JP3629066B2 - 缶胴ブランクの表面処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、缶胴ブランクの表面処理装置に関し、詳しくは、飲料缶等に使用される缶胴ブランクの両面にポリエステルフィルムを接着して被覆する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
飲料缶等においては、短冊状の金属製缶胴ブランクの両端縁を溶接接合して形成された筒状の缶胴を使用したものが知られている。この種の缶胴には、その基体金属と内容物との接触により基体金属が腐食されたり溶出した金属成分のために内容物のフレーバーが変化することを避けるために、缶胴ブランクの表裏両面にポリエステルフィルムによる被覆が施されることが知られている。
【0003】
従来、ポリエステルフィルムによる被覆が施された缶胴ブランクを製造するための缶胴ブランクの表面処理装置は、まず、長尺の状態で連続して供給された缶胴ブランク材料を所定温度に加熱して、該缶胴ブランク材料の表裏両面に二軸延伸ポリエステルフィルムを熱硬化性接着剤を介して貼着することが行われる。そして、ポリエステルフィルムが貼着された状態の缶胴ブランク材料を所定形状に裁断して短冊状の表面処理缶胴ブランクを得ている。
【0004】
しかし、所定温度に加熱された缶胴ブランク材料にポリエステルフィルムを熱硬化性接着剤を介して貼着しただけでは、熱硬化性接着剤の熱硬化が不十分(以下「仮接着」という)のままである。そのため、短冊状の缶胴ブランクの夫々に対して再加熱を行い、或いは、筒状の缶胴を形成した後に再加熱を行って十分に熱硬化性接着剤を硬化(以下「本接着」という)させることが行われていた。
【0005】
このため、短冊状の缶胴ブランクが形成された後、或いは、筒状の缶胴を形成した後に、再加熱するための工程を設けなければならず、作業が煩雑となって効率が低下する不都合があった。
【0006】
そこで、ポリエステルフィルムが貼着され仮接着された直後に、缶胴ブランク材料が長尺状態のまま、本接着を行うことが考えられる。
【0007】
こうすることにより、短冊状の缶胴ブランクが形成されたときには既に熱硬化性接着剤の十分な硬化が完了しているため、缶胴を成形した後にオーブンに搬入する必要がなく、作業を簡略化することができる。
【0008】
しかし、熱硬化性接着剤を十分に硬化させるためには、加熱温度が十分に得られたとしても比較的長い時間その加熱温度の雰囲気中を通過させる必要があり、缶胴ブランク材料が長尺の状態であると、ラインが長大化するため広大な設置スペースが必要となる不都合がある。
【0009】
そこで、上下に対向して配列された複数のロールを設け、各上下のロールに交互に缶胴ブランク材料を掛けわたして、比較的小さなスペースで、長い距離にわたって前記加熱温度の雰囲気内を通過させることが考えられる。そして、上下の何れかに配列されたロールを缶胴ブランク材料を送り出し方向に駆動することにより後工程に円滑に缶胴ブランク材料を送り出すことができる。
【0010】
しかし、金属製の缶胴ブランク材料は熱の影響を受けて膨張や収縮が発生し易い。特に、缶胴ブランク材料が長尺である場合には、その膨張や収縮が顕著となる。このため、加熱初期の上流側から加熱後期の下流側に向かうに従って缶胴ブランク材料に弛みが増し、例えば駆動側のロールを一様の速度で駆動した場合には、下流側のロールの回転速度と缶胴ブランク材料の通過速度とに差異が生じてロール群が缶胴ブランク材料の表面を滑り、缶胴ブランク材料を被覆するポリエステルフィルムの表面に傷付きが発生する不都合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コンパクトに構成して長尺の缶胴ブランク材料の熱硬化性接着剤を十分に硬化させることができ、しかも、缶胴ブランク材料を被覆するポリエステルフィルムの表面の傷付きを防止することができる缶胴ブランクの表面処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、長尺の缶胴ブランク材料を