JP3629023B2 - 識別子付き粒子凝集判定用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類のウェルをもつプレート型凝集パターン判定用容器に係わり、識別子を有する粒子凝集判定容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療分野における例えば血液や抗体などの凝集反応に使用される粒子凝集判定容器(以下「反応プレート」と称する)に関する技術としては、特公昭63−60854号公報(特許文献1参照)に教示された「プレート型粒子凝集判定容器」が挙げられ、同一プレートで多種類の検査を効率的に行える提案がされている。
【0003】
矩形を成す従来の反応プレートは、東北大学による第33回日本輸血学会総会の資料「種々の管底形態をもつマイクロプレートにおける赤血球凝集像の検討」(非特許文献1参照)に開示されたマイクロプレートが広く知られている。このマイクロプレートは、縦横12×10(=計120個)のウェルが整然と配列され、12検体に対して最大10項目の検査分析ができる設定になっている。
【0004】
また、特開平5−240869号公報(特許文献2参照)に開示された「血液等の凝集パターン出力装置」は、網目状に配列されたウェルを有するマイクロプレートを用いて凝集反応の結果をCCDで撮像し、そのマイクロプレートの固有な位置に設けた穴に基づき当該プレートを識別しながら自動判別するように設定されている。
さらに近時の反応プレートでは、個々のプレート種類を特定するバーコードや特定のコードをプレート毎に添付し、そのコードを読取装置で読み取って運用されている。
【0005】
そのほか、臨床と研究66巻第2号に記載の特集記事「輸血検査の自動化」(非特許文献2参照)に教示された自動化技術が知られており、種々の自動分析装置が開示されている。例えば、血液型や感染症の分析検査に利用される分析装置は、多くの検体検査や検査項目の迅速な自動分析検査作業のため様々な工夫がされ、そのため、自動化分析検査行程における凝集血液検査法の為には、現行の反応プレートや、その上に形成された多数のウェル(反応容器)に対して、ノズルを試薬ボトルに差し込んで試薬を取り出し分注するシリンジ式の定量分注装置が適宜に組み合わされ運用される。そしてウェル内に、患者検液と試薬を入れて攪拌、恒温し、反応してできた凝集像をCCDカメラで撮像し、その得られた凝集像パターンから特性値を計算することにより分析が行われる。
【0006】
通常このように反応プレートは、縦列12個のウェルに所定の検査項目(分析項目:HIV抗体、HB抗体、ABO式血液型、等)が割り付けられ、横10列は、最大十人の各患者検体(患者ID)に割り付けられており、CCDカメラは、一回1つのウェルの反応像を撮像し、特性値計算を実施する際、反応プレートは、縦列にてCCDカメラを1ウェル毎に撮像して移送し、この縦列を撮像し終わると、横方向にプレート移送機構(不図示)によって移送され、再び次の検体列を撮像する。このような従来の反応プレートを用いた自動分析技術によれば、大量の輸血検査や免疫的凝集反応検査などを自動化することができる。
【0007】
【特許文献1】
特公昭63−60854号公報「プレート型粒子凝集判定容器」
【0008】
【特許文献2】
特開平5−240869号公報「血液等の凝集パターン出力装置」
【0009】
【非特許文献1】
第33回日本輸血学会総会の資料「種々の管底形態をもつマイクロプレートにおける赤血球凝集像の検討」(東北大学)
【0010】
【非特許文献2】
臨床と研究66巻第2号に記載の特集記事「輸血検査の自動化」
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の反応プレートの使用形態においては、横列のプレート移送ミスが起こって一列ずれると、検査データと患者IDがずれてしまい、その結果、患者データを取り違える。これは、患者自体を取り違えたことと同じ現象(誤診)が発生する。
