JP3626472B2 - エンジン用マフラおよび自動二輪車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
請求項に係る発明は、エンジン用マフラ(サイレンサ)と、それを備えた自動二輪車とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10(a)・(b)に、従来の一般的なマフラ8とそれを備えた自動二輪車Yとを示す。図10(a)のマフラ8は、円筒状のマフラボディ80の内部に、穴つき板(パンチングメタル)81や仕切板(バッフルプレート)82・83、バッフルパイプ84・85・86等を取り付けることにより複数の膨張室を構成したものである。マフラボディ80の外筒は、内外二重の円筒80a・80b(内側の80bはパンチングメタル製)にて形成し、それらの間に吸音材(グラスウール)80cを充填している。一方の端部にある排気導入口87から他方の端部にある排気排出口88にかけて排気が流れる間に、排気音は、各膨張室での排気の膨張とともに、また各室間の仕切板で生じる反射波が進行波と干渉することにより、さらには吸音材80cなどに吸収されて、次第に音圧を下げていく。なお、図10(a)において黒塗りの矢印は排気の流れの向きを示す(他の図においても同様)。
【0003】
消音効果(排気音の低減機能)等にすぐれたマフラを構成しようとする場合、図示の例のようにマフラボディ80の外径を大きくすることが多い。外径を大きくすれば、各膨張室の容積を大きくとれるほか、図のように複数のバッフルパイプ84・85・86を一つの仕切板83上に取り付けることができ、もって消音効果の高い反射波を前後の膨張室にて積極的に作り出せるからである。各パイプ84・85・86の径を拡大でき、そのために排気への抵抗を小さくしてエンジン性能を低下させにくくすることができる、という点でも有利である。
【0004】
一方、太いマフラに代えて、図11の自動二輪車Zのように、直径が比較的小さなマフラボディ90を車体の片側に複数本並べて配置する例も知られている。各マフラボディ90が小径のものであっても、それらを複数本並列に使用するマフラ9としては十分な消音効果を得ようとするものである。
【0005】
図11の例では、図10(b)の例に比べるとかなり小径のマフラボディ90を2本、車体の片側に配置している。エキゾーストパイプSやマニホールドT、ジョイントパイプUなどの排気管を、エンジンRの前部から車体の下部を通して各マフラボディ90につないでいる。なお、図中の符号Vは運転者用のステップで、マニホールドTの下流側において分岐した複数本のジョイントパイプUの上部に設けてある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図10(a)のように直径の大きなマフラ8は、消音効果やエンジン性能との関係では申し分ないが、相当の容積を有するために配置寸法や占有スペースに関する課題を生じがちである。また、図10(b)のように自動二輪車Yに使用する場合などには外観上の課題も付随することが多い。つまり、マフラ8が大径であると、それを含む車体幅が大きくなりがちで、車体をコンパクトにし重量部分を重心位置付近に集めるという理想的な車体設計が難しくなる。また、自動二輪車Yにおけるマフラ8には、それに至るエキゾーストパイプPやジョイントパイプQ等の排気管とともに自動二輪車Xの外観を印象づける役割もあるが、マフラ8の径が太いことによって外観上の軽快感が失われる場合もある。
【0007】
一方、図11のように構成したマフラ9は、外径が細くて外観上も好ましいという利点はあるものの、排気音の低減に関しては課題がある。マフラボディ90の直径がある程度以下になると、それを複数本並列に配置しても消音効果に限界が生じることが多い。なぜなら、各マフラボディ90が細くなると、容積の大きな膨張室をどのマフラボディ内にも形成することができなくなる。大きな膨張室を形成できないと、排気音のエネルギーを1箇所で全体的に(つまり高周波から低周波までの広い範囲で)低下させることが困難になる。また、マフラボディ90の直径が小さいと、図10(a)のようには複数のバッフルパイプを一つの仕切板上に取り付けることができず、したがって効果的に反射波を作り出すことが不可能になる。反射波を作り出して進行波と干渉させることによる消音は、低周波成分を減衰させるのに効果的であるため、小径化にともなって内部で効果的な反射波を作り出せなくなれば、マフラボディ90を複数本配置しても、低周波成分を含む排気音を十分には低減することができなくなる。
【0008】
そのほか、マフラボディ90を複数使用する図11のような自動二輪車では、運転者用ステップVの付近において排気管(ジョイントパイプU)の配置が容易でなく、また、排気管の製造や取り付けに関連してコストがかさむ、という不利益もある。前者の不利益があるのは、運転者の乗車姿勢を楽にするためにステップVを下方に設ける必要がある一方、排気管Uは、車体を十分にバンク(傾斜)させ得るようにある程度は高い位置に設けるのが望ましく、しかも、図11のようにステップVの下方に排気管Uが複数本並列に存在するからである。後者の不利益が生じるのは、エンジンRの直下付近(運転者用ステップVよりも前方)にあるマニホールドTから後輪付近のマフラボディ90までの比較的長い距離を複数本(図11の例では片側で2本)のジョイントパイプUでつなぐからである。各ジョイントパイプUは、外観向上等の目的から形状および表面処理等について特殊な加工を施されるのが一般的であるため、その本数が多いと相当のコストアップを招くのである。
【0009】
請求項に係る発明は、コンパクトであって外観上の利点をもたらすほか、消音効果やエンジン性能等の面でもすぐれるエンジン用マフラと、それを備えた自動二輪車とを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載したエンジン用マフラは、
a) 上流側の1本の排気管に対し、連結部を介して下流側に複数本のマフラボディを並列に接続していて、
b) その連結部には、横断面の開口面積が各マフラボディ(の上流端)の横断面の開口面積の和以上でありながら分岐していない(つまり二股・三股等に分かれることなく一体の空間に保たれた)部分を含め、当該部分において各マフラボディの上流端の容積空間に連続させ、それら容積空間と一体の膨張室を形成したことを特徴とする。
なお、上記にいう「連結部」は、排気管またはマフラボディと一体の部品であってもよく、また、それらのいずれとも別の部品であって溶接等によりそれらに接続されるものであってもよい。上記した「横断面」とは、排気の流れと直角な切断面(仮想断面)で切断した切り口をいう。
【0011】
このエンジン用マフラは、自動二輪車やATV(四輪バギー車)等の車両のほか、船舶、発電機、各種の作業機・汎用機等のエンジンに接続されて、つぎのような作用をなす。
【0012】
・ 各マフラボディを細い(小径の)ものにした場合にも、高い消音効果を発揮することができる。消音効果を高くできるのは、容積の大きな膨張室を上記連結部の内部から各マフラボディの上流端の容積空間にかけての部分に形成でき、その膨張室の作用により、高周波から低周波までの広い範囲において排気音のエネルギーを効果的に低下させ得るからである。大きな膨張室を形成できるのは、その連結部が、横断面の開口面積が各マフラボディの横断面の開口面積の和以上でありながら分岐していない部分を含むからであり、また、当該部分を各マフラボディの上流端の容積空間に連続させ、一層に容積の大きな一体的空間として膨張室を形成しているからである。
【0013】
・ 上記のように連結部内の大容積の空間を膨張室にして排気音を低下させることができれば、各マフラボディをかなり小径にすることが可能である。マフラボディには特別に強い消音作用が必要でなくなるからである。各マフラボディを細くすることができれば、それぞれの配置が容易になるうえ、自動二輪車等においては、車体(とくにその幅)をコンパクトにして重量部分を重心位置付近に集めるという理想的な車体設計が可能になるうえ、軽快で好ましい外観も備わる。
【0014】
・ 排気音の音質を調整して人の聴覚に快適なものとすることが容易である。マフラボディの上流部分にある連結部において排気のエネルギーを効果的に低下させ得るため、各マフラボディには極端な消音作用をもたせる必要がないこと、および、マフラボディが複数本あるのでそれぞれの構造や寸法を自在に設定して自由な音質調整をはかり得ること、がその理由である。
【0015】
請求項2に記載したエンジン用マフラは、とくに、上記した複数本のマフラボディのうちいずれかのものに対し、外筒(マフラボディの外形をなす筒)の内部に、排気の流れる向きを逆転させるための仕切板を内側に有する中筒を設けるとともに、内側に排気を通過させる内筒を当該中筒内に一部を挿入した状態に配置したことを特徴とする。図1や図3、図5、図9に示す例がこのエンジン用マフラに相当し、図1の例では、マフラボディ20の外筒21の内部に、仕切板23bつきの中筒22を配置し、さらに、中筒22の内側に一部を挿入した状態で内筒24を配置している。
【0016】
このようなエンジン用マフラには、さらにつぎのような利点がある。
・ すぐれた消音効果を発揮できる。マフラボディ内を通る排気を、中筒内にある仕切板で反射させることにより反射波・進行波の干渉を引き起こせるからである。したがって、低周波成分に対する消音効果を、図10(a)のマフラと同程度に発揮することが可能である。
【0017】
・ 上記のようなすぐれた消音効果を有するにもかかわらず、マフラボディの外径を小さくできる。マフラボディの内部で排気を反射させるためには、図10(a)のような従来のマフラの場合、3本の内筒96・97・98を一枚の仕切板93c上に隣接配置する必要があって外筒が大径化したが、この請求項のマフラにおけるマフラボディでは、内部に内筒を配置した一本の中筒を外筒の内側に配置するだけで足りるからである。外径が小さいと、自動二輪車等への配置も容易になり車体の重量配分や外観上の利点がもたらされる。
【0018】
・ マフラを通る排気の抵抗が少ないのでエンジン性能を引き出しやすい、というメリットもある。図10(a)の例では、内筒(バッフルパイプ)84・85・86の間に仕切板83を設ける必要があってそこに排気の流れない面積部分ができ、外筒の径を小さくすると内筒がかなり細くなって排気抵抗が増すことになった。しかし、内部に内筒を配置した中筒を外筒の内側に配置するという上記の構成をとれば、マフラボディ内には排気の流れない面積部分が存在しなくなるので、外筒をかなり細くしても内筒の径を大きくとることができ、そのために、この請求項のマフラにおいては排気抵抗を小さく保つことができる。
