JP3630983B2 - 波面収差測定方法及び波面収差測定装置 - Google Patents

波面収差測定方法及び波面収差測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3630983B2
JP3630983B2 JP12952598A JP12952598A JP3630983B2 JP 3630983 B2 JP3630983 B2 JP 3630983B2 JP 12952598 A JP12952598 A JP 12952598A JP 12952598 A JP12952598 A JP 12952598A JP 3630983 B2 JP3630983 B2 JP 3630983B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
wavefront aberration
measured
incident
measured optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12952598A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11304641A (ja
Inventor
章博 中内
修 此内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP12952598A priority Critical patent/JP3630983B2/ja
Publication of JPH11304641A publication Critical patent/JPH11304641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3630983B2 publication Critical patent/JP3630983B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学系の波面収差測定方法及び波面収差測定装置に関するもので、特に収差の大きな光学系であっても簡単な装置構成で、高精度に波面の回転非対称成分を測定できる波面収差測定方法及び波面収差測定装置を提供することを目的としたものである。
【0002】
【従来の技術】
最近は様々な分野において残存収差の少ない高性能光学系が要求されている。高性能光学系においては残存波面収差を極力ゼロに近づける必要があり、光学設計と製造両面から残存収差の低減を図る必要が生じている。
【0003】
高性能光学系の全系の組上がり後の波面収差を良好にするには、全系を構成する要素である単レンズや、単レンズ数枚からなる群レンズの製造誤差を減らし、各構成要素を設計値により近い性能にすることが必要である。
【0004】
製造の際、低次の球面収差、低次のコマ収差、アス収差等は組立後の空気間隔や単レンズ、群レンズの偏心等により調整可能である。一方、高次のコマ収差、アス収差等の回転非対称成分に関しては、組み立て後の調整方法がない。従って、
高次成分及び回転非対称成分を除去するには、予め組み立て前に各構成要素の持つ透過波面収差を測定し、例えばレンズ面を非球面加工するなどして、各構成要素の波面収差が設計値に近くなるよう補正し、性能を保証する必要がある。
【0005】
しかしながら最終的に組み立てた状態で高性能光学系であっても各構成要素が発生させる透過波面収差は数100λ〜数1000λ、あるいはそれ以上の大収差となるのが通例である。このため、各構成要素の精度検証を通常の干渉計によって測定するのは不可能で、いわゆるヌル法で高精度測定が行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ヌル法で透過波面収差を高精度に測定するには、ヌル法で用いるヌル光学系(ヌルレンズ)の波面収差を高精度に保証する必要がある。ヌルレンズは測定対象となる各構成要素が有する大きな量の波面収差とほぼ同じ大きさで異符号の波面収差を有するレンズである。ヌルレンズは測定の際、原器としての役割をはたすため、ヌルレンズ自体の波面収差の絶対値の保証が重要であるが、収差の量が大きいため保証が非常に困難である。
【0007】
このため、被測定光学系となる各構成要素の精度検証に際しては以下の様な問題がある。即ち
(1) 被測定光学系の透過波面収差をヌルレンズの精度以上に測定することが不可能である。
【0008】
(2) ヌルレンズを被測定光学系の種類毎に製作する必要がある。
【0009】
(3) 上記(1)(2)の結果、装置のコストアップ、大型化、複雑化へとつながる。
【0010】
本発明では、上記の問題点解決のために、ヌルレンズを使用することなく、被測定光学系の透過波面収差を高精度に、且つ簡単な装置構成で測定する波面収差測定方法と波面収差測定装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では自らの主光線軸を中心に回転している被測定光学系に対し、少なくとも一本の十分に細い第1の光束を照射して該照射光のの透過光を得るとともに、該透過光を参照となる第2の光束と干渉させ、被測定光学系の回転に伴う2つの光束の光路長差の変動を観察する操作を、複数の径に対し順次行ない、各測定径における被測定光学系全周の2光路長差から、被測定光学系の透過波面収差の各成分を取得することを特徴としている。
【0012】
即ち本発明の波面収差測定方法及び波面収差測定装置では、被測定光学系を保持しある回転軸を中心に回転させる回転機構と、2つの可干渉性光束の発生手段と、該2つの可干渉性光束のうち少なくとも第1の光束を被測定光学系の所望の径に所望の角度で入射させるための光束偏向手段と、被測定光学系を透過した第1の光束を垂直反射させる光束反射手段と、被測定光学系を透過後、該光束反射手段で垂直反射して再び被測定光学系を透過する第1の光束と、該2つの可干渉性光束のもう一方に当たる第2の光束を結合して干渉させる光学系を有し、被測定光学系の回転に伴って得られる該2つの可干渉性光束の干渉と該回転の方位情報から、被測定光学系の透過波面収差を算出することを特徴としている。
【0013】
2つの可干渉光束のうち、被測定光学系に入射する第1の光束に対し、第2の光束は被測定光学系のある物点に対する主光線と一致させて被測定光学系に入射させたり、被測定光学系のレンズ面により反射させ基準光としたり、被測定光学系外の基準面により反射させ基準光としたりする自由度がある。第1の光束は被測定光学系を往復で透過した後、第2の光束と結合されて干渉し、該干渉信号と被測定光学系の回転方位の情報から被測定光学系の収差を測定する。
【0014】
2つの可干渉光束の干渉信号を高精度に取るため、光束を2周波信号とし、ヘテロダイン検出を行なうと分解能を向上させることができる。
【0015】
本発明の応用例では被測定光学系を被測定光学系の一つの物点に対応する主光線が作る軸を中心に回転するよう保持し、2つの可干渉性光束を回転軸を中心として被測定光学系の同一の径に、同一の入射角度で入射させる。入射した2つの光束は被測定光学系を透過後、光束反射手段で垂直反射し、被測定光学系を再び透過してから結合されて干渉し、該干渉信号と被測定光学系の回転方位の情報から被測定光学系の収差を測定することを特徴としている。
【0016】
被測定光学系の同一の径に、同一の入射角度で入射させるための光束偏向手段は回転軸に垂直な一軸スライドを持ち、該一軸スライドは入射光束を一軸スライドの長手方向に偏向する第1の偏向手段と、一軸スライドに沿って移動し、第1の偏向手段から導かれる光束を被測定光学系の所定の位置に所定の角度で入射させる第2の偏向手段と、第2の偏向手段を回転軸と一軸スライドがなす平面に垂直な軸回りに回転可能とする回転手段を有することを特徴としている。
【0017】
また、光束偏向手段は2つの光線用に各1つで計2つあり、2つの光束偏向手段間の相対角度は可変となる手段を有することを特徴としている。nθ成分を持つ波面収差を測定する時、前記相対角度を
(2m+1)・π/n ただし2m+1<n;m=0、1、2、…と設定すると良い。
【0018】
被測定系の波面収差の測定では所望の径に所望の角度で入射する光束が、複数個の条件で入射する様に順次前記光束偏向手段を制御する、具体的には入射径rを順次変えるように光束偏向手段を調整して被測定光学系の波面収差の情報を得ることを特徴とする。複数個の入射径rで取得された情報を連結することによって被測定光学系の全体の波面収差を高精度に求めることが可能となった。
【0019】
