JP3624208B1 - 樹水鉢 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物を植木鉢で生育させる際、排出口を不要にし、衛生的で、煩雑な水の世話をすることなく給水が要らない作業にする。
【解決手段】未乾燥生木の松属材を材料にして、木口、側面を樹脂加工することで水分が外部へ蒸散しないよう密封し、松材内から乾燥しようとして排出される水分を栽培用土に吸収させる。また植木鉢の上面に穴のあいたガラス板をのせ、栽培用土から発散される水蒸気を水滴にして落下させ、ふたたび栽培用土に戻し、潤わせるようにする。給水時期は、このガラス板の現象を観察することにより水分の把握が出来るようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】未乾燥生木の松属材を材料にして、木口、側面を樹脂加工することで水分が外部へ蒸散しないよう密封し、松材内から乾燥しようとして排出される水分を栽培用土に吸収させる。また植木鉢の上面に穴のあいたガラス板をのせ、栽培用土から発散される水蒸気を水滴にして落下させ、ふたたび栽培用土に戻し、潤わせるようにする。給水時期は、このガラス板の現象を観察することにより水分の把握が出来るようにする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自然木を植木鉢に利用し、植物を生育させるための植木鉢に関する技術分野である。
従来の植物鑑賞をする植木鉢には、自然木を素材にして中をくりぬき、そこへ栽培用土を充填し、植物を生育させているものがある。
特開H11-103688
自然木をそのまま加工し、植木鉢として使用した場合、さまざまな問題が生じる。給水することにより排気口はもとより木材全体にカビが発生し、不衛生なものとなる。また排気口をとらない植木鉢については、給水の時期、量の判断において困難を極めることになる。そもそも木材は吸水性があるといわれているが、量的、吸水原理において不確定な要素が多すぎて、栽培用土が水分を取りすぎたり、底に水溜りができたりして栽培に適さない素材ともいえる。
しかしながら自然木の美しさは、他のいかなる素材にも優れ、かつ昨今の幾多の環境問題を考えると、必要不可欠な素材である。
しかしながら自然木の美しさは、他のいかなる素材にも優れ、かつ昨今の幾多の環境問題を考えると、必要不可欠な素材である。
自然木を植木鉢として使用できるようにするには、植物の成長に不可欠な水分の影響による弊害を解消しなければならない。そこで自然木の持つ特性を利用し、排気口が不要で、衛生的で、煩雑な給水の世話をすることなく、簡単な給水作業を可能とするような自然木植木鉢を提供する
本発明は、松に属する未乾燥材を材料として木塊をつくり、この木塊内部において出来るだけ心材部が残らないようにくりぬき、松材内に含まれる飽和状態の水分を外気に蒸散させないように外側全体を樹脂加工して密封する。
本発明は、そこに栽培用土を充填し、松材内から排出される水分を、木材辺材部と栽培用土が接触する全ての面から栽培用土に吸収させるようにさせ、栽培用土に植えられた植物が生育できるようにする。
本発明は、植物の茎等が充分に入る程度の穴をあけた板状のガラス等を、植木鉢の上面にのせ、接着剤等でガラス板が動かないよう植木鉢と固定することで、栽培用土から発散される水蒸気がガラス板等に遮られるようにして水滴化させ、水滴が成長すると落下して、ふたたび栽培用土を潤すことができるようにする
発明の効果を説明する前に、木材の本件に関係する呼称を説明する.以後の説明には、この用語を使用する。
自然木はさまざまな形状の木塊に加工することができるが、輪切りの木塊にした場合で説明すると、年輪が丸く見える断面を木口という。年輪の中心を樹心といい、樹心に近い濃色の部分が心材であり、周辺の薄色の部分を辺材という。辺材の外まわりには樹皮がある。立体的構造の中での方向の呼び方については、幹の中心線を樹軸といい、樹軸に並行な方向を軸方向という。この軸方向に垂直な面のうち、樹心を通る直線の方向を放射方向といい、樹心を通らず放射方向に垂直な方向を接線方向と呼んでいる。
