21mmであることが望ましい。この理由は、代表径21mm以上と成形体が大きすぎると、内部の伝熱が遅くなり、回転炉での適正な還元時間の7〜20分間以内に還元が完了しないこと、また、落下時に亀裂が起きることなどの問題である。また、代表径5mm以下では、成形体が小さすぎる問題があり、床面積当たりの成形体量を適正に確保するためには、成形体を3〜5層に敷かなければならず、この場合には、中間の成形体の伝熱が悪くなり、還元反応が悪化する問題がある。
【0055】
成形装置1で製造した成形体を成形体乾燥装置2で乾燥する。パン式造粒装置で製造するなどの方法で製造した、緻密で、気孔率が22〜32%である成形体の場合は、水分が4.4質量%以上の状態から、代表径が5〜21mmの成形体を乾燥する際に、水分蒸発速度を当該成形体のドライ質量1キログラム当たり毎秒0.7グラム以下とする。この水分蒸発速度は(1)式で示される限界蒸発速度の範囲内の良好な乾燥条件で、成形体が爆裂や粉化する問題は生じない。この乾燥方法では、また、熱供給速度を成形体のドライ質量1キログラム当たり1.9キロワット以下とする。この熱供給速度は比較的遅いものであり、したがって、成形体を比較的低温で乾燥する必要がある。熱風式の乾燥装置では、400℃以下の乾燥温度が望ましい。この成形体を回転炉3に供給する際に、成形体供給部の温度が高温で、急速加熱による爆裂や粉化の懸念があるため、乾燥後の成形体水分を1質量%以下とすることが望ましい。
【0056】
ブリケット成形装置で製造するなどの方法で製造した、気孔率が32〜40%である成形体の場合は、水分が6.4質量%以上の状態から乾燥する際に、代表径が5〜21mmの成形体の水分蒸発速度を、当該成形体のドライ質量1キログラムあたり毎秒1.3グラム以下とする。この乾燥方法では、平均熱供給速度を成形体のドライ質量1キログラム当たり毎秒3.5キロジュール以下とする。この成形体の乾燥には、やや熱供給速度が高くても良いため、熱風式の乾燥装置の場合は、200〜550℃の乾燥温度が望ましい。
【0057】
また、押し出し成形装置などで製造した、非常に空隙の多い、気孔率が40〜55%である成形体の場合は、水分が8質量%以上の状態から乾燥する際に、代表径が5〜21mmの成形体の水分蒸発速度を、当該成形体のドライ質量1キログラム当たり毎秒2.3グラム以下とする。この乾燥方法では、平均熱供給速度を成形体のドライ質量1キログラム当たり6.3又は6.2キロワット以下とする。この成形体の乾燥には、かなり熱供給速度が高くても良いため、熱風式の乾燥装置の場合は、300〜900℃の乾燥温度が望ましい。また、乾燥時間を短縮する目的であれば、800℃前後の温度で乾燥することが最も良い。
【0058】
成形体を乾燥した後に、この成形体を回転炉3に供給する。成形体に水分が過剰に含まれていないことから、回転炉3での成形体の加熱速度が速い場合でも、爆裂や粉化の問題がない。例えば、成形体の表面温度が1200℃になるまでの時間が3分間程度の高速加熱が可能となる。炉内で加熱されることにより、成形体は焼成される。その結果、成形体内部に含まれる炭素が還元剤となって、固体の酸化鉄や酸化マンガンなどを還元する。この時の最高温度は1100℃以上であれば還元が進行するが、望ましくは1200〜1400℃の温度が良く、この条件では7〜15分間で還元反応が終了する。焼成還元を終了した成形体を回転炉3から排出する。その後に、還元成形体冷却装置にて、高温の成形体を冷却して、還元製品を得る。還元製品を電気炉などで高温状態で使用する場合は、冷却工程を省略することもある。
【0059】
