JP3624227B2 - 反応チップ及びその作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNA診断及び治療等に使用される反応チップ及びその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遺伝子の突然変異等に起因する疾患、例えば、ガンの診断等にDNAチップの使用が有効であることが知られている。DNAチップは、通常の約1cm角のシリコンチップ上に1万以上のDNA断片(DNAプローブ)を載せたものである。このDNAチップ上に、蛍光標識した調べたいDNA試料を流すと、上記DNAチップ上のプローブと相補的な配列を有するDNA断片はプローブと結合し、その部分だけが蛍光により識別でき、DNA試料中のDNA断片の配列を解明することができる。この方法により、既に、ガン遺伝子の突然変異の検出が可能であることが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記DNAチップの作製には、半導体産業で使用されているフォトリソグラフィーの技術が必要である。予めDNAチップ上に固定するDNAプローブの種類が決まっている場合、必要な設備のある所でこのようなDNAチップを作製し、提供することは容易である。しかるに、研究者が独自のDNAプローブをDNAチップ上に固定したい場合、そのために高度な設備を用意する必要があり、簡単ではない。また、必要とされるDNAプローブの数が少ない場合、チップ上へのDNAプローブの集積度は、それ程高い必要はない。むしろ、より簡便に所望のDNAプローブを固定したチップが欲しい場合がある。例えば、ある生物のcDNAをチップに転写し、発生を調べる場合、ラベルした特定の働きの既知のDNAを試料として反応させる場合がある。
【0004】
そこで本発明の目的は、フォトリソグラフィー設備を必要としない、より容易に作製できるDNAチップ等の、反応性物質をその表面に集積した反応チップを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、伸縮性の基材の少なくとも1つの表面上の複数の微小区分の少なくとも1つの区分に反応性物質を担持させたことを特徴とする反応チップに関する。
さらに本発明は、伸縮性の基材を延伸して表面を拡大し、拡大した表面上の複数の区分の少なくとも1つの区分に反応性物質を担持させ、次いで伸縮性の基材を延伸前の大きさに収縮させることを特徴とする上記反応チップの作製方法に関する。
【0006】
【発明の実施の態様】
本発明のチップは、伸縮性の基材の少なくとも1つの表面上の複数の微小区分の少なくとも1つの区分に反応性物質を担持させたものである。
伸縮性の基材は、延伸により破断することなしに所望の倍率で延伸可能な材料からなる基材であれば特に制限はない。好ましくは、延伸方向に少なくとも2倍の長さに延伸可能な基材である。さらに、伸縮性の基材は、1次元のみならず2次元に延伸可能な基材であることが適当である。このような基材としては、例えば、ゴム製の基材を挙げることができる。ゴムとしては例えば、天然ゴムやシリコンゴム等を挙げることができるがこれに限定されるものではなく、伸縮特性や基材表面の反応性物質との親和性等の種々の特性を考慮して適宜選択できる。また、使用される基材の伸縮特性は、本発明の反応チップに必要とされる反応性物質の集積度等に応じて適宜決定される。また、基材表面には反応性物質との親和性等を調整する目的で適当な表面処理を施すこともできる。
【0007】
伸縮性の基材の形状には特に制限はないが、例えば、フィルムまたはシートのような平板状のものであることができ、それ以外に球状のものであっても良い。また、基材の厚みや大きさにも特に制限はなく、基材の厚みは、基材に必要とされる伸縮性や形状安定性考慮して適宜決定され、さらに基材の大きさは、基材表面上に設けられる微小区分の数等を考慮して適宜決定される。
尚、本発明において基材表面上の微小区分とは、仮想の区分であって、各区分が物質的に分割されて存在する訳ではなく、仮想的に設けた区画である。
【0008】
本発明における「反応性物質」における「反応性」とは、化学反応によりイオン結合や共有結合による化学構造等が変化する場合のみではなく、水素結合、配位結合、ファンデアワールス力、化学吸着、物理吸着等のその他の様式により、他の物質と結合した状況を作り得る性質を意味する。
そのような反応性物質として例えば、DNA断片、酵素、抗原、抗体、エピトープ、タンパク質等を挙げることができるが、当然のことながらこれらに限定されるものではない。
【0009】
本発明の反応チップにおいて、微小区分、即ち反応性物質の区分の集積度には特に制限はない。反応チップの用途に応じて必要とされ、かつ便利な集積度は異なるので、用途に応じて適宜、集積度は変化させることができる。例示的には、反応チップ表面1cm2 当たりの微小区分は100個以上とすることができ、基材の材質や反応性物質を調整することにより、表面1cm2 当たりの10000個程度の微小区分を設けることはできる。
【0010】
本発明の反応チップは、▲1▼伸縮性の基材を延伸して表面を拡大し、▲2▼拡大した表面上の複数の区分の少なくとも1つの区分に反応性物質を担持させ、次いで▲3▼伸縮性の基材を延伸前の大きさに収縮させることにより作製できる。
基材の延伸は、1次元又は2次元に行うことができる。延伸の方法は、特に制限はないが、例えば、方形(例えば、正方形、長方形)のシート状の基材であれば、1次元又は2次元に延伸する場合、向かい合う辺に沿ってシートの各端部を適当な治具に固定し、この治具をシートが延伸する方向に移動させることで延伸させることができる。また、基材が球状(中空の風船型)の場合、球状の基材の中空中に空気等の気体や液体を注入して膨らませることで、表面を所望の大きさに延伸することができる。
延伸の程度には特に制限はなく、反応性物質の区分の集積度と反応性物質を担持させる作業性等を考慮して適宜決定できる。例えば、各延伸方向の長さを延伸前の2倍以上に延伸することができる。
【0011】
基材表面の拡大された各微小区分に反応性物質を担持させる。反応性物質は、反応チップの用途に応じて、同種または異種の物質であることができる。また、作業効率の観点からは、複数の反応性物質を一度に担持させることが好ましく、より好ましくは、全ての反応性物質を一度に担持させる。担持させる反応性物質は、反応性物質単独で基材表面に担持させることもできるが、必要により、適当な溶媒に反応性物質を溶解または分散し、この溶液又は分散液を基材表面の微小区分に滴下又は付着させ、次いで必要により溶媒を除去することもできる。反応性物質を溶解または分散する溶媒は、反応性物質との相性や基材表面と親和性等を考慮して適宜選択できる。
反応性物質を担持させた基材は、延伸前の大きさに収縮させることで、本発明のチップを得ることができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、フォトリソグラフィー設備等の特別な設備を要することなく、DNA断片等の反応性物質をその表面に集積した反応チップを容易に提供することができる。また、基材を高い伸縮性の材質のものから選択し、及び/又は反応性物質の担持方法を工夫することで、既存のシリコンを用いたDNAチップより、高い集積度を有するチップを提供することも可能である。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
実施例1
一辺3cmのゴムシートを図1に示すように2次元(XY両軸)方向に各5倍に延伸した。この延伸には図2に示すシート押さえ治具を備えた延伸用器具を用いた。2次元に延伸したシート(約15cm×15cm)の表面に、図3に示す反応性物質担持用装置〔複数(26×26本)の極細キャピラリー(各キャピラリーの直径0.4mm 、キャピラリーの中心間距離1mm)〕中にDNA断片を含む溶液が充填されている)の極細キャピラリーの先端を接触させて、DNA断片を含む溶液を、各溶液が他の溶液と接触しないようにシート表面に担持させた。溶液中の溶媒を蒸発させた後、シートを延伸前の大きさに収縮させて、本発明の反応チップを得た。約2.5cm 角の中に676 個のDNA断片のドットがそれぞれ独立して担持された反応チップが得られた。
【0014】
実施例2
常態では直径5cmのゴム製風船内に空気または液体を加圧注入して直径が約25cmに膨張させ、さらに膨張した風船を2 枚のプラスチック板(一方のプラスチック板の中央部に4cm×3cmの開口がある)の間で押しつぶした。図4に示す反応性物質担持用ピン〔複数(40×30本)、各ピンの直径0.3mm 、ピンの中心間距離1mm)〕を有する装置中のピン先に酵素を含む溶液を載せた。このピンの先端を前記風船の前記開口に露出した部分(ほぼ平面になっている)に接触させて、酵素を含む溶液を、各溶液が他の溶液と接触しないように露出表面に担持させた。溶液中の溶媒を蒸発させた後、風船を膨張(延伸)前の大きさに収縮させ、そのまま、あるいは酵素を担持した部分を切り取って、本発明の反応チップを得た。約4cm×3cmの上に1200個の酵素のドットが独立して担持された反応チップが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応チップ作製方法の説明図。
【図2】シート押さえ治具を備えた延伸用器具の説明図。
【図3】反応性物質担持用装置の説明図。
【図4】反応性物質担持用ピン(1本)の拡大図。
Claims (7)
- 伸縮性の基材の少なくとも1つの表面上の複数の微小区分の少なくとも1つの区分に反応性物質を担持させた反応チップの作製方法であって、
伸縮性の基材を延伸して表面を拡大し、拡大した表面上の複数の区分の少なくとも1つの区分に反応性物質を担持させ、次いで伸縮性の基材を延伸前の大きさに収縮させることを特徴とする、前記作製方法。 - 伸縮性の基材を1次元又は2次元に、各延伸方向の長さを少なくとも延伸前の2倍に延伸し、基材表面上の拡大された各微小区分に同種または異種の反応性物質を一度に担持させ、次いで基材を延伸前の大きさに収縮させる請求項1記載の作製方法。
- 伸縮性の基材が、延伸により破断することなしに延伸方向に少なくとも2倍の長さに延伸可能な基材である、請求項1または2に記載の作製方法。
- 伸縮性の基材が、2次元に延伸可能な基材である請求項1〜3のいずれか1項記載の作製方法。
- 伸縮性の基材がゴム製の基材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の作製方法。
- 反応性物質がDNA断片、酵素、抗原、抗体、エピトープまたはタンパク質である請求項1〜5のいずれか1項に記載の作製方法。
- 1 cm 2 当たりの微小区分が少なくとも100個である請求項1〜6のいずれか1項に記載の作製方法。
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