JP3626749B2 - 電動レンチ - Google Patents

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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動レンチの構造の改良に関し、より具体的には、内歯歯車による回転伝達方式を採用することにより、可逆モータの出力軸に取り付けた駆動歯車と伝動ブロック上の内歯歯車との歯車結合を緊密にし、回転時の遠心力の作用を利用し制動ハンマブロックを介して伝動ブロックの回転を伝動軸に伝達することにより、従来の電動レンチに比べて確実かつ円滑なトルクの伝達を可能とした電動レンチの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業経済の発達はめまぐるしく、社会形態の変化の速さも世界的趨勢にある今日において、「時は金なり」という考え方は人々の心に深く浸透している。このような情況下において、交通手段としての各種乗り物のための工具類についても、現今の社会においては、その使い易さや効率の向上による経済的効果が求められている。個人の自動車においても同様であり、自動車とその工具である電動レンチとは一体不可分の関係にある。
【0003】
現在市販されている電動レンチの主な使用目的は、自動車のタイヤや各種固定部品の着脱、交換のため、そのボルトやナットを締めたり緩めたりすることにあり、これに用いられる電動レンチの外形と機能はいずれも大同小異であるが、内部構造はそれぞれ異なっている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1[日本の登録実用新案第3052719号公報(実願平9−3639)]に記載の電動スパナの構成の概要は、モータを動力源とし、遠心力の原理を利用して作動する装置であり、自動車のタイヤのボルト等の固定や交換の目的に使用されるものである。然しながら、その構成部品の数が多く、部品の形状も複雑で、製造、組立てが容易でなく、そのため組立て等に要する時間やコストが増加し、経済効率が悪く、故障の発生率も高いという問題がある。
【0005】
また、下記の特許文献2[日本の登録実用新案第3049316号公報(実願平9−7030)]に記載の電動スパナは、上記特許文献1の電動スパナにおける部品数の多さや、組立て、製造の困難さを解消するために提案されたものであり、特許文献1の電動スパナにおいて採用されたクラッチ・シューや制動ハンマーの形状に改良を加え、より簡単な構造にしているが、それでもなお、部品の形状は複雑で数も多く、組立て、製造にコストがかかり、経済効率的に必ずしも満足できるものではなかった。
【0006】
更にまた、下記の特許文献3[日本の登録実用新案第3071049号公報(実願2000−750)]に記載の電動スパナは、上記2つの実用新案における部品の多さや構造の複雑さを改善し、組立てや製造コストの低減を図ることを目的としたもので、構造の簡易化と故障率の低減の点で改善が見られる。然しながら、この特許文献3の電動スパナにおいても、動力伝達には外歯歯車による伝動方式が採用されており、モータの稼働中における伝動が必ずしも確実には行われない。また、フライホイールのチャンネル内に設けられるクラッチプレートが、一対のスプリングによって作動するようになっているため、これらのスプリングの弾性係数は、製造当初は互いに同一であったものが、電動スパナを長期間使用したり、或いは頻繁に使用すると、これら一対のスプリングに弾性疲労が生じ、両者の弾性力に差異が生じてくる。そのため、電動スパナの動作が不安定となり、寿命も短くなって、確実かつ円滑な作動が行われなくなるという問題がある。従って、伝動の確実性及び円滑性を達成し得る経済的効率に優れた電動レンチの開発が急務となっている。
【0007】
【特許文献1】
登録実用新案第3052719号公報(実願平9−3639)
【0008】
【特許文献2】
登録実用新案第3049316号公報(実願平9−7030)
【0009】
【特許文献3】
