JP3627360B2 - 検査用プレート - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、顕微鏡を用いた臨床検査又は研究の際に使用する検査用プレート並びにその検査用プレートに使用されるスライドプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡を用いた蛍光抗体法、酵素抗体法又は病理組織化学は、自己免疫疾患、感染症、病理等の検査で極めて重要な検査法となっている。即ち、自己免疫疾患では抗核抗体、抗DNA抗体(クリシディア法)、抗ミトコンドリア抗体等の検査、感染症では梅毒検査(FTA−ABS)、病理ではガンの組織診断等、多くの検査が行われている。
【0003】
この検査方法は、間接法と直接法に分類される。間接法は通常スライドプレート上に細胞や組織等の抗原を固定し、被験サンプル中のこの抗原に対する抗体を検出する方法である。例えば、抗核抗体では、Hep2細胞等をスライドプレート上に固定して抗原とする。これに、血清又は血漿等の被験サンプルを反応させ、被験サンプル中の特異抗体を固定細胞中の抗原物質と反応させる。その結合した抗体を蛍光又は酵素で標識された抗イムノグロブリン(標識抗体)と反応させた後、顕微鏡でその染色像を観察する。この方法によると、複数の抗原に対する抗体が検出可能であり、染色パターンによって抗体が対応する抗原が推定できる。直接法は組織、細胞等の被験サンプルをスライドプレート上に固定し、これに蛍光、酵素又はビオチンで標識された抗体を反応させ、その免疫的染色像を顕微鏡で観察する検査方法であり、ガン細胞の検出等に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの顕微鏡を用いた蛍光抗体法又は酵素抗体法の検査では、スライドプレート上に被験サンプルや試薬を分注することとスライドプレートをビーカー等の洗浄漕中で洗浄することの2種類の操作が交互に繰り返されるため、検査工程の自動化が最も困難な分野であった。また、スライドプレート上に抗原を固定する方法に於いても検査と同様の工程が多く、自動化が困難な為に手作業によらざるを得なかった。
【0005】
抗核抗体の間接蛍光抗体法を例にとり、詳しく説明する。
従来行われている一般的なスライドプレート上に抗原を固定して検査用プレートを製造する手順は、以下の如くである。
【0006】
▲1▼スライドプレート上にガン細胞Hep2懸濁液を載せ、細胞をガラスに付着させる。
▲2▼スライドプレートを生理食塩水等で洗浄する。
【0007】
▲3▼アセトンで細胞を固定する。
▲4▼風乾して検査用プレートとする。
次いで、検査用プレートを使用した一般的な検査手順を示す。
【0008】
▲1▼血清を生理食塩水等で希釈したものを、スライドプレート上に載せ、血清中の特異抗体(抗核抗体)をスライドプレート上の抗原と反応させる。
▲2▼スライドプレートをビーカー中の生理食塩水に漬けて洗浄する。
【0009】
▲3▼蛍光で標識された抗イムノグロブリンをスライドプレートに載せ、スライドプレート上の抗原と結合した特異抗体と反応させる。
▲4▼スライドプレートをビーカー中の生理食塩水に漬けて洗浄する。
【0010】
▲5▼グリセリン水溶液をスライドプレートに載せ、カバーグラスを被せて蛍光顕微鏡で観察する。
このように、スライドプレート上への抗原の固定及び抗原を固定したスライドプレートを使用した検査の工程では、スライドプレート上への分注と、スライドプレートのビーカー中での洗浄が繰り返される為、自動化が行い難く、殆どの工程が手作業で行われてきた。その結果、このような顕微鏡を用いる蛍光抗体法及び酵素抗体法はそれ以外の検査の多くが自動化されていく中で最も自動化が遅れた分野となっている。
【0011】
このような現状で、従来からの古典的方法に改良を試みた例としては、Nunc社のチェンバースライドがある。このチェンバースライドは、スライドプレート上での細胞の培養を可能にするために開発されたもので、スライドプレートの上に一体に形成された複数個の通孔をシリコンゴムを介して付着させたものであり、この複数個の通孔は取り外すことが可能であるが、一度外した通孔は二度と装着することができない為に自動化機器を利用した効率的な検査に使用することができなかった。
【0012】
本発明者等は、自動化機器を利用した効率的な検査に使用することができる検査用プレートについて鋭意研究を進めた結果、本発明に到達した。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、顕微鏡で観察するスライドプレートと、該スライドプレート上に着脱可能な上方部材とを有し、該上方部材には複数個の通孔が設けられるとともに上方部材の下面には該通孔の周辺にシール材による突条が形成され、上方部材をスライドプレート上に取り付けた際に上方部材に設けられた通孔がそれぞれ独立した区画を形成することを特徴とする検査用プレートに関する。
【0014】
本発明は、上記突条が複数個の通孔間に設けられるシール材基材から突出し、且つ該通孔の周辺に設置されるか、上記突条が複数個の通孔の周辺のみにそれぞれ独立して設置される前記検査用プレートに関する。
【0015】
本発明は、突条が縦断面がほぼ直角三角形状、ほぼ正三角形状又はほぼ半円状の突条である前記検査用プレートに関する。
本発明は、突条が高さが0.5乃至5.0mmの突条である前記検査用プレートに関する。
【0016】
本発明は、突条が幅が0.5乃至2.0mmの突条である前記検査用プレートに関する。
本発明は、シール材がシリコンゴムによって形成されている前記検査用プレートに関する。
【0017】
本発明は、検査用プレートが上方部材と、下方部材上に支持されたスライドプレートと、下方部材とを有し、一端を軸にして下方部材に対して上方部材を開閉させることによって上方部材をスライドプレートに着脱可能とした前記検査用プレートに関する。
【0018】
本発明は、上方部材が96穴マイクロプレートと同じピッチで通孔を有する前記検査用プレートに関する。
本発明は、上方部材の通孔によって独立した区域が形成されるスライドプレート上に抗原若しくは被験サンプルが固定されている前記検査用プレートに関する。
【0019】
本発明は、上方部材の通孔によって独立した区域が形成されるスライドプレートの抗原若しくは被験サンプルが固定される部分以外が撥水処理されている前記検査用プレートに関する。
【0020】
本発明は、前記検査用プレートに使用されることを特徴とする抗原若しくは被験サンプルが固定されたスライドプレートに関する。
本発明は、抗原が固定されたスライドプレートを有する検査用プレートの上方部材の通孔内への被験サンプルの分注と洗浄、標識抗体の分注と洗浄、染色基質の分注と洗浄及び封入剤の分注を行い、次いで検査用プレートから取り外したスライドプレートを顕微鏡で観察する検査方法に関する。
【0021】
本発明は、前記検査用プレートからスライドプレートを取り外してスライドプレート上に被験サンプルを付着若しくは固定し、該スライドプレートを検査用プレートに取り付け、検査用プレートの上方部材の通孔内への標識抗体若しくは染色液の分注と洗浄及び必要により染色基質の分注と洗浄を行った後、封入剤の分注を行い、次いでスライドプレートを検査用プレートから取り外して顕微鏡で観察する検査方法に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係わる検査用プレートの一例を示す斜め上方から見た分解斜視図、図2は図1に示した検査用プレートをセットした組立斜視図、図3は図1に示した検査用プレートの平面図、図4は図1に示した検査用プレートの底面図、図5は図3におけるA−A線に沿った断面図、図6は図3におけるB−B線に沿った断面図、図7は図3におけるC−C線に沿った断面図、図8は上方部材を上方部材支持部を支点にし開蓋した図5に相当する断面図、図9は上方部材を上方部材支持部を支点にし開蓋した図6に相当する断面図、図10はスライドプレートと上方部材を外した状態でスライドプレートを下方部材にセットした状態を示す平面図、図11はスライドプレートと上方部材を外した状態でスライドプレートを下方部材にセットした状態を示す平面図、図12は本発明に係わる検査用プレートの他の一例を示す斜め上方から見た分解斜視図、図13は本発明に係わる検査プレートの他の一例を示す斜め上方から見た分解斜視図、図14は図13に示した検査用プレートの平面図、図15は図13に示した検査用プレートの底面図、図16は図14に於けるD−D線に沿った断面図、図17は図14に於けるE−E線に沿った断面図、図18はスライドプレートを上方部材にセットした状態を示す底面図、図19はスライドプレートを上方部材にセットした状態を示す底面図及び図20は上方部材の下面に於いて通孔の周辺にシール材によって形成された突条の例を示す縦断面である。
【0023】
本発明の検査用プレートは、図1乃至図11に示すように上方部材1と、スライドプレート2若しくはスライドプレート3と、下方部材4とを有している。
上方部材1は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリスルホン等の熱可塑性樹脂によって成形するのが好ましい。また、該上方部材は自動洗浄機、自動分注機、ELISAプロセッサー、マルチピペット等の各種検査機器に対応可能な複数個の通孔を有し、好ましくは96穴マイクロプレートと同様のピッチをもつものが使用される。図1に示される通孔5は、一回の検査で多くの被検サンプルを検査できる利点から通常96穴であるが、勿論これよりも少ない穴数であってもよい。かかる図1における通孔5については例えば、通孔5から通孔5までのピッチを9.0mmとし、上部直径を7.0mm、下部直径を6.0mm、深さを8.0mmとすることが好ましい。
【0024】
本発明の上方部材の下面には通孔の周辺にシール材による突条が形成される。かかる突条は、複数個の通孔間に設けられるシール材基材から突出したものであり、且つ該通孔の周辺に設置される。このようなシール材は、全体が1枚のもので、通孔の数に合致しただけの数の突条の部分が突出していることになる。図5に示すように、上方部材1の下面には溝6が形成され、シール材7の突出部8がこの溝6内に侵入することにより、上方部材1の下面には通孔5の周辺にシール材7が取り付けられる。
【0025】
