JP3626989B2 - 燃料蒸発ガス制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の燃料タンク内の蒸発ガスをキャニスタに吸着させることにより該蒸発ガスが直接大気中に放出されないようにすると共に、燃料タンクの内圧が低くなったときには大気をキャニスタを介して燃料タンクに導入して燃料タンクの変形を防止した燃料蒸発ガス制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】
燃料タンク内の蒸発ガスが直接大気中に放出されないようにすると共に、キャニスタを介して大気を燃料タンクに導入できるようにするため、従来、図5に示すような燃料蒸発ガス制御システムが設けられている。即ち、燃料タンク1とキャニスタ2を配管で連結し、該配管に燃料蒸発ガス制御装置3を設置している。そして、燃料蒸発ガス制御装置3が、燃料タンク1の内圧の強弱を感知することによって開閉し、燃料蒸発ガスをキャニスタ2に送ったり、あるいは大気中の空気を燃料タンク1に導入するようになっている。
【0003】
上記、従来公知の燃料蒸発ガス制御装置によると、以下のような問題点があった。燃料蒸発ガス制御装置3の設定圧力を高く設定すると、フィラーキャップ4を開いて給油するときに、燃料蒸発ガスがフィラーキャップ4を介して噴出される場合がある。このため、燃料蒸発ガス制御装置3の設定圧力を低く設定することが好ましいが、その反面において設定圧力を低く設定すると、燃料が燃料蒸発ガス制御装置3を通過してそのままキャニスタ2へ送り込まれるおそれがあった。
【0004】
一方、米国特許第5,327,934号に示されている燃料蒸発ガス制御装置は、給油時に燃料蒸発ガスを燃料タンク内に封じ込めるものであるが、結果として燃料が直接キャニスタに送り込まれることのない構造となっているに過ぎないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記米国特許の燃料蒸発ガス制御装置によると、下述するような問題点があった。即ち、スプリングによって閉塞方向に付勢された逆止弁が設けられ、該逆止弁によって燃料が該燃料蒸発ガス制御装置を通過しないようにしているため、燃料が直接該逆止弁に作用した場合には逆止弁が開いてしまうおそれがあった。また、ダイヤフラムを2枚用いる、逆止弁が3個必要である等、構造が複雑であり、かつ部品点数が多いという難点もあった。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、前記従来公知の燃料蒸発ガス制御装置の欠点を改善し、給油時に燃料や燃料ミストがキャニスタに送り込まれることを確実に防止すると同時に、構造が簡単かつ部品点数が少ない燃料蒸発ガス制御装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、以下の構成にある。即ち、燃料タンクと、該燃料タンク内で発生した燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、前記燃料タンクとキャニスタとを連絡する通路に設けられた燃料蒸発ガス制御バルブとからなり、前記燃料タンク内の圧力が高くなったときには燃料蒸発ガスをキャニスタ側へ流通させ、燃料タンク内の圧力が低くなったときには大気を燃料タンク内へ導入させるようにした内燃機関用の燃料蒸発ガス制御装置において、前記燃料蒸発ガス制御バルブが、ケーシングと、ケーシング内を燃料タンク内圧室及びフィラーパイプ内圧室に区画するダイヤフラムと、前記フィラーパイプ内 圧室側で前記ダイヤフラムに保持された中空部を有するプランジャと、該プランジャを摺動自在に保持するシリンダー部と、前記燃料タンクと前記燃料タンク内圧室とを連通させる燃料タンク連通ポートと、フィラーパイプとフィラーパイプ内圧室とを連通させるフィラーパイプ連通ポートと、前記シリンダー部に開口され、前記キャニスタへ連通するキャニスタ連通ポートと、前記プランジャに設けられた貫通孔と、前記プランジャ内に設けられ前記燃料タンクの内圧が高くなったときに燃料タンク内圧室とプランジャの中空部とを連通させる第1の逆止弁体と、前記プランジャ内に設けられ前記燃料タンクの内圧が負圧となったときに前記プランジャの中空部と燃料タンク内圧室とを連通させる第2の逆止弁体と、前記貫通孔とキャニスタ連通ポートとを連通させる方向に前記プランジャを付勢する弾性体と、給油時に貫通孔を閉塞する部材と、からなり、給油時に前記プランジャを前記弾性体に抗して摺動させることにより貫通孔を閉塞し、前記中空部とキャニスタ連通ポートとの連通を阻止して燃料タンク内の燃料が直接キャニスタへ送り込まれることを防止したことを特徴とする燃料蒸発ガス制御装置。