登録実用新案第3071049号公報(実願2000−750)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き従来品のさまざまな欠点に鑑み、本発明はそれらの欠点を解決し得る改良を加えた電動レンチを提供することを目的とする。
即ち、本発明の目的とするところは、構造が大幅に簡素化され、内歯歯車による動力伝達方式を採用すると共に、スプリングの弾性疲労にも対応でき、確実かつ円滑な動力伝達を行い得る電動レンチを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく、長年にわたるこの分野の実務と経験に基づき研究、改良の努力を重ねた結果、上記の如き従来の電動レンチの問題点を改善し得る電動レンチに関する新たな発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る電動レンチは:
伝動ブロックと、制動ハンマブロックと、接離プレートと、伸縮コイルスプリングと、固定マウントと、可逆モータと、伝動軸とを備え;
上記伝動ブロックは、中央部にチャンネルが形成された一体成型構造を有し、当該チャンネルより手前側にはディスクが設けられ、ディスクの周壁の内面には内歯歯車が形成され、ディスクの中心部分には円筒状軸受が一体的に形成され、上記チャンネルは、伝動ブロックの軸方向に沿った略中央部にその頂部から略中心軸の位置まで切り開かれて形成され、当該チャンネルに臨む両壁面の適宜の箇所には、互いに対応する位置にピン孔及びスロットが明けられ、チャンネルの底面の中心軸を挟む左右両側には、複数の係止孔を有するスプリング調整止め部がそれぞれ設けられ、伝動ブロックの前記円筒状軸受が設けられた側とは反対側の端部には軸支スリーブが設けられ、当該軸支スリーブと前記円筒状軸受とは共通の軸道によって連通せしめられ;
上記制動ハンマブロックは、その両肩部から円弧状に延びる両アームの先端部において互いに軸方向にずれた位置にそれぞれハンマ端を有すると共に、両肩部間の中央部にはピン通し孔が明けられ;
上記接離プレートは、上記制動ハンマブロックの外側に設けられ、当該接離プレートには前後方向に延びる係止片が形成され、当該係止片が前記伝動ブロックのチャンネルに臨む両壁面に明けた矩形のスロット内に挿入されることによって、接離プレートの可動範囲が規定され、更に当該接離プレートは左右に円弧状に湾曲して延びるウィングを有し、接離プレートの頂部中央には2つの突起部が設けられ、これらの両突起部の間にスプリング保持部が形成され;
上記伸縮コイルスプリングは、その両端のフックが、前記伝動ブロックのチャンネルの底面の両側に設けた上記スプリング調整止め部の係止孔にそれぞれ取り付けられ、当該伸縮コイルスプリングの略中央部は、上記接離プレートの突起部間のスプリング保持部に保持され;
上記固定マウントには、その片側にモータホルダが設けられると共に、前記伝動ブロックに臨む面には、伝動ブロックの前記円筒状軸受内に嵌合せしめられる円筒状軸体が形成され、;
上記可逆モータは、前記固定マウントのモータホルダ内に取り付けられ、その回転出力軸の先端には駆動歯車が取り付けられ、当該駆動歯車)は、前記伝動ブロックのディスクの内歯歯車と噛合せしめられ;
上記伝動軸は、適宜の径を有する長めの円柱体から成り、その手前側端部には小径の円形軸が形成され、当該円形軸には止め溝が形成されると共に、反対側の端部は、各種レンチヘッドが交換可能なように取り付けられる矩形軸として形成され、当該伝動軸の胴部が前記チャンネル内に露出する領域上において前記制動ハンマブロックの両ハンマ端に対応する箇所には、互いに軸方向にずれた位置に2個の受力凹部が形成され、当該伝動軸は伝動ブロックの軸道内に挿通されると共に、手前側端部の円形軸はその止め溝が前記固定マウントを貫通した箇所で一定位置に保持され;
これらの構造により、可逆モータの回転出力軸に取り付けられた駆動歯車と伝動ブロックのディスクの内歯歯車との噛合によって、上記伝動ブロックの回転が円滑かつ確実になされると共に、制動ハンマブロックの両ハンマ端が伝動軸の受力凹部に的確に打ち付けられ嵌合して伝動軸を回転せしめるように構成されたことを特徴とする。
【0012】