一方、縦列のCCDカメラの移送ミスは、結果としては、項目の取り違えとなる。そしてこの移送ミスは、項目の結果としてその項目では発生頻度の低い値が出ることと、残った撮像画像を見ても、項目間の色の違いや項目によって形成されるパターンの違いによってミスの発生に気が付く。
【0012】
これに対して、横列のプレート移送のミスは、データを見ただけでは、ミスの発見はできず、通常はウイルスを保有しない人が圧倒的に多い故に、陽性検体を陰性検体と取り違えた場合であっても再検査も行われず、ミスの発見が難しい。
【0013】
人命に深く係わる分析や測定は迅速かつ正確に行うことは勿論必要であるが、多数の検体とそれに対する検査項目の記録情報を基にした履歴追跡調査機能(トレーサビリティ)についても考慮されねばならない。
【0014】
よって、確実な分析・測定のみならず、その記録情報の管理およびトレーサビリティに優れたシステムとそれに適した反応プレートの開発が必要とされる。
【0015】
そこで本発明の目的は、より信頼性の高い分析データとして後からでも検査に使用した反応容器を特定できるような識別子付き粒子凝集判定用容器(反応プレート)を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するため、本発明では次のような手段を講じている。即ち第1の態様によれば、凝集反応の判定に使用する粒子凝集判定用容器において、個々の検査の方法、感度、粒子径または検査項目に合致した複数の種類のウェル(窪み状反応器)を混在してもつ粒子凝集判定用容器であり、上記ウェルの種類ごとに固有の識別子を、当該ウェルの輪郭形状に、目視観察または電子撮像によって認識可能に有しているような識別子付き粒子凝集判定用容器を提案する。そしてその識別子は、当該ウェルの同心円状に段差を成すプレート底以外の周縁部の一部を切り欠いて形成されているものである。
【0017】
また上記識別子は、その粒子凝集判定用容器の底部に(例えば円形階段状に)形成されたテラスの寸法および角度の違い(例えば擂り鉢状底面を含む)を表わしたり、ウェルの深さの違い、材質の違い、或いは表面コーティングの違いを表わすことを特徴とする、上記載の粒子凝集判定用容器である。
さらに、当該粒子凝集判定用容器は、個々のウェルが着脱可能であることを特徴とするような、上記載の粒子凝集判定用容器である。
そしてその識別子は、当該粒子凝集判定用容器の種類を特定するバーコードと共に、電子撮像によって読み取られ識別されるようなものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に一実施形態を挙げて、図1〜図5(b)を参照しながら本発明について詳しく説明する。
図1は、所定の反応容器を用いた分析システムに係わる本発明の粒子凝集判定用容器(以下「反応プレート」)の運用例を示している。また図2は図1に例示した1つの反応プレート全体の平面形状を示している。
凝集反応の判定に使用する反応プレート1は、所定の分析システム100において多数使用される反応容器の1つである。
【0019】
分析システム100は、反応プレート1中に形成された多数のウェル10内の凝集状態を蛍光管30等の照明のもとで撮像する撮像系40と、そこで使用された個々の反応プレート1を認識しながら、そのウェル10内の反応凝集状態を撮像して得た情報を処理する情報処理系50と、プレート移送機構から主に構成されている。そして、図示の如くの目視による観察と共に、CCDカメラ41による電子撮像の際には、使用中の反応プレート1の種類を自動的に識別し記録できる「プレート認識」機能を有している(詳細後述)。
【0020】
反応プレート1は、図2に示す如く矩形(長方形)の平面形状を成し、この例の場合、一単位として縦12×横10=120個の中に異なる種類のウェル10,10aが混在して配設された、透過性を有する樹脂又はプラスチックによって一体成型されて成る反応容器集積体である。
【0021】
反応プレート1上に形成された120個を構成するウェル10,10aのうち、10行から成る縦列12ウェル毎に検査項目が割り付けられ、12列から成る横列10ウェル毎には各検体が割り付けられる。
