JP3627571B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載される内燃機関に気体燃料を供給する燃料供給装置に関するものであり、特に、気体燃料を内燃機関に噴射する燃料噴射機構を備えた燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平8−144859号公報には、内燃機関に気体燃料を供給する燃料供給装置としての燃料噴射機構(インジェクタ)制御装置が開示されている。この従来装置は、燃料噴射機構における噴射弁の開弁動作特性の向上、特に、極低温始動時の開弁動作特性の向上を目的としている。
【0003】
気体燃料の燃料噴射機構では、気体燃料を燃料タンクに高圧充填する際に混入してしまったミスト状のオイルが噴射弁と弁座との接触部に付着する。極低温始動時にはこの付着オイルの粘性が高くなって固化し、両者が互いに張り付いて開弁不良になることがある。上記従来技術では、これを防止するために、エンジン始動時において、予め設定した噴射弁張り付き条件を満たしたときにはインジェクタのリフト荷重を制御するピーク電流値を高め、リフト荷重を通常時よりも大きくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ピーク電流値の増大には限界があり、噴射弁と弁座の張り付きを必ずしも解除できない場合があった。特に、始動前の閉じられた噴射弁には、開弁動作に抗する燃料ガスの圧力(以下、単に燃圧ともいう)が印加されているため、極低温始動時には、張り付きを解除する力と燃圧に抗する力との和を越えた強い力で噴射弁を引き上げる必要があり、開弁動作を一層困難なものにしていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料供給装置は、このような課題を解決するためになされたものであり、気体燃料を貯蔵する燃料タンクと、燃料タンクから開閉可能な連通路を介して供給される気体燃料を内燃機関内に噴射する燃料噴射機構と、内燃機関の点火制御を行うと共に燃料噴射機構に設けられた噴射弁の開閉動作および連通路の開閉動作を制御する制御部とを備え、制御部は、内燃機関の停止時に外気温度を開始条件の一つとして燃料噴射機構の噴射弁にかかる燃料圧力(燃圧)を減圧するように噴射弁および連通路の開閉制御を行うことを特徴とする。
【0006】
この燃料供給装置によれば、内燃機関の停止時に噴射弁にかかる燃圧を減圧するので、始動時に噴射弁にかかる燃圧が十分に低い。極低温始動時には、張り付きを解除する力と燃圧に抗する力との和を越えた力で噴射弁を引き上げる必要があるが、噴射弁にかかる燃圧が低いので、噴射弁を開くための力が小さくて済む。そのため、噴射弁を速やかに開弁させることができる。
この停止時の減圧制御は、外気温度を開始条件の一つとして実行する。停止時の外気温度が所定値以下でない場合には、始動時に噴射弁が固着していない可能性が高い。噴射弁が固着していなければ、噴射弁にかかる燃圧を減圧しなくても、通常の噴射弁引き上げ力で噴射弁を支障なく開弁できる。そこで、停止時の減圧制御を外気温度を開始条件の一つとして実行すれば、無用な減圧制御の実行を回避できる。
【0007】
この減圧は、連通路を遮断した状態で内燃機関への燃料噴射を実行することにより行うことが望ましい。減圧機構を別途も設けることなく噴射弁にかかる燃圧を減圧することができる。
【0008】
この燃料噴射に伴って点火を実行すれば、内燃機関内に未燃燃料が残留することがない。また、連通路を遮断した状態で通常の内燃機関駆動を実行するだけなので、処理が容易である。
【0009】
ここでの点火を伴う燃料噴射の実行は、内燃機関から車輪への駆動力が抑止されていることを条件とすることが望ましい。たとえば、トランスミッションがニュートラルまたはパーキングとなっていることを条件として、燃料噴射および点火を実行することが望ましい。このようにすれば、運転者に違和感を与えることがない。
【0011】
制御部は、さらに、内燃機関の始動時に連通路を閉じた状態で燃料噴射機構の噴射弁を開弁する試し開弁制御を行うことをが望ましい。
【0012】
燃料タンクと燃料噴射機構との間の燃料経路である連通路が閉じていれば、停止時の減圧制御によって噴射弁にかかる燃圧が低い状態保持されている。したがって、連通路を開いた状態、すなわち通常噴射時の燃圧が印加された状態での開弁動作に比べて、固着剥離に要する駆動力は小さくてすむ。なお、このとき、連通路が閉じているので開弁しても燃料はまったく噴射されないため、内燃機関内が燃焼に不適切なオーバーリッチとなることがない。
