JP3623611B2 - 生ゴミ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ゴミ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、生ゴミ処理装置の一形態として、生ゴミを醗酵処理する生ゴミ処理部と、同生ゴミ処理部により処理した最終残渣物を回収する回収部と、同回収部に回収された最終残渣物の排出時期を報知する報知部とを具備したものがある。
【0003】
そして、報知部は、あらかじめ設定した時間が経過すると、排出時期報知ランプが点灯して、使用者に最終残渣物の排出時期であることを報知するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した生ゴミ処理装置の報知部では、あらかじめ設定した時間の経過にもとづいて排出時期を報知するものであるために、報知された際に、回収部に回収されている最終残渣物の量が一定ではなく、例えば、少なくて排出する程の量ではなかったり、また、回収部の回収トレイよりこぼれ落ちる程大量に回収されていることがあり、適正な報知がなされていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、生ゴミを発酵処理する生ゴミ処理部と、同生ゴミ処理部により処理した最終残渣物を回収する回収部とを設けたケーシング本体を具備する生ゴミ処理装置において、回収部に、回収した最終残渣物を収容する回収トレイと、同回収トレイの重量を検出する重量検出手段と、同重量検出手段からの検出結果にもとづいて回収トレイ内の最終残渣物の排出時期を報知する報知手段とを設け、前記重量検出手段は、前記回収トレイの重量増大に比例して下降動作するトレイ載置台と、同トレイ載置台のあらかじめ設定した下降制限位置を排出時期として検出する排出時期検出センサとを具備し、この排出時期検出センサは、前記トレイ載置台の下面に磁石収容凹部を形成し、同磁石収容凹部内に磁石を収容する一方、同磁石の直下方に位置する前記ケーシング本体の底部に下方凸状のスイッチ収容部を形成し、同スイッチ収容部内に近接スイッチを収容してなり、しかも、前記回収トレイの底部に、前記磁石収容凹部が嵌合する嵌合凹部を形成したことを特徴とする生ゴミ処理装置を提供せんとするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0007】
図1〜図5に示すAは、本発明に係る生ゴミ処理装置であり、同生ゴミ処理装置Aは、ケーシング1内に、生ゴミを発酵さらには熟成処理する生ゴミ処理部2と、同生ゴミ処理部2により処理した最終残渣物を回収する回収部3と、上記生ゴミ処理部2により処理される生ゴミから発生する臭気を脱臭する脱臭部4とを設けている。
【0008】
ケーシング1は、図1〜図5に示すように、矩形箱型のケーシング本体10の天井部10a に生ゴミ投入口11を形成し、同生ゴミ投入口11の後側縁部に投入蓋12の後側縁部を枢支して、同投入蓋12を上下方向に開閉自在とし、上記ケーシング本体10を左右一対の支持スタンド56,56 により支持している。102 は、天井部10a の左側後部に取付けた電源スイッチである。
【0009】
左右一対の支持スタンド56,56 は、図3〜図5に示すように、前後方向に幅広に形成した脚部56a,56a と、各脚部56a,56a より上方へ立上げて形成して、生ゴミ処理部2を支持する支持部56b,56b と、各支持部56b,56b の上端に形成した把持部56c,56c とを剛性素材により一体成形すると共に、両支持スタンド56,56 を左右対称形状に形成している。
【0010】
そして、左右一対の支持スタンド56,56 の脚部56a,56a 間にケーシング本体10の底部10d を横架すると共に、左右一対の支持スタンド56,56 の支持部56b,56b 間に横架した生ゴミ処理部2の上端にケーシング本体10の天井部10a を取付けて、同天井部10a と底部10d の間において、これらの前端縁間に前壁10b を取付け、これらの後端縁間に後壁10c を取付け、天井壁10a の左右側縁と左右側の支持スタンド56,56 の下部外側縁との間にそれぞれ左右側壁10e,10f を取付けている。121 は前壁取付用ビス、122 は後壁取付用ビス、123 は底部取付用ビス、124 は左右側壁取付用ビス、125 は生ゴミ処理部取付ボルトである。
【0011】
ここで、左右側壁10e,10f の上部には、把持部嵌合孔10g,10h を形成して、各把持部嵌合孔10g,10h に支持スタンド56,56 の把持部56c,56c の先端縁を嵌合させている。
【0012】
また、前壁10b の下部に処理物排出口13を形成して、同処理物排出口13より後述する回収トレイ61を押引き自在に挿入し、完全に挿入した状態にて、回収トレイ61の前壁61a が処理物排出口13を閉塞して、ケーシング本体10の前壁10b の一部を形成するようにしている。61b は取手である。
【0013】
さらに、図7に示すように、ケ−シング本体10の後壁10c の下部には、左右幅方向に細長の複数の排気孔25を上下方向に間隔を開けて形成し、各排気孔25の上縁には後下方へ向けて傾斜状のガラリ26を取付けている。
【0014】
このように、本実施例では、左右一対の支持スタンド56,56 に剛性をもたせて、比較的重量物である生ゴミ処理部2を両支持スタンド56,56 により支持させて、比較的軽量の回収部3と脱臭部4をケーシング本体10の底部10d 上に載置して支持させることにより、同ケーシング本体10の軽量化が図れると共に、ケーシング1の組立て作業の簡易化が図れるようにしている。
【0015】
しかも、両支持スタンド56,56 は、把持部56c,56c を強固に一体成形することができると共に、左右の支持スタンド56,56 を共用化することができて、本装置の製造コストの低減化と組立て作業の容易化が図れる。
【0016】
