JP3630189B2 - アライメント方法、露光方法、及び露光装置 - Google Patents

アライメント方法、露光方法、及び露光装置 Download PDF

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、又は液晶表示素子等を製造する際に使用される露光装置において、被露光基板上のアライメントマーク、又は基準マーク部材上の基準マーク等の位置を光電検出するアライメント方法に関し、特に露光装置に備えられるアライメント系のベースライン量を計測するための工程に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体集積回路等はウエハ(又はガラスプレート等)上に多数層の回路パターンを積み重ねて形成されるため、そのウエハ上にマスクとしてのレチクルのパターンを露光するために使用されるステッパー等の投影露光装置では、ウエハ上の各ショット領域とこれから露光するレチクルのパターンとの位置合わせ(アライメント)を高精度に行うためのアライメント装置が備えられている。斯かるアライメント装置は、ウエハ上の各ショット領域に付設されたアライメントマーク(ウエハマーク)の位置を検出するアライメントセンサと、その検出結果に基づいてウエハステージを介してそのウエハ上の各ショット領域を露光位置に設定する制御系とより構成されている。
【0003】
そのアライメントセンサとしては、先ず例えば特開昭60−130742号公報に開示されているように、スリット状に集光されたレーザビームとドット列パターンよりなるウエハマークとを相対的に走査して、そのウエハマークから発生する回折光を検出することによりそのウエハマークの位置を検出するレーザ・ステップ・アライメント方式のアライメントセンサ(以下、「LSA系」と呼ぶ)が知られている。その他に、撮像されたウエハマーク像を画像処理して位置検出を行う撮像方式のアライメントセンサ、又は可干渉な2光束を回折格子状のウエハマークに照射してそのウエハマークから同一方向に発生する回折光を受光して、そのウエハマークの位置を検出する2光束干渉方式のアライメントセンサ等も知られている。
【0004】
また、上述のアライメントセンサは、TTR(スルー・ザ・レチクル)方式、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式、又はオフ・アクシス方式として投影露光装置に組み込まれるが、何れの方式でもアライメントセンサの検出中心とレチクルの投影像の中心位置との間には所定のずれ、即ちベースライン量がある。そして、例えばレチクルを交換する毎にそのベースライン量は微妙に変化するため、レチクル交換時等にはベースライン計測工程でそのベースライン量を計測しておく必要がある。
【0005】
そのベースライン量計測時に、投影光学系を介したTTL方式でレチクルのパターンの位置を高精度に計測するアライメントセンサとして、所謂ISS(Imaging Slit Sensor)方式のアライメントセンサ(以下、「ISS系」と呼ぶ)が使用されることがある。このISS系は、ウエハが載置されるウエハステージ上の基準マーク部材上に形成された基準マークを底面側から照明する照明系と、その基準マークを通過した後、投影光学系、及びレチクル上のアライメントマークの近傍を通過した光束を光電変換する光電検出器とよりなり、この光電検出器の検出信号を用いてその基準マークがそのアライメントマークの共役像に合致するときのウエハステージの座標を検出するものである。そして、このように検出された座標に所定のオフセット補正を施すことにより、レチクルの投影像の中心位置が検出される。
【0006】
その後、例えば基準マークから所定間隔だけ離れた別の基準マークを、実際にベースライン計測対象のアライメントセンサにより実測することにより、このアライメントセンサのベースライン量が計測される。更に、ウエハステージの座標は通常レーザ干渉計により計測されているが、レーザ干渉計は空気揺らぎにより座標計測値がばらつく恐れのあることに鑑みて、そのような空気揺らぎの影響を低減するために、ベースライン量を複数回計測し、その平均値を求めることも行われている。
【0007】
更に、ISS系、LSA系、又は撮像方式等の各アライメントセンサにおいては、それぞれ計測対象のウエハマーク(又は基準マーク)を対物光学系のベストフォーカス位置に設置することが望まれるため、各アライメントセンサの対物光学系のベストフォーカス位置は、基準大気圧のもとでの露光用の投影光学系のベストフォーカス位置にほぼ合致するように調整されている。
【0008】
また、大気圧変動や露光用の照明光の照射熱等に応じた投影光学系等のベストフォーカス位置のシフト量は計算により求められるため、例えば大気圧変動が生ずるか、又は所定時間以上の露光が行われたときには、ソフトウェア的に投影光学系、及びアライメントセンサのベストフォーカス位置のシフト量をそれぞれ算出していた。そして、アライメント時には計測対象のウエハマーク(又は基準マーク)をアライメントセンサの補正後のベストフォーカス位置に設定すると共に、露光時にはウエハの表面を投影光学系の補正後のベストフォーカス位置に設定するようにしていた。これにより、高精度にアライメントが行われていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来はソフトウェア的に投影光学系、及びアライメントセンサのベストフォーカス位置のシフト量を求め、このシフト量によりベストフォーカス位置の補正を行っていた。しかしながら、大気圧変動、又は照射熱等以外の例えば機械的なずれ等によりアライメントセンサのベストフォーカス位置が変動した場合には、アライメントセンサのベストフォーカス位置がソフトウェア的に補正された位置からずれるという不都合がある。
【0010】
この場合、仮にそのアライメントセンサのテレセントリック性が角度θだけ崩れているものとして、ベストフォーカス位置のずれ量をdとすると、そのアライメントセンサで計測されたウエハマーク(又は基準マーク)の位置にはほぼθ・dだけの誤差が含まれることになる。この誤差はアライメント誤差となるため、例えばウエハのアライメント時には、位置合わせ精度が悪化することになる。また、ベースライン計測時には、ベースライン量の計測値に誤差が混入することになる。
