JP3622370B2 - 画像補正装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶等を用いた映像表示システムに関して、原理的にあるいはその製造過程等で発生する均一性を補正する画像補正装置(G09G 3/36)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルを用いた映像表示装置の出力画像において、パネルの空間的な反射率および透過率のばらつきのため、単色の場合は輝度ムラとして、RGBで三つのパネルを用いた場合は色ムラとして認識される場合がある。これを一般的に均一性のムラと呼ぶが、これを補正する均一性補正技術に関しては数々の技術が報告されている。その代表的なものとして、例えば特開昭61−243495号公報がある。上記特許によらず、一般的に均一性補正をアナログ的に映像信号を変調する方式で行う場合、均一性補正装置はハード的には図19に示す構成により補正される。
【0003】
図19において、201aおよび201bは、それぞれ乗算用均一性補正波発生手段、加算用補正波発生手段、202は乗算手段であり、映像信号と乗算用均一性補正波とをかけ合わせる。また、203は加算手段であり、加算用均一性補正波と乗算手段202から出力された映像信号とを加算する。この加算手段203の出力が液晶ドライバへ出力される。つまり、映像信号を乗加算回路により変調することにより、空間的なムラに対応している。
【0004】
次に、CRTのRGB間の幾何学的色ずれをミスコンバージェンスと言うが、このミスコンバージェンスをデジタル的に補正する装置には、例えば特公平1−26234号公報に開示されるようなものがある。上記特許によらず、デジタルコンバージェンス補正装置は、簡潔に図20のような構成図で表せる。
【0005】
211は水平同期信号、垂直同期信号をもとに表示画面上に空間的に分布したアドレス信号を発生させるアドレス発生手段、212はアドレス発生手段211から発生されるアドレス信号をもとに、そのアドレスに対応するコンバージェンス補正データを記憶し、読み出してくる記憶手段、213は上記記憶手段に記憶されている不連続なデータをもとに、ある決められた関数で補間演算し、連続的なコンバージェンス補正波に変換する演算手段であり、この出力がコンバージェンスコイル(CY)へ送られる。ここで、機能的にみたブロック図は図20で示したものであるが、ハード構成的には、記憶手段212はEEPROMで、アドレス発生手段はマイクロコンピュータで、また演算手段213は上記マイクロコンピュータの命令によりVRAMで行われるのが一般的である。
【0006】
ここで、機能的には図19中の均一性補正波発生手段201a、201bは、図20で示したデジタルコンバージェンス補正装置で置き換えることが可能であるので、置き換えた時を考える。コンバージェンス補正の場合、様々な水平および垂直周波数で異なる面を持ち、そのそれぞれのデータを記憶手段212に記憶しておく。しかし、均一性補正の場合、補正を行うのは液晶パネルの反射率あるいは透過率の空間分布であり、アドレス発生手段211からのアドレス信号が常に空間的に同じ位置にあるなら、記憶手段212に記憶しておくデータは、マルチスキャンを行う場合でも1つでよいことになる。このただ1つの均一性補正データを、入力される水平および垂直周期にあうように時間軸で変換し、補正波として出力すればよいことになる。
【0007】
上記アドレス信号は、空間的な位置を示すが、実際は水平および垂直同期信号から作られたものである。よって、もし表示画面サイズが変化したとき、アドレス信号の位置は、空間的には変化してしまう。しかし、水平および垂直同期信号に対する時間的な位置で考えれば、アドレス信号の位置は変化しない。つまり、画面サイズが変化したとき、アドレス信号を表示画面の2次元的空間位置で一定にしようとすると、映像信号に対して座標の変換をしなければならない。デジタルコンバージェンスのアスペクト変換に関して、同様の技術が特開昭62−11388号公報に述べられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の発明では、2次元的空間位置に依存するムラのみが考慮されており、映像表示システム特有の原因により原理的に発生する走査時間に依存するムラが存在した場合には、対応することができない。
【0009】
また、入力される映像の垂直同期信号の周波数が変化したとき、上記のような走査時間に依存するムラがあると、均一性補正データが一つしかないと広範囲な垂直周波数領域で補正が困難となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データを発生させる第1のデータ発生手段と、表示画面の走査時間に依存する補正データを発生させる第2のデータ発生手段と、上記第1と第2のデータ発生手段から発生するデータを加算するデータ加算手段とを備えたことを特徴とするものである。本発明によれば、走査時間に依存する補正データが必要な場合を考慮し、空間的位置に依存する補正データと区別して扱うことが可能となる。
【0011】