【0019】
請求項3に記載のエンジン用マフラはとくに、上記連結部の一部または全部を金属板の2重壁にて(つまり内張材としての金属板を含むように)形成したことを特徴とする。図1や図3〜図5に示した例では連結部10・10’・10”・10”’のほぼ全体を二重壁にしており、図6と図8、図9に例示したものでは連結部50・50’・50”のうち側壁の部分を二重壁にしている。二重壁の間に吸音材を充填するのもよい。
【0020】
このようなエンジン用マフラでは、連結部での消音効果を高めるとともに、連結部の外表面が変色するのを防止することができる。連結部は、排気管につづく部分であって各マフラボディの上流端に接続されることから、音についても熱量についても最もエネルギーの高い状態の排気と接触する。そのような条件下にある連結部を上記のとおり二重壁にすると、消音効果が著しく向上するとともに、熱による外表面の変色が効果的に防止されるのである。
【0021】
請求項4に記載のエンジン用マフラはとくに、上記した複数本のマフラボディのうちに、他のマフラボディとは位相または波長の異なる排気音を発するものを含めたことを特徴とする。つまり、たとえば図4に例示したマフラ3のように、構造または一部の寸法の相違するマフラボディ30・30’を並列配置して、それぞれのマフラボディ30・30’から位相等の異なる排気音を発生させる。
【0022】
こうしたエンジン用マフラでは、いくつかのマフラボディが発する排気音が、他のマフラボディの排気音とは位相等が異なっているために互いに打ち消し合うように干渉し、マフラ全体としての排気音を低減させる。つまり、マフラボディ各本の排気音のレベルにかかわらず、マフラ全体としては、干渉作用により排気音が低くなるのである。
【0023】
一方、請求項5に記載したエンジン用マフラはとくに、上記した複数本のマフラボディのうちに、位相および波長が同一の排気音を発するものを含めたことを特徴とする。つまり、たとえば図1の例のように、同一構造・同一寸法のマフラボディ20を並列に配置して、それぞれのマフラボディ20から、位相や波長が同一の排気音を発生させる。
【0024】
こうしたエンジン用マフラでは、いくつかのマフラボディが発する排気音が同一であるため、それらの音が重なって強調される。共振し合う場合もある。各マフラボディについて音質が調整され快適な排気音が発せられるようになると、その快適な音は、制限された一定の範囲内で強調するのが好ましい。この請求項に係るエンジン用マフラでは、そのような好ましい強調をも実現することにより排気音を快いものにすることが可能である。
【0025】
請求項6に記載した自動二輪車は、上記いずれかのエンジン用マフラを、上記の連結部を露出させた状態に配置した(つまり、車体側部など外部から見える箇所に連結部を設けた)自動二輪車であって、その連結部を、上流側の1本の排気管との接続部分から下流側の複数本のマフラボディとの接続部分にかけて横断面寸法(排気の流れと直角な方向にはかる寸法)の拡大したものとし、かつ、露出する側面に、1本の排気管からマフラボディに至る排気流路に沿った凸部(外表面上に凸の部分)を含む凹凸(波形)を有するものとしたことを特徴とする。たとえば図2に示す自動二輪車X1では、エンジン用マフラ1の連結部10が露出していて、その連結部10は、下流側にかけて横断面寸法が拡大するとともに上記のような凸部15・16を含む凹凸が側面にある。
【0026】
こうした自動二輪車では、エンジン用マフラのうちマフラボディを小径にできること(前述)に加え、連結部をシャープでダイナミックな印象を与える形状にできることに基づいて外観が向上する。連結部をシャープな印象のものにできるのは、連結部を、上流側の排気管との接続部分から下流側のマフラボディとの接続部分にかけて横断面寸法の拡大したものとするからである。つまり連結部が、車体の前方(進行方向の前方)から後方にかけて拡がっていて、空気抵抗を小さくするためのいわゆる流線形的な形状になる。連結部にダイナミックな印象をもたせ得るのは、その露出する側面に、1本の排気管からマフラボディに至る排気流路に沿った凸部等を形成するからである。これは、当該側面が平坦である場合よりも視覚的に躍動感をもたせ、その凸部の内側に排気が力強く流れているとともにその自動二輪車がパワフルであるとの印象をもたせる。つまり、上記の形状にした連結部を露出部分に配置するという構成により、この自動二輪車には好適な外観が備わるのである。
【0027】
請求項7に記載の自動二輪車は、上記いずれかのエンジン用マフラを、上記の連結部を露出させない状態に配置した(つまり、シートの下など外部から見えない箇所に連結部を設けた)自動二輪車であって、その連結部を、上流側の1本の排気管との接続部分から下流側の複数本のマフラボディとの接続部分にかけて横断面の形状(排気の流れと直角な方向の切断面に表れる形状)および寸法(排気の流れと直角な方向にはかる寸法)の一律なものにしたことを特徴とする。たとえば図7に示す自動二輪車X2では、エンジン用マフラ5の連結部50がシートGの下に隠れていて、その連結部50は横断面の形状および寸法が一律である。
