JP3546894B2 - 検査用プレート - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、顕微鏡を用いた臨床検査又は研究の際に使用する検査用プレート、抗原が固定されたスライドプレートを有する検査用プレート、抗原が固定されたスライドプレートを有する検査用プレートの製造方法並びにそれらの検査用プレートを使用した検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡を用いた蛍光抗体法、酵素抗体法又は病理組織化学は、自己免疫疾患、感染症、病理等の検査で極めて重要な検査法となっている。即ち、自己免疫疾患では抗核抗体、抗DNA抗体(クリシディア法)、抗ミトコンドリア抗体等の検査、感染症では梅毒検査(FTA−ABS)、病理ではガンの組織診断等、多くの検査が行われている。
【0003】
この検査方法は、間接法と直接法に分類される。間接法は通常スライドプレート上に細胞や組織等の抗原を固定し、被験サンプル中のこの抗原に対する抗体を検出する方法である。例えば、抗核抗体では、Hep2細胞等をスライドプレート上に固定して抗原とする。これに、血清又は血漿等の被験サンプルを反応させ、被験サンプル中の特異抗体を固定細胞中の抗原物質と反応させる。その結合した抗体を蛍光又は酵素で標識された抗イムノグロブリン(標識抗体)と反応させた後、顕微鏡でその染色像を観察する。この方法によると、複数の抗原に対する抗体が検出可能であり、染色パターンによって抗体が対応する抗原が推定できる。直接法は組織、細胞等の被験サンプルをスライドプレート上に固定し、これに蛍光、酵素又はビオチンで標識された抗体を反応させ、その免疫的染色像を顕微鏡で観察する検査方法であり、ガン細胞の検出等に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの顕微鏡を用いた蛍光抗体法又は酵素抗体法の検査では、スライドプレート上に被験サンプルや試薬を分注することとスライドプレートをビーカー等の洗浄漕中で洗浄することの2種類の操作が交互に繰り返されるため、検査工程の自動化が最も困難な分野であった。また、スライドプレート上に抗原を固定する方法に於いても検査と同様の工程が多く、自動化が困難な為に手作業によらざるを得なかった。
【0005】
抗核抗体の間接蛍光抗体法を例にとり、詳しく説明する。
従来行われている一般的なスライドプレート上に抗原を固定して検査用プレートを製造する手順は、以下の如くである。
【0006】
▲1▼スライドプレート上にガン細胞Hep2懸濁液を載せ、細胞をガラスに付着させる。
▲2▼スライドプレートを生理食塩水等で洗浄する。
【0007】
▲3▼アセトンで細胞を固定する。
▲4▼風乾して検査用プレートとする。
次いで、検査用プレートを使用した一般的な検査手順を示す。
【0008】
▲1▼血清を生理食塩水等で希釈したものを、スライドプレート上に載せ、血清中の特異抗体(抗核抗体)をスライドプレート上の抗原と反応させる。
▲2▼スライドプレートをビーカー中の生理食塩水に漬けて洗浄する。
【0009】
▲3▼蛍光で標識された抗イムノグロブリンをスライドプレートに載せ、スライドプレート上の抗原と結合した特異抗体と反応させる。
▲4▼スライドプレートをビーカー中の生理食塩水に漬けて洗浄する。
【0010】
▲5▼グリセリン水溶液をスライドプレートに載せ、カバーグラスを被せて蛍光顕微鏡で観察する。
このように、スライドプレート上への抗原の固定及び抗原を固定したスライドプレートを使用した検査の工程では、スライドプレート上への分注と、スライドプレートのビーカー中での洗浄が繰り返される為、自動化が行い難く、殆どの工程が手作業で行われてきた。その結果、このような顕微鏡を用いる蛍光抗体法及び酵素抗体法はそれ以外の検査の多くが自動化されていく中で最も自動化が遅れた分野となっている。
【0011】
このような現状で、従来からの古典的方法に改良を試みた例としては、Nunc社のチェンバースライドがある。このチェンバースライドは、スライドプレート上での細胞の培養を可能にするために開発されたもので、スライドプレートの上に一体に形成された複数個の通孔をシリコンゴムを介して付着させたものであり、この複数個の通孔は取り外すことが可能であるが、一度外した通孔は二度と装着することができない為に自動化機器を利用した効率的な検査に使用することができなかった。
【0012】
本発明者等は、自動化機器を利用した効率的な検査に使用することができる検査用プレートについて鋭意研究を進めた結果、本発明に到達した。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数個の通孔がそれぞれ独立した区画を形成するように設けられた上方部材と、シール材と、スライドプレートと、下方部材とを有する検査用プレートにおいて、
該上方部材の下面には、該複数個の通孔の周辺に溝が形成されており、