【0011】
本発明は斯かる点に鑑み、露光装置においてアライメントセンサのような位置検出手段を使用してウエハマークや基準マークの位置を検出する際に、別途ベストフォーカス位置のキャリブレーションを行うための装置等を使用することなく、簡単且つ迅速にその位置検出手段のベストフォーカス位置、及びこのベストフォーカス位置における計測値を求めることのできるアライメント方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によるアライメント方法は、例えば図1〜図3に示すように、2次元的に位置決めされる感光基板(14)上にマスクパターン(10)を露光する露光装置で、感光基板(14)上の位置合わせ用マーク又は所定の基準マークよりなる計測対象マーク(43X)の位置を求めるアライメント方法において、計測対象マーク(43X)からの光を受光して、計測対象マーク(43X)に対応する検出信号SXを生成する位置検出手段(4〜9,13,35,36,38〜42)と、計測対象マーク(43X)のその位置検出手段の光軸方向の高さを調整する高さ調整手段(15)と、を用いる。
【0013】
そして本発明は、高さ調整手段(15)により計測対象マーク(43X)を複数の異なる高さに設定し、このように設定された複数の高さのそれぞれにおいてその位置検出手段により生成される計測対象マーク(43X)に対応する検出信号SXの波形を取り込み、この複数の高さ毎に取り込まれた検出信号の複数の波形よりその位置検出手段のベストフォーカス位置を求め、計測対象マーク(43X)がその位置検出手段のベストフォーカス位置にあるときの、計測対象マーク(43X)の計測方向の位置を、その取り込まれた検出信号SXの複数の波形(コントラスト、ピークレベル、ピークの幅等)を用いて求めるものである。
【0014】
この場合、その位置検出手段から出力される検出信号SXの個々の波形の変化量を求め、この変化量を計測対象マーク(43X)の高さに関する2次曲線(46)で近似し、このように近似された2次曲線(46)が極値を取るときの計測対象マーク(43X)の高さを、その位置検出手段のベストフォーカス位置とみなすようにしてもよい。
【0015】
また、計測対象マーク(43X)をそれら複数の異なる高さに設定したときにその位置検出手段から出力される検出信号SXの波形に基づいて、それぞれ計測対象マーク(43X)の計測方向への位置を求め、それら複数の異なる高さと対応する計測対象マーク(43X)の位置との関係を最小自乗法によって1次式で近似することが望ましい。
【0016】
また、そのように求められた1次式に基づいて計測対象マーク(43X)の位置を補正することが望ましい。
また、本発明による露光方法は、マスク(10)上のパターンをウエハ(14)上に露光する露光方法であって、本発明のアライメント方法を用いて求められたその計測対象マークの位置に基づいて、ウエハステージ(15,16)を介してウエハ上の各ショット領域を露光位置に設定するものである。
また、本発明による露光装置は、2次元的に位置決めされる感光基板上にマスクパターンを露光する露光装置であって、その感光基板上の位置合わせ用マーク又は所定の基準マークよりなる計測対象マーク(43X)からの光を受光して、その計測対象マークに対応する検出信号を生成する位置検出手段(4〜9,13,35,36,38〜42)と、その計測対象マークのその位置検出手段の光軸方向の高さを調整する高さ調整手段(15)と、その高さ調整手段によりその計測対象マークを複数の異なる高さに設定し、この設定された複数の高さのそれぞれにおいてその位置検出手段により生成されるその計測対象マークに対応する検出信号の波形を取り込み、この複数の高さ毎に取り込まれた検出信号の複数の波形よりその位置検出手段のベストフォーカス位置を求めるとともに、その計測対象マークがその位置検出手段のベストフォーカス位置にあるときの、その計測対象マークの計測方向の位置を、その取り込まれた検出信号の複数の波形を用いて求める制御手段(19)と、を有するものである。
【0017】
斯かる本発明によれば、複数の高さにおいてそれぞれ位置検出手段(アライメントセンサ)により計測対象マーク(43X)からの光を受光して検出信号SXが生成される。この場合、計測対象マーク(43X)のデフォーカス量に応じてその検出信号SXの波形が変化し、計測対象マーク(43X)がベストフォーカス位置にあるときに例えばその検出信号SXのコントラスト、ピークレベル、又はピークの幅等が極値を取るため、例えばそのような極値を取るときの高さをその位置検出手段に対するベストフォーカス位置とすることができる。そして、このベストフォーカス位置での例えば補間された検出信号SXの波形より計測対象マーク(43X)の位置が検出される。
【0018】
この場合、その検出信号SXの波形の変化量を2次曲線等で補間するときには、比較的単純な曲線での補間により正確にそのベストフォーカス位置が検出される。
また、上記の複数の高さと対応する計測対象マーク(43X)の位置との関係を1次式で近似すると、その1次式の傾きよりその位置検出手段の対物光学系(13)の主光線の傾斜角(角度θ)が求められる。そして、その計測対象マーク(43X)の高さがベストフォーカス位置から間隔dだけずれたときには、計測された位置にθ・dの補正を行うことにより、ベストフォーカス位置での計測方向の位置が算出される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるアライメント方法の実施の形態の一例につき、図面を参照して説明する。本例はISS(Imaging Slit Sensor)系を用いてLSA(レーザ・ステップ・アライメント)系のベースライン計測を行う場合に本発明を適用したものである。
【0020】