供給する供給手段と、該供給手段から供給された缶胴ブランク材料を加熱して送り出す加熱手段と、該加熱手段から送り出された缶胴ブランク材料の表裏両面に二軸延伸ポリエステルフィルムを熱硬化性接着剤を介して貼着して缶胴ブランク材料を送り出すフィルム貼着手段と、該フィルム貼着手段から送り出された缶胴ブランク材料を所定形状に裁断して表面処理缶胴ブランクを得る裁断手段とを備える缶胴ブランクの表面処理装置において、前記フィルム貼着手段と裁断手段との間に、フィルム貼着手段から送り出された缶胴ブランク材料の前記熱硬化性接着剤を加熱硬化させることにより該缶胴ブランク材料と二軸延伸ポリエステルフィルムとを一体に接着して該缶胴ブランク材料を送り出す加熱接着手段と、該加熱接着手段から送り出された缶胴ブランク材料を冷却して前記裁断手段へ送り出す冷却手段とを設け、前記加熱接着手段は、内部が所定加熱温度の雰囲気とされて前記缶胴ブランク材料が通過する加熱室と、該加熱室内を通過する前記缶胴ブランク材料が交互に掛けわたされた駆動ロールと従動ロールとが複数配列されて各駆動ロールの駆動によって加熱室内の缶胴ブランク材料を送るロール群と、加熱室内を通過する前記缶胴ブランク材料の熱膨張に対応して上流側の駆動ロールよりも下流側の駆動ロールの送り速度が速くなるように各駆動ロールを駆動する駆動手段とを備え、前記冷却手段は、前記缶胴ブランク材料が通過する冷却室と、該冷却室内を通過する前記缶胴ブランク材料が交互に掛けわたされた駆動ロールと従動ロールとが複数配列されて各駆動ロールの駆動によって缶胴ブランク材料を送る冷却されたロール群と、該ロール群に送られつつ冷却された前記缶胴ブランク材料の冷却収縮に対応して上流側の駆動ロールよりも下流側の駆動ロールの送り速度が遅くなるように各駆動ロールを駆動する駆動手段とを備え、少なくとも前記加熱接着手段と前記冷却手段との間、該冷却手段と前記裁断手段との間の夫々に、加熱接着手段の内部及び冷却手段の内部を通過する缶胴ブランク材料に一定の張力を付与する張力付与手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明においては、前記加熱接着手段の本体内部に連通して内部が所定加熱温度の雰囲気とされた前記フィルム貼着手段に向かって延びる連通ダクトを設け、前記フィルム貼着手段から送り出された前記缶胴ブランク材料は、該連通ダクトの内部を通過して前記加熱接着手段に投入されることを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明によれば、前記加熱接着手段を、前記フィルム貼着手段と裁断手段との間に設けたことにより、缶胴ブランク材料に二軸延伸ポリエステルフィルムが仮接着された直後に本接着が行われる。更に、前記冷却手段を、前記加熱接着手段と裁断手段との間に設けることにより、二軸延伸ポリエステルフィルムの本接着が行われた缶胴ブランク材料を速やかに冷却して二軸延伸ポリエステルフィルムによる強固な被覆状態を得る。
【0015】
また、前記加熱接着手段は、内部が所定加熱温度の雰囲気とされた加熱室内において、前記ロール群に缶胴ブランク材料を掛けわたして送るので、加熱室を比較的コンパクトに形成しても、その内部を通過する缶胴ブランク材料は比較的長い距離にわたって所定温度の雰囲気中を移動するので、熱硬化性接着剤を十分に硬化させる長時間の加熱が可能となる。
【0016】
また同様に、前記冷却手段は、内部が所定冷却温度の雰囲気とされた冷却室において、前記冷却されたロール群に缶胴ブランク材料を掛けわたして送るので、缶胴ブランク材料を接触冷却することが可能であり、更に、冷却室を比較的コンパクトに形成しても、その内部を通過する缶胴ブランク材料は比較的長い距離にわたって所定温度の雰囲気中を移動するので、缶胴ブランク材料を十分に冷却させる長時間の冷却が可能となる。
【0017】