成形体乾燥装置を省略して、回転炉3の内部で、成形体を乾燥する方法がある。この方法の設備の例は、成形体乾燥炉を省略した設備構成である。この機能を持つ回転炉の構造例を図3に示す。図3は回転炉3の円周方向の断面図で示したものであり、乾燥帯周辺の構造を示すものである。この構造では、湿潤状態の成形体を成形体フィーダー4で、乾燥帯5にある炉床6の上に供給して、ここで成形体12を乾燥する。炉床6は連続的に右方向に回転移動していき、乾燥が終了した成形体12を還元帯7に送る。還元帯7で、この成形体12を焼成還元する。炉内で成形体12の乾燥する方法においても、成形体12を供給する部分の熱供給速度を適正に制御して、成形体12が爆裂や表面が粉化する問題を解決する必要がある。乾燥帯5の内部でも成形体12の水分蒸速度を限界蒸発速度(V)以下とする必要があり、また、熱供給速度を限界熱供給速度(Hin)以下とする。
【0061】
回転炉3では、高温の炉床6が原料供給の部分に連続して移動してくるため、通常、何もしなければ、雰囲気温度が800〜1000℃程度となる。したがって、原料供給部の温度を200〜450℃程度に下げることは技術的な工夫が必要である。つまり、成形体12を供給する前に、炉床6を冷却することと、また、この部分に還元帯7の焼成還元で発生した排ガスを流入させないこととともに、成形体12を供給する部分の前後を強制的に冷却することなどが必要となる。図3には、還元済み成形体13を排出するスクリュー排出装置8から成形体フィーダー4の間の天井および乾燥帯5の天井の一部を水冷パネル9で施工して、炉床6の輻射熱を吸収させる機構を用いた設備の例を示している。また、還元帯7の高温の排ガスが流入しないように、排ガス出口煙道10で乾燥帯5と還元帯7を分離している。ただし、乾燥帯5の後半では、炉床6からの伝熱のみでは、成形体12への熱供給が不足するため、側壁に加熱バーナー11を設置して、これから乾燥熱源を供給することもある。
【0063】
押し出し式成形装置などで製造する、気孔率が40〜55%の成形体は、成形体の乾燥重量1キログラム当たり6.2キロワットの熱供給速度で、水分蒸発速度も1キログラム当たり2.3g/秒まで、爆裂や表面の粉化が起きない。このような比較的高熱負荷でも良い場合は、回転炉3の乾燥帯5の雰囲気や炉床6の温度を600〜1170℃とする。なお、成形体12から発生する水蒸気の影響などで、雰囲気温度が低下するため、この温度域であれば、特別な装置で冷却することは必要がなくなる。逆に、強力な加熱が必要な場合もある。
【0064】
上記の条件を満たすと同時に、乾燥帯5の雰囲気温度制御を精度良く行うためには、やはり、図3に示される設備構造として、乾燥帯5に焼成還元の排ガスを流入させず、かつ、この部分での加熱バーナー11を成形体フィーダー4の近くまで設置する。加熱バーナー11の発生熱量は回転炉3の他の部分の円周長さ当たりのバーナー発生熱量の0.5〜2倍とする方策を行う。このように、気孔率の高い成形体12を回転炉3の内部で乾燥することは、比較的熱伝達速度が大きくても良いため、簡便な構造の装置で良いことから、特に、設備費と操業費用に優れている。
【0065】
乾燥帯5の内部で成形体12を乾燥する時間は、60〜300秒とする。60秒以下の短時間で乾燥を終了すると、上記の成形体12の乾燥のための熱供給量が大きすぎることが多く、また、大型の成形体12では芯に水分が残留する問題も生ずる。ほとんどの場合は、300秒以内で成形体12の乾燥が完了するため、これ以上を時間をかけることは、エネルギーロスが多く、設備も大きくなる。これらの理由から、乾燥時間は60〜300秒の範囲が良い。本発明の方法を説明した項に記載されているように、気孔率の異なる各種の成形体12を乾燥する条件では、乾燥帯5の雰囲気温度は200〜1170℃である。この雰囲気温度は成形体12の気孔率によって変化させる。
【0066】
回転炉3の乾燥帯5の長さは、原料である粉体の成形体12を供給する部分から回転方向に30〜130度の位置までとする。なぜならば、乾燥時間60〜300秒と還元時間8〜20分間(480〜1200秒)であることと、乾燥帯5の長さが円弧の30度以下に相当する距離では、乾燥帯5の雰囲気温度を独立に制御することが困難であることが理由である。