図2は本例で使用される投影露光装置の構成を示し、この図2において、露光時には露光用の光源である水銀ランプ、楕円鏡、コリメータレンズ、干渉フィルタ等からなる光源系1から射出される露光光は、フライアイレンズ2に入射する。フライアイレンズ2の射出面には照明系の開口絞り3が配置され、開口絞り3を通過した露光光IL1は、露光時には2点鎖線で示すように、透過率が大きく反射率の小さなビームスプリッター4、第1リレーレンズ5、可変視野絞り6(レチクルブラインド)、第2リレーレンズ7、コンデンサーレンズ8、及び光路折り曲げ用のミラー9を介して、レチクル10を均一な照度分布で照明する。その露光光IL1のもとで、レチクル10の回路パターンが両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックな投影光学系13を介して、ウエハ14の各ショット領域に所定の縮小倍率(例えば1/5倍等)で結像投影される。但し、図1において、説明の都合上ウエハ14は露光位置にはない。
【0021】
なお、露光光IL1としては、水銀ランプ等の輝線(g線、i線等)の他、例えばエキシマレーザ(KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ等)等のレーザ光、あるいは金属蒸気レーザやYAGレーザの高調波等を使用することができる。ここで、投影光学系13の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図2の紙面に垂直にX軸を、図2の紙面に平行にY軸を取る。
【0022】
レチクル10は、光軸AXに垂直な平面(XY平面)内で2次元移動及び微小回転自在なレチクルステージ12上に真空吸着により保持されている。レチクルステージ12の位置は、レチクルステージ12の周辺に配置されたレーザ干渉計(不図示)により例えば0.01μm程度の分解能で常時検出され、検出結果が装置全体を統轄制御する中央制御装置19内の制御手段20に供給されている。また、レチクル10の下面(パターン面)のパターン領域の近傍にISS系用のアライメントマーク(以下、「ISSレチクルマーク」と呼ぶ)11Xが形成されている。
【0023】
図3(b)は本例のレチクル10のパターン配置を示す平面図であり、この図3(b)において、ガラス基板よりなるレチクル10のパターン領域PAを囲む遮光帯29の−Y方向の外側に、Y方向に延びた直線状の遮光部よりなるX軸用のISSレチクルマーク11Xが形成され、遮光帯29の+X方向の外側に、X方向に延びた直線状の遮光部よりなるY軸用のISSレチクルマーク11Yが形成されている。ISSレチクルマーク11XのX座標、及びISSレチクルマーク11YのY座標はそれぞれレチクル10のパターン領域の中心のX座標、及びY座標を示している。
【0024】
また、遮光帯29の−Y方向及び+Y方向の外側に1対の十字型のアライメントマーク30A及び30Bが形成されている。これらのアライメントマーク30A及び30Bは、レチクル10をレチクルステージ12に対して位置合わせする際(レチクルアライメント時)に使用される。なお、ISSレチクルマーク11X及び11Yの代わりに、アライメントマーク30A及び30BをISSレチクルマークとして使用してもよい。
【0025】
図2に戻り、ウエハ14はZステージ15上に真空吸着により保持され、Zステージ15はXYステージ16上に載置されている。また、Zステージ15上でウエハ14の近傍に、透過性のガラス基板よりなる基準パターン板23が固定されている。
図3(a)はその基準パターン板23のパターン配置を示し、この図3(a)において、基準パターン板23上の遮光膜中に、Y方向に延びた直線状の開口パターンよりなるX軸用のISS基準マーク43X、及びX方向に延びた直線状の開口パターンよりなるY軸用のISS基準マーク43Yが形成されている。また、一方のISS基準マーク43XからX方向に間隔ΔXだけ離れた位置に、Y方向に所定ピッチで配列されたドット列パターンよりなるX軸のLSA基準マーク44Xが形成され、他方のISS基準マーク43YからY方向に所定間隔だけ離れた位置に、X方向に所定ピッチで配列されたドット列パターンよりなるY軸のLSA基準マーク44Yが形成されている。これらLSA基準マーク44X及び44Yは、それぞれLSA系用の基準マークとして使用される。
【0026】
図2に戻り、Zステージ15は、投影光学系13の光軸AX方向(Z方向)へのウエハ14及び基準パターン板23の位置(焦点位置)を調整する。そのZステージ15のZ方向への変位は、後述の斜入射方式のAFセンサ(焦点位置検出系)により検出される。
一方、XYステージ16はX方向、及びY方向にそれぞれウエハ14及び基準パターン板23の位置決めを行う。ウエハ14上の或るショット領域への露光が終了すると、XYステージ16のステッピング動作により次に露光するショット領域が露光フィールド内に位置決めされ、その後、オートフォーカス方式でZステージ15によりウエハ14の表面の焦点位置が投影光学系13の結像面の位置に合わせ込まれ、その状態で露光が行われる。
【0027】
また、Zステージ15上にY軸用の移動鏡17が固定され、外部のレーザ干渉計18からのレーザビームを移動鏡17で反射することにより、レーザ干渉計18でZステージ15のY座標が計測される。同様に不図示のX軸用の移動鏡、及びレーザ干渉計によりZステージ15のX座標が計測され、計測された座標は制御手段20に供給され、制御手段20は供給された座標に基づいて、XYステージ駆動系21を介してXYステージ16の動作を制御する。更に、制御手段20は、Zθ駆動系22を介してZステージ15の動作を制御する。
【0028】
次に、本例の斜入射方式のAFセンサ(焦点位置検出系)は、投影光学系13の側面部に配置された送光系24、及び受光系25からなり、その送光系24から投影光学系13の光軸AXに対して斜めに、その投影光学系13の露光フィールド内の計測点上にスリット像が投影される。図2の例ではその計測点は基準パターン板23上に位置している。送光系24からの照明光としては、ウエハ14上のフォトレジストに対して感光性の弱い波長帯で、且つ薄膜干渉の影響等を低減させるために所定の波長幅を有する光が望ましい。
【0029】