【0028】
この自動二輪車では、上記の連結部を大容積のものに形成しやすいことから、エンジン用マフラを、消音効果のすぐれたものにすることが容易である。連結部を大容積に形成しやすいのは、上流側の排気管との接続部分から下流側のマフラボディとの接続部分にかけて、連結部の横断面形状および寸法を一律に(つまり各マフラボディの横断面面積の和以上の面積を横断面の開口内にもつように)するからである。こうすると、シャープでダイナミックな印象を与えるように連結部を形成することは困難だが、この請求項の自動二輪車では、露出させない状態に連結部を配置するので外観上の不利はともなわない。形状による外観上の不利がない以上、連結部の横断面形状は、円や楕円・長円・長方形・正方形など、単純な形状にするのが製造上好ましい。また、接近して配置される他の物との接触を避けながら大きな容積をもたせられるように連結部に適宜凹凸を形成することも、外観上の不利を招くことなく実施できる。なお、図7の例のようにマフラボディのすべてをシートの下方に配置すれば、マフラを含む車体の全幅をきわめてコンパクトにすることができる。
【0029】
請求項8に記載の自動二輪車は、上記いずれかのエンジン用マフラを配置した自動二輪車であって、右側または左側(進行方向に向かっていう右側・左側)にある運転者用ステップの下部に、連結部より上流側である上記の排気管(各マフラボディごとに分かれていない統合状態のもの)を配置したことを特徴とする。図2および図7に例示している自動二輪車X1・X2も、各運転者用ステップE・Nの下に排気管D・Mをそれぞれ通していて、この請求項の自動二輪車に該当する。
【0030】
この自動二輪車にはつぎのような作用がある。
・ 運転者用ステップの付近における排気管等の配置が容易である。運転者用ステップの下部に、各マフラボディごとに分かれていない排気管を配置するからである。つまり、図11の例とは違ってステップ下部の排気管の数が少なくてその占有スペースが小さいため、排気管との接触を避けながらステップやチェンジ用のリンク機構・マスタシリンダ等を配置することが容易なのである。
【0031】
・ マフラボディごとに分かれた複数本の排気管が並列する部分を極めて短くする(またはなくす)ことができる。運転者用ステップの下部には各マフラボディごとに分かれていない排気管を配置するので、マフラボディごとに分かれた排気管は、設けるとしても、その排気管の下流側にある連結部の下流端から各マフラボディの上流端位置までの、一般的には短い区間に設け得るに過ぎないからである。前述のように排気管には外観上の役割があって表面処理等に相当のコストを要するので、こうして排気管の並列する部分が短くなると、図11の例のように排気管Uの並列部分が長い場合に比べて自動二輪車の製造コストを効果的に引き下げ得ることになる。排気管の並列部分が短くなると、車体の軽量化によるメリットも同時に生じる。
【0032】
【発明の実施の形態】
発明の実施についての第一の形態を図1および図2に示す。図1はマフラ1の詳細図であって、図1(a)は全体の縦断面図、同(b)は同(a)におけるb−b断面図、同(c)は同(a)におけるc−c断面図である。また図2は、図1のマフラ1を搭載した自動二輪車X1の側面図である。
【0033】
図1に示すマフラ1は、連結部10の下流端部に2本のマフラボディ20を並列に接続して構成したものである。連結部10は、排気管(ジョイントパイプ)Dの下流端部に接続され、その排気管Dからの排気を上記2本のマフラボディ20に分けて送るための部分である。またマフラボディ20のそれぞれは、75mm程度の外径(直径)をもつ細めの直円筒型のものである。
【0034】
図1(a)〜(c)に示すとおり、連結部10は、側面から見た形が概ね三角形状をしていて、排気管Dに接続する上流側(図2のように自動二輪車X1の前方寄り)で幅がせまく、2本のマフラボディ20に接続する下流側(後方寄り)で幅が広くなっている。排気管Dから送られる排気を2本のマフラボディ20に分岐させて送り出すものではありながら、この連結部10は、各マフラボディ20との連結箇所よりも上流の部分では内部空間を分けていない。内部空間についての横断面の面積および幅寸法は、排気管Dと接続する上流端12において最も小さく、下流に近づくに連れて拡大するが、図1(c)のようにその面積が2本のマフラボディ20(の上流端25)の横断面面積の合計以上に広くなった下流端13の付近においても、連結部10は流路を分岐させていないのである。これは、連結部10の内部に一体の大きな容積空間を形成してマフラ1の最初の膨張室(第1膨張室)にし、そこでの膨張によって排気音のエネルギーを全周波数域にわたって減衰させるためである。なお、連結部10の下流端13には、2本のマフラボディ20との間を埋める塞ぎ板14を取り付けていて、これと各マフラボディ20の外周との間を全周溶接して隙間をなくす。
【0035】
連結部10は、ステンレス鋼板で製造した外板11aの内側に、やはりステンレス製のパンチングメタル(これに限るものではないが)で作った内板11bを重ねて一体化することにより形成している。外板11aと内板11bとの間に、グラスウールなど耐熱性・断熱性にすぐれた吸音材を詰めるのも好ましい。連結部10のうち、自動二輪車X1(図2を参照)に搭載されて外部から観察される側の側面には、図1(c)のように、凸部15・16と凹部17とを含む波形の凹凸を形成している。凸部15・16は、図2のように、上流側の1本の排気管Dから下流側の2本のマフラボディ20に至る排気流路に沿って外観上はパイプに近い状態に連続するように形成し、排気が流れやすいようにするとともにその排気流を視覚化させて外観の向上をはかっている。
【0036】
図1(a)に示すように、2本のマフラボディ20は構造も大きさも同一のもので、外壁をなす円筒状の外筒21の内に中筒22や内筒24などを配置したものである。外筒21内に使用した後述の吸音材以外の部分は、すべてステンレス鋼板にて形成し、外筒21を全周溶接にて連結部10に接続している。各マフラボディ10の構成および作用の詳細はつぎのとおりである。
【0037】
まず外筒21は、外側円筒21aの内側にグラスウール製の吸音材21cを詰めるとともに、それらの内側にパンチングメタルよりなる内側円筒21bを挿入し重ね合わせている。外側円筒21aと内側円筒21bとは、両端部などで溶接等により一体化している。
【0038】
長さ方向の中ほどの部分では、外筒21の内側に、円盤状の仕切板23bを一体に含む支持片23を固定し、それに支持させる形で中筒22を外筒11と同心状に配置している。仕切板23bは中筒22の上流側の端部におさめ、中筒22内での排気の流れを遮るものとしている。また、中筒22内には、下流側の端部から内筒24の一部を挿入し、中筒22と内筒24との間を支持片24aでつなぐとともに、内筒24と外筒21との各下流側端部の間を端部壁面26にて塞いでいる。端部壁面26には穴をあけておらず、支持片23のうち中筒22の外側にあたる部分にいくつかの通気孔23aを設け、支持片24aにもいくつか通気孔を形成しているので、上流側から送られた排気は、図示の黒抜き矢印にしたがってマフラボディ20内で何度か反射するように向きを変えたうえ、内筒24の下流端から流出する。すなわち、マフラボディ20内に上流端25から流入した排気は、まず外筒21と中筒22との間を下流側に向けて流れ、端部壁面26にあたって向きを変えたうえ中筒22と内筒24との間を上流側へ向けて戻り、さらに仕切板23bに当たったのち内筒24の内部を下流側へ流れることになる。排気の流れがこのように折り返すたびに、排気音は、進行波と反射波とが干渉しあい、低周波成分を中心にエネルギーを減衰させていく。吸音材21cによる、高周波成分を中心とした消音効果ももたらされる。なお、中筒22や内筒24の直径については、内筒24の内側の断面積と、中筒22の内側であって内筒24の外側の断面積、および外筒21の内側であって中筒22の外側の断面積とがそれぞれ概ね等しくなるように設定しておく。
【0039】
図1のマフラ1では、上記のとおり連結部10に大きな内部容積をもたせたうえ、連結部10につながる各マフラボディ20の上流端25を全開にしてその付近にも容積空間を設けたことから、それらを一体にした最も上流側の空間(第1膨張室)にて排気を十分に膨張させることができ、まずはここで全周波数域にわたって排気音のエネルギーを減衰させることができる。そして、下流側につづく2本のマフラボディ20において、上記した進行波と反射波との干渉作用等により、低周波成分を中心に排気音のエネルギーをさらに減衰させる。排気音が好ましいものになるようにマフラボディ20の調整を行ったうえ、そのマフラボディ20を同一構造のまま2本並列に配置していることから、このマフラ1は、各マフラボディ20による快適な排気音が強調された、迫力のある好ましい音質を発するものとなっている。
【0040】
図2に示す自動二輪車X1では、エンジンAからエキゾーストパイプBやマニホールドCを介して接続されたジョイントパイプDの下流端に、上記のマフラ1を接続している。マフラ1は、後輪の側方であってその車軸のやや上の位置に、下流側を後方斜め上に向け、連結部10を含む全体が側方から見えるように配置した。運転者用ステップEの下部には、連結部10よりも上流側に相当する本数の少ない(左右各1本の)ジョイントパイプDを通しているので、そのステップEの付近の機器配置が容易であるという利点もある。
【0041】
図3〜図5は、発明の実施について他の形態を示すもので、図1のマフラ1の一部を改変することにより構成したマフラ2〜4を示す縦断面図である。
まず図3のマフラ2は、図1のマフラ1におけるのと同じ構成をもつ連結部10’の下流側に、やはり図1のマフラ1に配置したのとほぼ同じ構成のマフラボディ20’および20”を1本ずつ並列に接続したものである。各マフラボディ20’・20”は、仕切板23bつきの中筒22や内筒24などを外筒21の内側に備える点などにおいてマフラ1のマフラボディ20と同じであるが、それぞれの外筒21の内部に穴つき板を設けた点で相違している。マフラボディ20’では、外筒21の上流寄りの部分に2枚の穴つき板27・28を配置し、マフラボディ20”では、同様の箇所に1枚の穴つき板29を設けている。これら穴つき板27・28・29は、小さな穴が多数形成された円盤状のパンチングメタルであり、排気流に抵抗を与えることにより、排気のエネルギーの低下をはかるとともに低音の成分を高音に変える作用をなす。