この場合において、上記伸縮コイルスプリングの両端のフックは、伝動ブロックの上記スプリング調整止め部の係止孔に取り付けられ、上記接離プレートの中央部に設けた2つの突起部間のスプリング保持部に脱落不能なように保持され、伸縮コイルスプリングの両端のフックの上記スプリング調整止め部の係止孔に対する取付け位置を変更することにより、伸縮コイルスプリングの張力を調整し、これにより、弾性疲労による伸縮コイルスプリングの緩みを補償することによって、接離プレートの制動ハンマブロックに対する位置関係を一定に保ち、制動ハンマブロックのハンマ端が伝動軸に及ぼす力を一定に保持するよう構成することが推奨される。
【0013】
なお、本明細書中において、「手前側」、「先端側」、「左右」等々の位置関係を表す用語は、電動レンチの使用者が、電動レンチを手に持って使用するとき、当該使用者から見た位置関係を表すものである。
【0014】
上記の構成を、より具体的に説明すれば、本発明に係る電動レンチは、中央部にチャンネルが空けられた伝動ブロックの当該チャンネルに臨む両壁面の対応位置に明けられたピン孔に、制動ハンマブロックのピン通し孔に挿通した軸支ピンの両端をそれぞれ嵌め込むことにより、伝動ブロックのチャンネル内で制動ハンマブロックが回動可能なように取り付けられる。
制動ハンマブロックの外側には、接離プレートを設け、当該接離プレートの前後両方向に延びる係止片を、伝動ブロックのチャンネルに臨む両壁面の対応位置に明けられた矩形のスロットに嵌め込む。接離プレートの中央部には、2つの突起部が形成され、それらの間に伸縮コイルスプリングの中間部分が挟持された状態で保持されると共に、伸縮コイルスプリングの両端のフックは、伝動ブロックのチャンネルの底面に設けたスプリング調整止め部の係止孔に取り付けられるようになっている。
可逆モータは固定マウント上に取り付けられ、可逆モータの回転出力軸の先端には駆動歯車が取り付けられる。固定マウントの電動レンチ中心軸に対応する位置には、円筒状軸体が形成されると共に、当該円筒状軸体が設けられた側と反対側の壁面には凹部が形成され、この凹部内に軸方向断面形状が略T字形の銅製の軸受が嵌め込まれる。固定マウントの片側に形成したモータホルダに取り付けた可逆モータの出力軸の先端に取り付けた前記駆動歯車は、伝動ブロックのディスクの周壁の内面に形成された内歯歯車と噛み合わせられ、伝動ブロックへの動力伝達がなされるようになっている。
伝動軸の手前側の端部は、小径の円形軸として形成され、伝動ブロックの軸道等を通過し、固定マウントの円筒状軸体を貫通した後、その軸端にCリングが嵌め付けられて、伝動ブロック上で軸方向に一定位置に保持されるようになっている。伝動軸の胴部の外周面には受力凹部が形成され、制動ハンマブロックの円弧状に延びるアーム先端のハンマ端がこの受力凹部と対応する位置に設けられ、受力凹部へ向けて打ち付けられるようになっている。
可逆モータの動力を受けて伝動ブロックが高速で回転し、一定の回転速度に達すると、伝動ブロックのチャンネル内に軸支ピンによって回動可能に保持された制動ハンマブロックが遠心力の作用を受けて、軸支ピンを中心に伝動ブロックの回転方向に応じて片方へ回動することにより、そのハンマ端が伝動軸の前記受力凹部内に打ち付けられて嵌合し、これにより、伝動軸が伝動ブロックと略同じ速度で回転せしめられる。従って、伝動軸の先端にレンチヘッドを取り付けておくことにより、ボルトやナットを締めたり緩めたりしてタイヤや固定部品等の着脱、交換を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の構成について理解を容易ならしめるため、以下、図面を参照しつゝ具体的に説明する。
図1は、本発明に係る電動レンチの一実施例の分解斜視図、
図2は、本発明に係る電動レンチの組み立てられた状態における軸方向に沿った断面図、
図3は、本発明に係る電動レンチの伝動ブロック上における制動ハンマブロックの取付け状態を示す軸直角断面図、
図4は、伝動ブロックが時計方向に高速回転する場合の制動ハンマブロックの作動を示す軸直角断面図、
図5は、伝動ブロックが反時計方向に高速回転する場合の制動ハンマブロックの作動を示す軸直角断面図、
図6は、本発明に係る電動レンチにハウジングが取り付けられた状態を示す外観斜視図である。
