JP3627294B2 - 電気泳動表示装置の駆動電圧及び駆動電圧の印加時間を設定する方法および電気泳動表示装置 - Google Patents

電気泳動表示装置の駆動電圧及び駆動電圧の印加時間を設定する方法および電気泳動表示装置 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電圧の印加により媒体中の荷電顔料が移動することを利用した電気泳動表示装置の駆動電圧及び駆動電圧の印加時間の設定する方法および電気泳動表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図13に示すような電気泳動表示素子が知られている。この電気泳動表示素子は、少なくとも一方が透光性の2枚のたとえばガラス基板10が、隔壁11を介して互いに所定間隔をもって対向し、これらガラス基板10と隔壁11によって閉空間を構成している。これらのガラス基板10それぞれの対向する内面側には一対の平面状のITO等の透明電極12が固定されている。上記閉空間には、電気泳動表示用分散液13が収容されており、この電気泳動表示用分散液13は、たとえば黒色に着色された着色分散媒13aと、この分散媒13aに分散されている帯電したたとえば白色顔料13bを含む。
【0003】
このような電気泳動表示素子は、上記一対の電極12に対し、たとえば図14(A)に示すように、上側の電極にプラス、下側の電極にマイナスの電圧を印加すると、着色分散媒13a中に分散している負に帯電した白色顔料13bがクーロン力によって陽極に向かって電気泳動し、白色顔料13bが上側の陽極電極に付着する。このような状態の電気泳動表示装置を図14(A)に示すような目の位置から観察すると、白色顔料13bが付着して層を形成した部分は透明電極12とガラス基板10とを介して白色に見えることになる。
一方、印加電圧の極性を逆にすれば、図14(B)に示すように、白色顔料13bは対面側の電極12に付着して層を形成し、図示のような位置から観察すると、白色顔料層13bが黒色分散媒13aの背後に隠れるので、電気泳動表示パネルは黒色に見えることになる。電圧の印加を停止すると、電極12に付着した白色顔料層13bは、その付着状態を維持するので、一旦白色顔料層13bが電極12に付着した後は、付着状態を維持する電圧を印加する以外は特に電圧を印加する必要はなくなる。
【0004】
このような原理の電気泳動表示装置においては、駆動電圧は、白色顔料13bが移動する間印加し続ける必要がある。もし、印加時間が短いと、白色顔料13bが電極12に達することができず、表示コントラストの低下を生じてしまう。このため、従来は、印加時間をかなり余裕を持って長めに設定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、印加時間を必要以上に長くすると、電極反応や分散液の電気分解などが起こり、その結果、電気泳動表示装置の寿命の低下を招いていた。
ところで、電気泳動表示装置は、電気泳動表示素子の分散媒や電極間の距離等によって、印加電圧や印加時間が異なり、ある電気泳動表示素子に対する適正な印加電圧とそれに対する適正な印加時間を求めることは容易ではなかった。
【0006】
また、電気泳動表示装置は、分散液の変質、分散液中の界面活性剤などの添加物の変質など液体に電圧を印加する装置に特有の不安定要素があり、経時と共に、適正な電圧や印加時間が変動するという問題もある。このため、電圧印加時間が適正化され、寿命の長い電気泳動表示装置が要望されている。
【0007】
本発明は、上記要望に鑑みなされたもので、適正な印加電圧とそれに対する適正な印加時間を容易に求めることができる泳動時間測定方法、及び電圧印加時間を適正化し、コントラストの低下を招くことなく、電極反応や電気分解による劣化を可及的に防止できる電気泳動表示装置の駆動電圧及び駆動電圧の印加時間の設定する方法および電気泳動表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、閉空間内に液相分散媒と顔料とを含む電気泳動表示用分散液が収容された電気泳動素子と前記顔料を泳動させるための一対の電極とを備えた電気泳動表示装置の駆動電圧及び駆動電圧の印加時間を設定する方法であって、前記一対の電極に異なる電圧を印加した時の電流が