該シール材は、弾性を有する板状体であって該複数個の通孔に対応する位置に該通孔の下部直径と同様の直径の穴を有するとともに該通孔の周辺に形成された該溝内に侵入する突出部を有し、
該スライドプレートは、抗原若しくは被験サンプルを固定する部位以外は撥水処理が施されており、該上方部材に取り付けられた該シール材と該下方部材に対して着脱可能となっており、
該上方部材と該下方部材は、それぞれが着脱可能となるような嵌合部を有していることを特徴とする検査用プレートに関する。
【0014】
更に、本発明は、上記スライドプレートの抗原若しくは被験サンプルを固定する部位に、予め該抗原若しくは被験サンプルが固定されている検査用プレートに関する。
【0018】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係わる下方部材を有する検査用プレートの一例を示す斜め上方から見た分解斜視図、図2は図1に示した検査用プレートをセットした組立斜視図、図3は図1に示した検査用プレートの平面図、図4は図1に示した検査用プレートの底面図、図5は図3におけるA−A線に沿った断面図、図6は図3におけるB−B線に沿った断面図、図7は図3におけるC−C線に沿った断面図、図8は上方部材を上方部材支持部を支点にし開蓋した図5に相当する断面図、図9は上方部材を上方部材支持部を支点にし開蓋した図6に相当する断面図、図10はスライドプレートと、上方部材を外しスライドプレートを下方部材にセットした状態とを示す平面図、図11はスライドプレートと、上方部材を外しスライドプレートを下方部材にセットした状態とを示す平面図及び図12は本発明に係わる下方部材を有する検査用プレートの他の一例を示す斜め上方から見た分解斜視図である。
【0020】
図1乃至図11に示す検査用プレートは、上方部材1と、スライドプレート2若しくはスライドプレート3と、下方部材4とを有している。
上方部材1は、通常四角形の形状であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリスルホン等の熱可塑性樹脂によって成形することができ、自動洗浄機、自動分注機、ELISAプロセッサー、マルチピペット等の各種検査機器に対応可能な96穴マイクロプレートと同様のピッチをもつ複数個の通孔5を有しているのが好ましい。通孔5は、通常96穴であるが、検査機器等の変更によりその数を増減してもよい。また、かかる通孔は例えば、通孔5から通孔5までのピッチを9.0mmとし、上部直径を7.0mm、下部直径を6.0mm、深さを8.0mmとすることが好ましい。
【0021】
上方部材1の下面には溝6が形成され、シール材7の突出部8がこの溝6内に侵入することにより、上方部材1の下面には通孔5の周辺にシール材7が取り付けられている。シール材7は、流動性、接着性及び適度な弾性等の物性を持つシリコンゴム、エチレンゴム、プロピレンゴム等からなることが好ましく、また硬度を18乃至50度とし、肉厚を1.0乃至2.0mmとすることが望ましい。シール材7は独立発泡させてクッション性を高めてもよい。上方部材1の下面にシール材7を取り付けるには、例えばシリコンゴム板を打ち抜くか、或いは射出成形により、上方部材1の通孔5を同様のピッチで直径が5.5mmの穴を96個有する板状体を形成し、上方部材1の溝6内に硬化性液状シリコンゴムを充填した後に板状体を貼り合わせ、硬化性液状シリコンゴムを効果させてシール材7の突出部8とすることによって上方部材1の下面にシール材7を取り付けてもよいし、或いはシール材7を射出成形する際に上方部材1を金型内にセットしてインサート成型しても良い。
【0022】
また、上方部材1は、下方部材4に支持されており、好ましくは上方部材1の一端が下方部材4に軸支されるようにその左右に支軸11を有する構造のものである。尚、かかる上方部材1は図12に示すように下方部材4に軸支されずに載せられ、下方部材4から取り外すことができる構造のものであってもよい。この場合、上方部材1は支軸11が形成されない形状となっている。
【0023】
下方部材4は、内側にスライドプレート2若しくはスライドプレート3を支持する支持部9を有する枠状体であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂によって成形することができ、必要に応じてガラス繊維等の強化材を混入してもよい。
【0024】
下方部材4の一端の左右両側には、支軸受け穴10が形成され、上方部材1の支軸11を支軸受け穴10に嵌合させることによって上方部材1を下方部材4に対して繰り返し開閉させることができる。下方部材4には、支軸受け穴10と反対側の端部に突部12が形成されている。上方部材1を下方部材4に閉じ、突部12を上方部材1に設けられたロック穴13に嵌合させることにより、上方部材1を下方部材4の支持部9上に置いたスライドプレート2若しくはスライドプレート3に取り付けることができ、上方部材1のシール材7がスライドプレート2若しくはスライドプレート3に圧着されることにより、スライドプレート2若しくはスライドプレート3上で上方部材1の各通孔5が独立区画され、各通孔5に希釈液、洗浄液等を注入しても希釈液、洗浄液等が通孔5から漏れないように密閉される。尚、上方部材1が下方部材4に軸支されない場合、下方部材4は支軸受け穴が形成されない形状のものである。