投入蓋12は、図1〜図5に示すように、矩形板状に形成した蓋本体14の後端左右側部をケーシング本体10の天井部10a に枢支ピン14a,14a を介して枢支し、蓋本体14の前端中央部に取手17を取付け、同取手16に係止用フック17a を連動連設して、同係止用フック17a を生ゴミ投入口11の前側部に形成したフック受体18に係止している。19は取手枢支ピン、20はフック係止バネである。
【0017】
そして、投入蓋12は、図9〜図12にも示すように、蓋本体14の内面にパッキン21を取付けている。
【0018】
すなわち、蓋本体14の内面の外周縁部に、底面視矩形リング条に嵌入溝22を形成し、同嵌入溝22の側縁部に一対のパッキン姿勢保持片23,23 を、嵌入溝22の幅よりも近接させて対向状態に突設すると共に、複数対のパッキン姿勢保持片23,23 を嵌入溝22の伸延方向に間隔を開けて突設している。
【0019】
そして、一対のパッキン姿勢保持片23,23 を突設している嵌入溝22の部分には、同パッキン姿勢保持片23,23 の内側面を成形するための中子を抜くための型抜き孔22a を形成し、同型抜き孔22a と対向する蓋本体14の天井壁内面の部分より補強用リブ14b を伸延させて、同補強用リブ14b の先端を型抜き孔22a 内に挿入すると共に、同補強用リブ14b の先端に、後述するパッキン21の嵌入基部21a を支持させている。
【0020】
また、パッキン21は、上記嵌入溝22に嵌入する長尺の嵌入基部21a と、同嵌入基部21a の表面に一体成形したパイプ状のパッキン本体21b とから弾性素材により形成しており、パッキン本体21b は、前記一対のパッキン姿勢保持片23,23 間に挾持され、かつ、先端シール部21c が両パッキン姿勢保持片23,23 間より突出状となるべく形成している。
【0021】
このようにして、パッキン21を蓋本体14に取付ける際には、長尺に形成したパッキン21の一端側より嵌入溝22中に嵌入基部21a を順次嵌入して、他端側の端面を一端側の端面に当接させることにより、簡単に矩形リング状に配置して取付けることがてきる。
【0022】
この際、嵌入基部21a は嵌入溝22の幅よりも細幅に近接させて対向配置した一対のパッキン姿勢保持片23,23 の基端部に係止されて、容易に脱落することがない。
【0023】
そして、かかるパッキン21を取付けた投入蓋12を閉蓋させた際には、同パッキン21の先端シール部21c が生ゴミ投入口11の外側周縁部に圧接して、後述する生ゴミ処理槽30の密封性を確保できるようにしている。
【0024】
また、上記したパッキン21は、嵌入溝22より強く引出せば取外すこともできるために、パッキン21の取替えも容易に行なうことができる。
【0025】
図1及び図12に示すように、ケーシング本体10の天井部10a の左側前部には、投入蓋開閉検出スイッチ15を取付けており、同スイッチ15は、蓋本体14の前側左部に取付けた磁石14c が接近すると、同磁石14c の磁力によりスイッチONするようにしている。図11中、10j は化粧カバーである。
【0026】
なお、蓋本体14は、中空に形成して、内部に発泡断熱素材(図示せず)を充填して、断熱性を良好に確保している。
【0027】
また、図1〜図3に示すように、ケーシング本体10の天井部10a の右側部には、制御部収納空間24を形成し、同収納空間24内に後述する生ゴミ処理部2を制御する制御部80を収納している。
【0028】
生ゴミ処理部2は、図3〜図5に示すように、ケーシング本体10内の上半部に、生ゴミ処理槽30を配置し、同生ゴミ処理槽30内にて生ゴミを撹拌手段31により撹拌しながら発酵さらには熟成処理するようにしている。
【0029】
生ゴミ処理槽30は、図3〜図6に示すように、ケーシング本体10の天井部10a に形成した生ゴミ投入口11の左側縁部近傍位置に垂設した左側壁30a と、ケーシング本体10の天井部10a の右側部に垂設した右側壁30b との前後端縁間に、前後壁30c,30d を架設すると共に、左右側壁30a,30b の下端縁を下方へ凸状の半円弧状に形成して、両左右側壁30a,30b の下端周縁間に円弧状底部30e を架設して形成しており、同生ゴミ処理槽30内には、生ゴミ投入口11の左側縁部近傍位置に仕切壁30f を立設することにより、生ゴミ投入口11の直下方位置に第一処理槽32を形成すると共に、その左側方に第二処理槽33を隣接させて形成している。
【0030】
ここで、第一処理槽32の容積は、第二処理槽33の容積の略3倍の大きさに形成している。
【0031】
このようにして、第一処理槽32内に生ゴミを定時的に投入して、大量の生ゴミを発酵さらには熟成処理することができ、第一処理物は、第二処理槽33内でさらに熟成処理して最終残渣物とした後、同最終残渣物を回収部3より定期的に回収して、最終残渣物を堆肥として有効利用することができるようにしており、特に、一般家庭で排出される生ゴミの処理に効果的なものとしている。
【0032】
なお、第一処理槽32と第二処理槽33の容積比は、上記した略3:1に限らず適宜設定することができるものであり、例えば、業務用の生ゴミ処理槽30としては,上記容積比を略2:1に設定するのが好ましい。
【0033】
そして、図3及び図5に示すように、仕切壁30f の前側上部位置には、第一処理槽32内で発酵さらには熟成処理した第一処理物を、第二処理槽33内にオーバーフローさせるための第1オーバーフロー窓34を形成し、また、左側壁30a の前側上部位置に、第二処理槽33内で熟成処理した第二処理物を最終残渣物として後述する回収部3内にオーバーフローさせるための第2オーバーフロー窓35を形成しており、両オーバーフロー窓34,35,は、左右幅方向に符合させると共に、第1オーバーフロー窓34は第2オーバーフロー窓35よりも一定高さHだけ上方に位置させている。
【0034】
しかも、図13にも示すように、仕切壁30f の第一処理槽32側で、かつ、第1オーバーフロー窓34の近傍位置に、上下一対の払い棒90,90 を突設しており、同払い棒90,90 は、仕切壁30f より一定角度θ(例えば、45度)を開けて突設している。