【0008】
【実施例】
以下、図によって、本発明の一実施例を説明する。図1は、本発明の一実施例になる燃料蒸発ガス制御装置の構造を示す断面図である。図1を参照して、本発明の一実施例になる燃料蒸発ガス制御装置11は、合成樹脂製あるいは金属製の材料から構成されたケーシング12を有しており、該ケーシング12は第1のケーシング12Aと、該第1のケーシング12Aに嵌合された第2のケーシング12Bとからなっている。ダイヤフラム13は第1のケーシング12Aと第2のケーシング12Bによって挟持されており、該ダイヤフラム13によってケーシング12内が2室に区画されている。一方の室は、燃料タンクTと連通する燃料タンク内圧室14Aとなっており、他方の室はフィラーパイプFと連通するフィラーパイプ内圧室14Bとなっている。ダイヤフラム13にはプランジャ15が保持されており、該プランジャ15の内部には中空部15Aが設けられている。第1のケーシング12Aにはプランジャ15を摺動自在に保持するシリンダー部16と、フィラーパイプFとフィラーパイプ内圧室14Bとを連通させるフィラーパイプ連通ポート17と、キャニスタCに連通するキャニスタ連通ポート18が設けられている。また、第2のケーシング12Bには燃料タンクTと燃料タンク内圧室14Aとを連通させる燃料タンク連通ポート19が設けられている。プランジャ15には貫通孔20が形成されており、該プランジャ15を付勢する弾性体21によって貫通孔20はキャニスタ連通ポート18と合致する位置に規制されている。
【0009】
プランジャ15には第1の逆止弁体22と第2の逆止弁体23とが設けられている。第1の逆止弁体22はプランジャ15の中空部15A内を摺動自在に設けられており、弾性体24によって弁座25に押圧されている。第1の逆止弁体22はシリンダー状となっており、その周面には内外を連通させる連通孔22Aが設けられている。第2の逆止弁体23は第1の逆止弁体22の中心部分に設けられており、この実施例では第2の逆止弁体23は傘型弁となっている。第2の傘型弁23は第1の逆止弁22に設けられている弁口22Bを開閉する。
【0010】
プランジャ15には第2のケーシング12B方向に向けて伸び出すストッパー26が設けられている。ダイヤフラム13の内周縁はプランジャ15とダイヤフラム押さえ13Cとによって挟持されており、該ダイヤフラム押さえ13Cはストッパー26に嵌合されている。ストッパー26にはスリット26Aが形成されている。尚、ストッパーは第2のケーシング12Bに突出形成させる構造とすることもできる。プランジャ15の外周には縦長のリブからなる案内部25Aが形成され、該案内部25Aはシリンダー部16の内周に形成された案内部25Bと嵌合することにより、プランジャ15の回転を防止すると同時に、プランジャ15のシリンダー部16内での摺動を可能としている。
【0011】
ダイヤフラム13には円周状の弁部13Aが設けられており、第1のケーシング12Aにはシリンダー状に垂下する弁座27が設けられている。プランジャ15が摺動することによって前記弁座27は弁部13Aに着座し、フィラーパイプ内圧室14Bとシリンダー部16との間をシールしている(図2を参照)。
【0012】
以下に、上記のように構成された燃料ガス制御装置の作用を説明する。図1を参照して、給油時以外のときに、燃料タンクTの燃料蒸発ガスの圧力が高くなると、燃料蒸発ガスは燃料タンク連通ポート19から燃料タンク内圧室14A、第1の逆止弁22、連通孔22A、中空部15A、貫通孔20、キャニスタ連通ポート18を介してキャニスタCへ送り込まれる。
【0013】