また、本発明は、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データを発生させる第1のデータ発生手段と、表示画面の走査時間に依存する補正データを発生させる第2のデータ発生手段と、上記第1の補正データにより映像の均一性を補正する第1の補正手段と、上記第2の補正データにより映像の均一性を補正する補正手段とを備えたことを特徴とするものである。本発明によれば、均一性補正だけでなく、諧調性補正を同時に行わなければならないシステムにおいても、空間的位置に依存する補正データと走査時間に依存する補正データを区別して扱うことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、映像表示装置の表示画面の色ムラや輝度ムラなどの均一性を補正する装置であって、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データを発生させる第1のデータ発生手段と、表示画面の走査時間に依存する補正データを発生させる第2のデータ発生手段と、上記第1と第2のデータ発生手段からのデータを加算するデータ加算手段と、上記加算データにより画面上の映像の均一性を補正する補正手段とを有することを特徴とする画像補正装置に関するものであり、液晶等を用いた映像表示システムにおいて原理的にあるいはその製造過程等で発生する均一性のムラを精度良く補正することができる。
【0014】
本発明は、上記発明において、第1のデータ発生手段は、表示画面上の画面サイズに対応して補正データの座標変換を行って補正データを発生することを特徴とするものであり、表示画面上、2次元的に分布した任意の均一性補正波形を出力することができる。
【0015】
本発明は、上記発明において、第2のデータ発生手段は、表示画面上の垂直走査時間に対応して補正データを発生することを特徴とするものであり、垂直走査時間に対応した任意の均一性補正波形を出力することができる。
【0016】
本発明は、映像表示装置の表示画面の色ムラや輝度ムラなどの均一性を補正する装置であって、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データを発生させる第1のデータ発生手段と、表示画面の走査時間に依存する補正データを発生させる第2のデータ発生手段と、上記第1の補正データにより映像の均一性を補正する第1の補正手段と、上記第2の補正データにより映像の均一性を補正する第2の補正手段とを有することを特徴とする画像補正装置に関するものであり、液晶等を用いた映像表示システムにおいて原理的にあるいはその製造過程等で発生する均一性のムラを、諧調性補正手段と回路的な順番が重要になってくる場合にも、精度良く補正することができる。
【0017】
本発明は、上記発明において、第1のデータ発生手段は、表示画面上の画面サイズに対応して補正データの座標変換を行って補正データを発生することを特徴とするものであり、表示画面上、2次元的に分布した任意の均一性補正波形を出力することができる。
【0018】
本発明は、上記発明において、第2のデータ発生手段は、表示画面上の垂直走査時間に対応して補正データを発生することを特徴とするものであり、垂直走査時間に対応した任意の均一性補正波形を出力することができる。
【0020】
本発明は、上記発明において、記憶手段は、表示画面上の2次元的空間位置に依存する第1の補正データと、表示画面の走査時間に依存する第2の補正データを保持し、この第2の補正データは周波数領域毎に別々に保持することを特徴とするものであり、垂直周波数領域毎に記憶される均一性補正データの量を必要最小限に少なくすることができる。
【0021】
(実施の形態1)
はじめに、本発明の基礎となる空間光変調素子を用いたプロジェクタシステムについて説明する。
【0022】
図8に空間光変調素子1の構造図を示す。50は書き込み光側のガラス基板、51は書き込み光側のITO電極、52はa−Siにより形成されたpin構造のフォトダイオードであり、書き込み側からp型53、絶縁層(i型層)54、n型55の半導体層となっている。また、56はAlの書き込み光の反射膜であり、57はカーボンで形成されたマトリックス構造の絶縁層であり、Alの横方向の導通を遮断している。58は階調表現を司る液晶層であり、強誘電性の液晶材料を用いている。また、59は読みだし光側のITO電極、60は読みだし光側のガラス基板である。61は書き込み光、一方62は読みだし光であり、2は空間光変調素子を駆動するため、二つのITOガラス間に印加するリセットパルスを発生させるリセットパルス発生回路である。
【0023】
次に、図8に示す空間光変調素子1の動作について説明する。まず、液晶層58は電圧が印加されていないとき、反射層58で反射された読みだし光62はその偏光状態を完全に保持して出力され、印加電圧が増加して行くにつれ、偏光状態は徐々に変化し、ある一定以上の電圧が印加されると入射光は完全に遷移した偏光状態で出力されるように配向されている。図8のような構成をとる空間光変調素子1の動作は書き込み光61の強度に対応した電荷を蓄える書き込み期間と、上記の電荷を引き抜くリセット期間とに分けて考えることができる。
【0024】
書き込み期間では、読みだし側が接地されていると仮定すると、書き込み側電圧にはマイナスの電圧が印加されている。つまり、フォトダイオード52は逆バイアスされている。まず、書き込み光61が無い場合、電極間に印加されている電圧は、ほとんどがa−Siダイオード52にかかり、液晶層には電圧はかかっていない状態となる。つまり、入射された読みだし光62はその偏光状態を変化せずにそのまま反射され、出力される。書き込み光61の強度が増加してゆくと、a−Si52のp型53層とi型層54の界面付近で光により励起された電子が多数生成され、それらの電子はプラスの電位に引っ張られ、液晶層58の方向に移動して行く。その結果、液晶層の両端に互いに反対の電荷がたまり、書き込み光61の強度が増加して行くにつれ徐々に液晶層58にかかる電圧は増加して行き、反射された読みだし光62の偏光状態は変化されて出力されるようになる。