【0035】
さらに、第1オーバーフロー窓34の内側縁部には、流入規制片91を第一処理槽32側へ折り返し状に突設している。
【0036】
このようにして、第一処理槽32内で逆回転する撹拌爪41,42,43により撹拌される第一処理物は、払い棒90,90 により払われ、さらに、流入規制片91により第1オーバーフロー窓34への流入を規制されて、第1オーバーフロー窓34を通して第二処理槽33内に流入することがなく、第一処理槽32内で確実に処理される。
【0037】
また、図3〜図5に示すように、仕切壁30f の上端縁は、左右側壁30a,30b の上端縁よりも一定幅だけ下方に位置させて、生ゴミ処理槽30の上部に槽内排気流路36を形成しており、同槽内排気流路36は、第一処理槽32の上方と第二処理槽33の上方とを連通させて形成している。
【0038】
生ゴミ処理槽30の円弧状底部30e の下面には、図6に示すように、面状のヒータ37を全面にわたって張設しており、同ヒータ37は、後述する制御部80により温度調節が行なえるようにしている。38は、生ゴミ処理槽30の前後壁30c,30d 及び円弧状底部30e の全面にわたって張設した断熱材である。
【0039】
撹拌手段31は、図3〜図6に示すように、生ゴミ処理槽30の左右側壁30a,30b 及び仕切壁30f の各中央部に、撹拌爪支軸40を左右幅方向に貫通させ、前記左右一対の軸支持スタンド56,56 の上部間に同撹拌爪支軸40を横架し、第一処理槽32内において、撹拌爪支軸40の左右側部に左右対の第1・第2撹拌爪41,42 の中央部を、側面視にて相互に略直交する状態に取付け、両撹拌爪41,42 の中間位置する撹拌爪支軸40に第3撹拌爪43の中央部を上記第1・第2撹拌爪41,42 と側面視にて略45度の位相角をもたせて取付ける一方、第二処理槽33内において、撹拌爪支軸40に第4撹拌爪44の中央部を、第1・第2撹拌爪41,42 と側面視にて略45度の位相角をもたせて取付けている。
【0040】
ここで、第1・第2・第4撹拌爪41,42,44は、一側先端部を外側方へ略直角に折曲させて一側先端刃41a,42a,44a を形成すると共に、他側先端部を内側方へ略直角に折曲させて他側先端刃41b,42b,44b を形成し、また、第3撹拌爪43は直状に形成して、両端に先端刃43a,43b を形成しており、これら撹拌爪41,42,43,44 は、同一回転半径にて、円弧状底部30e の内面に沿って回転するようにしている。
【0041】
しかも、生ゴミ処理槽30の後壁30d の中途部には、図3及び図6に示すように、左右幅方向に間隔を開けて三個の板状の第1・第2・第3受刃45,46,47を各撹拌爪41,42,43の回転軌跡と平行させて突設しており、第1受刃45は第1撹拌爪41の一側先端刃41a の先端回転軌跡の右側近傍に配置し、また、第2受刃46と第3受刃47は、第3撹拌爪43の先端刃43a の先端回転軌跡の左右側近傍に配置している。
【0042】
さらに、各受刃45,46,47は、図6に示すように、上端幅よりも下端幅を広幅に形成して、下端に形成される各刃先45a,46a,47a と前端に形成される各刃先45b,46b,47b とが、各先端刃41a,41b,42b,43a,43b の先端回転軌跡とそれぞれ側面視にて略直交状態となるように形成し、各受刃45,46,47の中途部に前後方向に伸延するリブ45c,46c,47c を屈曲させて形成している。
【0043】
また、第1受刃45と第2受刃46とは連結板48を介して連結しており、両受刃45,46 と取付板48とは、平面視コ字状に一体成形して、生ゴミ処理槽30の後壁30d に支持板49を介して取付けている。第3受刃47は取付板48と平面視L字状に一体成形して、上記後壁30d に支持板49を介して取付けている。48a は取付ボルトである。
【0044】
このようにして、各撹拌爪41,42,43の各先端刃41a,41b,42b,43a,43b と、これらに近接する各受刃45,46,47との間で生ゴミを破砕処理することができるようにしている。
【0045】
この際、各受刃45,46,47の刃先45a,46a,47a は、各先端刃41a,41b,42b,43a,43b の先端回転軌跡と側面視にて略直交状態となしているために、各先端刃41a,41b,42b,43a,43b が各刃先45a,46a,47a と側面視にて交差する際に、生ゴミの破砕を確実に、かつ、効率良く行なうことができる。
【0046】
しかも、各先端刃41a,41b,42b,43a,43b の先端回転規制と側面視にて交差する各受刃45,46,47の中途部には、リブ45c,46c,47c を形成しているために、破砕処理時に各受刃45,46,47に大きな負荷が作用した場合にも、同受刃45,46,47の強度を確保することができて、破砕処理を確実に、かつ、効率良く行なうことができる。
【0047】
また、上記した撹拌手段31では、各撹拌爪41,42,43,44 を、回転駆動手段92により正・逆回転駆動させるようにしており、同回転駆動手段92は、右側の支持スタンド56の支持部56b に撹拌爪駆動用モータ50を取付け、同モータ50より出力軸50a を右側方へ突出させ、同出力軸50a と撹拌爪支軸40の左側端部40a との間に伝動チェン51をスプロケット52,53 を介して巻回している。
【0048】
そして、撹拌爪駆動用モータ50は、図5及び図14に示すように、モータ支持用枠としての支持部56b に矩形板状のモータ支持台95を介して着脱自在に取付けている。
【0049】
すなわち、支持部56b には、大・中・小三種類の大きさのモータ支持台93,94,95を取付け可能とすべく、各モータ支持台93,94,95の各角部に形成した台側取付孔93a,94a,95a に符合する機枠側取付孔としての支持部側取付孔56d,56e,56f を形成して、支持部56b にいずれかのモータ支持台93,94,95を取付ボルト120,120,120,120 により選択的に取付け可能としている。