【0013】
なお、燃料噴射を伴う本来の開弁と区別するために、このときの開弁を試し開弁と呼ぶことにする。
【0014】
試し開弁による固着剥離処理は、噴射弁が固着していると判定したときに行うことが望ましい。噴射弁が固着していないときには試し開弁は不要である。固着判定を行うことにより、無駄な試し開弁処理を行うことがない。
【0015】
噴射弁の固着判定基準として外気温度を用いることができる。既に述べたように、噴射弁の主要な固着原因は、気体燃料中に含まれるオイルである。繰り返し実行される燃料噴射により気体燃料中に含まれるオイルが噴射弁に付着し、この付着オイルが極低温のために固化するのである。具体的には、およそ−30℃以下になると粘性が高まり固化する。そこで、外気温度が所定値以下であったときには、噴射弁が固着していると推定することができる。
【0016】
連通路を閉じて行う始動時の試し開弁動作は、停止時の減圧処理を行わなかったときでも有効である。始動時に噴射弁にかかる燃圧は、停止時に連通路に閉じこめられた気体燃料によるものである。一方、内燃機関が駆動しているときの連通路の気体燃料温度は、内燃機関自身によって暖められている。そのため、始動時の気体燃料温度は停止時のそれよりも一般に低くなっている。閉じこめられた気体は温度が下がれば、圧力も下がるため、始動時に噴射弁にかかる燃圧は、内燃機関の通常駆動時に噴射弁にかかる燃圧よりも低くなっている。そのため、連通路を閉じて行う始動時の試し開弁は、停止時に特に減圧処理を行わなかったときでも有効である。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態である燃料供給装置およびこの燃料供給装置により燃料の供給を受ける内燃機関を示す図である。この図に示す燃料供給装置および内燃機関は車両に搭載され、この内燃機関が車両走行の駆動源となる。
【0018】
天然ガスエンジン10は天然ガスを燃料として駆動する4気筒の内燃機関であり、各気筒に天然ガスを噴射する燃料噴射機構(インジェクタ)11が設けられている。天然ガスは燃料タンク12内に圧縮されて貯蔵されており、タンク元弁13、レギュレータ遮断弁15、レギュレータ14、デリバリ遮断弁16およびデリバリパイプ17を介して、各インジェクタ11に供給される。タンク元弁13、レギュレータ遮断弁15およびデリバリ遮断弁16は、それぞれ電磁バルブで構成されており、通電により開弁される常閉バルブである。
【0019】
タンク元弁13、レギュレータ遮断弁15、レギュレータ14、デリバリ遮断弁16およびインジェクタ11は、電子制御装置(ECU)18により制御される。エンジン10が駆動している間は、タンク元弁13、レギュレータ遮断弁15およびデリバリ遮断弁16は開弁されており、燃料タンク12の高圧天然ガスは、レギュレータ14によりインジェクタ11において最適な燃料噴射を行うことができる燃圧、たとえば8kg/平方センチメートルに減圧される。
【0020】
ECU18は、エンジン10の点火制御およびインジェクタ11の噴射弁開閉制御を行い、エンジン駆動時の燃料噴射タイミングおよび燃料噴射量の調整を含めてエンジン10の全体制御を行う。また、エンジン停止時に噴射弁にかかる燃圧を減圧する制御や、エンジン始動時に噴射弁の固着解除(試し開弁)の制御を行う。また、ECU18は、このような各種の制御を行うために、デリバリパイプ17内の天然ガスの温度および圧力、エンジン10の吸気温度、イグニッションキー19の状態等を適宜取り込む。符号17aおよび17bは、それぞれデリバリパイプ17内の圧力および温度を検出するものである。
【0021】
減圧制御および試し開弁制御については、後にフローチャートを用いて詳細に説明するが、エンジン駆動時の通常の噴射弁開閉制御については、従来からの一般的な制御アルゴリズムが用いられており、詳細な説明は省略する。
【0022】
図2はインジェクタ11の内部構造を示す断面図である。インジェクタ本体21の一端には、中央に噴射口27が形成され上面が弁座28となっているバルブボディー23が固定されている。バルブボディー23の上方には噴射弁22が配置さている。噴射弁22はインジェクタ本体21に対して上下にわずかに揺動可能に固定されており、スプリング24によって下方に押圧されている。噴射弁22の下面には環状の凹溝が形成されており、樹脂製のオーリング(Oリング)25がはめ込まれている。