【0025】
一方、リセット期間では、読みだし側から見て書き込み側電極にプラスの電圧を印加する。つまり、フォトダイオード52は順方向にバイアスされており、書き込み期間に蓄えられた電荷を一気に引き抜くように動作する。このリセット期間内に完全に電荷を抜き取ろうとして書き込み側にプラスの電圧を印加すると、液晶層58には通常動作状態とは異なる極性の電圧が印加されることになる。よって、リセット期間内の読みだし側の出力光は入射したときの偏光状態を保持したまま出力される。
【0026】
ここで、カーボンで形成されたマトリックス状の絶縁層57は、書き込み期間内に蓄えられた電荷がAlの反射層56を通して横方向に逃げないようにしており、その絶縁層56により区切られた一つ一つが画素を形成している。
【0027】
図9に上記空間光変調素子1を用いたシステムの構成例を示す。1は空間光変調素子、2は空間光変調素子1を駆動するリセットパルス発生回路、3は書き込み映像光発生装置であり、一般的にはCRTが用いられる。4はCRTからの映像を空間光変調素子1上に結像させる役割を行う書き込みレンズ、5はビームスプリッタであり、光の偏光状態の差により、P波を反射させ、S波を透過させる。また、6は読みだし光の光源であり、一般的にはキセノンランプやメタルハライドランプが用いられる。7はスクリーン8上に映像信号を結像させる投射レンズ、9はCRT3へ所望の映像信号を供給する映像信号処理回路である。
【0028】
次に、上記システムの動作について述べる。CRT3で発生した映像の光信号70は、その空間的な強度分布に対応した電荷を空間光変調素子1内に蓄えさせ、反射された読みだし光73の偏光状態を決定する。光源6からは任意の偏光状態の光71が照射されるが、ビームスプリッタ5は先にも述べたように、P波72を反射させ、S波75を透過させる。つまり、空間光変調素子1へ読みだし光72として入射される光はビームスプリッタ5を反射したP波だけとなる。ここで、上記の空間光変調素子1の動作と重ね合わせて考えると、書き込み光70の光強度が強い場合、液晶層58に読みだし側を基準にしてマイナスの電圧が強くかかった状態となり、反射された読みだし光73は入射されたときのP波の状態からS波に変化するため、ビームスプリッタ5を透過し投射レンズ7を通してスクリーン8上に映し出された映像74は明るいものとなる。逆に、書き込み光70が弱く、ほとんどP波のまま反射された読みだし光73はビームスプリッタ5により再び反射されるため、スクリーン上の映像74は暗いものとなる。
【0029】
同様の理由により、リセット期間内の映像も読みだし光の偏光状態がほとんど変化せずに出力されるため、スクリーン上の映像は暗い状態となる。本発明の実施の形態では、空間光変調素子1の書き込み期間内に蓄えられた電荷を抜きとるリセットパルスはCRT3の垂直同期信号と同期させ、リセットパルス期間内の暗く見える部分をCRT3の帰線期間内に入れ込んでいる。本発明で用いたリセットパルスの典型的な例として書き込み期間の電圧が−3.5V、リセット期間の電圧が15V、それぞれの期間の比率が60:1となるように設定している。
【0030】
また、映像信号処理回路9はその必要性に応じて、システム全体の階調性補正及び均一性補正を行う。
【0031】
以上に述べたようなプロジェクタシステムを用いた場合、階調性補正及び均一性補正が必要となる原因については、
1.液晶のγ特性及びそのムラ
2.時間開口率のムラ
3.書き込みレンズ、CRT(書き込み系)の周辺光量比
4.投射系の周辺光量比及び投射角度のあおり等によるシェーディング
といったものが考えられる。以下そのそれぞれについて説明する。
【0032】
1.液晶のγ特性及びそのムラ
液晶のγ特性に関して図10を用いて説明する。図10は横軸が図9に示したシステムに入力される映像信号のレベル、縦軸が階調性補正及び均一性補正を全く行わなかった場合のシステムの出力、つまりこの場合はスクリーン8上の照度であり、80は正常画素のγ特性を示している。一般的に液晶については、その材料に関わらず同様の傾向があるが、ここでは図9の説明でも述べたように強誘電性液晶につい述べる。液晶の配向ムラやその他の要因によっておこる反射率(透過率)の分布に関しては結果的に輝度ムラや色ムラとして認識されるが、γ特性が空間分布を持っていると解釈することができる。
【0033】
この空間分布の起こる原因としては、液晶分子の配向ムラや書き込み及びリセット電圧が十分にかからないこと等があげられるが、ムラとして認識される画素のγ特性は、大きく分けて図10の81及び82のようになる。81は図から明らかなように入力信号方向(横方向)の平行移動及び拡大縮小によって得られ、逆に82はスクリーン照度方向(縦方向)の平行移動及び拡大縮小によって得られる。液晶のムラに関しては上記81や82のような特性を持つ画素が任意に分布していると解釈できる。
【0034】
また、液晶のムラの場合は、液晶パネル平面の2次元的空間位置によって一義的に決定されるため、空間的位置に依存するムラであるといえる。
【0035】
2.時間開口率のムラ
図9に示したシステムでは、一般的な直視型の液晶ディスプレイなどとは異なり時間開口率という概念が必要となる。この時間開口率について図11により説明を行う。
【0036】