【0050】
従って、所望の撹拌爪駆動用モータ50の大きさに応じたモータ取付台93,94,95を支持部56b に選択的に、かつ、位置決めが確実に行なえて、しかも、容易に取付けることができて、回転駆動手段92の回転駆動能力を適宜変更することができる。
【0051】
また、モータ取付台93,94,95には、それぞれチェン張り体取付孔54,54,54を形成し、同チェン張り体取付孔54を介して各モータ取付台93,94,95にチェン張り体55を取付けている。55a はチェン張り体取付用ビス、75はモータ回転センサであり、同モータ回転センサ75により撹拌爪駆動用モータ50の回転数を検出するようにしている。
【0052】
上記のような構成により、生ゴミ処理部2では、図16に示すように、第一処理槽32内に生ゴミを投入した後、撹拌爪駆動用モータ50により撹拌爪支軸40に取付けた各撹拌爪41,42,43,44 を側面視にて反時計方向に逆回転させることにより、生ゴミを撹拌しながら破砕処理し、発酵処理し、さらに、熟成処理することができるようにしている。
【0053】
この際、生ゴミの投入を初めて行なう場合には、好気性菌を種菌として付着させた副資材(例えば、オガクズ、ゼオライト、パーライト)を生ゴミと一緒に投入して、生ゴミの発酵を促進させると共に、破砕・撹拌される生ゴミがすりつぶされて液状化しないようにし、できるだけポーラス状となるようにする。
【0054】
その後は、発酵処理槽32内に一部滞溜している発酵処理物が副資材に代わって発酵促進機能を果すようにしており、生ゴミは一定期間、例えば、1ケ月間生ゴミ処理槽32内に滞溜させて、発酵さらには熟成処理して最終残渣物として回収するようにしている。
【0055】
そして、第一処理槽32内で処理した第一処理物は、図17に示すように、撹拌駆動用モータ50により各撹拌爪41,42,43,44 を側面視にて時計方向に正回転させることにより、第2撹拌爪42により掻上げられる第一処理物Bを第1オーバーフロー窓34を通して第二処理槽33内にオーバーフローさせることができるようにしている。
【0056】
この際、第1オーバーフロー窓34と第2オーバーフロー窓35との間に一定高さHの高低差をもたせて、オーバーフローする第一処理物Bが、直に第2オーバーフロー窓35を通して回収部3に回収されるショートパスを防止することができるようにしている。
【0057】
また、第二処理槽33内に移送された第一処理物は、第4撹拌爪44により撹拌しながら、さらに発酵させて熟成処理することができるようにしている。従って、かかる第二処理槽33内で発酵されにくい繊維質の植物も、確実に発酵させて熟成することができる。
【0058】
この際、第二処理槽33内では、正回転する第4撹拌爪44により第二処理物を第2オーバーフロー窓35を通して回収部3にオーバーフローさせることができるようにしている。
【0059】
ここで、上記のような発酵処理及び熟成処理を行なう際には、生ゴミ処理槽30の円弧状底部30e に張設した面状のヒータ37により同生ゴミ処理槽30を加温するようにしており、図5に示すように、同生ゴミ処理槽30の右側壁30b の下部には、温度センサ76と湿度センサ77とを発酵処理槽32内に突出させて取付け、両センサ76,77 を後述する制御部80に接続して、同制御部80によりヒータ37の温度制御を行なって、所望の温度で発酵・熟成処理が行なえるようにしている。
【0060】
回収部3は、図3、図4、及び、図6に示すように、ケーシング本体10の左側壁10e と生ゴミ処理槽30の左側壁30a との間に形成される空間内に配置した回収用樋60と、同回収用樋60の下端部60b の直下方位置に配置し
て、回収した最終残渣物を収容する回収トレイ61と、同回収トレイ61の重量を検出する重量検出手段96と、同重量検出手段96からの検出結果にもとづいて回収トレイ61内の最終残渣物の排出時期を報知する報知手段97とから構成している。
【0061】
そして、回収用樋60は、図3、図4、及び、図6に示すように、生ゴミ処理槽30の左側壁30a に形成した第2オーバーフロー窓35に上端部60a を連通させて取付け、同左側壁30a に沿わせて内側下方へ向けて伸延させて、生ゴミ処理槽30の円弧状底部30e 位置より下端部60b を右側下方へ向けて突出させている。
【0062】
回収トレイ61は、図3、図4、及び、図6に示すように、前後方向に伸延する横長矩形箱状に形成して、回収用樋60の下端部60b の直下方に位置する重量検出手段96上に載置している。
【0063】
重量検出手段96は、図8及び図15にも示すように、回収トレイ61を載置すると共に、同回収トレイ61の重量増大に比例して下降動作するトレイ載置台96a と、同トレイ載置台96a のあらかじめ設定した下降制限位置を排出時期として検出する排出時期検出センサ96b とを具備している。
【0064】
そして、トレイ載置台96a は、ケーシング本体10の底部10d に横架した枢軸96c に、底面前部に垂設した枢支片96d,96d を回動自在に枢支して取付ける一方、上記底部10d とトレイ載置台96a の後部に形成したスプリング収容部96e との間にスプリング96f を介在させて、トレイ載置台96a を略水平に保持し、トレイ載置台96a 上に載置した回収トレイ61内に最終残渣物が収容されて、同回収トレイ61の重量が増大するにしたがって、枢軸96c を中心に後部側がスプリング96f の弾性付勢力に抗して下降動作するようにしている。96g は、トレイ載置台96a の上昇動作規制片、10k は上昇動作規制片挿通孔である。
【0065】
また、排出時期検出センサ96b は、図8及び図15に示すように、トレイ載置台96a の下面後部に、上方へ凸状の磁石収容凹部96h を形成し、同磁石収容凹部96h 内に磁石96j を収容する一方、同磁石96j の直下方に位置する底部10d の部分に下方凸状のスイッチ収容部96k を形成し、同スイッチ収容部96k 内に近接スイッチ96m を収容して、あらかじめ設定したトレイ載置台96a の下降制限位置までトレイ載置台96a が下降すると、近接した磁石96j の磁力により近接スイッチ96m がスイッチONするようにしている。
