JP3629860B2 - 自動演奏装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、演奏操作に基づいた楽音を挿入しつつ自動演奏を行う自動演奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、演奏操作に基づいた楽音を挿入しつつ自動演奏を行う装置として自動伴奏装置が知られている。この自動伴奏装置のメモリには、図12(b)に楽譜で例示する2小節分のベース基本パターンが記憶されており、このベース基本パターンは、各音符で示す発音タイミングと、コードとしてCメジャーが入力された場合の音高(Cメジャーの根音Cよりも1オクターブ下の音高)とで構成されている。そして、この2小節分のベース基本パターンを繰り返し読み出して、その発音タイミング及び音高に従ってベース音を発生させる。また、押鍵によりCメジャー以外のコードが入力された場合には、ベース基本パターンの発音タイミングでない場合であってもその時点で、入力されたコードの根音(もしくは最低音)よりも1オクターブ下のベース音を発音させ、以降はベース基本パターンの音高を入力されたコードの根音よりも1オクターブ下の音高にシフトして発音させる。
【0003】
したがって、X時点で押鍵によりコード“Dマイナー”が入力された場合には、(c)に示すように、この時点でベース音“D”を発生させるとともに、以降ではベース基本パターンの発音タイミングでベース音“D”を発生させる。また、Y時点で押鍵によりコード“Dマイナー”が入力された場合にも、この時点でベース音“D”を発生させるとともに、以降のベース基本パターンの発音タイミングでベース音“D”を発生させ、Z時点で押鍵によりコード“Eマイナー”が入力された場合には、この時点はベース基本パターンの発音タイミングであることから当然にベース音を発生させるとともに、この時点からベース基本パターンの発音タイミングで、“Eマイナー”の根音よりも1オクターブ下のベース音“E”を発生させる。したがって、異なるコードを押鍵すればその時点からベース音が押鍵されたコードに対応した音高に変化し、押鍵により発生するコード構成音とベース音とを音楽的に合致させつつ自動演奏を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の自動伴奏装置にあっては、鍵盤でコードが入力されると、ベース基本パターンの発音タイミングでない場合であっても、コードが入力されたタイミングでベース音を発生させるように構成されている。このため、Y時点で押鍵によりコードが入力されると、ベース基本パターンの8分音符長のベース音と4分音符長のベース音との間に、ベース基本パターンにないベース音が加わることとなる。したがって、ベース基本パターンの8分音符長のベース音は16分音符長となり、コード入力に対応するベース音も16分音符長となって、ベース音P,Q,Rが短時間内に連続し、ベース音により形成されている演奏のリズムが乱されてしまう。
【0005】
無論、ベース基本パターンと同一タイミングで押鍵によりコードを入力すれば、ベース基本パターンにないベース音の発生はないことから、演奏のリズムが乱されることもない。しかし、同一タイミングで押鍵しようとしても、これが僅かでもずれると、同様にベース基本パターンにないベース音が短い時間差で発生することとなって、前述と同様に演奏のリズムが乱されてしまう。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、リズムを乱すことなく、演奏操作に基づいた楽音を挿入しつつ自動演奏を行うことのできる自動演奏装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明にあっては、順次読み出される演奏情報に基づくタイミングで発音を指示する自動発音指示手段と、演奏操作子の操作に応答したタイミングで発音を指示する手動発音指示手段と、この手動発音指示手段の発音指示タイミングと、この発音指示タイミングとは異なるタイミングでの前記自動発音指示手段および前記手動発音指示手段による発音指示のうちで前記発音指示タイミングに隣接する発音指示のタイミングとの時間差を検出する検出手段と、この検出手段により検出された時間差が所定時間以上である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を許容し、前記時間差が所定時間未満である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を禁止する制御手段とを備えている。