電圧の印加開始時から基準の電流に達するまでの時間を前記異なる電圧のそれぞれに対して測定し、前記基準の電流に達するまでの時間と電圧との関係を求め、前記駆動電圧及び前記駆動電圧の印加時間を設定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電気泳動表示装置は、閉空間内に液相分散媒と顔料とを含む電気泳動表示用分散液が収容された電気泳動表示素子と前記顔料を泳動させるための一対の電極と、記一対の電極に駆動電圧を印加し、前記電気泳動表示素子を駆動する駆動電源と、前記電気泳動表示素子に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力が、基準の電流に達したときの該電流検出手段の出力値に達したときに、前記駆動電圧の印加を停止する電圧印加制御手段とを有する。
【0013】
【作用】
本発明の方法によれば、電圧印加時間に応じた電気泳動表示素子の輝度または電流値の変化に着目し、輝度または電流値が基準の値(ほぼ飽和)に達する時間が、分散液中の顔料が電極に達してほぼ完全に泳動を終了した瞬間の時間であるとみなし、電気泳動素子に所定の電圧の印加を開始してから該電気泳動表示素子の輝度または電流値が基準値に達するまでの印加時間を計測する。そして、所定の電圧での輝度または電流値の基準に達する時間が、その電圧における適正印加時間であり、種々の電圧でこの計測を繰り返すことで、適正電圧と適正印加時間を求める。
【0014】
また、本発明の電気泳動表示装置よれば、上述した方法に基づいて駆動電圧に対応した適正印加時間が設定され、電圧印加時間制御装置によりこの適正印加時間で駆動電源の電圧印加を停止する。
このように、電圧印加時間制御装置を電気泳動表示装置に設けることにより、印加時間を適正化して必要最小限にし、コントラストの低下を招くことなく、電極反応や電気分解による劣化を可及的に防止できる。
また、電気泳動表示素子の輝度を検出できるセンサー、あるいは電流値を検出する電流検出手段を設け、このセンサーあるいは電流検出手段の出力が予め計測した輝度または電流値の基準値(飽和値)に対応するセンサーまたは電流検出手段の出力に達したときに、電圧印加制御手段により駆動電圧印加を停止する。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0016】
[第1実施例]
図1は、本発明の泳動時間測定方法に用いる装置のブロック図である。本装置には、電気泳動表示素子2が含まれる。
【0017】
この電気泳動表示素子2は、少なくとも一方が透光性の2枚のたとえばガラス基板10が、隔壁11を介して互いに所定間隔をもって対向し、これらのガラス基板10それぞれの対向する内面側には一対の平板状の透明電極12が固定され、これらガラス基板10、電極12、隔壁11によって閉空間が構成されている。なお、電極12自体が基板を構成する場合もあり、この場合はガラス基板10は省略可能である。このような閉空間をいくつか設け、各閉空間を組み合わせた構成とすることもできる。上記透明電極12としては、たとえば酸化インジウム・スズ(ITO)を所用のパターンで形成したものを例示することができる。また、隔壁11の厚さ(電極間距離)は、通常20μm〜1mm程度である。
【0018】
上記閉空間には、電気泳動表示用分散液13が収容されており、この電気泳動表示用分散液13は、着色分散媒13aと、この分散媒に分散されている帯電した顔料13bを含む。
【0019】
この電気泳動表示素子2は、駆動電源3によってその電極12に所定の電圧が印加される。また、電気泳動表示素子2の前面には、輝度計(センサー)21が設置されている。輝度計21としては、たとえば光電子倍増管等の光センサーを用いることができる。電気泳動表示素子2を駆動電源3によって所定の電圧で駆動し、電気泳動表示素子2の表示(輝度)変化を輝度計21で測定し、このデータ値を処理手段22で処理し、駆動電源3の印加電圧を変えて同じように測定する。この手順によって、種々の電圧に対する適正印加時間を求めることができる。
【0020】
電圧印加時間に対する輝度の変化の一例を図2に示す。図2から、顔料が泳動を終了した時間は、輝度の飽和として検知できることがわかり、この時間を飽和時間データ値とする。図2の例では、電気泳動表示素子2の飽和時間データ値は60m秒(ms)である。従って、この時に印加した電圧では、印加時間を60msに設定することにより、コントラストの低下を招くことなく、劣化を最小にすることができる。