【0067】
報知手段97は、図15に示すように、近接スイッチ96m に排出時期報知ランプ97a を接続して、上記近接スイッチ96m がスイッチONすると、点灯するようにしている。
【0068】
このようにして、回収トレイ61内に回収された最終残渣物の重量にもとづいて適正な報知を排出時期報知ランプ97a を点灯させて行なうことができるために、使用者は、同ランプ97a を視認することにより、効率良く最終残渣物の排出作業を行なうことができる。
【0069】
なお、報知手段97としては、別途、ブザー等の音を発するものを使用することもできる。
【0070】
また、図8に示すように、トレイ載置台96a の後側立上り壁96n に、トレイ収納検出スイッチ16を取付ける一方、回収トレイ61の後壁61c に磁石61d を取付けて、回収トレイ61をトレイ載置台96a 上に確実に収納・載置した状態にて、磁石61d の磁力により上記トレイ収納検出スイッチ16がスイッチONするようにしている。
【0071】
そして、図15に示すように、回収トレイ61の底部61e には、トレイ載置台96a 上に確実に収納・載置した状態にて、上方へ凸状の磁石収容凹部96h が嵌合する嵌合凹部61f を形成して、同嵌合凹部61f を磁石収容凹部96h に嵌合させることにより、回収トレイ61の収納位置決めが行なえると共に、前記したトレイ収納検出スイッチ16がスイッチONするようにしている。
【0072】
そして、かかる回収トレイ61は、取手61a を介して手前に引出すことにより、容易に取出すことができるようにしている。
【0073】
脱臭部4は、図4〜図7に示すように、生ゴミ処理槽30に脱臭部ケース67を臭気案内ダクト68を介して連通連設し、同脱臭部ケース67に脱臭器65と排気ファン66とを取付けている。67k は蓋体取付用ビスである。
【0074】
脱臭部ケース67は、後面開口の横長箱状に形成したケース本体67a と、同ケース本体67の後端面に着脱自在に取付けた蓋体67b とから形成している。
【0075】
ケース本体67a 内には、中央部に触媒収容ケース67c を配置し、同触媒収容ケース67c 内に触媒69を収容して、同触媒69を仕切りにして脱臭空間70と排気空間71とを形成し、同脱臭空間70側の側壁67d の上部に脱臭器65としてのオゾン発生器を取付け、同オゾン発生器の近傍に流路形成壁67e をケース本体67a の底部67f より天井壁67g の近傍まで立設して、同流路形成壁67d と上記側壁67d との間に位置するケース本体67a の前壁下部に外気取入孔72を形成して、同外気取入孔72とケース本体67a と流路形成壁67e とにより外気流入路72a を形成し、また、流路形成壁67e と触媒収容ケース67c と底部67f とによりほこり溜り部67h を形成している。
【0076】
そして、排気空間71内に排気ファン駆動用モータ81により駆動される排気ファン66を配置し、同排気ファン66と対向する蓋体67b に排気口67j を形成している。
【0077】
臭気案内ダクト68は、生ゴミ処理槽30の後壁30d の上部に開口した排気窓73に、基端部68a を連通連設し、先端部68b を直下方へ伸延させると共に、断面積を漸次縮小させて、脱臭部ケース67の天井壁67g に先端部68b を連通連設して、脱臭空間70と生ゴミ処理槽30とを連通させている。73a は排気窓73に張設した網体である。
【0078】
しかも、脱臭空間70の断面積は、臭気案内ダクト68の先端部68b の断面積よりも大きく形成し、同先端部68b の直下方位置に前記ほこり溜り部67h を配置している。
【0079】
また、上記した触媒69は、オゾンを酸素に還元すると共に、残存する臭気物質を取除くものを使用している。
【0080】
このようにして、排気ファン66を回転させて、脱臭部ケース67内の空気を排出することにより、生ゴミ処理槽30内に発生した臭気を、排気窓73→臭気案内ダクト68→脱臭空間70内に案内する。
【0081】
この際、臭気案内ダクト68内を流下する臭気は、漸次流速を増大させ、脱臭室内70内に流入したとたんに流速が減速される一方、外気取入孔72より外気流入路72a に流入した外気が、オゾン発生器より発生したオゾンを途中で取込んで脱臭空間70内に流入して、臭気とオゾンを取込んだ外気とが脱臭空間70内で拡散して希釈化されると共に、オゾンにより臭気は脱臭され、さらに、触媒69を通して排気空間71に吸引されて、同排気空間71→排気口67j →排気孔25を通して外部へ排出される。
【0082】
そして、排気は、脱臭空間70より排気空間71内へオゾンを酸素に還元すると共に、残存臭気物質を取除く触媒69を通って流入するために、オゾンが排気空間71内に流入することはなく、同オゾンが外部へ排出されるのを確実に防止することができる。
【0083】
また、臭気案内ダクト68より脱臭空間70内に臭気と共に流入したほこりは、臭気が減速・拡散することにより、静かに脱臭空間70内を自然落下し、ケース本体67a の底部67f に形成したほこり溜り部67h に溜る。
【0084】
従って、ほこりが排気と一緒に外部へ放出されるのを確実に防止することができる。
【0085】
また、ケース本体67a の排気空間71側の側壁67k の下部に、後カバー検出スイッチ99としての近接スイッチを取付ける一方、同後カバー検出スイッチ99と対向する後カバーとしての後壁10c の下部に磁石100 を取付けて、同磁石100 が後カバー検出スイッチ99に近接状態では、同スイッチ99はスイッチOFF 状態を保持し、同スイッチ99がONした場合には、制御部80を介して脱臭器65の作動を停止させるようにしている。
【0086】