【0067】
本発明の方法の項での説明し、かつ、図3に示すように、乾燥帯5の雰囲気温度制御には、乾燥帯5と還元帯7の境界に排ガス出口煙道10を設置して、還元帯7で発生する高温排ガスが乾燥帯5に入らない構造とすることが有効な手段である。この設備で、乾燥帯5の雰囲気温度が下がりすぎる場合は、炉壁の加熱バーナー11から補助燃焼を行う。また、乾燥帯5の雰囲気温度が高すぎる場合は、図3に示すような炉床6や雰囲気を冷却する構造を有することが必要である。炉床6の冷却方法としては、前述したように、スクリュー排出装置8と成形体フィーダー4の間の天井を水冷パネル9で構成することにより、冷却する方法がある。この場合は、還元済み成形体13の排出が終わって、裸状態の炉床6からの輻射熱を金属製の水冷パネル9で吸収することにより、炉床6の温度を低下させる。この方法では、水冷パネル9の表面温度は300℃程度となり、30〜50秒の冷却で炉床6の表面温度を約900℃以下とできる。また、成形体フィーダー4よりも上流の部分で炉床6にスプレーノズル等から散水する方法も炉床6の冷却に有効である。
【0069】
次に、乾燥装置を省略したプロセスとして、最も経済的な方法である押し出し成形装置を用いた場合の設備構成を、この設備の代表例として、図1に示す。この設備での成形体の製造、乾燥および還元の方法を説明する。まず、混合ピット15に、水分を50質量%以上の比率で含んだ状態の酸化金属粉体と炭素を主体とした還元剤を粉状にした原料を混合して入れておく。酸化金属原料は、鉄鉱石粉、マンガン鉱石粉、クロム鉱石粉等の粉鉱石や金属製造業で発生する精錬炉のダストや圧延工程のスラジなどを用いる。特に、金属製造業で発生するスラジは、元来70%程度の水を含んでいることから、本方法に最も望ましい原料である。
【0070】
混合ピット15の中で原料の固液混合物を良く撹拌混合する。この固液混合物をスラリー輸送ポンプ16にて脱水装置17に輸送して、ここで含有水分を15〜27質量%まで脱水して、原料混合物の含水凝集体を形成する。脱水装置17としては、固液混合物を循環移動する濾布の上に注ぎ、当該濾布の上下に設置した一対の圧搾ロールで絞る型式の脱水装置、フィルタープレス、遠心脱水機などを用いると良い。当該含水凝集体を押し出し式成形装置18に供給してここで、水分を含んだまま形成する。成形体12は直径が8〜20mm程度、また、代表径は5〜21mmが良い。回転炉3で成形体12が爆裂しにくいように、水蒸気が抜けやすい構造とする。具体的には、成形体12の気孔率を40〜55%とする。
【0071】
この成形体12を、水分が15〜27質量%の状態で、回転炉3に供給する。回転炉3の内部では、成形体12を炉床6の上に供給した後、乾燥帯5で、過熱速度を抑制しながら乾燥させる。700〜1170℃の温度で、60〜300秒間乾燥する。以下変更なし。
【0072】
【実施例】
本発明を用いた酸化金属と炭素の粉体の成形体の乾燥と還元の操業例を示す。まず、表1には、専用の乾燥炉2で成形体を乾燥した後に、回転炉3で焼成還元した結果である実施例3を示す。なお、実施例3の処理条件は以下のとおりである。原料の粉体は、酸化鉄が63質量%で、炭素が15質量%であり、平均粒径が11マイクロメートルであった。粉体の成形は、押し出し成形装置により行った。この方法で製造された成形体を、乾燥炉2で乾燥する時に、水分蒸発速度をV(限界蒸発速度)以下、熱供給速度をHin(限界熱供給速度)以下とした。また、乾燥を終えた成形体を回転炉3で焼成還元した。いずれの成形体の還元処理でも、還元時間は15分間で、還元時の雰囲気温度は1320℃であった。一方、比較例では、同一の成形体を用いて行った。しかし、乾燥時の水分蒸発速度はV(限界蒸発速度)以上、また、熱供給速度をHin(限界熱供給速度)以上とした。その他の条件は実施例3と同一とした。