一方、給油時以外のときに、燃料タンクTの燃料蒸発ガスの圧力が低下すると、キャニスタCからの大気が上記とは逆に、キャニスタ連通ポート18、貫通孔20、中空部15A、弁口22B、第2の逆止弁23、燃料タンク内圧室14A、燃料タンク連通ポート19を介して燃料タンクTに導入される。給油時以外(フィラーキャップが閉)のときは、フィラーパイプ内圧室14Bの圧力と燃料タンク内圧室14Aの圧力は略同一であるから、プランジャ15は摺動しない。
【0014】
次に、図2を参照して給油時について説明する。給油時には、フィラーパイプFを開放して燃料を燃料タンクT内へ送り込む。この状態では燃料が燃料タンクT内へ送り込まれているので、フィラーパイプ内圧よりも燃料タンク内圧の方が高くなっている。このため、燃料タンク内圧室14Aの圧力がフィラーパイプ内圧室14Bの圧力より高くなってプランジャ15を弾性体21に抗して摺動させる。その結果、貫通孔20とキャニスタ連通ポート18との連通が解除され、燃料タンクTの内部とキャニスタCとが完全に遮断される。
【0015】
図3は、本発明の他の実施例を示す断面図であり、この実施例では、プランジャ15に設けられた貫通孔20Aがプランジャ15の端面15Bに設けられ、プランジャ15のストロークによってシリンダー部16の端面に設けられた閉塞部材31によって該貫通孔20が閉塞されるようになっている。また、ダイヤフラム13に設けられている弁部13Bの形状を鍔状として弾性変形可能とし、弁座27が当接したときの閉塞性能を向上させる構造としている。
【0016】
図4は、本発明の他の実施例を示す断面図であり、この実施例では、図1の実施例において、第1の逆止弁体22及び第2の逆止弁体23をなくした構造となっており、この遮断装置を前記燃料タンクTとキャニスタCとを連絡する通路に設けたものである。この実施例では、燃料タンクT内の燃料蒸発ガスをキャニスタCへ送り込むと同時に、大気を燃料タンクT内へ導入させるための2ウエイバルブVを前記燃料タンクTとキャニスタCとを連絡する通路に別置きするものとなっており、給油時にプランジャ15を弾性体21に抗して摺動させることにより貫通孔20を閉塞し、中空部15Aとキャニスタ連通ポート18との連通を阻止して燃料タンクT内の燃料が直接キャニスタCへ送り込まれることを防止する作用については、前述の図1及び図2の実施例と同様であるから、ここでは符号だけを付してその説明は省略する。
【0017】
【発明の効果】
以下に、本発明による効果を述べる。給油時に、燃料タンク内部とキャニスタとを確実に遮断するので、燃料や燃料ミストがキャニスタに導入されることがなく、キャニスタが燃料によって汚染されることがなくなって耐久性が向上する。構造が簡単であり、部品点数が少なく、小型軽量である。案内部が設けられた構造によると、プランジャが回転しないので、貫通孔とキャニスタ連通ポートとの連通が確実となる。また、ストッパーを設けた構造によると、プランジャが位置決めされるので、貫通孔とキャニスタ連通ポートとの連通が一層確実となる。第1の逆止弁体に第2の逆止弁体を設ける構造によると、全体構造が小型化し、軽量となる。ダイヤフラムに設けられた弁部を鍔状としたものでは、フィラーパイプ内圧室とシリンダー部とのシールが一層確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す燃料蒸発ガス制御装置を示す断面図である。
【図2】本発明の作用を説明するための断面図図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施例を示す断面図である。
【図5】従来公知の燃料蒸発ガス制御装置の一例を示す系統図である。
【符号の説明】
11 燃料蒸発ガス制御装置
12 ケーシング
12A 第1のケーシング
12B 第2のケーシング
13 ダイヤフラム
13A 弁部
13B
13C ダイヤフラム押さえ
14A 燃料タンク内圧室
14B フィラーパイプ内圧室
15 プランジャ
15A 中空室
16 シリンダー部
17 フィラーパイプ連通ポート
18 キャニスタ連通ポート
19 燃料タンク連通ポート
20 貫通孔
21 弾性体
22 第1の逆止弁体
22A 連通孔