このマフラ2では、ほとんど同一構造のマフラボディ20’・20”を並列に配置することにより、それぞれから似かよった(やや異なる)音質の排気音を出させて、全体としての排気音を快適化をはかることができる。連結部10を第1の膨張室とすることによる排気音の減衰効果も、もちろん得ることができる。全体の形状・外観は図1のマフラ1と同じであるため、たとえば図2と同様に自動二輪車の側部等に配置することが可能である。
【0042】
図4に示すマフラ3も、図1に示したものと同じ連結部10”の下流側に、やはり円筒状の2本のマフラボディ30・30’を接続したものである。ただし、これらのマフラボディ30・30’は、排気の折り返す部分を含めたものではなく、内部にいくつかの膨張室とレゾネータ(共鳴室)とを設けたものである。マフラボディ30の場合、連結部10”につづく上流端36を開放するとともに、内筒(バッフルパイプ)32aつきの仕切板32を中ほどに設け、その下流側にも、いくつかの通気孔をもつ仕切板33を配置し、さらには、排気口となる内筒34を含む仕切板35を設けている。外筒31と各仕切板32・33・35とによって囲まれた各空間は排気の膨張室として作用し、排気音のエネルギーを次第に低下させる。また、仕切板35に通気孔を設けたうえ内筒34の下流端と外筒31との間を端部壁面37にて塞いでいるため、仕切板35以降で内筒34の外側に形成される空間はレゾネータとなり、特定の周波数の排気音を効果的に減衰させる作用をなす。
このマフラ3では、マフラボディ30に対して並列に、ほとんど同じ構成を有しながら内部の内筒(バッフルパイプ)32a’および内筒(排気口)34’の長さのみが異なるマフラボディ30’を配置したものである。内筒32a’・34’の長さを異ならせることによって、マフラボディ30’の排気音はマフラボディ30の排気音に対して位相差のあるものにできる。そのため、このマフラ3によれば、マフラボディ30・30’からの出る排気音同士を干渉させて全体の騒音レベルを下げることが可能である。第1膨張室となる連結部10”(およびそれにつづく一体の空間)においても排気音の低減効果があることは言うまでもない。
【0043】
図5のマフラ4は、図1に示したのと同じ連結部10”’の下流側に、互いに全く異なる構成のマフラボディ20”’・30”を並列に接続したものである。つまり、マフラボディ20”’が、図1の例にて採用したマフラボディ20と同じものであるのに対し、マフラボディ30”は図4の例におけるマフラボディ30と同一であって、両者の構成は大きく異なる。
このマフラ4は、第1膨張室となる連結部10”’(およびそれにつづく一体の空間)において排気音のエネルギーを大幅に減衰させ得ることを前提にして、下流側の2本のマフラボディ20”’・30”から出る排気音を互いに異なる音質のものにし、両者をミックスさせることによって快適な音を作り出そうとするものである。
【0044】
つづく図6は、図1等の例に示したものとは異なる連結部50を採用したマフラ5を示す図であって、図6(a)は縦断面図、同(b)は外部形状を示す斜視図である。すなわち連結部50は、図1等に示したように上流側の細い略三角形状のものではなく、排気管Mに接続される上流端部分から2本のマフラボディ60に接続される下流端部分まで、横断面の形状・寸法に変化をもたせていないものである。連結部50の横断面は、後続する2本の直円筒型マフラボディ60の各横断面(円形)を二つ並べたうえ両者を2本の共通接線でつないだ形の長円形である。連結部50のうち側面の部分は、ステンレス鋼板製の外板51aの内側にステンレス製パンチングメタルからなる内板51bを一体化した二重構造(グラスウールなどの吸音材を間に詰めるのもよい)とし、上流側の端面52は、ステンレス鋼板1枚のみで形成して、中央位置に排気管Mを接続することとしている。
【0045】
連結部50の下流端53は大きく開口させていて、ここに、2本のマフラボディ60の上流端66を挿入し全周溶接を施している。各マフラボディ60は上記のとおり直円筒型のもので、その外径は75mm前後と細めである。この連結部50の下流端53においても、2本のマフラボディ60の間から排気が流出しないように塞ぎ板54が取り付けてあって、各マフラボディ60の外周との間が全周的に溶接される。
【0046】
各マフラボディ60は、図4のマフラ3に採用したマフラボディ30と同様の構造をもつものである。すなわち、連結部50につづく上流端66を開放するとともに、内筒(バッフルパイプ)62aつきの仕切板62を中ほどに設け、その下流側にも、いくつかの通気孔をもつ仕切板63を配置し、さらには、排気口となる内筒64を有する仕切板65を設けている。外筒61と各仕切板62・63・65によって囲まれた空間は、排気の膨張室として作用するので、排気音のエネルギーを次第に低下させる。また、仕切板65に通気孔を設けたうえ内筒64の下流端と外筒61との間は端部壁面67にて塞いでいるので、仕切板65以降で内筒64の外側に形成される空間はレゾネータ(共鳴室)となり、特定周波数の排気音を効果的に減衰させる。
【0047】
図6のとおり構成したマフラ5の場合、連結部50にとくに大きなボリュームをもたせやすいため、排気音の低減上きわめて有利に作用させることができる。連結部50にとくに大きなボリュームをもたせやすいのは、その横断面を上記のように一定形状・一定寸法にすることによって、上流端の付近にも大きな容積を付与できるからである。そのようにすれば、排気管Mから連結部50に導入される排気はその上流端にて急激に膨張し、その音のエネルギーが全周波数域にわたって著しく減衰する。そのほかこのマフラ5では、下流側の2本のマフラボディ60から同一の排気音が出るため、各マフラボディ60における音質を適切に調整しておくことにより、快適であって迫力もある好ましい排気音を作り出せる、という利点もある。
【0048】
マフラ5は、図7(a)・(b)に示すとおり自動二輪車X2のシートGの下部という、外からはほとんど見えない箇所に配置する。排気管Mに接続する連結部50の上流端付近は、シートGの下部板材に隠れて上方および側方からは全く観察され得ない。マフラ5の他の部分よりも車体前方寄りに位置するこの連結部50の上流端付近は、排気管Mから後方にかけて幅寸法等が滑らかに連続的に拡大するのが外観上本来は好ましいが、連結部50が見えない箇所に配置されることから、排気管M以降の形状・寸法等が不連続に拡大するにもかかわらず、自動二輪車X2の外観を低下させる恐れはない。なお、図7中の符号Jはエンジン、Kはエキゾーストパイプ、Lはマニホールド、Nは運転者用ステップである。連結部50に至る前の、本数の少ない(車体左側に1本のみの)排気管MをステップNの下方に通しているので、当該ステップNの付近の機器配置が容易になってもいる。
【0049】
図8および図9のそれぞれは、図6のマフラ5の一部を改変することによって構成したマフラ6および7を示す縦断面図である。
まず図8に示すマフラ6は、図6のマフラ5におけるのと同様の構成をもつ連結部50’の下流側に、やはり図6の例で採用したのと同様のマフラボディ60’・60”を1本ずつ並列に接続したものである。連結部50’は、上流側の端面52’のうちマフラボディ60”の軸心線上の位置に排気管Mとの接続部を設けたこと以外には、マフラ5に採用した連結部50と大きな相違点がない。その下流側に接続した2本のうち一方のマフラボディ60”は、マフラ5におけるマフラボディ60と同じものである。そして他方のマフラボディ60’は、マフラボディ60”とほとんど同じ構成にしながらも、内部の内筒(バッフルパイプ)62a’および内筒(排気口)64’の長さのみを異ならせた(やや長くした)ものである。これら内筒の長さを両マフラボディ60’・60”間で異ならせるとともに、上記のように排気管Mの位置を中央部からややずらすことによって、マフラボディ60’・60”間で排気音に位相差を生じさせる。したがってこのマフラ6では、マフラボディ60’・60”からの出る排気音同士を干渉させて全体の騒音レベルを下げる作用ももたらされる。
【0050】
図9に示すマフラ7は、図8のマフラ6におけるのと同じ構成の連結部50”の下流側に、互いに大きく異なる構成のマフラボディ70および60”’を並列に接続したものである。マフラボディ60”’は、やはり図8のマフラ6に採用したのと同様のものである(ただし、その上流端付近を穴つき板(パンチングメタル)66aにて仕切っている)。他方のマフラボディ70は、マフラボディ60”’とは全く違った、図1のマフラ1に採用したのと同じ構成をもつものである。すなわちマフラボディ70には、2重円筒である外筒71の内部に、仕切板73bつきの中筒72を配置し、さらにその内側に一部を挿入する状態に内筒74を配置している。その上流端75から外筒71内に流入した排気は、図1におけるマフラボディ20と同様、中筒72の外側を通って端部壁面76にて折り返し、さらに中筒72の内側に入ったうえ仕切板73bで折り返して内筒74から排出される。そのように折り返す間に、排気音は、進行波と反射波とが干渉し合うことによりエネルギーを減衰させる。図9のこのマフラ7は、共通性の低いマフラボディ70および60”’を並列に接続することにより、互いの排気音を異なる音質のものにし、全体として快適な音を作り出そうとするものである。
【0051】
なお、以上の例では、いずれも連結部に対して2本のマフラボディを接続しているが、本件発明にしたがって3本以上のマフラボディを一つの連結部の下流側に並列に接続することも当然に可能である。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載したエンジン用マフラにはつぎの効果がある。
・ 各マフラボディを小径にすることができ、また、そうしながらもマフラに高い消音効果をもたせることができる。排気音の音質を調整して人の聴覚に快適なものとすることも容易である。
【0053】
請求項2に記載したエンジン用マフラなら、
・ マフラボディに一層すぐれた消音効果を発揮させることができる。マフラボディの外径を小さくしながらも排気の抵抗を少なくしてエンジン性能を引き出しやすく構成できる、というメリットもある。
【0054】
請求項3に記載したエンジン用マフラによればとくに、
・ 連結部での消音効果を高めるとともに、連結部の外表面が変色するのを防止できる。
【0055】
請求項4に記載したエンジン用マフラによればとくに、
・ マフラボディ相互間での排気音の干渉作用が付加されることにより、すぐれたな消音効果がもたらされる。