【0073】
【表1】
【0076】
実施例3では、押し出し成形装置で製造した、充填密度の低い、気孔率が47%の成形体を用いた。この成形体の大きさと気孔率から計算されるVとHinは、3.9g/kg・sと10.7kW/kgであった。一方、実際の水蒸発速度と熱供給速度は、2.7g/kg・sと7.5kW/kgと低い値であったことから、爆裂がなく、また、成形体表面からの粉発生は3.3%と低位であった。この成形体を還元した結果では、鉄の金属化率が88%と高く、また、塊製品歩留も86%と良好であった。このように、本発明の範囲の乾燥条件を守れば、成形体の乾燥を良好に行え、また、適正な還元が行える。
【0077】
【表2】
【0078】
一方、比較例1〜3では、実施例1 〜3と同一の成形体を本発明の条件を外れて乾燥して、これを還元した結果である。いずれも、成形体の水蒸発速度と熱供給速度が限界値よりも大きいことから、成形体の乾燥が適正に行われなかった。比較例1と2では、成形体が爆裂を起こし、成形体の76〜88%が粉となった。この結果、回転炉3での還元操業が正常に行われなかった。また、比較例3では、気孔率の高い、押し出し成形装置で製造した成形体を乾燥し、還元した結果である。この成形体の乾燥でも、成形体の水蒸発速度と熱供給速度がVとHinで示される限界値よりも大きかった。この結果、爆裂は生じなかったが、成形体の37%が粉となった。この成形体の塊と粉の混合物を回転炉3で、焼成還元した結果、粉の部分が雰囲気の炭酸ガスによる再酸化の影響を受けて、鉄金属化率が低く、また、塊製品歩留も低い結果となった。
【0079】
次に、図3に示すように、成形体の乾燥を回転炉3の内部で行う方法で、操業を行った例である実施例6の結果を表3に示す。実施例6の処理条件は以下のとおりである。原料の粉体は、実施例3と同一で、酸化鉄が63質量%で、炭素が15質量%であり、平均粒径が11マイクロメートルであった。粉体の成形は、やはり、パン式造粒装置、ブリケット成形装置、および、押し出し成形装置の3種類により行った。炉内での乾燥時の水分蒸発速度をV(限界蒸発速度)以下、熱供給速度をHin(限界熱供給速度)以下とした。また、乾燥を終えた成形体を引き続いて同一炉内で焼成還元した。還元時間は13分間で、還元時の雰囲気温度は1300℃であった。
【0080】
【表3】
【0083】
実施例6は、押し出し成形装置で製造した、気孔率が47%の円柱形の成形体を用いた操業の例である。この成形体でも爆裂や粉化の問題が無い様にすることを目的に、成形体への熱供給速度をHin以下として、また、蒸気発生速度をV以下とした。このために、実施例5と同じく、排ガス出口煙道10を乾燥帯5と還元帯7の間に設置した。実施例6の成形体は水分が多いため、水蒸気による乾燥帯5の雰囲気温度の低下が激しかった。そこで、炉壁に設置してある加熱バーナー11で熱を補給して、雰囲気温度を最低温度700℃から最高温度950℃の範囲とした。この結果、蒸気発生速度が3.3g/kg・sとVよりも小さくなった。この操業でも、還元製品の鉄金属化率と塊歩留は良好であった。
【0084】
次に、実施例7として、図1に示される還元装置を使用して、製鉄業の各工程で発生した酸化鉄と炭素を多く含むスラジを原料として、これを成形した後に、還元した。この操業で使用した原料は、平均粒径9ミクロンで、水分21%であった。押し出し式成形装置で製造した成形体の気孔率は44%で、代表径は15mmであった。実施例7では、乾燥帯5の温度は890〜1020℃に制御されており、乾燥帯5の長さは、炉床6の通過時間換算で150秒であった。この条件で乾燥した結果、成形体の爆裂や粉化の問題は起きなかった。還元帯7の最高温度は1300℃で、還元時間13分間であった。