22B 弁口
23 第2の逆止弁体
24 弾性体
25 弁座
26 ストッパー
26A スリット
27 弁座
31 閉塞部材
T 燃料タンク
C キャニスタ
F フィラーキャップ
V 2ウエイバルブ
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の燃料タンク内の蒸発ガスをキャニスタに吸着させることにより該蒸発ガスが直接大気中に放出されないようにすると共に、燃料タンクの内圧が低くなったときには大気をキャニスタを介して燃料タンクに導入して燃料タンクの変形を防止した燃料蒸発ガス制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】
燃料タンク内の蒸発ガスが直接大気中に放出されないようにすると共に、キャニスタを介して大気を燃料タンクに導入できるようにするため、従来、図5に示すような燃料蒸発ガス制御システムが設けられている。即ち、燃料タンク1とキャニスタ2を配管で連結し、該配管に燃料蒸発ガス制御装置3を設置している。そして、燃料蒸発ガス制御装置3が、燃料タンク1の内圧の強弱を感知することによって開閉し、燃料蒸発ガスをキャニスタ2に送ったり、あるいは大気中の空気を燃料タンク1に導入するようになっている。
【0003】
上記、従来公知の燃料蒸発ガス制御装置によると、以下のような問題点があった。燃料蒸発ガス制御装置3の設定圧力を高く設定すると、フィラーキャップ4を開いて給油するときに、燃料蒸発ガスがフィラーキャップ4を介して噴出される場合がある。このため、燃料蒸発ガス制御装置3の設定圧力を低く設定することが好ましいが、その反面において設定圧力を低く設定すると、燃料が燃料蒸発ガス制御装置3を通過してそのままキャニスタ2へ送り込まれるおそれがあった。
【0004】
一方、米国特許第5,327,934号に示されている燃料蒸発ガス制御装置は、給油時に燃料蒸発ガスを燃料タンク内に封じ込めるものであるが、結果として燃料が直接キャニスタに送り込まれることのない構造となっているに過ぎないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記米国特許の燃料蒸発ガス制御装置によると、下述するような問題点があった。即ち、スプリングによって閉塞方向に付勢された逆止弁が設けられ、該逆止弁によって燃料が該燃料蒸発ガス制御装置を通過しないようにしているため、燃料が直接該逆止弁に作用した場合には逆止弁が開いてしまうおそれがあった。また、ダイヤフラムを2枚用いる、逆止弁が3個必要である等、構造が複雑であり、かつ部品点数が多いという難点もあった。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、前記従来公知の燃料蒸発ガス制御装置の欠点を改善し、給油時に燃料や燃料ミストがキャニスタに送り込まれることを確実に防止すると同時に、構造が簡単かつ部品点数が少ない燃料蒸発ガス制御装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、以下の構成にある。即ち、燃料タンクと、該燃料タンク内で発生した燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、前記燃料タンクとキャニスタとを連絡する通路に設けられた燃料蒸発ガス制御バルブとからなり、前記燃料タンク内の圧力が高くなったときには燃料蒸発ガスをキャニスタ側へ流通させ、燃料タンク内の圧力が低くなったときには大気を燃料タンク内へ導入させるようにした内燃機関用の燃料蒸発ガス制御装置において、前記燃料蒸発ガス制御バルブが、ケーシングと、ケーシング内を燃料タンク内圧室及びフィラーパイプ内圧室に区画するダイヤフラムと、前記フィラーパイプ内 