本発明におけるシール材は、流動性、接着性及び適度な弾性等の物性を持つシリコンゴム、エチレンゴム、プロピレンゴム等からなることが好ましく、また硬度を18乃至50度とし、肉厚を1.0乃至10.0mmとすることが望ましい。シール材は独立発砲させてクッション性を高めてもよい。
【0026】
図5に示す上方部材1の下面にシール材7を取り付けるには、例えば射出成形により、上方部材1の通孔5と同様のピッチで直径が5.5mmの穴を96個有し、通孔の周辺に突条が形成された板状体を成形し、上方部材1の溝6内に硬化性液状シリコンゴムを充填した後に板状体を貼り合わせ、硬化性液状シリコンゴムを硬化させてシール材7の突出部8とすることによって上方部材1の下面にシール材7を取り付けてもよいし、或いはシール材7を射出成形する際に上方部材1を金型内にセットしてインサート成形しても良いし、或いはシール材7と上方部材1を同時成形しても良い。
【0027】
本発明では上方部材の下面には、通孔の周辺にシール材により突条が形成されている。突条の形状は、縦断面がほぼ直角三角形状の突条、縦断面がほぼ正三角形状の突条、縦断面がほぼ半円状の突条等とすることができる。突条の高さは、0.5乃至5.0mmとし、且つ突条の幅は0.5乃至2.0mmとすることが好ましい。
【0028】
本発明の検査用プレートは、上方部材とスライドプレートとからなり下方部材を有していてもいなくてもよいが、好ましくは下方部材を有するものが使用に簡便である。使用し得る下方部材は、図1に示すように内側に通孔の一部に合うスライドプレート2若しくは全部の通孔に合うスライドプレート3を支持する支持部9を有する枠状体が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂によって成形することができ、必要に応じてガラス繊維等の強化材を混入してもよい。
【0029】
図1の下方部材4では、その一端の左右両側には、支軸受け穴10が形成され、上方部材1の支軸11を支軸受け穴10に嵌合させることによって上方部材1を下方部材4に対して繰り返し開閉させることができる。かかる下方部材4には、支軸受け穴10と反対側の端部に突部12が形成されている。上方部材1を下方部材4に閉じ、突部12を上方部材1に設けられたロック穴13に嵌合させることにより、上方部材1を下方部材4の支持部9上に置いたスライドプレート2若しくはスライドプレート3に取り付けることができ、上方部材1のシール材7によって形成された突条がスライドプレート2若しくはスライドプレート3に圧着されることにより、スライドプレート2若しくはスライドプレート3上に上方部材1の各通孔5によって独立した区画が形成され、各通孔5に希釈液、洗浄液等を注入しても希釈液、洗浄液等が通孔5から漏れないように密閉される。
【0030】
スライドプレートは、ガラス及びポリエステル、ポリメチルテルペン、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、環状オレフィンコーポリマー等の合成樹脂によって形成することができ、抗原又は被験サンプルを固定する部位(例えば、96穴マイクロプレートと同様のピッチで設けられた直径4.5mmの区域)14が16箇所設けられた16穴タイプのスライドプレートでもよいし、96箇所設けられた96穴タイプのスライドプレートでもよく、必要に応じて8穴タイプ若しくは24穴タイプのスライドプレートでもよい。かかるスライドプレートは、図11に示すように抗原又は被験サンプルを固定する部位14以外をテフロン(登録商標)等をバインダーとする印刷インキを使用して着色及び撥水処理する。これにより、抗原又は被験サンプルを固定する区域を明確に識別することができる上に抗原又は被験サンプルが前記部位14をはみ出した際にそれを弾くことができる。
【0031】
図1に示すようにスライドプレート2及びスライドプレート3は、下方部材4の支持部9上にセットされる。即ち、スライドプレート2を使用する場合には、その各々を区分、固定させる為に下方部材4の支持部9上で分割リブ15のピッチ内に1枚乃至6枚セットし、スライドプレート2のa寸法及びc寸法を支持部9におけるe寸法及びg寸法のそれぞれにほぼ同寸法で対応させる。また、スライドプレート3を使用する場合には、分割リブ15の先端より内側に1枚セットし、スライドプレート3のb寸法及びd寸法を支持部9におけるf寸法及びh寸法のそれぞれにほぼ同寸法で対応させる。スライドプレート2及びスライドプレート3の寸法をこのように定めることにより、2種類のスライドプレート2及びスライドプレート3を確実に支持部9上にセットすることができる。
【0032】
図1乃至図11に示す検査用プレートの例は、下方部材4の一端を軸にして上方部材1を開閉させることにより、下方部材4上に置いてスライドプレート2若しくはスライドプレート3に対して上方部材1を着脱し得るようにしているものである。また、図12は本発明の検査用プレートの他の例を示すものである。この検査用プレートは、図1乃至図11の検査用プレートのような上方部材の支軸及び下方部材の支軸受け穴を設けないもので、下方部材4上にスライドプレート2若しくはスライドプレート3を置き、その上に上方部材1を被せ、下方部材4に形成した凸部16に上方部材1の垂下部17の内面に形成した凹部(図示せず)を嵌合させる形式のものである。