【0025】
スライドプレートは、ガラス又はポリエステル、ポリメチルテルペン、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、環状オレフィンコーポリマー等の合成樹脂によって形成することができ、抗原又は被験サンプルを固定する部位14が例えば96穴マイクロプレートと同様のピッチで設けられた直径4.5mmの区域の場合、16箇所設けられた16穴タイプの分割形式のスライドプレート2でもよいし、96箇所設けられた96穴タイプの一枚形式のスライドプレート3でもよく、必要に応じて8穴タイプ若しくは24穴タイプのスライドプレート2でもよい。スライドプレートの抗原又は被験サンプルを固定する部位14以外は、テフロン等をバインダーとする印刷インキを使用して着色及び撥水処理することが好ましい。これにより、抗原又は被験サンプルを固定する区域を明確に識別することができる上に抗原又は被験サンプルが部位14をはみ出した際にそれを弾くことができる。
【0026】
スライドプレート2及びスライドプレート3は下方部材4の支持部9上にセットされる。即ち、スライドプレート2を使用する場合には、その各々を区分、固定させる為に下方部材4の支持部9上で分割リブ15のピッチ内に1枚乃至6枚セットし、スライドプレート2のa寸法及びc寸法を支持部9におけるe寸法及びg寸法のそれぞれにほぼ同寸法で対応させるのが好ましい。また、スライドプレート3を使用する場合には、分割リブ15の先端より内側に1枚セットし、スライドプレート3のb寸法及びd寸法を支持部9におけるf寸法及びh寸法のそれぞれにほぼ同寸法で対応させるのが実用上好ましい。スライドプレート2及びスライドプレート3の寸法をこのように定めることにより、2種類のスライドプレート2及びスライドプレート3を確実に支持部9上にセットすることができる。
【0027】
図1乃至図11に示す本発明の検査用プレートの例は、下方部材4の一端を軸にして上方部材1を開閉させることにより、下方部材4上に置いてスライドプレート2若しくはスライドプレート3に対して上方部材1を着脱し得るようにしているものである。また、図12は本発明の検査用プレートの他の例を示すものである。この検査用プレートは、図1乃至11の検査プレートのような上方部材の支軸及び下方部材の支軸受け穴を設けないもので、下方部材4上にスライドプレート2若しくはスライドプレート3を置き、その上に上方部材1を被せ、下方部材4に形成した凸部16に上方部材1の垂下部17の内面に形成した凹部(図示せず)を嵌合させる形式のものである。
【0029】
本発明に係わる検査用プレートは、間接蛍光抗体法または間接酵素抗体法及び直接蛍光抗体法または直接酵素抗体法等の検査に使用することができる。間接蛍光抗体法または間接酵素抗体法としては、抗核抗体、抗DNA抗体(クリシジア法)、抗セントロメア抗体、抗平滑筋抗体、抗ミトコンドリア抗体、抗胃壁細胞抗体、抗好中球抗体等の自己免疫疾患診断及びクラミジア抗体、トキソプラズマ抗体、梅毒抗体(FTA−ABS)、ATLV抗体、EBウイルス抗体、風疹ウイルス抗体、ヘルペス抗体、サイトメガロウイルス抗体等の感染症診断を挙げることができる。また、直接蛍光抗体法または直接酵素抗体法としては、ヘルペス抗原、クラミジア抗原等の感染症診断及びガンの細胞診断やIgA腎症検査等の病理学的検査を挙げることができる。
【0030】
前記検査用プレ−トを使用して抗原を固定したスライドプレートを有する検査用プレート(間接法)の製造法について説明する。
(1)スライドプレ−ト上への抗原の付着
間接法に於ては、スライドプレ−ト上に抗原を固定する。抗原としては、自己免疫疾患診断では、Hep2細胞、クリシジア、染色体、平滑筋、腎組織、胃壁組織、好中球などの自己抗原を持つ細胞や組織が利用可能であり、感染症診断では、バクテリアやウイルスなどの病原体微生物がもちいられる。これらの抗原は適当な培地や緩衝液に懸濁しスライドプレ−ト上に分注してインキュベ−トすることにより、スライドプレ−ト上に付着させ得る。この際、スライドプレ−トが取り付けられた検査用プレートの上方部材の各通孔の上部より、自動分注機などを用いて自動的に抗原懸濁液を分注することができる。
【0031】
(2)洗浄
抗原がスライドプレ−ト面に付着したら、余分の抗原及び培地や緩衝液を生理食塩水、PBS溶液等の洗浄液により洗浄、除去する。この場合にも抗原が付着したスライドプレートをセットしたまま検査用プレートの上方部材の通孔の上部から洗浄機により洗浄することができる。
【0032】
(3)抗原の固定及び風乾
スライドプレ−ト上へ付着した抗原は、エタノ−ル、アセトン、グルタ−ルアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、メタノ−ル、又はこれらを組合せた固定液によって固定される。この場合には、上記(2)で抗原が固定されたスライドプレートを検査用プレートから取り出し、該スレイドプレートのみを固定液に浸して抗原を固定する。抗原が固定されたスライドプレ−トは、風乾される。