また、前記加熱接着手段においては、前記駆動手段によって上流側の駆動ロールよりも下流側の駆動ロールの送り速度が速くなるように各駆動ロールを駆動することにより、本体内部を通過する前記缶胴ブランク材料が熱膨張により下流側の長さを増しても速度を速く送って各ロールと缶胴ブランク材料との滑りを防止する。前記冷却手段においては、前記駆動手段によって上流側の駆動ロールよりも下流側の駆動ロールの送り速度が遅くなるように各駆動ロールを駆動することにより、本体内部を通過する前記缶胴ブランク材料が冷却収縮により下流側の長さが縮んでも送り速度を遅くして各ロールと缶胴ブランク材料との滑りを防止する。
【0018】
また、前記張力付与手段によって、加熱接着手段の内部及び冷却手段の内部を通過する缶胴ブランク材料に一定の張力を付与し、缶胴ブランク材料と前記ロール群とを確実に接触させ各ロールと缶胴ブランク材料との滑りを防止する。
【0019】
また、前記連通ダクトを設けることにより、前記フィルム貼着手段から送り出された缶胴ブランク材料が外気によって冷却されるのを防止し、前記加熱接着手段による本接着時の加熱温度への上昇時間を短縮する。
【0020】
【実施例】
本発明の一実施例を図1に基づいて説明する。図1は本実施装置を示す概略構成図である。
【0021】
図1において、1は長尺の金属製缶胴ブランク材料Wを供給する供給手段、2は該供給手段1から供給された缶胴ブランク材料Wを加熱する加熱手段、3は該加熱手段2により加熱された缶胴ブランク材料Wに二軸延伸ポリエステルフィルムXを供給して貼着するフィルム貼着手段、4は該フィルム貼着手段3から送り出された缶胴ブランク材料Wを再加熱する加熱接着手段、5は該加熱接着手段4から送り出された缶胴ブランク材料Wを冷却する冷却手段、6は該冷却手段5から送り出された缶胴ブランク材料Wを所定形状に裁断する裁断手段である。
【0022】
前記供給手段1は、図1に示すように、缶胴ブランク材料Wを巻回した一対の缶胴ブランク材料コイル7a,7bと、缶胴ブランク材料コイル7a,7bの下流側に設けられたスプライサ8と、該スプライサ8の下流に設けられた送出ロール9とを備える。缶胴ブランク材料コイル7a,7bのうち片方のコイルは予備である。一方のコイルに巻回された缶胴ブランク材料Wが無くなると、その末端に他方のコイルから引き出された先端が前記スプライサ8によって接続される。前記送出ロール9は、缶胴ブランク材料コイル7a,7bから缶胴ブランク材料Wを送り出すものであるが、缶胴ブランク材料Wに一定の張力を付与しつつ送り出すために、常に一定のトルクを維持するトルクモータが採用されている。該送出ロール9の下流側には缶胴ブランク材料コイル7a,7bから引き出された缶胴ブランク材料Wを一時的に貯留させるアキュームレータ10が設けられている。該アキュームレータ10は上下に対向して回転自在の複数のロール11a,11bを備え、各ロール11a,11bには交互に缶胴ブランク材料Wが掛けわたされている。該アキュームレータ10は一方のコイルに巻回された缶胴ブランク材料Wが残り少なくなったとき、もう一方のコイルに巻回された材料に上流側だけを一時停止させて継ぎ合わせるため、上下に位置するロール11a,11bが互いに接近して各ロール11a,11bに掛けわたされている缶胴ブランク材料Wを下流に送り出す。この間に、前述したスプライサ8による缶胴ブランク材料Wの接続が行われ、その後徐々に上下に位置するロール11a,11bが互いに離反して、缶胴ブランク材料Wを貯留する。
【0023】
前記加熱手段2は、複数のヒートロール12a,12bを上下に配列して備えている。該ヒートロール12a,12bは、前記供給手段1から供給された缶胴ブランク材料Wに対して低周波誘電加熱を行うものであり、各ヒートロール12a,12bに缶胴ブランク材料Wを掛けわたして接触加熱を行う。また、ヒートロール12a,12bは、下方に配列された駆動ロール12bと、上方に配列された従動ロール12aとによって構成され、駆動ロール12bは互いに隣合う2つを1組として3組が夫々の駆動手段である3機のモータ13a,13b,13cによって駆動される。各モータ13a,13b,13cから各組の駆動ロール12bへはプーリ14及びベルト15により回転が伝達される。更に、各モータ13a,13b,13cは、図示しない制御手段により、夫々各別に速度が制御される。即ち、缶胴ブランク材料Wは各ヒートロール12a,12bによって加熱されるに従って熱膨張する。このため、缶胴ブランク材料Wの熱膨張に対応して各モータ13a,13b,13cは最も上流側のモータ13aから最も下流側のモータ13cにかけて徐々に回転速度が速くなるように制御される。