【0016】
図1に示すように、本発明に係る電動レンチは、可逆モータ1と、固定マウント2と、伝動ブロック3と、接離プレート4と、制動ハンマブロック5と、伝動軸6と、伸縮コイルスプリング7と、軸支ピン8とを主要な構成要素としている。
【0017】
そのうち、固定マウント2は、モータホルダ21を有し、このモータホルダ21には、ネジ孔210にネジ24を挿通し、可逆モータ1にねじ込むことによって、可逆モータ1が取り付けられるようになっている。固定マウントの下部には、軸孔221を有する円筒状軸体22が設けられ、この円筒状軸体22の反対側の壁面には凹部222が形成され、この凹部内に銅製の軸受23が嵌め込まれるようになっている。
【0018】
可逆モータ1の回転出力軸11には、駆動歯車12が取り付けられ、可逆モータ1をモータホルダ21に取り付けると、上記駆動歯車12がモータホルダ21に明けた軸孔211から伝動ブロック3の側へ伸び出るようになっている。
【0019】
伝動ブロック3は、全体が一体的に成型されて成り、伝動ブロック3の手前側にはディスク31が設けられ、ディスク31の円周壁の内面には内歯歯車32が形成されると共に、ディスク31の中心部には円筒状軸受33が一体成型により形成されている。円筒状軸受33の底壁331には底孔332が明けられている。
【0020】
伝動ブロック3の軸方向に沿った中央部分は、その頂部から略中心軸の位置まで切り開かれてチャンネル34が形成され、当該チャンネル34に臨んで対向する両壁面には、互いに対応する位置にピン孔351,352と、矩形のスロット361,362が明けられている。また、チャンネル34の底面37の左右両側には、複数の係止孔を有するスプリング調整止め部371,372が設けられている。
【0021】伝動ブロック3の前記円筒状軸受33が形成された側とは反対側の端面には、軸支スリーブ38が形成され、両者間は軸道39によって連通されている。
【0022】
接離プレート4には、前後方向に延びる係止片41,42が設けられ、この係止片41,42を伝動ブロック3のチャンネル34に臨む壁面上の前記矩形のスロット361,362内に挿入することにより、接離プレート4の可動範囲が規定されるようになっている。また、接離プレート4には左ウィング43及び右ウィング44が設けられると共に、接離プレート4の頂部の中央部分には2つの突起部45,46が設けられ、これらの突起部45,46の間にスプリング保持部47が形成され、その内部に伸縮コイルスプリング7(以下、単に「スプリング7」という。)の中間部が嵌め入れられることにより、当該スプリングが一定位置に保持されるようになっている。スプリング7の両端のフック71及び72は、前記スプリング調整止め部371,372の複数の係止孔の1つに取り付けられるようになっている。
【0023】
制動ハンマブロック5の頂部は、平坦な面に形成される(図3参照)と共に、両肩部からアームが円弧状に下方へ延び、その下端には、ハンマ端52と53が軸方向に互いに同一平面上にならないように設けられている。制動ハンマブロック5の両肩部の中央部にはピン通し孔1が明けられ、このピン通し孔51に挿通された軸支ピン8の両端は、前記伝動ブロック3のピン孔351,352に嵌め入れられ、これにより、制動ハンマブロック5がチャンネル34内で回動可能なように保持されるようになっている。
【0024】
伝動軸6は、適宜の径を有する長めの円柱体から成り、その手前側端部には小径の円形軸61が形成され、当該円形軸61には止め溝611が形成されている。また、伝動軸6の先端側は矩形軸62として形成されている。伝動軸6の胴部の中間位置の外周面には、受力凹部63及び64が軸方向に異なった位置に設けられている。
【0025】
伝動軸6は、その円形軸61の端部から伝動ブロック3の軸支スリーブ38内へ挿入され、軸道39を経て、底壁331に明けた底孔332を貫通し、円筒状軸受33内に嵌合せしめた前記円筒状軸体22の軸孔221を貫通し、最後にその止め溝611にCリング65を嵌め付けることによって一定位置に保持されるようになっている。伝動軸6の矩形軸62には、さまざまな種類のレンチヘッド10が取り付けられ、各種ボルトやナットを締めたり緩めたりできるようになっている。
