JP3630403B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、１画面を２分割して２枚の超音波画像を表示する超音波診断装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の超音波診断装置では、モニタの１画面上に１枚の超音波画像を表示するＢモード（Ｂｒｉｇｈｔｎｅｓｓ Ｍｏｄｅ）と、１画面を左右又は上下に２分割して２枚の超音波画像を表示するモード（２Ｂモード）がある。２Ｂモードでは各分割画面にそれぞれＢモードと等倍の２分割画像を表示するように構成され、また、Ｂモード、２Ｂモードのいずれでも、カーソルにより指定された対象臓器の２点間の距離や所定領域の面積を算出するように構成されている。また、他の２分割表示モードとして、各分割画面にそれぞれＢモードとＭ（Ｍｏｔｉｏｎ）モードの各画像を表示したり、Ｂモードとドプラモードの各画像を表示するものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、２分割画像を表示する、例えば２Ｂモードでは、Ｂモードの場合より表示範囲が狭くなり、また、Ｂモードと同じ倍率で表示するので、オペレータにとって２Ｂモードでは表示しきれない部位の距離や面積を計測する場合、画面からはみ出した部位を計測するにはその位置を推測してカーソルにより指定するか、または表示スケールを変更して再度超音波画像を取り込む、のいずれかの方法しかない。このため、前者の方法をとると計測が正確でなく、後者の方法をとると時間がかかるという問題点がある。
【０００４】
本発明は上記従来例の問題点に鑑み、モニタ画面を２分割して２枚の超音波画像を表示するモードにおいて画面からはみ出した部位をオペレータが推測することなくかつ短時間で計測することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、モニタ画面を２分割して２枚の超音波画像を表示する超音波診断装置において、
前記モニタ画面に２分割表示された２枚の超音波画像の一方においてカーソルにより始点が指定された後、前記カーソルが前記２枚の超音波画像の他方に移動した場合、前記カーソルにより、始点が指定された側の前記超音波画像を全画面表示に切り換えて表示する手段を有する。
この構成により、画面からはみ出した部位をオペレータが推測することなく、かつ短時間で計測することができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図１は本発明に係る超音波診断装置の一実施形態を示すブロック図、図２はＢモード表示状態と２Ｂモード表示状態を示す説明図、図３は本発明による表示状態を示す説明図である。
【０００７】
図１において、プローブ１は超音波の送受信部２からの超音波信号により超音波ビームを被検体に照射して走査し、被検体から反射されたエコー信号を送受信部２に出力し、送受信部２は、このエコー信号をＤＳＣ（デジタルスキャンコンバータ）３に出力する。ＤＳＣ３は、この超音波の受信信号をデジタル信号に変換して画面フォーマットに変換し、これをフレームメモリ４に出力する。フレームメモリ４はＤＳＣ３からの２フレーム以上の断層画像を記憶可能な容量を有し、また、フレームメモリ４から読み出された画像が画像合成部６を介してモニタ７に印加されて表示される。
【０００８】
また、グラフィックメモリ５は計測部位を示すキャリパーカーソルを表示するためのメモリであり、画像合成部６はフレームメモリ４からの断層画像とグラフィックメモリ５からのキャリパーカーソルを合成してモニタ７に出力する。操作部９はオペレータが操作するためのキーボード、ジョイスティック、パネルスイッチなどにより構成されている。制御部８は、これらの送受信部２、ＤＳＣ３、フレームメモリ４、グラフィックメモリ５、画像合成部６、操作部９に対して必要な制御を行う。
【０００９】
図２（ａ）は１画面に１断層画像を全画面表示するＢモード表示画面１０を示し、図２（ｂ）は１画面を左右に分割して２枚の断層画像を２分割表示する２Ｂモード表示画面１１を示している。Ｂモード表示画面１０を表示する場合には、図１に示す超音波診断装置において、プローブ１、送受信部２を経由して得られたエコー信号がＤＳＣ３により、モニタ７に表示するフォーマットである直行座標系の画像情報に変換される。そして、このＤＳＣ３により変換された１フレーム分の画像情報がフレームメモリ４に記憶され、次いで読み出された画像がグラフィックメモリ５に記憶されているプローブ名や周波数などの各種テキスト情報と画像合成部６により合成され、これによりＢモード表示画面１０がモニタ７に全画面表示される。動画像を表示している場合は、プローブ１、送受信部２を経由して得られたエコー信号が随時、ＤＳＣ３を経由してフレームメモリ４に送られ、フレームメモリ４に記憶される画像情報もそれに伴い更新される。
【００１０】
計測を行う場合には、操作部９により画像を静止させる旨のボタンが押されると（フリーズ操作）、送受信部２が超音波信号の送信を停止してエコー信号が更新されず、このためフレームメモリ４には画像を静止する直前の情報が残り、それが静止画像としてモニタ７に表示される。さらに計測を行うときには、操作部９により計測を開始する旨のボタンが押され、計測の始点と終点が指示されて、その指示にもとづいてグラフィックメモリ５の計測用のカーソルを書き込むことで、静止画像上に計測部位を指し示すことができる。