【0023】
ソレノイドコイル26に電流が流れると、ソレノイドコイル26に発生する磁力によって噴射弁22がスプリング24に抗して上方に引き上げられ、オーリング25と弁座28の間に隙間が形成される。レギュレータ14により噴射に最適な圧力(8kg/平方センチメートル)まで減圧されたデリバリパイプ17内の天然ガスは、インジェクタ11の上方から供給され、噴射弁22の中央部を通り、その下部に水平方向に形成された通路29を経て空間30に到達しているため、オーリング25と弁座28の間に隙間が形成された瞬間、天然ガスは噴射口27から噴射される。なお、スプリング31は噴射弁22の上方への引き上げを補助する押圧力を与えている。
【0024】
ところで、燃料タンク12内に天然ガスを高圧で充填する際に混入したミスト状のオイルは、噴射動作を継続するうちにオーリング25および弁座28のそれぞれの表面に付着してしまう。一方、エンジン停止中はこのオイルの付着したオーリング25と弁座28とがスプリング24の押圧力により互いに圧着状態にある。そのため、外気温度が−30℃以下となるような冬季の極寒冷地等では付着オイルが固化して両者が互いに固着した状態になってしまうことがある。
【0025】
このような状態でエンジン始動を行う場合、噴射弁22にかかっている燃圧とオーリング25および弁座28の固着力とに抗して噴射弁22を引き上げなければならず、通常のソレノイドコイルの吸引力では開弁が困難となることがあった。
【0026】
本実施形態の燃料供給装置では、このような極低温始動時の噴射弁動作の不具合を解決するために、エンジン停止時に減圧処理を行い、エンジン始動時において試し開弁動作を実行する。
【0027】
図3は、エンジン停止時の減圧制御を示すフローチャートである。
【0028】
ステップS1では、イグニッションキー19がオン状態からオフ状態へ移行したか否かを監視する。走行中はイグニッションがオン状態にあり、停車後のエンジン停止操作によりオフ状態となるが、このとき、ステップS2に移行する。
【0029】
ステップS2では、走行吸気温が所定値以下か否かが判断される。この実施形態では所定値として例えば−20℃が用いられている。−20℃以下の走行吸気温が得られた場合は寒冷地を走行しているといえる。このような場合、エンジンを停止し再始動する際の外気温度が、噴射弁に付着したオイルが固化する−30℃以下となっている可能性が高い。そこで、走行吸気温が−20℃以下のときには、始動時の開弁動作をスムーズに行うために、ステップS3以下の減圧処理を実行する。逆に、走行吸気温が−20℃より高い場合には、エンジン停止後の再始動時に噴射弁が固着している可能性が非常に低いので、減圧処理を実行することなく、直ちに、ステップS9に進んでエンジンを停止させる。
【0030】
ここに、走行吸気温というのは外気温度という意味であり、車庫のような室内温度と区別するするために、たとえば時速40km以上で走行中の吸気温を定期的に(本実施形態では32ms毎に)検出して随時記憶しておき、最新の256個の検出データの平均値を走行吸気温として用いている。
【0031】
ステップS2において肯定されたときにはステップS3に進み、減圧処理の実行時間を計測するためのタイマをスタートさせる。つづいて、ステップS4に移行し、試し開弁フラグをセットする。試し開弁フラグは、始動時に行われる試し開弁動作を実行するための開始条件の一つとして用いられる。試し開弁フラグがセットされていなければ、始動時の試し開弁動作は行われない。
【0032】
ここまでの処理は予備的処理であり、実際の減圧処理は続くステップS5およびステップS6により行われる。ステップS5では、デリバリ遮断弁16への通電を停止して、デリバリパイプ17をレギュレータ14から遮断する。また、ステップS6では、エンジン10の点火およびインジェクタ11による燃料噴射が実行される。
【0033】
デリバリ遮断弁16を閉じた状態で点火および噴射を実行することにより、デリバリパイプ17内の燃圧は、通常燃圧の8kg/平方センチメートルから徐々に低下する。
【0034】
ステップS7およびステップS8では、減圧処理の実行時間およびデリバリパイプ17内の燃圧をそれぞれ監視しており、いずれか一方が条件を満たすと、ステップS9に移行してエンジン10を停止する。