【0026】
図2に示す如く、可逆モータ1は固定マウント2のモータホルダ21内に取り付けられ、伝動軸6は、伝動ブロック3内を貫通するように取り付けられる。即ち、伝動軸6は、その円形軸61の端部から伝動ブロック3の軸支スリーブ38内へ挿入され、軸道39を経て、底壁331に明けた底孔332を貫通し、円筒状軸受33内に嵌合せしめた前記円筒状軸体22の軸孔221を貫通し、銅製の軸受23を通過したのち、最後にその止め溝611にCリング65を嵌め着けることによって一定位置に保持されるようになっている。可逆モータ1の回転出力軸11の先端に取り付けられた駆動歯車12は、伝動ブロック3のディスク31の内歯歯車32と噛み合わせられ、駆動歯車12が回転すると、伝動ブロック3が円筒状軸体22を中心に高速で回転せしめられるようになっている。
【0027】
図3ないし図5に示すように、接離プレート4の前後方向に延びる係止片41,42は、伝動ブロック3のチャンネル34を挟む壁面の矩形のスロット361,362内にそれぞれ嵌め入れられている。
【0028】
制動ハンマブロック5は、伝動ブロック3のチャンネル34内に配置され、制動ハンマブロック5の中央位置に明けたピン通し孔51に軸支ピン8が挿通され、その両端が伝動ブロック3のチャンネル34を挟む壁面に明けたピン孔351,352に嵌め入れられることにより、制動ハンマブロック5はチャンネル34内で回動可能なように取り付けられるようになっている。
制動ハンマブロック5は、接離プレート4より伝動ブロック3の中心軸側へ適宜の距離離れた位置に配置される。スプリング7の中間部分は、上記接離プレート4の中央部の2つの突起部45,46の間のスプリング保持部47に嵌め込まれ、スプリングの左右両端のフック71,72は、伝動ブロック3のチャンネル3の底面37上に設けたスプリング調整止め部371,372の係止孔に取り付けられ、これにより、接離プレート4は、スプリング7の両端71,72間の弾性力の作用で、伝動ブロック3のチャンネル34内で一定の向きに保持されるようになっている。
【0029】
上記の如く各部品を組み立てたのち、図6に示すように、手持ちハンドルの付いたハウジング9を取り付ける。ハウジング9の開口部90には、ネジ92をネジ孔93にねじ込むことにより、蓋体91が取り付けられる。
このように構成することにより、使用者は、蓋体91を開けて、スプリング7の両端のフック71,72のスプリング調整止め部371,372の係止孔への取付け位置を変更し、スプリングの張力を調整することができる。即ち、スプリング7が、使用当初より緩んできた場合には、スプリングの左右のフック71及び72のスプリング調整止め部371,372の複数の係止孔に対する取付け位置を変えて、両端間の長さを長くすることにより、弾性を増強することができる。
【0030】
使用時には、可逆モータ1を例えば自動車本体に備えられた電源に接続し、可逆モータ1に通電を行うと、可逆モータ1の回転出力軸に取り付けた駆動歯車12が回転し、これと噛み合う伝動ブロック3の前記内歯歯車32が回転することにより(図2参照)、伝動ブロック3自体が高速で回転する。
これにより、伝動ブロック3のチャンネル34内に設けられた制動ハンマブロック5が遠心力の作用を受け、伝動ブロック3の回転方向に応じてその軸支ピン8を中心に回動し、図4又は図5に示す如く、伝動ブロック3の回転方向に応じて制動ハンマブロックの両端のハンマ端52又は53が、伝動軸6の受力凹部63又は64内へ打ち付けられるように進入、嵌合する。これによって、伝動ブロック3に追従して、伝動軸6が略同じ回転数で回転し、伝動軸6の先端に取り付けたレンチヘッド10により、ボルト等を締めたり緩めたりすることが可能となる。
【0031】
制動ハンマブロック5が受ける遠心力が減少すると、制動ハンマブロック5の両側のハンマ端52又は53は、伝動軸6の受力凹部63又は64から離脱し、これと同時に、スプリング7の作用で制動ハンマブロック5は接離プレート4に対して元の向きに復帰する。可逆モータ1が再び加速して、特定の速度に達すると、遠心力の作用によって再び制動ハンマブロック5が回動し、そのハンマ端52又は53が伝動軸6の受力凹部63又は64内に打ち付けられ、嵌合する。このように可逆モータの加速を繰り返すことにより、制動ハンマブロック5のハンマ端52又は53が繰り返し伝動軸6の受力凹部63,64を繰り返し打ち付け、これによってボルト等を締めたり緩めたりすることが可能となる。