本発明の実施の形態で用いた強誘電液晶の場合、光によって書き込まれたと同時に液晶が回転し、白表示を行うが、その液晶の状態は書き込み光が無くなってもリセットがかかるまで維持してしまう。この特性を一般的に強誘電液晶のメモリー効果と呼んでいるが、この特性のためリセットと書き込みのタイミングの差によって時間開口率が空間的に異なり、輝度のムラとなって見えてしまう。また、CRTの光強度の大きさによって液晶の回転角及び回転のスピードが変化し、階調表現が可能となる。図11は、その階調表現のシステムについて説明されたものである。85は1フィールド期間に1回印加されるリセットパルス、86はCRTの発光特性であり、横軸は時間、縦方向は光強度を示し、時間とともに指数関数的に減少している。87から89はスクリーン上での光強度であり、それぞれCRTの光強度が弱いとき、中間の時、強いときに対応している。
【0037】
図12(a)、(b)及び(c)は、それぞれスクリーン上で上部(リセットパルスの直後に書き込まれるとき)、中部(リセットパルスから書き込まれるまでほぼ1垂直期間の半分であるとき)及び下部(書き込まれてからすぐにリセットされるとき)に対してのものである。画面上部(a)について、90はリセットパルス、91はCRTの発光特性であり、縦方向は光強度を示し、時間とともに指数関数的に減少している。92はスクリーン上での光強度であり、リセットパルスの後すぐにCRTからの光により書き込まれているため、ほとんど1フィールド期間光り続けることになる。この場合、時間開口率はほぼ100%となる。実際に人間の目に明るさとしてとらえられるのは、光強度のピーク値ではなく、時間平均であり、図12の斜線部分の面積である。この面積比率を時間開口率と呼ぶこともできる。
【0038】
画面中部(b)に関して説明する。93はリセットパルス、94はCRTの発光特性、95はスクリーン上の光強度であり、1フィールドのほぼ真ん中で書き込まれている。この場合、液晶は(a)の時と同様書き込まれたと同時に白表示をするが、リセットパルスまでの期間は上記(a)の時と比較して約半分程度になる。つまり、時間開口率が減少し、暗くなる訳である。
【0039】
次に画面下部(c)の状態は、CRTにより光書き込みされてからすぐにリセットパルスが印加されている。このような場合、液晶がリセットされてもCRTの残光特性により次のフィールドで書き込まれた状態になり、液晶が若干回転してしまう。もちろん、CRTの光強度によって次フィールドの残光の強度が異なるため、スクリーン上の光強度は変化する。
【0040】
上記のような理由により垂直周波数の周期で時間開口率のムラができ、γ特性が変化する。図13はその結果生ずるγ特性であり、横軸は入力信号のレベル、縦軸は時間開口率である。。画面の上部から上部99、上部から中部にかけての領域100、中部101、下部102に対してのγ特性である。その結果を見ると、99、101、102のγ特性はスクリーン照度方向(縦方向)の平行移動及び拡大縮小によりそれぞれを近似できる。一方、画面上部から中部にかけてのγ特性は、入力信号方向(横方向)の平行移動及び拡大縮小によりそれぞれを近似できる。
【0041】
また、時間開口率によるムラは、CRTからの書き込み光とリセットパルスのタイミングによって決定されるものであるから、空間的位置ではなく、垂直走査時間に依存するムラであるといえる。
【0042】
3.書き込みレンズ、CRT(書き込み系)の周辺光量比
一般にレンズやCRTは画面中央と比較して周辺は暗くなるが、ここで、書き込み系の周辺光量比に起因するγ特性について考える。図14は画面の中心110と周辺111に対するγ特性曲線であり、書き込み系にのみムラがあり、その他の液晶デバイスや投射光学系にはムラがないと仮定した場合のものである。図14の見方は図10と同様であるが、書き込み光の強度自体にムラがあるため、結果的にスクリーン上の光強度は入力信号方向(横方向)の拡大縮小によって近似できる。
【0043】
また、書き込み系のは、CRTや書き込みレンズの2次元的空間位置によって一義的に決定されるため、空間的位置に依存するムラである。
【0044】
4.投射系の周辺光量比及び投射角度のあおり等によるシェーディング
次に、投射光学系のムラやシェーディングに関して考える。図15は画面の中心112と周辺113に対するγ特性曲線であり、投射系にのみムラがあり、その他の液晶デバイスや書き込み系にはムラがないと仮定した場合のものである。この場合は、先ほどのィとは逆に書き込み光の光強度にはムラがなく、デバイス以降の投射系のムラであるため、スクリーン照度方向(縦方向)の拡大縮小によって近似できる。
【0045】
また、投射系ののムラの場合は、投射レンズの2次元的空間位置やスクリーンとの角度によって一義的に決定されるため、空間的位置に依存するムラである。
【0046】
ここで、補足すると、スクリーン上のγ特性は、これまでに述べてきた液晶自身のγ特性と時間開口率に起因するγ特性との合成となり、さらには書き込み系及び投射系の影響を受けたものとなる。
【0047】
上記1〜4のムラに対する特徴を表1にまとめる。なお、補正の順番は諧調性補正との順番を示し、例えば、後段とは諧調性補正の後段で均一性補正をするべきムラであるという意味である。補正の順番に関しては後述するが、まず、2次元的空間位置に依存する均一性のムラを補正するための空間依存データと、走査時間に依存する均一性のムラを補正するための走査時間依存データについて述べる。
【0048】
【表1】
Figure 0003622370
【0049】