圧室側で前記ダイヤフラムに保持された中空部を有するプランジャと、該プランジャを摺動自在に保持するシリンダー部と、前記燃料タンクと前記燃料タンク内圧室とを連通させる燃料タンク連通ポートと、フィラーパイプとフィラーパイプ内圧室とを連通させるフィラーパイプ連通ポートと、前記シリンダー部に開口され、前記キャニスタへ連通するキャニスタ連通ポートと、前記プランジャに設けられた貫通孔と、前記プランジャ内に設けられ前記燃料タンクの内圧が高くなったときに燃料タンク内圧室とプランジャの中空部とを連通させる第1の逆止弁体と、前記プランジャ内に設けられ前記燃料タンクの内圧が負圧となったときに前記プランジャの中空部と燃料タンク内圧室とを連通させる第2の逆止弁体と、前記貫通孔とキャニスタ連通ポートとを連通させる方向に前記プランジャを付勢する弾性体と、給油時に貫通孔を閉塞する部材と、からなり、給油時に前記プランジャを前記弾性体に抗して摺動させることにより貫通孔を閉塞し、前記中空部とキャニスタ連通ポートとの連通を阻止して燃料タンク内の燃料が直接キャニスタへ送り込まれることを防止したことを特徴とする燃料蒸発ガス制御装置。
【0008】
【実施例】
以下、図によって、本発明の一実施例を説明する。図1は、本発明の一実施例になる燃料蒸発ガス制御装置の構造を示す断面図である。図1を参照して、本発明の一実施例になる燃料蒸発ガス制御装置11は、合成樹脂製あるいは金属製の材料から構成されたケーシング12を有しており、該ケーシング12は第1のケーシング12Aと、該第1のケーシング12Aに嵌合された第2のケーシング12Bとからなっている。ダイヤフラム13は第1のケーシング12Aと第2のケーシング12Bによって挟持されており、該ダイヤフラム13によってケーシング12内が2室に区画されている。一方の室は、燃料タンクTと連通する燃料タンク内圧室14Aとなっており、他方の室はフィラーパイプFと連通するフィラーパイプ内圧室14Bとなっている。ダイヤフラム13にはプランジャ15が保持されており、該プランジャ15の内部には中空部15Aが設けられている。第1のケーシング12Aにはプランジャ15を摺動自在に保持するシリンダー部16と、フィラーパイプFとフィラーパイプ内圧室14Bとを連通させるフィラーパイプ連通ポート17と、キャニスタCに連通するキャニスタ連通ポート18が設けられている。また、第2のケーシング12Bには燃料タンクTと燃料タンク内圧室14Aとを連通させる燃料タンク連通ポート19が設けられている。プランジャ15には貫通孔20が形成されており、該プランジャ15を付勢する弾性体21によって貫通孔20はキャニスタ連通ポート18と合致する位置に規制されている。
【0009】
プランジャ15には第1の逆止弁体22と第2の逆止弁体23とが設けられている。第1の逆止弁体22はプランジャ15の中空部15A内を摺動自在に設けられており、弾性体24によって弁座25に押圧されている。第1の逆止弁体22はシリンダー状となっており、その周面には内外を連通させる連通孔22Aが設けられている。第2の逆止弁体23は第1の逆止弁体22の中心部分に設けられており、この実施例では第2の逆止弁体23は傘型弁となっている。第2の傘型弁23は第1の逆止弁22に設けられている弁口22Bを開閉する。
【0010】
プランジャ15には第2のケーシング12B方向に向けて伸び出すストッパー26が設けられている。ダイヤフラム13の内周縁はプランジャ15とダイヤフラム押さえ13Cとによって挟持されており、該ダイヤフラム押さえ13Cはストッパー26に嵌合されている。ストッパー26にはスリット26Aが形成されている。尚、ストッパーは第2のケーシング12Bに突出形成させる構造とすることもできる。プランジャ15の外周には縦長のリブからなる案内部25Aが形成され、該案内部25Aはシリンダー部16の内周に形成された案内部25Bと嵌合することにより、プランジャ15の回転を防止すると同時に、プランジャ15のシリンダー部16内での摺動を可能としている。
【0011】
ダイヤフラム13には円周状の弁部13Aが設けられており、第1のケーシング12Aにはシリンダー状に垂下する弁座27が設けられている。プランジャ15が摺動することによって前記弁座27は弁部13Aに着座し、フィラーパイプ内圧室14Bとシリンダー部16との間をシールしている(図2を参照)。
【0012】
以下に、上記のように構成された燃料ガス制御装置の作用を説明する。図1を参照して、給油時以外のときに、燃料タンクTの燃料蒸発ガスの圧力が高くなると、燃料蒸発ガスは燃料タンク連通ポート19から燃料タンク内圧室14A、第1の逆止弁22、連通孔22A、中空部15A、貫通孔20、キャニスタ連通ポート18を介してキャニスタCへ送り込まれる。