なお、輝度とは、面積光源に関する測光量の一つであって、面積光源面上の1点、与えられた方向に向かう光束を、その点を含む微小面積の与えられた方向への正射影面積とその方向の微小立体角の積でわった値である。
【0021】
上述した種々の印加電圧に対する輝度の変化を自動的に測定する方法を、図3、図4で説明する。図3は、予め最低印加時間Tと最大印加時間T及び最低印加電圧Vと最大印加電圧Vを設定し、これをテーブル化して測定装置の処理手段22に記憶させておく範囲を示す。
【0022】
図4のフローチャートで処理手段22の処理手順を説明する。
まず、ステップS1で印加電圧Vを最低印加電圧Vに設定し、ステップS2で印加時間Tを最低印加時間Tに設定する。
次に、ステップS3で、設定された印加電圧Vにおいて、設定された印加時間Tだけデバイス(電気泳動表示素子)を駆動すると共に、ステップS4で、電気泳動表示素子2の輝度をセンサー21で検出し、ステップS5で輝度、印加電圧V、印加時間Tを記憶する。
そして、ステップS6で印加時間が最大印加時間Tを超えたか否かを判定し、超えない場合(N)は、印加時間に所定の時間(ΔT)を加え、更にその印加時間(T+ΔT)、印加電圧Vで電気泳動表示素子2の駆動を続け、最大印加時間Tまで設定された印加電圧Vで輝度の測定を行う。
印加時間が最大印加時間Tを超えた場合は、次のステップS8で印加電圧が最大印加電圧Vを超えたか否かを判定する。超えない場合(N)は、印加電圧に所定の電圧(ΔV)を加えた後、ステップS2に戻り、その印加電圧(V+ΔV)で最低印加時間Tだけ電気泳動表示素子を駆動し、その印加電圧(V+ΔV)での印加時間と輝度を測定する。
このような手順により、最大印加電圧Vになるまで電圧を加えて駆動する手順を繰り返し、最低印加電圧Vから最大印加電圧VまでをΔV間隔毎の輝度の変化と印加時間の関係を求めることができる。印加時間が最大印加電圧Vを超えた場合は、測定の終了であるので、次のステップS10で結果をプリントで表示させ、更にステップS11でこれに基づき最適印加電圧、最適印加時間を決定する。
【0023】
このような泳動時間測定方法によれば、製造時のばらつき、経時劣化等があっても個々の電位泳動表示素子に対する適正印加時間を容易かつ確実に求めることができ、求めた適正印加時間で電気泳動表示素子を駆動すれば、コントラストの低下を招くことなく、電極反応や電気分解による劣化を可及的に防止できる。
【0024】
[第2実施例]
図5は、本発明の電気泳動表示装置の構成の一実施例を示す概略図である。この電気泳動表示装置は、電気泳動表示素子2と、この電気泳動表示素子2を駆動する駆動電源3aと、駆動電源3aの電気泳動表示素子2に対する電圧印加時間を制御する電圧印加時間制御装置4とを具備する。
このうち、電気泳動表示素子2については、既に説明したので、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0025】
本例の特徴である電圧印加時間制御装置4は、駆動電源3aによる電気泳動表示素子2の印加時間を制御する機能を有する。電圧印加時間制御装置4は、たとえば可変抵抗器を用いたパルス幅設定機構で構成することができるが、これに限られるものではない。本発明においては、このパルス幅は、予め設定しておく。このようなパルス幅の設定方法は、第1実施例で説明した泳動時間測定方法によって求めることができる。たとえば、図2の例では、飽和時間データ値は60msである。従って、パルス幅設定機構の駆動電圧の印加時間(パルス幅)を60msに設定する。なお、たとえば輝度が飽和値の95%に達したときを基準にしてもよく、その他設定の基準は種々変更することができる。
【0026】
本実施例によれば、電気泳動表示素子2の顔料が泳動を終了した時間に電圧の印加を停止することができるので、コントラストの低下を招くことなく、電極反応や電気分解による劣化を可及的に防止できる。
【0027】
[第3実施例]
