JP3625544B2 - タンパク質結合磁気微粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、タンパク質結合磁気微粒子及びその製造方法、並びにそれらに関連した新規遺伝子、遺伝子断片、融合DNA配列、組み換えプラスミド、形質転換された磁性細菌に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気微粒子に固定化された酵素、抗体等の生理活性を有するタンパク質は、磁気的手段で誘導することができるため、従来困難であった局所的な位置への誘導が可能であり、磁気により集めたり、分離したりすることができるため、医療や発酵の分野を初めとする各種産業において利用が期待されている。
【0003】
従来、磁気微粒子への生理活性物質の固定化は特公平6−12994に示されるように磁性細菌より磁気微粒子をアルカリ処理で分離し、これをγ−アミノプロピルトリエトキシシランやグルタルアルデヒドで処理したのち、これに生理活性物質を化学的に固定化することが行われていた。また、酵素処理により、磁性菌から脂質から成る有機薄膜に被覆された状態で磁気微粒子を分離し、グルタルアルデヒド処理後にタンパクの固定化を行う方法も知られている。また、SPDPを用いる化学的結合法により生理活性物質を磁気微粒子に固定化する方法も知られている(特開平5−209884)。
【0004】
さらに、これらの方法で化学的に生理活性物質を固定化した磁気微粒子を用いて抗原抗体反応を行なわせる、抗原又は抗体の測定方法が提案されている(特開平4−285857、同5−209884、特開平5−99926)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらはいずれも酵素、抗体等のタンパク質を化学的に磁気微粒子に結合させる必要があるため、固定化処理に長時間を要する、固定化処理によりタンパク質の生理活性が低下する、得られる固定化タンパク質の固定化量にロット間バラツキが大きくかつ活性のバラツキも大きい、固定化に用いられるタンパク質は一般に高価であるので固定化タンパク質は高コストにならざるを得ない、等の問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、これらの問題を解決したタンパク質結合磁気微粒子等を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一に、磁性細菌AMB−1の菌体内に生成する磁気微粒子を被覆する有機膜に結合したタンパク質をコードし、配列表に記載の配列番号1で示されるDNA配列からなる、単離、精製されたmagA遺伝子を提供する。
【0008】
また、本発明は、磁性細菌AMB−1の菌体内に生成する磁気微粒子を被覆する有機膜に結合したタンパク質であって、後述の配列表に記載の配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる、単離、精製されたmagAタンパク質を提供する。
【0009】
本発明は、magAタンパク質の磁性細菌内に生成される磁気微粒子を被覆する有機膜との結合性に着目し、融合タンパク質の状態で別の有用タンパク質を磁気微粒子に固定する方法、磁気微粒子上に有用タンパク質を生成せしめる方法等を提供する。
magA遺伝子
本発明者は、後述の配列表に記載の配列番号1で示される塩基配列で表されるDNA配列からなり、磁性細菌の菌体内に生成する磁気微粒子を被覆するリン脂質を主成分とする有機膜に結合したタンパク質をコードするmagA遺伝子を見いだした。
【0010】
上記のmagA遺伝子は、磁性細菌AMB−1(FERM BP−5458)から次のようにして見いだされ、単離、精製された。
【0011】
磁性細菌AMB−1に、薬剤耐性因子(Km)を持った転移性の遺伝子であるトランスポゾンTn5を導入することでゲノムに部位非特異的にミューテーションを生じさせ、磁気微粒子精製機能を欠損したミュータントを作製した。次に、薬剤耐性因子(Km)を指標に磁気応答しない菌体を分離し、このミュータントからゲノムをCureent Protocols in Molecular Biologyの方法で抽出した。EcoRI で切断後、サザンハイブリダイゼーションでトランスポゾンTn5とのハイブリッドの形成を指標にmagA遺伝子を含む遺伝子断片を単離し、pUC19にクローニンすることで精製を行った。遺伝子解析の結果、magA遺伝子1.3kbを見出した。
magAタンパク質