また、本発明は被測定光学系の偏心を測定することも可能であるという特徴がある。偏心測定の場合には回転軸を中心に回転している前記被測定光学系の各面に対し、順次2つの可干渉性光束を被測定光学系対象面の見かけの曲率中心近傍に集光交差させるように照射する。被測定光学系の対象面から反射して戻ってきた2つの可干渉性光束は結合されて干渉し、該干渉信号と被測定光学系の回転方位から被測定光学系各面の前記回転軸に対する偏心量を測定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1の波面収差測定装置(透過波面収差測定装置)の構成を示す図である。xyz軸は図に示す通り、被測定光学系の光軸方向をx軸に一致させる。
【0021】
本実施形態では説明を簡単にするため、物点が被測定光学系の光軸上で、主光線が光軸と一致している場合を例に説明を行なう。
【0022】
図中、1はレーザー光源である。光源の波長は被測定光学系を実際に使用するときの波長が望ましい。2はレーザー光束、24はビーム整形光学系、3は光束2を二つの可干渉性光束2a、2bに分割するとともに、被測定光学系経由後の2光束を重ね合せるという2つの役目を持つ光束分割結合素子である。図1の光束分割結合素子3では光束分割面と光束反射面が平行なプリズムを使用した。
【0023】
7は被測定光学系、8は被測定光学系7を透過した2光束2a、2bを戻すための光束反射手段で、本実施形態では、二つの光束を垂直反射できるように球面ミラーを採用している。球面ミラー8は、2つの光束が垂直反射するように、x方向に移動調整可能となっている。
【0024】
9は被測定光学系7を保持回転する手段、10は保持回転手段9の回転軸、12は保持回転手段9の回転方位検出手段である。13は演算装置で、光検出手段14及び回転方位検出手段12からの信号を処理する。
【0025】
23は光束偏向機構で、偏向手段20、22、一軸スライド21より構成されている。
【0026】
20は光分割結合素子3で分割された光束の一方で回転軸10に平行な光線2aを90°偏向させるミラー等の偏向手段、21はy軸に平行な一軸スライド、22は一軸スライド21方向に移動可能で、z軸回りに回転可能なミラー等の偏向手段である。
続いて本実施形態の作用を説明する。
【0027】
光源であるレーザー1からの光束2はビーム整形光学系24で十分に細い光束に変換された後、光束分割結合素子3により、2光束2a、2bに分割されて回転軸10と平行に偏向される。
【0028】
ビーム整形光学系24で整形後の光束の太さは被測定光学系7の測定したい径以外の影響を受けにくくなるという意味で、細ければ細いほど透過波面収差測定精度に有利である。また、光束の径が細いことは光束内の収差が小さくなることを意味し、干渉縞のS/Nにも有利である。被測定光学系7で発生するの収差が大きくて、2光束の干渉縞変動が検出できないような場合は、ビーム整形光学系24で光束の波面にコマ成分を持たせるなどの整形を施し、光検出手段14において干渉縞変動が観察できるようにすることも可能である。
【0029】
偏向された2光束のうち、光束2bは被測定光学系の光軸上を透過し、球面ミラー8で垂直反射した後、もと来た光路を通って光検出手段14に入射する。
【0030】
一方、光束2aは、光束偏向機構23に入射して偏向手段20でy軸方向に反射後、被測定光学系7の測定したい径rに、測定したい入射角度で入射するように偏向される。具体的には光束2aは偏向手段20で反射した後、一軸スライド21上での位置と、z軸回りの回転を調整された偏向手段22により偏向を受け、被測定光学系7に所望の位置及び角度を持つ光線として入射する。被測定光学系7への光線の入射位置及び角度は被測定光学系7の見かけの曲率中心への入射条件と一致する。従って、入射側から見れば光束2aと2bは被測定光学系7の見かけの曲率中心で集光交差するように照射される。
【0031】
被測定光学系7に入射する光束の入射角度は、被測定光学系7が実際使われる状況に近い状態で入射させるのが適当である。被測定光学系7がある光学系の一要素の場合も、入射光束は被測定光学系7が該光学系に組み込まれたときに光線が透過する状態になるべく近い状態であるが好ましい。例えば被測定光学系7がコリメーターレンズの場合は、被測定光学系7の光軸に平行な光線を入射させるが望ましい。
【0032】
本実施形態の光束偏向機構23は光束の偏向をミラーの移動、回転で行なっているが、本発明の実施形態はこれに限らず、ミラーの代わりに角度可変の光学クサビを用いたり、被測定光学系の光軸に移動可能な集光レンズ等を設けて光束を偏向させる等の変形例が考えられる。
【0033】
球面ミラー8は被測定光学系7の光軸に対し予め別手段により回転軸10に対して無偏心状態にセッティングされるとともに、被測定光学系7透過後の光束2aが垂直反射するように回転軸10の方向にも移動調整されている。従って被測定光学系7透過後の光束2aは、球面ミラー8により垂直反射し、元来た光路を通って光束分割結合素子3により光束2bと結合される。光束2aと光束2bは互いに干渉し、光検出手段14で干渉縞が検出される。
【0034】
2つの光束2a、2bのうち光束2bは、被測定光学系7の光軸を透過しているので、被測定光学系7の回転によって光路長が変化することはない。一方、光束2aは被測定光学系7の収差によって光路長が変動する。従って2つの光束2a、2bの2光路長差データは被測定光学系7の回転に応じて、被測定光学系の収差に対応する変化をする。
【0035】
光検出手段14の信号の観測より2光束の干渉縞のコントラストが最大になるように光束偏向機構23もしくは、球面ミラー8を微調整を行う。
【0036】
該微調整終了後、被測定光学系7の保持回転手段9を回転させ、光検出手段14からの信号と回転方位検出手段12からの信号を演算手段13で処理する。光検出手段14からは2光束の光路長差分に応じた干渉光の強度変化信号が得られる。
【0037】
光検出手段14の信号と測定方位を示す回転方位検出手段12の検出信号を対応つけて記憶することにより、被測定光学系7の該入射光線状態における、被測定光学系全周の2光路長差データを得ることができる。2光路長差データは回転に伴う周期信号となるが、該周期信号の位相検出においては、2光束を2周波光とし、ヘテロダイン法を使用すると、高精度な位相検出が可能である。
【0038】
次いで、光束偏向機構23を調整し光束2aの被測定光学系7への入射径rを順次変化させながら、2光路長差測定を行い、各測定径rに対するレンズ全周の2光路長差データを取得する。入射径rの変更は同一の像点、図1の場合には軸上像点に対する結像光束群を順次選んでいくことにに対応する。
【0039】
測定径rを変えると光束2aの被測定光学系からの射出状態が変化するので、光束2aが球面ミラー8で垂直反射するように、球面ミラー8を回転軸10方向に移動、調整する。球面ミラー8の移動量は移動量検出手段11により測定され、移動に伴う光束2bの光路長の変化による2光路長差に補正をかける。
【0040】
ある径r1とr2で測定したときに、球面ミラー8を光軸方向にΔ移動調整したとすると、光束2bの光路長はr1測定時とr2測定時でΔ変化する。従って測定径r1を基準に透過波面収差測定を行う場合、測定径r2の2光路長差データをΔだけ補正すれば、径r1を基準とした透過波面収差測定が可能となる。
【0041】
以上の手順で複数の径で測定した被測定光学系7全周の2光路長差を、測定した径に関し連結すれば、被測定光学系7全面の透過波面収差を得ることができる。測定に用いた2光束2a、2bは被測定光学系を2回透過しているので、2光路長差データに0.5をかけたものが、被測定光学系の透過波面収差に相当する。
【0042】
実施形態1においては2つの可干渉性光束のうち光束2aを被測定光学系7の任意の位置に該位置に対応した角度で入射させ、もう一本の光束2bを光軸に入射させた。しかしながら本発明はこのような構成に限らず、少なくとも2本の可干渉性光束のうち一本が、被測定光学系の任意の位置に該位置に対応する角度で入射する構成であればよい。図1においては光束2bが被測定光学系の光軸を透過する構成になっているが、光束2bを被測定光学系7の一番上の面でいわゆるキャッツアイ状態にして反射させ、該反射光と光束2aの干渉縞を光検出手段14で検出する構成にしてもよい。また、光束分割結合手段3において、光束2bを光束反射手段25に向かう構成にして、光束反射手段25反射後の光束2bと被測定光学系透過後の光束2aと干渉させる構成にしてもよい。
【0043】
本実施形態では、光束2a、2bの2本ともを球面ミラー8で反射させているが、被測定光学系透過後の光束2aのみを球面ミラー8で垂直反射させ、光束2bは回転軸10上にあり、回転軸10に垂直に設置固定された反射手段で被測定光学系に戻す構成で、球面ミラー8の移動に伴う2光路長差の補正を簡略化することも可能である。
【0044】
また、球面ミラー8の代わりに光束偏向手段23と同じ構成の機構を設けて光束を垂直反射させることも可能である。
【0045】