図6は、本発明の第3実施例の電気泳動表示装置の構成を示すブロック図である。この電気泳動表示装置は、駆動電源3aの駆動電圧をスイッチング部23を介して電気泳動表示素子2に印加し、電気泳動表示素子2を駆動するようになっている。また、電気泳動表示素子2の輝度を検出できるセンサー21が設けられ、このセンサー21の信号はセンサー出力判断手段22aに出力される。このセンサー出力判断手段22aと上記スイッチング部23とで電圧印加制御手段を構成している。
【0028】
図7に示すフローチャートで、センサー出力判断手段22aの処理手順を説明すると、飽和輝度(たとえば図2における60msの輝度)に対応する飽和センサー出力値THLを予め求めて設定しておき、この飽和センサー出力値THLとセンサー出力Lとを比較し、センサー出力Lが飽和センサー出力値THLを上回ったときに、スイッチング部23に電圧印加を停止する信号を出力し、スイッチング部23はこれを受けて駆動電源3aからの駆動電圧を停止する。
【0029】
これにより、顔料が移動を終了した時間に電気泳動表示素子の駆動を確実に停止することができ、電極反応や電気分解による電気泳動表示素子の劣化を確実に防止することができる。
【0030】
なお、センサーにより輝度を検出する電気泳動表示素子は、モニター用として実際に表示機能を行うパネルとは別体に構成し、内蔵型とすることも可能である。また、センサー等は実施例1と同じものを使用することができる。内蔵型とするときは、検出用の光を強度の大きいものとすることができるので、センサーとしては低感度のものも使用可能である。
【0031】
[第4実施例]
図8は、本発明の他の泳動時間測定方法に用いる装置のブロック図である。
本第4実施例に係る方法は、図1に示す装置を用いる方法とは以下の点で異なる。
すなわち、図1の装置を用いる方法は、電気泳動表示素子2の表示(輝度)変化を輝度計21で測定し、このデータ値を処理手段22で処理し、駆動電源3の印加電圧を変えて同じように測定することによって、種々の電圧に対する適正印加時間を求める方法であるのに対し、本第4実施例に係る方法は、駆動電圧印加時に、電気泳動表示素子2に流れる電流値を、たとえばモニタを備えた電流検出器24で測定し、このデータ値を処理手段25で処理し、駆動電源3の印加電圧を変えて同じように測定することによって、種々の電圧に対する適正印加時間を求めるようになっている点が異なる。
【0032】
本方法は、電気泳動表示素子2において、駆動電圧印加時、粒子(顔料13b)の移動(泳動)中と電極12の表面に達したときとで流れる電流値が変化すること、すなわち、帯電した顔料が泳動している間は電流は大きく、電極表面に達したときはその動きが止まり電流は小さくなるとことに基づく。
本方法は、この原理に基づいて、駆動電圧印加時の電流を計測することによって、顔料が他方の電極に移動しきった瞬間を検知することにより、駆動電圧印加時間を必要最小限にすることを可能にするものである。
【0033】
電圧印加時間に対する電気泳動表示素子2に流れる電流の変化の一例を図9に示す。本例は、駆動電圧を400m秒(ms)の間印加した時の電流データの一例を示している。
図9から、顔料が泳動を終了した時間は、電流の飽和として検知できることがわかり、この時間を飽和時間データ値とする。図9の例では、電気泳動表示素子2の飽和時間データ値は300msである。従って、この時に印加した電圧では、印加時間を300msに設定することにより、コントラストの低下を招くことなく、劣化を最小にすることができる。
【0034】
上述した種々の印加電圧に対する輝度の変化を自動的に測定する方法を、前述の実施例の説明で参照した図3、並びに図10を参照しつつ説明する。なお、上述したように、図3は、予め最低印加時間Tと最大印加時間T及び最低印加電圧Vと最大印加電圧Vを設定し、これをテーブル化して測定装置の処理手段25に記憶させておく範囲を示す。
【0035】
図10のフローチャートで処理手段25の処理手順を説明する。
まず、ステップST1で印加電圧Vを最低印加電圧Vに設定し、ステップST2で印加時間Tを最低印加時間Tに設定する。
次に、ステップST3で、設定された印加電圧Vにおいて、設定された印加時間Tだけデバイス(電気泳動表示素子)を駆動すると共に、ステップST4で、電気泳動表示素子2に流れる電流値を電流検出器24で検出し、ステップST5で検出した電流値、印加電圧V、印加時間Tを記憶する。