該magA遺伝子の配列の上流にはプロモーター配列が隣接している。該タンパク質のアミノ酸配列は、後記の配列表の配列番号2に示す(前記塩基配列とともに表示)通りであり、N末端から第1〜第6アミノ酸残基の範囲が親水性領域であり、それに続く第7〜第380アミノ酸残基の範囲が疎水性領域であり、続く第381〜434アミノ酸残基の範囲が第二の親水性領域である。中央の長い疎水性領域が膜結合部位であり、両端の親水性領域は膜から露出した状態にある。詳細には、疎水性領域は短い親水性部分を約4箇所含んでおり、これらの部分は膜から一部露出しているものと推定される。
【0012】
このタンパク質は次のようにして単離、精製された。磁性細菌AMB−1を定常期まで培養し、遠心集菌後フレンチプレスより細胞を破砕した。この破砕物からサマリウムコバルト磁石で磁気微粒子を抽出し、精製した。次に1%Tryton 10mM トリス緩衝液中で2時間攪拌し、磁気微粒子と膜を分離した。このように処理した抽出物についてタンパク電気泳動(SDS−PAGE)を行ったところ、前記magA遺伝子からコードされるタンパク質の分子量として既知である、46.8kDa のところにバンドが確認された。
【0013】
magAタンパク質のホモロジー検索を行った結果、大腸菌のカリウムイオン流出機構を司るタンパク質と高いホモロジーを示した。これよりmagAタンパク質はカチオンイオンの流出に関与すると考えられる。そこでmagA遺伝子を大腸菌内で発現させ、細胞外膜を除去した後に逆転膜リポソームを作製し、このリポソームの鉄イオン流出現象をラジオアイソトープ標識した鉄を用いて確認した。この結果、magAタンパク質は鉄イオンの排出を行っていることが分かった。
【0014】
該magAタンパク質は前記のmagA遺伝子によりコードされるものであるが、より一般的には、配列表に記載の配列番号3で示される塩基配列を融合するDNA配列によりコードされる。
【0015】
本発明者は、magAタンパク質の疎水性領域が該タンパク質を磁気微粒子の有機膜に結合する機能を有し、両端の親水性領域は有機膜から露出することに着目し、親水性領域に別の有用タンパク質をコードするDNA配列を融合すると、得られる融合DNA配列は磁性細菌内で該有用タンパク質を磁気微粒子の有機膜に結合した状態で生成することを見いだした。
magA遺伝子断片
そこで、本発明は、第二に、磁性細菌AMB−1の菌体内に生成する磁気微粒子を被覆する有機膜に結合したmagAタンパク質のアミノ酸配列中の疎水性領域(配列表に記載の配列番号2の第7〜第380アミノ酸残基の領域)をコードする塩基配列で表されるDNA配列を含むmagA遺伝子断片を提供する。
【0016】
該magA遺伝子断片は融合タンパク質を有機膜に結合した状態で生成させるための、固定手段として有用である。
【0017】
該magA遺伝子断片は上記の疎水性領域を含むことを必須とするが、3’末端側又は5’末端側にmagA遺伝子に存在する塩基配列の全部又は一部が存在してもよい。
融合DNA配列
また、本発明は、第三に、(a) 該magA遺伝子断片と、(b) 該magA遺伝子断片の一方又は両方の末端に融合された、一又は二の有用タンパク質をコードする一又は二のDNA配列と、からなる融合DNA配列を提供する。
【0018】
有用タンパク質をコードするDNA配列はmagA遺伝子断片の3’末端側及び5’末端側のいずれか一方に融合されてもよいし、両方に融合されてもよい。両方に融合される場合には、3’末端に導入されるDNA配列と5’末端に導入されるDNA配列とは同一のタンパク質をコードするものでもよいし、異なるタンパク質をコードするものでもよい。両方に融合する利点は、次のような場合に得られる。
1)両末端に同一のタンパク質をコードするDNA配列を導入することで、磁気微粒子への該タンパク質の固定化量を向上させることができる。
2)5’末端と3’末端に2つの連続する複合酵素系又は酵素と補酵素再生酵素などのタンパク質をコードするDNA配列を導入することで、酵素系の反応を迅速に進めることができる。
3)5’末端と3’末端にサブユニットを形成するタンパク質をコードするDNA配列を導入することで、このサブユニットを迅速にかつ完全に形成させることができる。
【0019】
該magA遺伝子断片に前記有用タンパク質をコードするDNA配列を融合させる位置は、融合部に生成する塩基配列がアミノ酸合成に適したものとなる限り制限されない。前記疎水性領域をコードするDNA配列に近接する形で有用タンパク質をコードするDNA配列が導入されてもよいし、疎水性領域をコードするDNA配列と有用タンパク質をコードするDNA配列との間に前記親水性領域をコードするDNA配列が部分的に存在してもよい。また、magA遺伝子断片の一方又は両方の端に、都合のよい制限酵素切断部位が生じるように人工的に延長されたDNA配列が存在してもよい。特に5’末端側の親水性領域は短いので、これらは全て存在していてもよいし、必要に応じこの部分が延長されていてもよい。目的とする有用タンパク質をコードするDNA配列を挿入する部位として有用な5’末端側の制限酵素切断部位としては、magA遺伝子内に導入したScaI切断部位があり、3’末端側の制限酵素切断部位としてはSphI切断部位、DraΙΙΙ切断部位がある。SphI切断部位とDraΙΙΙ切断部位はmagA遺伝子の疎水性領域から僅かに下流側に寄った親水性領域内に存在するので、好都合な部位の一つである。
組み換えプラスミド
本発明は、第四に、上記の融合DNA配列を発現させるのに用いる組み換えプラスミドを提供する。
【0020】
即ち、本発明は、前記の融合DNA配列を含有する組み換えプラスミドを提供する。
【0021】
該組み換えプラスミドは、前記のmagA遺伝子断片及び目的とするタンパク質をコードするDNA配列からなる融合DNA配列を公知の方法により適当なべクタープラスミドに導入することにより得られる。
【0022】
組み換えプラスミドの調製に用いるベクターとしては、例えば、pRK415の系統、pKT230の系統のものを用いることができる。選択したベクターに遺伝子を組み込む。ベクターに最も効率よく、また遺伝子が目的の向きに並ぶように、遺伝子を組み込む順、用いる制限酵素を決定する。遺伝子を導入する手順が決定したなら、制限酵素によってDNAを切断し、電気泳動を行うことにより導入する目的遺伝子断片を分離する。その後、リガーゼを用いてライゲーションを行いDNAを連結する。遺伝子断片の連結部分が合わない場合は末端部分を平滑化処理し、ライゲーションを行う。制限酵素、リガーゼ、末端平滑化用の酵素などは全て市販のものを用いて行うことができる。最後に目的のプラスミドができているかどうか制限酵素の切断パターンを確認する。
【0023】
この際、magA遺伝子と融合させる、別のタンパク質をコードする遺伝子の種類は特に限定されるものではない。
形質転換された磁性細菌
本発明は、第五に、上記の組み換えプラスミドで形質転換された磁性細菌を提供する。
【0024】
磁性細菌の上記プラスミドによる形質転換は公知の方法により行うことができる。宿主として用いる磁性細菌としては、例えば、Magnetospirillum種の微生物(例:菌株AMB−1(FERM BP−5458),MS−1(IFO 15272,ATCC 31632,DSM 3856),MSR−1(IFO 15272,DSM 6361)、及びDesulfovibrio種の微生物(例:菌株RS−1(FERM P−13283)が挙げられる。
【0025】
こうして得られた磁性細菌を適切な条件下で培養することにより菌体内に目的とする有用タンパク質を有する磁気微粒子が生成する。具体的には、目的とするタンパク質は、magA遺伝子断片によりコードされる膜結合性タンパク質と融合した状態で、その磁気微粒子を被覆している有機膜に結合した状態で得られる。
【0026】
このタンパク質結合磁気微粒子は、該タンパク質が機能性タンパク質である場合に特に有用である。磁気により該磁気微粒子を所望の箇所へ移動し、その箇所でそのタンパク質が有する機能を発揮させることができるからである。
機能性タンパク質結合磁気微粒子
そこで、本発明は、第六に、磁気微粒子と、該磁気微粒子の表面を被覆している有機膜に結合している、前記の融合DNA配列(但し前記有用タンパク質が機能性タンパク質である)でコードされた一又は二の機能性タンパク質を含有する融合タンパク質とを有する、機能性タンパク質結合磁気微粒子を提供する。
タンパク質結合磁気微粒子の製造方法
また、本発明は、第七に、上記の融合DNA配列を含むプラスミドにより形質転換された磁性細菌を培養することにより、前記融合DNA配列を発現させ、有用タンパク質を含む融合タンパク質を、磁気微粒子を被覆する有機膜に結合した状態で該菌体内に生成させることからなる、上記有用タンパク質結合磁気微粒子を製造する方法を提供する。
【0027】
該有用タンパク質結合磁気微粒子は、培養により増殖した磁性細菌の菌体を通常の方法によって破砕又は溶解したのち磁気を利用して容易に集めることができる。
【0028】
本発明によりmagA遺伝子断片と融合される有用なタンパク質をコードする遺伝子も、それにより発現されるタンパク質も特に限定されない。医療、発酵を利用する産業等の目的に使用される場合には何らかの機能、例えば、生理活性を有するタンパク質が用いられよう。しかし、これに限定されるものではなく、通常の方法では分離、取得が困難であるタンパク質の製造に本発明を利用することができる。即ち、このようなタンパク質を融合タンパク質の形で磁気微粒子上に生成させ、磁気的に容易に分離し集めることができる。
【0029】
有用タンパク質の内、機能性タンパク質としては、例えば、抗原、抗体、プロテインA等の免疫関連タンパク質、レクチン、アビジン等の結合能を有するタンパク質、補酵素、加水分解酵素、酸化還元酵素、異性化酵素、転移酵素、脱離酵素、制限酵素等の酵素類が挙げられる。
【0030】
また、上記の有用タンパク質の製造方法は、そのタンパク質が機能性を有しない有用タンパク質である場合であっても、そのタンパク質が従来の製造方法によっては純粋な形で得ることが困難であるときには、該タンパク質の製造方法として有用である。この場合有用タンパク質は磁気微粒子に結合した状態で得られるが、上記の方法で磁石等を用いる磁気的方法で容易に他の細胞成分から分離、精製することができる。
利用可能性
本発明は、例えば、次のような利用可能性を有する。
1)酵素結合担体
一般に部位特異的に働くことが理想であると考えられる酵素はすべて磁気微粒子表面で発現させる価値がある。例えば、生化学反応において反応系の中で局所的にある酵素反応を行いたい場合にはこの酵素を発現させた磁気微粒子は有用である。また、ある酵素系の疾患においては器官に特異的にその酵素を投与したい場合磁気微粒子表面に発現させた酵素を磁気的に誘導することによって、治療することが可能である。
2)DNA キャリア
DNA やRNA との結合能を持つタンパク質、例えばリプレッサーなどのタンパク質の遺伝子をmagA遺伝子断片と融合し、本発明により磁気微粒子に固定すると、この磁気微粒子を遺伝子の輸送を行うキャリアとして用いることが可能である。リプレッサーなどのタンパク質はある特定の物質の存在下で結合力を失う特性がある。これを利用して、遺伝子の輸送を行うことができる。リプレッサータンパク質の例としてはLacIが挙げられる。LacIとはラクトース分解酵素の遺伝子発現を制御するタンパク質で、プロモーターの下流域に結合することによって、遺伝子の転写を抑制するリプレッサーである。このLacIはラクトースや、IPTGなどの化学物質と結合することによって、DNAとの結合能を失う。つまり、分解する基質が存在するときに発現する仕組みになっているのである。また、LacIが結合する特定のDNAドメインがある。DNAドメインを組み込んだ遺伝子はLacIが結合することができる。
【0031】
例えば、このLacIを磁気微粒子表面で発現させることによって、LacIがDNAドメインを組み込んだ遺伝子と結合する。一方、LacIは、IPTGという物質によってDNAとの結合能を失う。これを用いてある特定の場所からDNAを磁気輸送し、IPTGの添加によってDNAを遊離させることができる。こうして、遺伝子を所要の場所へ輸送することができる。
【0032】
したがって、本発明の磁気微粒子は、遺伝子治療における遺伝子移送担体などに応用することが考えられる。例えば、目的遺伝子の相補鎖からできるアンチセンスRNAを発現させることによって、その目的の遺伝子の発現をRNAハイブリッドの形成によって抑えるという治療法が現在盛んに研究されているが、そのアンチセンスのRNAを発現するDNAを運ぶ手段として用いることができる。
【0033】
また、さらに、金属結合性のタンパク質を磁気微粒子表面に発現させ、これを金属の回収、または、検出に用いることができる。回収、検出は磁気回収によって行うことができる。
3)タンパク質生産システム
一般に分離精製が困難であると言われるタンパク質は、磁気微粒子上にMagAタンパク質との融合タンパク質として発現させることで、分離精製が容易になる。即ち、磁気微粒子表面で発現させたタンパク質は、最後に磁気により容易に回収できるからである。磁性細菌から得られる磁気微粒子の分散性の高さを考えると、タンパク質によっては、磁気微粒子に固定化された状態で使用可能なものも多く存在すると考えられる。例えばアルコール発酵用の酵素などは磁気微粒子と結合したままの状態でも酵素の活性さえあれば十分に使用可能であると考えられる。
【0034】
【実施例】
例1
I.組み換えプラスミドの調製
蛍ルシフェラーゼ遺伝子(luc遺伝子、東洋インキ製)を磁性細菌内で発現させ、該遺伝子でコードされる発光タンパク質を磁気微粒子を被覆する有機膜上に生成させるため、magA−luc融合遺伝子を結合したプラスミドpKML、及びmagA遺伝子を含まずluc遺伝子のみを結合したプラスミドpKPLを図1に示す方法で作製した。
(1) ベクターには磁性細菌AMB−1に接合伝達による遺伝子導入が可能であり、テトラサイクリン耐性遺伝子を持つプラスミドpRK415(N.T.Neen,S.Tamaki,D.Kobayashi andD.Trallinger,1988,Gene 70:191−197)を用いた。pRK415にluc遺伝子を組み込み、プラスミドpKLCを作製した。プラスミドpKLCをluc遺伝子の上流部に存在するBamHIで切断し、ブランティングキット(Blunting Kit)(宝酒造製)で平滑末端化した。
(2) AMB−1のクロモゾームをEcoRIで切断し、λDNAであるλZAPIIにランダムに組み込んでλZAPIIジーンバンクを作製した。これはファージ粒子中にパッケージし、大腸菌に感染させることによって、プラークの形でジーンバンクを作製している。pUM5AはλZAPIIジーンバンクより分離したmagA遺伝子を含む2.6kbpのEcoRI遺伝子断片をpUC19にクローニングして得た(図2)。分離の際にはプラークサザンハイブリダイゼーションを行った。
【0035】
次に、magA遺伝子をプラスミドpUM5AのSphIで切断し、magA遺伝子断片を分離し、同様に平滑末端化し、プラスミドpKLCと接続し、プラスミドpKMLを作製した。こうしてmagAの読み訳とずれることなくluc遺伝子は翻訳され融合タンパク質を生産することが出来る。
(3) プラスミドpUM5AからEcoRI、NcoIで切断し、プロモーターの配列のみを分離したものを、同様に平滑末端化したプラスミドpKLCに接続しプラスミドpKPLを作製した。
【0036】
以上の操作によりプロモーター領域のみをluc遺伝子と結合したプラスミドpKPLとmagA−luc融合遺伝子を結合したpKMLの2種を作製した。pKMLの制限酵素切断部位地図を図3に示す。
II. 接合伝達体の作製
次に、Iで得られた二種の組み換えプラスミドを接合伝達により野生株AMB−1に導入し、接合伝達体の作製を行った。接合伝達における供与菌体として用いたE. coli S17−1 はtra遺伝子を有しているため、接合伝達を行う際、ヘルパープラスミドなしで接合伝達が可能である。接合伝達にはMSGM培地で培養した対数期中期から後期の磁性細菌約8×107 cells/mlを用い、供与菌体は前日にプラスミドを導入し発生したコロニーをかき取って109 から1010cells/mlになるように懸濁して用いた。1:50(磁性細菌:大腸菌)で菌を混合し、寒天プレート上にスポットし、メイティングを行った。6時間後スポットをメスで切り取り5ml程度のMSGM培地を用い菌体を回収した。この懸濁液をテトラサイクリン2.5μg/mlを添加したMSGM培地に植菌した。25℃で培養し、増殖した細胞を接合伝達体とした。この際、大腸菌はMSGM培地では増殖しない。
【0037】
次に接合伝達後MSGM培地で培養した磁性細菌より磁気微粒子の分離を行った。磁性細菌を遠心分離により集菌後10mMトリスバッファーで2回洗浄後、菌体濃度0.1g wet cell/mlを超えない濃度で懸濁し、出力120W、30秒間5回の超音波破砕を行った。細胞破砕懸濁液を容器内で氷冷しながらNd−Co磁石を容器外壁面に当てて30分処理し、磁気微粒子を懸濁液中から分離した。さらに懸濁液を5,000G、15分遠心分離することで細胞膜成分を分離し、100,000G、1.5時間超遠心する事で細胞質を分離した。
【0038】
磁気微粒子、細胞膜及び細胞質の各分画のルシフェーラーゼ活性をピッカジーン発光キット(東洋インキ製)を用いルミノメーターで発光量を測定することで行い、導入したルシフェラーゼ遺伝子の発現及び発現量を測定した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
表1に示すように、プロモーター領域の配列のみをluc遺伝子と結合したpKPL遺伝子を導入した磁性細菌は細胞質分画の発光量が高く、磁気微粒子表面でのタンパク質の発現効率が低いのに対し、magA−luc融合遺伝子を結合したpKMLを導入した磁性細菌では磁気微粒子分画と細胞膜分画で高い発光量が得られた。即ち、膜結合性タンパク質であるmagA融合タンパク質が磁気微粒子分画でも発現しており、磁気微粒子を被覆する有機膜上でのlucタンパク質の生産及び分離が示された。
例2
抗ウサギIgG抗体の抗原認識部位をコードした遺伝子(igg遺伝子、ファルマシア社)を該遺伝子でコードされる抗体タンパク質を磁気微粒子を被覆するリン脂質を主成分とする有機膜上に生成させるため、magA−igg融合遺伝子を結合したプラスミドpKMGを図4に示す方法で作成した。
【0040】
即ち、ベクターには磁性細菌AMB−1に接合伝達による遺伝子導入が可能であり、テトラサイクリン耐性遺伝子を持つプラスミドpRK415を用いた。pRK415をEcoRIで切断し平滑末端化しigg遺伝子を組み込み、プラスミドpKGCを作製した。
【0041】
次に、磁性細菌AMB−1のクロモゾームをEcoRIで切断し、λDNAであるλZAPII(STRATAGENE社製)にランダムに組み込みλZAPIIジーンバンクを作製した。これはファージ粒子中にパッケージし、大腸菌に感染させることでプラークの形でジーンバンクを作製した。λZAPIIジーンバンクより分離したmagA遺伝子を含む2.6kbpのEcoRI遺伝子断片をpUC19にクローニングしpUM5Aを作製した。
【0042】
次に、magA遺伝子をプラスミドpUM5AのSphIで切断し、magA遺伝子を分離し、平滑末端化し、プラスミドpKGCと接続しプラスミドpKMGを作製した。pKMGの制限酵素切断部位地図を図5に示す。
【0043】
このプラスミドを接合伝達によって野生株AMB−1 に導入し、接合伝達体を作製した。接合伝達体を培養し、細胞を回収、破砕を行い、磁気微粒子を回収した。この磁気微粒子を用いて、ウサギIgG を抗原としたイムノアッセイを行った。イムノアッセイはアルカリフォスファターゼ標識した抗ウサギIgG 抗体を2次抗体として用いたサンドイッチ法を用い、検出はアルカリフォスファターゼと、AMPPD(Boehringer Mannheim Biochemica) との反応による発光をルミノメーターで測定した。この結果、抗原を検出することが可能であった。この実験により、接合伝達体の磁気微粒子に抗体がMagA融合タンパク質として結合することによって、抗体固定化操作なしに抗原検出システムに用いることが可能な磁気微粒子を生産することができた。
例3
プロテインA遺伝子(ProteinA gene、ファルマシア社製pEZZ18より分離)を該遺伝子でコードされるタンパク質を磁気微粒子を被覆するリン脂質を主成分とする有機膜上に生成させるため、magA−プロテインA融合遺伝子を結合したプラスミドpKMAを図6に示す方法で作製した。
【0044】
即ち、ベクターには磁性細菌AMB−1に接合伝達による遺伝子導入が可能であり、テトラサイクリン耐性遺伝子を持つプラスミドpRK415を用いた。pRK415をEcoRIで切断しプロテインA遺伝子を組み込み、プラスミドpKACを作製した。
【0045】
次に、磁性細菌AMB−1のクロモゾームをEcoRIで切断し、λDNAであるλZAPII(STRATAGENE社製)にランダムに組み込みλZAPIIジーンバンクを作製した。これはファージ粒子中にパッケージし、大腸菌に感染させることでプラークの形でジーンバンクを作製した。λZAPIIジーンバンクより分離したmagA遺伝子を含む2.6kbpのEcoRI遺伝子断片をpUC19にクローニングしpUM5Aを作製した。
【0046】
次に、magA遺伝子をプラスミドpUM5AのSphIで切断し、magA遺伝子を分離し、平滑末端化したプラスミドpKACと接続しプラスミドpKMAを作製した。pKMAの制限酵素切断部位地図を図7に示す。
【0047】
このプラスミドを接合伝達によって野生株AMB−1 に導入し、接合伝達体を作製した。接合伝達体を培養し、細胞を回収、破砕を行い、磁気微粒子を回収した。この磁気微粒子に対し、プロテインAのIgG との結合能に注目し、抗杉花粉、抗小麦、抗卵IgG と混合した。混合した粒子は洗浄し、抗体固定化量を測定したところ、従来用いられてきたSPDPを用いる化学結合法(特開平5−209884)と同程度の固定化が可能であることが示された。また、実施例1と同様に、抗原検出実験を行った結果、3種の抗原はどれも検出可能であった。このようにプロテインAのmagA融合タンパク質を用いて様々なIgG を磁気微粒子表面に簡便に結合させることが可能であり、従来の化学結合に劣らない抗原検出が可能であることが示された。
例4
蛍ルシフェラーゼ遺伝子(luc遺伝子)をmagA遺伝子の5’末端側に導入し、luc−magA融合DNA配列を含むプラスミドpNELMを図8に示す方法で作製した。
(1) ベクターには磁性細菌AMB−1に接合伝達による遺伝子導入が可能であり、テトラサイクリン耐性遺伝子をもつプラスミドpRK415を用いた。このpRK415のNcoΙ切断部位とEcoNΙ切断部位を平滑末端化処理により欠損させ、プラスミドpRK415NEを作製した。pRK415NEをSacIで切断し、magAプロモータ−luc融合遺伝子を組み込んだプラスミドpNEPLを生成した。
(2) 次に、magA遺伝子を保持するプラスミドpUM5AにScaI切断部位をデザインしたプライマーを用い、PCRによりmagA遺伝子を増幅させScaIで切断し、EcoNIで切断後平滑末端化したプラスミドpNEPLと接続し、プラスミドpNELMを作製した。pNEPLの制限酵素切断部位地図を図9に示す。
(3) このプラスミドを接合伝達によって野生株AMB−1に導入し、接合伝達体を作製した。接合伝達体を培養して増殖させ、細胞を回収、破砕を行い、磁気微粒子を磁石を用いて回収した。この磁気微粒子のルシフェラーゼ活性を、ピッカジーン発光キット(東洋インキ製)を用いルミノメーターで発光量を測定した。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
次に、磁気微粒子上におけるmagAタンパク質のC末端及びN末端の露出方向を確認するために、magA遺伝子の3’末端にluc遺伝子を結合したプラスミドpKMLを保持する接合伝達体由来の磁気微粒子と、magA遺伝子の5’末端にluc遺伝子を結合したプラスミドpNELMを保持する接合伝達体由来の磁気微粒子において、抗ルシフェラーゼIgG及びアルカリホスファターゼ標識抗ウサギIgGを用いてイムノアッセイを行った。検出はアルカリホスファターゼとAMPPD(Boehringer Mannheim Biochemica)との反応による発光をルミノメーターで測定した。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
この実験により、magAタンパク質のN末端及びC末端は磁気微粒子を被覆する有機膜の外側に露出していることが明らかとなった。従って機能性タンパク質の性質に応じてmagAタンパク質のN末端に融合した融合タンパク質として生成させるかC末端に融合した融合タンパク質として生成させるかを選択することができる。
例5
蛍ルシフェラーゼ遺伝子及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を磁気微粒子上に同時発現させるため、luc−magA−cat融合DNA配列を含む遺伝子であるプラスミドpNELMCを図10に示す方法で作製した。
【0050】
すなわち、ベクターには磁性細菌AMB−1に接合伝達による遺伝子導入が可能であり、テトラサイクリン耐性遺伝子をもつプラスミドpRK415を用いた。このpRK415のNcoΙ切断部位とEcoNΙ切断部位を平滑末端化処理により欠損させ、プラスミドpRK415NEを生成した。pRK415NEをSacIで切断し、magAプロモーター−luc融合遺伝子を組み込んだプラスミドpNEPLを作製した。
【0051】
次に、magA遺伝子を保持するプラスミドpUM5AにScaI切断部位をデザインしたプライマーを用い、PCRによりmagA遺伝子を増幅させScaIで切断し、EcoNIで切断後平滑末端化したプラスミドpNEPLと接続し、プラスミドpNELMを作製した。
【0052】
次に、cat遺伝子に該遺伝子のSD配列を削除しScaI切断部位をデザインしたプライマーを用い、PCRによりcat遺伝子を増幅させた。これをDraIIIで切断後平滑末端化したプラスミドpNELMと接続し、プラスミドpNELMCを作製した。pNELMCの制限酵素切断部位地図を図11に示す。
このプラスミドを接合伝達によって野生株AMB−1に導入し、接合伝達体を生成した。接合伝達体を培養して増殖させ、細胞を回収、破砕を行い、磁石で磁気微粒子を回収した。この磁気微粒子のルシフェラーゼ活性を、ピッカジーン発光キット(東洋インキ製)を用いルミノメーターで発光量を測定したところpNELMと同等のルシフェラーゼ活性を示した。
【0053】
次に、この磁気微粒子のCATアッセイを行った結果、CAT活性が検出された。CATアッセイは、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼとクロラムフェニコールとの反応によるクロラムフェニコールアセチル化体を薄層クロマトグラフィーにより検出することで行った。この結果、magA遺伝子タンパク質の両末端に接続したそれぞれのタンパク質は、該タンパク質を単独で接続したときと同等の活性を示した。この実験より、magA遺伝子タンパク質の両末端に機能の異なるタンパク質をコードする遺伝子を接続した融合遺伝子を構築することで、磁気微粒子上に同時発現することが可能になり、これより多数の機能を有する磁気微粒子を生産することができた。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、固定化等の処理を行う必要がなく、形質転換された磁性細菌を培養し、菌体内に生成した磁気微粒子を分離するだけで酵素、抗体その他の有用タンパク質を磁気微粒子の有機膜に結合した状態で安定して得ることができる。有用タンパク質が機能性タンパク質である場合には、磁気微粒子に固定化された機能性タンパク質を磁気的に制御することができるので、所要の局所へ効率的にその機能を発揮させることができる。
【0055】
また、所要のタンパク質をコードする遺伝子を本発明のプラスミドに導入し、磁性細菌を形質転換することでどのようなタンパク質も磁気微粒子上に生成させることができる。
【0056】
高価な酵素、抗体等のタンパク質を用意する必要はなく、同じ菌株を維持し培養するだけで所要のタンパク質結合磁気微粒子を半永久的に製造することができ、製造ロット間のタンパク質含有量や活性にバラツキがなく、しかも低コスト化のメリットも大きい。しかも、こうして得られる磁気微粒子は、常に同一活性を有するタンパク質を同一の量で含有するものである。
【0057】
さらに、タンパク質を磁気微粒子上に生産するため目的とするタンパク質を磁気的に短時間で分離回収でき、効率的な分離精製が出来る。
【0058】
【配列表】
【配列表】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】例1で調製したプラスミドpKPL及びpKMLの調製方法の説明図である。
【図2】例1で調製したプラスミドpUM5Aの調製方法の説明図である。
【図3】プラスミドpKMLの制限酵素切断部位地図である。
【図4】例2で調製したプラスミドpKMGの調製方法の説明図である。
【図5】プラスミドpKMGの制限酵素切断部位地図である。
【図6】例3で調製したプラスミドpKMAの調製方法の説明図である。
【図7】プラスミドpKMAの制限酵素切断部位地図である。
【図8】例4で調製したpNELMの調製方法の説明図である。
【図9】プラスミドpNELMの制限酵素切断部位地図である。
【図10】例5で調製したpNELMCの調製方法の説明図である。
【図11】プラスミドpNELMCの制限酵素切断部位地図である。
Claims (13)
- 磁性細菌AMB−1の菌体内に生成する磁気微粒子を被覆する有機膜に結合したタンパク質をコードし、配列表に記載の配列番号1で示されるDNA配列からなる、単離、精製されたmagA遺伝子。
- 磁性細菌AMB−1の菌体内に生成する磁気微粒子を被覆する有機膜に結合したタンパク質であって、配列表に記載の配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる、単離、精製されたmagAタンパク質。
- 磁性細菌AMB−1の菌体内に生成する磁気微粒子を被覆する有機膜に結合したmagAタンパク質のアミノ酸配列中の疎水性領域(配列表に記載の配列番号2の第7〜第380アミノ酸残基の領域)をコードする塩基配列で表されるDNA配列を含むmagA遺伝子断片。
- (a) 磁性細菌AMB−1の菌体内に生成する磁気微粒子を被覆する有機膜に結合したmagAタンパク質のアミノ酸配列中の疎水性領域(配列表に記載の配列番号2の第7〜第380アミノ酸残基の領域)をコードする塩基配列で表されるDNA配列を含むmagA遺伝子断片と、(b) 該magA遺伝子断片の一方又は両方の末端に融合された、一又は二のタンパク質をコードする一又は二のDNA配列と、からなる融合DNA配列。
- 前記の一又は二のタンパク質が機能性タンパク質である、請求項4 に記載の融合DNA配列。
- 請求項4 に記載の融合DNA配列を含有する組み換えプラスミド。
- 宿主磁性細菌に請求項6 に記載の組み換えプラスミドが導入されてなる、形質転換磁性細菌。
- 請求項7 に記載の宿主磁性細菌が、Magnetospirillum種又はDesulfovibrio 種の微生物である、形質転換磁性細菌。
- 磁気微粒子と、該磁気微粒子の表面を被覆している有機膜に結合している、請求項4 に記載の融合DNA配列でコードされた一又は二の機能性タンパク質を含有する融合タンパク質とを有する、機能性タンパク質結合磁気微粒子。
- 請求項9 の機能性タンパク質結合磁気微粒子であって、前記の一又は二の機能性タンパク質が生理活性を有するものである磁気微粒子。
- 請求項10の磁気微粒子であって、前記の生理活性を有するタンパク質が、免疫関連タンパク質、結合能を有するタンパク質、又は酵素である磁気微粒子。
- 請求項4 に記載の融合DNA配列を含むプラスミドにより形質転換された磁性細菌を培養することにより、前記融合DNA配列を発現させ、請求項 4 に記載の一又は二のタンパク質を含む融合タンパク質を、磁気微粒子を被覆する有機膜に結合した状態で該菌体内に生成させることからなる、タンパク質結合磁気微粒子の製造方法。
- 前記一又は二のタンパク質が機能性タンパク質である、請求項12に記載の製造方法。
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