JP3625678B2 - グラビア彫刻装置における彫刻ヘッド - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、彫刻信号に応じて振動させた彫刻針によりグラビア印刷版上にセルを彫刻するグラビア彫刻装置の彫刻ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
グラビアシリンダーにセルと呼ばれる微小な凹部を形成するための装置の一つとして、グラビア彫刻装置がある。このグラビア彫刻装置は、前記グラビアシリンダーの表面を振動する彫刻針により機械的に彫刻して前記セルを形成するものであって、画像の濃淡に応じて前記彫刻針の振動量を増減させることで前記セルのボリューム(セルの深さと幅)を制御することができる彫刻ヘッドを有する。
【0003】
上記従来のグラビア彫刻装置の彫刻ヘッドは、図3に示すような構造をしている。この従来の彫刻ヘッドでは、まずベース101に一端を固定し、その軸芯を中心にして、ねじれ振動可能なシャフト102が備えられている。そしてシャフト102の自由端側にはダイヤモンドバイトなどの彫刻針103を備えたスタイラス104が固設され、シャフト102の中間部には、磁性材料からなる菱形柱状のロータ105が固設されている。
【0004】
このロータ105には図のようにコイル106が巻回するように配置されている。ここでコイル106は図示しない手段により固定されており、コイル106の巻線内部の空間内にてロータ105が非接触で回動するように配置されている。また、前記ロータ105を近接して挟み込むように、複数の磁性材料が積層されたステータ107が設けられている。そしてステータ107には磁力を与えるための永久磁石108が固設されている。なおコイル106がロータ105に対し直接巻き付けられていないのは、ロータ105の重量を極力軽くして彫刻ヘッドの応答性を高めるためである。
【0005】
この従来の彫刻ヘッドでは、前記コイル106に対し画像の濃淡に応じた彫刻信号を加えると、彫刻信号の指令電圧に応じて前記コイル106内のロータ105に磁束が生じる。この磁力により前記ロータ105は前記ステータ107に対して回動し、このロータ105の駆動により前記シャフト102がねじり振動して前記彫刻針103が振動する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記彫刻ヘッドでは、コイル106によってロータ105を回動するようにしている。しかしながら前記コイル106は固定されているためロータ105が回動すると、コイル106内での磁束の方向が僅かながら変化する。この角度の変化にともないコイル106の軸線方向を流れる磁束量が変化し、コイル106に起電力が生じる。これによりコイル106のインピーダンスが変化する。このような現象によりコイル106に流れる電流値が不安定になり、結果、セルの大きさが僅かではあるが変動するという不具合が発生した。この問題はロータ105の回転量を多くするために前記彫刻ヘッドを共振周波数近傍で駆動する場合に顕著であり、特にロータ105の回転量が大きい彫刻の場合にセル幅の変動が大きい傾向にあった。
【0007】
一方、前記コイル106の回動による起電力の発生は、画像の濃淡が急激に変化するようなステップ状の指令電圧を印加したときにも顕著である。すなわちステップ状の指令電圧を印加すると、その指令電圧の差分に基づいてコイル106上にロータ105の回動を制動する方向に起電力が発生することがあるため、結果、ロータ105の応答性が悪くなるという問題もあった。このため画像濃度が急激に変化する画像の輪郭部や文字等のエッジ部において、シャープ性が損なわれる。
【0008】
本発明では、上記課題を解決して、セル幅の変動が少なく、画像の輪郭部や文字のエッジ部がシャープに表現できるような彫刻ヘッドを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、彫刻信号に応じて振動させた彫刻針によりグラビア印刷版上にセルを彫刻するグラビア彫刻装置における彫刻ヘッドであって、少なくとも一端が固定部に固定され、ねじり振動が可能なシャフトと、前記シャフトに固設され、前記シャフトのねじり振動にともない振動する彫刻針手段と、前記シャフトに固設された磁性材料からなるロータと、前記ロータを挟み込むように近接して配置された磁性材料からなる1組のステータと、前記ステータに対し一定方向に磁界を与える磁石手段と、前記ステータに対し、互いに逆方向の磁界を印加するように巻き付けられた1組のコイルと、からなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る彫刻ヘッドを模式的に示した斜視図である。
図において、彫刻ヘッドは、まずベース1に一端を固定し、その軸芯を中心にして、ねじれ振動可能なシャフト2が備えられている。このシャフト2は適度なねじれ弾性を有し、保磁力が小さい非磁性(弱磁性)金属が好ましい。このシャフト2の自由端側にはダイヤモンドバイトなどの彫刻針3を備えたスタイラス4が固設される。またシャフト2の中間部には、シャフトの軸線と直交する方向に突出するように磁性材料からなる菱形柱状のロータ5が固設されている。このロータ5としては、効率的に磁束を通すように透磁率が高く保磁力が低い磁性材料、例えばFe−Co系合金のパーメンジュール等を薄板状に形成し、この薄板を多数枚積層した構成が好ましい。本実施の形態では、前記シャフト2がロータ5を貫通するように配置し、両者はロウ付けやレーザ溶接等で固定される。なお、ロータ5を通過する磁束をより増大させるため、ロータ5を貫通する部位のシャフト2を小径にするのが好ましい。さらに理想的には、ロータ5内をシャフト2が貫通しないようにしてシャフト2とロータ5とを固定するようにしてもよい。
【0011】
前記ロータ5の周囲には、ロータ5に磁界を与えるためのステータ6が配置されており、ステータ6は前記ロータ5の両先端部を各々近接して挟み込むように配置された2組の腕部を有する。このステータ6は、前記ロータ5と同じようにパーメンジュール製の薄板を多数枚積層して構成されており、透磁率が高い金属材料からなる磁石保持部材7を介して永久磁石8と結合されている。一方、ステータ6の1組の腕部には図に示すように各々コイル9が巻回されている。この2つのコイル9は互いに逆向きに巻線が巻かれており、各々同じ彫刻信号が印加されるものとする。すなわち2つのコイル9は互いに逆向きの磁界を発生するように配置されている。
【0012】
次に図2を用いて本実施の形態における彫刻ヘッドの動作について説明する。なお図2は、図1における符号アでの彫刻ヘッドの断面を模式的に示すもので、磁束の流れを説明するための図である。なお理解しやすいように図2に示すコイル9の左右を各々9a、9bと符号付け、図2に示すステータ6の上方の腕部を各々左右で6a、6bと符号付ける。また図2における符号イは、電流が紙面手前から奥に向かって流れ、符号ウは電流が紙面奥から手前に向かって流れることを示す。なお図2では、前記永久磁石8によってステータ6b側がS極、ステータ6a側がN極に磁化されており、磁束G0が生じているものとする。
【0013】
コイル9a、9bに対し彫刻信号が印加されて、図2に示すようにコイル9a、9bに電流が流れると、ステータ6a側では永久磁石8による磁束G0にコイル9aによる磁束Gaが加算される。すなわちコイル9aの巻き方向に基づき磁束Gaは磁束G0と同方向となる。一方、ステータ6b側でもコイル9bによる磁束Gbが発生するが、磁束Gbは磁束G0を打ち消す逆方向になる。この状態では、ステータ6aの磁力がステータ6bの磁力よりも強くなるため、図2に示すような磁束の流れが生じ、ロータ5は反時計回りに回動する。
【0014】
この実施の形態では、上記コイル9に印加される電流値を変化させることによりロータの回動量、すなわち彫刻針3の振動量が変化することになる。なお上記コイル9に印加する彫刻信号は、キャリー信号と呼ばれる交流分と濃度信号と呼ばれる画像の濃度に基づく直流分とが重畳されている。従って、前記キャリー信号の周期に基づいてロータ5が反復して回動し、濃度信号の大きさによって前記ロータ5の回動量、ひいては彫刻するセルの大きさを変化させることができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明における彫刻ヘッドによれば、コイルが固定されたステータに巻かれているため、従来のようにロータが回動してもコイル内での磁束の流れる角度は変化しない。従って従来のようにロータの回動に起因する起電力がコイルに生じることがなく、彫刻ヘッドのインピーダンスが安定する。これによりセル幅の変動が少なく、画像の輪郭部や文字のエッジ部がシャープに表現できるような彫刻ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に用いる彫刻ヘッドの一例を示す斜視図。
【図2】磁束の変化を説明するための図。
【図3】従来の彫刻ヘッドの一例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 ベース
2 シャフト
3 彫刻針
4 スタイラス
5 ロータ
6 ステータ
7 磁石保持部材
8 永久磁石
9 コイル
Claims (1)
- 彫刻信号に応じて振動させた彫刻針によりグラビア印刷版上にセルを彫刻するグラビア彫刻装置における彫刻ヘッドであって、
少なくとも一端が固定部に固定され、ねじり振動が可能なシャフトと、
前記シャフトに固設され、前記シャフトのねじり振動にともない振動する彫刻針手段と、
前記シャフトに固設された磁性材料からなるロータと、
前記ロータを挟み込むように近接して配置された磁性材料からなる1組のステータと、
前記ステータに対し一定方向に磁界を与える磁石手段と、
前記ステータに対し、互いに逆方向の磁界を印加するように巻き付けられた1組のコイルと、を備えたグラビア彫刻装置における彫刻ヘッド。
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JP06859199A Expired - Fee Related JP3625678B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | グラビア彫刻装置における彫刻ヘッド |
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- 1999-03-15 JP JP06859199A patent/JP3625678B2/ja not_active Expired - Fee Related
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