【0032】
【発明の効果】
前記3件の日本の実用新案と比較して、本発明に係る電動レンチが優れている点は次の通りである。
1.本発明においては、内歯歯車を用いた回転伝動方式を採用しているため、モータの駆動歯車と伝動ブロックの内歯歯車とが緊密に結合し、伝動軸が確実かつ円滑に回転して、そのトルクを効率よく伝達することができる。
2.本発明の構造は、従来の電動レンチに比べて一層簡易であり、部品数も前記特許文献3[日本の登録実用新案第3071049号公報(実願2000−750)]に記載のものに比べて少なく、組立て、製造が容易であり、利便性及び実用性が一層向上する。
【0033】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明は、その目的の範囲内で、上記の説明及び図面の記載から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動レンチの一実施例の分解斜視図である。
【図2】本発明に係る電動レンチの組み立てられた状態における軸方向に沿った断面図である。
【図3】本発明に係る電動レンチの伝動ブロック上における制動ハンマブロックの取付け状態を示す軸直角断面図である。
【図4】伝動ブロックが時計方向に高速回転する場合の制動ハンマブロックの作動を示す軸直角断面図である。
【図5】伝動ブロックが反時計方向に高速回転する場合の制動ハンマブロックの作動を示す軸直角断面図である。
【図6】本発明に係る電動レンチにハウジングが取り付けられた状態を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1 可逆モータ
10 レンチヘッド
11 回転出力軸
12 駆動歯車
2 固定マウント
21 モータホルダ
210 ネジ孔
211 軸孔
22 円筒状軸体
221 軸孔
222 凹部
23 銅製の軸受
24 ネジ
3 伝動ブロック
31 ディスク
32 内歯歯車
33 円筒状軸受
331 底壁
332 底孔
34 チャンネル
351,352 ピン孔
361,362 矩形のスロット
37 チャンネルの底面
371,372 スプリング調整止め部
38 軸支スリーブ
39 軸道
4 接離プレート
41,42 係止片
43 左ウィング
44 右ウィング
45,46 突起部
47 スプリング保持部
5 制動ハンマブロック
51 ピン通し孔
52,53 ハンマ端
6 伝動軸
61 円形軸
611 止め溝
62 矩形軸
63,64 受力凹部
65 Cリング
7 伸縮コイルスプリング
71 左フック
72 右フック
8 軸支ピン
9 ハウジング
90 開口部
91 蓋体
92 ネジ
93 ネジ孔

Claims (2)

  1. 伝動ブロック(3)と、制動ハンマブロック(5)と、接離プレート(4)と、伸縮コイルスプリング(7)と、固定マウント(2)と、可逆モータ(1)と、伝動軸(6)とを備え;
    上記伝動ブロック(3)は、中央部にチャンネル(34)が形成された一体成型構造を有し、当該チャンネル(34)より手前側にはディスク(31)が設けられ、ディスクの周壁の内面には内歯歯車(32)が形成され、ディスク(31)の中心部分には円筒状軸受(33)が一体的に形成され、上記チャンネル(34)は、伝動ブロック(3)の軸方向に沿った略中央部にその頂部から略中心軸の位置まで切り開かれて形成され、当該チャンネル(34)に臨む両壁面の適宜の箇所には、互いに対応する位置にピン孔(351,352)及びスロット(361,362)が明けられ、チャンネル(34)の底面(37)の中心軸を挟む左右両側には、複数の係止孔を有するスプリング調整止め部(371,372)がそれぞれ設けられ、伝動ブロック(3)の前記円筒状軸受(33)が設けられた側とは反対側の端部には軸支スリーブ(38)が設けられ、当該軸支スリーブ(38)と前記円筒状軸受(33)とは共通の軸道(39)によって連通せしめられ;