【００１１】
一方、操作部９の指示によりＢモード表示から２Ｂモード表示に移行すると、ＤＳＣ３において変換された画像情報は、Ｂモードの場合と同様にフレームメモリ４には完全な１フレーム分の断層像の情報として記憶されているが、画像合成部６においてグラフィック情報と合成されるときに、図２（ｂ）に示す２Ｂモード表示画面１１のように左右それぞれ１／４を切り取った１／２の画像がフレームメモリ４から読み出されてモニタ７に表示される。
【００１２】
ここで、最初に２Ｂモードに移行した状態では２枚の画像のうちの一枚分（例えば左半分）しか表示されていない。さらに、この状態から２Ｂモードの２枚目も表示する旨の操作が行われると、操作が行われる直前の画像情報をフレームメモリ４に残したまま、操作後に得られる画像情報をフレームメモリ４の先の画像情報とは別のエリアに記憶し、これを画像合成部６により右半分に表示されるように読み出して１フレームとしてモニタ７に２分割表示させる。なお、２Ｂモードで２枚の画像を表示する場合、最初の左半分の画像は静止画像であり、２枚目の右半分の画像が動画像となる。また、この状態でフリーズ操作が行われると、２枚分の画像情報がフレームメモリ４に残り、２Ｂモードの静止画像状態となる。２Ｂモードにおける計測機能もＢモードの場合と同様に行われる。
【００１３】
２Ｂモードにおいて計測を行うとき、図２（ｂ）、図３（ａ）に示すようにその表示画面はＢモードの表示の場合に比べ、両端が切れている状態であるので、静止した画像の状態によっては、オペレータが計測したい部位の一部がモニタ７に表示されないことも起こりうる。このような状態でオペレータが計測を行う場合、例えば２Ｂモードの左側半分の画像において計測を行う場合には、始点は左側に画像に指示するが、終点のカーソルは左側の画像表示エリアからはみ出すことが出てくる。
【００１４】
そこで、本発明では、この場合、つまり終点のカーソル位置が左側半分の画像エリアからはみ出したことを検出したとき、図３（ｂ）に示すようにＢモード表示画面１０に切り替える。この処理では、フレームメモリ４上に記憶されている左側の画像情報だけを使用して画像合成部６においてモニタ表示用の情報を再構成して行う。２Ｂモード表示画面１１では、表示画像は左右が切れた形になったいるが、フレームメモリ４上にはＢモード表示画面１０の場合と同じ完全な１フレーム分の画像情報が記憶されているため、画像合成を行うときのフレームメモリ４からの読み出しを変えることにより、静止状態のままＢモード表示画面１０に移行することが可能となる。
【００１５】
また、このとき同時に、計測用のカーソルも画像位置が移動したことに合わせ、グラフィックメモリ５上のカーソル位置を演算により移動させておくと、Ｂモード表示画面１０でも、２Ｂモードで指示したのと同じ場所にカーソルを表示させることが可能となる。このため、画像表示がＢモードになることで２Ｂモード表示では隠れて見えなかった部分が表示され、正確な計測が可能となる。また、計測終了後には、逆の動作原理で、自動的に２Ｂモードに戻ることも可能となる。
【００１６】
また、同様な動作原理により、ＢモードとＭモードの２画面表示、Ｂモードとドプラモードの２画面表示においても、２画面表示では隠れて表示できなかった部分を１画面表示に移行して表示することで、正確に計測することができる。
【００１７】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、モニタ画面に２分割表示された２枚の超音波画像の一方においてカーソルにより始点が指定された後、カーソルが２枚の超音波画像の他方に移動した場合、カーソルにより、始点が指定された側の超音波画像を全画面表示に切り換えて表示するようにしたので、画面からはみ出した部位をオペレータが推測することなくかつ短時間で計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る超音波診断装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図２】（ａ）Ｂモード表示状態を示す説明図である。
（ｂ）２Ｂモード表示状態を示す説明図である。
【図３】（ａ）本発明による２Ｂモード時の表示状態を示す説明図である。
（ｂ）本発明によるＢモード時の表示状態を示す説明図である。
【符号の説明】
１ プローブ
２ 送受信部
３ ＤＳＣ
４ フレームメモリ
５ グラフィックメモリ
６ 画像合成部
７ モニタ
８ 制御部
９ 操作部

Claims (4)

1. モニタ画面を２分割して２枚の超音波画像を表示する超音波診断装置において、
   前記モニタ画面に２分割表示された２枚の超音波画像の一方においてカーソルにより始点が指定された後、前記カーソルが前記２枚の超音波画像の他方に移動した場合、前記カーソルにより、始点が指定された側の前記超音波画像を全画面表示に切り換えて表示する手段を有することを特徴とする超音波診断装置。
2. 前記２枚の超音波画像は２Ｂモード表示画面であることを特徴とする請求項１記載の超音波診断装置。
3. 前記２枚の超音波画像の一方はＢモード表示画面であり、他方がＭモード表示画面であることを特徴とする請求項１記載の超音波診断装置。
4. 前記２枚の超音波画像の一方はＢモード表示画面であり、他方がドプラモード表示画面であることを特徴とする請求項１記載の超音波診断装置。

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