【0024】
前記フィルム貼着手段3は、前記加熱手段2によって加熱された状態の缶胴ブランク材料Wの表裏両面に二軸延伸ポリエステルフィルムXを貼着するものであり、缶胴ブランク材料Wの表面に貼着するフィルムXを巻回したフィルムコイル16と、缶胴ブランク材料Wの裏面に貼着するフィルムXを巻回したフィルムコイル17とを備える。フィルムXは、予め、貼着側にタックフリーの熱硬化性接着剤が塗布されて両フィルムコイル16,17に巻回されている。該フィルムXは、夫々複数のロール18により各コイルから引き出され、フィルム位置合せ装置19により缶胴ブランク材料Wの所定位置に合わせられて、夫々複数のロール20を介して圧着ロール21により缶胴ブランク材料Wの表裏両面の所定位置に二軸延伸ポリエステルフィルムXが貼着される。このとき、缶胴ブランク材料Wの表裏両面への二軸延伸ポリエステルフィルムXの貼着状態は、熱硬化性接着剤の硬化状態が不十分な仮接着状態である。
【0025】
前記加熱接着手段4は、缶胴ブランク材料Wを再加熱することによって熱硬化性接着剤を硬化させ本接着することにより二軸延伸ポリエステルフィルムXと缶胴ブランク材料Wとの接着状態を強固とする。該加熱接着手段4は、内部が所定加熱温度の雰囲気とされた箱状の本体22と、該本体22内部の上下に夫々配列された複数のロール23a,23bからなるロール群とを備える。本体22には、図示しないが、バーナによる熱をダクトを介して循環させる循環装置が接続されている。これにより、本体22内部を熱風が循環して所定温度の雰囲気とされる。各ロール23a,23bは、本体22内部の上方に配列された複数の駆動ロール23aと、本体22内部の下方に配列された複数の従動ロール23bとによって構成され、駆動ロール23aは互いに隣合う2つを1組として7組が夫々の駆動手段である7機のモータ24a〜24gによって駆動される。
【0026】
各モータ24a〜24gから各組の駆動ロール23aへはプーリ25a及びベルト26aにより回転が伝達される。また、缶胴ブランク材料Wは、加熱接着手段4の本体22内部の雰囲気により、温度が上昇するに従って熱膨張する。このため、缶胴ブランク材料Wの熱膨張に対応して各モータ24a〜24gは最も上流側のモータ24aから最も下流側のモータ24gにかけて徐々に回転速度が速くなるように制御される。これにより、各ロール23a,23bは缶胴ブランク材料Wの通過速度に応じた速度で該缶胴ブランク材料Wを送り出すことができ、各ロール23a,23bと缶胴ブランク材料Wとの滑りが防止され、傷付きのない状態で缶胴ブランク材料Wの再加熱を行うことができる。なお、本実施例においては、複数の駆動ロール23aを2つ1組として7組について各別に駆動するようにしたが、各駆動ロール23aを単一毎に個別に駆動してもよく、また、缶胴ブランク材料Wの熱膨張に対応した回転速度の設定が可能であれば3つ或いは4つ1組として駆動してもよい。
【0027】
また、該加熱接着手段4は、前記フィルム貼着手段3に向かって延びる連通ダクト25を備えている。該連通ダクト25は、加熱接着手段4の本体22内部に連通して内部が所定加熱温度の雰囲気とされ、前記フィルム貼着手段3から送り出された前記缶胴ブランク材料Wを導通させて加熱接着手段4に案内する。該連通ダクト25内における缶胴ブランク材料Wは、フィルム貼着手段3を送出された時から所定加熱温度に上昇をはじめ、加熱接着手段4に至った際には短時間で所定温度に達する。
【0028】
前記加熱接着手段4と前記冷却手段5との間には張力付与手段であるピンチロール26が設けられている。該ピンチロール26は、加熱接着手段4内部の缶胴ブランク材料Wに一定の張力を付与しつつ送り出すものであり、常に一定のトルクを維持するトルクモータが採用されている。
【0029】
前記冷却手段5は、内部が所定冷却温度の雰囲気とされた箱状の本体27と、該本体27内部の上下に夫々配列された複数のロール28a,28bからなるロール群とを備える。これら複数のロール28a,28bは、ロール内部に冷媒を通し、ロール面が冷却されており、缶胴ブランク材料Wはロール表面で接触冷却される。また、本体27の内面周壁には冷却水が導通されるウォータージャケット29が設けられ、図示しないが、ウォータージャケット29の冷気をダクトを介して循環させる循環装置が接続されている。これにより、本体27内部を冷風が循環して所定冷却温度の雰囲気とされる。各ロール28a,28bは、本体27内部の図中左側縦列に配列された複数の駆動ロール28aと、本体27内部の図中右側縦列に配列された複数の従動ロール28bとによって構成され、駆動ロール28aは互いに隣合う2つを1組として2組が夫々の駆動手段である2機のモータ30a,30bによって駆動される。
【0030】
各モータ30a,30bから各組の駆動ロール28aへはプーリ31及びベルト32により回転が伝達される。また、缶胴ブランク材料Wは、冷却手段5の本体27内部の雰囲気及び冷却された各ロール28a,28bにより、冷却されるに従って収縮する。これに対応して、下流側のモータ30bは上流側のモータ30aよりも回転速度が遅くなるように制御される。これにより、各ロール28a,28bは缶胴ブランク材料Wの通過速度に応じた速度で該缶胴ブランク材料Wを送り出すことができ、各ロール28a,28bと缶胴ブランク材料Wとの滑りが防止され、傷付きのない状態で缶胴ブランク材料Wの冷却を行うことができる。
【0031】
前記冷却手段5と前記裁断手段6との間には、前記加熱接着手段4と前記冷却手段5との間と同様に、張力付与手段であるピンチロール33が設けられている。該ピンチロール33は、冷却手段4内部の缶胴ブランク材料Wに一定の張力を付与するために、常に一定のトルクを維持するトルクモータが採用されている。
【0032】
前記裁断手段6は、ナイフシリンダ34を備え、缶胴ブランク材料Wを所定の形状に裁断する。
【0033】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明によれば、缶胴ブランク材料とポリエステルフィルムとの仮接着を行う前記フィルム貼着手段の直後に、本接着を行うべく熱硬化性接着剤の硬化を行う加熱接着手段を設けたので、缶胴成形後の本接着が不要となり、作業を円滑に行うことができる。
【0034】
また、加熱接着手段及び冷却手段は、複数のロールに缶胴ブランク材料を掛けわたして比較的長い移動距離をコンパクトな構成により実現しているので、装置構成を大型化することなく確実に本接着及び冷却を行うことができる。
【0035】
また、加熱接着手段及び冷却手段においては、駆動ロールの速度を缶胴ブランク材料の伸縮に応じた速度に駆動されているので、各ロールと缶胴ブランク材料との滑りが防止されて缶胴ブランク材料の表面の傷付き等を防止することができる。
【0036】
また、前記加熱接着手段と前記冷却手段との間、該冷却手段と前記裁断手段との間の夫々に、張力付与手段を備えたことにより、加熱接着手段の内部及び冷却手段の内部を通過する缶胴ブランク材料に一定の張力を付与して、確実に各ロールに缶胴ブランク材料が密着するようにしたので、缶胴ブランク材料の幅方向への蛇行が防止されると共に、各ロールと缶胴ブランク材料との滑りが防止されて缶胴ブランク材料の表面の傷付き等を防止することができる。
【0037】
また、前記連通ダクトを設けることにより、前記加熱接着手段による本接着時の加熱温度への上昇時間を短縮することができ、加熱接着手段における加熱を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
W…缶胴ブランク材料、X…二軸延伸ポリエステルフィルム、1…供給手段、2…加熱手段、3…フィルム貼着手段、4…加熱接着手段、5…冷却手段、6…裁断手段、22…加熱接着手段の本体、27…冷却手段の本体、23a,28a…駆動ロール、23b,28b…従動ロール、24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g,30a,30b…モータ(駆動手段)、25…連通ダクト、26,33…ピンチロール(張力付与手段)。
Claims (2)
- 長尺の缶胴ブランク材料を供給する供給手段と、該供給手段から供給された缶胴ブランク材料を加熱して送り出す加熱手段と、該加熱手段から送り出された缶胴ブランク材料の表裏両面に二軸延伸ポリエステルフィルムを熱硬化性接着剤を介して貼着して缶胴ブランク材料を送り出すフィルム貼着手段と、該フィルム貼着手段から送り出された缶胴ブランク材料を所定形状に裁断して表面処理缶胴ブランクを得る裁断手段とを備える缶胴ブランクの表面処理装置において、前記フィルム貼着手段と裁断手段との間に、フィルム貼着手段から送り出された缶胴ブランク材料の前記熱硬化性接着剤を加熱硬化させることにより該缶胴ブランク材料と二軸延伸ポリエステルフィルムとを一体に接着して該缶胴ブランク材料を送り出す加熱接着手段と、該加熱接着手段から送り出された缶胴ブランク材料を冷却して前記裁断手段へ送り出す冷却手段とを設け、前記加熱接着手段は、内部が所定加熱温度の雰囲気とされて前記缶胴ブランク材料が通過する加熱室と、該加熱室内を通過する前記缶胴ブランク材料が交互に掛けわたされた駆動ロールと従動ロールとが複数配列されて各駆動ロールの駆動によって加熱室内の缶胴ブランク材料を送るロール群と、加熱室内を通過する前記缶胴ブランク材料の熱膨張に対応して上流側の駆動ロールよりも下流側の駆動ロールの送り速度が速くなるように各駆動ロールを駆動する駆動手段とを備え、前記冷却手段は、前記缶胴ブランク材料が通過する冷却室と、該冷却室内を通過する前記缶胴ブランク材料が交互に掛けわたされた駆動ロールと従動ロールとが複数配列されて各駆動ロールの駆動によって缶胴ブランク材料を送る冷却されたロール群と、該ロール群に送られつつ冷却された前記缶胴ブランク材料の冷却収縮に対応して上流側の駆動ロールよりも下流側の駆動ロールの送り速度が遅くなるように各駆動ロールを駆動する駆動手段とを備え、少なくとも前記加熱接着手段と前記冷却手段との間、該冷却手段と前記裁断手段との間の夫々に、加熱接着手段の内部及び冷却手段の内部を通過する缶胴ブランク材料に一定の張力を付与する張力付与手段を備えたことを特徴とする缶胴ブランクの表面処理装置。
- 前記加熱接着手段の本体内部に連通して内部が所定加熱温度の雰囲気とされた前記フィルム貼着手段に向かって延びる連通ダクトを設け、前記フィルム貼着手段から送り出された前記缶胴ブランク材料は、該連通ダクトの内部を通過して前記加熱接着手段に投入されることを特徴とする請求項1記載の缶胴ブランクの表面処理装置。
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JP16504695A JP3629066B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 缶胴ブランクの表面処理装置 |
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JPH0911431A JPH0911431A (ja) | 1997-01-14 |
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ID=15804814
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JP16504695A Expired - Lifetime JP3629066B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 缶胴ブランクの表面処理装置 |
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- 1995-06-30 JP JP16504695A patent/JP3629066B2/ja not_active Expired - Lifetime
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