【0035】
ステップS7における実行時間の監視は、ステップS3でセットしたタイマを用いて行われ、実行時間の上限をたとえば1.5秒に設定しておき、タイマ値が1.5秒を越えたときに、この判断が肯定されステップS9に移行する。
【0036】
ステップS8におけるデリバリパイプ17内の燃圧監視は、圧力センサ17aの出力データを用いて行われ、デリバリパイプ17内の燃圧が0kg/平方センチメートルまで下がった時点で、ステップS9に移行する。
【0037】
ステップS9はエンジン停止処理であるが、具体的にはインジェクタ11による燃料噴射を停止し、点火を停止し、メインリレーをオフにする。
【0038】
以上の減圧処理により、デリバリパイプ17内の燃圧は、0kg/平方センチメートルまたはその近傍まで減圧され、この状態はつぎの始動時まで保持される。したがって、つぎの始動時における最初の開弁に必要な力をここで減圧した燃圧分だけ低減することができる。また、エンジン停止中、燃圧が噴射弁22を押し続けることになるが、その押しつけ力が小さいので、固着の程度が軽くなり、その意味でも始動時の開弁が容易なる。
【0039】
つぎに、図4のフローチャートを用いて、始動時の試し開弁動作を説明する。
【0040】
ステップS10およびステップS11では、イグニッションキー19の状態を監視する。試し開弁動作は、始動時にイグニッションがオンされた後、スタータがオンされるまでの間に実行される。通常の始動操作では、イグニッションオンからスタータオンまでの時間は平均0.4秒といわれている。
【0041】
ステップS11でスタータオフが確認されるとステップS12に移行し、停止時の減圧制御処理においてセットされる試し開弁フラグがセットされているか否か判断される。試し開弁フラグのセットは、上述したように停止処理の際に、走行吸気温が所定値以下である場合にセットされる。なお、エンジン停止時間が十分長いときは、始動時の外気温を直接検出し、その結果に基づいて試し開弁フラグをセットしてもよい。
【0042】
試し開弁フラグのセットが確認されたらステップS13に移行し、エンジン回転数が始動回転数以下か否かを判断する。ここに、始動回転数とは、通常運転時の最低回転数であるアイドル回転数よりも小さい回転数のことであり、本実施形態では400rpmとなっている。この判断は、通常運転時でないことを確認するために行われる。
【0043】
ステップS13で肯定されると、試し開弁動作の実行条件がすべて満たされたことになり、ステップS14およびステップS15において予備的処理が実行される。
【0044】
ステップS14では、ステップS12で既に状態が判断された試し開弁フラグをリセットし、ステップS15では、これから実行する開弁動作の実行時間を測定するための通電タイマをスタートさせる。
【0045】
その後直ちにステップS16に移行し、全気筒のインジェクタ11のソレノイドコイル26に対してデリバリ遮断弁16を閉じたままフル通電を行う。なお、ここでのフル通電というのは、各気筒のインジェクタを2つのグループに分け、交互に60msecづつ大電流を流すことをいう。停止時に減圧処理を行っている場合、すなわち、試し開弁フラグが減圧処理時にセットされた場合には、デリバリパイプ17内の燃圧が0kg/平方センチメートルあるいはその近傍の小さな値となっており、したがって、インジェクタ11内の噴射弁22の押しつけ圧力も小さくなっている。そのため、極低温のために噴射弁22が固着していても減圧分だけ開弁に要する力を低くすることができ、比較的容易に固着部を剥離できる。
【0046】
停止時に減圧処理が行われず、試し開弁フラグが始動時の外気温度に基づいてセットされた場合でも、デリバリパイプ17内の燃圧は、低温下にあるために、通常の噴射燃圧よりも小さくなっている。したがって、その分だけ開弁に要する力を低くすることができる。
【0047】
ステップS16における全気筒のフル通電は、ステップS17〜ステップS19までのいずれかの実行停止条件が満たされるまで行われる。ステップS17の判断では、通電時間が予め設定された制限時間を越えたときに肯定され、ステップS20に移行して全気筒フル通電が停止される。ステップS18またはステップS19の判断では、それぞれイグニッションキー19の操作により、スタータがオンされ、または、イグニッションがオフされたときに、ステップS20に移行して全気筒フル通電が停止される。