【0033】
また、本発明の検査用プレートは、上記図1乃至12に示すような下方部材4を有する検査用プレートが好ましいが、図13乃至図19に示すような上方部材とスライドプレートとから成るものであってもよい。図13乃至19に示す下方部材のない検査用プレートにあっては、図17に示すような上方部材の両側壁に設けられたツメ部17でスライドプレート2又は3を保持する機構になっており、該ツメ部が弾性を有し、それを外側にやや開くことによってスライドプレートを検査用プレートから取り外すことができる。かかるツメ部は分割形式のスライドプレート2を保持するために2以上の対となるように上方部材の側壁に形成される。尚、図13乃至図19に示す検査用プレートに於ける上方部材は、図1乃至12の検査用プレートの上方部材で形成された通孔、シール材、突条等と同様のものが形成される。
【0034】
本発明では、上方部材がスライドプレートに接地した場合、図20に示すようにシール材の突条7−1(縦断面がほぼ直角三角形)、突条7−2(縦断面がほぼ正三角形)、突条7−3(縦断面がほぼ半円形)等によってスライドプレート3上で各通孔5が独立した区画を形成することになる。尚、上記突条7−1、7−2、及び7−3については通孔周辺に形成される各突条が1つのシール材上にある。
【0035】
本発明に係わる検査用プレートは、間接蛍光抗体法または間接酵素抗体法及び直接蛍光抗体法または直接酵素抗体法等の検査に使用することができる。間接蛍光抗体法または間接酵素抗体法としては、抗核抗体、抗DNA抗体(クリシジア法)、抗セントロメア抗体、抗平滑筋抗体、抗ミトコンドリア抗体、抗胃壁細胞抗体、抗好中球抗体等の自己免疫疾患診断及びクラミジア抗体、トキソプラズマ抗体、梅毒抗体(FTA−ABS)、ATLV抗体、EBウイルス抗体、風疹ウイルス抗体、ヘルペス抗体、サイトメガロウイルス抗体等の感染症診断を挙げることができる。また、直接蛍光抗体法または直接酵素抗体法としては、ヘルペス抗原、クラミジア抗原等の感染症診断及びガンの細胞診断やIgA腎症検査等の病理学的検査を挙げることができる。
【0036】
また、本発明の検査用プレートは、スライドプレ−トとそれに着脱可能な上方部材とを有しているため、顕微鏡で観察する工程よりも以前の工程を自動化でき、効率良く検査等を実施することが可能であり、また上方部材に設けられた通孔の周辺に突条により、通孔によって独立した区画を通孔毎に確実に形成し、洗浄等の際に区画内の被験サンプルが他の区画内に混入することを防ぎ、精度よく、検査、測定を行うことができる。
【0037】
前記検査用プレ−トを使用して抗原を固定したスライドプレートを有する検査用プレート(間接法)の製造法について説明する。
(1)スライドプレ−ト上への抗原の付着
間接法に於ては、スライドプレ−ト上に抗原を固定する。抗原としては、自己免疫疾患診断では、Hep2細胞、クリシジア、染色体、平滑筋、腎組織、胃壁組織、好中球などの自己抗原を持つ細胞や組織が利用可能であり、感染症診断では、バクテリアやウイルスなどの病原体微生物がもちいられる。これらの抗原は適当な培地や緩衝液に懸濁しスライドプレ−ト上に分注してインキュベ−トすることにより、スライドプレ−ト上に付着させ得る。この際、上方部材をスライドプレ−ト上に取り付けることにより、自動分注機などにより抗原懸濁液の分注を自動化することができる。
【0038】
(2)洗浄
抗原がスライドプレ−ト面に付着したら、余分の抗原及び培地や緩衝液を生理食塩水、PBS溶液等の洗浄液により洗浄、除去する。
【0039】
(3)抗原の固定
スライドプレ−ト上へ付着した抗原は、エタノ−ル、アセトン、グルタ−ルアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、メタノ−ル、又はこれらを組合せた固定液によって固定される。
【0040】
(4)風乾
抗原が固定されたスライドプレ−トは、風乾する。
本発明に係わる検査用プレートを使用すれば、上方部材1をスライドプレート2又はスライドプレート3上に取り付け、上方部材1の通孔5内に自動分注機によって抗原懸濁液を分注してスライドプレート2又はスライドプレート3上に抗原を付着させ、次いでスライドプレートを取り外して洗浄液に浸漬して洗浄し、次いで固定液に浸漬してスライドプレート2又はスライドプレート3上に抗原を固定し、風乾を行った後に、抗原を固定したスライドプレートを再度検査用プレートに取り付けることにより、効率よく抗原を固定したスライドプレートを有する検査用プレートを製造することができる。
【0041】
次に、前記検査用プレートを使用した検査法(間接法)を説明する。
(1)被験サンプルの分注
被験サンプルは通常血清であることが多いが、ヘパリン血漿、EDTA血漿、クエン酸血漿、あるいは腹水、髄液、唾液、尿などあらゆる体液が被験サンプルとなりうる。これらの被験サンプルはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、生理食塩水など通常よく用いられている緩衝液で希釈される。これらの被験サンプルを上方部材1が取り付けられた検査用プレートの通孔5内に分注する。この時自動分注機を用いる事により、この工程を自動化することができる。被験サンプルを検査用プレートの通孔5内に分注すると、被験サンプル中の抗体がスライドプレ−ト上に固定された抗原に結合する。