    上記制動ハンマブロック(5)は、その両肩部から円弧状に延びる両アームの先端部において互いに軸方向にずれた位置にそれぞれハンマ端(52,53)を有すると共に、両肩部間の中央部にはピン通し孔(51)が明けられ;
    上記接離プレート(4)は、上記制動ハンマブロック(5)の外側に設けられ、当該接離プレートには前後方向に延びる係止片(41,42)が形成され、当該係止片が前記伝動ブロック(3)のチャンネル(34)に臨む両壁面に明けた矩形のスロット(361,362)内に挿入されることによって、接離プレート(4)の可動範囲が規定され、更に当該接離プレート(4)は左右に円弧状に湾曲して延びるウィング(43,44)を有し、接離プレートの頂部中央には2つの突起部(45,46)が設けられ、これらの両突起部の間にスプリング保持部(47)が形成され;
    上記伸縮コイルスプリング(7)は、その両端のフック(71,72)が、前記伝動ブロック(3)のチャンネル(34)の底面(37)の両側に設けた上記スプリング調整止め部(371,372)の係止孔にそれぞれ取り付けられ、当該伸縮コイルスプリング(7)の略中央部は、上記接離プレート(4)の突起部(45,46)間のスプリング保持部(47)に保持され;
    上記固定マウント(2)には、その片側にモータホルダ(21)が設けられると共に、前記伝動ブロック(3)に臨む面には、伝動ブロック(3)の前記円筒状軸受(33)内に嵌合せしめられる円筒状軸体(22)が形成され、;
    上記可逆モータ(1)は、前記固定マウント(2)のモータホルダ(21)内に取り付けられ、その回転出力軸(11)の先端には駆動歯車(12)が取り付けられ、当該駆動歯車(12)は、前記伝動ブロック(3)のディスク(31)の内歯歯車(32)と噛合せしめられ;
    上記伝動軸(6)は、適宜の径を有する長めの円柱体から成り、その手前側端部には小径の円形軸(61)が形成され、当該円形軸(61)には止め溝(611)が形成されると共に、反対側の端部は、各種レンチヘッド(10)が交換可能なように取り付けられる矩形軸(62)として形成され、当該伝動軸(6)の胴部が前記チャンネル(34)内に露出する領域上において前記制動ハンマブロック(5)の両ハンマ端(52,53)に対応する箇所には、互いに軸方向にずれた位置に2個の受力凹部(63,64)が形成され、当該伝動軸(6)は伝動ブロック(3)の軸道(39)内に挿通されると共に、手前側端部の円形軸(61)はその止め溝(611)が前記固定マウント(2)を貫通した箇所で一定位置に保持され;
    これらの構造により、可逆モータ(1)の回転出力軸に取り付けられた駆動歯車(12)と伝動ブロック(3)のディスクの内歯歯車(32)との噛合によって、上記伝動ブロック(3)の回転が円滑かつ確実になされると共に、制動ハンマブロック(5)の両ハンマ端(52,53)が伝動軸(6)の受力凹部(63,64)に的確に打ち付けられ嵌合して伝動軸(6)を回転せしめるように構成されたことを特徴とする電動レンチ。
  2. 上記伸縮コイルスプリング(7)の両端のフック(71,72)は、伝動ブロック(3)の上記スプリング調整止め部(371,372)の係止孔に取り付けられ、上記接離プレート(4)の中央部に設けた2つの突起部(45,46)間のスプリング保持部(37)に脱落不能なように保持され、伸縮コイルスプリング(7)の両端のフック(71,72)の上記スプリング調整止め部(371,372)の係止孔に対する取付け位置を変更することにより、伸縮コイルスプリングの張力を調整し、これにより、弾性疲労による伸縮コイルスプリング(7)の緩みを補償することによって、接離プレート(4)の制動ハンマブロック(5)に対する位置関係を一定に保ち、制動ハンマブロック(5)のハンマ端(52,53)が伝動軸(6)に及ぼす力を一定に保持するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の電動レンチ。
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