以上説明した装置構成で行なう透過波面収差測定をフローにしたのが、図2である。
【0046】
s101で被測定光学系7(ワーク)を保持回転手段にセットし、s102でワークの調心、s103で球面ミラー8の移動調整、偏心調整を行う。s104で光束偏向機構23を調整し、被測定光学系7に対して、光束2aが所望の測定径rと角度で入射するように調整する。s105ではワークを回転させて2光路長差の測定を行い、s106で光束往復分の補正を行う。光束2bを被測定光学系7の光軸に透過させる場合は、移動量検出手段11において検出された球面ミラー8の移動量分を補正する。s106までの工程で1つの測定径rでの測定が終了する。
【0047】
さらに他の測定径で測定する場合は、再びs103に戻って測定を繰り返す。全ての測定径を測定し終えると、s107で各径における2光路長差データを連結し、全面の透過波面収差を取得する。この後必要であればs108で透過波面収差をいわゆるクセ等の回転対称な収差や、コマ、アス等の回転非対称な収差等へ分離する。
【0048】
図2は透過波面収差測定フローの一例であって、他にも種々の変形例が適用できる。例えばs103とs104の順序を逆にしてもよいし、s106で2光路長差補正後、すぐにs108で各収差成分の分離をして、全径測定後s107で各測定径データを連結することも可能である。
【0049】
s106で取得されたデータは、被測定光学系7の回転に伴い、1θの周期で変動するコマ成分、2θの周期で変動するアス成分などの回転非対称成分、被測定光学系の回転によらず変動しないクセ成分等の回転対称成分の和になっている。s106のデータをフーリエ変換等し、回転非対称な各成分と、回転対称成分を分離してから、全径測定後s107で各成分を連結し全面情報とすることができる。
【0050】
以上の説明は被測定光学系7が回転軸10に対して無偏心の状態にセットされている状態について行なってきた。偏心のある場合には本出願人により出願済みの2ビーム利用の偏心測定装置の特許の機能を本発明に付加すれば、無偏心状態へのセッティングを容易に行なうことが可能となる。
【0051】
偏心の測定は被測定光学系7の各面に関し光束偏向機構23に近い面から順に2光束2a、2bを順次垂直入射させて行なう。従って、入射する2光束は被測定系各面の見かけの曲率中心近傍に集光交差するするように照射されることになる。
【0052】
偏心量は入射させた2ビームが測定対象面で反射して戻り、形成する干渉縞で測定を行なう。奥側の偏心の測定には手前側の面の偏心状態を換算して補正計算をかける。各面の偏心量をもとに光軸が算出され、回転軸10に対する被測定光学系7の光軸の偏心量が取得される。取得された偏心量を元に被測定光学系7を調心し、被測定光学系7の光軸と回転軸とが無偏心状態になるまで、偏心測定と調心の作業を繰り返す。
【0053】
偏心測定の時の光源は透過波面収差測定時と同じものでも構わないが、光源を切り替えて被測定光学系7の各面の反射率が高い波長のものを使用すると、戻り光の光量に関して有利で、干渉縞のS/N比が向上する。
【0054】
このように、本発明では同一の装置構成で、被測定光学系の偏心測定も可能なため、ヌル法に比べ高精度で、かつ小型な装置で透過波面収差の測定が可能である。
【0055】
本実施形態では説明を簡単にするため、物点が被測定光学系7の光軸上にあり、主光線が光軸と一致している場合を例に説明した。別の実施形態として被測定光学系7を光軸外のある物点に対応する主光線回りに回転させて波面収差を測定する場合も原理は同一である。光軸外の物点に対しての構成例は実施形態5で祥述するが、本実施形態の保持回転手段9の代わりに図7に示す被測定光学系7を傾斜し、平行移動させる保持回転手段33を用い、被測定光学系7を測定したい主光線回りに回転させることで透過波面の測定が可能となる。
【0056】
本発明の実施形態2の波面収差測定装置及び波面収差測定方法は、十分に細い可干渉性の2光束を被測定光学系7の光軸を中心として同一の径rに同一の入射角度で照射し、特に回転非対称な透過波面収差うちnθ成分(n;2m+1、m=0、1、2、…)を高精度に測定するのに適したものである。
【0057】
本実施形態においても、説明を簡単にするため、物点が被測定光学系の光軸上にあり、主光線が光軸が一致している場合を例に説明する。
【0058】
図3は本発明の実施形態2の波面収差測定装置の構成を示すものである。図中、図1と共通のものは同一の符号とし、座標軸の取り方も図1と同じで、被測定光学系の光軸方向をx軸に一致させている。
【0059】
図中、1はレーザー光源で、光源の波長は被測定光学系7を実際に使用するときの波長が望ましい。2はレーザー光束、24はビーム整形光学系、3は光束2を2つの可干渉性光束2a、2bに分割するとともに、被測定面反射後の2光束を重ね合せる光束分割結合素子である。光束分割結合素子3は本実施形態では、光束分割面と光束反射面が平行なプリズムを使用した。
【0060】
4は2光束2a、2bを被測定光学系7の任意の位置に該位置に対応した角度で入射させる2光束偏向機構で、2光束を偏向させる素子5である直角プリズムミラーとz軸回りの回転とy軸方向への移動が可能な偏向ミラー6a、6bより構成されている。
【0061】
7は被測定光学系、8は被測定光学系を透過した2光束2a、2bを戻すための光束反射手段で、本実施形態では球面ミラーが用いられている。球面ミラー8は透過してきた2光束が垂直反射するように、x方向に移動調整可能である。
【0062】
9は被測定光学系7の保持回転手段、10は保持回転手段9の回転軸、12は保持回転手段9の回転方位検出手段、13は演算装置、14は光検出手段である。
【0063】
次いで本実施形態の作用について説明する。
【0064】
光源であるレーザー1からの光束2はビーム整形光学系24で十分に細い光束に変換された後、光束分割素子3により2光束2a、2bに分割されて、回転軸10に平行に偏向され、2光束偏向機構4へ向かう。
【0065】
ビーム整形光学系24で整形後の光束の太さは被測定光学系7の測定したい径以外の影響を受けにくくなるので、細ければ細いほど透過波面収差測定精度に有利である。また、光束の系が細いことは光束内の収差が小さくなることを意味し、干渉縞のS/Nにも有利である。被測定光学系7で発生するの収差が大きくて、2光束の干渉縞変動が検出できないような場合は、ビーム整形光学系24で光束の波面にコマ成分を持たせるなどの整形を施し、光検出手段14において干渉縞変動が観察できるようにすることも可能である。
【0066】
2光束偏向機構4は2光束2a、2bが被測定光学系7に対し、回転軸10を中心として相対方位180°で入射するように、左右対称に構成されている。
【0067】
2光束偏向機構4に入射した2光束2a、2bは、偏向手段5により相対角度180°で、y軸に平行に偏向される。次いで2光束2a、2bは、y方向に移動可能で、z軸回りに回転可能な偏向手段6a、6bによって回転軸10に対し相対方位180°の軸対称な状態で偏向を受け、被測定光学系7に向かう。
【0068】
本実施形態の2光束偏向機構では、偏向手段6a、6bの移動、回転で、2光束の偏向方向を変化させているが、本発明はこれに限らず、角度可変の光学クサビを用いたり、2光束偏向機構として被測定光学系7の光軸10に移動可能な集光レンズを設けて2光束を入射させ、偏向させることも可能である。
【0069】
被測定光学系7に入射する2光束の入射角度は、被測定光学系7が実際使われる状況に近い状態で入射させるのが適当である。被測定光学系7がある光学系の一要素の場合も、入射光束は被測定光学系7が該光学系に組み込まれたときに光線が透過する状態になるべく近い状態であるが好ましい。例えば被測定光学系7がコリメーターレンズの場合は、被測定光学系7の光軸に平行な光線を入射させるが望ましい。
【0070】
被測定光学系7はあらかじめ別手段により光軸と回転軸10が一致した無偏心状態にセットし、保持回転手段9に保持される。被測定光学系7を透過した2光束は、回転軸10方向に移動可能な球面ミラー8により反射する。球面ミラー8はあらかじめ、回転軸10に対して無偏心状態になるよう、回転軸10に垂直な方向に調整しておく。2光束は球面ミラー8で垂直反射後、同一光路を辿って、今度は光束分割結合素子3で重ね合わされ干渉縞を生じる。2光束の干渉縞は光検出手段14により検出される。光検出手段14の信号の観測より、2光束の干渉縞のコントラストが最大になるように2光束偏向機構4もしくは、球面ミラー8を微調整を行う。光検出手段14の出力信号は演算手段13に送られる。
【0071】
微調整終了後、保持回転手段9の回転に伴う光検出手段14からの信号と回転方位検出手段12からの信号が演算手段13で処理される。保持回転手段9の回転に伴い、光検出手段14は2光束2a、2bの光路長差分に応じた干渉光の強度変化信号を出力する。光検出手段14の検出信号と測定方位を示す回転方位検出手段12の検出信号を対応つけて記憶することによって、該入射光線状態における、被測定光学系7全周の2光路長差データを得ることができる。