図16(a)は空間依存データについて、(b)は走査時間依存データに対しての説明である。表示画面121のある縦方向のA点からB点の1ラインに着目し、その部分の均一性補正波が122のようであったと仮定する。さらに、表示画面121が縦方向に小さくなって123のようになり、A点およびB点がそれぞれA’点、B’点に移動したとする。空間依存データの場合、A’点からB’点の補正データは、もともとのA点からB点の補正データのうちの対応する一部を用いて表現することが可能であり、その補正波は124のようになる。
【0050】
一方、走査時間依存データの場合、同様に表示画面125が小さくなって127のようになったとすると、もとのA点からB点の補正波126はその形状は保存したままA’点からB’点の補正データ128とならなければならない。
【0051】
ここで、何らかの要因により画像を表示している表示画面と空間光変調素子やレンズ、CRTといったものとの表示画面と平行な面内で2次元的な空間位置がずれてしまった場合に、自動的に均一性補正データを変換し、破綻のないようにするシステムを構築しようとしたときを考える。この場合、空間的位置に依存するデータは変換されなければならないが、時間的位置に依存するデータ、つまり時間開口率に起因するムラを取り除くためのデータは変換されてはならず、出画される映像信号に対して一義的に決定されなければならない。これは、後で詳しく述べる。
【0052】
以上に述べてきた複数のムラに対する補正システムの例を図1から図3を用いて説明する。なお、構成要素を表す数字の後につけた小文字のアルファベットがことなっても数字が同じであれば、同じ機能を持つ構成要素である。
【0053】
図1は本発明の第1の実施の形態を示す構造図であり、図9中の映像信号処理ブロック9に関してのものである。11aは空間依存データ発生手段であり、2次元的空間位置に依存するムラを取り除くための均一性補正波を発生する。12aは走査時間依存データ発生手段であり、垂直走査時間に依存するムラを取り除くための均一性補正波を発生する。13aは加算手段であり、空間依存データと走査時間依存データを加算する。14aは補正手段であり、加算手段13aにより加算された均一性補正波に従って、映像信号を変調する。また、15は補正波発生手段であり、空間依存データ発生手段11a、走査時間依存データ発生手段12aおよび加算手段13aを含む。
【0054】
図1に示す構成の映像表示装置により、空間依存データ発生手段11aで空間光変調素子と書き込みレンズおよびCRTと投射系のムラを補正し、走査時間依存データ発生手段で時間開口率に起因するムラを補正することができる。これは請求項1で述べた内容である。
【0055】
図2に空間依存データ発生手段11aの構成例を示す。16aは水平同期信号、垂直同期信号をもとに表示画面上に空間的に分布したアドレス信号を発生させるアドレス発生手段、17aはアドレス発生手段16aから発生されるアドレス信号をもとに、そのアドレスに対応する均一性補正データを記憶し、読み出してくる記憶手段、18aは上記記憶手段に記憶されている不連続なデータをもとに、ある決められた関数で補間演算し、連続的な均一性補正波に変換する演算手段である。ここで、機能的にみたブロック図は図2で示したものであるが、ハード構成的には本発明の実施の形態の場合、記憶手段17aはEEPROMで、アドレス発生手段はマイクロコンピュータで、また演算手段18aは上記マイクロコンピュータの命令によりVRAMで行われている。なお、空間依存データ発生手段11aは、RGBの幾何学的色ズレ補正に用いられるデジタルコンバージェンス補正回路を応用して用いたものである。これは、請求項2に対応する。
【0056】
次に、空間依存データ発生手段11aから発生される均一性補正波の発生のしくみについて図3を用いて説明する。
【0057】
図3において、21は1垂直期間の映像信号の例を示しており、a、b、c、dは、垂直期間の始まりからt1経過した後、時間軸上△tおきに配置した点である。図3(a)は表示画面サイズが大きいときに関して、(b)は表示画面が小さいときに関しての図であるが、まず(a)について説明する。クロスハッチの格子点は均一性補正の補正点を表しており、縦(垂直方向)にn個、横(水平方向)にm個の補正点を持っている。この補正点に対応したアドレスがアドレス発生手段16aから出され、データが記憶手段17aに記憶されている訳である。22はクロスハッチ信号のある垂直方向の1ラインであり、格子点A,B,C,Dは垂直ライン22上の連続した4点を表す。なお、このA、B、C、Dは、映像信号波形a、b、c、dに対応している。23は実際に出力される均一性補正波であり、格子点A,B,C,Dのデータからある重み付け関数のもと演算される。
【0058】
次に、垂直方向に表示画面サイズが小さくなった場合を考える。この場合、映像信号上のa,b,c,d点は、その時間軸上の位置はそのままであるが、(b)に示すように、空間的にはA’,B’,C’,D’点に移動する。ここで、B点が画面の中心であり、B=B’であるとすると、補正データの空間的分布は変化してはいけないため、補正波は25の実線のようになる。つまり、時間軸上の位置から空間的なアドレス信号をアドレス発生手段16aは発生するが、画面サイズに対応して、このアドレス信号を変換しなければならない。具体的には、a点のアドレス信号は、常に垂直期間の始まりからt1後に発生するが、2次元空間的にはA点からA’点に座標を変換してやらなければならず、結果的に均一性の補正データは、A点の補正データからA’点の補正データに変更し、時間軸上a点の補正データとして読み出してやらなければならない。これが請求項2に対応する。