【0048】
つぎに、エンジン停止時の減圧制御に関する第2の実施形態を図5に示すフローチャートと共に説明する。
【0049】
図3のフローチャートに示す第1実施形態の減圧制御との相違は、ステップS2とステップS3との間にステップS51という判断ステップが設けられている点である。ステップS51では、トランスミッション(TM)がニュートラル(N)またはパーキング(P)であるか否かを判断する。
【0050】
ステップS6の燃料噴射および点火によって、エンジンに駆動力が発生する可能性がないとはいえない。そのため、トランスミッションがニュートラルまたはパーキングのいずれでもない場合たとえばドライビングレンジにある場合にステップS6の燃料噴射および点火が実行されると、エンジン駆動力が車輪に伝達され、車両が運転者に違和感を与える可能性がある。
【0051】
この実施形態によれば、トランスミッションがニュートラルまたはパーキングのいずれでもない場合にはステップS51で否定判断がなされ、ステップS3〜ステップS8の処理が行われない。すなわち、停止時の減圧制御は断念する。
【0052】
一方、トランスミッションがニュートラルまたはパーキングのいずれかであれば、エンジンの駆動力の車輪への伝達が断たれているので、ステップS6の燃料噴射および点火によって何らかの駆動力がエンジンに発生したとしても、車輪には駆動力を与えない。
【0053】
このように、この実施形態によれば、エンジン駆動力が車輪に伝達しないときに限り、減圧制御を実行するので、減圧制御に起因する車両の挙動変化は生じない。
【0054】
つぎに、エンジン停止時の減圧制御に関する第3の実施形態を図6に示すフローチャートと共に説明する。
【0055】
図3のフローチャートに示す第1実施形態の減圧制御との相違は、ステップS61〜ステップS63を備えていることである。この実施形態も第2実施形態と同様に、減圧制御に起因する車両の挙動変化を防止するように配慮されている。
【0056】
ステップS61で、トランスミッション(TM)がニュートラル(N)またはパーキング(P)であるか否かを判断する。
【0057】
ここで、肯定判断がなされたときにはステップS6に進み、点火を伴う燃料噴射を実行する。第2実施形態で説明したように、トランスミッションがニュートラルまたはパーキングのいずれかであれば、エンジンの駆動力の車輪への伝達が断たれているので、ステップS6の燃料噴射および点火によって何らかの駆動力がエンジンに発生したとしても、車輪が駆動力を受けることはない。
【0058】
逆に、否定判断がなされたときにはステップS62に進み、点火せずに燃料噴射のみを行う。点火がカットされた状態での燃料噴射では、エンジンに駆動力が生じることがないので、トランスミッションがドライビングレンジにセットされていても、この減圧制御によって車両の挙動変化が生じることがない。
【0059】
ステップS62における点火カットの燃料噴射が行われる場合には、未燃燃料がエンジンシリンダ内に残留することもある。そのため、その後行われるエンジン始動の際の混合気がリッチとなり、始動が困難となることが予想される。そこで、この実施形態のように、エンジン停止時の減圧制御において点火カットの燃料噴射が行われた場合には、その後の始動の際にエンジンシリンダ内の混合気を排出する掃気処理を行うことが望ましい。
【0060】
この実施形態では、ステップS62が行われたときにはステップS63も併せて実行され掃気処理フラグがセットされる。この掃気処理フラグがセットされていることを条件として始動時に掃気処理を実行するようにすれば、不必要な掃気処理を実行することなく、リッチな混合気に基づく始動困難性が解消される。なお、一度掃気処理が実行されれば、混合気がリッチな状態は解消されるので、掃気処理の実行と共に掃気制御フラグをリセットする。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の燃料供給装置によれば、内燃機関の停止時に噴射弁にかかる燃圧を低くするので、始動時に噴射弁にかかる押しつけ力を小さくすることができ、開弁動作が容易となる。また、噴射弁にかかる押しつけ力は、内燃機関の停止中小さい値に維持されるので、極低温環境のために噴射弁に付着したオイルが固化しても、その固着力は弱いものとなる。そのため、始動時の噴射弁の固着剥離が容易となる。