プレート上辺に隣接する領域には、検体No.領域が設けられ、ここには左から、1,2,3,〜,9,10という数字が付与されている。
また、プレート下辺に隣接する領域には、反応プレート1の識別子領域が設けられ、この右側には反応プレート1の種類を規定する英数字”P3”が凹凸(レリーフ)形成されている。更にその左隣には当該反応プレート(及びウェル)の種類を特定できるバーコードラベルが貼り付けされている(詳細図3参照)。
【0022】
反応プレート1に付与されたこれら識別子やバーコードは共に、汎用の撮像系40のCCDカメラ41によって電子撮像にて読み取られ、情報処理系50のCPU1によって識別され、表示出力されるようになっている。また同時に、その分析結果と関連した形態で電子的に記憶保存されるようになっている。
【0023】
ここで、前記した「プレート識別」について説明する。システム運用時の分析・測定においては、このウェル10に検査対象者(患者)の検液と所定の試薬を入れて攪拌し恒温した後、反応して出来た凝集像をCCDカメラ41で撮像し、その凝集像パターンから特性値を計算することによって行われる。
すなわち、CPU51、フロッピーディスク(FD)、ハードディスク(DK)、ディスプレイ(DISP)、プリンタ(LP)および、RS232Cインタフェースを有して成る情報処理系50は、CCDカメラ41が一回で1つのウェル内の凝集像を撮像して得た凝集像パターンの撮像結果に基づき、CPU51は周知技術に従って特性値の計算を行う。
【0024】
その分析・測定の際はプレート移送機構によって反応プレート1の移送が行われる。例えば反応プレート1の縦列は、CCDカメラ41を1ウェル毎に撮像してからその次のウェルに移送されて撮像される。そしてその縦列の撮像が終わると、反応プレート1を横に移送させ、次の検体列を撮像するようにCPU51によって適宜制御される。
但し、個々のウェルを撮像する順序やプレート移送制御の詳細は、システムによって適宜に設定させる要件であるので、本発明はこの例に限定されない。
【0025】
なお、本発明の反応プレート1は、分析項目(HIV抗体、HB抗体、ABO式血液型、等)、試薬およびその濃度などの違いによって、分析に使用するプレートの種類(P1,P3,P4,P5,P6等)があらかじめ規定されている。
よって、CCDカメラ41で反応プレート1の識別子領域(バーコード,”P3”)や検体No.領域などもいっしょに撮像しておけば、上述の如く反応プレート1がその種類に関する識別子を有していることで、反応プレート1の種類およびその反応プレート上における検体の認識やプレート単位の履歴追跡調査もできるようになる。
【0026】
また、図1の如くに反応プレート1をこのシステム中で利用することで、分析・測定の自動化ができ、更に、プレート群の中から個々の反応プレートを次のようにして認識できる。例えば、反応プレート1には、縦列12個のウェルに検査項目(No.)が割り付けられ、横列10個のウェルには検体(患者ID)が割り当てられるので、これらNo.およびIDの組合せにより、当該反応プレート1上における二次元的なウェルの位置も認識できる。よって、観察者による目視観察(ビュアー目視観察)の機能を利用する場合は、ウェルの特定が視覚的に可能である。
【0027】
同様に、電子撮像による観察(自動撮像観察処理)の機能を利用する場合もウェルの特定が可能であるばかりか、このとき撮像した画像データをハードディスク(DK)か、外部記録媒体としてのフロッピーディスク(FD)に保存しておけば、その記録情報を基にしてウェル単位の履歴追跡調査も可能である。
【0028】
図3には詳しく、この反応プレート1の下辺に隣接して設けられた識別子領域およびその近傍のウェル群を部分的に拡大して示している。
バーコード部15aと符号15bが示すプレートNo.”0072”が書き込まれたバーコードラベル15、およびプレートの種類を表わす識別子として”P3”が形成されている。また、位置決め等の為のツメ16が各列の位置に対応して端部から突設されている。