【0059】
なお、上記のような技術は、行列の座標変換の手法を用いて解析が可能であるが、一般には画面サイズだけでなく、台形補正歪み等にも対応しなければならないため、実際の変換式は、非常に複雑なものとなる。
【0060】
一方、走査時間依存データ発生手段12aについて説明する。時間開口率の概念は図11から図13を用いて説明した通りであるが、リセットパルスが垂直周波数の周期であるため、時間開口率の差により引き起こされるムラは、垂直周期で変化する。よって、空間依存データのように2次元的に補正点が分布している必要はなく、垂直方向にのみデータを記憶し、水平方向はすべて同じデータで対応すればよいことがわかる。よって、回路構成的には図2のブロック図で全く同じように表現することが可能となる。ただし、アドレス発生手段16aは、水平同期信号が不必要となり、垂直同期信号から垂直方向のみのアドレスを発生させれば良い。
【0061】
また、図3を用いて空間依存データとの差について述べる。走査時間に依存するデータとは、垂直走査期間の始まりからの時間により一義的に決定されるデータであるから、映像信号波形21でa,b,c,d点に対する補正データは、表示画面サイズが変わっても、変化してはならない。つまり、A点でもA’点でも同じデータを読み出してこなければならない。この場合が請求項3に対応する。
【0062】
次に、加算手段13aは、一つの方法としてオペアンプやトランジスタ回路によりハード的に構成される。
【0063】
また、加算手段13aのもう一つの方法は、ソフト的の演算処理により行われるものであり、
U(x,y)=S(x,y)+TA(y)
といった簡単な加算処理により行われる。ただし、Uは合成された均一性補正波、Sは空間依存の補正波、TAは走査時間依存の補正波であり、xは水平方向、yは垂直方向に対応する。この場合、アドレス発生手段16a、記憶手段17aおよび演算手段18aはハード的には全て共用することができ、ソフト的に分割して処理すればよいことになるため、コストの面では非常に経済的となる。
【0064】
次に、補正手段14aについて図4に説明する。なお、補正手段を表す数字についている小文字のアルファベットは、異なる場合でも構成は同じであるため、図4では省いている。31は乗算回路であり、一つ目の補正波発生手段15aからの均一性補正波と映像信号をアナログ的に掛け合わせる。また、32は加算回路であり、乗算回路31を通った映像信号と二つ目の補正波発生手段15bからの均一性補正波とをたし合わせる。このように実際の均一性補正システムは、乗算回路31および加算回路32にそれぞれ別の均一性補正波を入力し、映像信号を変調するものである。また、変調された映像信号は、CRTドライブ回路をへてCRTへ出力される。
【0065】
(実施の形態2)
均一性補正と諧調性補正を同時に行うようなシステムを考える。ここで、諧調性補正手段は直線的な折れ点近似によりアナログ的に補正するような回路を仮定する。
【0066】
前記1〜4にγ特性の空間分布及び輝度ムラがおこる要因について述べてきたが、結果的にスクリーン上に現れてくるγ特性は、入力信号方向(横方向)の近似とスクリーン照度方向(縦方向)の近似と大きく二つに分けられることがわかる。これは液晶によるムラについて示した図10と結果的に同じものであるが、以下この図10を用いてγ特性の空間分布を補正する概念について述べる。
【0067】
先にも述べたが、図10は補正を全く行わなかった場合、出力される光強度である。図10の(b)及び(c)に示したようなγ特性の分布があり、このようなγ特性を直線的な折れ点近似によりアナログ回路で階調性補正を行う場合、(b)と(c)では補正方法が異なってくる。
【0068】
これを数式で簡単に説明すると、映像信号波形xに対して、階調性補正回路がg(x)、均一性補正がax+bという関数で表される場合を考える。均一性補正を先に行い、階調性補正をその後に行うときは、その出力は、g(ax+b)で表現され、逆に階調性補正を先に行い、その後に均一性補正を行うときは、その出力は、ag(x)+bで表される。ここで、関数g(x)が非線形であった場合、二つの出力は、
g(ax+b)≠ag(x)+b
となる。つまり、上記二つの補正の順番で、その出力は異なってしまうことが分かる。
【0069】
具体的には、図10(c)の場合は、直線近似による折れ点の位置は入力信号に対して一定であり、補正回路の順番としては均一性補正を行ってから階調性補正を行い、CRTへ出力する必要がある。この回路構成によって補正されるムラは、液晶自身のムラの一部、図13に示した時間開口率ムラの中の画面上部から中部にかけての領域100に対するγ特性、及び上述した投射光学系のムラである。一方、図10(b)の場合は、スクリーン照度に対して折れ点の位置を一定にする必要があるため、補正回路の順番としては階調性補正を行ってから均一性補正を行い、CRTへ出力する必要がある。この回路構成によって補正されるのは、液晶自身のムラの一部と、時間開口率ムラの中の上部99、中部101、下部102の領域のγ特性、及び書き込み系のムラである。結果を表1にまとめる。
【0070】
ここで、2次元的空間位置に依存するムラは、そのほとんどが空間光変調素子に起因するものであり、図10(c)のようにスクリーン照度方向の平行移動および拡大縮小で表される場合を考える。この場合、走査時間に依存する時間開口率に起因するγ特性の空間分布は、そのほとんどが入力信号方向の平行移動および拡大縮小で表現されるため、ハード構成的には図5のような構成で均一性を補正することが可能となる。以下、図5について説明する。