【0072】
2光路長差は回転に伴う周期関数となるが、該周期信号の位相検出においては、2光束を2周波光とするヘテロダイン法を使用すると、高精度な位相検出が可能である。
【0073】
次いで、2光束の被測定光学系7への入射径rが順次変化するように、2光束偏向機構4を調整し、各測定rにおける被測定光学系7全周の2光路長差測定を行う。
【0074】
測定された2光路長差は、2光束の被測定光学系入射時の相対方位が180°であるため、図5で示す透過波面収差の回転非対称成分のうち1θ成分(コマ)、3θ成分等の(2m+1)θ、(m=0、1、2、…)の奇数次の非対称成分を合成した形となり、2θ(アス)、4θ等の偶数次の成分は持たない。
【0075】
即ち、ある径rにおける被測定光学系の透過波面収差のnθ成分(n=1、2、…)を振幅An、初期位相θnを用いて、
sin(nθ+θn
という形で表わすとすると、光路長差Lは2光束の被測定光学系入射時の相対方位が180°なので、
(1) L=Σλ[A sin(nθ+θn)ーA sin(nθ+nπ+θn)]
=Σ2λAsin(nθ+θ)・δ2m+1(=0、1、2、…)
とnが奇数の成分だけが残り、残った成分については各成分の振幅Anが2倍になって測定される。ここで、δはクロネッカーのデルタで、i=jなら1、i≠jなら0である。
【0076】
また、透過波面収差のうち、回転対称成分は同一径rでは方位によらず一定なので、本実施形態で出力される2光路路長差には含まれない。
【0077】
光検出手段14で検出される2光路長差は、2光束が被測定光学系7を2度透過しているので、実際の検出値は(1)式の2倍の値になる。検出される信号には装置構成により元々存在する2光路長差など、被測定光学系の回転により変化しない成分も含まれているが、これらは、演算手段13において補正して除去可能なため、最終的にある径rにおける、被測定光学系7全周の透過波面収差を得ることができる。
【0078】
以上のように、被測定光学系の同一径に相対方位180°で可干渉性の2光束を入射させることで、奇数次の回転非対称成分だけを高いS/N比で、高精度に測定できることとなる。
【0079】
測定された被測定光学系7全周の透過波面収差から特定の成分をみるには、各径rに関して測定された透過波面収差に対しフーリエ変換やフィッティングを行い、対象成分を取り出せばよい。
【0080】
例えば、コマ成分は1θ成分に相当するので、透過波面収差データから1θ成分だけをとりだせばよい。
(2) WACM(r)=C(r)・sin(θ+y(r))、
ここで、C(r)は測定径rにおける被測定光学系7の透過波面収差のコマ成分の振幅、y(r)は測定径rにおけるコマ成分の初期位相である。
【0081】
被測定光学系7の持つ透過波面収差のコマ成分の振幅C(r)と初期位相y(r)ををさらに、rの関数で表したい場合は以下のように行う。
【0082】
透過波面収差のコマ成分を、(3)式の様に記述し直す。
(3) WACM(r)=A(r)cosθ+B(r)sinθ
ただし、
(4) A(r)=Wr+Wr+Wr+Wr+Wr+…、
(5) B(r)=Wr+Wr+Wr+Wr+W10r+…、
である。
【0083】
ここでW、W、…は、透過波面波面収差係数のコマ成分に関するものである。
【0084】
(2)式と(3)式を対応させると、
(6) C (r)=A(r)+B(r)
(7) tany(r)=A(r)/B(r)
となる。各測定径rに関する測定結果C(r)、y(r)をもとに(4)〜(7)式を用いて最小自乗法等でフィッティングを行えば、コマの各波面収差係数W、W、…を得ることができ、被測定光学系7全面の透過波面収差を得ることができる。
【0085】
同様にして、他の奇数次の非回転対称成分についても透過波面収差のコマ成分を得ることが可能である。
【0086】
被測定光学系7の透過波面収差の3θ成分、5θ成分は、測定径rにおけるレンズ全周の透過波面収差から、3θ成分、5θ成分をフーリエ変換や、フィッティング等で抽出し、以下のように表わすことができる。
(8) WA(r)=C(r)・sin(3 θ+y(r))、
(9) WA(r)=C(r)・sin(5 θ+y(r))。
【0087】
数式(8)は3θ成分、数式(9)は5θ成分に対応する。C(r)、C(r)は測定径rにおける透過波面収差の3θ成分、5θ成分の振幅、y(r)、y(r)は測定径rにおける3θ成分、5θ成分の初期位相である。
【0088】
被測定光学系7の持っている透過波面収差の3θ成分の振幅や初期位相をrの関数で表したい場合も、1θ成分であるコマ成分と同じように計算することができる。
【0089】
波面収差の3θ成分を、以下の様に記述する。
(10) WA(r)=A(r)cos3θ+B(r)sin3θ
ただし、
(11) A(r)=W31r+W33r+W35r+W37r+W39r+…
(12) B(r)=W32r+W34r+W36r+W38r+W310r+…
ここで、W31、W32、…は、波面収差係数の3θ成分に関するものである。
(8)式と(10)式を対応させると、
(13) C32(r)=A (r)+B (r)
(14) tany(r)=A(r)/B(r)、
となる。各測定径rに関する測定結果C(r)、y(r)をもとに(11)〜(14)式を用いて最小自乗法等でフィッティングを行えば、3θ成分の各波面収差係数W31、W32、…を得ることができる。
【0090】
5θ成分、あるいはより高次の奇数次の成分の振幅をrのべきで表したい場合も、上記手法と同様な方法で可能である。
【0091】
以上の説明は被測定光学系7が回転軸10に対して無偏心の状態にセットされている状態について行なってきた。偏心のある場合には実施形態1の様に本出願人により出願済みの2ビーム偏心測定装置の特許の機能を本発明に付加すれば、無偏心状態へのセッティングを容易に行なうことが可能となる。
【0092】
偏心の測定は被測定光学系7の各面に関し2光束偏向機構4に近い面から順に2光束2a、2bを順次垂直入射させて行なう。偏心量は入射させた2ビームが測定対象面で反射して戻り、形成する干渉縞で測定を行なう。奥側の偏心の測定には手前側の面の偏心状態を換算して補正計算をかける。各面の偏心量をもとに光軸が算出され、回転軸10に対する被測定光学系7の光軸の偏心量が取得される。取得された偏心量を元に被測定光学系7を調心し、被測定光学系7の光軸と回転軸とが無偏心状態になるまで、偏心測定と調心の作業を繰り返す。
【0093】
偏心測定の時の光源は透過波面収差測定時と同じものでも構わないが、光源を切り替えて被測定光学系7の各面の反射率が高い波長のものを使用すると戻り光の光量に関して有利で、干渉縞のS/N比が向上する。
【0094】
このように、本発明では同一の装置構成で、被測定光学系7の偏心測定も可能なため、ヌル法に比べ高精度で、かつ小型な装置で透過波面収差の測定が可能である。
【0095】
本実施形態では、相対方位として、透過波面のコマ成分に関して2光路長差が最大になる180°を採用しているが、コマ成分の測定は相対方位が0°以外ならば、何度でもかまわない。例えばコマ成分が大きい場合、相対方位180°ではサンプリング間隔を小さくしないと測定不能になる場合がある。測定不能の場合は相対方位を小さくして測定を行うと、2光路長差が小さくなり有利である。
【0096】
本実施形態2の透過波面収差測定装置を用いるときのフローが図4である。
【0097】
s101で被測定光学系7(ワーク)を保持回転手段9にセットし、s102でワークの調心、s103で球面ミラーの移動調整、偏心調整を行う。次いでs104で2光束2a、2bが被測定光学系に対して所望の測定径rと角度で入射するように、2光束偏向機構4を調整する。s105ではワークを回転させて2光路長差の測定を行い、s106で光束往復分等の2光路長差補正を行って、s107で各成分(nθ成分、nは奇数)を抽出する。s107までで1つの測定径rにおける測定が終了する。さらに他の測定径で測定する場合は、s103に戻って測定を繰り返す。全ての測定径を測定し終えたならば、s108で全面の透過波面収差の算出を行う。
【0098】
本実施形態の透過波面収差の測定フローは図4に限定されない。例えばs107のθ成分抽出と2光路長差補正は全測定径測定後一括に行うことにして、s105で2光路長取得後すぐにs103に戻って測定を続けてもいいし、s103とs104を逆にしてもよい。
【0099】
また、s106で2光路長差を補正したあとs107のステップを行わず、全ての測定径について測定を行い、各径における2光路長差データを連結して全面情報に直してから、各収差成分の分離を行うことも可能である。