そして、ステップST6で印加時間が最大印加時間Tを超えたか否かを判定し、超えない場合(N)は、印加時間に所定の時間(ΔT)を加え、更にその印加時間(T+ΔT)、印加電圧Vで電気泳動表示素子の駆動を続け、最大印加時間Tまで設定された印加電圧Vで電流値の測定を行う。印加時間が最大印加時間Tを超えた場合は、次のステップST8で印加電圧が最大印加電圧Vを超えたか否かを判定する。
超えない場合(N)は、印加電圧に所定の電圧(ΔV)を加えた後、ステップST2に戻り、その印加電圧(V+ΔV)で最低印加時間Tだけ電気泳動表示素子2を駆動し、その印加電圧(V+ΔV)での印加時間と輝度を測定する。
このような手順により、最大印加電圧Vになるまで電圧を加えて駆動する手順を繰り返し、最低印加電圧Vから最大印加電圧VまでをΔV間隔毎の輝度の変化と印加時間の関係を求めることができる。印加時間が最大印加電圧Vを超えた場合は、測定の終了であるので、次のステップST10で結果をプリントで表示させ、更にステップST11でこれに基づき最適印加電圧、最適印加時間を決定する。
【0036】
以上のように、本第4実施例に係る泳動時間測定方法によれば、上述した第1実施例に係る泳動時間測定方法と同様に、製造時のばらつき、経時劣化等があっても個々の電位泳動表示素子に対する適正印加時間を容易かつ確実に求めることができ、求めた適正印加時間で電気泳動表示素子を駆動すれば、コントラストの低下を招くことなく、電極反応や電気分解による劣化を可及的に防止できる。
【0037】
[第5実施例]
図11は、本発明の第5実施例の電気泳動表示装置の構成を示す概略図である。この電気泳動表示装置は、電気泳動表示素子2と、この電気泳動表示素子2を駆動する駆動電源3aと、駆動電源3aの電気泳動表示素子2に対する電圧印加時間を制御する電圧印加時間制御装置4aとを具備する。
このうち、電気泳動表示素子2については、既に説明したので、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0038】
本例の特徴である電圧印加時間制御装置4aは、駆動電源3aによる電気泳動表示素子2の印加時間を制御する機能を有する。電圧印加時間制御装置4aは、たとえば可変抵抗器を用いたパルス幅設定機構で構成することができるが、これに限られるものではない。本第5実施例においても上述した第2実施例の場合と同様に、駆動パルス幅は、予め設定しておく。
電圧印加時間制御装置4aによるパルス幅の設定方法は、第4実施例で説明した泳動時間測定方法によって求めることができる。
たとえば、図9の例では、飽和時間データ値は300msである。従って、パルス幅設定機構の駆動電圧の印加時間(パルス幅)を300msに設定する。
なお、この場合もたとえば電流値が飽和値の95%に達したときを基準にしてもよく、その他設定の基準は種々変更することができる。
【0039】
本第5実施例によれば、上述した第2実施例と同様に、電気泳動表示素子2の顔料が泳動を終了した時間に電圧の印加を停止することができるので、コントラストの低下を招くことなく、電極反応や電気分解による劣化を可及的に防止できる。
【0040】
[第6実施例]
図12は、本発明の第6実施例の電気泳動表示装置の構成を示す概略図である。この電気泳動表示装置は、電気泳動表示素子2と、この電気泳動表示素子2を駆動する駆動電源3aと、駆動電源3aの電源電圧を受けて電気泳動表示素子2に対して印加する所定幅の駆動パルス信号S5を生成するパルス制御回路5と、駆動電圧印加時に電気泳動表示素子2に流れる電流値を検出する電流計24aと、電流計24aによる計測電流値がたとえば略200μAになると、飽和状態に達したものとして、パルス制御回路5によるパルス出力を停止させる制御信号S25をパルス制御回路5に出力する電流飽和検出回路25aとを具備する。
そして、パルス制御回路5および電流飽和検出回路25aにより電圧印加制御手段を構成している。
【0041】
本第6実施例によれば、上述した第3実施例の場合と同様に、顔料が移動を終了した時間に電気泳動表示素子2の駆動を確実に停止することができ、電極反応や電気分解による電気泳動表示素子の劣化を確実に防止することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の泳動時間測定方法によれば、電気泳動表示装置に対する適正電圧と適正印加時間を容易に求めることができる。