【0042】
(2)洗浄1
抗原に結合しなかった余分の抗体(イムノグロブリン)を洗浄操作により除去する。洗浄操作は洗浄液の分注、吸引を繰り返すのであるが、この工程も自動洗浄機を使用により自動化することができる。
【0043】
(3)標識抗体の分注
一回めの洗浄後、標識抗体を分注し、スライドプレ−ト上に固定された抗原に結合した抗体に標識抗体を反応させる。標識抗体としては、蛍光抗体法であれば、抗イムノグロブリン、抗IgG、抗IgM、抗IgA、抗IgEなどの抗体を、フルオロセイン、ロ−ダミン、フィコエリスリンなどの蛍光物質で標識したものを挙げることができ、又酵素抗体法であれば、ペルオキシダ−ゼ、アルカリ性フォスファタ−ゼなどの酵素、またはビオチンなどで標識したものを挙げることができる。この標識抗体の分注も自動分注機により自動化することができる。
【0044】
(4)洗浄2
洗浄1と同様の方法で抗体に結合しなかった標識抗体を洗浄により除去する。
(5)染色基質の分注(酵素抗体法の場合)
酵素抗体法の場合は、染色基質を分注し、標識抗体(酵素)が結合した部位を染色基質により染色する。染色基質としては、標識抗体(酵素)がペルオキシダ−ゼの場合、ジアミノベンチジンなどが用いられる。この染色基質の分注も自動分注機により自動化することができる。
【0045】
(6)洗浄3
染色後、洗浄1と同様の方法で余分の染色基質を洗浄により取り除く。
(7)封入剤の分注
以上の操作が終了したスライドプレ−ト上の抗原に封入剤を分注する。これは、染色された抗原などの乾燥を防ぎ、次にスライドプレ−トの上にかぶせるカバ−グラスを密着させる意味がある。この封入剤には、通常10−100%のグリセリン水溶液が用いられるが、これに限るわけではない。この工程も自動分注機による自動化が可能である。
【0046】
以上の(1)乃至(7)の工程に於いて、自動化機器としては、被験サンプルの分注、洗浄、標識抗体の分注、染色基質の分注、封入剤の分注など個々の工程に対応した自動機器を使用することも可能であるし、上方部材1の通孔5のピッチが96穴マイクロタイタ−プレ−トと同じであれば、例えば、ベ−リング社のプロセッサ−2、プロセッサ−3、ベックマン社のバイオメック、国際試薬社のエルジアオ−トなどのマイクロプレ−ト用の自動化機器を用いれば、これらのすべての工程を連続して自動化することも可能である。
【0047】
以上の工程が終了した後、スライドプレ−トを取り出し、スライドプレ−トにカバ−グラスを被せ、顕微鏡にて測定、観察がなされる。
本発明に於いては、上方部材1がスライドプレート上に着脱可能であることにより、顕微鏡にて少数の被験サンプルを測定、観察する際に、8穴タイプ、16穴タイプ若しくは24穴タイプのスライドプレートが収納された検査用プレートを使用すると、経済的となる。例えば、16穴タイプのスライドプレート2が6枚収納された検査用プレートに於いて、2枚のスライドプレート2を使用する必要がある場合には、スライドプレート2から上方部材1を取り外し、4枚のスライドプレート2を取り出し、取り出した4枚のスライドプレート2の代わりにガラスプレートを収納し、スライドプレート2及びガラスプレート上に上方部材1を取り付け、前記の(1)乃至(7)の操作を行った後に2枚のスライドプレート2を取り出して測定、観察をすればよく、先に取り出した4枚のスライドプレート2を後で別の機会で使用することにより、抗原が固定された高価なスライドプレートが無駄になることを防ぐことができる。
【0048】
次に直接法について説明する。
(1)被験サンプルの付着若しくは固定
直接法では、細胞、組織、喀痰などが被験サンプルとなり、被験サンプルをスライドプレ−ト上に付着させる。これらの被験サンプルは未固定のまま次の工程も行えるし、必要に応じて化学的な固定を行ってもよい。化学的固定には、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、グルタ−ルアルデヒド、メタノ−ル、エタノ−ル、アセトン又はこれらの組み合わせなどを利用した固定液を使用可能である。この工程も自動分注機による自動化が可能であるが、スライドプレ−トから上方部材をはずした状態で固定することも可能である。
【0049】
(2)標識抗体若しくは染色液の分注
検査しようとする特異抗原に対する抗体、例えばガンの組織診断の場合にはCEA、AFP、PSA、CA−19−9などのガン特異抗原や、ケラチン、ビメンチンなどの組織特異抗原に対する抗体、腎臓に於ける免疫複合体の検出では、IgG,IgM,IgAなどに対する抗体などを標識したものが用いられる。これらの抗体の標識には蛍光法の場合フルオロセイン、ロ−ダミン、フィコエリスリンなどが使用可能であり、酵素法の場合はペルオキシダ−ゼやアルカリ性フォスファタ−ゼなどが使用可能であり、またビオチンを用いた間接的標識も可能である。また、標識抗体の代わりにパパニコロ染色ヘマトキシリン液100、パパニコロ染色液OG−100、パパニコロ染色液EA−100等の染色液を用いた染色法も利用できる。この工程では、標識抗体や染色液などがスライドプレ−ト上の被験サンプル上に分注するのであるが、上方部材をスライドプレ−ト上に取り付けることにより、自動分注機などによる自動化が可能である。