【0056】
請求項5に記載したエンジン用マフラなら、
・ 各マフラボディが発する快適な排気音が強調されて、排気音がとくに快いものになる。
【0057】
請求項6に記載した自動二輪車によれば、
・ エンジン用マフラのうちマフラボディを小径にできることに加え、連結部をシャープでダイナミックな印象を与える形状にできて、外観が向上する等のメリットがある。
【0058】
請求項7に記載した自動二輪車によれば、
・ 外観を低下させることなく、エンジン用マフラを消音効果のすぐれたものにすることができる。
【0059】
請求項8に記載の自動二輪車なら、
・ 運転者用ステップの付近における排気管等の配置が容易になる。また、排気管の並列する部分を短くして、自動二輪車の製造コストを引き下げたり車体の軽量化をはかったりすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の第一の実施形態を示す図であって、図1(a)はマフラ1の縦断面図、同(b)は同(a)におけるb−b断面図、同(c)は同(a)におけるc−c断面図である。
【図2】図1のマフラ1を搭載した自動二輪車X1を示す側面図である。
【図3】発明の第二の実施形態を示すもので、マフラ2の縦断面図である。
【図4】発明の第三の実施形態を示すもので、マフラ3の縦断面図である。
【図5】発明の第四の実施形態を示すもので、マフラ4の縦断面図である。
【図6】発明の第五の実施形態を示す図であって、図6(a)はマフラ5の縦断面図、同(b)は同じマフラ5の外部形状を示す斜視図である。
【図7】図6のマフラ5を搭載した自動二輪車X2を示す図であって、図7(a)は側面図。同(b)は背面図(後方から見た図)である。
【図8】発明の第六の実施形態を示すもので、マフラ6の縦断面図である。
【図9】発明の第七の実施形態を示すもので、マフラ7の縦断面図である。
【図10】図10(a)は従来の一般的なマフラ8を示す縦断面図であり、同(b)は、そのマフラ8を備えた自動二輪車Yを示す側面図である。
【図11】図10(a)のものとは異なるマフラ9を備えた自動二輪車Zを示す側面図である。
【符号の説明】
1〜7 マフラ
10・10’・10”・10”’・50・50’・50” 連結部
20・20’・20”・20”’・30・30’・30”・60・60’・60”・60”’・70 マフラボディ
21・31・61・71 外筒
22・72 中筒
23b・73b 仕切板
24・74 内筒
X1・X2 自動二輪車
D・M 排気管
E・N 運転者用ステップ
Claims (8)
- 上流側の1本の排気管に対し、連結部を介して下流側に複数本のマフラボディが並列に接続されていて、
その連結部は、横断面の面積が各マフラボディの横断面面積の和以上でありながら分岐していない部分を含み、当該部分において各マフラボディの上流端の容積空間に連続し、それら容積空間と一体の膨張室を形成する
ことを特徴とするエンジン用マフラ。 - 上記した複数本のマフラボディのうちいずれかのものにおいては、外筒の内部に、排気の流れる向きを逆転させるための仕切板を内側に有する中筒が設けられるとともに、内側に排気を通過させる内筒が当該中筒内に一部を挿入した状態に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン用マフラ。
- 上記連結部の一部または全部が、金属板の2重壁にて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン用マフラ。
- 上記した複数本のマフラボディのうちに、他のマフラボディとは位相または波長の異なる排気音を発するものが含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエンジン用マフラ。
- 上記した複数本のマフラボディのうちに、位相および波長が同一の排気音を発するものが含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエンジン用マフラ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載したエンジン用マフラが、上記の連結部を露出させた状態に配置された自動二輪車であって、
上記の連結部が、上流側の1本の排気管との接続部分から下流側の複数本のマフラボディとの接続部分にかけて横断面寸法の拡大したものであり、かつ、露出する側の側面に、1本の排気管からマフラボディに至る排気流路に沿った凸部を含む凹凸を形成されていることを特徴とする自動二輪車。 - 請求項1〜5のいずれかに記載したエンジン用マフラが、上記の連結部を露出させない状態に配置された自動二輪車であって、
上記の連結部が、上流側の1本の排気管との接続部分から下流側の複数本のマフラボディとの接続部分にかけて横断面の形状および寸法の一律なものであることを特徴とする自動二輪車。 - 請求項1〜5のいずれかに記載したエンジン用マフラが配置された自動二輪車であって、
右側または左側にある運転者用ステップの下部に、連結部より上流側である上記の排気管が配置されていることを特徴とする自動二輪車。
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