【0013】
一方、給油時以外のときに、燃料タンクTの燃料蒸発ガスの圧力が低下すると、キャニスタCからの大気が上記とは逆に、キャニスタ連通ポート18、貫通孔20、中空部15A、弁口22B、第2の逆止弁23、燃料タンク内圧室14A、燃料タンク連通ポート19を介して燃料タンクTに導入される。給油時以外(フィラーキャップが閉)のときは、フィラーパイプ内圧室14Bの圧力と燃料タンク内圧室14Aの圧力は略同一であるから、プランジャ15は摺動しない。
【0014】
次に、図2を参照して給油時について説明する。給油時には、フィラーパイプFを開放して燃料を燃料タンクT内へ送り込む。この状態では燃料が燃料タンクT内へ送り込まれているので、フィラーパイプ内圧よりも燃料タンク内圧の方が高くなっている。このため、燃料タンク内圧室14Aの圧力がフィラーパイプ内圧室14Bの圧力より高くなってプランジャ15を弾性体21に抗して摺動させる。その結果、貫通孔20とキャニスタ連通ポート18との連通が解除され、燃料タンクTの内部とキャニスタCとが完全に遮断される。
【0015】
図3は、本発明の他の実施例を示す断面図であり、この実施例では、プランジャ15に設けられた貫通孔20Aがプランジャ15の端面15Bに設けられ、プランジャ15のストロークによってシリンダー部16の端面に設けられた閉塞部材31によって該貫通孔20が閉塞されるようになっている。また、ダイヤフラム13に設けられている弁部13Bの形状を鍔状として弾性変形可能とし、弁座27が当接したときの閉塞性能を向上させる構造としている。
【0016】
図4は、本発明の他の実施例を示す断面図であり、この実施例では、図1の実施例において、第1の逆止弁体22及び第2の逆止弁体23をなくした構造となっており、この遮断装置を前記燃料タンクTとキャニスタCとを連絡する通路に設けたものである。この実施例では、燃料タンクT内の燃料蒸発ガスをキャニスタCへ送り込むと同時に、大気を燃料タンクT内へ導入させるための2ウエイバルブVを前記燃料タンクTとキャニスタCとを連絡する通路に別置きするものとなっており、給油時にプランジャ15を弾性体21に抗して摺動させることにより貫通孔20を閉塞し、中空部15Aとキャニスタ連通ポート18との連通を阻止して燃料タンクT内の燃料が直接キャニスタCへ送り込まれることを防止する作用については、前述の図1及び図2の実施例と同様であるから、ここでは符号だけを付してその説明は省略する。
【0017】
【発明の効果】
以下に、本発明による効果を述べる。給油時に、燃料タンク内部とキャニスタとを確実に遮断するので、燃料や燃料ミストがキャニスタに導入されることがなく、キャニスタが燃料によって汚染されることがなくなって耐久性が向上する。構造が簡単であり、部品点数が少なく、小型軽量である。案内部が設けられた構造によると、プランジャが回転しないので、貫通孔とキャニスタ連通ポートとの連通が確実となる。また、ストッパーを設けた構造によると、プランジャが位置決めされるので、貫通孔とキャニスタ連通ポートとの連通が一層確実となる。第1の逆止弁体に第2の逆止弁体を設ける構造によると、全体構造が小型化し、軽量となる。ダイヤフラムに設けられた弁部を鍔状としたものでは、フィラーパイプ内圧室とシリンダー部とのシールが一層確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す燃料蒸発ガス制御装置を示す断面図である。
【図2】本発明の作用を説明するための断面図図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施例を示す断面図である。
【図5】従来公知の燃料蒸発ガス制御装置の一例を示す系統図である。
【符号の説明】
11 燃料蒸発ガス制御装置
12 ケーシング
12A 第1のケーシング
12B 第2のケーシング
13 ダイヤフラム
13A 弁部
13B
13C ダイヤフラム押さえ
14A 燃料タンク内圧室
14B フィラーパイプ内圧室
15 プランジャ
15A 中空室