【0062】
また、始動時に、燃料タンクと燃料噴射機構とをつなぐ連通路を閉じたまま開弁する試し開弁を行ことにより、噴射弁を押圧する力を低くした状態で開弁動作を実行でき、速やかに開弁できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図。
【図2】インジェクタの構造を示す断面図。
【図3】停止時の減圧処理を示すフローチャート。
【図4】始動時の試し開弁動作を示すフローチャート。
【図5】停止時の減圧処理の第2実施形態を示すフローチャート。
【図6】停止時の減圧処理の第3実施形態を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…天然ガスエンジン、11…インジェクタ、13…タンク元弁、14…レギュレータ、15…レギュレータ遮断弁、16…デリバリ遮断弁、17…デリバリパイプ、17a…圧力センサ、17b…温度センサ、18…ECU、19…イグニッションキー、22…噴射弁、25…オーリング、28…弁座。

Claims (10)

  1. 車両に搭載された内燃機関に気体燃料を供給する燃料供給装置において、
    前記気体燃料を貯蔵する燃料タンクと、前記燃料タンクから開閉可能な連通路を介して供給される前記気体燃料を前記内燃機関内に噴射する燃料噴射機構と、前記内燃機関の点火制御を行うと共に、前記燃料噴射機構に設けられた噴射弁の開閉動作および前記連通路の開閉動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記内燃機関の停止時に外気温度を開始条件の一つとして前記燃料噴射機構の噴射弁にかかる燃料圧力を減圧するように前記噴射弁および連通路の開閉制御を行うことを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記制御部は、前記内燃機関の停止時に、前記連通路を遮断した状態で前記内燃機関への燃料噴射を実行することにより、前記噴射弁にかかる燃料圧力を減圧することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
  3. 前記制御部は、前記連通路を遮断した状態での前記内燃機関への燃料噴射に伴って点火を実行することを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
  4. 前記制御部は、前記内燃機関から車輪への駆動力の伝達が抑止されていることを条件として前記点火を実行することを特徴とする請求項3に記載の燃料供給装置。
  5. 前記制御部は、前記内燃機関の始動時に、前記連通路を閉じた状態で前記噴射弁を開弁する試し開弁制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  6. 前記制御部は、前記試し開弁制御を前記噴射弁が固着していると判定したときに行うことを特徴とする請求項5に記載の燃料供給装置。
  7. 前記制御部は、前記噴射弁が固着しているか否かを外気温度に基づいて判定するものであることを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
  8. 前記制御部は、前記噴射弁の固着が解消されたと判定したときに前記試し開弁制御を停止することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  9. 前記制御部は、前記噴射弁の固着が解消されたか否かを前記試し開弁制御の実行時間に基づいて判定することを特徴とする請求項8に記載の燃料供給装置。
  10. 車両に搭載された内燃機関に気体燃料を供給する燃料供給装置において、
    前記気体燃料を貯蔵する燃料タンクと、前記燃料タンクから開閉可能な連通路を介して供給される前記気体燃料を前記内燃機関内に噴射する燃料噴射機構と、前記内燃機関の点火制御を行うと共に、前記燃料噴射機構に設けられた噴射弁の開閉動作および前記連通路の開閉動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記内燃機関の始動時に、前記連通路を閉じた状態で前記噴射弁を開弁する試し開弁制御を行うことを特徴とする燃料供給装置。
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