【0100】
本実施形態でも説明を簡単にするため、物点が被測定光学系7の光軸上にあり、主光線が光軸と一致している場合を例にとって説明した。別の実施形態として被測定光学系7の光軸外のある物点に対応する主光線回りに被測定光学系を回転させて測定する場合も原理は同一である。光軸外の物点に対しての構成例は実施形態5で祥述するが、本実施形態の保持回転手段9の代わりに図7に示す被測定光学系7を傾斜し、平行移動させる保持回転手段33が用いられる。被測定光学系7を測定したい主光線回りに回転させ、2光束偏向機構4が2光束2a、2bを主光線がなす軸に対して被測定光学系7の同一径に入射させるような構成にすると、光軸外の物点に対しても測定可能となる。
【0101】
本発明の実施形態3の波面収差測定装置及び波面収差測定方法は、3θ成分、5θ成分等のnθ成分(nは奇数)の透過波面収差を測定する場合に関するものである。実施形態2では1θ成分のコマ収差を精度良く測定するため、2光束の相対方位を180°に設定した。しかしながら3θ成分、5θ成分等の3以上の高次のnθ成分(nは奇数)の透過波面収差を測定する場合には、2光路長差が最大になる2光束の相対方位は必ずしも180°に限定されず、2光束の相対方位が、
(15) (2+1)・π/n、
ただし、(2+1)<n;m=0、1、2、…、
なら、2光路長差の振幅が最大値となり、最もS/N比が高い状態となる。
【0102】
例えば3θ成分の場合は相対方位πのほかに相対方位π/3、5θ成分の場合は相対方位π/5、3π/5の場合でも2光路長差が最大となる。さらに、2光束の相対方位を180°以外にしておけば、1θ成分であるコマ成分の影響が小さくなるので、高次の奇数次成分測定時に観測したい成分のS/N比が向上する。
【0103】
2光束の相対方位を180°を含めて可変としたのが本発明の実施形態3で、図3の波面測定装置の2光束偏向機構4を図6に示す2光束偏向機構4’で置換したことが特徴である。
【0104】
以下、図6と図3を併用し、2光束の相対方位をπ/3=60°としたときを例に説明を行なう。これまでの実施形態と同じ部材に関しては同一の符号が付けてあり、座標の取り方も前実施形態と同じとする。図6は2光束偏向機構4’を図3におけるxの負の側からみている。また、本実施形態においても、説明を簡単にするため、物点が被測定光学系の光軸上にあり、主光線と光軸が一致している場合を例に説明する。
【0105】
本実施形態の2光束偏向機構4’は、偏向手段5a、5bと偏向手段6a、6bを有し、yz平面にある一軸スライダ102a、102bと、各一軸スライダの相対角度を可変とするスライド角度可変手段101から構成されている。図6では、一軸スライド102aが固定で、一軸スライド102bを回転させる構成となっている。102b側を回転側としたのは光束2bが被測定光学系7の光軸である回転軸10上を走っているためである。一軸スライド102bが固定で一軸スライド102aが回転する構成、あるいは一軸スライド両方が回転する構成も微小な系の変更で実現することができる。
【0106】
偏向手段5a、5bは、図3に示す2光束分割結合素子3から来た2光束2a、2bが一軸スライダ102bの回転に追随し、各一軸スライダ102a、102bの長手方向に平行に偏向されるように設置される。偏向手段6a、6bは各一軸スライダ方向に移動可能で、各一軸スライド102a、102bとx軸が作る平面に垂直な軸回りに回転可能となっている。
【0107】
本実施形態における2光束偏向機構4’の作用は次のとおりである。
【0108】
図6で2光束2a、2bは不図示の2光束分割結合素子3により、回転軸10に平行に偏向される。2光束分割結合素子3は回転軸10と一致する光路を通過する偏向光束2bが回転軸10上に存在する偏向手段5bで反射し、回転軸10に平行でy軸方向にシフトした光路を通る光束2aがy軸上に存在する偏向手段5aで反射するように光路を調整する。
【0109】
2光束2a、2bは、スライド角度可変手段101により相対角度60°を持つように調整された一軸スライド102a、102b上の偏向手段5a、5bにより、各一軸スライドに平行で相対角度60°を持つよう偏向を受ける。偏向を受けた2光束2a、2bは、あらかじめ被測定光学系7の測定したい同一径rに同一入射角度で入射するように移動調整した偏向手段6a、6bにより偏向され、被測定光学系7へ向かう。2光束2a、2bは被測定光学系7透過後、図3に示すようにあらかじめ移動調整済みの球面ミラー8に垂直入射して反射され、同一光路を辿ってもとの光学系に戻る。次いで2光束2a、2bは2光束分離結合素子3で合成されて受光素子14上に干渉縞を生じ、2光路長差が観測される。球面ミラー8の位置は必要に応じて微調整が行なわれる。
【0110】
微調整が終了すると被測定光学系7は保持回転手段9で回転され、光検出手段14からの信号と回転方位検出手段12からの信号が演算手段13で処理される。光検出手段14から得られるのは保持回転手段9の回転に応じた2光束の光路長差による干渉光の強度変化信号で、該強度変化信号は回転に伴う周期信号である。該周期信号と測定方位を示す回転方位検出手段12の検出信号とを対応つけて記憶することにより、被測定光学系7の入射径rでの入射光線状態における、被測定光学系全周の2光路長差データを得ることができる。
【0111】
次いで、一軸スライド102a、102b間の相対角度を60°に保ったまま、2光束の被測定光学系7への入射径rが順次変化するように2光束偏向機構4’を調整し同様の2光路長差測定を行う。測定された2光路長差データから実施形態2のように3θ成分を抽出すれば、被測定光学系7の測定径rにおける透過波面収差の3θ成分を取得することができ、同様に径rについての取得データを連結すれば、3θ成分の波面収差係数が取得できる。
【0112】
透過波面収差の5θ成分も同様に、2光束偏向機構4’のスライド角度可変手段101により、一軸スライダ102s、102bの相対角度を18°か、54°にすることで測定可能である。同様に、スライド角度可変手段101を用いて一軸スライド間の相対角度を変化させれば、さらに高次のnθ成分(nは奇数)の透過波面収差の測定も可能である。
【0113】
本実施形態でも説明を簡単にするため、物点が被測定光学系7の光軸上にあり、主光線が光軸と一致している場合を例に説明した。別の実施形態として被測定光学系7の光軸外のある物点に対応する主光線回りに被測定光学系を回転させて測定する場合も原理は同一である。光軸外の物点に対しての構成例は実施形態5で祥述するが、本実施形態の保持回転手段9の代わりに図7に示す被測定光学系7を傾斜し、平行移動させる保持回転手段33が用いられる。被測定光学系7を測定したい主光線回りに回転させ、図6に示す2光束偏向機構4’が2光束2a、2bを主光線がなす軸に対して被測定光学系7の同一径に同一の入射角度で入射する構成にすると、光軸外の物点に対しても測定可能となる。
【0114】
本発明の実施形態4の波面収差測定装置及び波面収差測定方法は、透過波面収差のうちアス成分(2θ)の測定に関するものである。本実施形態でも説明を簡単にするため、物点が被測定光学系の光軸上にあり、主光線が光軸が一致している場合を例に説明する。
【0115】
アス成分に限らず透過波面収差のθ成分(nは偶数)を測定する場合、被測定光学系に入射させる2光束の相対方位は、(15)式と同様に、
(16) (2+1)・π/n、
ただし、(2+1)<n;m=0、1、2、…、
のとき2光路長差の振幅が最大値をとり、観測したい成分のS/N比が向上する。例えば2θ成分の場合は相対方位π/2、4θ成分の場合は相対方位π/4、3π/4の場合に2光路長差が最大となる。
【0116】
透過波面収差のアス成分を測定する波面測定装置の構成は実施形態2で説明したものを使用する。即ち、図3の波面測定装置において2光束偏向機構4を図6の2光束偏向機構4’に置換した構成である。
【0117】
実施形態4では図6の2光束偏向機構4’でスライド角度可変手段101により、一軸スライド102a、102bの相対角度を90°にしてアス成分の測定を行なうことを特徴としている。
【0118】
光源であるレーザー1からの光束2はビーム整形光学系24で十分に細い光束に変換された後、光束分割結合素子3により2光束2a、2bに分割されて回転軸10に平行な光束となって、図の2光束偏向機構4’に入射する。2光束分割結合素子3は回転軸10上を通る光束2bが回転軸10上に存在する偏向手段5bで反射し、
回転軸10と平行でy軸方向にシフトした位置を通る光束2aがy軸上に存在する偏向手段5aで反射するように予め調整を行なっておく。
【0119】
