JP3625964B2 - 車室内用電源の蓋装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室立壁に設けられたプラグ用の挿通口を車室内側から覆うための車室内用電源の蓋装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車室内用電源の蓋装置としては、車室立壁にプラグ用の挿通口が設けられており、挿通口の上方には枢軸が配され、枢軸により蓋部材が斜め上方へ突出した開き位置と垂下した閉じ位置とに揺動可能に枢支されているものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の車室内用電源の蓋装置では、蓋部材を開き位置に揺動して、プラグを電源側のソケットに差し込んだ際に、蓋部材の開き位置において蓋部材は車室内側へ突出することとなり、乗員が誤って蓋部材にぶつかって、蓋部材がプラグを押し曲げ、その点から、プラグがソケットから外れ易くなったり、蓋部材が破損するという問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、ぶつかって蓋部材が破損したり、プラグが外れ易くならない車室内用電源の蓋装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項に記載された事項に存する。
[1] 車室立壁(10)に設けられたプラグ用の挿通口(21)を車室内側から覆うための車室内用電源の蓋装置において、
前記蓋装置は、車室立壁(10)に固定される基部材(20)と蓋本体(30)とから成り、
前記蓋本体(30)は、一辺を短くした略U字状断面形に形成され、該略U字状断面形の長辺部位がプラグ用の挿通口を車室内側から覆う蓋板(31)をなしており、前記基部材(20)に穿設された出没用孔(26)を通して、前記基部材(20)の裏側を中心にして該裏側へ没入して前記挿通口(21)を開いた開き位置と、表側へ突出して前記挿通口(21)を閉じた閉じ位置とに揺動可能に一辺を短くした略U字状断面形の短辺部位の先端が枢支されており、
前記蓋本体(30)はターンオーバースプリング(40)によってデットポイントを境にしてその付勢域を開く方向と閉じる方向とに区分けされ、前記プラグの差込み状態における蓋本体(30)の作動域は、前記開く方向の付勢域内にあり、
前記ターンオーバースプリング(40)は前記基部材(20)の裏側に配され、巻きばね形状であり、その両端部が前記基部材(20)と蓋本体(30)の揺動基端とにそれぞれ連結されていることを特徴とする車室内用電源の蓋装置。
【0005】
[2] 車室立壁(10)に開設されたプラグ用の挿通口(21)を車室内側から覆うための車室内用電源の蓋装置において、
前記蓋装置は、車室立壁(10)に固定される基部材(20)と蓋本体(30)とから成り、
前記蓋本体(30)は、一辺を短くした略U字状断面形に形成され、該略U字状断面形の長辺部位がプラグ用の挿通口を車室内側から覆う蓋板(31)をなしており、前記基部材(20)に穿設された出没用孔(26)を通して、前記基部材(20)の裏側を中心にして該裏側へ没入して前記挿通口(21)を開いた開き位置と、表側へ突出して前記挿通口(21)を閉じた閉じ位置とに揺動可能に一辺を短くした略U字状断面形の短辺部位の先端が枢支されており、
前記蓋本体(30)はターンオーバースプリング(40)によってデットポイントを境にしてその付勢域を開く方向と閉じる方向とに区分けされ、前記プラグの差込み状態における蓋本体(30)の作動域は、前記開く方向の付勢域内にあり、
前記ターンオーバースプリング(40)は前記基部材(20)の裏側に配され、巻きばね形状であり、その両端部が前記基部材(20)と蓋本体(30)の揺動基端とにそれぞれ連結され、
前記蓋本体(30)は、前記開き位置では車室内側に向かって下方へ傾斜した状態で保持されていることを特徴とする車室内用電源の蓋装置。
【0006】
[3] 前記蓋本体(30)の揺動端縁(32)は、車室内側へ凹入する手掛用の凹部(34)が形成されていることを特徴とする1または2項記載の車室内用電源の蓋装置。
【0007】
[4] 前記基部材(20)は、前記蓋本体(30)が前記開き位置に揺動した際に当接する全開ストッパ(25)を有し、
前記全開ストッパ(25)に近接した位置には、前記基部材(20)を車体に取付けるための取付部(29)が配設されていることを特徴とする1、2または3項記載の車室内用電源の蓋装置。
【0008】
[5] 前記基部材(20)は、前記蓋本体(30)が前記開き位置に揺動した際に当接する全開ストッパ(25)を有し、
前記全開ストッパ(25)は、前記開き位置では前記蓋本体(30)が前記基部材(20)の出没用孔(26)の孔縁に接触不能に、かつ、前記開き位置にて前記蓋本体(30)に正規トルクを越える負荷が前記開き方向へかかった際に前記蓋本体(30)が前記基部材(20)の出没用孔(26)の孔縁に接触可能に配設されていることを特徴とする1、2、3または4項記載の車室内用電源の蓋装置。
【0009】
[6] 前記基部材(20)の出没用孔(26)の下縁は、前記開き位置にある蓋本体(30)の裏面に沿って裏側へ延びる遮蔽片(26b)を有していることを特徴とする1、2、3、4または5項記載の車室内用電源の蓋装置。
【0010】
次に、前記各項に記載された発明の作用について説明する。
【0011】
[1]項記載の車室内用電源の蓋装置では、
蓋本体(30)が基部材(20)の裏側へ没入した開き位置にあり、プラグが差込み状態にあるときに、蓋本体(30)はターンオーバースプリング(40)によって開く方向に付勢されている。
この開き位置では、蓋本体(30)が基部材(20)の裏側へ没入しているので、乗員が不注意から蓋本体(30)にぶつかりにくくなり、安全性が向上し、また、蓋本体(30)の破損を防止することができる。
【0012】
仮に、乗員が誤って蓋本体(30)に触れ、蓋本体(30)に閉じ位置へ揺動する方向の力がかかった場合には、付勢力により蓋本体(30)が開き位置に戻って、蓋本体(30)がプラグに当たることがなく、また、仮に蓋本体(30)がプラグに当たることがあっても、蓋本体(30)が付勢力によって開き位置に戻るので、蓋本体(30)がプラグを押し続けるようなことを防止できるので、プラグがソケットから抜けにくくなる。
プラグを挿通口(21)を通して車室内側へ抜き、蓋本体(30)をターンオーバースプリング(40)の付勢力に抗して開き位置からデットポイントに向けて揺動していくと、蓋本体(30)が出没用孔(26)を通して表側へ突出していき、やがてデットポイントを通過し、付勢力の方向が切り替わる。切り替わった付勢力により、蓋本体(30)が自動的に閉じ位置に揺動する。
【0013】
[2]項記載の車室内用電源の蓋装置では、
前記開き位置では、蓋本体(30)が基部材(20)の裏側へ没入しているので、乗員が不注意から蓋本体(30)にぶつかりにくくなり、安全性が向上し、また、蓋本体(30)の破損を防止することができる。
さらに、前記蓋本体(30)は、前記開き位置では車室内側に向かって下方へ傾斜した状態で保持されているので、乗員が誤って飲み物をこぼし、飲み物が蓋本体(30)にかかった場合に、飲み物が蓋本体(30)を伝わって車室内側の例えばフロアへ滴下し、飲み物が蓋本体(30)を伝わって車室立壁(10)の裏側へ回り込まない。
それにより、こぼれた飲み物の掃除が比較的容易になるとともに、こぼれた飲み物が、車室立壁(10)の裏側に配されるソケットなどに滴下しないので、ショートなどの事故を防止することができる。
【0014】
[3]項記載の車室内用電源の蓋装置では、
前記蓋本体(30)の揺動端縁(32)は、車室内側へ凹入する手掛用の凹部(34)が形成されているので、蓋本体(30)の揺動端縁(32)に手を掛け易くなり、また、手掛用の凹部(34)をプラグの位置に対応させて形成すれば、蓋本体(30)の揺動端縁(32)が差込み状態のプラグに当たった場合でも、手掛用の凹部(34)がプラグに点当たりしないで、蓋本体(30)およびプラグが相互に傷付け合うことがなくなる。
【0015】
[4]項記載の車室内用電源の蓋装置では、
前記基部材(20)は、前記蓋本体(30)が前記開き位置に揺動した際に当接する全開ストッパ(25)を有し、前記全開ストッパ(25)に近接した位置には、前記基部材(20)を車体に取付けるための取付部(29)が配設されているので、蓋本体(30)が付勢力によりデットポイントから開き位置に揺動して全開ストッパ(25)に当接し、当接したときの衝撃荷重を、車体側への取付部(29)が受け止めるようになるが、このとき、取付部(29)が全開ストッパ(25)に近接した位置に配設されているため、衝撃荷重の伝わる経路が短くて済むから、その経路を剛性のあるものに設計し易くなり、また、当接したときの衝撃音が吸収しにくく、車室内に響いて同乗車が気が付き易くなり、例えば、子供が悪戯で、蓋本体(30)を繰り返し開き操作するのを防止することができる。
【0016】
[5]項記載の車室内用電源の蓋装置では、
前記基部材(20)は、前記蓋本体(30)が前記開き位置に揺動した際に当接する全開ストッパ(25)を有し、前記全開ストッパ(25)は、前記開き位置では前記蓋本体(30)が前記基部材(20)の出没用孔(26)の孔縁に接触不能に、かつ、前記開き位置にて前記蓋本体(30)に正規トルクを越える負荷が前記開き方向へかかった際に前記蓋本体(30)が前記基部材(20)の出没用孔(26)の孔縁に接触可能に配設されているので、通常の使用状態では、蓋本体(30)が基部材(20)の出没用孔(26)の孔縁に接触するようなことがなく、蓋本体(30)および出没用孔(26)の孔縁に傷付くことが防止される。また、蓋本体(30)に正規トルクを越える負荷が前記開き方向へかかった異常な使用状態では、蓋本体(30)が前記基部材(20)の出没用孔(26)の孔縁に接触するので、その負荷の大部分を出没用孔(26)の孔縁が確実に受け止めることができ、全開ストッパ(25)に過大な負荷がかかることが防止され、全開ストッパ(25)の損傷を防ぐことができる。
【0017】
[6]項記載の車室内用電源の蓋装置では、
前記基部材(20)の出没用孔(26)の下縁は、前記開き位置にある蓋本体(30)の裏面に沿って裏側へ延びる遮蔽片(26b)を有しているので、出没用孔(26)を通して、基部材(20)の裏側、しいては立壁の裏側が露見しにくくなり、裏側に配される異物が見にくく、外観品質を高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態を示している。
図1〜図3に示すように、車室立壁10には略矩形状の下孔11が開設されている。本蓋装置20aは、基部材20と蓋本体30とから成る。基部材20は下孔11に嵌装されており、基部材20の表面には略矩形状の挿通口21が開設されている。挿通口21の奥側には取付壁部22が形成され、取付壁部22にはソケット用の取付孔23が開設されている。取付壁部22の裏面側には一対の支持突起24aが形成され、各支持突起24aには、水平方向に突出する枢軸部24がそれぞれ形成されている。一方の支持突起24aには全開ストッパ25が一体的に形成されている。
【0019】
取付壁部22の上端部には出没用孔26が穿設されている。出没用孔26の上縁は、挿通口21の上縁に一致して形成されている。出没用孔26の上縁は、蓋本体30の揺動基端35が全開ストッパ25に当接した開き位置では蓋本体30が接触不能であるが、開き位置にて蓋本体30に正規トルクを越える過大な負荷が開き方向へかかった際に蓋本体30が撓んで接触可能な程度に蓋本体30に近接して形成されている。
【0020】
挿通口21の側縁および下縁には、挿通口21の内方へ一定幅で張り出した全閉ストッパ28が形成されている。
出没用孔26の下縁26aには遮蔽片26bが形成されている。遮蔽片26bは、開き位置にある蓋本体30に沿って裏側へ延設されている。また、基部材20の裏面側には一対の車体用の取付部29が立設され、一方の取付部29が、全開ストッパ25に近接した位置に配設されている。
【0021】
蓋本体30は、出没用孔26を通して基部材20の裏側へ没入して挿通口21を開いた開き位置と、表側へ突出して挿通口21を閉じた閉じ位置とに揺動可能に枢軸部24により枢支されている。蓋本体30は略U字状断面形に形成され、蓋本体30の揺動基端35側には枢支用孔33が穿設され、枢支用孔33が枢軸部24に回動可能に外嵌している。蓋本体30の揺動先端側には、出没用孔26を通して基部材20の表側へ延びていて、挿通口21を閉じるための略矩形状の蓋板31が形成されている。蓋板31の端縁である揺動端縁32には、車室内側へ凹入する手掛用の凹部34が形成されている。
【0022】
基部材20と蓋本体30の揺動基端35側とには巻ばね形状のターンオーバースプリング40の両端部がそれぞれ連結されている。ターンオーバースプリング40は、デットポイントを境にして蓋本体30の付勢域を開く方向と閉じる方向とに区分けするものである。付勢域の区分けにおいては、プラグの差込み状態における蓋本体30の作動域(蓋本体30の開き位置〜蓋本体30の揺動端縁32がプラグに当接する当接位置までの作動域)は、開く方向の付勢域内にあるように設定する。
蓋本体30は、開き位置ではその揺動基端35が全開ストッパ25に当接し、かつ、ターンオーバースプリング40により開き方向へ付勢されていて、揺動不能に開き位置に保持されている。
【0023】
次に、前記実施の形態の作用について説明する。
蓋本体30が出没用孔26を通って基部材20の裏側へ没入し、その揺動基端35が全開ストッパ25に当接した開き位置(図1にて想像線で示す位置および図4に示す位置)にあり、プラグがソケットに差込まれた状態にあるときに、蓋本体30の作動可能領域は、図6に示すように、ターンオーバースプリング40のデットポイントに達しないで、開き方向の付勢領域にあり、蓋本体30はターンオーバースプリング40によって開く方向(上向き)に付勢されている。
【0024】
この開き位置では、蓋本体30が基部材20の裏側へ没入していて、蓋本体30の揺動端縁32に形成される手掛用の凹部34が車室立壁10側へ引き寄せられているので、乗員が不注意から蓋本体30の揺動端縁32にぶつかりにくくなり、乗員の安全性が確保され、また、蓋本体30の破損を防止することができる。
仮に、乗員が誤って蓋本体30の揺動端縁32に触れ、蓋本体30に閉じ位置へ揺動する方向の力がかかった場合に、ターンオーバースプリング40の付勢領域が開き方向(上向き)にあるので、蓋本体30が開き位置に戻って、蓋本体30が差込み状態のプラグに当たらず、また、仮に蓋本体30がプラグに当たった際にも付勢力により蓋本体30が開き位置に即座に戻り、蓋本体30がプラグを押し続けるようなことがなく、プラグを押し曲げることが防止され、プラグがソケットから抜けにくくなる。
【0025】
また、図1および図5に示すように、手掛用の凹部34が差込み状態にあるプラグの外周形状に合わせて形成されており、蓋本体30の揺動端縁32が差込み状態のプラグに当接した場合でも、手掛用の凹部34がプラグに点当たりしないで、当接時の荷重がプラグの一点に集中しないで、プラグの外周に沿って分散するようになり、蓋本体30およびプラグが相互に傷付け合うことがなくなる。
【0026】
開き位置においては、図1にて想像線あるいは図3にて実線で示すように、蓋本体30は、車室内側に向かって下方へ傾斜した状態で保持されているので、乗員が誤って飲み物をこぼし、飲み物が蓋本体30にかかった場合に、飲み物が蓋本体30を伝わって車室内側の例えばフロアへ滴下し、飲み物が蓋本体30を伝わって車室立壁10の裏側へ回り込まない。
それにより、こぼれた飲み物の掃除が比較的容易になるとともに、こぼれた飲み物が、車室立壁10の裏側に配されるソケットなどに滴下しないので、ショートなどの事故を防止することができる。
【0027】
また、蓋本体30が開き位置に揺動したとき、また開き位置に保持されているときには、蓋本体30の蓋板31が基部材20の出没用孔26の上縁に接触するようなことがない。したがって、蓋本体30および出没用孔26の上縁に傷付くことが防止される。
この開き位置において、蓋本体30に正規トルクを越える過大な負荷が開き方向へかかった際に蓋本体30の蓋板31が撓んで基部材20の出没用孔26の上縁に接触するようになる。その負荷の大部分を出没用孔26の上縁が確実に受け止めることができ、全開ストッパ25に過大な負荷がそのままかかることがなく、全開ストッパ25の剛性を必要以上に高めなくとも、その損傷を防ぐことができる。
【0028】
さらに、開き位置においては、基部材20の出没用孔26の下縁26aは、蓋本体30の裏面に沿って裏側へ延びる遮蔽片26bを有しているので、出没用孔26を通して、基部材20の裏側、しいては車室立壁10の裏側が露見しにくくなり、車室立壁10の裏側に配される異物が見にくく、外観品質を高めることができる。
【0029】
プラグを挿通口21を通して車室内側へ抜き、蓋本体30をターンオーバースプリング40の付勢力に抗して開き位置からデットポイントに向けて揺動していくと、蓋本体30が出没用孔26を通して表側へ突出していき、やがてデットポイントを通過し、付勢力が閉じ方向(下向き)に切り替わる。切り替わった付勢力により、蓋本体30が自動的に閉じ位置へ揺動する。蓋本体30が閉じ位置に揺動すると、蓋板31が全閉ストッパ28に当接する。蓋本体30が閉じ方向へ付勢されているので、蓋本体30は閉じ位置にガタつくことなく保持される。
【0030】
基部材20の挿通口21を開き状態にして電源を使用するには、閉じ位置にある蓋本体30を付勢力に抗して開き方向へ揺動すればよい。
【0031】
このとき、蓋本体30の揺動端縁32に車室内側へ凹入する手掛用の凹部34が形成されているので、蓋本体30の揺動端縁32に手を掛け易くなる。手掛用の凹部34に手を掛けて、蓋本体30をターンオーバースプリング40の付勢力に抗して開いていくと、やがて、ターンオーバースプリング40のデットポイントを超えて、ターンオーバースプリング40の付勢力が開き方向(上向き)に切り替わり、蓋本体30が付勢力により開き方向へ揺動する。
【0032】
蓋本体30が開き位置に揺動し、蓋本体30の揺動基端35が全開ストッパ25に当接すると、全開ストッパ25に当接時の衝撃荷重がかかる。この衝撃荷重は、全開ストッパ25周縁に伝わるが、全開ストッパ25に近接した位置に配された車体用の取付部29が主に受け止めるようになる。また、当接時の衝撃荷重は、全開ストッパ25周縁では十分に吸収されずに、取付部29に伝わるようになるので、その一部は衝撃音となって取付部29を介して車室内に響くようになる。それにより、例えば、子供が悪戯で、蓋本体30を繰り返し開き操作する際の衝撃音を同乗車が容易に気付くことができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明にかかる車室内用電源の蓋装置によれば、開き位置において、蓋本体を車室立壁の裏側へ没入させ、乗員がぶつかって蓋部材が破損するのを防止することができるとともに、プラグの差込み状態における蓋本体の作動領域を、開く方向の付勢領域内に設定したので、蓋本体が差込み状態のプラグを押し続けないでプラグを押し曲げるおそれがなく、プラグがソケットから外れ易くなる要因を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す車室内用電源の蓋装置の側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す車室内用電源の蓋装置の斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す車室内用電源の蓋装置の側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態を示す車室内用電源の蓋装置の正面図である。
【図5】本発明の一実施の形態を示す車室内用電源の蓋装置の正面図である。
【図6】本発明の一実施の形態を示す車室内用電源の蓋装置の作用説明図である。
【符号の説明】
10…車室立壁
11…下孔
20a…蓋装置
20…基部材
21…挿通口
22…取付壁部
25…全開ストッパ
26…出没用孔
26b…遮蔽片
28…全閉ストッパ
29…取付部
30…蓋本体
31…蓋板
33…枢支用孔
34…手掛用の凹部
40…ターンオーバースプリング
Claims (6)
- 車室立壁に設けられたプラグ用の挿通口を車室内側から覆うための車室内用電源の蓋装置において、
前記蓋装置は、車室立壁に固定される基部材と蓋本体とから成り、
前記蓋本体は、一辺を短くした略U字状断面形に形成され、該略U字状断面形の長辺部位がプラグ用の挿通口を車室内側から覆う蓋板をなしており、前記基部材に穿設された出没用孔を通して、前記基部材の裏側を中心にして該裏側へ没入して前記挿通口を開いた開き位置と、表側へ突出して前記挿通口を閉じた閉じ位置とに揺動可能に一辺を短くした略U字状断面形の短辺部位の先端が枢支されており、
前記蓋本体はターンオーバースプリングによってデットポイントを境にしてその付勢域を開く方向と閉じる方向とに区分けされ、前記プラグの差込み状態における蓋本体の作動域は、前記開く方向の付勢域内にあり、
前記ターンオーバースプリングは前記基部材の裏側に配され、巻きばね形状であり、その両端部が前記基部材と蓋本体の揺動基端とにそれぞれ連結されていることを特徴とする車室内用電源の蓋装置。 - 車室立壁に開設されたプラグ用の挿通口を車室内側から覆うための車室内用電源の蓋装置において、
前記蓋装置は、車室立壁に固定される基部材と蓋本体とから成り、
前記蓋本体は、一辺を短くした略U字状断面形に形成され、該略U字状断面形の長辺部位がプラグ用の挿通口を車室内側から覆う蓋板をなしており、前記基部材に穿設された出没用孔を通して、前記基部材の裏側を中心にして該裏側へ没入して前記挿通口を開いた開き位置と、表側へ突出して前記挿通口を閉じた閉じ位置とに揺動可能に一辺を短くした略U字状断面形の短辺部位の先端が枢支されており、
前記蓋本体はターンオーバースプリングによってデットポイントを境にしてその付勢域を開く方向と閉じる方向とに区分けされ、前記プラグの差込み状態における蓋本体の作動域は、前記開く方向の付勢域内にあり、
前記ターンオーバースプリングは前記基部材の裏側に配され、巻きばね形状であり、その両端部が前記基部材と蓋本体の揺動基端とにそれぞれ連結され、
前記蓋本体は、前記開き位置では車室内側に向かって下方へ傾斜した状態で保持されていることを特徴とする車室内用電源の蓋装置。 - 前記蓋本体の揺動端縁は、車室内側へ凹入する手掛用の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の車室内用電源の蓋装置。
- 前記基部材は、前記蓋本体が前記開き位置に揺動した際に当接する全開ストッパを有し、
前記全開ストッパに近接した位置には、前記基部材を車体に取付けるための取付部が配設されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の車室内用電源の蓋装置。 - 前記基部材は、前記蓋本体が前記開き位置に揺動した際に当接する全開ストッパを有し、
前記全開ストッパは、前記開き位置では前記蓋本体が前記基部材の出没用孔の孔縁に接触不能に、かつ、前記開き位置にて前記蓋本体に正規トルクを越える負荷が前記開き方向へかかった際に前記蓋本体が前記基部材の出没用孔の孔縁に接触可能に配設されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の車室内用電源の蓋装置。 - 前記基部材の出没用孔の下縁は、前記開き位置にある蓋本体の裏面に沿って裏側へ延びる遮蔽片を有していることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の車室内用電源の蓋装置。
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1996
- 1996-10-30 JP JP28796696A patent/JP3625964B2/ja not_active Expired - Fee Related
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