【0033】
(4)抗原が固定されたスライドプレ−トのセット
抗原が固定されたスライドプレ−トを下方部材上に置き、ついで上方部材を被せて検査用プレートとする。このように予め抗原が固定されたスライドプレ−トをセットすることによって、多数の被験サンプルを検査する際にその都度抗原が固定されたスライドプレ−トを作成することなく直ちに検査を行うことができるメリットがある。
【0034】
上述のような抗原が固定されたスライドプレ−トがセットされた検査用プレートの製造法であれば、上方部材を開閉し若しくは取り外して該スライドプレートを取り出すことなく自動分注機によって抗原懸濁液を分注してスライドプレート上に抗原を付着させ、次いでそのまま洗浄液で洗浄できることになるため、効率よく抗原を固定したスライドプレートを有する検査用プレートを製造することができる。
【0035】
次に、前記検査用プレートを使用した検査法(間接法)を説明する。
(1)被験サンプルの分注
被験サンプルは通常血清であることが多いが、ヘパリン血漿、EDTA血漿、クエン酸血漿、あるいは腹水、髄液、唾液、尿などあらゆる体液が被験サンプルとなりうる。これらの被験サンプルはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、生理食塩水など通常よく用いられている緩衝液で希釈される。これらの被験サンプルを抗原が固定されたスライドプレートを取り付けた検査用プレートの上方部材の通孔上部から分注する。この時自動分注機を用いることにより、この工程を自動化することができる。被験サンプルを検査用プレートの通孔内に分注すると、被験サンプル中の抗体がスライドプレ−ト上に固定された抗原に結合する。
【0036】
(2)洗浄1
抗原に結合しなかった余分の抗体(イムノグロブリン)を洗浄操作により除去する。洗浄操作は洗浄液の分注、吸引を繰り返すのであるが、この工程もスライドプレートを検査用プレートから取り出すことなく自動洗浄機の使用により洗浄を自動化することができる。
【0037】
(3)標識抗体の分注
一回めの洗浄後、標識抗体を分注し、スライドプレ−ト上に固定された抗原に結合した抗体に標識抗体を反応させる。標識抗体としては、蛍光抗体法であれば、抗イムノグロブリン、抗IgG、抗IgM、抗IgA、抗IgEなどの抗体を、フルオロセイン、ロ−ダミン、フィコエリスリンなどの蛍光物質で標識したものを挙げることができ、又酵素抗体法であれば、ペルオキシダ−ゼ、アルカリ性フォスファタ−ゼなどの酵素、またはビオチンなどで標識したものを挙げることができる。この場合、検査用プレートの上方部材の通孔上部から自動分注機により標識抗体の分注を自動化することができる。
【0038】
(4)洗浄2
洗浄1と同様の方法で抗体に結合しなかった標識抗体を洗浄により除去する。
(5)染色基質の分注(酵素抗体法の場合)
酵素抗体法の場合は、染色基質を分注し、標識抗体(酵素)が結合した部位を染色基質により染色する。染色基質としては、標識抗体(酵素)がペルオキシダ−ゼの場合、ジアミノベンチジンなどが用いられる。この染色基質の分注も上記ように自動分注機により自動化することができる。
【0039】
(6)洗浄3
染色後、洗浄1と同様の方法で余分の染色基質を洗浄により取り除く。
(7)封入剤の分注
以上の操作が終了したスライドプレ−ト上の抗原に封入剤を分注する。これは、染色された抗原などの乾燥を防ぎ、次にスライドプレ−トの上にかぶせるカバ−グラスを密着させる意味がある。この封入剤には、通常10−100%のグリセリン水溶液が用いられるが、これに限るわけではない。この工程もスライドプレートを外すことなく自動分注機による自動化が可能である。
【0040】
以上の(1)乃至(7)の工程に於いて、自動化機器としては、被験サンプルの分注、洗浄、標識抗体の分注、染色基質の分注、封入剤の分注など個々の工程に対応した自動機器を使用することも可能であるし、上方部材の通孔のピッチが96穴マイクロタイタ−プレ−トと同じであれば、例えば、ベ−リング社のプロセッサ−2、プロセッサ−3、ベックマン社のバイオメック、国際試薬社のエルジアオ−トなどのマイクロプレ−ト用の自動化機器を用いれば、これらのすべての工程を連続して自動化することも可能である。
【0041】
以上の工程が終了した後、スライドプレ−トを取り出し、スライドプレ−トにカバ−グラスを被せ、顕微鏡にて測定、観察がなされる。
本発明に於いては、上方部材1がスライドプレート上に着脱可能であることにより、顕微鏡にて少数の被験サンプルを測定、観察する際に、8穴タイプ、16穴タイプ若しくは24穴タイプのスライドプレートが収納された検査用プレートを使用すると、経済的となる。例えば、16穴タイプのスライドプレート2が6枚収納された検査用プレートに於いて、2枚のスライドプレート2を使用する必要がある場合には、スライドプレート2から上方部材1を取り外し、4枚のスライドプレート2を取り出し、取り出した4枚のスライドプレート2の代わりにガラスプレートを収納し、スライドプレート2及びガラスプレート上に上方部材1を取り付け、前記の(1)乃至(7)の操作を行った後に2枚のスライドプレート2を取り出して測定、観察をすればよく、先に取り出した4枚のスライドプレート2を後で別の機会で使用することにより、抗原が固定された高価なスライドプレートが無駄になることを防ぐことができる。