2光束2a、2bは、スライド角度可変手段101により相対角度90°を持つように調整された一軸スライド102a、102b上の偏向手段5a、5bにより、各一軸スライドに平行になるように偏向を受ける。偏向を受けた2光束2a、2bは、あらかじめ被測定光学系7の測定したい同一径rに同一角度で入射するように移動調整した偏向手段6a、6bで偏向を受け、被測定光学系7へと向かう。
【0120】
2光束の被測定光学系7への入射角度は実施形態1で説明したように、該被測定光学系7が実際に使われる状況に近い角度とすることが望ましい。
【0121】
2光束2a、2bは被測定光学系7透過後、図3で示した球面ミラー8で垂直反射し、同一光路を辿ってもとの光学系に戻る。次いで、2光束2a、2bは2光束分離結合素子3で結合されて光検出手段14上に干渉縞を形成し、光電信号に変換される。光検出手段14の信号の観測より2光束の干渉縞のコントラストが最大になるように2光束偏向機構4’もしくは、球面ミラー8の微調整を行う。
【0122】
微調整が終了すると、被測定光学系7は保持回転手段9により回転され、光検出手段14からの信号と回転方位検出手段12からの信号が演算手段13で処理される。光検出手段14から得られるのは保持回転手段9の回転に応じた2光束の光路長差による干渉光の強度変化信号で、該強度変化信号は回転に伴う周期信号である。該周期信号と測定方位を示す回転方位検出手段12の検出信号とを対応つけて記憶することにより、被測定光学系7の入射径rでの入射光線状態における、被測定光学系全周の2光路長差データを得ることができる。
【0123】
獲得された2光路長差データから2θ成分を抜き出せば、被測定光学系7の光軸を中心とした透過波面収差のアス成分が測定できる。本実施形態では2光束を相対方位90°で被測定光学系7に入射させているので、2θ成分は高いS/N比で測定される。
【0124】
同様に、一軸スライド102a、102b間の相対角度を90°に保ったまま、2光束の被測定光学系7への入射径rが順次変化するように2光束偏向機構4’を調整し、2光路長差測定を行う。測定された2光路長差データから実施形態2と類似の手順で2θ成分を抽出すれば、被測定光学系7の測定径rにおける透過波面収差の2θ成分を取得することができ、径rについての取得データを同様に連結すれば、2θ成分の波面収差係数が取得できる。
【0125】
本実施形態でも説明を簡単にするため、物点が被測定光学系7の光軸上にあり、主光線が光軸と一致している場合を例に説明した。別の実施形態として被測定光学系7の光軸外のある物点に対応する主光線回りに被測定光学系7を回転させて測定する場合も、原理は同一である。光軸外の物点に対しての構成例は実施形態5で祥述するが、本実施形態の保持回転手段9の代わりに図7に示す被測定光学系7を傾斜し、平行移動させる保持回転手段33が用いられる。被測定光学系7を測定したい主光線回りに回転させ、図6に示す2光束偏向機構4’が2光束2a、2bを主光線がなす軸に対して被測定光学系7の同一径に同一の入射角度で入射させる構成にすると、光軸外の物点に対しても測定が可能である。
【0126】
本発明の実施形態5は物点が被測定光学系の軸外にある場合の波面収差測定装置及び波面収差測定方法で図7に示す構成を取ったものである。
【0127】
図中、これまでの実施形態と共通の部材は同一の符号で示され、座標系も図1と同様に設定されている。
【0128】
新たに導入された部材で29は偏向手段、4’’は2光束偏向機構で光束分割結合素子30、偏向手段31、32a、32bからなっている。30は光束分割結合素子で光束を2つの可干渉性光束2a、2bに分割するとともに、被測定光学系7透過後に戻ってきた2光束を重ね合せる。31は光束2aの偏向手段、32a、32bはそれぞれ光束2a、2bの偏向手段で、y軸方向に移動可能で、z軸回りに回転可能となっている。33は被測定光学系7の保持回転手段で、被測定光学系7を傾斜及び方向移動させ、該傾斜及び移動量は回転方位検出手段12でモニターされている。
【0129】
本実施形態は、保持回転手段33により被測定光学系7が平行移動と傾斜でき、軸外の物点に対応する主光線を軸として回転できる構成となっている点が実施形態1との違いである。また、2光束偏向機構4”は2光束の一方を主光線として入射させ、もう一方を被測定光学系7の所望の位置に所定の角度で入射させる。
【0130】
先ず、保持回転手段33は被測定光学系7の測定対象となる軸外の物点に入射する主光線と回転軸10が一致するように、傾斜、平行移動量を調整する。
【0131】
レーザー1から出射した光束2は、ビーム整形手段24で十分に細い光束に変換された後、偏向手段29で偏向を受け、2光束分割結合素子30で、2光束2a、2bに分割される。光束分割結合素子30により反射された光束2bは偏向手段32bへ到達し、被測定光学系7の測定対象となっている軸外物点に対応する主光線と一致するよう偏向される。2光束分割結合素子30を透過した光束2aは偏向手段31で反射後、偏向素子32aにより被測定光学系7の所望の位置に所望の角度で入射するように偏向される。
【0132】
2光束2a、2bは被測定光学系7を透過し、あらかじめ2光束が垂直反射するように調整された球面ミラー8に垂直入射し反射される。球面ミラー8は保持回転手段33による被測定光学系7の回転に伴い、回転軸10回りを保持回転手段33に同期して回転する。球面ミラー8を反射した2光束は被測定光学系7を同一光路を辿って透過して戻り、光束分割結合素子30で重ね合わされて光検出手段14上に干渉縞を形成する。
【0133】
上記状態で、被測定光学系7の回転保持手段33を回転させると、光検出手段14からは2光束の光路長差分に応じた干渉光の強度変化信号が周期信号として得られる。該強度変化信号と測定方位を示す回転方位検出手段12の検出信号を対応つけて記憶することによって、該入射光線状態における被測定光学系7全周の2光路長差データを得ることができる。光検出手段14からの信号と、回転方位検出手段12からの信号は演算手段13で処理される。
【0134】
本実施形態での位相検出方法も、実施形態1等と同じく2光束2a、2bを2周波光とし、ヘテロダイン法を使用すると高精度位相検出が可能である。
【0135】
光束2bは回転軸10上を透過しているので、被測定光学系7が回転しても光路長が変化することはないが、光束2aは被測定光学系7の収差によって光路長が変動する。得られた2光路長差データは回転保持手段33の回転に応じて、被測定光学系7の収差に対応する変化をする。
【0136】
次いで、光束2bの被測定光学系入射状態は固定のまま光束偏向機構4’’内の偏向手段32aを調整し、光束2aの被測定光学系7への入射径rを所定量変化させて2光路長差測定を同様に行う。入射径rを順次変化させながら同様の測定を繰り返すことによって、主光線の軸を中心として各測定径rに対するレンズ全周の2光路長差データが取得できる。測定径rの変化に伴って、光束2aの被測定光学系7からの射出状態が変化するので、球面ミラー8は光束2aと2bがで垂直射するように移動、調整される。球面ミラー8の移動に伴い生じる光束2bの光路長変化は、球面ミラー8の移動量を移動量検出手段11により測定した値を用いて補正をかける。
【0137】
以上の手順で光束2aの入射状態を変え、回転軸10回りに測定した被測定光学系7全周の2光路長差を複数個の径に関して連結すれば、被測定光学系7全面の透過波面収差を得ることができる。得られるデータは光束2bが被測定光学系7に入射する状態が、被測定光学系7のある物点に対する主光線と同等としたときのものである。また、2光束は被測定光学系7を2回透過するので、2光路長差データに0.5を乗したしたものが、被測定光学系7の透過波面収差に相当する。
【0138】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の波面収差測定装置及び波面収差測定方法においてはヌルレンズ等を使用することなく、被測定光学系の透過波面収差を高精度に、簡単な装置構成で測定することが可能となった。
【0139】
本発明では2光束の入射状態を調整することであらゆる光学系に対応できるため、被測定光学系毎にヌルレンズを製作という繁雑さからも逃れることができて、コスト面、日程的にも極めて有利である。またヌルレンズを装着、あるいは交換するスペースも不要となるため、装置が大型化しないというメリットもある。
【0140】
精度面についてもヌルレンズ使用時に必要なヌルレンズ自体の収差の絶対値のキャリブレーションが不要で誤差要因が小さい。本発明で測定対象とした波面収差は2光束を干渉させて相対計測可能なものであり、常に一方が参照光となる、または配置上の条件で誤差が最小となるように設定できるため、従来法より高精度な測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の透過波面収差測定装置の構成を示す図
【図2】本発明の実施形態1の透過波面収差測定方法のフローを示す図