その計測点からの反射光は、受光系25内の集光光学系及び振動スリット等を経て、受光系25内の光電検出器に入射する。その不図示の振動スリット上に計測点上のスリット像が再結像され、その不図示の光電検出器の光電変換信号をその振動スリットの駆動信号で同期整流することにより、基準パターン板23(又はウエハ14)のZ方向への変位に応じて所定範囲でほぼ線形に変化する焦点信号SFが生成され、この焦点信号SFは中央制御装置19内の演算手段33に供給される。本例では予め、基準パターン板23(又はウエハ14)の表面が投影光学系13のベストフォーカス位置にあるときに、その焦点信号SFの値が0となるように調整が行われている。その焦点信号SFは、演算手段33を介して制御手段20にも供給され、制御手段20はZθ駆動系22を介して、その焦点信号SFの値が0になるようにオートフォーカス方式でZステージ15の高さを制御する。なお、本例の制御手段20、及び演算手段33はコンピュータのソフトウェア上の機能であり、焦点信号SF、及び他の信号はそれぞれ不図示のアナログ/デジタル変換器を介して演算手段33に供給される。
【0030】
更に、受光系25内の振動スリットの前には平行平面板(不図示)が配置され、演算手段33がこの平行平面板の角度を変えることにより、その焦点信号SFの値をシフトできるようになっている。そして、例えば不図示の大気圧センサにより投影光学系13の周囲の大気圧変化が検知された場合、又は露光が継続して行われたような場合には、演算手段33は大気圧変化、又は照射熱の蓄積による投影光学系13のベストフォーカス位置の変化量を求め、この変化後のベストフォーカス位置でその焦点信号SFの値が0となるように、受光系25内の平行平面板の角度を調整する。これにより、大気圧変化、又は露光光による照射熱の蓄積が生じた場合でも、オートフォーカス方式で基準パターン板23(又はウエハ14)の表面を正確に投影光学系13の実際のベストフォーカス位置に設定できる。
【0031】
次に、投影光学系13の側面部に本例のTTL(スルー・ザ・レンズ)方式で、且つX軸用のLSA(レーザ・ステップ・アライメント)系26が配置されている。LSA系26から射出されたレーザビームALは、ミラー27によりほぼ垂直下方に反射されて投影光学系13に入射し、投影光学系13から射出されるレーザビームALは、図3(a)に示すように、基準パターン板23(又はウエハ14)上でY方向に延びたスリット状のスポット光28として集光される。
【0032】
図3(a)において、スポット光28に対してLSA基準マーク44XをX方向に走査すると、LSA基準マーク44Xがスポット光28を横切る際に所定の方向に回折光が射出される。この回折光を検出することにより、そのLSA基準マーク44XのX座標が検出される。
図2に戻り、基準パターン板23上のLSA基準マーク44X(図3(a)参照)からの回折光は、投影光学系13及びミラー27を経てLSA系26に戻り、戻された回折光はLSA系26内の光電検出器により光電変換され、その光電検出器から出力される検出信号QXが演算手段33に供給される。この場合、レーザビームALの正反射光もLSA系26に戻されるため、LSA系26内には正反射光を遮光して回折光のみを通す空間フィルタが設置されている。演算手段33には制御手段20を介して、レーザ干渉計18等により計測されているZステージ15のX座標、及びY座標も供給され、演算手段33では、例えばその検出信号QXが最大となるときのZステージ15のX座標より図3(a)のLSA基準マーク44XのX方向の位置を検出する。このように検出されたLSA基準マーク44XのX座標より、後述のようにLSA系26のX方向のベースライン量が求められる。
【0033】
同様に、図3(a)のY軸用のLSA基準マーク44Yの位置を検出するためのY軸用のLSA系(不図示)も備えられ、このY軸用のLSA系及び図2の演算手段33によりそのLSA基準マーク44YのY座標が検出される。このように検出されたY座標より、同様にY方向のベースライン量が求められる。なお、LSA系のより詳細な構成は例えば特開昭60−130742号公報に開示されている。
【0034】
また、ウエハ14上の各ショット領域にもそれぞれ図3(a)のLSA基準マーク44X,44Yと同様のLSA系用のウエハマークが形成され、これらのウエハマークの位置も図2のLSA系26等により計測される。例えば、それらのウエハマークが対応するショット領域の中心位置を示すものとすると、それらのウエハマークの計測された位置からベースライン量だけXYステージ16を移動させることにより、対応するウエハ14上のショット領域の中心位置が、レチクル10の投影像の中心位置と合致するため、高い重ね合わせ精度が得られる。
【0035】
次に、本例のISS(Imaging Slit Sensor)系につき説明する。図2において、本例のISS系の照明系は、露光光IL1と同じ波長の照明光IL2を発生する光源35と、この光源35からの照明光を集光して光ガイド38の一端に導く集光レンズ36と、光ガイド38の他端から射出される照明光を集光する集光レンズ39と、その集光された照明光を基準パターン板23の底部に導くミラー40とから構成されている。光源35としては、例えば光源系1内で露光光IL1から分岐された光を、光ガイドを介して伝達する光学系等が使用される。この場合、光ガイド38の他端、集光レンズ39、及びミラー40はZステージ15内に組み込まれている。
【0036】
また、光ガイド38の他端側を覆うように円筒状の口金49が装着され、この口金49がZステージ15の側壁内に或る程度の範囲内で傾斜でき、且つ所望の傾斜角で固定できるように取り付けられている。本例では、ISS系による計測動作に先だって、その口金49の傾斜角の調整によって、ISS系の照明光IL2の主光線の傾き角をZ軸にほぼ平行にすることによって、ISS系のテレセントリック性の粗調整を行っておく。なお、その口金49を設ける代わりに、集光レンズ39を2つのレンズに分けて、これら2つのレンズの間(瞳空間)に平行平面ガラス(ハービング)を或る程度の範囲内で回転できるように配置し、この平行平面ガラスの回転角の調整によってそのISS系のテレセントリック性の粗調整を行ってもよい。
【0037】
その照明系からの照明光IL2は、図3(a)の基準パターン板23上のISS基準マーク43X及び43Yを底部から照明する。そして、ISS基準マーク43X及び43Yを通過した照明光IL2は、図2において、投影光学系13を経てレチクル10に入射し、レチクル10を透過した照明光IL2は、ミラー9、コンデンサーレンズ8、第2リレーレンズ7、可変視野絞り6、及び第1リレーレンズ5を経てビームスプリッター4に至る。このビームスプリッター4で反射された照明光IL2が、集光レンズ41により光電検出器42上に集光され、光電検出器42での光電変換により得られた検出信号SXが演算手段33に供給される。この場合、投影光学系13、ミラー9〜ビームスプリッター4、集光レンズ41、及び光電検出器42より本例のISS系の受光系が構成されている。