【0042】
次に直接法について説明する。
(1)被験サンプルの付着若しくは固定
直接法では、細胞、組織、喀痰などが被験サンプルとなり、被験サンプルをスライドプレ−ト上に付着させる。これらの被験サンプルは未固定のまま次の工程も行えるし、必要に応じて化学的な固定を行ってもよい。化学的固定には、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、グルタ−ルアルデヒド、メタノ−ル、エタノ−ル、アセトン又はこれらの組み合わせなどを利用した固定液が使用可能である。この工程もスライドプレ−トから上方部材をはずすことなく自動分注機による自動化が可能であるが、上方部材をはずした状態で直接スライドプレートに固定することも可能である。
【0043】
(2)標識抗体若しくは染色液の分注
検査しようとする特異抗原に対する抗体、例えばガンの組織診断の場合にはCEA、AFP、PSA、CA−19−9などのガン特異抗原や、ケラチン、ビメンチンなどの組織特異抗原に対する抗体、腎臓に於ける免疫複合体の検出では、IgG,IgM,IgAなどに対する抗体などを標識したものが用いられる。これらの抗体の標識には蛍光法の場合フルオロセイン、ロ−ダミン、フィコエリスリンなどが使用可能であり、酵素法の場合はペルオキシダ−ゼやアルカリ性フォスファタ−ゼなどが使用可能であり、またビオチンを用いた間接的標識も可能である。また、標識抗体の代わりにパパニコロ染色ヘマトキシリン液100、パパニコロ染色液OG−100、パパニコロ染色液EA−100等の染色液を用いた染色法も利用できる。この工程では、標識抗体や染色液などがスライドプレ−ト上の被験サンプル上に分注するのであるが、上方部材をスライドプレ−ト上に取り付けたままでの分注を自動分注機などによる自動化することが可能である。
【0044】
(3)洗浄1
被験サンプル中の抗原物質に結合しなかった標識抗体や余分の染色液を洗浄操作により取り除く。洗浄は洗浄液の分注と吸引を繰り返すのであるが、自動洗浄機などにより検査用プレートからスライドプレートを取り外すことなく自動化が可能である。
【0045】
(4)染色基質の分注(酵素標識抗体の場合)
酵素抗体法の場合は、酵素の結合した部位を染色するため、染色基質を分注する。染色基質としては、酵素がペルオキシダ−ゼの場合、ジアミノベンチジンを含有する緩衝液などが用いられる。また、ビオチンによる標識の場合は、PAP法やABC法などの増幅法も利用可能である。
【0046】
(5)洗浄2
染色後洗浄し、余分の染色基質を取り除く。
この染色基質の分注、洗浄もスライドプレートを検査用プレートにセットしたままでの自動化機器への対応が可能である。
【0047】
(6)封入剤の分注
以上の操作が終了した後、スライドプレ−ト上の抗原物質に封入剤が分注される。これは、染色された抗原などの乾燥を防ぎ、次にスライドプレ−ト上にかぶせるカバ−グラスを密着させる意味がある。この工程もスライドプレ−ト上に上方部材を取り付けることにより、自動分注機による自動化が可能となる。
【0048】
以上の工程が終了した後、上方部材をスライドプレ−トからはずしてカバ−グラスをかけ、顕微鏡により測定がなされる。
本発明に係わる検査用プレートを使用すれば、検査用プレートからスライドプレートを取り外してスライドプレート上に被験サンプルを付着若しくは固定し、次いでスライドプレートを検査用プレートに取り付けて自動化機器を使用して標識抗体若しくは染色液の分注、洗浄、染色基質の分注等を行い、次いでスライドプレートを検査用プレートから取り外して顕微鏡で測定することにより、効率よく測定を行うことができる。
【0049】
尚、本発明に係る検査用プレートは、予め抗原が固定されたスライドプレートをセットしたものであっても、また、抗原が固定されていないスライドプレートがセットされたものであってもよく、それぞれ用途に応じて使用することができる。
【0050】
【実施例】
次に実施例により、本発明を説明する。
〔実施例1〕
上方部材の製造
ポリスチレンを使用し、射出成形により、図1乃至図11に示す上方部材1を成形した。上方部材1には、通孔5から通孔5までのピッチを9.0mmとし、長手側を12列、短手側を8列として合計96個の通孔5を形成した。通孔5は、上部直径を7.0mm、下部直径を上部直径よりも小径である6.0mm、深さを8.0mm、容量を約0.31mlとした。上方部材1の下面にはシール材7を嵌着させる為に幅1.0mm、深さ1.0mmの溝6を形成した。上方部材1の一端には支軸11を形成した。
【0051】
シール材の固定
プレス加工により、肉厚1.0mm、硬度40度のシリコーンゴム板(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製熱加硫型シリコンゴムSH841V)を上方部材1の下面形状に相当する外形状に打ち抜いた後に、上方部材1と同じピッチで直径5.5mmの穴を96個形成した。上方部材1の下面に形成した溝6内に硬化性液状シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製電子部品用コーティング材SE9187RTV)を充填し、通孔5と穴を合致させながら上方部材1の下面にシリコーンゴム板を貼り合わせ、25℃で、12時間保持して液状シリコーンゴムを硬化させて突出部とすることにより、上方部材1の下面にシール材7を固定した。
【0052】
下方部材の製造
ガラスフィラーを15重量%含有したポリカーボネートを使用し、図1乃至図11に示す下方部材4を成形した。下方部材4には、支持部9上に約18.0mmの間隔をおいて高さ約5.0mm、長さ約2.0mm、肉厚約0.8mmの分割リブ15を片側に8個づつとして合計16個形成した。下方部材4の一端には支軸受け穴10を形成した。
【0053】
スライドプレートの製造
肉厚1.0mmのガラス板を長手寸法(a寸法)が76.7mm、短手寸法(c寸法)が16.8mmとなるように裁断し、抗原若しくは被験サンプルを固定する部位(96穴マイクロプレートと同様のピッチで設けられ、通孔5の下部直径6.0mmよりも小径である直径4.5mmの区域)14以外をテフロンをバインダーとする印刷インキで印刷して着色、撥水処理を施すことにより、スライドプレート2を製造した。
【0054】
また、肉厚1.0mmのガラス板を長手寸法(d寸法)が111.3mm、短手寸法(b寸法)が72.7mmとなるように裁断し、抗原若しくは被験サンプルを固定する部位(96穴マイクロプレートと同様のピッチで設けられ、通孔5の下部直径6.0mmよりも小径である直径4.5mmの区域)14以外をテフロンをバインダーとする印刷インキで印刷して着色、撥水処理を施すことにより、スライドプレート3を製造した。
【0055】
検査用プレートの作製
上方部材1の支軸11を下方部材4の支軸受け穴10に嵌合させた後に、下方部材4の支持部9上にスライドプレート2を6枚セットするか、或いはスライドプレート3を1枚セットすることにより、本発明に係わる検査用プレートを作製した。
〔実施例2〕
空気中に5%の炭酸ガスを含有した炭酸ガスインキュベータ中に於いて37℃で90容量部のMEM−E培地に10容量部の牛胎児血清を加えた培地(以下、培地という)でHep2細胞を3日間培養した。培養容器に付着したHep2細胞を10ミリモル濃度の燐酸緩衝液に0.15モル濃度となるように塩化ナトリウムを加えた溶液(以下、PBS溶液という)で洗浄した後、0.125重量%のトリプシンと0.01重量%のエチレンジアミンテトラアセテートとを含む緩衝液中に懸濁させ、培地を加えた後、遠心分離を行いHep2細胞を集めた。次いで、Hep2細胞を再び培地に懸濁し、遠心分離してHep2細胞を集めることにより洗浄を行った。Hep2細胞を再び培地に10個/ml乃至10個/mlとなるように懸濁し、自動分注機によりスライドプレート3を装着した実施例1の検査用プレートの通孔5内に懸濁液を200μlづつ分注した。
【0056】
空気中に5%の炭酸ガスを含有した炭酸ガスインキュベータ中に於いて検査用プレートを37℃で12時間放置し、Hep2細胞をスライドプレート3上に付着させた。
【0057】
検査用プレートの通孔5内の培地を捨て、検査用プレートからスライドプレート3を取り外し、PBS溶液に浸漬して洗浄した後、アセトン中に浸漬してHep2細胞をスライドプレート3上に固定した。
【0058】
Hep2細胞を固定したスライドプレート3を風乾し、検査用プレート内に取り付けることにより、スライドプレート3上に抗原を固定した検査用プレートを作製した。
〔実施例3〕
ヤギ由来抗ヒト・イムノグロブリン抗体をフルオロセインイソチオシアネートで標識して標識抗体を調整し、得られた標識抗体をPBS溶液で希釈した。
【0059】
被験サンプルである50例の血清を自動希釈機を使用してPBS溶液で20倍、40倍、80倍、160倍、320倍、640倍及び1280倍に希釈した。実施例2に記載されたスライドプレート3上に抗原を固定した検査用プレートに於いて上方部材1をスライドプレート3上に取り付けた後に、検査用プレートの通孔5内に自動分注機を使用して前記血清希釈液を100μl分注した後、室温で30分間放置した。
【0060】
次いで、自動洗浄機を使用して検査用プレートの通孔5内に300μlのPBS溶液を分注、吸引して洗浄する操作を4回繰り返した。
自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内に前記標識抗体希釈液を100μl分注した後、25℃で30分間放置した。
【0061】
次いで、前記と同様に検査用プレートの通孔5内を洗浄した。