【図3】本発明の実施形態2の透過波面収差測定装置の構成を示す図
【図4】本発明の実施形態2の透過波面収差測定方法のフローを示す図
【図5】透過波面収差の回転非対称成分の模式図
【図6】本発明の実施形態3及び4の2光束偏向機構の構成を示す図
【図7】本発明の実施形態5の透過波面収差測定装置の構成を示す図
【符号の説明】
1 レーザー
2 光束
2a,2b 2分割された光束
3 光束分割結合手段
4 2光束偏向機構
4’ 2光束偏向機構
4’’ 2光束偏向機構
5 偏向手段
5a,5b 偏向手段
6a,6b 偏向手段
7 被測定光学系
8 光束反射手段
9 保持回転手段
10 回転軸
11 移動量検出手段
12 回転方位検出手段
13 演算手段
14 光検出手段
20 偏向手段
21 一軸スライド
22 偏向手段
23 光束偏向機構
24 ビーム整形手段
25 光束反射手段
29 偏向手段
30 光束分割結合手段
31 偏向手段
32a、32b 偏向手段
33 保持回転手段
101 スライド角度可変手段
102a,102b 一軸スライド

Claims (33)

  1. 被測定光学系の波面収差を測定する波面収差測定装置において、
    前記被測定光学系を保持しある回転軸を中心に回転させる回転機構と、2つの可干渉性光束の発生手段と、該2つの可干渉性光束のうち少なくとも第1の光束を前記被測定光学系の所望の径に所望の角度で入射させるための光束偏向手段と、前記被測定光学系を透過した第1の光束を垂直反射させる光束反射手段と、前記被測定光学系を透過後、該光束反射手段で垂直反射して再び前記被測定光学系を透過する第1の光束と、該2つの可干渉性光束のもう一方である第2の光束を結合して干渉させる光学系を有し、
    前記被測定光学系の回転に伴って得られる該2つの可干渉性光束の干渉と該回転の方位の情報から、前記被測定光学系の透過波面収差を算出することを特徴とする波面収差測定装置。
  2. 前記回転軸が前記被測定光学系のある物点に対する主光線と一致することを特徴とする請求項1記載の波面収差測定装置。
  3. 前記回転に伴い該光束反射手段が回転することを特徴とする請求項2記載の波面収差測定装置。
  4. 該2つの可干渉性光束の第2の光束を前記主光線が作る軸から前記被測定光学系に入射させるとともに、第1の光束を前記被測定光学系の所望の径に所望の角度で入射させ、該2光束を前記被測定光学系を透過後、該光束反射手段で垂直反射させてもう一度前記被測定光学系を透過させた後、結合し、干渉させることを特徴とする請求項2記載の波面収差測定装置。
  5. 該2つの可干渉光束の第2の光束を前記被測定光学系のレンズ面により反射させ基準光とし、第1の光束を前記被測定光学系の所望の径に所望の角度で入射させて前記被測定光学系透過後、該光束反射手段で垂直反射して再び前記被測定光学系を透過させた後、前記基準光と結合し、干渉させることを特徴とする請求項2記載の波面収差測定装置。
  6. 該2つの可干渉光束の第2の光束を前記被測定光学系外の基準面により反射させて基準光とし、第1の光束を前記被測定光学系の所望の径に所望の角度で入射させて前記被測定光学系透過させた後、該光束反射手段で垂直反射して再び前記被測定光学系を透過させた後、前記基準光と結合し、干渉させることを特徴とする請求項2記載の波面収差測定装置。
  7. 被測定系の所望の径に所望の角度で入射する第1の光束が、複数個の入射径の条件を取る様に、順次前記光束偏向手段を制御して前記被測定光学系の波面収差の情報を得ることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の波面収差測定装置。
  8. 前記複数個の条件で取得された情報を連結して前記被測定光学系の全体の波面収差を得ることを特徴とする請求項7記載の波面収差測定装置。
  9. 該2つの可干渉性光束によって形成される干渉縞の位相を検出する手段がヘテロダイン法であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の波面収差測定装置。
  10. 前記回転軸を中心に回転している前記被測定光学系の各面に対して、順次、前記2つの可干渉性光束を前記被測定光学系の対象面の見かけの曲率中心近傍に集光交差させて照射し、該被測定光学系対象面から反射する2つの可干渉性光束の重ね合せによって形成される干渉縞の変動から、前記回転軸に対する前記被測定光学系各面の偏心量を測定することを特徴とする請求項9記載の波面収差測定装置。
  11. 被測定光学系の波面収差を測定する波面収差測定装置において、
    前記被測定光学系を保持しある回転軸を中心に回転させる回転機構と、2つの可干渉性光束の発生手段と、該2つの可干渉性光束が回転軸を中心として前記被測定光学系に同一の径で同一の入射角度を持って入射するように偏向させる光束偏向手段と、前記被測定光学系を透過した光束を垂直反射させる光束反射手段と、前記被測定光学系を透過後、該光束反射手段で垂直反射して再び前記被測定光学系を透過する該2つの可干渉性光束を結合して干渉させる光学系を有し、
    前記被測定光学系の回転に伴って得られる該2つの可干渉性光束の干渉と該回転の方位の情報から、前記被測定光学系の透過波面収差を算出することを特徴とする波面収差測定装置。
  12. 請求項11記載の光束偏向手段は前記回転軸に垂直な一軸スライドを持ち、該一軸スライドは入射光束を一軸スライドの長手方向に偏向する第1の偏向手段と、該一軸スライドに沿って移動し、第1の偏向手段から導かれる光束を前記被測定光学系の所定の位置に所定の角度で入射させる第2の偏向手段と、第2の偏向手段を前記回転軸と一軸スライドがなす平面に垂直な軸回りに回転可能とする回転手段を有することを特徴とする請求項11記載の波面収差測定装置。
  13. 請求項11記載の光束偏向手段が該2つの可干渉性光束の各々に対して1つずつ計2つ設けられ、該2つの光束偏向手段間の相対角度を可変とする手段を有することを特徴とする請求項12記載の透過波面収差測定装置。
  14. 前記一軸スライドによって設定される被測定系に対する入射径の条件を複数個とし、該複数個の条件を、順次前記一軸スライドを制御して実現して、前記被測定光学系の波面収差の情報を得ることを特徴とする請求項13記載の波面収差測定装置。
  15. 前記複数個の条件で取得された情報を連結して前記被測定光学系の全体の波面収差を得ることを特徴とする請求項14記載の波面収差測定装置。
  16. 該2つの可干渉性光束によって形成される干渉縞の位相を検出する手段がヘテロダイン法であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の波面収差測定装置。
  17. 前記回転軸を中心に回転している前記被測定光学系の各面に対して、順次、前記2つの可干渉性光束を前記被測定光学系の対象面の見かけの曲率中心近傍に集光交差させて照射し、該被測定光学系対象面から反射する2つの可干渉性光束の重ね合せによって形成される干渉縞の変動から、前記回転軸に対する前記被測定光学系各面の偏心量を測定することを特徴とする請求項16記載の波面収差測定装置。
  18. 被測定光学系の波面収差を測定する波面収差測定方法において、
    前記被測定光学系をある回転軸を中心に回転させながら、2つの可干渉性光束のうち少なくとも第1の光束を前記被測定光学系の所望の径に所望の角度で入射させるとともに、前記被測定光学系を行き帰り同一の光路で往復して戻ってきた第1の光束と該2つの可干渉性光束の第2の光束を結合して得られる干渉信号と、前記被測定光学系の回転方位の情報から、前記被測定光学系の波面収差を算出することを特徴とする波面収差測定方法。
  19. 前記回転軸が前記被測定光学系のある物点に対する主光線と一致することを特徴とする請求項18記載の波面収差測定方法。
  20. 該2つの可干渉性光束の第2の光束が前記主光線に一致し、第1の光束が前記被測定光学系の所望の径に所望の角度で入射し、該2光束が前記被測定光学系を行き帰り同一の光路で往復した後、結合して得られる干渉信号と、前記被測定光学系の回転方位の情報から、前記被測定光学系の波面収差を求めることを特徴とする請求項19記載の波面収差測定方法。
  21. 該2つの可干渉性光束の第2の光束を前記被測定光学系のレンズ面により反射させて基準光とし、第1の光束を前記被測定光学系の所望の径に所望の角度で入射し、前記被測定光学系を行き帰り同一の光路で往復した後、前記基準光と結合して得られる干渉信号と、前記被測定光学系の回転方位の情報から、前記被測定光学系の波面収差を求めることを特徴とする請求項19記載の波面収差測定方法。
  22. 該2つの可干渉性光束の第2の光束を前記被測定光学系外の基準面により反射させて基準光とし、第1の光束を前記被測定光学系の所望の径に所望の角度で入射し、前記被測定光学系を行き帰り同一の光路で往復した後、前記基準光と結合して得られる干渉信号と、前記被測定光学系の回転方位の情報から、前記被測定光学系の波面収差を求めることを特徴とする請求項19記載の波面収差測定方法。
  23. 被測定系の所望の径に所望の角度で入射する光束が、複数個の入射径の条件を取る様に、順次前記光束偏向手段を制御して前記被測定光学系の波面収差の情報を得ることを特徴とする請求項20〜22のいずれか1項に記載の波面収差測定方法。
  24. 前記複数個の条件で取得された情報を連結して前記被測定光学系の全体の波面収差を得ることを特徴とする請求項23記載の波面収差測定方法。
  25. 該2つの可干渉性光束によって形成される干渉縞の位相をヘテロダイン法によって検出することを特徴とする請求項18〜24のいずれか1項に記載の波面収差測定方法。
  26. 前記回転軸を中心に回転している前記被測定光学系の各面に対して、順次、2つの可干渉性光束を前記被測定光学系の対象面の見かけの曲率中心近傍に集光交差させて照射し、該被測定光学系対象面から反射する2つの可干渉性光束の重ね合せによって形成される干渉縞の変動から、前記回転軸に対する前記被測定光学系各面の偏心量を測定することを特徴とする請求項25記載の波面収差測定方法。
  27. 光学系の波面収差を測定する波面収差測定方法において、
    前記被測定光学系を保持してある回転軸を中心に回転させながら、2つの可干渉性光束を回転軸を中心として前記被測定光学系に同一の径で同一の入射角度を持って入射させ、該2つの可干渉性光束が前記被測定光学系を往復させて戻った後、結合させて干渉させることによって得られる干渉信号と、前記被測定光学系の回転方位の情報から、前記被測定光学系の波面収差を算出することを特徴とする波面収差測定方法。
  28. 前記被測定光学系に同一の径で同一の入射角度を持って入射する該2つの可干渉性光束の前記回転軸に対する相対角度を可変として前記被測定光学系の波面収差を測定することを特徴とする請求項27記載の波面収差測定方法。
  29. nθ成分を持つ波面収差を測定する時、前記相対角度を
    (2m+1)・π/n ただし2m+1<n;m=0、1、2、…
    と設定することを特徴とする請求項28記載の波面収差測定方法。
  30. 被測定系に対する入射径の条件を複数個として、前記被測定光学系の波面収差の情報を得ることを特徴とする請求項29記載の波面収差測定方法。
  31. 前記複数個の条件で取得された情報を連結して前記被測定光学系の全体の波面収差を得ることを特徴とする請求項30記載の波面収差測定方法。
  32. 該2つの可干渉性光束によって形成される干渉縞の位相をヘテロダイン法によって検出することを特徴とする請求項27〜3のいずれか1項に記載の波面収差測定方法。
  33. 前記回転軸を中心に回転している前記被測定光学系の各面に対して、順次、2つの可干渉性光束を前記被測定光学系の対象面の見かけの曲率中心近傍に集光交差させて照射し、前記被測定光学系対象面から反射する前記2つの可干渉性光束の重ね合せによって形成される干渉縞の変動から、前記回転軸に対する前記被測定光学系各面の偏心量を測定することを特徴とする請求項32記載の波面収差測定方法。
JP12952598A 1998-04-23 1998-04-23 波面収差測定方法及び波面収差測定装置 Expired - Fee Related JP3630983B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12952598A JP3630983B2 (ja) 1998-04-23 1998-04-23 波面収差測定方法及び波面収差測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12952598A JP3630983B2 (ja) 1998-04-23 1998-04-23 波面収差測定方法及び波面収差測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11304641A JPH11304641A (ja) 1999-11-05
JP3630983B2 true JP3630983B2 (ja) 2005-03-23

Family

ID=15011669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12952598A Expired - Fee Related JP3630983B2 (ja) 1998-04-23 1998-04-23 波面収差測定方法及び波面収差測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3630983B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009028332A1 (ja) * 2007-08-27 2009-03-05 Nikon Corporation 波面収差計測装置および方法、並びに波面収差調整方法
CN102261985B (zh) * 2011-06-13 2012-12-12 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 光学系统波像差标定装置及该装置测试误差的标定方法
JP7289780B2 (ja) * 2019-12-17 2023-06-12 キヤノン株式会社 偏芯計測方法および偏芯計測装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11304641A (ja) 1999-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6312373B1 (en) Method of manufacturing an optical system
JP4312602B2 (ja) 非球面表面および波面の走査干渉計
EP1397640B1 (en) Scanning interferometer for aspheric surfaces and wavefronts
JP3971747B2 (ja) 非球面および波面用の走査干渉計
US8913234B2 (en) Measurement of the positions of centres of curvature of optical surfaces of a multi-lens optical system
JP4963231B2 (ja) 再構成可能干渉計システム
US4818108A (en) Phase modulated ronchi testing of aspheric surfaces
JP2010133860A (ja) 形状算出方法
US4762417A (en) Fringe scanning point diffraction interferometer by polarization
JP2001349712A (ja) 面形状測定装置、波面収差測定装置およびこれらを用いて製造された投影レンズ
JPH1163946A (ja) 形状測定方法及び高精度レンズ製造方法
JP3630983B2 (ja) 波面収差測定方法及び波面収差測定装置
US6972850B2 (en) Method and apparatus for measuring the shape of an optical surface using an interferometer
CN114396887A (zh) 一种动态干涉仪及测量方法
JP2007010609A (ja) 非球面レンズ製造方法、非球面レンズの偏心測定方法、偏心測定装置及びこの方法により製造された非球面レンズ
US8743373B1 (en) Metrology of optics with high aberrations
US6721056B1 (en) Surface shape measuring apparatus and method
JPH06288735A (ja) 放物面鏡形状検査測定用の位相共役干渉計
JPH07229721A (ja) 非球面波発生装置及びそれを用いた非球面形状測定方法
CN114739509B (zh) 一种四边形共光路时间调制干涉光谱成像装置及方法
JPH116784A (ja) 非球面形状測定装置および測定方法
JP3679638B2 (ja) 屈折率分布測定方法及びそれを用いた屈折率分布測定装置
JP2001165807A (ja) 非球面偏心測定装置
JP2005147703A (ja) 面間隔測定装置および面間隔測定方法
JP2001304826A (ja) 3次元形状測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees