JP3625861B2 - ロール状物の表皮切断装置 - Google Patents
ロール状物の表皮切断装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3625861B2 JP3625861B2 JP19781694A JP19781694A JP3625861B2 JP 3625861 B2 JP3625861 B2 JP 3625861B2 JP 19781694 A JP19781694 A JP 19781694A JP 19781694 A JP19781694 A JP 19781694A JP 3625861 B2 JP3625861 B2 JP 3625861B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- cutting
- skin
- spatula
- roll paper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Control And Other Processes For Unpacking Of Materials (AREA)
- Replacement Of Web Rolls (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ロール状物の表皮を軸線方向に切断するためのロール状物の表皮切断装置に関する。ここで、ロール状物とは、主として輪転印刷機に使われているロール紙であるが、それ以外にも、プラスチック、紙、金属、木等の素材、又はこれらの複合物より成るロール状物であってもよい。また、表皮とは、梱包材や表層本紙等のロール状物の表層にある材料であり、その梱包材としては、クラフト紙、板紙、プラスチックシート等の種々の梱包材が含まれる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、輪転印刷機に使われるロール紙は、クラフト紙、板紙、塩化ビニール樹脂シート等の梱包材により周面及び端面が覆われた状態で運搬されている。そして、この梱包されたロール紙を輪転印刷機にかけるには、先ず、ロール紙の両端面部の梱包材を除去し、次いで周面部の梱包材を除去し、その後、ロール紙から表層の本紙を繰り出し、その先端を適当な形(例えば、V字状)にカットして紙端を形成し、その紙端に粘着層を形成し、その後、その紙端をロール紙上に巻き戻し、ロール紙表面にほぐれ止めタブを用いて仮止めするという紙継ぎのための仕立てを行っている。
【0003】
本出願人は、これらの仕立て動作のうち、端面部の梱包材を除去した後の工程を自動化した装置を開発し特許出願した(特開平4−44940号公報参照)。この装置において、ロール紙の周面部の梱包材を除去するには、図10、図11に示すように、端面の梱包材を除去した後のロール紙1の周面の梱包材2及び表層本紙(ロール紙の表面の1〜数枚の本紙)1aを、ロール紙1の軸線方向にずらせ、次いで楔状切開具3をロール紙1の端部外周面に押し付け、その後、図12に示すように、その楔状切開具3をロール紙1の外周面に押し付けた状態で軸線方向に移動させて、梱包材2及び表層本紙1aを含む表皮4を全幅に渡って切開し、次いで、ロール紙1を回転させて、切開した表皮4を除去し、ロール紙の先端部分を繰り出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる従来の装置では、楔状切開具3をロール紙外周面に押し付けて移動させ、表皮4を切開する際に、楔状切開具3の刃先が途中で切開中の表層本紙1aや梱包材2から上方に飛び出して切開不良を生じるとか、逆に切開中の表層本紙1aの内側の方に突き刺さって、内側の本紙を傷つけてしまう等の問題が発生することが判明した。これらの原因を検討したところ、ロール紙の外周面には小さな凹凸が生じている場合が多く、その凹凸に楔状切開具3が突き刺さることによって、上述の問題が生じていた。また、ロール紙1は寸法精度が悪いため、そのロール紙1の外周面に楔状切開具3を押し付けた時、その楔状切開具3の底面に対してロール紙の外周面がわずかではあるが傾斜する場合が多く、この状態で楔状切開具3をロール紙1に沿って移動させることによっても、楔状切開具3が表皮4を突き破ったり、その内側に突き刺さる等の現象が生じ、上述の問題となっていた。
【0005】
更に、上記した従来技術では、楔状切開具3による切開を行う前に、ロール紙1の周面の、切断すべき表皮4をロール紙1の軸線方向にずらすが、この時にロール紙外周面にしわを生じ、楔状切開具3がしわの部分に突き刺さることがあった。また、ずらすための動作及び時間を必要とするという問題もあった。
【0006】