実施例7で得られた還元物は、製品塊歩留が91%と高く、また、ダストへの鉄分ロスも1. 7%と低位であった。更に、鉄金属化率は88%と還元も良好であった。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、還元用回転炉床法において、水分を含有している粉体の成形体を適正に乾燥して、また、経済的に酸化金属の還元を行うことができる。また、水分を大量に含有する酸化金属と炭素を含むダストとスラジの処理には有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、押し出し成形装置と回転炉床式還元炉から構成される金属の還元設備の概要を示す図である。
【図2】成形体乾燥時に、成形体が爆裂しない、又は、粉発生比率が10%以下となる状況での最大水蒸発速度( 限界蒸発速度) と気孔率の2乗を成形体の代表径で割った商との関係を示す図である。なお、図中において、限界蒸発速度の単位はg/kg、気孔率の2乗を成形体代表径で割った商の単位は1/mmである。
【図3】本発明の実施に適した回転炉床式還元炉の一例で、炉内で成形体を乾燥する機能を有する回転炉床式還元炉の構造を示す図であり、炉床と炉内雰囲気温度を冷却する機構を有するものである。
Claims (4)
- 回転移動する中央が欠けた円形の炉床の上面に載せた酸化金属と炭素の粉体を含む成形体を炉内の上部空間のガス燃焼熱で焼成還元する炉の内部において、体積の1/3乗の値が5〜21mmであり、かつ、気孔率が40〜55%である成形体を、当該成形体が含有する水の蒸発速度を下記に示す値:V以下、かつ、雰囲気温度を700〜1170℃の状態として、当該成形体の水分を、気孔率のパーセンテージ値の0.2倍以上の質量パーセンテージ値から1質量%以下となるまで乾燥した後に、同一炉内で1100℃以上の温度で還元することを特徴とする酸化金属の還元方法。
ただし、V=300P2/D、なお、Vは水の限界蒸発速度(成形体のドライ質量1キログラム当たりの水分蒸発速度(g/kg・s))、Dは成形体の代表径の値(mm)、また、Pは気孔率(−)である。 - 体積の1/3乗の値が5〜21mmであり、かつ、水分が15〜27質量%である、貫通ノズルから湿潤粉体を押出す型式の成形装置で製造した成形体を、回転炉床式還元炉の雰囲気ガス温度が700〜1170℃の部分に供給して乾燥した後に、当該成形体を引き続き同一の炉内で焼成還元することを特徴とする請求項1に記載の酸化金属の還元方法。
- 回転移動する中央が欠けた円形の炉床の上面に載せた酸化金属と炭素の粉体を含む成形体を炉内の上部空間のガス燃焼熱で焼成還元する炉の内部において、体積の1/3乗の値が5〜21mmであり、かつ、気孔率が40〜55%である成形体を、当該成形体への熱供給速度を下記に示す値:Hin以下、かつ、雰囲気温度を700〜1170℃の状態として、当該成形体の水分を、気孔率のパーセンテージ値の0.2倍以上の質量パーセンテージから1質量%以下となるまで乾燥した後に、同一炉内で1100℃以上の温度で還元することを特徴とする酸化金属の還元方法。
ただし、Hin=820P2/D、なお、Hinは限界熱供給速度(成形体のドライ質量1キログラム当たりの熱供給速度(kW/kg))、Dは成形体の体積の1/3乗の値(mm)、また、Pは気孔率(−)である。 - 体積の1/3乗の値が5〜21mmであり、かつ、水分が15〜27質量%である、貫通ノズルから湿潤粉体を押出す型式の成形装置で製造した成形体を、回転炉床式還元炉の雰囲気ガス温度が700〜1170℃の部分に供給して乾燥した後に、当該成形体を引き続き同一の炉内で焼成還元することを特徴とする請求項3に記載の酸化金属の還元方法。
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