次いで、自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内に80重量%グリセリン水溶液を10μl分注した後、スライドプレート3を検査用プレートから取り外し、スライドプレート3上にカバーグラスを被せ、蛍光顕微鏡で観察した。
【0062】
本発明に係わる前記の測定方法に於いて、50例の血清の内で15例が陽性と判断されたが、これはMBL社のフルオローHEPANA検査用プレートを使用した従来最も広く使用されている測定方法と同様の結果であった。
【0063】
また、陽性と判断された血清の内で6例について抗体価(希釈限界倍率)と染色パターンを示すと、表1の通りであり、本発明方法によれば従来法と同等以上の精度で測定し得ることが明かであった。
【0064】
【表1】
Figure 0003546894
〔実施例4〕
ヤギ由来抗ヒト・イムノグロブリン抗体をペルオキシダーゼで標識して標識抗体を調製し、得られた標識抗体をPBS溶液で希釈した。
【0065】
実施例3で使用した50例の血清を自動希釈機を使用してPBS溶液で20倍、40倍、80倍、160倍、320倍、640倍及び1280倍に希釈した。実施例2に記載されたスライドプレート3上に抗原を固定した検査用プレートに於いて上方部材1をスライドプレート3上に取り付けた後に、検査用プレートの通孔5内に自動分注機を使用して前記血清希釈液を100μl分注した後、室温で30分間放置した。
【0066】
次いで、自動洗浄機を使用して検査用プレートの通孔5内に300μlのPBS溶液を分注、吸引して洗浄する操作を4回繰り返した。
次いで、自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内に前記標識抗体希釈液を100μl分注した後、室温で30分間放置した。
【0067】
次いで、前記と同様に検査用プレートの通孔5内を洗浄した。
次いで、自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内に100μlの染色基質(0.005重量%の過酸化水素、0.02重量%のジアミノベンチジンを含有する50ミリモル濃度のトリス緩衝液、PH7.6)を分注した後、室温で10分間放置した。
【0068】
次いで、前記と同様に検査用プレートの通孔5内を洗浄した。
次いで、自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内に濃度80重量%のグリセリン水溶液を10μl分注した後、スライドプレート3を検査用プレートから取り外し、スライドプレート3上にカバーグラスを被せ、顕微鏡で観察したところ、実施例3とほぼ同様の結果が得られた。
〔実施例5〕
検査用プレートから取り外したスライドプレート3上に被験サンプルである肺ガン(編平上皮ガン)患者10例と正常者10例の新鮮な喀痰を塗布した。
【0069】
次いで、スライドプレート3を1容量部のエタノールと1容量部のジエチルエーテルとからなる固定液に浸漬してスライドプレート3上に喀痰を固定した。
次いで、スライドプレート3を検査用プレートに取り付け、スライドプレート3上に上方部材1を取り付けた。
【0070】
次いで、自動洗浄機を使用して検査用プレートの通孔5内に濃度70容量%のエタノール水溶液を300μl分注して吸引する操作、濃度50容量%のエタノール水溶液を300μl分注して吸引する操作及び蒸留水を300μl分注して吸引する操作を2回づつ繰り返し、通孔5内を洗浄した。
【0071】
次いで、自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内にパパニコロ染色ヘマトキシリン液100(和光純薬社製染色液)を200μl分注し、5分間保持して染色した。
【0072】
次いで、自動洗浄機を使用して検査用プレートの通孔5内に蒸留水を300μl分注して吸引する操作、濃度70容量%のエタノール水溶液に1容量%の塩酸を加えた水溶液を300μl分注して吸引する操作、濃度70容量%のエタノール水溶液に3容量%のアンモニアを加えた水溶液を300μl分注して吸引する操作、濃度70容量%のエタノール水溶液を300μl分注して吸引する操作及び濃度90容量%のエタノール水溶液を300μl分注して吸引する操作をそれぞれ2回づつ繰り返し、通孔5内を洗浄した。
【0073】
次いで、自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内にパパニコロ染色液OG−100(和光純薬社製染色液)を200μl分注し、2分間保持して染色した。
【0074】
次いで、自動洗浄機を使用して検査用プレートの通孔5内に濃度95容量%のエタノール水溶液を300μl分注して吸引する操作を2回繰り返し、通孔5内を洗浄した。
【0075】
次いで、自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内にパパニコロ染色液EA−100(和光純薬社製染色液)を200μl分注し、3分間保持して染色した。
【0076】