【0029】
本実施形態の反応プレート1は、識別子付き反応プレートであって、使用する際の検査方法、感度、粒子径または検査項目に合致した複数種類のウェルを用意しているため、そのウェルの種類ごとに固有の識別子となるものを、更に当該ウェルの輪郭形状(例えば開口部形状)に目視観察または電子撮像によって認識可能に有している。
詳しくは、図3中のウェル10aの如く、下段二行を構成する各ウェル10aの輪郭形状は、下から三行目のウェル10のような円形の開口部と異なり、上端が略方形に切り欠いた「鍵穴状」の輪郭形状を成している。
【0030】
つまり、本発明の特徴の1つとして、特にその識別子は、当該ウェル10aの同心円状に段差を成すプレート底以外の周縁部の一部を切り欠いて形成されていることを示すものである(図4(a)中の切欠11aを参照)。
【0031】
上述のウェル10aの詳細仕様について図4(a)〜(c)に基づき更に詳しく説明する。
図4(a)には、この反応プレート上に形成された1つのウェル10aの中心を通る面における縦断面構造を示している。また、図4(b),(c)にそれぞれ拡大して、そのウェル10aの底面に形成されたテラスと、そのテラスに粒子60が凝集または非凝集して沈殿する状態を概念的に示している。
【0032】
鍵穴状の開口部を成すウェル10aの円形部の直径Dは図4(b)に示す如く6ミリに設定され、その中心における深さhは7.5ミリに設定されている。いわゆる「ウェル識別子」としての切欠11aの形状に関する設定値は、そのウェル10aを形成する部材の実質的な肉厚tと強度に基づき、そのプレートの剛性に悪影響しない程度の尺度をもった略直方体に設定されている。
【0033】
上記識別子(切欠11a)は、図4(b)に示す如く、その反応プレート1のウェル10aの底部に円形階段状(コロシアム状)に形成されたテラスの寸法(長さL,高さS)およびテラス面の水平線からの角度θの違いを表わしていてもよい。
【0034】
通常のウェル10の底部は、テラスが斜めに形成されたテラス面13に略平行な、ほぼ均一な肉厚tを成して下方裏側に円錐形に突出しているが(図5(b)参照)、この種類のウェル10aの底部は、半球状または半紡錘状に形成されている。
また、テラス面13自体が図4(d)の如く、半径Rで中心Oをもつ半球面に沿って形成されたような、例えば「擂鉢状」の底面を成すウェル底面の場合もある。
【0035】
図5(a)には本実施形態の反応プレート1についてその平面形状を具体的に示し、図5(b)には反応プレート1の線分5B−5Bに沿った断面構造を示している。
図5(a)の如く120個(=縦12×横10)のウェル群の中には、円形の開口のウェル10のほか、前述した鍵穴型の開口のウェル10aと共に、鍵穴の部分(切欠11a,11b)が幅広いウェル10bもまた、所定の検体の為に設けられている。
【0036】
このウェル10bは、図5(b)に示す断面図の如く、その深さが通常のウェル10やウェル10aの深さd1 に比べて、その深さd2 が二倍近くあって深く形成されている。そして上記識別子は、それらのウェルの深さの違いを表わしている。
このように、ウェルの底面形状や深さによっても識別できるように、開口部の形状が固有である。よって、その開口部の輪郭形状を見れば、そのウェルの底面などの種類やその他の種類が判別可能である。
【0037】
更に、幅の狭い切欠が付くことで「丸底ウェル」10aである事を意味する。また、幅が広い切欠が付くことで「深底ウェル」10bである事を意味する。
或いはまた、上記識別子は、ウェルまたはプレートの材質の違いを表わしてもよく、反応プレート1は例えば、材質αと材質βの複数種類の部分から形成されてもよい。そしてこれを示す情報を識別子などとして組み込んでもよい。
【0038】
同様に、上記識別子は、ウェルまたはプレートの表面コーティングの違いも表わしてよい。例えば、表面コーティングγ、δの種類別に異なる表面処理が施されていてもよいし、これを示す情報を識別子などとして組み込んでもよい。
【0039】