【0050】
(3)洗浄1
被験サンプル中の抗原物質に結合しなかった標識抗体や余分の染色液を洗浄操作により取り除く。洗浄は洗浄液の分注と吸引を繰り返すのであるが、自動洗浄機などにより自動化が可能である。
【0051】
(4)染色基質の分注(酵素標識抗体の場合)
酵素抗体法の場合は、酵素の結合した部位を染色するため、染色基質を分注する。染色基質としては、酵素がペルオキシダ−ゼの場合、ジアミノベンチジンを含有する緩衝液などが用いられる。また、ビオチンによる標識の場合は、PAP法やABC法などの増幅法も利用可能である。
【0052】
(5)洗浄2
染色後洗浄し、余分の染色基質を取り除く。
この染色基質の分注、洗浄も自動化機器への対応が可能である。
【0053】
(6)封入剤の分注
以上の操作が終了した後、スライドプレ−ト上の抗原物質に封入剤が分注される。これは、染色された抗原などの乾燥を防ぎ、次にスライドプレ−ト上にかぶせるカバ−グラスを密着させる意味がある。この工程もスライドプレ−ト上に上方部材を取り付けることにより、自動分注機による自動化が可能となる。
【0054】
以上の工程が終了した後、上方部材をスライドプレ−トからはずしてカバ−グラスをかけ、顕微鏡により測定がなされる。
本発明に係わる検査用プレートを使用すれば、検査用プレートからスライドプレートを取り外してスライドプレート上に被験サンプルを付着若しくは固定し、次いでスライドプレートを検査用プレートに取り付けて自動化機器を使用して標識抗体若しくは染色液の分注、洗浄、染色基質の分注等を行い、次いでスライドプレートを検査用プレートから取り外して顕微鏡で測定することにより、効率よく測定を行うことができる。
【0055】
【実施例】
次に実施例により、本発明を説明する。
実施例1
(1)上方部材の製造
ポリスチレンを使用し、射出成形により、図1乃至図11に示す上方部材1を成形した。上方部材1には、通孔5から通孔5までのピッチを9.0mmとし、長手側を12列、短手側を8列として合計96個の通孔5を形成した。通孔5は、上部直径を7.0mm、下部直径を6.0mm、深さを8.0mm、容量を約0.31mlとした。上方部材1の下面にはシール材7を嵌着させる為に幅1.0mm、深さ1.0mmの溝6を形成した。上方部材1の一端には支軸11を形成した。
【0056】
(2)シール材の固定
射出成形により、信越化学工業社製シリコーン樹脂KE−922−Uを使用し、上方部材1と同じピッチで直径5.5mmの通孔を96個有し、且つ該通孔の下面の周辺に高さが1.0mm、幅が1.0mmで縦断面がほぼ直角三角形状の突条7−1が形成された肉厚2.0mm、硬度23度のシリコーンゴム板を成形した。上方部材1の下面に形成した溝6内に硬化性液状シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製電子部品用コーティング材SE9187RTV)を充填し、上方部材1の通孔5とシリコーンゴム板の通孔とを合致させながら上方部材1の下面にシリコーンゴム板を貼り合わせ、25℃で、12時間保持して液状シリコーンゴムを硬化させて突出部とすることにより、上方部材1の下面にシール材7を固定した。
【0057】
(3)下方部材の製造
ガラスフィラーを15重量%含有したポリカーボネートを使用し、図1乃至図11に示す下方部材4を成形した。下方部材4には、支持部9上に約18.0mmの間隔をおいて高さ約5.0mm、長さ約2.0mm、肉厚約0.8mmの分割リブ15を片側に8個づつとして合計16個形成した。下方部材4の一端には支軸受け穴10を形成した。
【0058】
(4)スライドプレートの製造
肉厚1.0mmのガラス板を長手寸法(a寸法)が76.7mm、短手寸法(c寸法)が16.8mmとなるように裁断し、抗原若しくは被験サンプルを固定する部位(96穴マイクロプレートと同様のピッチで設けられた直径4.5mmの区域)14以外をテフロンをバインダーとする印刷インキで印刷して着色、撥水処理を施すことにより、スライドプレート2を製造した。
【0059】
また、肉厚1.0mmのガラス板を長手寸法(d寸法)が111.3mm、短手寸法(b寸法)が72.7mmとなるように裁断し、抗原若しくは被験サンプルを固定する部位(96穴マイクロプレートと同様のピッチで設けられた直径4.5mmの区域)14以外をテフロンをバインダーとする印刷インキで印刷して着色、撥水処理を施すことにより、スライドプレート3を製造した。
【0060】
(5)検査用プレートの作製
上方部材1の支軸11を下方部材4の支軸受け穴10に嵌合させた後に、下方部材4の支持部9上にスライドプレート2を6枚セットするか、或いはスライドプレート3を1枚セットすることにより、本発明に係わる検査用プレートを作製した。
【0061】
(6)液漏れ試験