16 シリンダー部
17 フィラーパイプ連通ポート
18 キャニスタ連通ポート
19 燃料タンク連通ポート
20 貫通孔
21 弾性体
22 第1の逆止弁体
22A 連通孔
22B 弁口
23 第2の逆止弁体
24 弾性体
25 弁座
26 ストッパー
26A スリット
27 弁座
31 閉塞部材
T 燃料タンク
C キャニスタ
F フィラーキャップ
V 2ウエイバルブ
Claims (9)
- 燃料タンクと、該燃料タンク内で発生した燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、前記燃料タンクとキャニスタとを連絡する通路に設けられた燃料蒸発ガス制御バルブとからなり、前記燃料タンク内の圧力が高くなったときには燃料蒸発ガスをキャニスタ側へ流通させ、燃料タンク内の圧力が低くなったときには大気を燃料タンク内へ導入させるようにした内燃機関用の燃料蒸発ガス制御装置において、前記燃料蒸発ガス制御バルブが、ケーシングと、ケーシング内を燃料タンク内圧室及びフィラーパイプ内圧室に区画するダイヤフラムと、前記フィラーパイプ内圧室側で前記ダイヤフラムに保持された中空部を有するプランジャと、該プランジャを摺動自在に保持するシリンダー部と、前記燃料タンクと前記燃料タンク内圧室とを連通させる燃料タンク連通ポートと、フィラーパイプとフィラーパイプ内圧室とを連通させるフィラーパイプ連通ポートと、前記シリンダー部に開口され、前記キャニスタへ連通するキャニスタ連通ポートと、前記プランジャに設けられた貫通孔と、前記プランジャ内に設けられ前記燃料タンクの内圧が高くなったときに燃料タンク内圧室とプランジャの中空部とを連通させる第1の逆止弁体と、前記プランジャ内に設けられ前記燃料タンクの内圧が負圧となったときに前記プランジャの中空部と燃料タンク内圧室とを連通させる第2の逆止弁体と、前記貫通孔とキャニスタ連通ポートとを連通させる方向に前記プランジャを付勢する弾性体と、給油時に貫通孔を閉塞する部材と、からなり、給油時に前記プランジャを前記弾性体に抗して摺動させることにより貫通孔を閉塞し、前記中空部とキャニスタ連通ポートとの連通を阻止して燃料タンク内の燃料が直接キャニスタへ送り込まれることを防止したことを特徴とする燃料蒸発ガス制御装置。
- 前記貫通孔が前記プランジャの周面に設けられてなり、前記貫通孔の前記閉塞する部材が前記プランジャが摺動することによって前記貫通孔と前記キャニスタ連通ポートとの合致が解除される構造となっていることを特徴とする請求項1記載の燃料蒸発ガス制御装置。
- 前記貫通孔が前記プランジャの端面に設けられてなり、前記貫通孔の前記閉塞する部材が前記プランジャが摺動することによって前記ケーシング内部に設けられた閉塞部材が前記貫通孔を閉塞する構造となっていることを特徴とする請求項1記載の燃料蒸発ガス制御装置。
- 前記第2の逆止弁体が前記第1の逆止弁体に設けられてなることを特徴とする請求項1ないし3記載の燃料蒸発ガス制御装置。
- 前記第2の逆止弁体が傘型弁であることを特徴とする請求項1ないし4記載の燃料蒸発ガス制御装置。
- 前記プランジャの外周及び前記シリンダー部の内周に前記プランジャの回転を防止する案内部が形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の燃料蒸発ガス制御装置。
- 前記貫通孔と前記キャニスタ連通ポートとの連通を保持し前記プランジャを位置決めするためのストッパーが設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項6記載の燃料蒸発ガス制御装置。
- 前記ダイヤフラムに円周状の弁部を設け、前記ケーシングにシリンダー状の弁座を設け、前記プランジャが摺動することによって前記ケーシングに設けた弁座に前記ダイヤフラムの弁部が着座して前記フィラーパイプ内圧室と前記シリンダー部とをシールしてなることを特徴とする請求項1ないし請求項7記載の燃料蒸発ガス制御装置。
- 前記弁部が鍔状となっていることを特徴とする請求項8記載の燃料蒸発ガス制御装置。
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