なお、円形の開口部の輪郭形状をもつウェル10は、相対的にウェル10aやウェル10bとは異なることが分かるので、これらを組み合わせるとウェルの種類が識別可能である。よって、上記の組合せの場合は、切欠のないウェル10も広義には「識別子付きウェル」とも言える。
【0040】
ここで、プレート移送ミスなどに起因するウェル単位の取違えミスの発見とその防止について、分析測定動作に基づき説明する。
分析システム100では、前述のような反応プレート1を用いて、縦列12ウェル毎に割り付けられた各検査項目毎に順次、分析測定を行い、横10列毎に割り付けられた各患者検体毎の分析測定を同様に行う。
【0041】
CCDカメラ41で一回に1つのウェルの反応像を撮像し、CPU51が特性値計算を実施する。その際に反応プレート1は、縦列において、CCDカメラ41で1つのウェル毎に撮像された後移送され、その縦列がすべて撮像し終わると次に、横に移送されて、また次の検体列が撮像される。
この反応プレート1には、検体No.や識別子領域のほか、後述するウェルの種類を表わす固有なウェル開口輪郭形状を、視覚的に識別可能に形成しているので、その識別情報を頼りにCPU51はチェックしながら移送制御すれば、反応プレート1の移送ミスは、ミスの発見とほぼ同時に即座に修正制御できる。
【0042】
つまり、横列の反応プレート1の移送ミスがあり、一列ずれると、検査データと患者IDがずれてしまうが、検体No.のシーケンスチェックによりこれは即座に発見できる。そして適宜な修正動作により一列のずれが修正されるので、従来のような患者を取り違えてしまう事故は未然に防げる。
【0043】
このように、従来は撮像画像データを見ただけでは発見が難しかった横列の反応プレート41の移送ミスに対しても対応できる。もし、修正動作制御が間に合わずに処理された場合でも、その時点での移送ミス発生に関する記録をとっておけば、識別子を含んだ履歴情報に基づくトレーサビリティが得られ、例えばウイルスなどの保有者確率の低い場合であっても、該当する反応プレートやウェルの識別子を基にした限定的な検体に対してのみの再検査で済み、不本意な誤診は免れる。更には、迅速な対応を可能にする。
【0044】
なお、縦列のCCDカメラ41の移送ミスは、検査項目の取り違えとなり得るが、これは検査項目の結果として、その項目では発生頻度の低い値が出る事と、記録に残った撮像画像データを見ても、項目間の色の違いや項目によって形成されるパターンの違いによってミスに気が付きやすい。本実施形態の反応プレート1によれば、目視によらず電子撮像データに基づく迅速な情報処理によっても対処できる。
【0045】
以上説明した形態のように実施することによって、本発明の識別子付き粒子凝集判定用容器(反応プレート識別)は、手動稼動時または自動稼動時の如何に係わらず、視覚的かつ電子的に識別子を認識可能となり、その識別子に基づき当該反応プレートの識別を正確かつ迅速に行う事ができる。
よって、システム稼動時において正確かつ迅速に識別できると共に、データとしても後で参照できる自由度をもつので、任意に再度検証できるようになる。
【0046】
また、ウェル自体から離れた位置に識別子を設けるのではなく、ウェルの開口部に形状的特異性をもたせたことで、電子撮像の際には、ウェル内の凝集状態と共にそのウェルの開口輪郭形状も同じ画像内に収まって記録されるので、画像データを増やすことなく、整合がとれた記録として保管できる。
【0047】
(変形例)
上述した実施形態は次のようにそれぞれ変形実施してもよい。例えば、例示の如くウェルが反応プレートに一体に形成された以外にも、例えば、個々のウェルが、所定の枠体を成す反応プレートの一部などから着脱可能である構造にしてもよい。
このように変形実施することで、所望の種類のウェルに付け替えて使用でき、その後はウェルだけを外して破棄できるので、消耗品としての部分は相対的に少なくなる。また、検査項目に基づくウェルの組合せの自由度も増大できる。
【0048】