下方部材4の支持部9上にスライドプレート3を1枚セットし、上方部材1を下方部材4に閉じ、突部12を上方部材1に設けられたロック穴13に嵌合させることによって上方部材1をスライドプレート3に取り付け、上方部材1のシール材7によって形成された突条をスライドプレート3に圧着されることにより、スライドプレート3上に上方部材1の各通孔5によって独立した区画を形成した。次いで、検査用プレートの各通孔5へ、10ミリモル濃度の燐酸緩衝液に0.15モル濃度となるように塩化ナトリウムを加えた溶液(以下、PBS溶液という)にウシ血清アルブミン(以下、BSAという)を0.5重量%加えた溶液を300μl入れ、30分間静置し、該溶液を除去後、自動洗浄機によりPBS溶液で各通孔5洗浄した。次いで、通孔5へ、再度PBS溶液にBSAを0.5重量%加えた溶液を300μl入れ、30分間静置し、該溶液を除去後、自動洗浄機によりPBS溶液で各通孔5洗浄した。次いで、洗浄後の各通孔5にPBS溶液を300μl入れ、10分間静置後、液面を観察したところ、液面高さに変化は無く、液漏れが無いことが観察された。
【0062】
実施例2
(1)抗原を固定した検査用プレートの作製
空気中に5%の炭酸ガスを含有した炭酸ガスインキュベータ中に於いて37℃で90容量部のMEM−E培地に10容量部の牛胎児血清を加えた培地(以下、培地という)でHep2細胞を3日間培養した。培養容器に付着したHep2細胞を10ミリモル濃度の燐酸緩衝液に0.15モル濃度となるように塩化ナトリウムを加えた溶液(以下、PBS溶液という)で洗浄した後、0.125重量%のトリプシンと0.01重量%のエチレンジアミンテトラアセテートとを含む緩衝液中に懸濁させ、培地を加えた後、遠心分離を行いHep2細胞を集めた。次いで、Hep2細胞を再び培地に懸濁し、遠心分離してHep2細胞を集めることにより洗浄を行った。Hep2細胞を再び培地に104個/ml乃至105個/mlとなるように懸濁した。
【0063】
スライドプレート3をセットした実施例1の検査用プレートを使用し、上方部材1を下方部材4に閉じ、突部12をロック穴13に嵌合させることによって上方部材1をスライドプレート3に取り付けた後に、自動分注機により検査用プレートの通孔5内に懸濁液を200μlづつ分注した。
【0064】
空気中に5%の炭酸ガスを含有した炭酸ガスインキュベータ中に於いて検査用プレートを37℃で12時間放置し、Hep2細胞をスライドプレート3上に付着させた。
【0065】
検査用プレートの通孔5内の培地を捨て、検査用プレートからスライドプレート3を取り外し、PBS溶液に浸漬して洗浄した後、アセトン中に浸漬してHep2細胞をスライドプレート3上に固定した。
【0066】
Hep2細胞を固定したスライドプレート3を風乾し、検査用プレート内に取り付けることにより、スライドプレート3上に抗原を固定した検査用プレートを作製した。
【0067】
(2)標識抗体の調整
抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgM抗体又は抗ヒトIgA抗体(いずれもマウスモノクローナル抗体)をフルオロセインイソチオシアネートで標識した3種類の標識抗体を混合した後に、PBSに0.5重量%ウシ血清アルブミンを加えた溶液で希釈した。
【0068】
(3)抗核抗体の測定
被験サンプルである61例の血清を自動希釈機を使用してPBS溶液で20倍、40倍、80倍、160倍、320倍、640倍、1280倍及び2560倍に希釈した。
【0069】
前記検査用プレートの上方部材1をスライドプレート3上に取り付けた後に、検査用プレートの通孔5内に自動分注機を使用して前記血清希釈液を100μl分注した後、室温で30分間放置した。
【0070】
次いで、自動洗浄機を使用して検査用プレートの通孔5内に300μlのPBS溶液を分注、吸引して洗浄する操作を4回繰り返した。
自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内に前記標識抗体希釈液を100μl分注した後、25℃で30分間放置した。
【0071】
次いで、前記と同様に検査用プレートの通孔5内を洗浄した。
次いで、自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内に80重量%グリセリン水溶液を10μl分注した後、スライドプレート3を検査用プレートから取り外し、スライドプレート3上にカバーグラスを被せ、蛍光顕微鏡で観察した。
【0072】
陽性を示す限界希釈倍率を各被験サンプルの抗核抗体価とし、本発明の検査用プレートを用いた方法と、従来最も広く使用されているMBL社のフルオロHEPANAキットを用いた方法との結果を表1に示す。
【0073】
表1によれば、本発明の検査用プレートを用いて実施しても、従来法と同等以上の結果が得られ、しかも効率的に自動化した方法で実施できる。尚、MBL社のフルオロHEPANAキットの場合は、4〜8穴のスライドプレートを用いて抗原の固定・洗浄、抗体の分注・洗浄等をすべて手作業で行うため効率的でなかった。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】