【0043】
また、輝度検出に基づく場合には、表示面のある一部分だけをスポット的に計ったり、表示面全体を平均的に計る等、種々の態様が可能である。
また、電流検出に基づく場合には、アナログ値を直接的に計測することから、きめ細かな制御が可能である。
【0044】
本発明の電気泳動表示装置によれば、適正時間で電圧を印加するようにしたので、コントラストの低下を招くことなく、電極反応や電気分解による劣化を可及的に防止できる。
また、本発明の電気泳動表示装置は、適正時間を検出して電圧印加を停止するようにしたので、コントラストの低下を招くことなく、電極反応や電気分解による劣化を確実に防止できる。
【0045】
また、輝度検出に基づく場合には、たとえば輝度が変化しきったとき、すなわち、表示が変わりきったときの輝度を検出することにより、信頼性の高い適正電圧と適正印加時間を容易に求めることができる。
また、電流検出に基づく場合には、輝度計のような大がかりな装置が必要なく、回路構成が簡単で、いわゆるフィードバックループも構成し易い等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の泳動時間測定方法に用いる装置の概要を示す概略構成図である。
【図2】電気泳動表示装置の電圧印加時間に対する輝度の変化を示すグラフである。
【図3】予め設定する印加時間と印加電圧範囲を示すグラフである。
【図4】本発明の泳動時間測定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例の電気泳動表示装置の概略構成図である。
【図6】本発明の第3実施例の電気泳動表示装置の構成を示すブロック図である。
【図7】センサー出力判断手段の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の泳動時間測定方法に用いる装置の概要を示す概略構成図である。
【図9】電気泳動表示装置の電圧印加時間に対する電流の変化を示すグラフである。
【図10】本発明の他の泳動時間測定方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第5実施例の電気泳動表示装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第6実施例の電気泳動表示装置の構成を示すブロック図である。
【図13】電気泳動表示素子の構成を示す断面図である。
【図14】電気泳動表示素子の作動を説明する説明図である。
【符号の説明】
2 電気泳動表示素子
3,3a,3b 駆動電源
4,4a 電圧印加時間制御装置
5 パルス制御回路
10 ガラス基板
11 隔壁
12 電極
13 電気泳動分散液
13a 着色分散媒
13b 顔料
21 輝度計(センサー)
22,25 処理手段
24 電流検出器
24a 電流計
25a 電流飽和検出回路

Claims (2)

  1. 閉空間内に液相分散媒と顔料とを含む電気泳動表示用分散液が収容された電気泳動素子と前記顔料を泳動させるための一対の電極とを備えた電気泳動表示装置の駆動電圧及び駆動電圧の印加時間を設定する方法であって、
    前記一対の電極に異なる電圧を印加した時の電流が電圧の印加開始時から基準の電流に達するまでの時間を前記異なる電圧のそれぞれに対して測定し、前記基準の電流に達するまでの時間と電圧との関係を求め、前記駆動電圧及び前記駆動電圧の印加時間を設定すること、
    を特徴とする電気泳動表示装置の駆動電圧及び駆動電圧の印加時間を設定する方法。
  2. 閉空間内に液相分散媒と顔料とを含む電気泳動表示用分散液が収容された電気泳動表示素子と
    前記顔料を泳動させるための一対の電極と
    前記一対の電極に駆動電圧を印加し、前記電気泳動表示素子を駆動する駆動電源と、
    前記電気泳動表示素子に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段の出力が、基準の電流に達したときの該電流検出手段の出力値に達したときに、前記駆動電圧の印加を停止する電圧印加制御手段と
    を有する電気泳動表示装置。
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