針葉樹における、樹液が移動するための組織的な構成要素を説明すると、軸方向には、仮道管があり、樹種によっては放射方向にも放射仮道管がある。また更に樹種によっては、軸方向に垂直樹脂道がとおり、放射方向には水平樹脂道を有する。仮道管とは針葉樹の主要な構成要素であり、広葉樹における道管と同様に水分の通道を受け持つ。
一般に針葉樹、広葉樹の未乾燥状態における木材内の水分は、仮道管、および道管を介して、軸方向に移動し、木口から大気へ水蒸気となり排出されるが、松科に属する樹種には、樹軸方向の仮道管以外に放射方向へも放射仮道管があり、更に樹軸方向の垂直樹脂道と放射方向の水平樹脂道も存在する。そのため軸方向の両木口ばかりでなく、放射方向の軸心から側面方向に向けても水分が移行できる特殊な樹種である。
自然木はさまざまな形状の木塊に加工することができるが、輪切りの木塊にした場合で説明すると、年輪が丸く見える断面を木口という。年輪の中心を樹心といい、樹心に近い濃色の部分が心材であり、周辺の薄色の部分を辺材という。辺材の外まわりには樹皮がある。立体的構造の中での方向の呼び方については、幹の中心線を樹軸といい、樹軸に並行な方向を軸方向という。この軸方向に垂直な面のうち、樹心を通る直線の方向を放射方向といい、樹心を通らず放射方向に垂直な方向を接線方向と呼んでいる。
針葉樹における、樹液が移動するための組織的な構成要素を説明すると、軸方向には、仮道管があり、樹種によっては放射方向にも放射仮道管がある。また更に樹種によっては、軸方向に垂直樹脂道がとおり、放射方向には水平樹脂道を有する。仮道管とは針葉樹の主要な構成要素であり、広葉樹における道管と同様に水分の通道を受け持つ。
一般に針葉樹、広葉樹の未乾燥状態における木材内の水分は、仮道管、および道管を介して、軸方向に移動し、木口から大気へ水蒸気となり排出されるが、松科に属する樹種には、樹軸方向の仮道管以外に放射方向へも放射仮道管があり、更に樹軸方向の垂直樹脂道と放射方向の水平樹脂道も存在する。そのため軸方向の両木口ばかりでなく、放射方向の軸心から側面方向に向けても水分が移行できる特殊な樹種である。
本発明の植木鉢は自然木の松材を使用し、内部に排出口を作らず、くりぬき加工をし、両木口、側面の樹脂加工により密封することで、カビの発生を無くし、衛生的なものとなる。
本発明の植木鉢は松属の松材を使用し、両木口、側面が樹脂加工されて密封されているため、木材内の水分は、軸方向と放射方向すなわち木材辺材部と栽培用土の接触面のあらゆる方向から、すべて栽培用土へ向けて移行する。このようにして排出された水分は、栽培用土を潤し、植物を生育させることが出来る。
本発明における植木鉢のくりぬき部の上面には、ガラス板が載せてあり、栽培用土から蒸散される水蒸気はガラス板で遮られ、くもりはじめ、その後水玉状の水滴となり、さらに水滴が大きく成長すると栽培用土に落下し、栽培用土を潤すことが出来る。このようにして蒸発した水分もふたたび植物生育に利用することが出来る。
本発明におけるガラス板に付着する水滴は、栽培用土から発散される水蒸気が多いほど大きくて、多数の水玉が出来る。栽培用土の水分が減少するほど水玉の大きさ、数量が減少するため、この水玉の状態を観察することにより、栽培用土の水分と植木倍の含水率を把握することが出来る、また、松材植木鉢の吸水効果により、排出口がなくても鉢底に水溜りが出来ず、煩雑な給水の世話をすることもなく、簡単な育成作業を可能となる。
添付図面は、本発明の植木鉢について図示するものである。図面に基づき本発明の実施例について詳細に説明する。
本発明の素材の選定については、切り出して間もない未乾燥の松材を利用し、樹皮をつけておく。切り出して間もない生木材は、水分を多く含み、ヒビ割れが全くない。樹皮をつけておくことで水分を含む木材加工品でもカビの発生を防止することが出来るうえ、外側における密封効果を高めることが出来、さらに美術的にも効果がある。この植木鉢1についてのヒビ割れについては、長期間にわたり何も栽培せず、直射日光にさらして置いたもので、この状態ではヒビ割れを生じる可能性は否定できないが、栽培に用いている限り直射日光にさらしても、ヒビ割れを生じることはない。
本発明の松材を加工する形状は、縦、横、斜め、いろいろあるが輪切りの形状にて説明すると、加工する前によく心材の大きさ、位置を確かめておき、通水能力が非常に劣る心材が残らないように、くりぬき部2を加工する。底部において厚みとして心材も残ることになる。
本発明の樹脂加工に使用する樹脂材料には、ウレタン系の塗料が適している。樹皮部においての塗装作業は樹皮部をよく乾燥して、2ないし3回塗装する。細部にも塗装できるよう塗装液に木塊を浸すようにする。木口における塗装作業は、木塊が水分を含んでいるため、硬化時間30分程度で粘度の低い塗料を木口の繊維にしみこませる。この作業を3回ほど繰り返し塗り、半日ほど経過すると木口に水蒸気が発散した小さい穴が生じることがあるのでその穴をサンダー等で平坦にして、その後2回ほど塗る。
本発明に使用される生木材は、切出されて間もない松材を樹脂加工し、くりぬき部を形成したものであるが、この植木鉢に水を入れて、鉢内の水分を発散させないようにさせておくと、樹水は、飽和状態を維持して、日数が経過しても、生木鉢と同様の効果がある。
本発明のくりぬき部2に栽培用土3を充填するには、吸湿性、保水性のよいものが適している。たとえば鹿沼土、最近売り出されているカルチャー用土も適している。
本発明植木鉢の上面のガラス4については、ガラスのように水蒸気を水滴化させやすい材質がよい。プラスチックのようなものでもよいが、透明性、発水性がなければならない。このガラスの中央部に植物の茎、葉等が通るため、それらの大きさ以上の穴をあける。すでに大きくなっている植物を栽培する場合には、植物を植えた後、2枚のガラスをあわせることになる。このガラスは植木鉢1の上面にのせ、接着剤等で動かないよう固定する。
本発明の植木鉢1に栽培用土2を充填し、植物を植え屋外、屋内で栽培すると、植木鉢1内の水分は、乾燥しようとして、栽培用土2へと排出される。潤った栽培用土内の水分は、水蒸気となり大気へと蒸散するが、ガラス4に遮られ、水滴となりガラス4に付着する。水滴が成長し大きくなると、栽培用土3へと落下し、栽培用土3がうるおうことになる。
本発明の植木鉢1で栽培するには、他の植木鉢でもいえることではあるが、植物がどれくらい水分を必要とするか理解しておく必要がある。理解していると、ガラス板に付着するする水滴の状態を観察することにより、給水時期が判断できて、植物を育成できる。
本発明の植木鉢は、松材を使用しているため植物栽培が終了しても次の植物栽培の植木鉢として利用出来る。しかしながら本発明の効果のある植木鉢として使用するには、本植木鉢を飽水状態にしておく必用があるため、くりぬき部に水を満たし数日間放置しておく。乾燥状態によりその日数は異なるが、過乾燥のものでは短期間ではもとの状態に戻らない場合もある。いまのところ温度にも影響されることは解かっているが、その正確な事は解明していない。
放射方向の水分移行は松属のみが可能とする学説があるので、本発明の植木鉢として使用可能な樹種は、赤松以外には黒松,エゾ松等でもその効果はみられると思われる。が実験に使用した松属は赤松と黒松のみであったが、赤松、黒松ともに放射方向における水分移行がみられた。
1 植木鉢
2 くりぬき部
3 栽培用土
4 ガラス
5 穴
6 水滴
7 茎等
2 くりぬき部
3 栽培用土
4 ガラス
5 穴
6 水滴
7 茎等
Claims (2)
- 松に属する生木の材内に含まれる水分を蒸発させないために周囲を樹脂加工し、その松材内の水分を飽和状態にしておき、栽培用土を充填し、松材から排出される水分を栽培用土に吸収させ、外部から給水することなく植物が生育できるという特徴をもった植木鉢。
- 請求項1記載の植木鉢の上面に穴のあいた透明なガラス又はプラスチックをのせて、栽培用土から発散される水蒸気を水玉状に付着させ、水玉が大きく成長すると栽培用土に落下し、ふたたび栽培用土を潤すようにし、かつ水玉状態を観察することにより、栽培用土および鉢内に含まれる水分を把握できるという特徴をもった植木鉢。
Priority Applications (1)
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CN104081956A (zh) * | 2014-06-16 | 2014-10-08 | 郎溪县双明生态农业有限公司 | 一种湿地松的种植方法 |
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2003
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