【0008】
したがって、演奏操作子の操作により発生する楽音とこれに時間的に隣接する他の楽音との間の時間が所定間隔以上短くなることはなく、短時間内に複数の楽音が連続することもない。
【0009】
また、請求項2記載の発明にあっては、順次読み出される演奏情報に基づくタイミングで発音を指示する自動発音指示手段と、演奏操作子の操作に応答したタイミングで発音を指示する手動発音指示手段と、前記自動発音指示手段により発音を指示されたタイミングと、このタイミングに時間的に隣接し次に前記手動発音指示手段により発音を指示されたタイミングとの時間差を検出する検出手段と、この検出手段により検出された時間差が所定時間以上である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を許容し、前記時間差が所定時間未満である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を禁止する制御手段とを備えている。
したがって、演奏情報に基づいて発生する楽音と、これに続いて演奏操作子の操作により発生する楽音との時間差が所定間隔以上短くなることはない。
【0010】
また、請求項3記載の発明にあっては、順次読み出される演奏情報に基づくタイミングで発音を指示する自動発音指示手段と、演奏操作子の操作に応答したタイミングで発音を指示する手動発音指示手段と、前記手動発音指示手段により発音を指示されたタイミングと、このタイミングに時間的に隣接し次に前記自動発音指示手段により発音を指示されるタイミングとの時間差を検出する検出手段と、この検出手段により検出された時間差が所定時間以上である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を許容し、前記時間差が所定時間未満である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を禁止する制御手段とを備えている。
したがって、前述した請求項2記載の発明とは逆に、演奏操作子の操作により発生する楽音と、これに続いて演奏情報に基づいて発生する楽音との時間差が所定間隔以上短くなることはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。この実施形態は、本発明を電子鍵盤楽器に適用したものであり、この電子鍵盤楽器には、図1のブロック図に示すように、鍵盤1及びスイッチ部2が設けられている。鍵盤1には、複数の鍵が設けられているとともに押鍵に伴ってオンとなる鍵スイッチが各鍵毎に設けられており、また、この鍵盤1は後述する自動伴奏モードが設定されている状態においては、所定音高よりも高音側のメロディ鍵域と低音側の和音指定鍵域とにスプリットされる。スイッチ部2には、電源スイッチや音量スイッチ、音色スイッチ、自動伴奏スタート/ストップスイッチ等のこの電子鍵盤楽器において必要となる各種スイッチが設けられている。
【0014】
これら鍵盤1及びスイッチ部2からのスイッチ情報は、CPU3に入力される。CPU3は、これら入力情報とプログラムROM4に記憶されているプログラム及びデータROM5に記憶されているデータに基づいて動作し、ワークRAM6を作業領域として使用しつつ、この電子鍵盤楽器において必要な全ての処理を実行するとともに、音源7を制御する。すなわち、CPU3は、後述するフローに従って処理を実行することにより、本実施例において発音指示手段、検出手段、及び制御手段を構成するものであり、音源7は、CPU3からの指示に従った周波数の楽音波形を生成し、この楽音波形がアンプ8により増幅されてスピーカ9に与えられることにより、該スピーカ9から指示されたタイミングで指示された音高の楽音が発生するように構成されている。
【0015】
前記データROM5には、ベース基本パターンが記憶されている。このベース基本パターンは、例えば図12(b)に楽譜で示した2小節分のデータで構成され、各音符で示す発音タイミングと、押鍵によりコードとしてCメジャー入力された場合の音高とで構成されている。また、CPU4は、下記及び図2(a)(b)に示すレジスタを有している。
【0016】
なお、図2(a)(b)において、note1,note2は、ベース基本パターンの時間的に隣接する発音タイミングを示す。また、key_onはユーザーが和音指定鍵域での押鍵によりコードが確定したタイミングを示し、本実施の形態においては、このコードが確定するタイミングは、押鍵タイミングであるとともに発音タイミングでもあり、key_on′は押鍵に伴って発生したベース発音である。
【0017】
次に、以上の構成にかかる本実施例の動作を図3以降に示したフローチャートに従って説明する。すなわち、CPU3は、電源スイッチの投入に伴って図3に示すゼネラルフローに従って動作を開始し、先ずイニシャライズ処理(ステップA1)を実行して、前述の各種レジスタをクリアする。引き続き、後述するスイッチ処理(ステップA2)、鍵盤処理(ステップA3)、自動伴奏処理(ステップA4)及びその他の処理(ステップA5)を実行し、電源スイッチがオンとなっている間、ステップA2〜ステップA5のループを繰り返す。
【0018】
前記スイッチ処理(ステップA2)は、図4に示すフローに従って行われ、自動伴奏スタート/ストップスイッチが操作されたか否かを判別し(ステップB1)、操作された場合には自動伴奏フラグAFを反転させる(ステップB2)。したがって、自動伴奏フラグAFは、自動伴奏スタート/ストップスイッチが操作される都度“1”“0”に変化する。次に、その他のスイッチ処理(ステップB3)を行って、音色スイッチの操作に応じた音色切り換え、音量スイッチの操作に応じた音量制御等の、他のスイッチの操作に応じた処理を実行する。
【0019】
前記鍵盤処理(ステップA3)は、図5に示すフローに従って行われ、鍵盤1の各鍵に設けられている鍵スイッチを走査して、この操作した鍵スイッチに基づき各鍵の状態を識別し(ステップC1)、鍵スイッチの状態に変化がなければ、ゼネラルフロー(図3)にリターンする。また、鍵スイッチがオフからオンに変化して、押鍵が発生したならば、この押鍵が自動伴奏モードの設定により予めスプリットされているメロディ鍵域と和音演奏鍵域において、和音鍵域で発生したか否かを判別する(ステップC2)。この判別の結果、押鍵が和音演奏鍵域ではなくメロディ鍵域である場合には、押鍵された音高での発音処理を実行する(ステップC6)。すなわち、CPU3は、押鍵された音高での発音を音源7に指示し、音源7が対応する周波数の楽音波形を生成することにより、該スピーカ9からはメロディ鍵域での押鍵に対応するタイミングで押鍵に対応する音高の楽音が発生する。
【0020】
また、ステップC2での判別の結果、押鍵が和音指定鍵域で発生した場合には、自動伴奏フラグAFがセットされているか否かを判別し(ステップC3)、自動伴奏フラグがセットされておらず、自動伴奏停止中である場合には、前述したステップC6の処理を行って、押鍵に対応するタイミングで押鍵に対応する音高の楽音を発生させる。しかし、ステップC3での判別の結果、AF=1であって自動伴奏進行中である場合には、key_on_timeとnext_bass_timeに格納する値を検出してこれを更新する(ステップC4)。すなわち、前述したように、key_on_timeは、直前のベース発音から、今回のキーオン(押鍵)タイミングまでの時間を格納することから、和音指定鍵域で新たに押鍵が発生したことに伴って、直前のベース発音から、今回のキーオン(押鍵)タイミングまでの時間を検出して、key_on_timeを更新する。また、next_bass_timeは、直前のベース発音から、ベース基本パターンの次の発音タイミングまでの時間を格納するが、本実施の形態においては前述のように、押鍵タイミング=発音タイミングであり、また、ベース基本パターンの次の発音タイミングは、データROM5から読み出している自動伴奏データから明らかであることから、この両者から前記時間を検出して、next_bass_timeを更新する。さらに、和音鍵域での押鍵により指定された和音の最低音(根音)を検出して(ステップC5)、ゼネラルフローにリターンする。
【0021】
また、ステップC1での判別の結果、離鍵が発生したならば、この離鍵された鍵に係る楽音の消音処理を実行する(ステップC7)。すなわち、前述したステップC6での処理によりメロディ音を発生させた鍵が離鍵されたならば、当該メロディ音の消音を音源7に指示し、この指示に従って音源7が楽音波形を減衰させることにより、スピーカ9から発生していた対応する楽音が消音される。
【0022】
前記自動伴奏処理(ステップA4)は、図6に示すフローに従って行われ、自動伴奏フラグAFがセットされているか否かを判別し(ステップD1)、AF=1であって、自動伴奏進行中の状態にあれば、この自動伴奏処理が実行される直前に実行された鍵盤処理(図5)におけるステップC4で、前述した検出及びkey_on_timeとnext_bass_timeの更新がなされたか否かを判別する(ステップD2)。この検出及び更新が直前になされなかった場合、つまりこの自動伴奏処理が実行される直前にAF=1の状態で和音指定鍵域での押鍵がなされなかった場合には、ベース基本パターンの読出・発音処理を実行する(ステップD5)。
【0023】
すなわち、このステップD5においては、ベース基本パターンに従ったタイミングで対応する音高の楽音を発生させ、あるいは予め和音指定鍵域での操作により和音が指定されている場合には、当該小節内では前述したステップC5で検出した最低音の1オクターブ下の音をベース基本パターンに従ったタイミングで発生させる。したがって、自動伴奏を開始した後、和音指定鍵域での押鍵を行わない場合には、図12(b)に示した楽譜の各音符に対応するベース音が順次発生し、和音指定鍵域でコードが指定された場合には、以降指定されたコードの根音よりも1オクターブ下の音高のベース音がベース基本パターンのタイミングで発生する。
【0024】
しかし、ステップD2での判別の結果、自動伴奏処理が実行される直前にAF=1の状態で和音指定鍵域で押鍵がなされ、key_on_timeとnext_bass_timeとが直前に更新されている場合には、next_bass_timeの値からkey_on_timeの値を減算し、その減算結果がM以上であるか否かを判別する(ステップD3)。このステップD3の処理により、図2(a)及び(b)におけるkey_onとnote2との時間差が算出されるとともに、この時間差が8分音符長以上であるか否かが判別される。そして、この判別の結果、前記時間差が8分音符長以上である場合には、押鍵タイミングで、前述したステップC5で検出した最低音の1オクターブ下の音を発音させた後(ステップD4)、ステップD5の処理を実行する。したがって、このステップD4の処理が行われることにより、図12(a)に示すように、X時点で和音鍵域にてコード“Dマイナー”が押鍵された場合には、(d)に示すように、この時点でベース音“D”が発生し、Z時点で和音鍵域にてコード“Eマイナー”が押鍵された場合には、この時点でベース音“E”が発生する。このとき、前記時間差が8分音符長以上であることから、ベース音が短時間内に連続することはなく、ベース音により形成されている演奏のリズムが乱されてしまうこともない。
【0025】
また、このステップD4の処理と前述したステップD5の処理が行われることにより、従来の自動伴奏装置と同様に、押鍵によりコードが入力された場合には、ベース基本パターンの発音タイミングでない場合であっても、その時点で入力されたコードの根音よりも1オクターブ下のベース音が発音され、あるいは当該小節のベース基本パターンの音高を入力されたコードの根音よりも1オクターブ下の音高にシフトして発音されることとなる。
【0026】
他方、ステップD3での判別の結果、key_onとnote2との時間差が8分音符長未満である場合には、押鍵タイミングでのベース発音を禁止する(ステップD6)。すなわち、図12(a)に示すように、Y時点で和音鍵域にて“Dマイナー”が押鍵されたとすると、このY時点は、ベース基本パターンの8分音符長のベース音と4分音符長のベース音との間であることから、“next_bass_time−key_on_time”の値は、8分音符長(M)未満となる。よって、この場合には、ステップD6の処理を行って、Y時点の押鍵タイミングでの発音を禁止する。したがって、このステップD6での処理により、従来においてはY時点での押鍵タイミングにより発生したベース音Qが、本実施の形態では発生しないこととなり、また、このベース音Qが発生しないことにより、ベース基本パターンの8ベース音Pと前記ベース音Qとが16分音符長となることもなく、短時間内にベース音P,Q,Rが連続することもない。よって、このベース音P,Q,Rが短時間内に連続することに起因してベース音により形成されている伴奏のリズムが乱される不都合を回避して、所定のリズムを保持しつつ自動伴奏を行うことができる。
【0027】
このようにして所定のリズムを保持しつつ自動伴奏が進行している状態において、スタート/ストップスイッチが操作されると、前述したステップB2で自動伴奏フラグAFが反転されることにより、ステップD1の判別がNOとなって、ステップD7に進む。そして、このステップD7で、ベース基本パターンの読み出しを停止するとともに消音処理を行い、これによりスピーカ9からのベース音の発生が停止して、自動伴奏が停止することとなる。
【0028】