本発明はかかる従来の問題点を解決すべくなされたもので、ロール紙等のロール状物から、その外周面の梱包材や表層本紙等の表皮を、確実に且つその内側の本紙等を傷つけることなく切断することの可能なロール状物の表皮切断装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、表皮を切断するに際し、その表皮をロール状物の軸線方向にずらすことなく、良好に切断可能なロール状物の表皮切断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべくなされた本発明は、所定位置にセットされたロール状物の表皮を軸線方向に切断するための切断装置であって、切断ヘッドと、該切断ヘッドを保持して前記ロール状物の軸線に平行方向に移動するキャリジと、前記切断ヘッドが前記ロール状物に対して半径方向の所定位置となるように、前記切断ヘッドとロール状物とを相対的に位置決めする半径方向位置決め手段とを備え、前記切断ヘッドが、フレームと、このフレームに、前記ロール状物の半径方向に移動可能に保持されたスライドユニットと、該スライドユニットに取り付けられ、ロール状物の表皮を端面から切断する際に、該表皮をすくい上げるへらと、該スライドユニットに取り付けられ、前記へらがすくい上げた表皮を切断する回転刃と、前記スライドユニットを前記フレームに対して、前記スライドユニットの前記フレームに対する移動可能範囲の中間領域内に設定した一定の位置に固定することができると共にその固定を解除可能なクランプ装置とを有することを特徴とするロール状物の表皮切断装置を要旨とする。
【0009】
【作用】
本発明は上記構成であるので、クランプ装置がスライドユニットをフレームに対して移動可能範囲の中間領域内に設定した一定の位置に固定した状態で、前記半径方向位置決め装置によって前記切断ヘッドをロール状物の端面に対向する位置で且つ半径方向の所定位置に位置決めすると、切断ヘッドのへらがロール状物に対して半径方向の所定位置に位置決めされ、次いでキャリジをロール状物の軸線に対して平行に移動させると、切断ヘッドのへらが、ロール状物の切断すべき表皮の内側に挿入され、表皮をすくい上げながら移動し、回転刃がその表皮を切断してゆく。この際、このへらの先端部分がロール状物に挿入された時点でクランプ装置を解除し、スライドユニットをフレームに対して移動可能とする。これにより、スライドユニットに保持されているへらはスライドユニットと共に、ロール状物の半径方向外方及び内方のいずれにも自在に移動可能となるので、ロール状物の切断すべき表皮の内側に挿入されたへらは、ロール状物の凹凸に追従して半径方向内外方に移動でき、確実に表皮をすくい上げて回転刃に送り込み、切断させる。かくして、へらが表皮を突き破って外部に飛び出すとか、その内側に突き刺さるということがなく、表皮を確実にその内側の本紙等から分離して切断することが可能であり、且つその内側の本紙等を傷つけることもない。この際、へらと回転刃とはスライドユニットに保持されているので、へらがロール状物の凹凸に追従して半径方向内外方に移動した際にも、へらと回転刃とのギャップは常に一定に保たれており、表皮を常に良好に切断できる。また、へらをロール状物の端面から切断すべき表皮の内側に差し込むことにより、切断すべき表皮を分離できるので、従来行っていたような、表皮を軸線方向にずらせるという作業が不要となる。
【0010】
ここで、表皮をすくい上げるへらの先端に、厚さが0.5〜1.2mmで、長さが3〜8mmの平坦な部分を形成しておくと、その薄い平坦な部分が表皮とその内側の本紙等の間を良好に進行し、しかも、その平坦な部分がしなることによって、ロール状物にある小さい凹凸にも良好に追従することができ、表皮やその内側の本紙等を傷つけることを一層防止できる。
【0011】
また、前記表皮をすくい上げるへらの底面を、先端から20〜50mmの範囲内に渡って平坦な形状としておくと、そのへらをロール状物の凹凸に一層良好に追従させて移動させることが可能となり、表皮やその内側の本紙を傷つけることを一層防止できる。
【0012】
更に、そのへらを合成樹脂やゴム等の軟質材で作ると、へらで表皮をすくい上げる際に、表皮やその内側の本紙を傷つけることを一層防止できる。
【0013】
【実施例】
以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説明する。図1は本発明の一実施例によるロール状物の表皮切断装置の概略平面図であり、10はその表皮切断装置全体を示している。なお、この実施例の表皮切断装置10は、特開平4−44940号公報に開示されているような仕立て装置(図示せず)に設けられ、端面の梱包材を除去した後のロール紙1(ロール状物)から、外周面の梱包材2及び表層本紙1aからなる表皮4を切断するために使用されている。6は、ロール紙1を回転可能に保持し、表皮切断装置10による切断に適した所定位置に位置決め可能なチャッキングアームである。
【0014】
表皮切断装置10は、表皮切断のための切断ヘッド12と、その切断ヘッド12を保持して、チャッキングアーム6に保持されたロール紙1の軸線に平行方向に移動するキャリジ14を備えている。このキャリジ14はロール紙1の軸線に平行に設けられているガイドロッド15に移動可能に保持されると共に駆動チェーン16に連結されており、駆動チェーン16によって左右に往復動可能である。キャリジ14と駆動チェーン16の接続部には、表皮切断時に駆動チェーン16に作用する張力を検出するためのロードセル等の荷重検出手段17が取り付けられており、切断時に切断不良等によってキャリジ14を移動させるための負荷が変化した時にそれを検出可能としている。
【0015】
キャリジ14は、スライドベアリング19を介して一対のガイドロッド20を、所定位置にセットされたロール紙1に対して半径方向に移動可能に保持しており、そのガイドロッド20の先端に切断ヘッド12が取り付けられている。また、キャリジ14は切断ヘッド12に連結された電動シリンダ22も保持している。かくして、電動シリンダ22によって、切断ヘッド12をロール紙1に対して半径方向に移動させることができると共に任意の位置に停止させ、その位置に保持することができる。この電動シリンダ22、ガイドロッド20、スライドベアリング19等は、前記キャリジに設けられ、前記切断ヘッドをロール状物に対して半径方向に移動させるヘッド移動装置を構成する。切断ヘッド12には、切断ヘッド12のロール紙外周面に対する半径方向の位置を検出する検出手段として、ロール紙1の外周面に接触してロール紙の外周面位置を検出するロール紙位置検出センサ24が設けられている。かくして、このロール紙位置検出センサ24からの信号に基づいて電動シリンダ22を制御することで、切断ヘッド12をロール紙1に対して半径方向の所定位置となるように位置決めすることができる。すなわち、これらのヘッド移動装置及び検出手段は、前記切断ヘッドが前記ロール状物に対して半径方向の所定位置となるように、前記切断ヘッドとロール状物とを相対的に位置決めする半径方向位置決め手段を構成する。なお、この半径方向位置決め手段としては、必ずしも切断ヘッド12側をロール紙1の半径方向に移動させる構成とする必要はなく、ロール紙1を移動させることによって位置決めを行う構成としてもよい。ただし、図示実施例のように、切断ヘッド12を移動させて位置決めを行う方が、位置決めが容易であり、またロール紙1を、表皮を切断した後の工程に対して所望の位置に位置決めしておけるので好ましい。
【0016】
切断ヘッド12は、図2〜図6にも示すように、ガイドロッド20に固定されたフレーム26と、このフレーム26にガイドロッド20に平行に、従ってロール紙1の半径方向に取り付けられたガイドロッド27と、そのガイドロッド27に移動可能に保持されたスライドユニット28を備えている。スライドユニット28は、ガイドロッド27にスライドベアリング29を介して移動可能に保持されたスライドブロック31と、そのスライドブロック31にピン32によって回動可能に取り付けられたへら取付具33と、その一端に固定されたへら34とを備えている。このへら34は、切断ヘッド12をロール紙1に対して軸線方向に平行に移動させた時に、ロール紙1の端面から切断すべき表皮4(梱包材2及び表層本紙1a)の下に差し込まれ、その表皮4をすくい上げるためのものであり、先端がロール紙1の端面を向き且つロール紙1の軸線に平行となるように、配置されている。前記したピン32は、へら34のロール紙1に対する進入角度を調整するために設けられている。更に、へら取付具33の裏面にはその上端中央に垂直壁33aが設けられており、その両側にはスライドブロック31に取り付けられた調整ボルト36が押し付けられている。この調整ボルト36によって、へら取付具33をピン32を中心として微小角度回転させ、へら34をロール紙1の軸線に対して正確に平行となるように調整できる。
【0017】
へら34は、図7〜図9に示す形状のものであり、先端に薄い平坦な部分34aを有し、その後ろに表皮をすくい上げるための傾斜した案内面34bと、平坦な底面34cを備えている。平坦な部分34aは、へら34がロール紙の中を進行する際に、そのロール紙にある凹凸に追従してしなることができるように設けたもので、通常、厚さが0.5〜1.2mmで、長さが3〜8mmに選択される。また、その平坦な部分34aの先端はロール紙を傷つけることがないよう、面取りしている。平坦な底面34cも、へら34がロール紙の中を進行する際に、そのロール紙にある凹凸に追従しながら安定して移動できるように設けたものであり、通常20〜50mmの長さに作られる。この長さは短すぎるとロール紙の凹凸に対する追従性が悪くなり、長くなるとロール紙に対する摩擦抵抗が大きくなって好ましくなく、上記の範囲が好適である。案内面34bの中央には後述する回転刃の入る溝34dが形成されている。へら34は、通常、ナイロン等の合成樹脂、或いはゴム等の軟質材で作られるが、場合によっては金属を用いてもよい。ただし、軟質材を用いると、適度な弾性を有することから、ロール紙の凹凸に良好に追従して移動すると共にロール紙を傷つけることがほとんどなく好ましい。また、ナイロン等の合成樹脂はロール紙に対する摩擦抵抗が小さく、この点からも好ましい。
【0018】
図1〜図6において、スライドブロック31は、ガイドロッド27に平行にガイドロッド37を保持しており、そのガイドロッド37にはギヤボックス38が移動可能に保持されている。更に、スライドブロック31は、そのギヤボックス38に連結されたマイクロメータヘッド39を保持しており、このマイクロメータヘッド39によってギヤボックス38をスライドブロック31に対して固定すると共にその位置を微調整可能としている。従って、通常、ギヤボックス38はスライドブロック31と一体となってガイドロッド27に沿って移動可能であり、スライドユニット28の一部を構成している。このギヤボックス38の出力軸には、へら34に形成している溝34d(図5参照)内に位置するように回転刃40が取り付けられ、また、入力軸には軸方向の距離を変更可能な継手41を介して、フレーム26に保持された駆動モータ42が連結されている。かくして、スライドブロック31とギヤボックス38とが一体となってガイドロッド27に沿って移動した際にも、支障なく回転刃40を駆動モータ42で回転駆動することができ、また、その移動の際、スライドブロック31に取り付けられたへら34とギヤボックス38に取り付けられた回転刃40とのギャップは常に一定に保たれている。へら34と回転刃40とのギャップは表皮切断時の切れ味に重要な要因となるが、本実施例では、マイクロメータヘッド39によってこのギャップを微調整することが可能であり、切れ味の良い条件設定を行うことができる。
【0019】
スライドブロック31には更に、そのスライドブロック31を移動可能に保持しているガイドロッド27に対して直角方向にクランプ用ピン45が取り付けられており、フレーム26にはそのクランプ用ピン45をクランプする一対のクランプ爪47a、47bを備えたクランプ装置47が取り付けられている。このクランプ装置47は、一対のクランプ爪47a、47bをガイドロッド27と平行方向に且つ対称に開閉することにより、クランプ用ピン45をクランプしうる構成のものであり、一対のクランプ爪47a、47bを開くことにより、スライドユニット28をガイドロッド27に沿って移動自在とするが、その一対のクランプ爪47a、47bを閉じることにより、スライドユニット28をガイドロッド27に沿った方向の一定の位置にすなわちスライドユニット28のフレーム26に対する移動可能範囲の中間領域内に設定した一定の位置に固定することができる。
【0020】
次に、上記構成の表皮切断装置10による動作を説明する。なお、以下の動作はシーケンサー(図示せず)によって自動的に行われるものである。図1において、両端の梱包材を除去した後のロール紙1が送られて来ると、チャッキングアーム6がそのロール紙1を保持して上昇し、表皮切断装置10による切断作業のための所定位置にセットする。この時、表皮切断装置10の切断ヘッド12は、ロール紙1の端面近傍で且つその外周から少し離れた位置に待機している。また、クランプ装置47は、クランプ用ピン45をクランプしており、従って、スライドユニット28及びへら34はフレーム26に対する一定の位置に固定されている。
【0021】
次に、電動シリンダ22が作動して切断ヘッド12をロール紙1の方向に前進させる。切断ヘッド12が前進すると、その切断ヘッド12に設けているロール紙位置検出センサ24がロール紙1の外周面に突き当たり、ロール紙1の外周面の半径方向の位置を検出する。ここで使用されているロール紙位置検出センサ24は変位センサであって、切断ヘッド12が行き過ぎた場合は、どれだけ行き過ぎているのかが分かるようになっている。
【0022】
シーケンサーには予め切断深さ(表皮4として切断除去する包装材2及び表層本紙1aの厚さ)が入力されており、シーケンサーは、ロール紙位置検出センサ24からの信号に基づいて電動シリンダ22を制御し、切断ヘッド12をへら34の先端がロール紙1に対する半径方向の所望の位置となるように位置決めする。
【0023】
その後、駆動チェーン16が図1で矢印X方向に走行し、キャリジ14を矢印X方向に移動させる。この移動により、切断ヘッド12もロール紙1の端面に向かって移動し、へら34の先端がロール紙1の端面の、切断すべき表皮4の内側に食い込んで行き、表皮4をすくい上げ、回転刃40がその表皮を切断してゆく。このへら34が、適当な長さだけ、例えば平坦な底面34cに相当する長さだけロール紙1内に食い込んだ時点で、クランプ装置47が解除され、図6に示すように、へら34及び回転刃40を保持したスライドユニット28がガイドロッド27に沿って移動自在となり、この状態で切断ヘッド12がロール紙1に沿って移動し、表皮4を切り開いてゆく。ここで、ロール紙1の表面部分には1mm程度の凹凸があるが、そのロール紙1内を進行するへら34はロール紙1の半径方向に移動自在となっているので、ロール紙1の凹凸に良好に追従することが可能であり、表皮4を良好にすくい上げて回転刃に送り込み、切断させることができる。また、へら34は先端にたわみやすい平坦な部分34aを有しているので、その平坦な部分がしなってロール紙1の凹凸に良好に追従でき、また、へら34の平坦な底面34cが、表皮の内側のロール紙に安定して接触することでロール紙1の凹凸に良好に追従でき、結局へら34の先端が表皮4或いはその内側のロール紙に突き刺さって傷つけるということがほとんど生じない。
【0024】
このようにして、ロール紙1に凹凸があっても、へら34がロール紙1の切開すべき表皮4とその下のロール紙との間を良好に進行し、表皮4のみをすくい上げ、回転刃40で切断してゆく。この際、万一切断を失敗した場合には、キャリジ14の移動時の抵抗が増大するため、荷重検出手段17がその抵抗の増大を検出し、キャリジ14を元の位置に戻してへら34をロール紙1から引き抜き、再度切断動作を繰り返す。
【0025】
切断ヘッド12がロール紙1の全幅に渡って移動し、表皮4を全幅に渡って切断した後は、クランプ装置47が作動してスライドユニット28をフレーム26に対する一定位置に固定し、電動シリンダ22が切断ヘッド12をロール紙1の半径方向外方に戻し、キャリジ14が元の待機位置(図1に示す位置)に戻り、次の動作に備える。一方、表皮4を切断した後のロール紙1では、特開平4−44940号公報に開示されている装置と同様に、仕立て動作が行われる。
【0026】
なお、上記実施例では本発明の表皮切断装置を、ロール紙の仕立て装置に組み込んだ場合を例にとって説明したが、本発明はこの場合に限定されず、表皮切断のみを行う装置としてもよい。更に、上記実施例では、切断すべき表皮が、梱包材2と表層本紙1aとを含んでいるが、これに限らず、梱包材のみを表皮としてもよいし、梱包材を除去した後のロール紙において、表層本紙のみを表皮としてもよい。更には、本発明で表皮切断の対象とするものは、ロール紙に限らず、他のロール状物であってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の表皮切断装置によれば、切断ヘッドをロール紙等のロール状物の端面に面する位置で、半径方向の所定位置に位置決めし、その切断ヘッドをロール状物の軸線に平行に移動させることで、へらを切断すべき表皮の下にさし込み、そのへらで表皮をすくい上げ、回転刃で切断してゆくことができ、しかもその際、へら及び回転刃を保持したスライドユニットをロール状物の半径方向に移動自在としたことにより、へらがロール状物の凹凸に追従して移動でき、表皮を確実にすくい上げて切断することができると共に、その内側の本紙等を傷つけることがなく、しかも、従来行っていたような、表皮を軸線方向にずらせるという作業が不要となり、工程を簡略化できる等の種々な効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるロール状物の表皮切断装置の概略平面図
【図2】上記実施例における切断ヘッドの概略平面図
【図3】図2に示す切断ヘッドを矢印A−A方向に見た概略断面図
【図4】図2に示す切断ヘッドを矢印B−B方向に見た概略断面図
【図5】図2に示す切断ヘッドの一部をクランプ装置側から見た概略側面図
【図6】上記実施例の切断ヘッドの一部を、表皮切断中の状態で示す概略平面図
【図7】上記実施例に用いているへらの概略上面図
【図8】そのへらの概略側面図
【図9】そのへらの概略正面図
【図10】従来方法によってロール紙の梱包材及び表層本紙を切断する前の状態を示す概略斜視図
【図11】図10と同じ状態を示す概略断面図
【図12】従来方法によってロール紙の梱包材及び表層本紙を切断する状態を示す概略斜視図
【符号の説明】
1 ロール紙
1a 表層本紙
2 梱包材
4 表皮
6 チャッキングアーム
10 表皮切断装置
12 切断ヘッド
14 キャリジ
16 駆動チェーン
20 ガイドロッド
22 電動シリンダ
26 フレーム
27 ガイドロッド
28 スライドユニット
31 スライドブロック
33 へら取付具
34 へら
40 回転刃
42 駆動モータ
45 クランプ用ピン
47 クランプ装置
47a、47b クランプ爪
Claims (5)
- 所定位置にセットされたロール状物の表皮を軸線方向に切断するための切断装置であって、切断ヘッドと、該切断ヘッドを保持して前記ロール状物の軸線に平行方向に移動するキャリジと、前記切断ヘッドが前記ロール状物に対して半径方向の所定位置となるように、前記切断ヘッドとロール状物とを相対的に位置決めする半径方向位置決め手段とを備え、前記切断ヘッドが、フレームと、このフレームに、前記ロール状物の半径方向に移動可能に保持されたスライドユニットと、該スライドユニットに取り付けられ、ロール状物の表皮を端面から切断する際に、該表皮をすくい上げるへらと、該スライドユニットに取り付けられ、前記へらがすくい上げた表皮を切断する回転刃と、前記スライドユニットを前記フレームに対して、前記スライドユニットの前記フレームに対する移動可能範囲の中間領域内に設定した一定の位置に固定することができると共にその固定を解除可能なクランプ装置とを有することを特徴とするロール状物の表皮切断装置。
- 前記表皮をすくい上げるへらが先端に、厚さが0.5〜1.2mmで、長さが3〜8mmの平坦な部分を有していることを特徴とする請求項1記載のロール状物の表皮切断装置。
- 前記表皮をすくい上げるへらの底面が、先端から20〜50mmの範囲内に渡って平坦な形状となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロール状物の表皮切断装置。
- 前記表皮をすくい上げるへらが軟質材で作られていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のロール状物の表皮切断装置。
- 前記半径方向位置決め装置が、前記キャリジに設けられ、前記切断ヘッドをロール状物に対して半径方向に移動させるヘッド移動装置と、前記切断ヘッドのロール状物の外周面に対する半径方向の位置を検出する検出手段を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のロール状物の表皮切断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19781694A JP3625861B2 (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | ロール状物の表皮切断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19781694A JP3625861B2 (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | ロール状物の表皮切断装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0840426A JPH0840426A (ja) | 1996-02-13 |
JP3625861B2 true JP3625861B2 (ja) | 2005-03-02 |
Family
ID=16380825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19781694A Expired - Lifetime JP3625861B2 (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | ロール状物の表皮切断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3625861B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4508303B2 (ja) * | 1998-11-17 | 2010-07-21 | 大日本印刷株式会社 | 巻取表皮切断装置 |
JP4587600B2 (ja) * | 2001-05-28 | 2010-11-24 | 大日本印刷株式会社 | ロール状物の表皮切断装置 |
JP6797191B2 (ja) | 2016-04-18 | 2020-12-09 | 株式会社瑞光 | 原反ロールの表皮の除去方法およびシステム |
CN109070373B (zh) | 2016-04-18 | 2020-10-30 | 株式会社瑞光 | 坯料卷的表皮的切断方法以及装置 |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP19781694A patent/JP3625861B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0840426A (ja) | 1996-02-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
FI63919B (fi) | Dubbelbaervals-lindningsmaskin | |
EP0780331B1 (en) | Apparatus for aligning webs | |
FI74063B (fi) | Foerfarande foer att foerena aendan av en foersta bana och aendan av en andra bana med varandra och anordning foer att utfoera foerfarandet. | |
US4284463A (en) | Web preparation apparatus | |
CA2127180C (en) | Automatic roll wrapper removing apparatus and method | |
PT1008543E (pt) | Aparelho e metodo para formar uma emenda numa folha continua de papel | |
JP3625861B2 (ja) | ロール状物の表皮切断装置 | |
CN111532843A (zh) | 材料卷准备组件 | |
EP0166884B1 (en) | Method and apparatus for splicing successive web rolls | |
US20070170293A1 (en) | Method for unpacking a paper reel and device for carrying out the method | |
JP3774486B2 (ja) | ロール状物の表皮切断装置 | |
FI83402B (fi) | Skaeranordning foer pappersbana. | |
JPH10129636A (ja) | ロール紙の表皮切断装置 | |
KR102218418B1 (ko) | 스트립 처리 장치 | |
JPH0840427A (ja) | ロール状物の表皮切断装置 | |
JPH0715751Y2 (ja) | 包装用積層フィルムのスリッター装置 | |
GB2196940A (en) | Stationary splicing of paper webs | |
JP2749358B2 (ja) | ロール梱包物の端面部除去方法および装置 | |
KR0151610B1 (ko) | 제대기에서의 원지공급 장치 | |
JPH0930521A (ja) | ロール状物の表皮切断装置 | |
JP3504767B2 (ja) | 巻取紙表皮切断装置 | |
JP2520047Y2 (ja) | シート状物の切断装置 | |
JPH09165023A (ja) | ロール状物の表皮切断装置 | |
JPS5940689B2 (ja) | 紙入れ装置 | |
JPS6216312Y2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040616 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040622 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040817 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041201 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081210 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091210 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091210 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101210 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111210 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121210 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121210 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210 Year of fee payment: 9 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |