JP3624901B2 - 流量計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波の伝搬速度から流速を検出する方法を用いて、流体の流量を間欠的にサンプリングして流体の使用量を計測する流量計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の流量計としては、様々なものが提案されているが、その計測原理としては逆数差法と呼ばれているものが広く知られている。この逆数差法に基づく流量計は例えば、図5のような構成となっていた。図5において、流体流路1の途中に、超音波を発信する第1振動子2と受信する第2振動子3が流れ方向に配置されていて、制御手段11は、これらふたつの送受信を制御している。超音波が流れの中を伝搬する際、流体の流れの影響を受けて、流れの順方向、すなわち、第1振動子2から第2振動子3へ向けて送信した場合の伝搬時間と、流れの逆方向、すなわち、第2振動子3から第1振動子2へ向けて送信した場合の伝搬時間は異なった値となり、流量が大きくなるにつれて、その差は大となる。この性質を利用して流体の流量を計測することが可能である。
【0003】
静止流体中の音速をc、流体の流れの速さをvとすると、流れの順方向の超音波の伝搬速度は(c+v)、逆方向の伝搬速度は(c−v)となる。
【0004】
振動子2と3の間の距離をL、超音波伝搬軸と流路の中心軸とがなす角度をθ、流れの順方向に発信された超音波の伝搬する時間をtf、流れの逆方向に発信された超音波の伝搬する時間をtrとすると、
tf=L/(c+vcosθ) (1)
tr=L/(c−vcosθ) (2)
となる。上記(式1)または(式2)の一方から直接流速vを求めることが可能であるが、そのためには音速cが既知である必要がある。しかし、一般に音速cは流体温度に依存するため、流体温度が既知である必要がある。しかし、ここで、順方向、逆方向を計測した時点の流体温度が等しいと仮定することにより、音速cが未知であっても、(式1)、(式2)より流速vを求めることが可能である。すなわち、(式1)および(式2)を変形してvについて解くと、
v=(L/2cosθ)・(1/tf−1/tr) (3)
となり、Lとθが既知ならtf、trを計測して流速vが求められる。ここで、流路断面積をS、補正係数をKとすれば、流量Qは
Q=K・S・v (4)
となる。(式3)、(式4)から明らかなように、伝搬時間を求めることにより流量Qが求められる。ここで、微少な流速まで検知しようとした場合、tf、trの検出精度を高める必要があるが、単発現象として計測した場合には精度を上げるのが難しいため、送受信を複数回繰り返してトータル時間を計測して、平均化することにより精度確保する方法が、超音波計測では一般的に取り入れられており、シングアラウンド法と呼ばれている。シングアラウンド法において、設定された繰り返し回数をN回、流れの順方向、逆方向の伝搬時間の合計値をTf、Trとすれば、伝搬時間tf、trはTf、Trを回数平均すれば求めることができる。
よって、(式3)を変形して、式(式5)から流速vを求めることができる。
【0005】
v=N(L/2cosθ)・(1/Tf−1/Tr) (5)
一方、この種の流量計は流路内のわずかな圧力変動に対しても極めて敏感に反応するため、例えばガスエンジン駆動のヒートポンプエアコン(以降GHPと称する)の様に比較的大きな圧力変動を発生する機器が近隣に設置された場合、そのエンジンの回転と同期して発生する圧力変動の影響を受けて計測誤差を発生する場合があった。計測誤差は、流速検出時に圧力変動波形の頂点を集中して捉えた場合に最も顕著に表れる。
【0006】
これを防ぐ手段として、例えば、特開2001−183198公報のようなものが考案されている。これは、流速検出ポイントが脈動波形の特定位相に偏らないように、検出タイミングを制御しつつ、脈動周期の一周期あるいはこれ以上の時間をシングアラウンド法により計測を実行して流速の平均化を図るものである。図6は脈動時に発生する流速変化と計測タイミングを示すタイミングチャートである。図6に示すように、まず時刻T1に流れの順方向の送信を開始し以後シングアラウンドを実行し、時刻T2において全送受信を完了する。この時、時刻T1からT2までの時間を脈動波形Twより長くなるように制御して流速の平均化を図っている。つづいて、今度は、時刻T3で流れの逆方向の送受信を開始しT4で全送受信を終了する。この時、時刻T3からT4までの時間を順方向と同じ時間になる様に制御して、流速の平均化を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の流量計においては、脈動の影響を打ち消すためには、ある程度計測時間を長くする必要があり、その結果、順方向の計測タイミングと逆方向の計測タイミングに時間差が発生することになる。特に、脈動周期の長い圧力波形についてはその時間差が大きくなる。この時間差が微妙な計測誤差の要因となっていた。
【0008】
次に、その誤差要因について説明する。第1例として、流路内で発生する脈動流は必ずしも一定周期ではないため、例えば、順方向の計測と逆方向の計測とで、異なる周期の脈動流が発生するケースが考えられる。この場合は、両方向ともそれぞれ適切なサンプリング時間を設定する必要があった。
【0009】
第2例として、計測中に比較的大きな温度変化が発生したケースも考えられる。計測原理からも明らかなように、流れの順方向と流れの逆方向を計測した時点の温度が等しいことが前提であるが、双方の計測時間をある程度長く取った場合には、温度変化による誤差要因が発生する確率が高くなる。
【0010】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、脈動流の影響を抑えつつかつ、計測中の状態変化にも左右されにくい超音波流量計を提供することを目的とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、ふたつの振動子の送受信方向を切り替えることにより流れの順逆両方向の伝搬時間を計測する単位計測工程と、前記単位計測工程を定められた周期および回数で連続して実行し、前記実行回数分の伝搬時間を基に流量を演算する流量演算手段とを備え、単位計測工程の実行周期と実行回数の積を前記周期検出手段で検出した脈動周期の整数倍となるように、実行周期又は実行回数を可変とし、常に脈動周期の整数倍の時間にわたってサンプリングを実行しているので、脈動の影響の極めて小さな流量計測を実現できる。
【0012】
更に、周期検出手段で検出した脈動周期のばらつきが大きければ、単位計測工程の実行周期と実行回数を標準値に再設定しているので、周期の安定しない脈動に対しても対応可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、周期検出手段で検出した脈動周期が予め定めた範囲を逸脱した場合には、単位計測工程の実行周期と実行回数を標準値に再設定しているので、想定外の周期の脈動に対しても対応可能となる。
【0014】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図1〜4を参照しながら説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における流量計測装置のブロック図である。
【0016】
図1において、流体流路1の途中に、超音波を発信する第1振動子2と受信する第2振動子3が流れ方向に配置されている。4は第1振動子2への送信手段、5は第2振動子3で受信した超音波を信号処理する受信手段で、6は第1振動子2と第2振動子3の送受信を切換える切換手段、7は受信回路5で超音波を検知した後、第1振動子2からの送信と第2振動子3での受信を複数回繰り返す繰り返し手段、8は繰り返し手段7により行われる複数回の超音波伝搬の所要時間を計測する計時手段である。9は電源10を動力源とする送受信回路であり、第1振動子2、第2振動子3、送信手段4、受信手段5、切換手段6、繰り返し手段7、計時手段8の各要素により構成されている。11は制御手段であり、後述する送受信回路9による単位計測工程を定められた実行周期で、定められた実行回数だけ繰り返して実行する。12は第1加算手段であり、単位計測工程毎に出力される流れの順方向、すなわち第1振動子2から第2振動子3に向けて超音波を送信した場合の伝搬時間の合計値を求めている。13は第2加算手段であり、単位計測工程毎に出力される流れの逆方向、すなわち第2振動子3から第1振動子2に向けて超音波を送信した場合の伝搬時間の合計値を求めている。14は流量演算手段であり、第1加算手段12および第2加算手段13で求めた伝搬時間を基に流体の流量を求める。15は積算手段であり、流量演算手段14で求めた流量を積算し流体の使用量を求める。
【0017】
図2は、本実施例の流量計測装置の動作を説明するタイミングチャートであり、脈動時の流速波形と同装置の計測タイミングの関係を示している。
【0018】
図2を用いて、送受信回路9における計測手順について説明する。制御手段11が、回路電源10のスイッチ回路を閉じて送受信回路9に電力供給を開始した後、繰り返し手段7に対して、計測開始のトリガ信号を出力する。なお、本実施例では1回の単位計測工程で実行するシングアラウンド回数を2回として説明を進めるが、実際の実施は2回に限らなくてもよい。
【0019】
切換手段6は、トリガ信号を受けて、第1振動子2を送信手段4に、第2振動子3を受信手段5に接続して、超音波を流れの順方向に送信した伝搬時間を計測する体制を取る。そして、時刻Ta1で送信手段4から送信信号が出力されると同時に、計時手段8で、送受信に要した時間の計測が開始される。受信手段5で受信1回目が終了すると、再び送信手段4から送信信号が出力される。時刻Ta2において受信手段5で2回目の受信が終了すると、計時手段8は第1加算手段12に対して、順方向の2回分の伝搬時間の合計値を出力する。つづいて、切換手段6は、第1振動子2を受信手段5に、第2振動子3を送信手段4に接続して、超音波を流れの逆方向に送信した伝搬時間を計測する体制を取る。そして、時刻Tb1で、送信手段4から送信信号が出力されると同時に、計時手段8で、送受信に要した時間の計測が開始される。受信手段5で受信1回が終了すると、再び送信手段4から送信信号が出力される。時刻Tb2において受信手段5で2回目の受信が終了すると、計時手段8は第2加算手段13に対して、逆方向の2回分の伝搬時間の合計値を出力する。以上のように、流れの順・逆それぞれ2回のシングアラウンドをもって一連の単位計測工程が終了し、制御手段11は送受信用電源の回路を開いて、送受信回路9への電源供給を停止する。
【0020】
前記単位計測工程は定められた周期Tm毎に定められた実行回数Nm回だけ連続で実行され、その度に、順方向の伝搬時間は第1加算手段12に、逆方向の伝搬時間は第2加算手段13に積算される。実行回数Nm回だけ終了した時点の第1加算手段12で、第2加算手段13で積算された値をそれぞれTf、Trとした場合、トータルの送受信回数はNm×2回となるので、1回当たりの平均伝搬時間は(式6)および(式7)で求めることができる。
【0021】
tf=Tf/(Nm×2) (6)
tr=Tr/(Nm×2) (7)
更に、これらの値を用いて流量演算手段14で単位計測工程Nm回を実行する間の平均流量を求めることができる。これら一連のサンプリング工程は一定時間毎、あるいは非一定時間毎に繰り返され、その度毎に流量演算手段で算出される平均流量値に時間の重み付けを行った上で積算手段15により流体の総使用量が算出される。
【0022】
ここで、単位計測工程の実行周期は、対象とする脈動周期Twの整数倍とならない様な値に定めれば、脈動波形の特定位相を集中されることがなくなる。図2において、単位計測工程の実行周期Tmは脈動周期Twより小さい値に定められている。想定されている脈動周期がある程度の範囲に限定されていて、なおかつ連続した値であるならば、周期の下限値より実行周期を小さく定めることにより、いずれの脈動に対しても、計測時の位相が固定する事態は避けられる。更に、実行回数と実行周期の積、すなわちサンプリングの総実行時間を脈動周期範囲の上限値より大きな値に定めれば、平均化効果により順方向、逆方向おのおのに関して、脈動の影響を低減することができる。
【0023】
具体的事例で説明すれば、脈動発生源がGHPに限定されている場合には、その周期の範囲33.3〜200ms(5〜30Hz)の下限値33.3msより小さな値に定めれば良く、更に単位計測工程の実行周期とと実行回数の積を200ms以上、理想的には更に大きな値に定めれば良い。
【0024】
また、この場合、計測実行中に温度変化が発生した場合であっても、おのおのの単位計測工程における順方向、逆方向計測開始タイミングの時間差は小さな値であるから、順方向、逆方向それぞれを集中してサンプリングを実行した場合に比べて、温度差の影響は小さいと言える。また、サンプリング実行中に機器側の運転条件が変わった場合であっても、おのおのの単位計測工程における順方向、逆方向計測開始タイミングの時間差は小さな値であるから、順方向、逆方向それぞれを集中してサンプリングを実行した場合に比べて状態変化の影響は小さいと言える。
【0025】
一方、前記の様に想定される脈動周期が必ずしも連続しないケースも考えられる。例えば、家庭用の給湯器の中には、燃焼制御弁に交流信号を重畳して駆動するタイプのものがあり、その交流信号に同期して、脈動が発生する。その交流信号周波数は例えば、商用電源50Hz、60Hz等の固定周波数となっている。したがって、予め燃焼制御弁の信号周波数を調査しておくか、あるいは電源周波数の検出回路を備えて、その逆数値が想定される脈動周期となる。したがって、これらの値と単位計測工程の実行周期の整数倍が重ならないように設定すれば良い。
【0026】
図3は、本実施例の流量計測装置の動作を説明する図であり、単位計測工程の実行周期と実行回数の積と脈動周期との関係を示している。
【0027】
次に、図3を用いて、単位計測工程の実行回数の設定方法について説明する。
【0028】
図3では、単位計測工程の実行周期Tsを脈動周期Twの1/4に定めると共に、実行回数を12回に定めている。流れの順方向の計測開始位相は、単位計測毎に90°ずつ変化して4回目で一巡し、5回目からは初期の位相に戻る。脈動波形を例えば正弦波に近い値とすれば、初回から4回目の計測値を平均化すれば、脈動の影響を消すことが可能である。同様に、実行回数を4の倍数に設定すれば脈動波形の影響を消すことができる。また、脈動波形が正弦波でない場合であっても、実行周期を短く設定することにより平均化が実現できる。同様の関係を満たす実行周波数と実行回数の組み合わせは幾通りか存在するが、その関係は(式8)で表すことができる。
【0029】
Nm×Tm=m×Tw (8)
つまり、サンプリングの総実行時間、すなわち単位計測工程の実行周期と実行回数の積が脈動周期の整数倍と定めれば良いと言える。これらの値は脈動周期が既知であれば設定できる。例えば、想定される脈動発生源がGHPに限定されているものとする。できるだけ広い範囲で(式8)を満足させるために、GHPから発生する周期の中から特定の値を抽出する。例えば、エンジン回転数の制御値が100rpm毎に存在する場合を仮定して、100rpm刻みの周波数(周期)に対して式(式8)の条件を満足させることは可能である。エンジンが2サイクル方式のものであると1回転当たりの2周期の圧力変動が発生する。従って、回転数r[rpm]は(式9)を用いて、脈動周波数Twに換算することができる。
【0030】
Tw=(2×60)/r[s] (9)
回転数rが100rpm刻みの離散的値、すなわち100×k[rpm](kは整数)とするならば、(式9)より
Tw=120/(100×k)=1.2/K (10)
(式8)と(式10)より
Nm×Tm=1.2×(m/k) (11)
よって、NmとTmの積を1.2に定めると、m=kが成り立つ。kは整数であるからmも同様に整数となる。したがって、100rpm刻みの回転数に対しては、常に実行周波数と実行回数の積が脈動周期の整数倍に保たれるので、これらの回転数に対して、影響を消すことができる。また、実行周期と実行時間の積は必ずしも整数である必要はなく、それに極めて近い値であれば、脈動の影響は極めて小さいと言える。また、仮に整数から外れた値であっても、整数mの値が大きければ、平均化効果により真値からのずれは小さくなり、同様の計測を数回繰り返して、更に平均化することで、真値に近い結果を得ることが可能である。
【0031】
以上のように、本実施例によれば、ふたつの振動子の送受信方向を切り替えることにより流れの順逆両方向の伝搬時間を計測する単位計測工程と、前記単位計測工程を定められた周期および回数で連続して実行し、前記実行回数分の伝搬時間を基に流量を演算する流量演算手段とを備え、前記単位計測工程の実行周期を想定される連続した脈動周期の下限値よりも小さい値に定め、前記単位計測工程の実行周期と実行回数の積を想定される脈動周期の最大値よりも大きい値に定めたことにより、連続した特定範囲の脈動周期に対しては、計測方向を小刻みに変えながら、かつ1周期以上にわたってサンプリングを実行できるので、脈動から受ける影響が小さいだけでなく、計測中に脈動周期の変化や温度変化が発生した場合であってもその変動の影響をも受けにくい流量計測を実現できる。
【0032】
また、特に連続した脈動周期に少なくとも33.3msから200msを含めることにより、2サイクルエンジン駆動のGHPが発生源の脈動の影響を受けにくい流量計測を実現できる。
【0033】
更に、ふたつ振動子の送受信方向を切り替えることにより流れの順逆両方向の伝搬時間を計測する単位計測工程と、前記単位計測工程を定められた周期および回数で連続して実行し、前記実行回数分の伝搬時間を基に流量を演算する流量演算手段とを備え、前記単位計測工程の実行周期を想定される離散的な脈動周期の整数倍とは異なる数値に定め、前記単位計測工程の実行周期と実行周期の積を想定される脈動周期の最大値よりも大きい値に定めたことにより、特定の離散的な脈動周期に対しては、計測方向を小刻みに変えながら、かつ1周期以上にわたってサンプリングを実行できるので、脈動から受ける影響が小さいだけでなく、計測中に脈動周期の変化や温度変化が発生した場合であってもその変動の影響をも受けにくい流量計測を実現できる。
【0034】
また、特に、離散的な脈動周期に少なくとも16.7msおよび20msを含めることにより、一部のガス給湯器のように、商用電源に同期して脈動を発生する機器の影響を受けない流量計測を実現できる。
【0035】
更に、想定される脈動周期から特定の離散的値を抽出し、単位計測工程の実行周期と実行回数の積を抽出された複数の脈動周期の整数倍または整数倍に極めて近い値に定めたことにより、特定周期の脈動波形の整数倍の時間にわたって、計測位相が異なるように木目細かくサンプリングが実行できるので、脈動の影響を更に受けにくい流量計測を実現できる。
【0036】
(実施例2)
図4は、本発明の第2の実施例における流量計測装置のブロック図である。
【0037】
図4において主要部分は実施例1の図1と同様であるため詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。16は脈動検出手段であり、圧電素子等を用いて流路上流側の圧力変動を交流信号波形として検出する。17は周期検出手段であり、脈動検出手段16で検出した交流信号を波形整形してその振動周期を検出する。18は異常検出手段であり、周期検出手段17で検出した脈動周期が規定の値かどうかを判断し、異常であれば、単位計測工程の実行周期および実行回数を既定値に設定する。19は補正演算手段であり、周期検出手段で検出した周期を基に、単位計測工程の実行周期と実行回数の補正値を求める。制御手段10は、補正演算手段で求めた値で単位計測工程の実行周期と実行回数を行うように送受信回路9を制御する。
【0038】
次に、動作作用について説明する。通常は、単位計測工程の実行条件は実施例1と同様に、実行周期と実行回数の積が1.2になるような値が標準値として定められている。補正演算手段19は、まず、周期検出手段18で検出した脈動周期Twを用いて(式12)より1.2と脈動周期Twの比Lを求める。
【0039】
L=Nm×Tm/Tw (12)
Lの値が整数値から外れた場合には、計測値と真値のずれは大きくなる。そこで、LとLに最も近い整数との差が大きければ、Lを整数に近づけるように実行周期または実行回数を補正する。例えば、Lと整数との差の絶対値が0.2を超えた場合には、その差を0にするように、実行周期または実行回数を修正する。単位計測工程が終了する毎に電源10を遮断しているので、実行回数を固定として実行周期のみを可変とすれば、脈動周期が変化してもサンプリング時の消費電力を増やすことなく、正確な値を求めることができる。
【0040】
次に、異常判定手段18の作用について説明する。周期検出手段17で検出した脈動周期が予め想定した周期の範囲を逸脱している場合、例えば、GHPが発生源と考えられる33.3〜200ms、商用電源周期等の周期以外を検出した場合には、単位計測工程の実行条件を標準値に再設定する。また、周期検出手段17で検出する周期は必ずしも安定しているとは限らない。したがって、異常判定手段18により周期検出手段のばらつきを求めて、所定値より小さければ、検出周期が安定しているものと判断して、補正演算手段19で補正演算を行うが、ばらつきが所定値を超えていれば、脈動周期が不安定であると判断して、サンプリングの実行条件を標準値に再設定する。ばらつきの判定方法としては、所定時間内での検出周期の標準偏差を判定の所定値とする方法や、検出周期の変化率を判定の所定値とする方法等を用いれば良い。
【0041】
以上の様に、本実施例によれば、脈動周期を検出する周期検出手段を備え、単位計測工程の実行周期と実行回数の積を前記周期検出手段で検出した脈動周期の整数倍となるように、実行周期または実行回数を可変としているので、常に脈動周期の整数倍の時間にわたってサンプリングを実行しているので、脈動の影響の極めて小さな流量計測を実現できる。
【0042】
特に、単位計測工程の動作と同期して電力の供給および停止を実行する電源と、単位計測工程の実行周期と実行回数の積を前記周期検出手段で検出した脈動周期の整数倍となるように、実行周期のみを可変としているので、脈動周期が変わった場合であっても、消費電力が変わらないので、電力消費の平準化を図ることができる。
【0043】
また、周期検出手段で検出した脈動周期のばらつきが所定値よりも大きければ単位計測工程の実行周期と実行回数を標準値に再設定しているので、周期の安定しない脈動に対しても対応可能である。
【0044】
更に、周期検出手段で検出した脈動周期が予め定めた範囲を逸脱した場合には、単位計測工程の実行周期と実行回数を標準値に再設定しているので、想定外の周期の脈動に対しても対応可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、ふたつの振動子の送受信方向を切り替えることにより流れの順逆両方向の伝搬時間を計測する単位計測工程の実行周期と実行回数の積を周期検出手段で検出した脈動周期の整数倍になるようにすることで、常に脈動周期の整数倍の時間にわたってサンプリングを実行しているので、脈動の影響の極めて小さな流量計測を実現できる。
また、周期検出手段で検出した脈動周期のばらつきが大きければ、単位計測工程の実行周期と実行回数を標準値に再設定しているので、周期の安定しない脈動に対しても対応可能となる。
【0046】
更に、周期検出手段で検出した脈動周期が予め定めた範囲を逸脱した場合には、単位計測工程の実行周期と実行回数を標準値に再設定しているので、想定外の周期の脈動に対しても対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における流量計測装置のブロック図
【図2】同装置の動作を説明するタイミングチャート
【図3】同装置の動作を説明する図
【図4】本発明の実施例2における流量計測装置のブロック図
【図5】従来の流量計測装置のブロック図
【図6】従来の流量計測装置の動作を説明するタイミングチャート
【符号の説明】
2 第1振動子
3 第2振動子
8 計時手段
9 送受信回路
10 電源
11 制御手段
14 流量演算手段
15 差分検出手段
16 脈動検出手段
17 周期検出手段
18 異常判定手段
19 補正演算手段
20 回数設定手段
21 周期設定手段

Claims (2)

  1. 流体流路に設けられた第1および第2振動子と、前記振動子間の信号伝搬時間を計測する計時手段と、前記両振動子の送受信方向を切り替えることにより流れの順逆両方向の伝搬時間を計測する単位計測工程を定められた周期および回数で連続して実行し、前記実行回数分の伝搬時間を基に流量を演算する流量演算手段と、脈動周期を検出する周期検出手段を備え、単位計測工程の実行周期と実行回数の積を前記周期検出手段で検出した脈動周期の整数倍となるように、実行周期又は実行回数を可変とし、前記周期検出手段で検出した脈動周期のばらつきが所定値よりも大きければ、単位計測工程の実行周期と実行回数を標準値に設定する流量計測装置。
  2. 流体流路に設けられた第1および第2振動子と、前記振動子間の信号伝搬時間を計測する計時手段と、前記両振動子の送受信方向を切り替えることにより流れの順逆両方向の伝搬時間を計測する単位計測工程を定められた周期および回数で連続して実行し、前記実行回数分の伝搬時間を基に流量を演算する流量演算手段と、脈動周期を検出する周期検出手段を備え、単位計測工程の実行周期と実行回数の積を前記周期検出手段で検出した脈動周期の整数倍となるように、実行周期又は実行回数を可変とし、前記周期検出手段で検出した脈動周期が予め定めた範囲を逸脱した場合には、実行周期と実行回数を標準値に設定する流量計測装置。
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