また、例示したウェルの開口輪郭形状は、所望により更に変形実施してもよく、例えば、識別子はウェル10a内の同心円状に段差を成すプレート底以外であれば、ウェル開口の周縁部の一部を任意の形に切り欠いてもよい。
或いはまた、プレート平面から認識できるだけでなく、プレート群が積み重なった状態においても側面から認識可能になるように、例えばバーコードラベルをプレート側面まで延設させてもよい。勿論、ラベルの色の違いによって分類しやすくしてもよい。
【0049】
これらの各変形実施によれば、前述の実施形態と同等またはそれ以上の効果が期待できる。このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、粒子凝集判定用容器(プレート)の認識がしやすいように種々の工夫を施したことによって、より信頼性の高い分析データとして後からでもその検査に使用したプレートを特定できるような識別子付き粒子凝集判定用容器を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の粒子凝集判定用容器(反応プレート)とこれらを用いた分析システム(認識装置を含む)の構成を概略的に示す構成図。
【図2】図2は、本実施形態としての反応プレート全体の外観を示す正面図。
【図3】図3は、図2の反応プレートの一部を部分的に拡大して示す斜視図。
【図4】図4(a)〜(d)は1つのウェルの断面形状を示し、
図4(a)は、切欠を有するこのウェルの縦断面図、
図4(b)は、凝集時における図4(a)中の底面部分4BCの拡大断面図、
図4(c)は、非凝集時における図4(a)中の底面部分4BCの拡大断面図、
図4(d)は、湾曲した底面部分を示す拡大断面図。
【図5】図5(a),(b)は本実施形態の反応プレートを示し、
図5(a)は、この反応プレートの平面図、
図5(b)は、図5(a)中の線分5B−5Bに沿った断面図。
【符号の説明】
1…粒子凝集判定用容器(識別子付き反応プレート)、
10,10a,10b…ウェル(識別子付きウェル)、
11,11a,11b…切欠(ウェル識別子)、
12…テラス、
13…テラス面(ウェル底面)、
14…プレート名(プレート種類)、
15…バーコードラベル、
15a…プレートNo、
15b…バーコード部、
30…照明(蛍光管等)、
40…撮像系、 41…CCDカメラ、
50…情報処理系、
100…分析システム(認識装置を含むシステム)。
Claims (8)
- 凝集反応の判定に使用する粒子凝集判定用容器において、
個々の検査の方法、感度、粒子径または検査項目に合致した複数の種類のウェルを混在してもつ粒子凝集判定用容器であって、
上記ウェルの種類ごとに固有の識別子を、当該ウェルの輪郭形状に、目視観察または電子撮像によって認識可能に有して成ることを特徴とする識別子付き粒子凝集判定用容器。 - 上記識別子は、当該ウェルの同心円状に段差を成すプレート底以外の周縁部の一部を切り欠いて形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の識別子付き粒子凝集判定用容器。
- 上記識別子は、上記粒子凝集判定用容器の底部に形成されたテラスの寸法および角度の違いを表わすことを特徴とする、請求項1に記載の識別子付き粒子凝集判定用容器。
- 上記識別子は、上記ウェルの深さの違いを表わすことを特徴とする、請求項1に記載の識別子付き粒子凝集判定用容器。
- 上記識別子は、上記ウェルの材質の違いを表わすことを特徴とする、請求項1に記載の識別子付き粒子凝集判定用容器。
- 上記識別子は、表面コーティングの違いを表わすことを特徴とする、請求項1に記載の識別子付き粒子凝集判定用容器。
- 上記ウェルは、個々のウェルが着脱可能であることを特徴とする、請求項1に記載の識別子付き粒子凝集判定用容器。
- 上記識別子は、当該の粒子凝集判定用容器の種類を特定するバーコードと共に電子撮像によって読み取られ識別されることを特徴とする、請求項2乃至請求項7の何れかに記載の識別子付き粒子凝集判定用容器。
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