次いで、自動洗浄機を使用して検査用プレートの通孔5内に濃度95容量%のエタノール水溶液を300μl分注して吸引する操作を3回繰り返して洗浄した後、通孔5内にキシロールを200μl分注し、5分間放置した。
【0077】
次いで、自動分注機を使用して検査用プレートの通孔5内に濃度80容量%のグリセリン水溶液を10μl分注した後、スライドプレート3を検査用プレートから取り外し、スライドプレート3上にカバーグラスを被せ、蛍光顕微鏡で観察したところ、肺ガン患者10例は全て陽性を示した。
【0078】
【発明の効果】
本発明に従って、上方部材と下方部材とそれに着脱可能なスライドプレートとを有する検査用プレートを使用すると、これまで自動化が困難であった、顕微鏡を用いた間接蛍光抗体法、間接酵素抗体法、直接蛍光抗体法、直接酵素抗体法、また免疫組織化学等に於いて、顕微鏡で観察する工程よりも以前の工程を極めて効率良く実施することが可能となる。
また、スライドプレート上に上方部材を取り付けた状態で検査用プレートの通孔内のスライドプレート上に抗原を付着させ、次いでスライドプレートを取り外して洗浄、抗原の固定、風乾を行った後に、抗原を固定したスライドプレートを再度検査用プレートに取り付けることにより、スライドプレートに抗原を固定した検査用プレートを極めて効率よく製造することが可能となる。
更に、スライドプレート上に上方部材を取り付けた状態で、抗原が固定されたスライドプレートを有する検査用プレートの通孔内への被験サンプルの分注と洗浄、標識抗体の分注と洗浄、必要に応じて染色基質の分注と洗浄を行った後に、封入剤の分注を行い、次いで検査用プレートから取り外したスライドプレートを顕微鏡で観察する検査方法を提供することができる。
更に、検査用プレートからスライドプレートを取り外してスライドプレート上に被験サンプルを付着若しくは固定し、該スライドプレートを検査用プレートに取り付け、検査用プレートの通孔内への標識抗体若しくは染色液の分注と洗浄及び必要に応じて染色基質の分注と洗浄を行った後に、封入剤の分注を行い、次いでスライドプレートを検査用プレートから取り外して顕微鏡で観察する検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる検査用プレートの一例を示す斜め上方から見た分解斜視図である。
【図2】図1に示した検査用プレートをセットした組立斜視図である。
【図3】図1に示した検査用プレートの平面図である。
【図4】図1に示した検査用プレートの底面図である。
【図5】図3におけるA−A線に沿った断面図である。
【図6】図3におけるB−B線に沿った断面図である。
【図7】図3におけるC−C線に沿った断面図である。
【図8】上方部材を開蓋した図5に相当する断面図である。
【図9】上方部材を開蓋した図6に相当する断面図である。
【図10】スライドプレートと上方部材を外した状態でスライドプレートを下方部材にセットした状態を示す平面図である。
【図11】スライドプレートと上方部材を外した状態でスライドプレートを下方部材にセットした状態を示す平面図である。
【図12】本発明に係わる検査用プレートの他の一例を示す斜め上方から見た分解斜視図である。
【符号の説明】
1 上方部材
2 スライドプレート
3 スライドプレート
5 通孔

Claims (6)

  1. 複数個の通孔がそれぞれ独立した区画を形成するように設けられた上方部材と、シール材と、スライドプレートと、下方部材とを有する検査用プレートにおいて、
    該上方部材の下面には、該複数個の通孔の周辺に溝が形成されており、
    該シール材は、弾性を有する板状体であって該複数個の通孔に対応する位置に該通孔の下部直径と同様の直径の穴を有するとともに該通孔の周辺に形成された該溝内に侵入する突出部を有し、
    該スライドプレートは、抗原若しくは被験サンプルを固定する部位以外は撥水処理が施されており、該上方部材に取り付けられた該シール材と該下方部材に対して着脱可能となっており、
    該上方部材と該下方部材は、それぞれが着脱可能となるような嵌合部を有していることを特徴とする検査用プレート。
  2. 該シート材は、硬度が18〜50度、厚さが1.0〜2.0mmである請求項1に記載の検査用プレート。
  3. 該通孔の下部直径が、上部直径よりも小径である請求項2に記載の検査用プレート。
  4. 該スライドプレートの該抗原若しくは被験サンプルを固定する部位の直径が、該通孔の下部直径よりも小径である請求項2又は3に記載の検査用プレート。
  5. 該上方部材の一端が該下方部材に軸支され、該上方部材を開閉させることによって該上方部材と該下方部材から該スライドプレートを着脱可能とした請求項1〜4のいずれかに記載の検査用プレート。
  6. 該スライドプレートの抗原若しくは被験サンプルを固定する部位に、予め該抗原若しくは被験サンプルが固定されている請求項1〜5のいずれかに記載の検査用プレート。
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