【0038】
また、ISS系で使用される照明光IL2は露光光IL1と同じ波長域の光であるため、露光光IL1のもとで基準パターン板23の表面が投影光学系13に関してレチクル10のパターン面と共役であるときには、その照明光IL2のもとで基準パターン板23の表面とレチクル10のパターン面とは共役である。そこで、例えば、レチクル10のウエハステージに対するX方向の位置を検出する際には、図3(b)のレチクル10のISSレチクルマーク11Xとほぼ共役な位置(設計データより大まかに算出される位置)のX方向の手前側に、図3(a)の基準パターン板23上のISS基準マーク43Xの位置が設定される。その後、図2においてXYステージ16を駆動して基準パターン板23をX方向に走査すると、ISS基準マーク43Xのレチクル側への投影像がレチクル10上のISSレチクルマーク11Xを横切る際に、光電検出器42から出力される検出信号SXは谷型に落ち込むように変化する。
【0039】
そこで、その検出信号SXの波形、及びレーザ干渉計により計測されるZステージ15のX座標より、ISS基準マーク43Xの像がISSレチクルマーク11Xと合致するときのX座標、即ち基準パターン板23を基準としたレチクル10の投影像の中心のX座標が検出される。同様に、図3(b)のY軸用のISSレチクルマーク11Yに対して、図3(a)のY軸用のISS基準マーク43YをY方向に走査することにより、基準パターン板23を基準としたレチクル10の投影像の中心のY座標が計測される。
【0040】
本例のISS系に対するベストフォーカス位置は、例えば光電検出器42から出力される検出信号SXの谷型の落ち込み部の幅(又はその落ち込み量等)が最大となるときに、送光系24及び受光系25からなる斜入射方式のAFセンサによる検出されるZ座標と定義される。従って、そのISS系では投影光学系13が使用されていても、必ずしもレチクル10のパターンを露光する際の投影光学系13のベストフォーカス位置が、そのISS系のベストフォーカス位置になるとは限らない。但し、例えば標準大気圧のもとでの初期状態では、投影光学系13のベストフォーカス位置がそのISS系のベストフォーカス位置となるように調整が行われ、大気圧が変化した場合、及び露光光の照射熱が蓄積された場合のそのISS系のベストフォーカス位置の変動量も、演算手段33によりソフトウェア的に算出されるようになっている。
【0041】
ところが、大気圧変化等の他に例えば光電検出器42の位置ずれのような予測できない要因によっても、ISS系のベストフォーカス位置がシフトする場合がある。また、露光用の照明光IL1のもとで投影光学系13の少なくともウエハ側のテレセントリック性は高精度に維持されているが、照明光IL2のもとでのISS系の基準パターン板23上におけるテレセントリック性は多少崩れている場合が有り得る。例えばISS系のテレセントリック性の崩れ量を角度θとして、ベストフォーカス位置がdだけシフトしているものとすると、ISS系で計測されたレチクル10の位置にウエハ側に換算してほぼθ・dの位置ずれ量が生ずる恐れがある。本例では、以下のようにしてそのような位置ずれ量の発生を防止する。
【0042】
以下、LSA系26のベースライン量の計測を行う場合を例にとって、ISS系のベストフォーカス位置におけるISS系の計測結果の推方法の一例につき図1のフローチャートを参照して説明する。この際に、上述のように予め図2のISS系の照明系内の口金49の傾斜角を調整することによって、ISS系のテレセントリック性の粗調整を行っておく。
【0043】
先ず、図1のステップ101において、図2の中央制御装置19内の制御手段20は、レチクル10が載置されたレチクルステージ12の位置合わせ(レチクルアライメント)を行う。このためには、レチクル10上の不図示のレチクルアライメント顕微鏡を用いて、図3(b)の2つのアライメントマーク30A及び30Bの位置がそれぞれ所定の基準位置となるようにレチクルステージ12の位置決めを行う。その後、ベースライン・チェック工程に移行する。
【0044】
即ち、ステップ102において、図2の制御手段20は、XYステージ16を駆動することにより、図3(a)の基準パターン板23上のX軸用のISS基準マーク43Xを、図3(b)のレチクル10上のX軸用のISSレチクルマーク11Xと計算上で共役な位置に対してX方向の手前側の近傍に移動する。この状態では、図2に示すように、斜入射方式のAFセンサの送光系24からのスリット像が基準パターン板23上に投影される。その後、ステップ103において、演算手段33が現在の大気圧等に応じたISS系に対するベストフォーカス位置Zを算出し、このソフトウェア的に算出されたベストフォーカス位置Zを制御手段20に供給する。
【0045】
制御手段20は、Zθ駆動系22を介してZステージ15を駆動することにより、基準パターン板23の表面のZ座標をそのベストフォーカス位置ZからΔZだけ低い位置に設定する。ΔZの値は、予測できない要因によるベストフォーカス位置の変動量のそれまでの最大値(制御手段20内の記憶部に記憶されている)より大きな値である。ΔZの値は、一例として5μmである。この場合の基準パターン板23の表面のZ座標は、斜め入射方式のAFセンサの受光系25から出力される焦点信号SFに、演算手段33において予め求められている係数を乗じて得られる座標であり、この座標は演算手段33から制御手段20に供給される。
【0046】
次のステップ104において、制御手段20は、ISS系の光源35を発光させて照明光IL2で基準パターン板23を底面側から照明した状態で、XYステージ駆動系21を介してXYステージ16を駆動することにより、レチクル10側のISSレチクルマーク11Xを横切るようにISS基準マーク43Xのレチクルへの投影像をX方向に走査する。そして、この走査中に演算手段33は、ISS系の光電検出器42からの検出信号SXを取り込み、その検出信号SXの信号幅D、及びISSレチクルマーク11Xのマーク位置X(i=1)を求める。
【0047】
図4(a)は最初に取り込まれる検出信号SXを、ISS基準マーク43XのX座標に対してプロットした図であり、この図4(a)において、検出信号SXはX方向に対して谷型に落ち込んでいる。そこで、検出信号SXのレベルが予め定められているスライスレベルSTHより低い部分のX方向の幅Dを信号幅とする。また、その信号幅D内のX方向の中点のX座標XをそのZ座標でのマーク位置とする。
【0048】
次のステップ105において、制御手段20は、Zステージ15を駆動して基準パターン板23のZ座標をδZだけ上昇させる。δZの値は細かい程、高精度にベストフォーカス位置を検出できるが、δZが細かい程計測時間が長くなる。そこで、精度と計測時間とのバランスを考えてδZの値が決定される。ステップ103で設定するΔZの値が5μmの場合、δZは例えば1μmに設定される。その後、ステップ106で基準パターン板23のZ座標が(Z+ΔZ)を超えたかどうかを調べるが、今の段階ではZ座標は(Z+ΔZ)より低いため動作はステップ104に戻る。そして、再び、制御手段20は、XYステージ16を駆動することにより、レチクル10側のISSレチクルマーク11Xを横切るようにISS基準マーク43Xのレチクルへの投影像をX方向に走査する。そして、この走査中に演算手段33は、ISS系の光電検出器42からの図4(b)に示す検出信号SXを取り込み、その検出信号SXの信号幅D、及びマーク位置X(i=2)を求める。その後、ステップ105で制御手段は、Z座標をδZだけ上昇させる。
【0049】
以下同様にして、基準パターン板23のZ座標が(Z+ΔZ)を超えるまで、ステップ104及び105が繰り返されて、各Z座標においてそれぞれ検出信号SXの信号幅D、及びマーク位置X(i=3,4,…)が求められる。図4(c)はiの値が3の場合を示している。基準パターン板23のZ座標が実際のベストフォーカス位置に近づくにつれて、その検出信号SXの信号幅Dは狭くなっている。
【0050】
その後、ステップ106において、基準パターン板23のZ座標が(Z+ΔZ)を超えたときに、動作はステップ107に移行して、演算手段33は、基準パターン板23のZ座標に対する検出信号SXの信号幅Dの関係を、最小自乗法により2次曲線で近似することにより、最も信号幅Dが狭くなるときのZ座標を実際のベストフォーカス位置Zとして求める。その2次曲線近似の方法につき図5(a)を参照して説明する。以下では、ΔZを5μm、δZを1μmとして、Zを中心とする±5μmの範囲内で1μmステップで11回の計測を行ったものとして説明する。
【0051】
図5(a)は、横軸が基準パターン板23のZ座標、縦軸が検出信号SXの信号幅Dであり、11個の点45は、Z座標に対してステップ104で求められた信号幅Dをプロットしたものである。このとき、信号幅Dを次のように係数a,b,cを有するZ座標の2次関数f(Z)で表す。
【0052】
【数1】
=f(Z)=aZ+bZ+c
そして、計測が行われたZ座標をZ,Z,…,Z11、これらの座標での信号幅DをそれぞれD,D,…,D11としたとき、次の残留誤差成分E(a,b,c)が最小値を取るように、例えば数値解析により係数a,b,cの値を定める。
【0053】
【数2】
E(a,b,c)={D−f(Z)}+{D−f(Z)}+…+{D11−f(Z11)}
その後、求められた係数a,b,cを(数1)に代入して、(数1)が極値を取るときのZ座標を実際のベストフォーカス位置Zとして求める。この場合、図5(a)に示すように求められた2次関数f(Z)は凹の2次曲線46で表され、ベストフォーカス位置Zでその2次曲線46の値が最小となっている。
【0054】
次に、ステップ108において、基準パターン板23のZ座標に対する検出されたマーク位置Xの関係を最小自乗法により1次式(1次関数)で近似する。その1次式による近似の方法につき図5(b)を参照して説明する。ここでは、図5(a)に対応するZ座標とマーク位置Xとの関係は図5(b)のようになっているものとする。
【0055】
図5(b)は、横軸が基準パターン板23のZ座標、縦軸がISS基準マーク43Xのマーク位置Xであり、11個の点47は、Z座標に対してステップ104で求められたマーク位置Xをプロットしたものである。このとき、マーク位置Xを次のように係数d及びθを有するZ座標の1次関数g(Z)で近似する。
【0056】
【数3】
=g(Z)=θ・Z+d
そして、計測が行われたZ座標をZ,Z,…,Z11、これらの座標でのマーク位置XをそれぞれX,X,…,X11としたとき、次の残留誤差成分E(d,θ)が最小値を取るように、例えば数値解析により係数d及びθの値を定める。
【0057】
【数4】
E(d,θ)={X−g(Z)}+{X−g(Z)}+…+{X11−g(Z11)}
このようにして決定された係数d及びθを(数3)に代入して得られる関数g(Z)が図5(b)の直線48で表されている。この場合、係数θはZ座標の変化量に対するマークの位置ずれ量の割合を表す線形係数となる。これは結果として、係数θが本例のISS系のテレセントリック性のX方向への崩れ量であることを表す。
【0058】
その後、ステップ109において、ステップ107で求められた実際のベストフォーカス位置Z、及びステップ108で求められた係数dと係数θ(テレセントリック性の崩れ量)とを(数3)に代入することにより、実際のベストフォーカス位置Zでのマーク位置Xをレチクル10上のISSレチクルマーク11XのX方向の位置として推定する。
【0059】
なお、それまでのベストフォーカス位置Zでのマーク位置をXとして、実際のベストフォーカス位置Z及び係数θ(テレセントリック性の崩れ量)を用いて次式より実際のベストフォーカス位置でのマーク位置X’を算出してもよい。
【0060】
【数5】
’=θ・(Z−Z)+X
次に、ステップ110において、図3(a)のISS基準マーク43Yと図3(b)のISSレチクルマーク11Yとを用いて、ステップ102〜109までと同様の動作を行うことにより、レチクル10上のISSレチクルマーク11YのY方向の位置Yを求める。本例ではISSレチクルマーク11X,11Yはレチクル10のパターン領域の中心座標を示すため、ISSレチクルマーク11Xの位置X、及びISSレチクルマーク11Yの位置Yがそのままレチクル10のウエハ側への投影像の中心座標となる。
【0061】
なお、Y軸用のISS基準マーク43Yに対するベストフォーカス位置はX軸用のISS基準マーク43Xに対するベストフォーカス位置Zとほぼ同じとみなせるため、そのベストフォーカス位置Zにおいて、ISSレチクルマーク11YのY座標を複数回計測し、この平均値をISSレチクルマーク11Yの位置Yとしてもよい。
【0062】
なお、レチクル10に回転があるときには、ISSレチクルマーク11X,11Yの座標とレチクル10の中心座標との間には誤差が生ずる。そこで、回転の補正を行うため場合には、例えば図3(b)のレチクル10上の2個のアライメントマーク30A及び30Bの座標(X,Y)をISS系を用いて計測し、この計測結果の平均値よりレチクル10の投影像の中心座標を求めてもよい。
【0063】
次に、ステップ111において、図3(a)の基準パターン板23のZ座標を図2のX軸用のLSA系26に対するベストフォーカス位置に設定した後、そのLSA系26を用いて基準パターン板23上のX軸のLSA基準マーク44XのX座標XLSA を計測する。その後、同様にY軸用のLSA系を用いて、基準パターン板23上のY軸のLSA基準マーク44YのY座標YLSA を計測する。
【0064】
その後、ステップ112において、LSA系のベースライン量を求める。この場合、図3(a)に示すように、ISS基準マーク43XとLSA基準マーク44XとはX方向に幅ΔXだけ離れているため、ステップ109で求めたレチクル10の投影像の中心のX座標X、及びLSA基準マーク44XのX座標XLSA より、X軸用のLSA系26のX方向へのベースライン量は、例えば(X−XLSA +ΔX)となる。同様に、Y軸用のLSA系のY方向へのベースライン量も算出される。
【0065】
また、本例ではLSA系のベースライン計測を行う度に図1の工程を繰り返して、それぞれISS系のベストフォーカス位置、及びZ座標の変化量に対するマーク位置を表す1次近似式を求める。但し、ベースライン計測を行う時間間隔が短い場合等には、ソフトウェア的に求められたベストフォーカス位置で計測を行ってもよい。
【0066】
上述のように本例によれば、ほぼベースライン計測を行う度に、ISS系の実際のベストフォーカス位置、及びISS系のZ座標の変化量に対するマーク位置を表す1次近似式を求め、これらに基づいて実際のベストフォーカス位置でのレチクル10の投影像の中心位置(X,Y)を算出しているため、レチクル10の投影像の中心位置が正確に求められ、結果としてLSA系のベースライン量も正確に計測される。
【0067】
また、例えば図5(b)の例では、Z座標を11回変えて計測した結果より、最小自乗法によりISS系のZ座標の変化量に対するマーク位置を表す1次近似式を求め、この結果より実際のベストフォーカス位置Zでのマーク位置Xを算出している。従って、改めてそのベストフォーカス位置Zでマーク位置を計測する方法に比べて、計測誤差の平均化が行われているため、より高精度にISSレチクルマークの位置を計測できる利点がある。更に、改めて計測し直さないので、従来のようにソフトウェア的にZ座標を補正するだけの工程と比べても、単位時間当りのウエハの処理枚数(スループット)の低下は小さい。
【0068】
また、図5(a)では信号幅DをZ座標について2次関数で近似しているが、場合によっては、例えばZ座標について3次以上の関数、又は平方根を含む関数等で近似してもよい。
また、上述の実施の形態では検出信号SXの信号幅よりベストフォーカス位置を求めたが、例えば図4(a)〜(c)に示すように、検出信号SXの凹部の深さ(信号のピークレベル)h,h,h,…よりベストフォーカス位置を求めてもよい。この場合、その信号のピークレベルhが最も大きくなるときのZ座標がベストフォーカス位置となる。
【0069】
なお、上述の実施の形態では、先ずISSレチクルマーク11X,11YのX座標、Y座標を求めてからLSA系の計測を行っているが、それ以外に例えばISSレチクルマーク11Xの計測、LSA基準マーク44Xの計測、ISSレチクルマーク11Yの計測、LSA基準マーク44Yの計測、の順に計測を行ってベースライン量を求めてもよい。
【0070】
更に、上述の実施の形態ではISS系についてベストフォーカス位置を求めているが、例えば図2のLSA系26についても、複数のZ座標において検出信号QXを取り込み、それぞれピークレベル等及びマーク位置を求めることにより、ベストフォーカス位置、及びZ座標の変化量に対するマーク位置を表す1次近似式を求めることができる。但し、LSA系では通常テレセントリック性の崩れ量は小さいため、そのようにベストフォーカス位置を計測する必要性は高くない。また、撮像方式のアライメントセンサ等においても、本発明を適用することにより容易にベストフォーカス位置、及びZ座標の変化量に対するマーク位置を表す近似式を正確に求めることができる。
【0071】
このように本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、計測対象マークを複数の高さに設定してそれぞれ検出信号の波形を取り込み、このように取り込まれた波形より位置検出手段のベストフォーカス位置、及び計測方向での位置を求めているため、ベストフォーカス位置のキャリブレーションを行うための装置等を使用することなく、簡単且つ迅速にベストフォーカス位置、及びこのベストフォーカス位置における計測値を求めることができる利点がある。
【0073】
また、ベストフォーカス位置での計測方向の位置を求めることができるため、位置検出手段のテレセントリック性を厳密に調整しておく必要がなく、位置検出手段の製造コストを低減できる。更に、得られた検出信号の波形よりベストフォーカス位置とこの位置での計測方向の位置とを求めることができるため、計測時間が短くて済む利点もある。
【0074】
次に、検出信号の波形の変化量を高さに関する2次曲線で近似し、この2次曲線の極値に基づいてベストフォーカス位置を求める場合には、そのベストフォーカス位置が計測の際に設定された複数の高さの間にあるときでも、比較的簡単な計算で計測データを補間して正確にそのベストフォーカス位置を求めることができる。
【0075】
また、複数の高さで求められた計測方向の位置より、複数の高さとこれらの高さで位置検出手段により計測される位置との関係を1次式で近似する際には、予測できない要因によるテレセントリック性の崩れ量を容易且つ正確に計測できる。更に、その1次式を用いて計測方向の位置の補正を行う場合には、例えば或る高さでの計測データに対して、その高さ及びベストフォーカス位置間のずれ量とその1次式の比例係数(テレセントリック性の崩れ量)との積を加算するだけの簡単な計算により正確に計測方向の位置を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアライメント方法の実施の形態の一例が適用されたベースライン量の計測動作の一例を示すフローチャート図である。
【図2】その実施の形態で使用される投影露光装置を示す一部を切り欠いた構成図である。
【図3】(a)は図2の基準パターン板23を示す拡大平面図、(b)は図2のレチクル10を示す平面図である。
【図4】基準パターン板23のZ座標を変えた場合に得られる検出信号SXの波形の変化を示す図である。
【図5】(a)は基準パターン板23のZ座標に対する検出信号SXの信号幅Dの関係を示す図、(b)はそのZ座標に対するマーク位置Xの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光源系
4 ビームスプリッター
8 コンデンサーレンズ
10 レチクル
11X,11Y ISSレチクルマーク
13 投影光学系
14 ウエハ
15 Zステージ
16 XYステージ
19 中央制御装置
20 制御手段
23 基準パターン板
24 斜入射方式のAFセンサの送光系
25 斜入射方式のAFセンサの受光系
26 LSA系(LSA方式のアライメントセンサ)
33 演算手段
43X,43Y ISS基準マーク
44X,44Y LSA基準マーク

Claims (10)

  1. 2次元的に位置決めされる感光基板上にマスクパターンを露光する露光装置で、前記感光基板上の位置合わせ用マーク又は所定の基準マークよりなる計測対象マークの位置を求めるアライメント方法において、
    前記計測対象マークからの光を受光して、前記計測対象マークに対応する検出信号を生成する位置検出手段と、前記計測対象マークの前記位置検出手段の光軸方向の高さを調整する高さ調整手段と、を備え、
    該高さ調整手段により前記計測対象マークを複数の異なる高さに設定し、該設定された複数の高さのそれぞれにおいて前記位置検出手段により生成される前記計測対象マークに対応する検出信号の波形を取り込み、該複数の高さ毎に取り込まれた検出信号の複数の波形より前記位置検出手段のベストフォーカス位置を求め、
    前記計測対象マークが前記位置検出手段のベストフォーカス位置にあるときの、前記計測対象マークの計測方向の位置を、前記取り込まれた検出信号の複数の波形を用いて求めることを特徴とするアライメント方法。
  2. 前記位置検出手段から出力される検出信号の個々の波形の変化量を求め、該変化量を前記計測対象マークの高さに関する2次曲線で近似し、該近似された2次曲線が極値を取るときの前記計測対象マークの高さを、前記位置検出手段のベストフォーカス位置とみなすことを特徴とする請求項1記載のアライメント方法。
  3. 前記計測対象マークを前記複数の異なる高さに設定したときに前記位置検出手段から出力される検出信号の波形に基づいて、それぞれ前記計測対象マークの計測方向の位置を求め、前記複数の異なる高さと対応する前記計測対象マークの位置との関係を最小自乗法によって1次式で近似することを特徴とする請求項1又は2記載のアライメント方法。
  4. 前記求められた1次式に基づいて前記計測対象マークの位置を補正することを特徴とする請求項3記載のアライメント方法。
  5. 前記位置検出手段は、前記計測対象マークを撮像する撮像方式の検出手段であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のアライメント方法。
  6. マスク上のパターンをウエハ上に露光する露光方法であって、
    請求項1〜5の何れか一項に記載のアライメント方法を用いて求められた前記計測対象マークの位置に基づいて、ウエハステージを介してウエハ上の各ショット領域を露光位置に設定することを特徴とする露光方法。
  7. 2次元的に位置決めされる感光基板上にマスクパターンを露光する露光装置であって、
    前記感光基板上の位置合わせ用マーク又は所定の基準マークよりなる計測対象マークからの光を受光して、前記計測対象マークに対応する検出信号を生成する位置検出手段と、
    前記計測対象マークの前記位置検出手段の光軸方向の高さを調整する高さ調整手段と、
    前記高さ調整手段により前記計測対象マークを複数の異なる高さに設定し、該設定された複数の高さのそれぞれにおいて前記位置検出手段により生成される前記計測対象マークに対応する検出信号の波形を取り込み、該複数の高さ毎に取り込まれた検出信号の複数の波形より前記位置検出手段のベストフォーカス位置を求めるとともに、前記計測対象マークが前記位置検出手段のベストフォーカス位置にあるときの、前記計測対象マークの計測方向の位置を、前記取り込まれた検出信号の複数の波形を用いて求める制御手段と、を有することを特徴とする露光装置。
  8. 前記制御手段は、前記位置検出手段から出力される検出信号の個々の波形の変化量を求め、該変化量を前記計測対象マークの高さに関する2次曲線で近似し、該近似された2次曲線が極値を取るときの前記計測対象マークの高さを、前記位置検出手段のベストフォーカス位置とみなすことを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  9. 前記制御手段は、前記計測対象マークを前記複数の異なる高さに設定したときに前記位置検出手段から出力される検出信号の波形に基づいて、それぞれ前記計測対象マークの計測方向の位置を求め、前記複数の異なる高さと対応する前記計測対象マークの位置との関係を最小自乗法によって1次式で近似することを特徴とする請求項7又は8に記載の露光装置。
  10. 前記位置検出手段は、前記計測対象マークを撮像する撮像方式の検出手段であることを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の露光装置。
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