図7〜図9は、本発明の第2の実施の形態を示すものである。この実施の形態は、本発明を和音で自動伴奏を行う場合に適用したものであり、図1に示したデータROM5には、和音基本パターンが記憶されている。この和音基本パターンは、図7(a)に楽譜で示したように、2小節分のデータで構成され、各和音音符で示す発音タイミングと、押鍵によりコードとしてCメジャー入力された場合の和音構成音の音高とで構成されている。また、この実施の形態においては、key_on_timeは直前の和音発音から、今回のキーオンタイミングまでの時間を格納し、next_bass_timeは直前の和音発音から、和音基本パターンの次の発音タイミングまでの時間を格納する。
【0029】
この実施の形態において、前記鍵盤処理(ステップA2)は、図8に示すフローに従って行われるが、このフローにおいて、ステップE5を除くステップE1〜E4,E6,E7処理は、前述した図5におけるステップC1〜C4,C6,C7の処理と同様である。そして、唯一異なるステップE5では、和音鍵域での押鍵により指定された和音を検出して、ゼネラルフロー(図3)にリターンする。
【0030】
また、前記自動伴奏処理(ステップA4)は、図9に示すフローに従って行われるが、このフローにおいて、ステップF1〜F3は、前述した図6におけるステップD1〜D3の処理と同様である。そして、ステップF3での判別の結果、key_on_timeとnext_bass_timeの検出・更新が直前になされなかった場合、つまりこの自動伴奏処理が実行される直前にAF=1の状態で和音指定鍵域での押鍵がなされなかった場合には、和音基本パターンの読出・発音処理を実行する(ステップF5)。すなわち、このステップF5においては、和音基本パターンに従ったタイミングで対応する和音を発生させ、あるいは予め和音指定鍵域での操作により和音が指定されている場合には、和音基本パターンの和音の構成音を前述したステップE5で検出した和音に従ってシフトし、和音基本パターンに従ったタイミングで発生させる。
【0031】
また、ステップF3での判別の結果、key_on_time−next_bass_time≧Mである場合には、押鍵タイミングで、前述したステップE5で検出した和音を発音させた後(ステップF4)、前述したステップF5の処理を実行する。したがって、このステップF4の処理が行われることにより、図7(b)に示すように、X時点で和音鍵域にてコード“Dマイナー”が押鍵された場合には、その時点で和音“Dマイナー”が発生し、Z時点で和音鍵域にてコード“Eマイナー”が押鍵された場合には、その時点で和音“Eマイナー”が発生する。このとき、key_on_time−next_bass_time≧Mであって時間差が8分音符長以上であることから、和音が短時間内に連続することはなく、和音により形成されている演奏のリズムが乱されてしまうこともない。
【0032】
他方、ステップF3での判別の結果、key_onとnote2との時間差が8分音符長未満である場合には、押鍵タイミングでの和音発音を禁止する(ステップF6)。すなわち、図7(b)に示すように、Y時点で和音鍵域にて“Dマイナー”が押鍵されたとすると、このY時点は、和音基本パターンの8分音符長の和音と4分音符長の和音との間であることから、“next_bass_time−key_on_time”の値は、8分音符長(M)未満となり、この場合には、ステップF6の処理を行って、Y時点の押鍵タイミングでの発音を禁止する。したがって、この押鍵タイミングでの和音の発生が禁止されることにより、短時間内に和音が連続することもなく、この和音が短時間内に連続することに起因して和音により形成されている伴奏のリズムが乱される不都合を回避することができる。そして、所定のリズムを保持しつつ自動伴奏が進行している状態において、スタート/ストップスイッチが操作されると、前述したステップB2で自動伴奏フラグAFが反転されることにより、ステップF1の判別がNOとなって、ステップF7に進む。このステップF7で、和音基本パターンの読み出しを停止するとともに消音処理を行い、これによりスピーカ9からの和音の発生が停止して、自動伴奏が停止する。
【0033】
図10及び図11は、本発明の第3の実施の形態を示すものである。すなわち、前述した第1の実施の形態が、押鍵タイミングに応答したベース発音とその直後のベース発音との時間が所定未満である場合に、押鍵タイミングに応答したベース発音を禁止したのに対して、この実施の形態は、押鍵タイミングに応答したベース発音とその直前のベース発音との時間が所定未満である場合に、押鍵タイミングに応答したベース発音を禁止するようにしたものである。また、この実施の形態においては、第1の実施の形態で用いたnext_bass_timeを用いることなく、key_on_time、AF、Mのみを用いる。
【0034】