このようにして、例えば、脱臭部ケース67内に配置した触媒69のメンテナンス等を行なう際に、後カバーとしての後壁10c を取外すと、後カバー検出スイッチ99がスイッチONして脱臭器65の作動を停止させることができる。
【0087】
従って、脱臭部ケース67の蓋体67b を取外すまでには、脱臭空間70内のオゾンは還元されて、作業者が不用意にオゾンを吸うという不具合を防止することとができる。
【0088】
制御部80は、図18に示すように、入力側に、投入蓋開閉検出スイッチ15と、トレイ収納検出スイッチ16と、モータ回転センサ75と、温度センサ76と、湿度センサ77と、排出時期検出センサ96b と、後カバー検出スイッチ99と、モード切替スイッチ101 と、電源スイッチ102 とを接続する一方、出力側に、ヒータ37と、撹拌爪駆動用モータ50と、脱臭器65と、排気ファン駆動用モータ81と、電源投入表示ランプ82と、標準モード表示ランプ83と、パワーアップモード表示ランプ84と、排出表示ランプ85と、異常表示ランプ86とを接続しており、タイマーTを内蔵している。
【0089】
ここで、電源投入表示ランプ82は、電源にコンセントが接続された時に点灯し、また、標準モード表示ランプ83は、モード切替スイッチ101 により標準モードを設定している時に点灯し、また、パワーアップモード表示ランプ84は、モード切替スイッチ101 によりパワーアップモードが設定された時に点灯し、また、排出表示ランプ85は、回収トレイ61内の熟成処理物である最終残渣物の排出時期を排出時期検出センサ96b が検出した時に点滅するようにしている。
【0090】
そして、かかる制御部80では、以下の制御が行なえるようにしており、各制御及び制御タイミングを、図19〜図24を参照しながら説明する。
【0091】
〔初期状態〕
電源にコンセントが接続され、電源スイッチ102 が「入」になり、電源が供給されると、電源投入表示ランプ82が点滅する。標準モード表示ランプ83が点灯し、その他の出力は停止する。
【0092】
〔破砕運転制御〕
破砕運転では、図19に示すように、投入蓋12が閉塞状態から開放状態にされると撹拌爪駆動用モータ50を直ちに停止し、排気ファン66を駆動させる。
【0093】
そして、ヒータ37は、投入蓋12が開放される直前のモードを継続する。ただし、初期状態から始まった場合には、排気ファン66は駆動させない。
【0094】
投入蓋12が開放状態から閉塞状態になるか、又は、電源供給後5分間経過すると、直ちに破砕運転が開始される。
【0095】
破砕運転は、撹拌爪駆動用モータ50を59分49秒間逆転させた後、5秒間停止させ、続いて、6秒間正転させる。
【0096】
この際、ヒータ37は常時作動停止させ、排気ファン66は常時作動させる。
【0097】
また、投入蓋12が開放状態から閉塞状態にされて破砕運転が開始された時は、破砕運転開始から21時間までは、投入蓋12が閉塞状態→開放状態→閉塞状態にされても、破砕運転を始めから開始しないで、投入蓋12が開放される直前の制御を継続する。そして、21時間経過以降は、破砕運転を始めから開始する。
【0098】
〔第一発酵運転制御〕
第一発酵運転は、図19及び図21に示すように、1度目と3度目の破砕運転が終了後に開始されるものであり、撹拌爪駆動用モータ50を、44分49秒間停止させた後、15分間逆転させ、5秒間停止させて、6秒間正転させる。かかる動作を9回繰返す。
【0099】
この際、ヒータ37は、温度センサ76がT1℃以下になると作動し、T2℃以上になると作動停止する。ただし、撹拌爪駆動用モータ50が駆動中はヒータ37を作1停止させ、また、排気ファン66は常時作動させる。ここで、T1、T2の温度は、表1に示す通りである。
【0100】
【表1】
Figure 0003623611
【0101】
〔第二発酵運転制御〕
第二発酵運転は、図20に示すように、2度目の破砕運転が終了後に開始されるものであり、撹拌爪駆動用モータ50を、44分49秒間停止させた後、15分間逆転させ、5秒間停止させ、6秒間正転させる。かかる動作を6回繰返す。
【0102】
この際、ヒータ37は、温度センサ76がT1℃以下になると作動し、T2℃以上になると作動停止する。ただし、撹拌爪駆動用モータ50が駆動中はヒータ37を作動停止させ、また、排気ファン66は常時作動させる。
【0103】
〔オーバーフロー運転制御〕
オーバーフロー運転は、図20に示すように、第二発酵運転が終了後に開始されるものであり、撹拌爪駆動用モータ50を、49分44秒間停止させた後、2分30秒間正転させ、5秒間停止させ、7分30秒間逆転させ、5秒間停止さた後、6秒間正転させる。かかる動作を3回繰返す。
【0104】
この際、ヒータ37は、温度センサ76がT1℃以下になると作動し、T2℃以上になると作動停止する。ただし、撹拌爪駆動用モータ50が駆動中はヒータ37を作動停止させ、また、排気ファン66は常時作動させる。
【0105】
〔熟成運転制御〕
熟成運転は、図19及び図20に示すように、第一発酵運転又はオーバーフロー運転が終了後に開始されるものであり、撹拌爪駆動用モータ50を、49分49秒間停止させた後、10分間逆転させ、5秒間停止させ、6秒間正転させた後、1時間停止する。
【0106】
この際、ヒータ37は、温度センサ76がT1℃以下になると作動させ、T2℃以上になると作動停止させる。ただし、撹拌爪駆動用モータ50が駆動中は、ヒータ37と排気ファン66を作動停止させることにより、二酸化炭素の濃度を増大させて、熟成を促進する。
【0107】
そして、熟成運転の後半1時間は、後述する湿度制御を実行する。
【0108】
ここで、本実施例では、図19及び図20に示すように、24時間を1サイクルとして、前半の12時間は破砕運転→第一発酵運転→熟成運転の順序で処理を行ない、後半の12時間は、破砕運転→第二発酵運転→オーバーフロー運転→熟成運転の順序で処理を行なうようにしている。
【0109】
このようにして、生ゴミ処理槽30内に1日に2回生ゴミを投入した場合でも、上記破砕運転、発酵運転、及び、熟成運転が少なくとも1回は行なわれて、破砕・発酵・熟成の生ゴミ処理を充分に行なうことができるようにしている。
【0110】
〔温度制御〕
温度制御は、温度センサ76による温度検出結果にもとづいて、制御部80によるヒータ37の温度制御を、表1に示すように、60℃〜65℃の温度範囲内で行なう標準モードと、同標準モードの温度範囲よりも高温度範囲である65℃〜70℃の温度範囲内で行なうパワーアップモードとに、モード切替スイッチ101 の操作により選択的に変更可能としたものである。
【0111】
この際、選択されたモード表示ランプが点灯し、撹拌爪駆動用モータ50と排気ファン66の駆動は変更しない。ただし、パワーアップモードは、24時間経過すると標準モードにもどるようにしている。また、後述する留守番モードになると留守番モードの温度設定になる。
【0112】
このようにして、生ゴミの投入量が多い場合や、生ゴミの水気が多い場合には、標準モードからパワーアップモードに変更することにより、生ゴミを効率良く発酵・熟成処理することができるようにしている。
【0113】
〔湿度制御〕
湿度制御は、熟成運転時に、湿度センサ77による湿度検出結果にもとづいて、制御部80によるヒータ37の温度制御の温度範囲を、表2のように変更する制御である。
【0114】
【表2】
Figure 0003623611
【0115】
そして、かかる湿度制御は、図22に示すように、撹拌爪駆動用モータ50の逆転時に、湿度センサ77により5分毎の2回だけ湿度を検出して、その検出値の平均をとり、熟成運転の後半の1時間だけ実行する。
【0116】
この際、モード切替スイッチ101 が押されると、モード表示ランプは変更するが、温度は変更されず、熟成運転が終了した際に、表示されたモードの温度で温度制御する。
【0117】
このようにして、処理物の湿度に応じた適正な温度にて効率良く発酵・熟成処理を行ない、ヒータ37のランニングコストを低下させて、電力を有効利用することができるようにしている。
【0118】
〔排出制御〕
排出制御は、図23に示すように、トレイ収納検出スイッチ16のON,OFFに係わらず、排出時期検出センサ96b が5秒以上連続してONすると、排出表示ランプ85を点滅させるものであり、同排出表示ランプ85の点滅は、排出時期検出センサ96b が5秒以上連続してOFFするか、トレイ収納検出スイッチ16がOFF→ONすると解除され、同トレイ収納検出スイッチ16がONすると直ちに前の状態を継続する。
【0119】
この際、トレイ収納検出スイッチ16がON→OFFになると、撹拌爪駆動用モータ50は直ちに停止するが、ヒータ37は作動停止しない。
【0120】
〔撹拌モータ過負荷制御〕
撹拌モータ過負荷制御は、図24に示すように、撹拌爪駆動用モータ50の駆動開始の1秒後から500ms 毎にモータ回転センサ75のパルスをカウントし、同モータ回転センサ75のパルスが7パルス/秒以下になると、撹拌爪駆動用モータ50を停止させる。停止5秒後に撹拌爪駆動用モータ50を停止以前の回転と逆方向に20秒間駆動する。逆転後、5秒間停止させて、過負荷以前の動作を継続する。かかる動作を3回繰返してなおも過負荷の場合は、撹拌爪駆動用モータ50を停止し、5秒後に逆方向に20秒間駆動させて、異常表示ランプ86を点滅させる。
【0121】
かかる状態は、電源「切」でも記憶され、後述するテストモードでリセットされる。ただし、ヒータ37は過負荷制御する前の状態を維持する。
【0122】
〔脱臭制御〕
脱臭制御は、排気ファン66の駆動時に、脱臭器65の電源を入にし、また、後カバーとしての後壁10c が取外されて、後カバー検出スイッチ99がONすると、直ちに撹拌爪駆動用モータ50とヒータ37と排気ファン66と脱臭器65とを停止させるものである。
【0123】
〔留守番モード〕
留守番モードは、図21に示すように、投入蓋12が36時間開閉されない場合に採るモードであり、ヒータ37を、温度センサ76が2℃以下を検出すると作動させ、7℃以上を検出すると作動停止させる。
【0124】
そして、撹拌爪駆動用モータ50を、2時間47分49秒停止させた後、6分間逆転させ、5秒間停止させて、6秒間正転させる。
【0125】
また、排気ファン66は、撹拌爪駆動用モータ50の駆動停止後、6分間作動させ、それ以外は作動停止させる。
【0126】
それ以後、上記動作を繰返し、更に60時間投入蓋12が開閉されなければ、撹拌爪駆動用モータ50とヒータ37と排気ファン66とを作動停止させる。
【0127】
〔テストモード〕
テストモードは、全ての制御に優先し、トレイ収納検出スイッチ16がONで、モード切替スイッチ101 がONの状態で、投入蓋12が「開」→「閉」→「開」に操作された時に以下の動作を行なって、動作後に全てのメモリーをクリヤーにして、初期状態に戻る。
【0128】
▲1▼ 撹拌爪駆動用モータ50は、正転5秒→停止5秒→逆転5秒→停止し、初期状態となる。
【0129】
▲2▼ 電源投入表示ランプ82と排出表示ランプ85と異常表示ランプ86は、撹拌爪駆動用モータ50が駆動中は点滅する。
【0130】
▲3▼ 排気ファン66は、撹拌爪駆動用モータ50が駆動中は作動する。
【0131】
〔温度センサ異常〕
ヒータ37を作動させて1分経過後、温度センサ76が0℃以下又は70℃以上を2秒間継続して検出した場合には、温度センサ76の異常と判断して、異常表示ランプ86を点滅させて、ヒータ37の作動を停止させる。
【0132】
この際、撹拌爪駆動用モータ50と排気ファン66の制御は続ける。
【0133】
かかる状態は、電源を「切」にするか、テストモードでリセットされる。
【0134】
〔ヒータ異常〕
熟成運転中(2時間)に、ヒータ37が作動しているにもかかわらず、温度センサ76がT1℃以上に1度もならない場合には、ヒータ37の異常と判断して、異常表示ランプ86を点滅させて、ヒータ37の作動を停止させる。
【0135】
かかる状態は、電源を「切」にするか、テストモードでリセットされる。
【0136】
なお、上記した制御の説明において、時間や温度や回数等について具体的数値を記載しているが、これらはあくまで、好ましい数値の具体例であり、何らこれらの数値に限られるものではない。
【0137】
図25は、他の実施例としての生ゴミ処理装置Aを示しており、同生ゴミ処理装置Aは、基本的構造を前記生ゴミ処理装置Aと同じくしているが、生ゴミ処理槽30の前壁30c の上部に吸入孔110 を形成すると共に、後壁30d に吸入孔110 と対向させて排出孔111 を形成し、同排出孔111 に上下方向に伸延する排出案内ダクト112 の上端部を連通連設し、同排出案内ダクト112 の下端部を二又状に分岐させて排気部112aの下端部を二又状に分岐させて排気部112aと循環部112bとを形成し、排気部112aはケーシング本体10の底部10d より下方外部へ突出させる一方、循環部112bは底部10d に沿わせて前方へ屈曲させ、底部10d の前部には吸気孔113 を形成している点で異なる。
【0138】
しかも、排気案内ダクト112 の下部には排気ファン114 を設け、排気部112aの断面積よりも循環部112bの断面積を略2倍の大きさに形成している。
【0139】
このようにして、排気ファン114 を作動させると、生ゴミ処理槽30内の臭気を排出孔111 →排気案内ダクト112 →排気部112a→外部へ排出する流路115 と、排出孔111 →排気案内ダクト112 →循環部112b→ケーシング本体10内→吸入孔110 →生ゴミ処理槽30内に循環させる循環流路116 とが形成され、循環流路116 には吸気孔113 から流入する空気が合流する。
【0140】
この際、排気部112aよりも循環部112bの断面積を略2倍に大きく形成しているために、外部に排出される臭気の量よりも外気を取り込みながら循環される空気の量が多い。
【0141】
このように、少量づつ臭気を排出することにより、脱臭を不要若しくは小規模の脱臭器で脱臭可能としている。
【0142】
しかも、循環中に外気を取り込むことにより、発酵処理に必要な酸素を取り込むことができ、生ゴミ処理槽30内であたためられた空気を循環することにより、処理物の温度低下を防止できる。
【0143】
【発明の効果】
本発明では、生ゴミを発酵処理する生ゴミ処理部と、同生ゴミ処理部により処理した最終残渣物を回収する回収部とを設けたケーシング本体を具備する生ゴミ処理装置において、回収部に、回収した最終残渣物を収容する回収トレイと、同回収トレイの重量を検出する重量検出手段と、同重量検出手段からの検出結果にもとづいて回収トレイ内の最終残渣物の排出時期を報知する報知手段とを設け、前記重量検出手段は、前記回収トレイの重量増大に比例して下降動作するトレイ載置台と、同トレイ載置台のあらかじめ設定した下降制限位置を排出時期として検出する排出時期検出センサとを具備し、この排出時期検出センサは、前記トレイ載置台の下面に磁石収容凹部を形成し、同磁石収容凹部内に磁石を収容する一方、同磁石の直下方に位置する前記ケーシング本体の底部に下方凸状のスイッチ収容部を形成し、同スイッチ収容部内に近接スイッチを収容してなり、しかも、前記回収トレイの底部に、前記磁石収容凹部が嵌合する嵌合凹部を形成している。
【0144】
従って、回収トレイ内の最終残渣物の重量にもとづいて適正な報知を行なうことができるとともに、回収トレイの収納位置決めが行なえる。
【0145】
従って、使用者は、効率良く最終残渣物の排出作業を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生ゴミ処理装置の正面図。
【図2】同生ゴミ処理装置の平面図。
【図3】同生ゴミ処理装置の断面正面図。
【図4】同生ゴミ処理装置の断面左側面図。
【図5】同生ゴミ処理装置の断面右側面図。
【図6】同生ゴミ処理装置の断面右側面図。
【図7】同生ゴミ処理装置の一部切欠背面図。
【図8】同生ゴミ処理装置の断面平面図。
【図9】投入蓋の底面図。
【図10】図1のI−I 線断面説明図。
【図11】図1のII−II 線断面説明図。
【図12】図1のIII−III 線断面説明図。
【図13】仕切壁の平面図。
【図14】モータ取付台の取付状態説明図。
【図15】重量検出手段の断面側面図。
【図16】同生ゴミ処理装置の逆回転方向の撹拌状態説明図。
【図17】同生ゴミ処理装置の正回転方向の撹拌状態説明図。
【図18】制御ブロック図。
【図19】撹拌運転制御のタイミングチャート。
【図20】撹拌運転制御のタイミングチャート。
【図21】撹拌運転制御のタイミングチャート。
【図22】湿度制御のフローチャート。
【図23】排出制御のタイミングチャート。
【図24】撹拌モータ過負荷制御のフローチャート。
【図25】他の実施例としての生ゴミ処理装置の断面側面説明図。
【符号の説明】
A 生ゴミ処理装置
1 ケーシング
2 生ゴミ処理部
3 回収部
4 脱臭部

Claims (1)

  1. 生ゴミを発酵処理する生ゴミ処理部と、同生ゴミ処理部により処理した最終残渣物を回収する回収部とを設けたケーシング本体を具備する生ゴミ処理装置において、
    回収部に、回収した最終残渣物を収容する回収トレイと、同回収トレイの重量を検出する重量検出手段と、同重量検出手段からの検出結果にもとづいて回収トレイ内の最終残渣物の排出時期を報知する報知手段とを設け、
    前記重量検出手段は、前記回収トレイの重量増大に比例して下降動作するトレイ載置台と、同トレイ載置台のあらかじめ設定した下降制限位置を排出時期として検出する排出時期検出センサとを具備し、この排出時期検出センサは、前記トレイ載置台の下面に磁石収容凹部を形成し、同磁石収容凹部内に磁石を収容する一方、同磁石の直下方に位置する前記ケーシング本体の底部に下方凸状のスイッチ収容部を形成し、同スイッチ収容部内に近接スイッチを収容してなり、しかも、前記回収トレイの底部に、前記磁石収容凹部が嵌合する嵌合凹部を形成したことを特徴とする生ゴミ処理装置。
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