本発明に従って、スライドプレ−トと、それに着脱可能な上方部材とを有し、該上方部材に複数個の通孔が設けられた検査用プレートを使用すると、これまで自動化が困難であった、顕微鏡を用いた間接蛍光抗体法、間接酵素抗体法、直接蛍光抗体法、直接酵素抗体法、また免疫組織化学等に於いて、顕微鏡で観察する工程よりも以前の工程を極めて効率良く実施することが可能となり、また上方部材の通孔の周辺にシール材の突条を設けることにより、通孔毎に独立した区画をスライドプレート上に確実に形成することができ、区画内の被験サンプルが他の区画内に混入せず精度よく、検査、測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる検査用プレートの一例を示す斜め上方から見た分解斜視図である。
【図2】図1に示した検査用プレートをセットした組立斜視図である。
【図3】図1に示した検査用プレートの平面図である。
【図4】図1に示した検査用プレートの底面図である。
【図5】図3におけるA−A線に沿った断面図である。
【図6】図3におけるB−B線に沿った断面図である。
【図7】図3におけるC−C線に沿った断面図である。
【図8】上方部材を開蓋した図5に相当する断面図である。
【図9】上方部材を開蓋した図6に相当する断面図である。
【図10】スライドプレートと上方部材を外した状態でスライドプレートを下方部材にセットした状態を示す平面図である。
【図11】スライドプレートと上方部材を外した状態でスライドプレートを下方部材にセットした状態を示す平面図である。
【図12】本発明に係わる検査用プレートの他の一例を示す斜め上方から見た分解斜視図である。
【図13】本発明に係わる検査プレートの他の一例を示す斜め上方から見た分解斜視図である。
【図14】図13に示した検査用プレートの平面図である。
【図15】図13に示した検査用プレートの底面図である。
【図16】図14に於けるD−D線に沿った断面図である。
【図17】図14に於けるE−E線に沿った断面図である。
【図18】スライドプレートを上方部材にセットした状態を示す底面図である。
【図19】スライドプレートを上方部材にセットした状態を示す底面図である。
【図20】上方部材の下面に於いて通孔の周辺にシール材によって形成された突条の例を示す縦断面である。
【符号の説明】
1 上方部材
2 スライドプレート
3 スライドプレート
5 通孔
7−1、7−2、7−3 突条
Claims (10)
- 複数個の通孔がそれぞれ独立した区画を形成するように設けられた一体成形による上方部材と、シール材と、スライドプレートとを有する検査用プレートにおいて、
該上方部材は該スライドプレートを保持する保持機構を有し、
該上方部材の下面には、該複数個の通孔の周辺に溝が形成されており、
該シール材は、弾性を有する板状体であって該複数個の通孔に対応する位置に該通孔の下部直径と同様の直径の穴を有するとともに該通孔の周辺に形成された該溝内に侵入する突出部を有して該上方部材の下面に取り付けられており、且つ、該シール材の該スライドプレート側には該通孔の周辺に配置されるように突条が突出して設置され、
該スライドプレートは、抗原若しくは被験サンプルを固定する部位以外は撥水処理が施されており、該上方部材に取り付けられた該シール材に対して着脱可能となっていることを特徴とする検査用プレート。 - 複数個の通孔がそれぞれ独立した区画を形成するように設けられた一体成形による上方部材と、シール材と、スライドプレートと、下方部材とを有する検査用プレートにおいて、
該上方部材の下面には、該複数個の通孔の周辺に溝が形成されており、
該シール材は、弾性を有する板状体であって該複数個の通孔に対応する位置に該通孔の下部直径と同様の直径の穴を有するとともに該通孔の周辺に形成された該溝内に侵入する突出部を有して該上方部材の下面に取り付けられており、且つ、該シール材の該スライドプレート側には該通孔の周辺に配置されるように突条が突出して設置され、
該スライドプレートは、抗原若しくは被験サンプルを固定する部位以外は撥水処理が施されており、該上方部材に取り付けられた該シール材と該下方部材に対して着脱可能となっており、
該上方部材と該下方部材は、それぞれが着脱可能となるような嵌合部を有していることを特徴とする検査用プレート。 - 該上方部材の一端が該下方部材に軸支され、該上方部材を開閉させることによって該上方部材と該下方部材から該スライドプレートを着脱可能とした請求項2に記載の検査用プレート。
- 該シート材は、硬度が18〜50度、厚さが1.0〜10.0mmである請求項1〜3のいずれかに記載の検査用プレート。
- 該通孔の下部直径が、上部直径よりも小径である請求項1〜4のいずれかに記載の検査用プレート。
- 該突条の縦断面の形状が、ほぼ直角三角形状、ほぼ正三角形状又はほぼ半円状である請求項1〜5のいずれかに記載の検査用プレート。
- 該突条の高さが0.5〜5.0mmである請求項1〜6のいずれかに記載の検査用プレート。
- 該突条の幅が0.5〜2.0mmである請求項1〜7のいずれかに記載の検査用プレート。
- 該スライドプレートの該抗原若しくは被験サンプルを固定する部位の直径が、該通孔の下部直径よりも小径である請求項1〜8のいずれかに記載の検査用プレート。
- 該スライドプレートの抗原若しくは被験サンプルを固定する部位に、予め該抗原若しくは被験サンプルが固定されている請求項1〜9のいずれかに記載の検査用プレート。
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