この実施の形態において、前記鍵盤処理(ステップA2)は、図10に示すフローに従って行われるが、このフローにおいて、ステップG4を除くステップG1〜G3、G5〜G7処理は、前述した図5におけるステップC1〜C3、C5〜C7の処理と同様である。そして、唯一異なるステップG4では、key_on_timeのみの検出・更新を行う。
【0035】
また、前記自動伴奏処理(ステップA4)は、図11に示すフローに従って行われるが、このフローにおいて、ステップH1及びステップH4〜H7は、前述した図6におけるステップD1、及びステップD4〜D7の処理と同様である。すなわち、ステップH1での判別の結果、AF=1であって、自動伴奏進行中の状態にあれば、この自動伴奏処理が実行される直前に実行された鍵盤処理におけるステップG4で、key_on_timeの検出・更新がなされたか否かを判別する。この検出及び更新が直前になされなかった場合、つまりこの自動伴奏処理が実行される直前にAF=1の状態で和音指定鍵域での押鍵がなされなかった場合には、ベース基本パターンの読出・発音処理を実行する(ステップH5)。
【0036】
しかし、ステップH2での判別の結果、自動伴奏処理が実行される直前にAF=1の状態で和音指定鍵域で押鍵がなされ、key_on_timeが直前に更新されている場合には、key_on_timeの値がM以上であるか否かを判別する(ステップH3)。このステップH3の判別により、図2(a)におけるnote1とkey_onとの時間差、あるいは同図(b)におけるkey_on′とkey_onとの時間差が8分音符長以上であるか否かが判別されることとなる。そして、この判別の結果、前記時間差が8分音符長以上である場合には、押鍵タイミングで、前述したステップC5で検出した最低音の1オクターブ下の音を発音させる(ステップH4)。したがって、このステップH4の処理が行われることにより、図12(a)に示すように、X時点で和音鍵域にてコード“Dマイナー”が押鍵された場合には、(d)に示すように、この時点でベース音“D”が発生し、Z時点で和音鍵域にてコード“Eマイナー”が押鍵された場合には、この時点でベース音“E”が発生する。このとき、前記時間差が8分音符長以上であることから、ベース音が短時間内に連続することはなく、ベース音により形成されている演奏のリズムが乱されてしまうこともない。
【0037】
他方、ステップH3での判別の結果、前記時間差が8分音符長未満である場合には、押鍵タイミングでのベース発音を禁止する(ステップH6)。すなわち、図12(a)に示すように、Y時点で和音鍵域にて“Dマイナー”が押鍵されたとすると、このY時点は、ベース基本パターンの8分音符長のベース音と4分音符長のベース音との間であることから、key_on_timeの値は、8分音符長(M)未満となる。よって、この場合には、ステップH6の処理を行って、Y時点の押鍵タイミングでの発音を禁止する。したがって、このステップH6での処理により、従来においてはY時点での押鍵タイミングにより発生したベース音Qが、本実施の形態では発生しないこととなり、また、このベース音Qが発生しないことにより、ベース基本パターンの8ベース音Pと前記ベース音Qとが16分音符長となることもなく、短時間内にベース音P,Q,Rが連続することもない。よって、このベース音P,Q,Rが短時間内に連続することに起因してベース音により形成されている伴奏のリズムが乱される不都合を回避して、所定のリズムを保持しつつ自動伴奏を行うことができる。
【0038】
なお、実施の形態においては,Mの値として8分音符長に相当する時間を用いるようにしたが、これに限ることなく他の時間値を用いてもよく、また、自動演奏されるリズムに応じてMの値を変更できるようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、順次読み出される演奏情報に基づくタイミングで発音を指示するとともに、演奏操作子の操作に応答したタイミングで発音を指示し、この演奏操作子の操作に応答した発音指示タイミングに時間的に隣接する他の発音指示タイミングとの時間差が所定時間未満である場合には、演奏操作子の操作に応答したタイミングでの発音を禁止するようにした。よって、演奏操作子の操作により発生する楽音とこれに時間的に隣接する他の楽音との発生時間差が所定間隔以上短くなることを防止して、短時間内に複数の楽音が連続することを回避することができ、これにより自動演奏のリズムの乱れを防止することができる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用した電子鍵盤楽器のブロック図である。