【0071】
11bは空間依存データ発生手段、12bは走査時間依存データ発生手段、14bは空間依存データ発生手段11bからの補正波により映像信号を変調する第1の補正手段、14cは走査時間依存データ発生手段12bからの補正波により映像信号を変調する第2の補正手段、36はγ特性の補正を行う諧調性補正手段である。映像信号は第1の補正手段14bに入力された後、諧調性補正手段36を通り、第2の補正手段に入力される。この構成が請求項4に対応する。
【0072】
なお、空間依存データ発生手段11bおよび走査時間依存データ発生手段12bは図2に示した構成図と同様のものであり、また、補正手段14bおよび14cは、図4で示した構成図と同様のものであるため、ここでは、詳細は説明しない。空間依存データ発生手段11bに関しては請求項5に、走査時間依存データ発生手段12bに関しては請求項6に規定しており、内容は本発明の第1の実施の形態の場合と同じである。
【0073】
(実施の形態3)
ここで、時間開口率と垂直同期周波数の関係について説明する。時間開口率による画面垂直方向のγ特性の分布は、図13に示した通りであるが、垂直同期周波数が変化すると、表示画面上全く同じであっても、CRTからの書き込みと空間光変調素子に印加されるリセットパルスとのタイミングが変化するため、γ特性の分布は異なってくる。具体的に説明すると、垂直同期信号が低いときは図17(a)のように画面垂直方向のγ特性の分布は非常に大きくなり、垂直周波数が高くなるに従って、図17(b)に示すように、またさらに垂直周波数が高くなると(c)に示すように、段々と時間開口率の空間分布は小さくなってゆく。これは、垂直同期信号の周波数が高いということは、空間光変調素子のリセットの周期が長いことを意味しているため、画面上の時間開口率に起因するγ特性の空間分布が大きくなることは明かである。なお、図17は本発明の実施の形態で用いた映像表示システムについてのものであり、(a)垂直周波数が低いときは、おおよそ40Hz程度、(b)垂直周波数が中間レベルのときは、60Hz程度、(c)垂直周波数の高いときは、90Hz以上の周波数に対する代表的な分布特性を示している。
【0074】
上記のようなγ特性の空間分布、つまり結果的にスクリーン上では均一性を補正するために、実際にどのような補正波が必要か考える。実際の均一性補正は、図4に示すような乗算器26と加算器27にそれぞれ乗算用の補正波と加算用の補正波を加えることにより行われる。当然のことながら乗算は映像信号のゲインを、加算はDCレベルを制御するため、図18(a)の垂直周波数が低いときが最も補正波は大きくなり、周波数が高くなるに従って、補正波は小さくなってくることがわかる。図18に、表示画面131のある垂直方向のA点からB点の1ラインに対しての乗算および加算に対する補正波形を各周波数領域毎に示す。図18に示すように、垂直周波数が高くなるにつれて乗算補正波形は、132から134、136というように小さくなってゆき、加算補正波系は、133から135、137というように同様に小さくなってゆく。つまり、マルチスキャン対応の映像表示システムで、本発明の実施の形態ような時間依存の補正データが存在する場合、垂直同期信号の周波数によって補正データを切り換えなければならない。なお、図18の(a)、(b)、(c)は図17の(a)、(b)、(c)に対応する。
【0075】
図6に本発明の第3の実施の形態を示す。41aは周波数判別手段であり、垂直同期信号の周波数を判別し、各周波数領域毎の判別信号を出力する。記憶手段17bは各周波数領域毎のデータを記憶しており、上記判別信号に従った補正データを読み出し、演算手段18bへ出力する。なお、アドレス発生手段16b、記憶手段17b、演算手段18bおよび補正手段14dの働きは、これまでに述べた通りである。本発明の実施の形態の場合、具体的に垂直同期信号が38〜150Hzの範囲で7つの周波数領域に分割している。ここまで述べてきた構成例が請求項7に対応する。
【0076】
これまでに述べてきた通り、均一性の補正データは、空間依存データと走査時間依存データとからなるため、それら二つを最終的に合成して補正波としなければならない。空間依存データは空間光変調素子等の位置に依存するため、垂直周波数でデータを切り換えてはならないが、前述したように、走査時間依存データは、垂直周波数によりデータを切り換えなければならない。よって、空間依存データと時間依存データの両方をたし合わせたものを記憶手段に蓄えておくよりも、空間依存データは1面だけ持ち、時間依存データのみ各周波数毎に蓄え、判別信号により切り換えて最終的に空間依存データとたし合わせるのがメモリー容量等の関係で有利である。
【0077】
図7に図6に示す実施の形態の応用例を示す。41bは周波数判別手段、16cはアドレス発生手段、17cおよび18cはそれぞれ走査時間依存データに関する記憶手段および演算手段、17dおよび18dはそれぞれ空間依存データに関する記憶手段および演算手段、13bは空間依存データをもとに作られる空間依存補正波と走査時間依存データをもとに作られる走査時間依存補正波とをたし合わせる加算手段、14eは映像信号を変調する補正手段である。個々の構成要素は、これまでに述べてきたように動作するが、図6に示す実施の形態と異なり、記憶手段には一つの空間依存データと複数の時間依存データが蓄えられる。なお、記憶手段17c、17dや演算手段18c、18d等はハード構成的には分ける必要はなく、また、加算手段13bはソフト的なプログラムの中で行うこともできる。この構成例が請求項8に対応する。
【0078】
なお、補正手段14は本発明の場合、三つの例とも映像信号を変調するものであるが、映像の均一性を補正するという意味では、必ずしも映像信号を変調する方法しか考えられないわけではない。例えば、CRTのランディング等の調整も映像の均一性を補正するものである。
【0079】
また、本発明は実施の形態は、三つとも単色の場合について述べたが、カラー表示を行う映像表示システムの場合、それぞれの例で述べた構成図をRGBの三原色で三つ用いなければならないことは明かである。
【0080】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の実施の形態によれば、液晶等を用いた映像表示システムにおいて、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データと、表示画面の走査時間に依存する補正データとを合成し、合成した補正波形により映像信号を変調することにより、様々な要因の均一性のムラを精度良く補正することが可能となり、その実用的効果は大きい。
【0081】
また、本発明の第2の実施の形態によれば、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データと、表示画面の走査時間に依存する補正データとを別々の補正手段で映像信号を変調することにより、諧調性補正を同時に行うシステムにおいても均一性ムラを精度よく補正することができ、その実用的効果は大きい。
【0082】
さらに、本発明の第3の実施の形態によれば、映像表示システムが走査時間依存の補正データを持つ場合、垂直同期信号の周波数を判別し、各周波数領域毎に別々の補正データを蓄えることにより、マルチスキャン対応する映像表示システムにおいても、広い周波数範囲で精度良く均一性のムラを補正することができ、その実用的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す構成図
【図2】空間依存データおよび走査時間依存データ発生手段の一例を示す構成図
【図3】空間依存均一性補正波発生のしくみを示す図
【図4】補正手段の一例を示す構成図
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す構成図
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す構成図
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る応用例を示す構成図
【図8】本発明の一実施の形態における空間光変調素子の構造図
【図9】本発明の一実施の形態プロジェクタシステムの構成図
【図10】γ特性の空間分布の説明図
【図11】時間開口率の説明図
【図12】γ特性の空間分布の説明図
【図13】時間開口率の差によるγ特性の空間分布を示す図
【図14】書き込み系によるγ特性の空間分布を示す図
【図15】投射系によるγ特性の空間分布を示す図
【図16】空間依存データと時間依存データの説明図
【図17】垂直周波数が変化したときの時間開口率に起因するγ特性の空間分布を示す図
【図18】垂直周波数が変化したときの均一性補正波を示す図
【図19】従来の均一性補正装置の一例を示す構成図
【図20】従来のデジタルコンバージェンス補正装置の一例を示す構成図
【符号の説明】
11a 空間依存データ発生手段
12a 走査時間依存データ発生手段
13a 加算手段
14a 補正手段
15a 補正波発生手段

Claims (4)

  1. 映像表示装置の表示画面の色ムラや輝度ムラなどの均一性を補正する装置であって、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データを発生させる第1のデータ発生手段と、表示画面の垂直走査期間の始まりからの時間に依存する補正データを発生させる第2のデータ発生手段と、上記第1と第2のデータ発生手段から発生するデータを加算するデータ加算手段と、上記加算データにより画面上の映像の均一性を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする画像補正装置。
  2. 第1のデータ発生手段は、表示画面上の画面サイズに対応して補正データの座標変換を行って補正データを発生することを特徴とする請求項1記載の画像補正装置。
  3. 映像表示装置の表示画面の色ムラや輝度ムラなどの均一性を補正する装置であって、表示画面上の2次元的空間位置に依存する補正データを発生させる第1のデータ発生手段と、表示画面の垂直走査期間の始まりからの時間に依存する補正データを発生させる第2のデータ発生手段と、上記第1の補正データにより映像の均一性を補正する第1の補正手段と、上記第1の補正手段の出力を入力して映像の階調性を補正する階調性補正手段と、上記階調性補正手段の出力を上記第2の補正データにより映像の均一性を補正する第2の補正手段とを備えたことを特徴とする画像補正装置。
  4. 第1のデータ発生手段は、表示画面上の画面サイズに対応して補正データの座標変換を行って補正データを発生することを特徴とする請求項3記載の画像補正装置。
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