【図2】key_on_timeとnext_bass_timeの内容を示す説明図である。
【図3】ゼネラルフローを示すフローチャートである。
【図4】スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】鍵盤処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】自動伴奏処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態における和音基本パターンとコード発音との関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における鍵盤処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】同実施の形態における自動伴奏処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態における鍵盤処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】同実施の形態における自動伴奏処理の内容を示すフローチャートである。他のベンドスイッチの構成を示す平面図である。
【図12】押鍵コードとベース基本パターン、及び従来の本発明のベース発音との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 鍵盤
3 CPU
5 データROM
7 音源
Claims (3)
- 順次読み出される演奏情報に基づくタイミングで発音を指示する自動発音指示手段と、
演奏操作子の操作に応答したタイミングで発音を指示する手動発音指示手段と、
この手動発音指示手段の発音指示タイミングと、この発音指示タイミングとは異なるタイミングでの前記自動発音指示手段および前記手動発音指示手段による発音指示のうちで前記発音指示タイミングに隣接する発音指示のタイミングとの時間差を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された時間差が所定時間以上である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を許容し、前記時間差が所定時間未満である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を禁止する制御手段と、
を備えたことを特徴とする自動演奏装置。 - 順次読み出される演奏情報に基づくタイミングで発音を指示する自動発音指示手段と、
演奏操作子の操作に応答したタイミングで発音を指示する手動発音指示手段と、
前記自動発音指示手段により発音を指示されたタイミングと、このタイミングに時間的に隣接し次に前記手動発音指示手段により発音を指示されたタイミングとの時間差を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された時間差が所定時間以上である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を許容し、前記時間差が所定時間未満である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を禁止する制御手段と、
を備えたことを特徴とする自動演奏装置。 - 順次読み出される演奏情報に基づくタイミングで発音を指示する自動発音指示手段と、
演奏操作子の操作に応答したタイミングで発音を指示する手動発音指示手段と、
前記手動発音指示手段により発音を指示されたタイミングと、このタイミングに時間的に隣接し次に前記自動発音指示手段により発音を指示されるタイミングとの時間差を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された時間差が所定時間以上である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を許容し、前記時間差が所定時間未満である場合は、前記手動発音指示手段の指示に従った発音を禁止する制御手段と、
を備えたことを特徴とする自動演奏装置。
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JP35264696A JP3629860B2 (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 自動演奏装置 |
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